特許拒絶査定不服審判
2017-003925
遊技機
- 審判番号
- 2017-003925
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-122702外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年03月17日
- 審決日
- 2017年11月28日
- 公報発行日
- 2018年03月30日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-122702「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月15日出願公開、特開2015-180333〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年12月21日に出願された特願2012-280307号の一部を平成27年6月18日に新たに特許出願したものであって、平成28年5月31日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対して同年8月2日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月26日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、これに対して同年11月1日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月2日付けで同年11月1日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して平成29年3月17日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に、手続補正書が提出されたものである。
第2 平成29年3月17日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年3月17日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の概要
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含む補正であり、本件補正前の平成28年8月2日付けの手続補正書における請求項1の記載と、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ次のとおりである。
(補正前:平成28年8月2日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技を実行可能な遊技機であって、
画像が表示される表示手段と、
前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段と、
前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段と、
前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段と、
を備え、
前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し、
前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに前記第2操作手段の操作があった場合には該制御を終了することを特徴とする遊技機。」
(補正後:平成29年3月17日付け手続補正)
「【請求項1】
A 遊技を実行可能な遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
D 遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段と、
E 前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段と、
F 前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段と、
を備え、
G 前記省電力制御手段は、
前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し、
H 前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御し、
I 前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合と、前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合とに終了することを特徴とする遊技機。」
(下線部は補正箇所を示す。A~Iは本件補正発明を分説するために当審で付した。)。
2 補正の適否
(1)補正事項
本件補正は、補正前の請求項1について、以下の補正事項を含むものである。
ア 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「省電力制御手段」に関して、「前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに」という記載を、「前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに」(構成G)とする補正。
イ 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「省電力制御手段」に関して、「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御」(構成H)することを追加する補正。
ウ 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「省電力態様で画像表示を行」う制御に関して、「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに前記第2操作手段の操作があった場合には該制御を終了する」という記載を、「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合と、前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合とに終了する」(構成I)とする補正。
(2)補正の目的等についての検討
ア 補正事項アは、「前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように」する「制御」を、「前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて」することに限定するものである。
イ 補正事項イは、「省電力制御手段」が、「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御」することを限定するものである。
ウ 補正事項ウは、「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに」との記載を、実質的に意味の変わらない「前記省電力態様で画像表示を行う制御は」との記載に変更するとともに、「前記省電力態様で画像表示を行う制御」を「終了する」「場合」に関して、「前記第2操作手段の操作があった場合」を、「前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合と、前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」とに限定するものである。
そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、補正事項ア~ウは、願書に最初に添付した明細書の段落【0199】、【0200】、【0202】、【0207】又は図面の図16、図17等との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合し、新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件について
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1に記載したとおりのものである。
(2)刊行物
(2-1)刊行物1
当審にて新たに提示する、本願の遡及日前に頒布された刊行物である特許第4968401号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審にて付した。以下、同じ。)。
ア 「【請求項3】
遊技を実行しているかどうかを判断する遊技実行判断手段を備え、
前記遊技実行判断手段が遊技を実行していないと判断した場合には、遊技機が所定のデモンストレーションを実行する状態とされるものであって、
前記デモンストレーションには、前記電飾部材が所定の態様で点灯制御される第1のデモンストレーションと、前記第1のデモンストレーションよりも前記電飾部材の点灯制御が抑制されることで消費電力を低くした第2のデモンストレーションとを有し、
前記通常モードでは前記第1のデモンストレーションが実行され、前記省力モードでは前記第2のデモンストレーションが実行されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
・・・
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物といったパチンコ遊技機や組合せ式遊技機(アレンジボール遊技機)等の遊技機(弾球遊技機)又はいわゆるパチスロといわれる遊技機(回胴式遊技機)に関する。
・・・
【0018】
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、外枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。」
イ 「【0040】
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。また、発射制御部250には、遊技者が発射ハンドルに接触していることを検知するタッチスイッチ8a、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ8b、発射ハンドルの操作量を検知する発射ボリュームスイッチ8c、遊技球を発射する発射装置250bが接続されている。そして、発射制御部250は、タッチスイッチ250bからの信号がオン(遊技者が接触していることを検知している状態)となっている状態で、且つ発射停止スイッチからの信号がオフ(発射停止スイッチが操作されていない)となっている状態で、発射ボリュームスイッチ250cによって、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合には、その操作量に応じた強度で遊技球を遊技盤面に向けて発射する。」
ウ 「【0047】
図5(a)は音量調整スイッチ264の正面図であり、図5(b)は音量調整スイッチ264の斜視図であり、図6は音量調整スイッチ264の設定位置(設定位置)と音量との関係を示す図表である。音量調整スイッチ264は、遊技盤20の裏面に配置されている。図5(a)に示すように、音量調整スイッチ264は、ロータリスイッチとして構成されており、ハウジング264aと操作部264bとを備えている。操作部264dは、ハウジング264aに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能となっている。操作部264bを回転操作することで、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置に応じて、スピーカ音量を複数段階に調整することができる。また、詳しくは後述するが、この音量調整スイッチ264から出力される音量信号により、スピーカ音量を調整すると共に、遊技モードの設定を実行している。
・・・
【0049】
音量調整スイッチ264からサブ制御部260に、設定位置(音量設定位置)「0」~「F」に対応する音量信号「0」~「F」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」~「7」である場合は、遊技モードを通常モードに設定し、音量信号が「8」~「F」である場合は、遊技モードを省力モードに設定する。本実施例の音量調整スイッチ264は、16段階(8段階+8段階)の音量信号をデジタル信号として出力するように構成されている。尚、音量信号に基づいて遊技モードを設定するサブ制御部260のCPU260bが本発明の「遊技モード設定手段」に相当する。
