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特許拒絶査定不服審判

2017-004664

遊技機

審判番号
2017-004664
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-148206外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年04月04日
審決日
2017年10月26日
公報発行日
2018年02月23日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-148206「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月 8日出願公開、特開2016- 22164〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年7月18日の出願であって、平成27年8月17日付けで拒絶の理由が通知され、平成27年10月19日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年4月20日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年6月24日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年10月28日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年1月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年1月20日付けで、平成29年1月5日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成29年4月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年4月4日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年4月4日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、平成28年6月24日付けの手続補正書における、 「【請求項1】 遊技を制御する第1制御手段及び第2制御手段と、 前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段と、 前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段と を備えた遊技機であって、 前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる識別表示手段を含み、 前記識別表示手段は、他の発光表示手段とは別体に設けられ、 前記第2制御手段は、 遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外すると共に、 前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することを特徴とする遊技機。」 から、平成29年4月4日付けの手続補正書における、 「【請求項1】 A 遊技を制御する第1制御手段及び第2制御手段と、 B 前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段と、 C 前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段と、 D 前記発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段と、 を備えた遊技機であって、 E 前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる識別表示手段を含み、 F 前記識別表示手段は、他の発光表示手段とは別体に設けられ、 G 前記変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、前記識別表示手段は前記低い表示状態に変更されず、 H 前記第2制御手段は、 前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外すると共に、 I 前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線部は補正箇所を示す。また、A~Iは、分説するために当審にて付した。)。 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「識別表示手段」に関して、遊技機は「前記発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」を備え、「前記変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、前記識別表示手段は前記低い表示状態に変更され」ない点を限定すると共に、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」との事項に関して、「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」と限定するものである。 また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件について 本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記1の本件補正の概要において示したとおりのものである。 (2)刊行物 (2-1)刊行物1に記載された発明 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-46680号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 (1-a) 「【0051】 以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。 図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。」 (1-b) 「【0081】 第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の右始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で右始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。」 (1-c) 「【0140】 〔制御上の構成〕 次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図15は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ、異常状態判定手段、放出事象異常状態判定手段、中間事象異常状態判定手段)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。 【0141】 また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72(異常状態判定手段、放出事象異常状態判定手段、中間事象異常状態判定手段)を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。 ・・・ 【0144】 上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。」 (1-d) 「【0155】 またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ、開示手段)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御の他に、エラーが発生したことを外部に報知する、エラー報知演出の制御も行う。演出制御装置124によるエラー報知演出についてはさらに後述する。 【0156】 また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。 ・・・ 【0162】 演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。」 (1-e) 「【0322】 ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。 【0323】 ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。」 (1-f) 「【0483】 また演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。」 (1-g) 「【0527】 〔異常状態中〕 図46中(H1):付着物255が付着した羽部材205aが左側の突起部206aに接触していた状態(異常状態中)で、遊技球300が流入口202に流入し、回転体205における羽部材205cと羽部材205bとの間に入り込んだ状態を表す。 【0528】 〔変動表示中、エラー警告開示〕 図46中(H2):液晶表示器42の表示画面上では画面の中段位置に数字の「5」を表す態様で右演出図柄の変動が停止され、中演出図柄に関してはスクロール変動が続行されている。また、右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中に「エラー発生!係員を呼んでください!」といったエラー警告文が開示(報知)される。エラー警告文を開示することによって、遊技者に対してパチンコ機1においてエラーが発生したことを認知させることができ、さらに、パチンコ機1に発生しているエラーを解除するために、遊技店の係員を呼びパチンコ機1を正常な状態に復帰させるように促すことができる。 【0529】 また、特別図柄に関する変動表示は所定の変動時間通りに実行され、上記のように球振り分け装置200に関する異常状態等のエラーが検出されたからといって、変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはない。したがって、液晶表示器42の表示画面上で行われる演出に重畳する形態でエラー警告文が前面に開示(報知)され、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行される。 【0530】 なお、液晶表示器42におけるエラー警告文の開示と共に、パチンコ機1に備えられているエラーランプや遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯(点滅)させたり、スピーカ54等の音響装置からエラー用のサウンドを出力したりしてもよい。また、図示していないが、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて出力された外部情報信号を受けてデータ表示装置やホールコンピュータでも、エラーが発生したことが開示(報知)される。」 上記(1-a)~(1-g)の記載事項から、以下(1-h)~(1-j)の事項が導かれる。 (1-h)上記記載事項(1-b)には、「上記の右始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始される」(段落【0081】)と記載されているから、右始動入賞口26に遊技球が流入することを契機として特別図柄の変動表示が開始されるといえる。 また、上記記載事項(1-e)には、「主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。」、「これにより特別図柄の停止表示が行われる。」(段落【0322】)及び、「可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。」(段落【0323】)と記載されているから、第1特別図柄表示装置34は、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する場合には当りの態様で特別図柄を停止表示するものといえる。 さらに、上記記載事項(1-c)には、「第1特別図柄表示装置34」「は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。」(段落【0144】)と記載されており、「主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72(異常状態判定手段、放出事象異常状態判定手段、中間事象異常状態判定手段)を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、」(段落【0141】)との記載より、主制御CPU72は主制御装置70が備えたものであるから、第1特別図柄表示装置34は、主制御装置70により制御されるといえる。 したがって、刊行物1には、主制御装置70により制御され、右始動入賞口26に遊技球が流入することを契機として特別図柄の変動表示を開始し、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する場合に当りの態様で特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置34が記載されているといえる。 (1-i)上記記載事項(1-d)には、「演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46~52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。」(段落【0156】)及び「演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46~53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。」(段落【0162】)と記載されているから、演出制御CPU126により、主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される各種ランプ46~53及び液晶表示器42が記載されているといえる。 また、「演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。」(段落【0155】)との記載より、演出制御CPU126は演出制御装置124が備えたものであるから、演出制御CPU126により制御されることは、演出制御装置124により制御されることといえる。 したがって、刊行物1には、演出制御装置124により、主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される各種ランプ46~53及び液晶表示器42が記載されているといえる。 (1-j)上記記載事項(1-g)には、「異常状態中」(段落【0527】)、「右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中に「エラー発生!