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特許拒絶査定不服審判

2017-004692

印刷システム、印刷システムの制御方法およびコンピュータプログラム

審判番号
2017-004692
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-028709外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年04月04日
審決日
2017年10月23日
公報発行日
2017年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 28709「印刷システム、印刷システムの制御方法およびコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月28日出願公開、特開2014-157532、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成25年2月18日の出願であって,平成28年10月18日付けで拒絶理由通知がされ,平成28年12月6日に意見書と手続補正書が提出され,平成29年1月4日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成29年4月4日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年1月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-9に係る発明は,以下の引用文献1-4に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2010-282625号公報 2.特開2012-009045号公報 3.特開2007-293759号公報 4.特開2012-178086号公報 第3 本願発明 本願請求項1-9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は,平成29年4月4日に提出された手続補正書による手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-9は以下のとおりの発明である。 「  【請求項1】 文書データを基に生成された印刷ジョブを画像処理装置へネットワークを介して送信する印刷サービス装置と,非接触型の近距離通信ユニットを備える端末装置と,前記非接触型の近距離通信ユニットを備えた画像処理装置とから構成される印刷システムであって, 前記端末装置は,文書データが選択されたことにより,印刷を実行する画像処理装置を特定することなく前記印刷サービス装置に対して印刷を指示するWebブラウザの指示手段を備え, 前記印刷サービス装置は,前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を,前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令を送信する送信手段を備え, さらに前記端末装置は,前記命令を受信したことに応じて,前記近距離通信ユニットに前記保存情報を書き込むWebブラウザの書き込み手段を備え, 前記画像処理装置は, 前記画像処理装置の近距離通信ユニットによる通信を開始し,前記書き込み手段によって前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込まれた前記保存情報を取得する取得手段と, 前記取得手段により取得された前記保存情報に基づいて前記印刷ジョブを基に印刷する印刷手段と,を備える ことを特徴とする印刷システム。 【請求項2】 前記印刷サービス装置は,印刷を実行する画像処理装置を特定することなく前記指示手段により印刷が指示された際に,前記生成された印刷ジョブを前記端末装置の情報に紐付けて前記保存場所に保存する保存手段を備え, 前記端末装置は,複数の文書データの印刷が指示される場合に,前記保存場所に保存された印刷ジョブのジョブリストを要求する要求手段を備え, 前記保存手段は,前記ジョブリストの要求に応じて,前記端末装置の情報に紐付けて前記保存場所に保存された全ての印刷ジョブに関するジョブリストを前記端末装置に送信し, 前記指示手段は,取得された前記ジョブリストに含まれる印刷ジョブのうち,選択された一または複数の印刷ジョブに対応する文書データの印刷を前記印刷サービス装置に対して指示する ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。 【請求項3】 前記端末装置は,前記送信手段により送信された命令に基づいて,前記画像処理装置との近距離通信ユニットによる通信を開始したときに前記端末装置の近距離通信ユニットに前記保存情報を書き込む書き込み手段をさらに備え, 前記端末装置の近距離通信ユニットは,書き込まれた前記保存情報を前記画像処理装置の近距離通信ユニットに送信する ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷システム。 【請求項4】 前記保存情報は,前記印刷ジョブのネットワークにおける保存場所を示すURLを含む ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷システム。 【請求項5】 前記端末装置は,前記文書データを選択する前記ジョブリストの画面を表示する表示手段を備え, 前記表示手段は,前記印刷を実行する画像処理装置を特定することなく印刷サービス装置に対して印刷が指示される際に,前記画面をフローティング表示またはポップアップ表示する ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の印刷システム。 