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特許拒絶査定不服審判

2017-004269

マルチキャピラリーモノリス

審判番号
2017-004269
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-557579外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年03月24日
審決日
2018年01月30日
公報発行日
2018年08月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (G01N) / P18 .575-Z (G01N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-557579「マルチキャピラリーモノリス」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月22日国際公開、WO2011/114017、平成25年 6月13日国内公表、特表2013-522615〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2011年(平成23年)3月15日(パリ条約による優先権主張 2010年3月15日 フランス)を国際出願日とする出願であって、平成26年12月25日付けで拒絶理由が通知され、平成27年7月6日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年12月24日付けで拒絶理由が通知され、平成28年6月27日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年11月17日付けで拒絶査定されたところ、平成29年3月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年3月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年3月24日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「以下のこと、すなわち、 ・チャネルが互いに実質的に均一な断面を有し、 ・各チャネルの断面がその全長にわたり規則的であり、 ・チャネルが材料を端から端まで貫通し、 ・チャネルの長さが10mm以上であり、 前記チャネルの直径が最も狭い領域と最も広い領域との間で2倍超変化せず、シリカゲルを含む、 ことを特徴する、互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネルを含むアモルファスシリカまたは活性アルミナに基づくモノリシック多孔性材料。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成28年6月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「以下のこと、すなわち、 ・チャネルが互いに実質的に均一な断面を有し、 ・各チャネルの断面がその全長にわたり規則的であり、 ・チャネルが材料を端から端まで貫通し、 ・チャネルの長さが10mm以上であり、 前記チャネルの直径が最も狭い領域と最も広い領域との間で2倍超変化しない、 ことを特徴する、互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネルを含むアモルファスシリカまたは活性アルミナに基づくモノリシック多孔性材料。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネルを含むアモルファスシリカまたは活性アルミナに基づくモノリシック多孔性材料」について、「シリカゲルを含む」という限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開昭56-169121号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下線は当審において付した。) (引1-ア) 「実施例 1 第1図は本実施例により乾燥ゲルからなる管状多孔質体の製造方法の説明図である。 図において、1は下端を細く絞った管状ガラス容器、2は容器1の下端部の内径に等しい外径をもったテフロン(デュポン社製四弗化エチレン重合体の商品名)棒である。 いま、ガラス容器1内にその下端から引き抜き棒2を図示のように(実線で示した)AB位置まで挿入し、容器1と引き抜き棒2との間の空隙部に、メトキシシラン、メタノール、水を1:4.5:4のモル比になるように混合した原料液4を充填し、容器1の上端開口部を例えばアルミ箔蓋3で密閉し、約1昼夜、室温で放置した後、アルミ箔蓋3に数個のピンホールをあけて、さらに、1昼夜放置した後、引き抜き棒2をA′B′の位置まで静かに引き抜き、引き抜き乾燥を行なったところ、約1ケ月後に乾燥ゲルからなる管状多孔質体を得ることができた。」