係員を呼んでください!」といったエラー警告文が開示(報知)される。」(段落【0528】)及び「液晶表示器42におけるエラー警告文の開示と共に、パチンコ機1に備えられているエラーランプや遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯(点滅)させたり、スピーカ54等の音響装置からエラー用のサウンドを出力したりしてもよい。」(段落【0530】)と記載されているから、刊行物1には、異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させることが記載されているといえる。また、上記認定事項(1-i)より、「各種ランプ46~52及び液晶表示器42」は「演出制御装置124により、主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される」ものであるから、主制御装置70が、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させるといえる。 また、上記記載事項(1-g)には、「異常状態等のエラーが検出されたからといって、変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはない。」、「表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行される。」(段落【0529】)と記載されているから、刊行物1には、異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行することが記載されているといえる。 したがって、刊行物1には、演出制御装置124は、異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させ、また、異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行する点が記載されているといえる。 上記(1-a)~(1-g)の記載事項及び(1-h)~(1-j)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。(a~iは、本願補正発明のA~Iに対応させて付した。) 「a 遊技の進行を制御する主制御装置70及び遊技の進行に伴う演出の制御を行う演出制御装置124と、(段落【0140】、段落【0155】) b 主制御装置70により制御され、右始動入賞口26に遊技球が流入することを契機として特別図柄の変動表示を開始し、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する場合に当りの態様で特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置34と、(認定事項(1-h)) c 演出制御装置124により、主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される各種ランプ46~53及び液晶表示器42と、(認定事項(1-i)) を備えたパチンコ遊技機1であって、(段落【0051】) e 液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄に対応し、その表示色を変化させることで変動表示を表現する第4図柄が表示され、(段落【0483】) h、i 演出制御装置124は、異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させ、また、異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行するパチンコ遊技機1。(認定事項(1-j))」 (2-2)刊行物2に記載された事項 原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-30454号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 (2-a) 「【0660】 図63は、本第4実施形態における、パチンコ機10の遊技盤13を示した図である。図63に示すように、第4実施形態における遊技盤13は、第1実施形態における遊技盤13(図2参照)に対して、第4図柄LED900が追加されている。その他の構成については、第1実施形態の構成と同一であるので、その詳細な説明は省略する。 【0661】 図64は、本第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。図64に示すように、第4実施形態では、第1実施形態の電気的構成(図8参照)に対して、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とが相互に通信可能に接続されるように変更され、音声ランプ制御装置113によって点灯制御されるように電気的に接続された第4図柄LED900が追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明を省略する。 【0662】 第4図柄LED900は、主制御装置110が第1図柄表示装置37により点灯制御する第1図柄と表示制御装置114が第3図柄制御装置81に変動表示する第3図柄と同期して音声ランプ制御装置113によって点灯制御される第4図柄を表示するためのLEDである。第4図柄LED900は、図63に示すように、可変表示装置ユニット80のセンターフレーム86の下部に設けられており、常に遊技者に視認可能な位置に配置されている。この第4図柄LED900が点灯表示する第4図柄は、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄と同期して点灯表示することで、第3図柄(第1図柄)の変動表示中であることを遊技者に分かり易く報知するための図柄である。この第4図柄を設けることにより、第3図柄を変動パターンで設定される変動表示態様により、第3図柄表示装置81に一時的に表示しない演出をしたり、第3図柄を停止して表示するような表示演出を行っても、第4図柄が点灯表示していれば、変動時間中であることを遊技者は容易に認識できる。」 上記(2-a)の記載事項から、以下(2-b)、(2-c)の事項が導かれる。 (2-b)上記記載事項(2-a)には、「第4図柄LED900は、主制御装置110が第1図柄表示装置37により点灯制御する第1図柄と表示制御装置114が第3図柄制御装置81に変動表示する第3図柄と同期して音声ランプ制御装置113によって点灯制御される第4図柄を表示するためのLEDである。」及び「この第4図柄LED900が点灯表示する第4図柄は、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄と同期して点灯表示することで、第3図柄(第1図柄)の変動表示中であることを遊技者に分かり易く報知するための図柄である。」(段落【0662】)と記載されているから、刊行物2には、変動表示と同期して点灯制御され、変動表示中であることを遊技者に報知するための第4図柄を表示するLED900が記載されているといえる。 (2-c)図63には、第4図柄LED900を単独で、他の発光表示手段とは別体に設ける点が記載されている。 また、上記記載事項(2-a)においては、「第4図柄LED900」により「変動表示中であること」以外のことを報知する旨の記載はなく、また、図63には、「第4図柄LED900」が一つの小さな円形の部分として図示されており、「第4図柄LED900」は多様な情報を表示可能な液晶表示装置のようなものではないから、「第4図柄LED900」は変動表示中であることのみを遊技者に報知することは明らかである。 