・・・
【0059】
次に、音量設定値(0~F)を音量信号(0~F)の値に変更する処理を実行する(S12)。次に、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cかどうか、すなわち音量信号の値が設定位置「0」~「7」に対応する値かどうかを判定する(S13)。この結果、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cであると判定された場合には(S13:YES)、遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S14)。ちなみに、遊技モードが通常モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオフ(OFF)にされており、遊技モードが省力モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオン(ON)にされている。
一方、音量設定領域が通常出力音量設定領域264cでないと判定された場合(S13:NO)、すなわち音量設定領域が省力出力音量設定領域264d(設定位置が「8」~「F」)であると判定された場合には、次に遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S16)。」
エ 「【0064】
このデモンストレーションを実行することによって、遊技機を装飾し、どの遊技機を遊技するか思案中の遊技者をデモ実行中の遊技機に引き付けることができる。しかしながら、遊技されていない遊技機であるにもかかわらず、LED等を点灯制御して派手な装飾(演出)を実行するため、この間、相当の電力を消費することにもなっている。そこで、本実施例の遊技機では、地域の電力がひっ迫した状態や、遊技店の事情により電力を節約したいと考える場合には、消費電力の少ない省力デモンストレーション(省力デモ)に設定することで遊技機を省電力の態様にすることができるようにしている。
【0065】
省力モードに設定されている場合、遊技機枠や遊技盤面に設けられているLED、ランプ、液晶表示装置の制御態様が、通常モードと比較して省電力とされている。
具体的に、通常モードでは、サブ制御部260のCPU260aが、後述するデモ実行条件が成立したと判定した場合、デモンストレーションとして通常デモンストレーションが選択される。そして、遊技機枠に設けられたLED(枠ランプ)や遊技盤に設けられたLED(中央装飾部202LED、第1及び第2装飾装置50、60LED等)が、予め定められた態様の点灯制御が繰り返し実行される。例えば、多数のフルカラーLEDを順に又は同時に点灯させて可変表示したり、点滅表示したりする一連の制御が繰り返し実行される。また、液晶表示装置上では、所定の機種情報(キャラクタを表示したり、遊技方法を説明したり、機種のスペックを説明したり等)や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示される。
・・・
【0070】
また、省力デモンストレーションの更に他の態様としてLEDと液晶表示装置とを備えている場合、LEDの一部又は全部を消灯し、液晶表示装置を点灯する態様としてもよい。この際、液晶表示装置で、省電力モードに設定されている旨を表示(報知)してもよい。例えば、表示画面上に『節電中』の文字を表示することができる。また、遊技者が、LED等が消灯されている遊技機について、「稼働できない遊技機である」と誤認しないように、表示画面上(他の表示装置でもよい)に、省力モードからLEDが点灯制御される通常モードへの復帰方法を表示してもよい。例えば、所定の方法で通常の状態(LEDが点灯した状態)に復帰すること、具体的には「操作ハンドルにタッチすることで通常の状態に復帰できます」等の表示をすることができる。本実施例においても、タッチセンサ8aからの信号が主制御部200に入力され、そしてタッチセンサ8aへの接触があるか否かの情報が、主制御部200からサブ制御部260に送信される。そして、タッチセンサ8aへの接触があった場合には、サブ制御部260のCPU260aは省力デモンストレーションを終了し、LED等の点灯制御を再開する。尚、サブ制御部260のCPU260aは、遊技が実行されているか否かを判断する本発明の「遊技実行判断手段」に相当する。また、タッチセンサ8aからの信号は主制御部200にも入力されているので、主制御部200のCPU200aを「遊技実行判断手段」とすることもできる。」
オ 「【0073】
次に、サブ制御部260が行うデモンストレーション実行処理(デモ実行処理)を図8のフローチャートに基づいて説明する。図8は、サブ制御部260の制御下で行われるデモンストレーションの実行処理を示すフローチャートであり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。図8に示すデモンストレーション実行処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。
【0074】
まず、現在デモンストレーションが実行中か否かを判定する(S20)。この結果、通常デモ又は省力デモの何れかのデモンストレーションを実行中であると判定した場合には(S20:YES)、処理を終了する。一方、何れのデモンストレーションも実行していないと判定した場合には(S20:NO)、予め設定されたデモンストレーション実行条件(デモ実行条件)が成立したか否かを判定する(S21)、この結果、デモンストレーション実行条件が成立していないと判定された場合には(S21:NO)、処理を終了する。一方、デモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合には(S21:YES)、遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S22)。
【0075】
ここで、本実施例において、デモンストレーション実行条件は、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つタッチセンサ8aからの信号がない(遊技者の接触が検知されない)状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するものとしている。また、本実施例ではデモ実行条件としてこのような条件を設定したが、その他の例として、特別図柄の変動が終了してから所定時間を経過したとき(大当り遊技中を除く)としてもよいし、遊技盤面に発射される遊技球を検知する発射球検知手段を設け、特別図柄の変動が終了し且つ当該発射球検知手段が遊技球を検知しない状態が所定時間以上継続した場合に条件成立としもよい。
【0076】
この結果、遊技モードフラグがオンであると判定した場合には(S22:YES)、遊技モードが省力モードに設定されているものとして、省力デモンストレーション(省力デモ)を実行する(S23)。省力デモンストレーションの実行態様は前述したとおりである。そして、省力デモンストレーションは、デモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立するまで継続される。一方、遊技モードフラグがオフであると判定した場合には(S22:NO)、通常デモンストレーション(通常デモ)が実行される(S24)。通常デモンストレーションの実行態様は前述したとおりである。そして、通常デモンストレーションは、デモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立するまで継続される。」
カ 「【0078】
まず、現在デモンストレーションが実行中か否かを判定する(S30)。この結果、通常デモ又は省力デモの何れのデモンストレーションも実行していないと判定した場合には(S30:NO)、処理を終了する。一方、何れかのデモンストレーションを実行していると判定した場合には(S30:YES)、予め設定されたデモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立したか否かを判定する(S31)、この結果、デモンストレーション終了条件が成立していないと判定された場合には(S31:NO)、処理を終了する。一方、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合には(S31:YES)、実行中のデモンストレーション(通常デモ又は省力デモ)を終了する(S32)。
【0079】
ここで、本実施例における、デモンストレーション終了条件は、タッチセンサ8aからタッチ信号が入力されたこと、すなわち遊技者が発射ハンドル(タッチセンサ8a)に接触したことを条件としている。従って、デモンストレーションを実行中の遊技機において、遊技者がタッチセンサ8aに接触すると、実行中のデモンストレーションを終了し、LED等が所定の態様で点灯制御・表示制御される。
【0080】
また、デモンストレーション終了条件の他の態様として、始動口28に遊技球が入球すること、すなわち特別図柄が変動表示を開始することをデモンストレーションの終了条件としてもよい。そして、前述したとおり、この遊技機に設定されたデモ終了条件を、省力モードの表示画面上に表示することで、省力デモンストレーションの解除方法を遊技者に報知することができる。
【0081】
次に、操作者が音量調整スイッチ264を操作して、音量調整を行う際の音量調整用音出力処理について説明する。音量を調整する際(操作部264bを操作する際)には、音量調整用音出力処理が実行される。操作部264bが操作された場合、スピーカ10a~10dから効果音を出力中であるか否かを判定し、この結果、何らかの効果音(大当り中の音、図柄の変動音等)を出力中であると判定された場合には、音量調整用処理を終了する。この場合は、出力中の効果音の音量が操作部264bの操作により設定変更された音量設定値の値に変更される。一方、効果音を出力中でないと判定された場合には、操作部264bの操作により設定変更された音量設定値に応じた操作音(音量調整用音)をスピーカ10a~10dから出力する。これにより、操作者は、音が出力されていない状態であっても、音量調整スイッチ264の操作に伴って出力される操作音(音量調整用音)に基づいて、所望の音量に調整することができる。」
キ 「【0105】
また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264を、遊技盤裏面側に設けるものとしたが、遊技機の前面側、例えば上皿の一部に音量調整スイッチ264を配置し、遊技者が設定変更できるようにしてもよい。」
上記ア~キの記載事項から、次のク~シの事項が認定される。
ク 上記記載事項エの段落【0064】の「消費電力の少ない省力デモンストレーション(省力デモ)に設定することで遊技機を省電力の態様にすることができるようにしている。」との記載、及び上記記載事項オの段落【0073】の「図8に示すデモンストレーション実行処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。」との記載より、刊行物1には、消費電力の少ない省力デモンストレーションを実行するCPU260bが記載されていると認められる。
ケ 上記記載事項ウの段落【0047】の「音量調整スイッチ264は、ロータリスイッチとして構成されており、ハウジング264aと操作部264bとを備えている。操作部264dは、ハウジング264aに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能となっている。操作部264bを回転操作することで、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置に応じて、スピーカ音量を複数段階に調整することができる。」との記載、及び段落【0049】の「音量調整スイッチ264からサブ制御部260に、設定位置(音量設定位置)「0」~「F」に対応する音量信号「0」~「F」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」~「7」である場合は、遊技モードを通常モードに設定し、音量信号が「8」~「F」である場合は、遊技モードを省力モードに設定する。」との記載より、刊行物1には、操作部264bを備え、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、サブ制御部260が遊技モードを省力モードに設定する、音量調整スイッチ264が記載されているといえる。
