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特許拒絶査定不服審判

2017-003815

統合した生体測定のセンシングおよび表示のデバイス

審判番号
2017-003815
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-547599外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年03月15日
審決日
2017年09月20日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A61B) / P18 .575-WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-547599「統合した生体測定のセンシングおよび表示のデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 7月 5日国際公開、WO2012/092221、平成26年 3月 6日国内公表、特表2014-505533、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2011年12月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年12月23日、2010年12月29日、いずれも米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年10月15日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年1月27日付けで手続補正がされ、同年5月31日付けで最後の拒絶理由通知がされ、同年9月7日付けで手続補正がされ、同年11月10日付けで同年9月7日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年3月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 平成28年11月10日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要 1 平成28年11月10日付けの補正の却下の決定の概要は、次のとおりである。 平成28年9月7日付けの補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるが、当該補正後の本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1-7に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 よって、この補正は同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下します。 引用文献等一覧 1.特表2007-504917号公報 2.特開平11-89806号公報 3.特開2003-199719号公報 4.実願平5-7515号(実開平6-66633号)のCD-ROM 5.特開2003-254836号公報 6.特開2004-24551号公報 7.特開2010-274119号公報 2 原査定の概要は、次のとおりである。 本願請求項1-10に係る発明は、上記引用文献1-7に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第3 本願発明 本願請求項1-10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は、平成29年3月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明であり、本願発明5は、以下のとおりの発明である。 「運動センサを利用してユーザの直線及び回転運動を計測するステップであって、前記運動センサは、前記運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計と、前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープとを含む、計測するステップと、 光エミッタを利用して前記ユーザの身体に光を伝送するステップであって、前記放出された光が、前記ユーザの身体からの反射についての、特定の波長、幾何学的形状、強度、およびモードからなる、伝送するステップと、 光学センサを利用して前記エミッタによって伝送された、かつ前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を受け取るステップであって、前記受け取った光が前記ユーザの前記身体内の血流に基づいて強度が変化し、前記光学センサを利用して更に前記受け取った光を前記光の前記強度に対応する電圧に変換する、受け取るステップと、 前記運動センサ及び前記光学センサからデータを受信し、前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を表すユーザベースのデータに関する生体測定データを計算するステップであって、前記データが、前記ユーザのバイオプロセスに基づいて変化し、前記受け取った光に影響を及ぼす前記ユーザの身体の特性に基づいて前記受信したデータをオフセットし、前記生体測定データは前記運動センサが受ける運動のオフセットを含む、計算するステップと を前記ユーザに固定された装置におけるプロセッサに実行させ、 前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用されるためのプログラム。」 本願発明1は、装置の発明であって、本願発明2-4は、請求項1の従属項に係る発明であり、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明6-9は、請求項5の従属項に係る発明であって、本願発明5を減縮した発明である。 