上記(2-a)の記載事項及び(2-b)、(2-c)の認定事項を総合すると、刊行物2には、次の事項が記載されていると認められる(以下「刊行物2記載の事項」という。)。 「パチンコ機10において、他の発光表示手段とは別体に設けられ、変動表示と同期して点灯制御され、変動表示中であることのみを遊技者に報知するための第4図柄を表示するLED900を備える点。」 (2-3)刊行物3に記載された事項 本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-27429号公報(以下「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 (3-a) 「【0009】 [第1の実施の形態] 以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態によるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」 (3-b) 「【0068】 特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・→「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。また、装飾図柄表示装置208の第4図柄表示領域208eでは、所定の順番で表示を切り替える第4図柄の変動表示を行う。」 (3-c) 「【0149】 ステップS609では、省電力モード設定処理を行う。省電力モード設定処理では、出力設定スイッチ161の設定位置が「4」である場合には動作モードを省電力モードAに設定し、設定位置が「3」である場合には動作モードを省電力モードBに設定する。省電力モードAおよびBはいずれも、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードでは設定できない範囲の値(本例では、ユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値)が設定される(図18(a)参照)。その後、ユーザー調整モード制御処理を終了する。」 (3-d) 「【0237】 本例では、これらのランプのうち、払出表示ランプ254、エラー表示ランプ256、賞球残数表示部250の各セグメント、および情報報知用ランプ群252の各ランプは、ランプ駆動回路を介さずに点灯制御されるため、遊技者による輝度調整が不可能であるとともに、省電力モードにおいても輝度が低下しない。一方、演出用ランプ258は、ランプ駆動回路420により点灯制御されるため、ユーザー調整モードでの輝度調整が可能であるとともに、省電力モードでは輝度が低下する。」 (3-e) 「【0252】 省電力モードでの大当り遊技中には、通常モードでの大当り遊技中と同様に、装飾図柄表示装置208の総払出個数報知部208fで総払出個数が出力される。ただし、省電力モードでは、装飾図柄表示装置208(総払出個数報知部208f)の表示輝度は通常モードよりも低い。ここで、装飾図柄表示装置208の表示輝度は、バックライトの光源に対するデューティ比を調整するか、または光源に流す電流値を調整することによって調整される。」 (3-f) 「【0271】 図23(c)は、本実施例の変形例における省電力モードでの特図1変動遊技終了直後の状態を示している。図23(c)に示すように、省電力モード中であっても、一部の輝度を低下させない(低下できない)ようにしてもよい。図23(c)に示す例では、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a~208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している。すなわち、同じ装飾図柄表示装置208の画面内にあり、報知内容が同一の抽選結果であるにも関わらず、図柄表示領域208a~208cおよび演出表示領域208dの表示輝度は低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させていない。これにより、電力消費量を低下させつつも、抽選結果に関する情報を遊技者に確実に報知できる場合がある。 省電力モードの実行により装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度を低下させている場合には、第4図柄表示領域208eに表示される第4図柄の明度やコントラストのみを上昇させることで、省電力モードの実行前の状態と視認性が略変化しないようにしていても良い。」 上記(3-a)~(3-f)の記載事項から、以下(3-g)、(3-h)の事項が導かれる。 (3-g)上記記載事項(3-d)には「演出用ランプ258は、ランプ駆動回路420により点灯制御されるため、ユーザー調整モードでの輝度調整が可能であるとともに、省電力モードでは輝度が低下する。」(段落【0237】)と記載されており、上記記載事項(3-e)には「省電力モードでは、装飾図柄表示装置208(総払出個数報知部208f)の表示輝度は通常モードよりも低い。」(段落【0252】)と記載されているから、省電力モードでは、演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度が低くなるといえる。 また、上記記載事項(3-c)には、「省電力モード設定処理では、出力設定スイッチ161の設定位置が「4」である場合には動作モードを省電力モードAに設定し、設定位置が「3」である場合には動作モードを省電力モードBに設定する。」(段落【0149】)と記載されているから、刊行物3には、動作モードを省電力モードに設定する出力設定スイッチ161が記載されているといえる。 したがって、刊行物3には、動作モードを省電力モードに設定し、演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度を低くする出力設定スイッチ161が記載されているといえる。 (3-h)上記記載事項(3-b)には「装飾図柄表示装置208の第4図柄表示領域208eでは、所定の順番で表示を切り替える第4図柄の変動表示を行う。」(段落【0068】)と記載されており、また、上記記載事項(3-f)には、「省電力モード中であっても、一部の輝度を低下させない(低下できない)ようにしてもよい。図23(c)に示す例では、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a~208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している。」(段落【0271】)と記載されているから、刊行物3には、省電力モードであっても、変動表示を行う第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させない点が記載されているといえる。 上記(3-a)~(3-f)の記載事項及び(3-g)、(3-h)の認定事項を総合すると、刊行物3には、次の事項が記載されていると認められる(以下「刊行物3記載の事項」という。)。 「パチンコ機100において、動作モードを省電力モードに設定し、演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度を低くする出力設定スイッチ161を備え、省電力モードであっても、変動表示を行う第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させない点。」 