上記記載事項ウの段落【0059】の「遊技モードが省力モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオン(ON)にされている。」との記載、及び上記記載事項オの段落【0076】の「遊技モードフラグがオンであると判定した場合には(S22:YES)、遊技モードが省力モードに設定されているものとして、省力デモンストレーション(省力デモ)を実行する(S23)。」との記載より、省力モードに設定されている場合は、省力デモンストレーションを実行するといえる。
上記記載事項キの段落【0105】の「また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264を、遊技盤裏面側に設けるものとしたが、遊技機の前面側、例えば上皿の一部に音量調整スイッチ264を配置し、遊技者が設定変更できるようにしてもよい。」との記載より、音量調整スイッチ264を遊技盤裏面側に設ける場合は、遊技者以外の者が設定変更できるといえる。
このことと、上記記載事項ウの段落【0047】の「音量調整スイッチ264は、遊技盤20の裏面に配置されている。」との記載より、刊行物1には、遊技盤20の裏面に配置され、遊技者以外の者が設定変更できる音量調整スイッチ264が記載されているといえる。
したがって、刊行物1には、操作部264bを備え、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定するための音量調整スイッチ264であって、遊技盤20の裏面に配置され、遊技者以外の者が設定変更できる音量調整スイッチ264が記載されていると認められる。
コ 上記認定事項ケで検討したとおり、刊行物1には、音量調整スイッチ264が備える操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が、「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定することが記載されているといえる。
上記記載事項ウの段落【0047】の「音量調整スイッチ264は、ロータリスイッチとして構成されており、ハウジング264aと操作部264bとを備えている。操作部264dは、ハウジング264aに対して時計回りまたは反時計回りに回転可能となっている。操作部264bを回転操作することで、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置に応じて、スピーカ音量を複数段階に調整することができる。」との記載、及び段落【0049】の「音量調整スイッチ264からサブ制御部260に、設定位置(音量設定位置)「0」~「F」に対応する音量信号「0」~「F」が出力される。そして、音量信号を受信したサブ制御部260は、音量信号が「0」~「7」である場合は、遊技モードを通常モードに設定し、音量信号が「8」~「F」である場合は、遊技モードを省力モードに設定する。」との記載より、刊行物1には、音量調整スイッチ264が備える操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が、「0」~「7」である場合は、サブ制御部260が遊技モードを通常モードに設定することが記載されているといえる。
上記記載事項ウの段落【0059】の「遊技モードが通常モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオフ(OFF)にされており」との記載、及び上記記載事項オの段落【0076】の「一方、遊技モードフラグがオフであると判定した場合には(S22:NO)、通常デモンストレーション(通常デモ)が実行される(S24)。」との記載より、通常モードに設定されている場合は、通常デモンストレーションが実行されるといえる。
上記記載事項ウの段落【0049】の「尚、音量信号に基づいて遊技モードを設定するサブ制御部260のCPU260bが本発明の「遊技モード設定手段」に相当する。」との記載より、CPU260bが遊技モードを設定するといえる。
したがって、刊行物1には、音量調整スイッチ264が備える操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定し、設定位置が「0」~「7」である場合は、遊技モードを、通常デモンストレーションを実行する通常モードに設定するCPU260bが記載されていると認められる。
サ 上記記載事項オの段落【0073】の「図8に示すデモンストレーション実行処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行する。」との記載、段落【0074】の「予め設定されたデモンストレーション実行条件(デモ実行条件)が成立したか否かを判定する(S21)、この結果、デモンストレーション実行条件が成立していないと判定された場合には(S21:NO)、処理を終了する。一方、デモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合には(S21:YES)、遊技モードフラグがオンかオフかを判定する(S22)。」との記載、段落【0075】の「デモンストレーション実行条件は、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つタッチセンサ8aからの信号がない(遊技者の接触が検知されない)状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するものとしている。」との記載、及び段落【0076】の「この結果、遊技モードフラグがオンであると判定した場合には(S22:YES)、遊技モードが省力モードに設定されているものとして、省力デモンストレーション(省力デモ)を実行する(S23)。省力デモンストレーションの実行態様は前述したとおりである。そして、省力デモンストレーションは、デモンストレーション終了条件(デモ終了条件)が成立するまで継続される。一方、遊技モードフラグがオフであると判定した場合には(S22:NO)、通常デモンストレーション(通常デモ)が実行される(S24)。」との記載より、刊行物1には、CPU260bが、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つタッチセンサ8aからの信号がない(遊技者の接触が検知されない)状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合、遊技モードフラグがオンかオフかを判定し、遊技モードフラグがオンであると判定した場合には省力デモンストレーションを実行し、遊技モードフラグがオフであると判定した場合には通常デモンストレーションを実行することが記載されているといえる。
上記記載事項ウの段落【0059】の「遊技モードが通常モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオフ(OFF)にされており、遊技モードが省力モードに設定されている場合は遊技モードフラグがオン(ON)にされている。」との記載より、遊技モードフラグがオンにされているのは、遊技モードが省力モードに設定されている場合であり、遊技モードフラグがオフにされているのは、遊技モードが通常モードに設定されている場合であるといえる。
上記記載事項エの段落【0065】の「具体的に、通常モードでは、サブ制御部260のCPU260aが、後述するデモ実行条件が成立したと判定した場合、デモンストレーションとして通常デモンストレーションが選択される。そして、遊技機枠に設けられたLED(枠ランプ)や遊技盤に設けられたLED(中央装飾部202LED、第1及び第2装飾装置50、60LED等)が、予め定められた態様の点灯制御が繰り返し実行される。例えば、多数のフルカラーLEDを順に又は同時に点灯させて可変表示したり、点滅表示したりする一連の制御が繰り返し実行される。また、液晶表示装置上では、所定の機種情報(キャラクタを表示したり、遊技方法を説明したり、機種のスペックを説明したり等)や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示される。」との記載より、通常モードで選択される通常デモンストレーションでは、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示するといえる。
上記記載事項エの段落【0070】の「また、省力デモンストレーションの更に他の態様としてLEDと液晶表示装置とを備えている場合、LEDの一部又は全部を消灯し、液晶表示装置を点灯する態様としてもよい。この際、液晶表示装置で、省電力モードに設定されている旨を表示(報知)してもよい。例えば、表示画面上に『節電中』の文字を表示することができる。」との記載より、刊行物1には、省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨を表示(報知)することが記載されているといえる。
上記記載事項カの段落【0079】には「タッチセンサ8aからタッチ信号が入力されたこと、すなわち遊技者が発射ハンドル(タッチセンサ8a)に接触したこと」と記載されており、一方で、この記載における「発射ハンドル」が、上記記載事項イの段落【0040】に記載の「発射ハンドル8」と同じ構成であることは明らかである。したがって、タッチセンサ8aからタッチ信号が入力されないことは、すなわち遊技者が発射ハンドル8に接触していないことであるといえる。
よって、刊行物1には、CPU260bは、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つ遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合、遊技モードが省力モードに設定されているか通常モードに設定されているかを判定し、省力モードに設定されている場合には、省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行し、通常モードに設定されている場合には、通常デモンストレーションを実行して、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示することが記載されていると認められる。
シ 上記記載事項イの段落【0040】の「発射ボリュームスイッチ250cによって、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合には、その操作量に応じた強度で遊技球を遊技盤面に向けて発射する。」との記載、上記記載事項カの段落【0078】の「一方、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合には(S31:YES)、実行中のデモンストレーション(通常デモ又は省力デモ)を終了する(S32)。」との記載、及び段落【0080】の「デモンストレーション終了条件の他の態様として、始動口28に遊技球が入球すること、すなわち特別図柄が変動表示を開始することをデモンストレーションの終了条件としてもよい。」との記載より、刊行物1には、省力デモンストレーションは、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合に、その操作量に応じた強度で遊技盤面に向けて発射する遊技球が始動口28に入球することである、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合に、終了することが記載されていると認められる。
上記ア~キの記載事項、及びク~シの認定事項より、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(記号a~iは、本件補正発明の記号A~Iに対応させて付した。)。
「a 遊技を実行しているかどうかを判断する遊技実行判断手段を備える遊技機1であって、(【請求項3】、段落【0018】)
b 製造メーカの紹介画像を表示可能な液晶表示装置と、(段落【0065】)
c 消費電力の少ない省力デモンストレーションを実行するCPU260bと、(認定事項ク)
d 所定量以上回動操作されたことを検知した場合には、発射制御部250がその操作量に応じた強度で遊技球を遊技盤面に向けて発射する、発射ハンドル8と、(段落【0040】)
e 操作部264bを備え、操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定するための音量調整スイッチ264であって、遊技盤20の裏面に配置され、遊技者以外の者が設定変更できる音量調整スイッチ264と、(認定事項ケ)
f 音量調整スイッチ264が備える操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定し、設定位置が「0」~「7」である場合は、遊技モードを、通常デモンストレーションを実行する通常モードに設定するCPU260bと、(認定事項コ)
を備え、