本願発明10は、本願発明5-9の何れかのプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体の発明である。 第4 引用文献、引用発明等 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審による。)。 「【0103】 本発明の1つの局面によると、作成プロセスを用いて心拍数及びその多くがクラシックデータ出力及び診断だけからでは可視的に判別できない他の心臓関連パラメータの計算に用いる電極105を用いて発生されるECGを含む、アームバンド人体モニター装置300上の生理学的及びコンテキストセンサーからの表1に示すようなデータから種々の変数に関する継続的情報を発生する広い範囲のアルゴリズムを作成する。これらを心拍数変動性、心拍数偏差、平均心拍数、呼吸率、心房細動、不整脈、心拍動間インターバル、インターバル変動性などを含む。さらに、このタイプの継続的なモニタリングはリアルタイムでデータに事象または時間の表示をする能力と相まって、薬または他の治療法の適用を評価しその直後のまたは長期の効果を観察するのを可能にする。さらに、データ出力のパターン認識及び解析により以前の事象に基づき心臓の不整脈のようなある特定の状態を予測する能力が提供される。かかる変数は安静時、活動時及び全体の値を含むエネルギー消費量、毎日のカロリー摂取量、ベッドにおける睡眠状態、睡眠の開始、睡眠の中断、目覚め及びベッド以外での状態及び運動、着座、自動車での旅行及び横になることを含む活動状態を包含するが、これらに限定されない。かかる変数の値を発生するアルゴリズムは例えば、2軸加速度計の1つの軸または両方の軸、熱束センサー、GSRセンサー、皮膚温度センサー、身体近傍周囲温度センサー及び心拍数センサーからのデータに基づく。さらに、上述したパターン検知及び予測能力により、システムは失神、不整脈及びある特定の生理学的精神的健康状態のようなある特定の事象の開始を、かかる事象の発生場面で既知の状態のパラメータセットを確立することにより予測できる。以前の事象にマッチする特定のパラメータセットが再び発生するとアラームまたは他のフィードバックがユーザーに与えられる。 【0104】 モニタリング装置は、上述した予測及びパラメータ識別機能の一部として有用な個人の種々の付加的な生理学的パラメータを示すデータを発生することができる。これは他の所で述べたパラメータに加えて、呼吸数、皮膚温度、中心部体温、体からの熱流、電気皮膚反応またはGSR、EMG、EEG、EOG、血圧、体脂肪、水分補給レベル、活動レベル、酸素消費量、グルコースまたは血糖値、体位、筋肉または骨にかかる圧力、紫外線露出及び吸収を含む。ある特定の場合、種々の生理学的パラメータを示すデータは、1またはそれ以上のセンサーが発生する信号それ自体であり、場合によっては、1またはそれ以上のセンサーが発生する信号に基づきマイクロプロセッサーが計算したデータである。種々の生理学的パラメータを示すデータを発生する方法及び使用センサーは公知である。表1は、かかる周知の方法のいくつかの例について、問題のパラメータ、使用方法、使用センサー装置及び発生される信号を示す。表1はまた、そのデータを発生するためにはセンサーが発生する信号にさらに処理を加える必要があるか否かを示す。 【0105】 表 1 パラメータ 方法 センサー 信号 さらに処理 を要するか 心拍数 EKG 電極2個 直流電圧 Yes 脈搏数 BVP LED及び 抵抗変化 Yes 光センサー 拍動間変異 脈搏数 電極2個 直流電圧 Yes EKG 皮膚表面電位 電極3-10個 直流電圧 No 呼吸数 胸部体積変化 ひずみ計 抵抗変化 Yes 皮膚温度 表面温度計 サーミスタ 抵抗変化 Yes 中心部体温 食道または サーミスタ 抵抗変化 Yes 直腸プローブ 熱流 熱流束 サーモパイル 直流電圧 Yes 電気皮膚反応 皮膚コンダクタンス 電極2個 抵抗変化 No EMG 皮膚表面電位 電極3個 直流電圧 No EEG 皮膚表面電位 電極多数 直流電圧 Yes EOG 眼球の動き 薄膜圧電センサー 直流電圧 Yes 血圧 非侵襲性 電子血圧計 抵抗変化 Yes コロトコフ音 体脂肪 体インピーダンス 動作電極2個 インピーダンス変化 Yes 毎分Gショック 体の動き 加速度計 直流電圧 Yes の活動 容量変化 酸素消費量 酸素摂取 電気化学的センサー 直流電圧変化 Yes グルコース 非侵襲性 電気化学的センサー 直流電圧変化 Yes レベル 体位(例えば、 N/A 水銀スイッチアレイ 直流電圧変化 Yes 横臥、直立、座位) 筋圧 N/A 薄膜圧電センサー 直流電圧変化 Yes 紫外線吸収 N/A 紫外光セル 直流電圧変化 Yes 【0106】 他の多数のタイプ及び分類のセンサーを単独でまたは上述したものと併用することが可能であるが、それらにはユーザーの場所を求める相対的及び地球規模の位置測定センサー、空間内の方向を求めるトルク及び回転加速度センサー、血液化学センサー、間質液化学センサー、生体インピーダンスセンサー、及び、花粉、湿度、オゾン、音響、身体及び周囲ノイズのような幾つかのコンテキストセンサー並びに生体認証方式で装置を利用するセンサーが含まれる(これらに限定されない)ことに特に注意されたい。 【0107】 表1に掲げたデータの種類は、センサー装置10が発生可能なデータの種類を例示するものである。他の種類のデータも、本発明の範囲から逸脱することなくセンサー装置10により発生できることを理解されたい。さらに、上記データから、個人の生理学的状態に関する或る特定の情報を導出できる。表2は、導出可能な情報の種類の例と、そのために使用可能なデータの種類の一部を示す。」 上記によれば、引用文献1には、 ア アームバンド人体モニター装置に2軸加速度計が設けられ、その出力信号に基づき体の動きを検出してマイクロプロセッサーが生理学的パラメータを示すデータである毎分Gショックの活動を計算すること、 イ 空間内の方向を求めるトルク及び回転加速度センサーを併用すること、 ウ アームバンド人体モニター装置にLED及び光センサーが設けられ、その出力信号に基づきBVPを検出してマイクロプロセッサーが生理学的パラメータを示すデータである脈搏数を計算すること、 が記載されているものと認められ、 また、引用文献1の【0025】に「・・・プロセッサは個人の身体に着用されるハウジングにより支持されるかあるいは中央モニターユニットの一部でよい。」