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)~(i)は、刊行物1発明の構成a~iに対応している。)。 (a)刊行物1発明における「遊技の進行を制御する主制御装置70」及び「遊技の進行に伴う演出の制御を行う演出制御装置124」は、それぞれ、本願補正発明における「遊技を制御する第1制御手段」及び「遊技を制御する」「第2制御手段」に相当する。 (b)刊行物1発明の「右始動入賞口26に遊技球が流入すること」、「特別図柄の変動表示を開始」すること、「遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する」こと、及び「第1特別図柄表示装置34」は、それぞれ、本願補正発明の「始動条件が成立する」こと、「変動表示を開始」すること、「遊技者にとって有利な特別遊技が発生すること」及び「変動表示手段」に相当する。また、刊行物1発明は、「遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する場合に当りの態様で特別図柄を停止表示する」から、「当りの態様で特別図柄を停止表示」することは、遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知することといえる。 したがって、刊行物1発明における「主制御装置70により制御され、右始動入賞口26に遊技球が流入することを契機として特別図柄の変動表示を開始し、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する場合に当りの態様で特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置34」は、本願補正発明における「前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段」に相当する。 (c)刊行物1発明の「各種ランプ46~53及び液晶表示器42」は、所定の表示態様に発光表示することは当業者にとって明らかであるから、本願補正発明の「所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段」に相当する。 また、刊行物1発明において、「各種ランプ46~53及び液晶表示器42」は、「主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される」ものであり、「主制御装置70」は「遊技の進行を制御する」(構成a)ものであるから、「主制御装置70から送信される演出用のコマンド」は「遊技の進行」の状態、すなわち「遊技機」の「所定の状態」に応じて送信されるものであることは明らかである。よって、刊行物1発明の「主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される各種ランプ46~53及び液晶表示器42」は、本願補正発明の「遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段」に相当する。 したがって、刊行物1発明における「演出制御装置124により、主制御装置70から送信される演出用のコマンドに基づいて制御される各種ランプ46~53及び液晶表示器42」は、本願補正発明における「前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段」に相当する。 また、刊行物1発明の「パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 (e)刊行物1発明の「液晶表示器42の画面下部」の「第4図柄が表示され」る領域は、「その表示色を変化させることで変動表示を表現する第4図柄が表示され」る領域であるから、本願補正発明の「前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知すること」「に用いられる識別表示手段」に相当する。 したがって、刊行物1発明における、「液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄に対応し、その表示色を変化させることで変動表示を表現する第4図柄が表示され」ること、本願補正発明における「前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる識別表示手段を含」むこととは、「前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知すること」「に用いられる識別表示手段を含」む点で共通する。 (h)刊行物1発明の「異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生した」場合、及び、「表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させ」ることは、それぞれ、本願補正発明の「遊技機が所定の異常状態になった場合」及び「前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御する」ことに相当する。 また、刊行物1発明は、「異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行する」から、「異常状態等のエラーが検出され」た場合、「液晶表示器42の画面下部」の「変動表示を表現する第4図柄が表示され」る領域(構成e)については、「変化することなく通常通りに」演出が実行されるから、「該異常報知態様の発光制御から除外」されているといえる。 したがって、刊行物1発明における「演出制御装置124は、異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させ、また、異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行する」ことは、本願補正発明における「前記第2制御手段は」、「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」ことと、「前記第2制御手段は」、「遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」点で共通する。 (i)刊行物1発明は、「異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行する」から、「異常状態等のエラーが検出され」た場合、「液晶表示器42の画面下部」の「変動表示を表現する第4図柄が表示され」る領域(構成e)は、「変化することなく通常通りに」演出が実行され、変動中か停止中かを識別可能な状態が維持されるといえる。 したがって、刊行物1発明における「演出制御装置124は、異常状態となり右始動入賞口26への入賞が連続して5回発生したことに対応して、表示画面中にエラー警告文を開示し、遊技枠ランプ46、48、50、52を点灯させ、また、異常状態等のエラーが検出されても変動表示を一旦停止したり変動時間を延長したりすることはなく、表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行する」ことは、本願補正発明における「前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知すること」に相当する。 