(第2頁左上欄第8行~右上欄第6行) (引1-イ) 「以上述べた実施例では、円筒状の管状乾燥ゲルを作成する場合について説明したが、筒状の容器1および引き抜き棒2の断面形状、寸法を適当に選ぶことにより、種々の形状、大きさの中空貫通孔を有する多孔質体またはガラス素材を得ることができる。」(第2頁右下欄第15行~末行) (引1-ウ) 「さらにまた、第4図に示すように、複数本の引き抜き棒9を下端から差し込めるように構成した容器10内でゲルを作成し、引き抜き棒9を引き抜くことにより、複数の中空部をもった中空ゲル11を作成することもでき、このようなものは複数本のコアを有する光ファイバ用素材として利用することができる。」(第3頁左上欄第1行~第7行) (引1-エ) 「以上説明したところから明らかなように、本発明によれば、1ケ又は1ケ以上の中空貫通孔を有する多孔質体を容易に製造することができ、この多孔質体はフィルタ、触媒坦体、光ファイバ用素材として有用である。」(第3頁左上欄第11行~第15行) (引1-オ)第4図 (イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a (引1-ア)の「乾燥ゲルからなる管状多孔質体」は、(引1-ア)の記載によれば「メトキシシラン、メタノール、水を1:4.5:4のモル比になるように混合した原料液4」を用いて製造されたものであるから、シリカゲルである。 b (引1-ア)の「管状多孔質体」は、(引1-ウ)の「複数本の引き抜き棒9を下端から差し込めるように構成した容器10内でゲルを作成し、引き抜き棒9を引き抜くことにより、複数の中空部をもった中空ゲル11を作成すること」という記載によれば、管ごとに製造されたものではなく一体物であることから、モノリスといえる。 c (引1-ア)の「管状多孔質体」は、図4(引1-オ)から、 ・複数の中空貫通孔が同じ大きさの円形断面を有し、 ・各中空貫通孔の円形断面がその全長にわたり一定であり、 ・各中空貫通孔がシリカゲルの一端から他端まで貫通し、 ・各中空貫通孔は互いに平行で真っ直ぐであることが見て取れる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「中空貫通孔を有する多孔質体であって、シリカゲルからなり、 ・複数の中空貫通孔が同じ大きさの円形断面を有し、 ・各中空貫通孔の円形断面がその全長にわたり一定であり、 ・各中空貫通孔がシリカゲルの一端から他端まで貫通し、 ・各中空貫通孔は互いに平行で真っ直ぐである、 モノリスの管状多孔質体。」 イ 引用文献4 (ア)同じく引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2009-46341号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下線は当審において付した。) (引4-ア) 「【0001】 本発明は、触媒反応器やクロマトグラフィ等に多孔質材料として用いられるナノポーラスシリカに係り、特に、細孔径が小さく、細孔長/細孔径が大きなナノポーラスシリカとその製造方法に関するものである。」 (引4-イ) 「【0007】 本発明はこのような問題に着目してなされたもので、その課題とするところは、略貫通し、かつ、細孔長/細孔径(以下、アスペクト比と記す場合がある)が10000近くあるいはそれ以上であり、細孔径が1μm以下であるチャネルが確保された略ハニカム形状のシリカゲル(ナノポーラスシリカ)およびその製造方法を提供することにある。」 (引4-ウ) 「【0016】 まず、本発明のナノポーラスシリカの製造方法は、上述したようにシリカ粒子を含むコロイダルシリカ水溶液が充填された容器を冷媒に挿入し、急冷させて上記コロイダルシリカ水溶液中の水分を1方向へ細く柱状に凍結成長させ、その後、水分を乾燥除去して、シリカ成分から成りかつ互いに略平行に略貫通した細孔を有する略ハニカム構造のナノポーラスシリカを製造することを特徴としている。 【0017】 上記製造方法において、シリカ粒子を含むコロイダルシリカ水溶液を冷媒に挿入し、急冷させて上記コロイダルシリカ水溶液中の水分を1方向へ細く柱状に凍結成長させ、その後、水分を乾燥除去する方法は、凍結ゲル化法と呼ばれる方法で、凍結濃縮効果を利用したゲル化法である。ゾルを凍結すると分相が生じ、水が凝固した氷の相と、コロイド粒子(本発明ではコロイダルシリカである)が濃縮された相、の2相に分かれる。この濃縮によるゲル化促進効果は非常に大きく、低温においても氷の間隙に集合したコロイド粒子同士は結合してゲル化する。このとき、氷がテンプレートの役割を果たし、解凍・乾燥後には凍結時の形状を維持した試料が得られるのである。 【0018】 凍結ゲル化法では氷がテンプレートとなるため、氷の成長を制御することで、本発明であれば、シリカゲルの形状や細孔構造および表面構造を制御できると考えられる。 【0019】 氷の成長を制御する方法としては、上述した一方向凍結法がある。これは、シリカゲルに方向性を持たせて凍結することで、氷を一方向に柱状に成長させて複数の氷柱を形成し、氷柱の間隙にシリカ粒子を集合させる方法である。具体的には、シリカゲルをチューブ(容器)に入れ、チューブを一定速度で冷媒に挿入する。