g、h 前記CPU260bは、電源投入後又は変動終了後において、特別図柄の変動がない状態で、且つ遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合、遊技モードが省力モードに設定されているか通常モードに設定されているかを判定し、省力モードに設定されている場合には、省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行し、通常モードに設定されている場合には、通常デモンストレーションを実行して、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示し、(認定事項サ)
i 前記省力デモンストレーションは、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合に、その操作量に応じた強度で遊技盤面に向けて発射する遊技球が始動口28に入球することである、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合に終了する、遊技機1。(認定事項シ、段落【0018】)」
(2-2)刊行物2
本願の遡及日前に頒布され、原査定の拒絶の理由において提示された刊行物である特開2012-91055号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0029】
図1に示されるように、前記遊技盤13の遊技盤面13aの略中央部には、図柄表示装置61を有する枠状のセンター役物60が装着されている。なお、本実施形態の図柄表示装置61は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置であってもよい。図柄表示装置61では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が実行されるようになっている。即ち、図柄表示装置61は、『表示手段』としての機能を有している。そして、図柄表示装置61では、表示演出に関連して、複数種類の演出図柄を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが表示されるようになっている。」
イ 「【0040】
図1に示される前記上球皿15の上面には、演出ボタン15aが設けられている。即ち、演出ボタン15aは、遊技者の手が届くパチンコ機10の機表側に配置されている。演出ボタン15aは、節電が行われる省電力モード、または、節電が行われない通常電力モードへの切り替えを行うために、遊技者によって操作されるようになっている。なお、演出ボタン15aは、前記図柄変動ゲーム中に所定の演出を実行させるために操作される『演出実行用操作手段』としての機能を兼ねている。演出ボタン15aは、遊技者によって操作された際にオン状態となり、第2操作信号を統括制御基板32の統括制御CPU32a(図3,図4参照)に出力するようになっている。また、演出ボタン15aは、遊技者によって操作されていない際にオフ状態となり、第2操作信号を出力しなくなる。なお、演出ボタン15aは、前記灰皿20の裏側や前記操作ハンドル19などの他の場所に設けられていてもよい。」
ウ 「【0045】
図2~図4に示されるように、統括制御基板32上の右下部(基板ケース30に覆われていない露出部分)には、省電力スイッチSWが設けられている。即ち、省電力スイッチSWは、遊技者の手が届かないパチンコ機10の機裏側に配置されている。省電力スイッチSWは、前記省電力モードまたは前記通常電力モードへの切り替えを行うために、遊技店の店員によって操作されるようになっている。省電力スイッチSWは、遊技店の店員によって操作された際にオン状態となり、第1操作信号を統括制御CPU32aに出力するようになっている。また、省電力スイッチSWは、遊技店の店員によって操作されていない際にオフ状態となり、第1操作信号を出力しなくなる。」
エ 「【0095】
(A-1)通常電力モード中に遊技店の店員が省電力スイッチSWを操作すると、統括制御CPU32aは、省電力スイッチSWからの第1操作信号がオン状態であると判定して省電力電源生成用抵抗43を選択する。その結果、通常電力モードが省電力モードに切り替えられる。この場合、電源生成回路41が生成する駆動電圧が12Vから6Vに低下
し、枠用ランプ16a~16cの光量及びスピーカ17a~17cの音量が低下することにより、節電が行われる。
【0096】
(A-2)それとともに、統括制御CPU32aは、省電力モード中であることを示す省電力コマンドを表示制御CPU33aに出力し、表示制御CPU33aは、統括制御CPU32aから入力された省電力コマンドをインバーター基板46に出力する。そして、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)を6Vに低下させる。その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下し、節電が行われる。
【0097】
次に、遊技者が機表側にある演出ボタン15aを操作することによって、省電力モードを通常電力モードに切り替える方法について説明する。
【0098】
(B-1)本実施形態では、省電力スイッチSWによって省電力モードに切り替えられると、遊技中であるか遊技中ではないデモ演出中であるかに関係なく節電が行われる。その結果、遊技中であっても各種装置(図柄表示装置61、枠用ランプ16a~16c、スピーカ17a~17c)に供給される電圧が低下するため、遊技者は、遊技中の演出(図柄変動ゲームなど)に物足りなさを感じる可能性がある。
【0099】
(B-2)そこで、図柄変動ゲームが実行されていないデモ演出中に遊技者が演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは、演出ボタン15aからの第2操作信号がオン状態であると判定して通常電源生成用抵抗42を選択する。その結果、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられる。この場合、電源生成回路41が生成する駆動電圧が6Vから12Vに上昇し、枠用ランプ16a~16cの光量及びスピーカ17a~17cの音量が増大するため、遊技中の演出が華やかなものになる。
【0100】
(B-3)それとともに、統括制御CPU32aは、前記省電力コマンドの出力を終了するため、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる。その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が高くなるため、遊技中の演出が華やかなものになる。」
オ 「【0117】
・上記各実施形態では、演出ボタン15aの操作は、省電力スイッチSWが統括制御CPU32aに省電力電源生成用抵抗43を選択させている場合に有効となっていたが、省電力スイッチSWの操作に関係なく演出ボタン15aの操作を有効としてもよい。即ち、遊技者が演出ボタン15aを操作したとしても、通常電力モードから省電力モードに切り替えられることはなかったが、演出ボタン15aの操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が「省電力モードでもいいかな」と思った場合に、演出ボタン15aを操作して節電を行うことができる。また、省電力モード中では、枠用ランプ16a~16cの光量、スピーカ17a~17cの音量、及び、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する。そこで、遊技者が、枠用ランプ16a~16cの光やバックライトの光を眩しいと感じたり、スピーカ17a~17cの音をうるさいと感じたりしたときに、演出ボタン15aを操作すれば光や
音を抑えることができるため、興趣の向上にもつなげることができる。」
上記ア~オの記載事項より、刊行物2には、次の事項が記載されていると認められる(以下、「刊行物2記載の事項」という。)。
「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている図柄表示装置61と、(段落【0029】)
パチンコ機10の機裏側に配置され、省電力モードまたは通常電力モードへの切り替えを行うために、遊技店の店員によって操作される省電力スイッチSWと、(段落【0045】)
パチンコ機10の機表側に配置され、操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられる演出ボタン15aとが設けられ、(段落【0040】、【0117】)
通常電力モードが省電力モードに切り替えられると、統括制御CPU32aは、省電力コマンドを出力し、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下して節電が行われ、(段落【0095】-【0096】)
省電力モードを通常電力モードに切り替えるために、図柄変動ゲームが実行されていないデモ演出中に遊技者が演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは、省電力コマンドの出力を終了するため、インバーター基板46は、12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる、(段落【0097】、【0099】-【0100】)
パチンコ機10。(段落【0040】)」
(3)対比
本件補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)~(i)は、刊行物1発明の構成a~iに対応している。)。
(a)刊行物1発明の「遊技機1」は、「遊技を実行しているかどうかを判断する遊技実行判断手段」を備えるところ、遊技を実行している状態と遊技を実行していない状態とがあるといえるから、遊技を実行可能であるといえる。
したがって、刊行物1発明の「遊技を実行しているかどうかを判断する遊技実行判断手段を備える遊技機1」は、本件補正発明の「遊技を実行可能な遊技機」に相当する。
(b)刊行物1発明の「液晶表示装置」は、「製造メーカの紹介画像を表示可能」であるから、画像が表示されるものといえる。
したがって、刊行物1発明の「製造メーカの紹介画像を表示可能な液晶表示装置」は、本件補正発明の「画像が表示される表示手段」に相当する。
(c)刊行物1発明の「省力デモンストレーション」は、「消費電力の少ない」ものであるから、遊技機の消費電力を低下させるものといえる。また、刊行物1発明の「省力デモンストレーションを実行する」ことは、本件補正発明の「省電力制御を行う」ことに相当する。
したがって、刊行物1発明の「消費電力の少ない省力デモンストレーションを実行するCPU260b」は、本件補正発明の「前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段」としての機能を有する。
(d)刊行物1発明の「所定量以上回動操作されたことを検知した場合には、発射制御部250がその操作量に応じた強度で遊技球を遊技盤面に向けて発射する、発射ハンドル8」は、「遊技球を遊技盤面に向けて発射する」ことにより遊技の進行が開始されることが、当業者における技術常識であることをふまえると、本件補正発明の「遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段」に相当する。
(e)上記(c)において検討したとおり、刊行物1発明の「省力デモンストレーションを実行する」ことは、本件補正発明の「省電力制御を行う」ことに相当するから、刊行物1発明の「遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定するための音量調整スイッチ264であって、・・・音量調整スイッチ264」は、本件補正発明の「前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段」に相当する。
(f)刊行物1発明の「CPU260b」は、「音量調整スイッチ264が備える操作部264bが回転操作された際の停止位置である設定位置が「8」~「F」である場合は、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードに設定」し、「設定位置が「0」~「7」である場合は、遊技モードを、通常デモンストレーションを実行する通常モードに設定」するから、「音量調整スイッチ264」の操作に基づいて、遊技モードを、省力デモンストレーションを実行する省力モードか、通常デモンストレーションを実行する通常モードに設定するといえる。さらに、通常デモンストレーションを実行することは、すなわち省力デモンストレーションを実行しないことであるから、刊行物1発明の「CPU260b」は、「音量調整スイッチ264」の操作に基づいて、省力デモンストレーションの実行を有効とするか無効とするかを設定するといえる。