以上、(a)~(i)の対比より、本願補正発明と刊行物1発明とは、 「A 遊技を制御する第1制御手段及び第2制御手段と、 B 前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段と、 C 前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段と、 を備えた遊技機であって、 E’前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することに用いられる識別表示手段を含み、 H’前記第2制御手段は、 遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外すると共に、 I 前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知する遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1)識別表示手段に関し、本願補正発明は「前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられ」(構成E)、また、「他の発光表示手段とは別体に設けられ」る(構成F)と特定されているのに対し、刊行物1発明の、「液晶表示器42の画面下部」の「第1特別図柄に対応し、その表示色を変化させることで変動表示を表現する第4図柄が表示され」る領域は、「変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる」ことは特定されておらず、また、「液晶表示器42」の一部分であり、「他の発光表示手段とは別体に設けられ」たものではない点。 (相違点2)本願補正発明は「前記発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」(構成D)を備え、「前記変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、前記識別表示手段は前記低い表示状態に変更され」ない(構成G)のに対し、刊行物1発明はそのように特定されていない点。 (相違点3)「前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」場合に関して、本願補正発明は「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合」と特定されているのに対し、刊行物1発明は、「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているとき」であることについては特定されていない点。(構成H) (4)判断 ア 上記相違点1について検討する。 上記(2)(2-2)で示した通り、刊行物2には、次の事項(刊行物2記載の事項)が記載されていると認められる。 「パチンコ機10において、他の発光表示手段とは別体に設けられ、変動表示と同期して点灯制御され、変動表示中であることのみを遊技者に報知するための第4図柄を表示するLED900を備える点。」 刊行物2記載の事項の「変動表示と同期して点灯制御され、変動表示中であることのみを遊技者に報知するための第4図柄を表示するLED900」は、「変動表示中である」と報知していない場合には停止中であることを示すことは明らかであるから、本願補正発明の「変動中か停止中かのみを識別可能に報知する」「識別表示手段」といえる。 したがって、刊行物2記載の事項における「他の発光表示手段とは別体に設けられ、変動表示と同期して点灯制御され、変動表示中であることのみを遊技者に報知するための第4図柄を表示するLED900」は、本願補正発明の用語を用いて表現すると、「他の発光表示手段とは別体に設けられ」、「変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる識別表示手段」であるといえる。 そして、刊行物1発明と刊行物2記載の事項とは、遊技機において、変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することに用いられる識別表示手段を有する点で共通する。 よって、刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用して、「液晶表示器42の画面下部」の「第4図柄が表示され」る領域を、他の発光表示手段とは別体に設け、変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられるものとし、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 上記相違点2、3について、発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段に関連する技術であるので併せて検討する。 上記(2)(2-3)で示した通り、刊行物3には、次の事項(刊行物3記載の事項)が記載されていると認められる。 「パチンコ機100において、動作モードを省電力モードに設定し、演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度を低くする出力設定スイッチ161を備え、省電力モードであっても、変動表示を行う第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させない点。」 刊行物3記載の事項の「演出用ランプ258」及び「装飾図柄表示装置208」は、本願補正発明の「発光表示手段」といえる。また、刊行物3記載の事項において、「動作モードを省電力モードに設定」することで、「演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度を低くする」ことができるから、刊行物3記載の事項は、発光表示手段の輝度/照度を変更可能であるといえる。よって、刊行物3記載の事項の「動作モードを省電力モードに設定し、演出用ランプ258の輝度及び装飾図柄表示装置208の表示輝度を低くする出力設定スイッチ161」は、本願補正発明の「発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」であるといえる。 また、刊行物3記載の事項の「変動表示を行う第4図柄表示領域208e」は、本願補正発明の「変動中か停止中かを識別可能に報知する」「識別表示手段」であるといえ、刊行物3記載の事項において、「省電力モードであっても、変動表示を行う第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させない」ことは、本願補正発明の「変更手段により複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、識別表示手段は低い表示状態に変更され」ないことといえる。 したがって、刊行物3記載の事項は、本願補正発明の用語を用いて表現すると、「発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」を備え、「変更手段により複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、識別表示手段は低い表示状態に変更され」ないものといえる。 