【請求項6】 前記非接触型の近距離通信ユニットは,少なくともNFCリーダ/ライタまたは符号化コードリーダ/ライタのいずれかである ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷システム。 【請求項7】 前記非接触型の近距離通信ユニットは,前記符号化コードリーダ/ライタであり, 前記表示手段は,前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を含む符号化コードを,前記文書データを選択するための画面上に表示または前記画面上にフローティング表示する ことを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。 【請求項8】 文書データを基に生成された印刷ジョブを画像処理装置へネットワークを介して送信する印刷サービス装置と,非接触型の近距離通信ユニットを備える端末装置と,前記非接触型の近距離通信ユニットを備えた画像処理装置とから構成される印刷システムの制御方法 であって, 前記端末装置が,文書データが選択されたことにより,印刷を実行する画像処理装置を特定することなく印刷サービス装置に対して印刷を指示するWebブラウザの指示工程と, 前記印刷サービス装置が,前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を,前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令を送信する送信工程と, さらに前記端末装置が,前記命令を受信したことに応じて,前記近距離通信ユニットに前記保存情報を書き込むWebブラウザの書き込み工程と, 前記画像処理装置が,前記画像処理装置の近距離通信ユニットによる通信を開始し,前記書き込み工程によって前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込まれた前記保存情報を取得する取得工程と, 前記画像処理装置が,前記取得工程により取得された前記保存情報に基づいて前記印刷ジョブを印刷する印刷工程と,を有する ことを特徴とする制御方法。 【請求項9】 請求項8に記載の制御方法をコンピュータにより実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。」 第4 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には,「ポータブルデバイスから文書を印刷する方法およびシステム」(発明の名称)に関し,図面とともに次の事項が記載されている。なお,下線は重要箇所に対して当審が付与した。 ア 「【背景技術】 【0002】 ポータブルデバイスの急増は,人々の働き方に変化をもたらしている。たとえば,人々は,大容量の文書,プレゼンテーションスライド,およびスケジュールを含むことができる文書添付ファイルを持つ電子メールを受信する。通常,そのような添付ファイルは,画面サイズが制限されているのでポータブルデバイスでは読むことが困難である。同時に,ポータブルデバイスから印刷することは,いくつかの理由により困難である。ポータブルデバイスは,プリンタドライバをサポートするための十分なメモリまたは演算能力を備えていない場合もある。ポータブルデバイスのオペレーティングシステム用に設計されたプリンタドライバが使用可能ではないこともある。ポータブルデバイスは多くの場合,新しい環境において近傍のプリンタを検出する必要があるが,これは多大な時間を要し,常に正常に行われるとは限らない。さらに,ポータブルデバイスは,プリンタへの安全なネットワークアクセスを備えていない場合もあるので,印刷プロセスにセキュリティ上の問題をもたらすおそれがある。 【0003】 ポータブルデバイスからの印刷に対する現在の解決策は,複雑になっている。ポータブルデバイスは,プリンタの検出,ソフトウェアドライバのダウンロード,アカウントの作成,文書のアップロード,プリンタへのログイン,および文書の選択を含む,複雑な一連のステップに従う必要がある。加えて,ポータブルデバイスからの印刷には,ブルートゥース(商標),WiFi(商標),FRID,NFC,USB,およびlrDAのような,新しい高価および/または追加設置のハードウェアが必要となる。」 イ 「【0014】 図1Aは,一実施形態によるポータブルデバイスから文書を印刷するための例示的なシステムを示す図である。この例において,ポータブルデバイス162には,印刷する文書164があることが仮定される。動作中,ポータブルデバイス162は最初に,文書164をPrintTicketサービス160に送信する。これに応答して,PrintTicketサービス160は,文書164を文書ホスティングサーバ168に転送するが,これは今後の検索のために文書164を格納する。次いで,PrintTicketサービス160は,光学式コード166を生成するが,これはサーバ168上の文書164の場所を示す。次いで,光学式コード166は,ポータブルデバイス162に伝送される。この説明において,光学式コードは,スキャナまたはデジタルカメラのような,任意の光学的感知デバイスによって取り込まれて認識されうる情報の任意の光学的表現であってもよい。標準的な光学式コードは,1次元バーコード,2次元バーコード(マトリクスコードとも呼ばれる,「Quick Response」または「QR」コードなど),およびデータグリフを含むが,これらに限定されることはない。 【0015】 次いで,ポータブルデバイス162のユーザは,光学式コード166を,プリンタ170に関連付けられているスキャナに表示することができる。光学式コード166をスキャンして認識した後,プリンタ170は,文書164の場所を判別して,サーバ168から文書164を検索し,それを印刷する。プロセス全体において,ポータブルデバイス162がプリンタ170を電子的に検出する必要も,プリンタドライバをダウンロードする必要もない。ポータブルデバイス162のユーザが,視覚的にプリンタの位置を確認することができ(印刷された文書を検索するためにユーザがいずれにしても行う必要がある),光学式コード166を関連するスキャナに表示しさえすれば,印刷は実行されてもよい。