このことと、上記(e)において検討したとおり、刊行物1発明の「音量調整スイッチ264」は本件補正発明の「第2操作手段」に相当すること、及び上記(c)において検討したとおり、刊行物1発明において「省力デモンストレーション」を実行することは、本件補正発明において「省電力制御」を行うことに相当することより、刊行物1発明の「CPU260b」は、本件補正発明の「前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段」としての機能を有する。
(g)刊行物1発明の「省力モードに設定されている場合」は、本件補正発明の「前記省電力制御が有効に設定されているとき」に相当する。
刊行物1発明の「遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合」においては、発射ハンドル8の操作が行われていないといえる。したがって、刊行物1発明の「遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合」は、本件補正発明の「前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて」に相当する。
刊行物1発明において、「省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行」することは、省力時の態様にて表示を行うことであるから、本件補正発明の「省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御する」ことに相当する。
したがって、刊行物1発明において、「前記CPU260b」が、「省力モードに設定されている場合」であって、「遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合」に、「省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行」することは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御する」ことに相当する。
刊行物1発明の「通常モードに設定されている場合」は、本件補正発明の「前記省電力制御が無効に設定されているとき」に相当する。
刊行物1発明において「通常デモンストレーションを実行して、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示」することは、本件補正発明において「通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御」することに相当する。
したがって、刊行物1発明において、「前記CPU260b」が、「通常モードに設定されている場合」に、「通常デモンストレーションを実行して、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示」することは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段は、」「前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御」することに相当する。
よって、刊行物1発明において「前記CPU260bは、」「遊技者が発射ハンドル8に接触していない状態となってから、当該状態が所定時間継続した場合に成立するデモンストレーション実行条件が成立したと判定された場合、遊技モードが省力モードに設定されているか通常モードに設定されているかを判定し、省力モードに設定されている場合には、省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行し、通常モードに設定されている場合には、通常デモンストレーションを実行して、液晶表示装置上では、所定の機種情報や製造メーカの紹介画像を繰り返し表示」することは、本件補正発明において「前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御」することに相当する。
(h)刊行物1発明において「省力デモンストレーションとして、液晶表示装置の表示画面上に『節電中』の文字を表示することで、省電力モードに設定されている旨の表示(報知)を実行」することは、液晶表示装置に、省電力モードで表示を実行している旨が特定可能な表示を行っていることといえるから、本件補正発明の「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御」することに相当する。
(i)刊行物1発明の「発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合に、その操作量に応じた強度で遊技盤面に向けて発射する遊技球が始動口28に入球することである、デモンストレーション終了条件」は、「発射ハンドル8」の操作に基づく条件であるといえるから、本件補正発明の「前記第1操作手段の操作に基づく第1条件」に相当する。
したがって、刊行物1発明の「省力デモンストレーションは、発射ハンドル8が所定量以上回動操作されたことを検知した場合に、その操作量に応じた強度で遊技盤面に向けて発射する遊技球が始動口28に入球することである、デモンストレーション終了条件が成立したと判定された場合に終了する、遊技機1。」は、本件補正発明の「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合と、前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合とに終了することを特徴とする遊技機。」と、「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合」「に終了する」「遊技機」である点で共通する。
上記(a)~(i)の対比より、本件補正発明と刊行物1発明とは、次の点で一致している。
「A 遊技を実行可能な遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
D 遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段と、
E 前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段と、
F 前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段と、
を備え、
G 前記省電力制御手段は、
前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し、
H 前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御し、
I’前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合に終了する遊技機。」
そして、本件補正発明と刊行物1発明とは、次の点で相違している。
(相違点1)
省電力態様で画像表示を行う制御の終了に関して、第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合に終了することに加えて、本件補正発明は、「前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」に「終了する」のに対して、刊行物1発明は、「音量調整スイッチ264」の操作に基づく条件が成立した場合に終了することが特定されていない点。(構成I)
(4)判断
上記相違点1について検討する。
ア 刊行物2記載の事項と、本件補正発明及び刊行物1発明との対応関係について
刊行物2記載の事項の「演出ボタン15a」は、「操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられる」ものであるから、本件補正発明の「第2操作手段」であるといえる。
刊行物2記載の事項において、「通常電力モードが省電力モードに切り替えられると、」「インバーター基板46は、」「12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、」「その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下して節電が行われ」ることは、「図柄表示装置61」が「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている」ものであることをふまえると、本件補正発明において「省電力態様で画像表示を行う制御」を行っていることであるといえる。
刊行物2記載の事項において、「省電力モードを通常電力モードに切り替えるために、」「遊技者が演出ボタン15aを操作」して、「統括制御CPU32aは、省電力コマンドの出力を終了する」ことは、「インバーター基板46は、12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる」こと、すなわち「インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ」ることを終了することであるから、本件補正発明の「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、」「終了する」ことに相当するといえる。
本願明細書の段落【0232】には「また、上記実施の形態では、変動パターン指定コマンドが受信された場合、発射球が検出された場合、操作ノブ10、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bの何れかが操作された場合の何れかを満たした場合に、省電力制御が中断されるようにしたが、これらの条件のうち、2つ又は全てが満たされた場合に、省電力制御が中断されるようにしてもよい。」と記載されているから、本願明細書には、「スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bの何れかが操作された場合」という「条件」「を満たした場合に、省電力制御が中断される」ことが記載されているといえる。この記載と、審判請求書の「3.補正が認められるべき理由」に「つまり、省電力態様で画像表示を行う制御は、・・・、第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合(図16のステップS309でスティックコントローラやプッシュボタンが操作された場合)とに終了する(ステップS310)ことが記載されています。」と記載されていることをふまえれば、本件補正発明の「第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」には、第2操作手段が操作された場合が含まれるといえる。したがって、刊行物2記載の事項において「省電力モードを通常電力モードに切り替えるために、」「遊技者が演出ボタン15aを操作すると」は、本件補正発明の「前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」に該当するといえる。
よって、刊行物2記載の事項の「演出ボタン15a」は、本件補正発明の「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、」「前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」「に終了する」における「第2操作手段」であるといえる。
刊行物1発明の「音量調整スイッチ264」は、「省力モードに設定するため」のものであって、「遊技盤20の裏面に配置され、遊技者以外の者が設定変更できる」ものである。一方で、刊行物2記載の事項の「省電力スイッチSW」は、「省電力モードまたは通常電力モードへの切り替えを行うため」のものであって、「パチンコ機10の機裏側に配置され、」「遊技店の店員によって操作される」ものである。したがって両者は、いずれも、遊技機の裏側に配置されて遊技者以外の者によって操作される、省電力モードの設定をおこなうためのスイッチである点において、配置位置、操作者、及び機能が一致する。
そうすると、刊行物2記載の事項における「パチンコ機10」には、刊行物1発明の「音量調整スイッチ264」と配置位置、操作者、及び機能が一致する「省電力スイッチSW」に加えて、本件補正発明の「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、」「前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」「に終了する」における「第2操作手段」である「演出ボタン15a」が設けられているといえる。