そして、刊行物1発明と刊行物3記載の事項とは、遊技機において、変動中か停止中かを識別可能に報知することに用いられる識別表示手段を有する点で共通し、また、遊技機において、省電力とすることは当業者にとって自明の課題であるから、刊行物1発明において、省電力とすることを可能とするために刊行物3記載の事項を適用し、発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段を設け、変更手段により複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、上記アにおいて示した通り他の発光表示手段とは別体に設け、変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられるものとした「第4図柄が表示され」る領域(識別表示手段)は輝度/照度が低い表示状態に変更されないものとし、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 さらに、刊行物1発明は、「異常状態等のエラーが検出されても」「表示画面上で行われる演出については変化することなく通常通りに実行」(構成h)するものであり、「液晶表示器42の画面下部」の「第4図柄」も通常通りに表示されるものであるから、上記刊行物3記載の事項を適用した際には、変更手段により複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合についても同様に、上記アにおいて示した通り他の発光表示手段とは別体に設け、変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられるものとした「第4図柄が表示され」る領域が「変化することなく通常通りに」表示される(異常報知態様の発光制御から除外する)ものとすることは、当業者が当然になし得る事項にすぎない。よって、刊行物1発明に刊行物3記載の事項を適用し、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (5)請求人の主張について 請求人は、審判請求書(第5頁第16行~第24行)において、「引用文献1に記載された遊技機において、識別表示手段を、引用文献2に記載された遊技機の如く他の発光表示手段とは別体とすることが、当業者が容易に想到できることであったとしても、引用文献1にも引用文献2にも、本願発明のDに係る「発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段を備えること」及び本願発明のGに係る「変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、識別表示手段は低い表示状態に変更されないこと」について、何ら記載も示唆もされていません。すなわち、引用文献1及び引用文献2に記載の発明は、本願発明のD及びGに係る特徴を有するものではありません。」との主張をしている。 しかしながら、上記(4)で示したとおり、刊行物1発明に刊行物3記載の事項を適用し、「発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」を備え、「変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、識別表示手段は低い表示状態に変更され」ない構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるから、請求人の上記主張は採用することができない。 (6)まとめ 以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明、刊行物2記載の事項及び刊行物3記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 補正却下の決定についてのむすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成28年6月24日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載されたとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである(A~Iは、分説するために当審にて付した。)。 「【請求項1】 A 遊技を制御する第1制御手段及び第2制御手段と、 B 前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段と、 C 前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段と を備えた遊技機であって、 E 前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することのみに用いられる識別表示手段を含み、 F 前記識別表示手段は、他の発光表示手段とは別体に設けられ、 H”前記第2制御手段は、 遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外すると共に、 I 前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することを特徴とする遊技機。」 2 刊行物 刊行物1及びその記載事項並びに刊行物1発明は、上記「第2 3(2)(2-1)」に記載したとおりである。また、刊行物2及びその記載事項並びに刊行物2記載の事項は、上記「第2 3(2)(2-2)」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、上記「第2 3(1)」で検討した本願補正発明から、「前記発光表示手段の輝度/照度を変更可能な変更手段」を備え、「前記変更手段により前記複数の発光表示手段の輝度/照度を低い表示状態に変更する場合であっても、前記識別表示手段は前記低い表示状態に変更され」ないという事項を省き、また、本願補正発明の「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって、遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外する」との事項から、「前記変更手段により前記複数の発光手段の輝度/照度が低い表示状態に変更されているときであって」との限定を省いたものである。 本願発明と刊行物1発明とを対比する。 上記「第2 3(3)」における検討を踏まえると、本願発明と刊行物1発明とは、 「A 遊技を制御する第1制御手段及び第2制御手段と、 B 前記第1制御手段により制御され、始動条件が成立すると変動表示を開始し、所定の当り態様が表示されると遊技者にとって有利な特別遊技が発生することを報知する変動表示手段と、 C 前記第2制御手段により制御され、遊技機が所定の状態になった場合に所定の表示態様に発光表示する複数の発光表示手段と を備えた遊技機であって、 E’前記複数の発光表示手段は、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知することに用いられる識別表示手段を含み、 H”前記第2制御手段は、 遊技機が所定の異常状態になった場合、前記複数の発光表示手段を所定の異常報知態様に発光制御するものの、前記識別表示手段については該異常報知態様の発光制御から除外すると共に、 I 前記他の発光表示手段を前記異常報知態様に発光制御している場合であっても、前記識別表示手段については、前記変動表示手段が変動中か停止中かを識別可能に報知する遊技機。」 である点で一致し、構成E、Fに関して、上記「第2 3(3)」で検討した相違点1で相違する。 そして、上記相違点1については、上記「第2 3(4)ア」で検討したとおりであり、刊行物1発明において刊行物2記載の事項を適用し、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 よって、本願発明は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-004664

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