さらに,この方法は,ポータブルデバイスとプリンタとの間の文書転送またはハンドシェーキングプロセスを必要としないので,特定の文書フォーマットまたはプリンタタイプに限定されることはない。 【0016】 この方法の多数の変形例を実施することができる。たとえば,PrintTicketサービス160は,スタンドアロンのサーバ,ポータブルデバイス162,または文書ホスティングサーバ168によって提供されてもよい。文書ホスティングサーバ168は,URL(universal resource locator)によって識別されうる公的にアクセス可能な場所において文書164を格納することができ,このURLは光学式コード166でエンコードすることができる。さらに,文書ホスティングサーバ168はまた,ポータブルデバイス162の一部であってもよいが,これは文書がプリンタ170によってアクセスすることができるURLとともにポータブルデバイス162に保存されるという意味である。加えて,プリンタ170は,スキャナを含む多機能デバイス(MFD)であってもよい。プリンタ170はまた,スキャナにも結合されているコンピュータに結合された標準的なプリンタであってもよい。コンピュータおよびスキャナは共同で光学式コード166のスキャンと認識を実行する。」 ウ 「【0020】 加えて,システムは,あらゆるポータブルデバイスをサポートし,ほとんど機構を備えていないモバイルデバイス上で機能するように変更されてもよい。システムは,たとえば,ローカルエリアネットワーク(LAN),ワイドエリアネットワーク(WAN),独自ネットワーク,またはインターネットなど,ほとんどのネットワーク構成で機能することができる。もう1つの利点は,ユーザがプリンタの名前/識別子,ネットワークアドレス,またはプリンタに関するその他の技術情報を知る必要はないということである。ユーザはまた,特定のプリンタが故障しているとき,発見を必要とせずにプリンタを切り替えることもできる。」 上記摘記事項,図面の記載及びこの分野における技術常識を勘案すると,上記引用文献1には,「ポータブルデバイス162」,「PrintTicketサービス160」,「文書ホスティングサーバ168」,「プリンタ170」を含む「ポータブルデバイスから文書を印刷するシステム」に関する次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「ポータブルデバイス162は最初に,文書164をPrintTicketサービス160に送信し,これに応答して,PrintTicketサービス160は,文書164を文書ホスティングサーバ168に転送するが,これは今後の検索のために文書164を格納し,次いで,PrintTicketサービス160は,光学式コード166を生成し,これはサーバ168上の文書164の場所を示し,次いで,光学式コード166は,ポータブルデバイス162に伝送され,この説明において,光学式コードは,スキャナまたはデジタルカメラのような,任意の光学的感知デバイスによって取り込まれて認識されうる情報の任意の光学的表現であってもよく, 次いで,ポータブルデバイス162のユーザは,光学式コード166を,プリンタ170に関連付けられているスキャナに表示することができ,光学式コード166をスキャンして認識した後,プリンタ170は,文書164の場所を判別して,サーバ168から文書164を検索し,それを印刷するシステムであって, PrintTicketサービス160は,文書ホスティングサーバ168によって提供され, 文書ホスティングサーバ168は,URL(universal resource locator)によって識別されうる公的にアクセス可能な場所において文書164を格納することができる, システム。」 2.引用文献2,3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特に,【0026】),引用文献3(特に,【0039】-【0040】)によれば,「携帯端末からプリンタへ赤外線通信により印刷対象の保存場所を伝達すること」(以下,「周知技術」という。)は周知である。 3.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4(特に,【0085】-【0087】)によれば,「サーバ上に保存されユーザーIDに関連付けられている印刷ジョブのリストを携帯端末装置11の表示装置に表示させること、ユーザーは表示装置に表示されたリストから実行させたいジョブを選択すること」(以下,「引用文献4記載の技術的事項」という。)が記載されている。 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比・検討 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 a.引用発明の「ポータブルデバイス162」は,文書の印刷時に「文書164をPrintTicketサービス160に送信」するが,「もう1つの利点は,ユーザがプリンタの名前/識別子,ネットワークアドレス,またはプリンタに関するその他の技術情報を知る必要はないということである。ユーザはまた,特定のプリンタが故障しているとき,発見を必要とせずにプリンタを切り替えることもできる。」(【0020】)の記載によれば,このときユーザがプリンタを指定していないことは明らかであり,また,後述するように「PrintTicketサービス160」は「印刷サービス装置」に含まれるものであるから, 引用発明の「ポータブルデバイス162」は,「文書データが選択されたことにより,印刷を実行する画像処理装置を特定することなく前記印刷サービス装置に対して印刷を指示する」「指示手段」を備えた「端末装置」といえる。 b.