冷媒に挿入された部分の氷が、挿入方向にそって柱状に成長する。その後、凍結乾燥をして氷晶の部分をとばすことにより、シリカからなる骨組みだけが残る。そして、その構造は、細孔がチューブに沿い、それぞれ略平行で、略ハニカム状に自己整列した状態で、チューブに平行に、サブミクロンからミクロン程度の内径を有する各細孔が5cm以上の長さをもつ構造をなしている。長さ/細孔径の比、つまりアスペクト比は10,000以上が得られる。」 (イ)上記記載から、引用文献4には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a (引4-ウ)の「細孔」は、(引4-ウ)【0019】の記載によれば「シリカゲルに方向性を持たせて凍結することで、氷を一方向に柱状に成長させて複数の氷柱を形成し、氷柱の間隙にシリカ粒子を集合させる」「一方向凍結法」により製造したものであるから、一方向性を有することが分かる。 b (引4-ウ)の「互いに略平行に略貫通した細孔を有する略ハニカム構造のナノポーラスシリカ」は、(引4-ウ)【0016】の記載によれば「シリカ粒子を含むコロイダルシリカ水溶液が充填された容器を冷媒に挿入し、急冷させて上記コロイダルシリカ水溶液中の水分を1方向へ細く柱状に凍結成長させ、その後、水分を乾燥除去して」製造しており、ハニカム体として一体物であるから、モノリスといえる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献4には次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。 「触媒反応器やクロマトグラフィ等に多孔質材料として用いられるナノポーラスシリカであって、 シリカ成分から成りかつ互いに略平行に略貫通した細孔を有する略ハニカム構造のナノポーラスシリカであり、 各細孔が、5cm以上の長さをもち、一方向性を有する、モノリスのナノポーラスシリカ。」 (3)引用発明1との対比・判断 ア 対比 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1の「・複数の中空貫通孔が同じ大きさの円形断面を有し」は、本件補正発明の「・チャネルが互いに実質的に均一な断面を有し」に相当する。 (イ)引用発明1の「・各中空貫通孔の円形断面がその全長にわたり一定であり」は、本件補正発明の「・各チャネルの断面がその全長にわたり規則的であり」に相当する。 (ウ)引用発明1の「・各中空貫通孔がシリカゲルの一端から他端まで貫通し」は、本件補正発明の「・チャネルが材料を端から端まで貫通し」に相当する。 (エ)引用発明1の「中空貫通孔」は、上記(引1-エ)のフィルタや触媒担体などの用途を踏まえると、本件補正発明の「・チャネルの長さが10mm以上であ」るものを含む。 (オ)引用発明1は、「・各中空貫通孔の円形断面がその全長にわたり一定であ」るから、円形断面の直径が最も狭い領域と最も広い領域との間で2倍超変化していない。よって、引用発明1の「・各中空貫通孔の円形断面がその全長にわたり一定であり」は、本件補正発明の「前記チャネルの直径が最も狭い領域と最も広い領域との間で2倍超変化せず」に相当する。 (カ)引用発明1の「シリカゲルからなり」は、本件補正発明の「シリカゲルを含む」に相当する。 (キ)引用発明1の「中空貫通孔」は、上記(引1-エ)のフィルタや触媒担体などの用途を踏まえると細管(キャピラリーチャネル)を含むものであるから、引用発明1の「・各中空貫通孔は互いに平行で真っ直ぐである」は、本件補正発明の「互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネルを含む」に相当する。 (ク)本件補正発明の「アモルファスシリカ」は、本願明細書の「アモルファスシリカ(シリカゲル)」(【0181】)の記載によればシリカゲルであるから、引用発明1の「シリカゲルからな」る「モノリスの管状多孔質体」は、本件補正発明の「アモルファスシリカ」「に基づくモノリシック多孔性材料」に相当する。 イ 判断 上記アのとおり、本件補正発明と引用発明1との発明特定事項に実質的な相違点は存在しない。 よって、本件補正発明は、引用発明1であることから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。 (4)引用発明4との対比・判断 ア 対比 本件補正発明と引用発明4とを対比する。 (ア)引用発明4の「5cm以上の長さをもち、一方向性を有する」「細孔」は、本件補正発明の「チャネル」/「キャピラリーチャネル」に相当する。 (イ)a 引用発明4の「ナノポーラスシリカ」は、(引4-イ)の「シリカゲル(ナノポーラスシリカ)」の記載によればシリカゲルであり、本件補正発明の「アモルファスシリカ」も、本願明細書の「アモルファスシリカ(シリカゲル)」(【0181】)の記載によればシリカゲルであるから、引用発明4の「ナノポーラスシリカ」は、本件補正発明の「アモルファスシリカ」に相当する。 b そして、引用発明4の「モノリスのナノポーラスシリカ」は、上記aを踏まえるとシリカゲルを含むことは明らかであるから、本件補正発明の「シリカゲルを含む、ことを特徴する、」「アモルファスシリカ」「に基づくモノリシック多孔性材料」に相当する。 