イ 刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用する動機付けについて
そして、刊行物1の段落【0105】(「第2 3(2)(2-1)」の記載事項キ)には、「また、上記各実施例では、音量調整スイッチ264を、遊技盤裏面側に設けるものとしたが、遊技機の前面側、例えば上皿の一部に音量調整スイッチ264を配置し、遊技者が設定変更できるようにしてもよい。」と記載されており、「音量調整スイッチ264」を遊技機の前面側に配置し、遊技者が設定変更できるようにすることが示唆されている。
また、刊行物1の段落【0081】(「第2 3(2)(2-1)」の記載事項カ)には、「次に、操作者が音量調整スイッチ264を操作して、音量調整を行う際の音量調整用音出力処理について説明する。音量を調整する際(操作部264bを操作する際)には、音量調整用音出力処理が実行される。操作部264bが操作された場合、スピーカ10a~10dから効果音を出力中であるか否かを判定し、この結果、何らかの効果音(大当り中の音、図柄の変動音等)を出力中であると判定された場合には、音量調整用処理を終了する。この場合は、出力中の効果音の音量が操作部264bの操作により設定変更された音量設定値の値に変更される。一方、効果音を出力中でないと判定された場合には、操作部264bの操作により設定変更された音量設定値に応じた操作音(音量調整用音)をスピーカ10a~10dから出力する。これにより、操作者は、音が出力されていない状態であっても、音量調整スイッチ264の操作に伴って出力される操作音(音量調整用音)に基づいて、所望の音量に調整することができる。」と記載され、「何らかの効果音(大当り中の音、図柄の変動音等)を出力中」、すなわち遊技の進行中のみならず、「効果音を出力中でないと判定された場合」、すなわち遊技が進行していない場合においても、音量調整スイッチ264を操作して音量調整を行うことが示唆されている。
したがって、刊行物1発明と刊行物2記載の事項とはいずれも、省電力モードまたは通常モードの設定を行うための操作部を備える遊技機である点において共通する。さらに、刊行物1には、遊技モードを省力モード又は通常モードに設定するための音量調整スイッチ264を遊技機の前面側に配置し、遊技者が設定変更できるようにすること、及び遊技が進行していない場合においても、音量調整スイッチ264を操作して調整を行うことが示唆されている。
よって、刊行物1発明に刊行物2記載の事項を適用する動機付けは十分にあるといえる。
ウ まとめ
上記ア~イにおける検討により、刊行物1発明に、省電力モードまたは通常電力モードの設定に係る刊行物2記載の事項を適用して、刊行物1発明における第2操作手段に加えて、遊技が進行していない場合に遊技者が操作可能な「演出ボタン15a」を遊技機の前面側に配置して遊技者が省電力モードまたは通常電力モードへ設定変更できるようにし、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書の「4.本願発明の説明」において、「請求項1の発明は、(A)「前記省電力制御が有効に設定されているときに、前記第1操作手段の操作が行われていないことに基づいて省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し」、(B)「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに、前記表示手段に前記省電力態様で画像表示を行っている旨が特定可能な表示を行うように制御し」、(C)「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合と、前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合とに終了する」ことを特徴と」する旨主張する。
しかしながら、特徴(A)、特徴(B)、及び特徴(C)のうちの「前記省電力態様で画像表示を行う制御は、前記第1操作手段の操作に基づく第1条件が成立した場合」「に終了する」ことについては、上記「(3)対比」において検討したとおり、刊行物1発明に特定されているし、特徴(C)のうちの「前記省電力態様で画像表示を行う制御は」「前記第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立した場合」「に終了する」ことについては、上記「(4)判断」において検討したとおり、刊行物2記載の事項に特定されている。
イ さらに、請求人は、審判請求書の「4.本願発明の説明」において、「このような特徴(A)及び(C)によって、デモ表示条件が成立しているときの省電力態様での画像表示(つまり、省電力態様でデモ表示)が行われているときに、第1条件の成立(遊技の進行がされること)で省電力制御を終了させることができ、第1条件が成立していないときにも(遊技の進行がされなくても)第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立すると省電力制御を終了させることができる(段落0207)、という効果を奏します。」と主張する。
しかしながら、「第1条件の成立(遊技の進行がされること)で省電力制御を終了させること」については、上記アにおいて検討したとおり、刊行物1発明に特定されているし、「第1条件が成立していないときにも(遊技の進行がされなくても)第2操作手段の操作に基づく第2条件が成立すると省電力制御を終了させること」については、上記「(4)判断」で検討したように、「図柄変動ゲームが実行されていないデモ演出中に遊技者が」「操作する」「演出ボタン15a」として、刊行物2記載の事項に特定されている。
したがって、請求人が主張する効果は、当業者が刊行物1発明及び刊行物2記載の事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
ウ 請求人は、審判請求書の「4.本願発明の説明」において、「さらに、特徴(B)によって、遊技者は、表示手段における省電力態様で画像表示を行っている旨の表示を見ることで、省電力態様(例えば遊技効果ランプの消灯など)が遊技機の故障などではなく、省電力制御によるものであることを認識することができ、誤解を招くことが防止される(段落0221)、という効果を奏します。」と主張する。
しかしながら、そのような効果は、刊行物1の段落【0070】(「第2 3(2)(2-1)」の記載事項エ)に「この際、液晶表示装置で、省電力モードに設定されている旨を表示(報知)してもよい。例えば、表示画面上に『節電中』の文字を表示することができる。また、遊技者が、LED等が消灯されている遊技機について、「稼働できない遊技機である」と誤認しないように、表示画面上(他の表示装置でもよい)に、省力モードからLEDが点灯制御される通常モードへの復帰方法を表示してもよい。」と記載されることから、刊行物1発明から予測し得る程度のものといえる。
(6)まとめ
以上のように、本件補正発明は、当業者が刊行物1発明、及び刊行物2記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 補正却下の決定についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年8月2日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(ただし、A~Hは、分説するために当審で付した。)。
「A 遊技を実行可能な遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
D 遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段と、
E 前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段と、
F 前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段と、
を備え、
G 前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し、
H 前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに前記第2操作手段の操作があった場合には該制御を終了することを特徴とする遊技機。」
2 刊行物
(1)刊行物2
本願の遡及日前に頒布され、原査定の拒絶の理由において提示された刊行物2(特開2012-91055号公報)には、「第2 3(2)(2-2)」において示した記載事項ア~オ及び図面とともに、次の事項が記載されている。
カ 「【0028】
さらに、中枠12の前面側において前枠14の下方には、下球皿18が開閉可能に組み付けられている。下球皿18の右方には、遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19が装着されている。また、下球皿18の左方には、灰皿20や、各種音声を出力する音声演出を実行させるウーハー用スピーカ17c等が配設されている。即ち、ウーハー用スピーカ17cは、『音声発生手段』としての機能を有している。なお、ウーハー用スピーカ17cは中枠12に装着されている。」
キ 「【0078】
(3-3)表示制御基板33の電気的構成
図3,図4に示されるように、表示制御基板33は、『サブ制御手段』及び『表示制御手段』である前記表示制御CPU33aと、インバーター基板46とを備えている。表示制御CPU33aは、前記電源基板37から供給された電源電圧(本実施形態では34Vの直流電圧)に基づいて、インバーター基板46の動作に必要な駆動電圧(本実施形態では12Vの直流電圧)を生成するようになっている。インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧を、図柄表示装置61のバックライトに供給するようになっている。また、表示制御CPU33aには、表示ROM(図示略)及び表示RAM(図示略)が接続されている。表示RAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。」
ク 「【0085】
さらに、統括制御CPU32aから前記省電力コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、入力された省電力コマンドを前記インバーター基板46に出力するようになっている。そして、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)を6Vに低下させるようになっている。その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する。」
ケ 「【0102】
(1)本実施形態のパチンコ機10では、省電力スイッチSWを操作して省電力電源生成用抵抗43が選択された場合に節電が行われる。即ち、遊技中であるか否かに関係なく節電が行われるため、節電の効果が高くなる。しかも、省電力電源生成用抵抗43が選択されると、枠用ランプ16a~16cの光量を低下させることによって節電が行われるだけでなく、スピーカ17a~17cの音量や図柄表示装置61の輝度を低下させることによっても、節電が行われる。以上のことから、各種装置の節電を同時に行うことができるため、効果的な節電を行うことができる。ゆえに、遊技店側の必要経費も下がるため、その分だけ遊技者に出球を還元することもできる。
【0103】
(2)本実施形態では、図柄変動ゲームの実行中に省電力モードが設定されるだけでなく、図柄変動ゲームよりも元々消費電力が低いデモ演出においても省電力モードが設定される。このため、デモ演出において省電力モードが設定されると、消費電力を大幅に減少させることができる。」
「第2 3(2)(2-2)」において示した記載事項ア~オ、及び上記カ~ケの記載事項から、次のコ~スの事項が認定される。
コ 上記記載事項キの段落【0078】の「表示制御基板33は、『サブ制御手段』及び『表示制御手段』である前記表示制御CPU33aと、インバーター基板46とを備えている。」との記載より、刊行物2には、表示制御基板33に備えられた表示制御CPU33aが記載されているといえる。