引用発明では「PrintTicketサービス160は,光学式コード166を生成し,これはサーバ168上の文書164の場所を示し,次いで,光学式コード166は,ポータブルデバイス162に伝送され」,「文書ホスティングサーバ168は,URL(universal resource locator)によって識別されうる公的にアクセス可能な場所において文書164を格納することができる」が,ここで,「PrintTicketサービス160は,文書ホスティングサーバ168によって提供される」ものであるから, 引用発明の「文書ホスティングサーバ168」は,「前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報」を端末装置に「送信する送信手段」を備えた「印刷サービス装置」といえる。 c.引用発明の「プリンタ170」は,「前記保存情報を取得する取得手段」と,「前記取得手段により取得された前記保存情報に基づいて前記印刷ジョブを基に印刷する印刷手段と」を備えた「画像処理装置」といえる。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「文書データを基に生成された印刷ジョブを画像処理装置へネットワークを介して送信する印刷サービス装置と,端末装置と,画像処理装置とから構成される印刷システムであって, 前記端末装置は,文書データが選択されたことにより,印刷を実行する画像処理装置を特定することなく前記印刷サービス装置に対して印刷を指示する指示手段を備え, 前記印刷サービス装置は,前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を送信する送信手段を備え, 前記画像処理装置は, 前記保存情報を取得する取得手段と, 前記取得手段により取得された前記保存情報に基づいて前記印刷ジョブを基に印刷する印刷手段と,を備える ことを特徴とする印刷システム。」 (相違点1) 本願発明1では「端末装置」と「画像処理装置」のそれぞれが「非接触型の近距離通信ユニット」を備え,これにより「通信」するのに対し, 引用発明では「ポータブルデバイス162のユーザは,光学式コード166を,プリンタ170に関連付けられているスキャナに表示することができ」,「プリンタ170」は「光学式コード166をスキャンして認識」するものである点。 (相違点2) 「端末装置」の「指示手段」が, 本願発明1では「Webブラウザの」指示手段であるのに対し, 引用発明ではそのような特定がない点。 (相違点3) 「印刷サービス装置」の「送信手段」が「送信する」ものが, 本願発明1では「保存情報」を「前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令」であるのに対し, 引用発明では「保存情報」である点。 (相違点4) 本願発明1では「さらに前記端末装置は,前記命令を受信したことに応じて,前記近距離通信ユニットに前記保存情報を書き込むWebブラウザの書き込み手段を備え」るのに対し, 引用発明では「ポータブルデバイス162」はそのような手段を備えていない点。 (相違点5) 「画像処理装置」が「取得する」「保存情報」が, 本願発明1では「前記書き込み手段によって前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込まれた」ものであるのに対し, 引用発明ではそのようなものではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて,上記(相違点3)についてまず検討する。 引用文献1には,ポータブルデバイスとプリンタとの通信手段としてNFC(近距離通信装置)が示唆されている(【0003】)ものの,本願発明1のように「印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を、前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令」を「印刷サービス装置」が「送信する」ことについては記載も示唆も無い。 また,「携帯端末からプリンタへ赤外線通信により印刷対象の保存場所を伝達すること」が上述のとおり周知技術であったとしても,該周知技術に基づいて本願発明1のように「印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を、前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令」を「印刷サービス装置」が「送信する」ことが容易に想到しうるものでもない。 さらに,引用文献4記載の技術的事項によっても容易に想到しうるものではない。 したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用文献1~4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-7について 本願発明2-7も本願発明1の「前記印刷サービス装置は、前記指示を受け付けたことに応じて生成された印刷ジョブのネットワークにおける保存場所に関する保存情報を、前記端末装置の近距離通信ユニットに書き込む命令を送信する送信手段を備え」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用文献1~4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明8,9について 本願発明8は本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明9は本願発明1に対応するコンピュータプログラムの発明であるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用文献1~4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2017-004692

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