c また、引用発明4の「一方向性を有」し「互いに略平行に略貫通した細孔」は、互いに平行な実質的に直線状の細孔のことであるから、上記(ア)を踏まえると本件補正発明の「互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネル」に相当する。 d よって、引用発明4の「一方向性を有」し「互いに略平行に略貫通した細孔」を含む「モノリスのナノポーラスシリカ」は、本件補正発明の「シリカゲルを含む、ことを特徴する、互いに平行な実質的に直線状のキャピラリーチャネルを含むアモルファスシリカ」「に基づくモノリシック多孔性材料」に相当する。 (ウ)引用発明4において「ナノポーラスシリカであって、シリカ成分から成りかつ互いに略平行に略貫通した細孔を有する略ハニカム構造のナノポーラスシリカであり、各細孔が、5cm以上の長さをもち、一方向性を有する」ことは、細孔が互いに実質的に均一な断面を有し、各細孔の断面がその全長にわたり実質的に一定の断面であり、細孔がナノポーラスシリカを貫通し、細孔の長さが5cm以上であることから、上記(ア)を踏まえると本件補正発明の「・チャネルが互いに実質的に均一な断面を有し、・各チャネルの断面がその全長にわたり規則的であり、・チャネルが材料を端から端まで貫通し、・チャネルの長さが10mm以上であり、前記チャネルの直径が最も狭い領域と最も広い領域との間で2倍超変化」していないことに相当する。 イ 判断 上記アのとおり、本件補正発明と引用発明4との発明特定事項に実質的な相違点は存在しない。 よって、本件補正発明は、引用発明4であることから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。 (5)請求人の主張 請求人は、審判請求書において、 「(2)拒絶理由が解消する理由 補正後の請求項1に係る本願発明に対して引用文献とは以下のように、構成および作用効果において差異を有します。 (a)引用文献1(特開昭56-169121号公報)との対比 ・・・ このように本願発明では、シリカゲル前駆体溶液を用いてモノシリック多孔性材料を製造する際に、一定の径を実現することは容易ではないため、シリカゲル前駆体溶液に繊維を浸漬させ、のちに繊維を排除しており、その結果、モノシリック多孔性材料にシリカゲルが含まれることに特徴があります。このような技術的思想は、引用文献1には開示されていません。 ・・・ (d)引用文献4(特開2009-46341号公報)との対比 ・・・ そして本願発明では、上述したように、シリカゲル前駆体溶液を用いてモノシリック多孔性材料を製造する際に、一定の径を実現するために、シリカゲル前駆体溶液に繊維を浸漬させ、のちに繊維を排除しており、その結果として、モノシリック多孔性材料にシリカゲルが含まれることを特徴としています。このような技術的思想は、引用文献4には開示されていません。」と主張している。 しかしながら、上記主張は、引用文献1及び4との製造方法の違いを主張しているものであり、本件補正発明は「多孔性材料」に関する物の発明であるから、上記主張は当を得ないものである。また、上記主張が、製造方法の違いにより引用文献1又は4のものと異なる多孔性材料が製造されているとの主張であるにしても、上記(3)及び(4)のとおり、本件補正発明は、多孔性材料として引用文献1又は4のものと差異が認められない以上、製造方法が違うとの主張によって、上記判断が覆るものではないことから、上記主張は採用できない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成29年3月24日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成28年6月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の要旨は次のとおりである。 本願の請求項1に係る発明は、以下の各引用文献1~4に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 引用文献1:特開昭56-169121号公報 引用文献2:特表2008-521595号公報 引用文献3:特表2003-526795号公報 引用文献4:特開2009-46341号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び4並びにその記載事項は、前記第2の「理由」2(2)に記載したとおりである。 4 当審の判断 本願発明は、前記第2の「理由」2で検討した本件補正発明から、モノリシック多孔性材料に係る「シリカゲルを含む」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明1又は引用発明4であるから、本願発明も、引用発明1又は引用発明4である。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-004269

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