上記記載事項クの段落【0085】の「さらに、統括制御CPU32aから前記省電力コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、入力された省電力コマンドを前記インバーター基板46に出力するようになっている。そして、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)を6Vに低下させるようになっている。その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する。」との記載、上記記載事項エの段落【0096】の「それとともに、統括制御CPU32aは、省電力モード中であることを示す省電力コマンドを表示制御CPU33aに出力し」との記載、及び上記記載事項ケの段落【0103】の「このため、デモ演出において省電力モードが設定されると、消費電力を大幅に減少させることができる。」との記載より、刊行物2には、統括制御CPU32aから入力された、消費電力を大幅に減少させることができる省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力すると、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する、表示制御CPU33aが記載されているといえる。
したがって、刊行物2には、統括制御CPU32aから入力された、消費電力を大幅に減少させることができる省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力すると、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する、表示制御基板33に備えられた表示制御CPU33aが記載されていると認められる。
サ 上記記載事項オの段落【0117】には「演出ボタン15aの操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられるようにしてもよい。」と記載されているから、刊行物2には、操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられる演出ボタン15aが記載されているといえる。
上記記載事項エの段落【0099】の「その結果、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられる。」との記載、及び段落【0100】の「それとともに、統括制御CPU32aは、前記省電力コマンドの出力を終了するため、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる。」との記載より、通常電力モードにおいては、統括制御CPU32aは、省電力コマンドの出力を終了するといえる。
上記記載事項クの段落【0085】の「統括制御CPU32aから前記省電力コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、入力された省電力コマンドを前記インバーター基板46に出力するようになっている。」との記載より、表示制御CPU33aは、統括制御CPU32aから省電力コマンドが入力されると、省電力コマンドをインバーター基板46に出力するといえるが、上記記載事項エの段落【0100】に記載されるように、統括制御CPU32aが省電力コマンドの出力を終了した際には、表示制御CPU33aに省電力コマンドが入力されないことは明らかであるから、表示制御CPU33aは、統括制御CPU32aが省電力コマンドの出力を終了した際には、省電力コマンドをインバーター基板46に出力しないといえる。
したがって、刊行物2には、表示制御CPU33aは、通常電力モードにおいては、省電力コマンドをインバーター基板46に出力しないことが記載されているといえる。
上記記載事項エの段落【0095】の「その結果、通常電力モードが省電力モードに切り替えられる。」、及び段落【0096】の「それとともに、統括制御CPU32aは、省電力モード中であることを示す省電力コマンドを表示制御CPU33aに出力し、表示制御CPU33aは、統括制御CPU32aから入力された省電力コマンドをインバーター基板46に出力する。」との記載より、表示制御CPU33aは、省電力モードにおいては、省電力コマンドをインバーター基板46に出力するといえる。
よって、刊行物2には、操作によって、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない通常電力モードにも、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する省電力モードにも、切り替えられる演出ボタン15aが記載されていると認められる。
シ 上記記載事項エの段落【0095】の「通常電力モード中に遊技店の店員が省電力スイッチSWを操作すると、統括制御CPU32aは、省電力スイッチSWからの第1操作信号がオン状態であると判定して省電力電源生成用抵抗43を選択する。その結果、通常電力モードが省電力モードに切り替えられる。」との記載から、通常電力モード中に省電力スイッチSWを操作すると、統括制御CPU32aは省電力電源生成用抵抗43を選択し、その結果省電力モードに切り替えられるといえる。
一方で、上記記載事項オの段落【0117】には「上記各実施形態では、演出ボタン15aの操作は、省電力スイッチSWが統括制御CPU32aに省電力電源生成用抵抗43を選択させている場合に有効となっていたが、省電力スイッチSWの操作に関係なく演出ボタン15aの操作を有効としてもよい。即ち、遊技者が演出ボタン15aを操作したとしても、通常電力モードから省電力モードに切り替えられることはなかったが、演出ボタン15aの操作によって通常電力モードにも省電力モードにも切り替えられるようにしてもよい。」と記載されているから、刊行物2には、省電力スイッチSWではなく演出ボタン15aの操作によって通常電力モードから省電力モードに切り替えることが記載されているといえる。
さらに、上記認定事項サにおいて検討したとおり、省電力モードにおいては、表示制御CPU33aは、省電力コマンドをインバーター基板46に出力するといえる。
したがって、刊行物2には、通常電力モード中に演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは省電力電源生成用抵抗43を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する、省電力モードに切り替えられることが記載されているといえる。
上記記載事項エの段落【0097】の「次に、遊技者が機表側にある演出ボタン15aを操作することによって、省電力モードを通常電力モードに切り替える方法について説明する。」との記載、段落【0098】の「(B-1)本実施形態では、省電力スイッチSWによって省電力モードに切り替えられると、遊技中であるか遊技中ではないデモ演出中であるかに関係なく節電が行われる。」との記載、及び段落【0099】の「そこで、図柄変動ゲームが実行されていないデモ演出中に遊技者が演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは、演出ボタン15aからの第2操作信号がオン状態であると判定して通常電源生成用抵抗42を選択する。その結果、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられる。」との記載より、刊行物2には、省電力モード中に演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは通常電源生成用抵抗42を選択し、その結果、通常電力モードに切り替えられることが記載されているといえる。
また、上記認定事項サにおいて検討したとおり、通常電力モードにおいては、表示制御CPU33aは、省電力コマンドをインバーター基板46に出力しないといえる。
したがって、刊行物2には、省電力モード中に演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは通常電源生成用抵抗42を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない、通常電力モードに切り替えられることが記載されているといえる。
よって、刊行物2には、通常電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、省電力電源生成用抵抗43を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する、省電力モードに切り替えられ、省電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、通常電源生成用抵抗42を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない、通常電力モードに切り替えられる、統括制御CPU32aが記載されていると認められる。
ス 上記記載事項エの段落【0097】の「次に、遊技者が機表側にある演出ボタン15aを操作することによって、省電力モードを通常電力モードに切り替える方法について説明する。」との記載、段落【0099】の「そこで、図柄変動ゲームが実行されていないデモ演出中に遊技者が演出ボタン15aを操作すると、統括制御CPU32aは、演出ボタン15aからの第2操作信号がオン状態であると判定して通常電源生成用抵抗42を選択する。その結果、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられる。」との記載、及び段落【0100】の「それとともに、統括制御CPU32aは、前記省電力コマンドの出力を終了するため、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された駆動電圧(12V)によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる。」との記載より、刊行物2には、省電力モードにおいて、遊技者が演出ボタン15aを操作すると、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられ、統括制御CPU32aは省電力コマンドの出力を終了するため、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させることが記載されているといえる。
上記認定事項サにおいて検討したとおり、表示制御CPU33aは、統括制御CPU32aが省電力コマンドの出力を終了した際には、省電力コマンドをインバーター基板46に出力しないといえるから、統括制御CPU32aが省電力コマンドの出力を終了すると、表示制御CPU33aも省電力コマンドのインバーター基板46への出力を終了するといえる。
したがって、刊行物2には、省電力モードにおいて、遊技者が演出ボタン15aを操作すると、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられ、表示制御CPU33aが省電力コマンドのインバーター基板46への出力を終了し、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させることが記載されていると認められる。
「第2 3(2)(2-2)」において示したア~オの記載事項、上記カ~ケの記載事項、及び上記コ~スの認定事項より、刊行物2には、次の発明(以下、「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる(記号a~hは、本願発明の記号A~Hに対応させて付した。)。
「a 遊技中であるか否かに関係なく節電が行われるパチンコ機10であって、(段落【0102】)
b 変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている図柄表示装置61と、(段落【0029】)
c、g 統括制御CPU32aから入力された、消費電力を大幅に減少させることができる省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力すると、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する、表示制御基板33に備えられた表示制御CPU33aと、(認定事項コ)
d 遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19と、(段落【0028】)
e 操作によって、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない通常電力モードにも、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する省電力モードにも、切り替えられる演出ボタン15aと、(認定事項サ)
f 通常電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、省電力電源生成用抵抗43を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する、省電力モードに切り替えられ、省電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、通常電源生成用抵抗42を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない、通常電力モードに切り替えられる、統括制御CPU32aと、(認定事項シ)
を備え、
g、h 省電力モードにおいて、遊技者が演出ボタン15aを操作すると、省電力モードが解除されて通常電力モードに切り替えられ、表示制御CPU33aが省電力コマンドのインバーター基板46への出力を終了し、インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させるパチンコ機10。(認定事項ス、段落【0102】)」
3 対比・判断
本願発明と刊行物2発明とを対比する(下記の(a)~(h)は、刊行物2発明の構成a~hに対応している。)。
(a)刊行物2発明の「遊技中であるか否かに関係なく節電が行われるパチンコ機10」は、「遊技中」の状態をとりうるといえるところ、遊技を実行可能であるといえる。
したがって、刊行物2発明の「遊技中であるか否かに関係なく節電が行われるパチンコ機10」は、本願発明の「遊技を実行可能な遊技機」に相当する。
(b)刊行物2発明の「図柄表示装置61」は、「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている」ところ、画像が表示されるものといえる。
したがって、刊行物2発明の「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている図柄表示装置61」は、本願発明の「画像が表示される表示手段」に相当する。
(c)刊行物2発明の「表示制御CPU33a」は、「統括制御CPU32aから入力された、消費電力を大幅に減少させることができる省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力すると、インバーター基板46は、入力された省電力コマンドに基づいて、12Vの駆動電圧を6Vに低下させ、その結果、図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下する」ように制御するから、刊行物2発明の「表示制御CPU33a」は、遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行っているといえる。
したがって、刊行物2発明の「表示制御CPU33a」は、本願発明の「前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段」としての機能を有する。
(d)遊技者が遊技球を発射することにより、遊技の進行が開始されることは、当業者における技術常識である。
したがって、刊行物2発明の「遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19」は、本願発明の「遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段」に相当する。
(e)上記(c)において検討したとおり、刊行物2発明において、「表示制御CPU33a」が、「省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ことは、本願発明において「省電力制御を行う」ことに相当する。このことをふまえれば、刊行物2発明において、「演出ボタン15a」が、「操作によって、」「表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない通常電力モードにも、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する省電力モードにも、切り替えられる」ものであることは、本願発明において、「第2操作手段」が「前記省電力制御の設定に用いられる」ことに相当する。
したがって、刊行物2発明の「操作によって、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない通常電力モードにも、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する省電力モードにも、切り替えられる」「演出ボタン15a」は、本願発明の「前記省電力制御の設定に用いられる」「第2操作手段」に相当する。
(f)刊行物2発明において、「統括制御CPU32a」が、「省電力電源生成用抵抗43」又は「通常電源生成用抵抗42を選択する」ことは、「通常電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、」又は「省電力モード中に演出ボタン15aを操作されると、」行われるものであるから、演出ボタン15aの操作に基づいているといえる。したがって、刊行物2発明の「通常電力モード中に演出ボタン15aが操作される」こと及び「省電力モード中に演出ボタン15aを操作される」ことは、あわせて本願発明の「前記第2操作手段の操作に基づ」くことに相当する。
刊行物2発明において、「統括制御CPU32a」が「省電力電源生成用抵抗43を選択」することは、「その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する、省電力モードに切り替えられる」ことから、本願発明において「前記省電力制御を有効とする」ように「設定する」ことに相当する。
刊行物2発明において、「統括制御CPU32a」が「通常電源生成用抵抗42を選択」することは、「その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない、通常電力モードに切り替えられる」ことから、本願発明において「前記省電力制御を」「無効とする」ように「設定する」ことに相当する。
よって、刊行物2発明の「通常電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、省電力電源生成用抵抗43を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力する、省電力モードに切り替えられ、省電力モード中に演出ボタン15aが操作されると、通常電源生成用抵抗42を選択し、その結果、表示制御CPU33aが省電力コマンドをインバーター基板46に出力しない、通常電力モードに切り替えられる、」「統括制御CPU32a」は、本願発明の「前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する」「省電力制御設定手段」としての機能を有する。
(g)上記(f)で検討した内容より、刊行物2発明において「表示制御CPU33a」が「省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ときは、本願発明の「前記省電力制御が有効に設定されているとき」に相当する。
また、刊行物2発明において、「表示制御CPU33a」が「省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ときに、「インバーター基板46」が「12Vの駆動電圧を6Vに低下させ」た「結果」、「図柄表示装置61のバックライトの輝度が低下」した際には、「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている図柄表示装置61」(発明特定事項b)は、「バックライトの輝度が低下」した状態で画像表示を行うといえ、そのような画像表示の態様は、駆動電圧が低下していること、及びバックライトの輝度が低下していることより、省電力の態様であるといえる。すなわち、刊行物2発明においては、「表示制御CPU33a」が「省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」と、省電力の態様で「図柄表示装置61」が画像表示を行うといえる。
したがって、刊行物2発明において、「表示制御CPU33a」が「省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ことは、本願発明において「前記省電力制御手段は、」「前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御する」ことに相当する。
上記(f)で検討した内容より、刊行物2発明において「通常電力モード」であるときは、本願発明の「前記省電力制御が無効に設定されているとき」に相当する。
また、刊行物2発明においては、「通常電力モード」において、「インバーター基板46は、表示制御CPU33aから供給された12Vの駆動電圧によって図柄表示装置61のバックライトを動作させる」が、その際には、「変動画像または画像表示に基づく遊技演出が実行されるようになっている図柄表示装置61」(発明特定事項b)は、「12Vの駆動電圧によって」「バックライトを動作」した状態で画像表示を行うといえ、そのような画像表示の態様は、通常電力モードにおける表示態様であることを考慮すると、通常の態様であるといえる。すなわち、刊行物2発明においては、「通常電力モード」において、「表示制御CPU33a」が「インバーター基板46」に「12Vの駆動電圧」を「供給」すると、通常の態様で「図柄表示装置61」が画像表示を行うといえる。
したがって、刊行物2発明において、「通常電力モード」であるときに、「表示制御CPU33a」が「インバーター基板46」に「12Vの駆動電圧」を「供給」することは、本願発明において「前記省電力制御手段は、」「前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御」することに相当する。
よって、刊行物2発明において、「表示制御CPU33a」が、「省電力モード中であることを示す省電力コマンドをインバーター基板46に出力」し、また「通常電力モード」であるときに、「インバーター基板46」に「12Vの駆動電圧」を「供給」することは、本願発明の「前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御」することに相当する。
(h)上記(g)で検討した内容より、刊行物2発明の「省電力モードにおいて」「省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ことは、本願発明の「前記省電力態様で画像表示を行うように制御している」ことに相当する。
刊行物2発明の「遊技者が演出ボタン15aを操作する」ことは、本願発明の「前記第2操作手段の操作があった場合」に相当する。
上記(g)で検討したように、刊行物2発明において、「表示制御CPU33a」が「省電力コマンドをインバーター基板46に出力する」ことが、本願発明において、「省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御する」ことに相当するから、刊行物2発明において、「表示制御CPU33aが省電力コマンドのインバーター基板46への出力を終了」することは、本願発明において「該制御を終了する」ことに相当する。
したがって、刊行物2発明の、「省電力モードにおいて、遊技者が演出ボタン15aを操作すると、」「表示制御CPU33aが省電力コマンドのインバーター基板46への出力を終了」する「パチンコ機10」は、本願発明の「前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに前記第2操作手段の操作があった場合には該制御を終了する」「遊技機」に相当する。
上記(a)~(h)の対比より、本願発明と刊行物2発明とは、
「A 遊技を実行可能な遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
D 遊技を進行させるための操作が行われる第1操作手段と、
E 前記省電力制御の設定に用いられる第2操作手段と、
F 前記第2操作手段の操作に基づいて前記省電力制御を有効とするか無効とするかを設定する省電力制御設定手段と、
を備え、
G 前記省電力制御手段は、前記省電力制御が有効に設定されているときに省電力態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御するとともに、前記省電力制御が無効に設定されているときに通常態様で前記表示手段の画像表示を行うように制御し、
H 前記省電力態様で画像表示を行うように制御しているときに前記第2操作手段の操作があった場合には該制御を終了する遊技機。」
である点で一致しており、相違点はない。
したがって、本願発明は刊行物2に記載された発明である。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-003925