、また【0026】に「さらに別の実施例として、導出データまたは他の算定データを発生するようにプログラムされそして/または構成されたモニター装置内のプロセッサでなくて、パソコンのような別個の計算機をそのようにプログラムすることができる。」と記載されていることからすれば、さらに、引用文献1には、 エ 上記マイクロプロセッサーがアームバンド人体モニター装置に設けられていること、 オ 上記マイクロプロセッサーがプログラムされていること、 が記載されていると認められる。 したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「アームバンド人体モニター装置に2軸加速度計が設けられ、その出力信号に基づき体の動きを検出してアームバンド人体モニター装置に設けられたマイクロプロセッサーが生理学的パラメータを示すデータである毎分Gショックの活動を計算し、 空間内の方向を求めるトルク及び回転加速度センサーを併用し、 アームバンド人体モニター装置にLED及び光センサーが設けられ、その出力信号に基づきBVPを検出してアームバンド人体モニター装置に設けられたマイクロプロセッサーが生理学的パラメータを示すデータである脈搏数を計算するためのプログラム。」 第5 対比・判断 1 本願発明5について (1)対比 本願発明5と引用発明を対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「2軸加速度計」は、「体の動きを検出」するものであり、本願発明5の「運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計」に相当し、またその計測は、本願発明5の「運動センサを利用してユーザの直線及び回転運動を計測するステップ」と、「運動センサを利用してユーザの運動を計測するステップ」である点で共通するといえる。 イ 引用発明の「空間内の方向を求めるトルク及び回転加速度センサー」は、上記「2軸加速度計」に併用されるものであるから、本願発明5の「前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープ」と、「前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報を決定するためのセンサ」である点で共通する。 ウ 引用発明の「LED」は、本願発明5の「光エミッタ」に相当する。また、これがユーザの身体に光を伝送していることも明らかである。 エ 引用発明の「光センサー」は、本願発明5の「光学センサ」に相当する。また、これが前記LEDによって伝送された、かつ前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を受け取ることも明らかである。 オ 引用発明の「生理学的パラメータを示すデータである脈搏数」は、本願発明5の「前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を表すユーザベースのデータに関する生体測定データ」に相当する。 カ 引用発明の「マイクロプロセッサー」は、生理学的パラメータを示すデータである毎分Gショックの活動を計算するために、「2軸加速度計」及び「トルク及び回転加速度センサー」の出力信号を受信しているものと認められる。 また、引用発明の「マイクロプロセッサー」は、「生理学的パラメータを示すデータである脈搏数」を計算するために、「光センサー」の出力を受信しているものと認められる。そして、引用発明の「マイクロプロセッサー」は、「生理学的パラメータを示すデータである脈搏数」を「計算」するものであって、これは、本願発明5の「前記運動センサ及び前記光学センサからデータを受信し、前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を表すユーザベースのデータに関する生体測定データを計算する」ことに相当するといえる。 キ 引用発明の「マイクロプロセッサー」は、「アームバンド人体モニター装置に設けられ」ているから、引用発明5の「ユーザに固定された装置におけるプロセッサ」に相当する。 したがって、本願発明5と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「運動センサを利用してユーザの運動を計測するステップであって、前記運動センサは、前記運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計と、前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報を決定するためのセンサとを含む、計測するステップと、 光エミッタを利用して前記ユーザの身体に光を伝送するステップと、 光学センサを利用して前記エミッタによって伝送された、かつ前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を受け取るステップと、 前記運動センサ及び前記光学センサからデータを受信し、前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を表すユーザベースのデータに関する生体測定データを計算するステップと を前記ユーザに固定された装置におけるプロセッサに実行させるためのプログラム。」 (相違点) (相違点1)本願発明5では、計測されるユーザーの運動は「直線及び回転」運動であるのに対して、引用発明では運動の内容は不明である点。また、本願発明5が「前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープ」を備えるのに対し、引用発明が備えるものは「空間内の方向を求めるトルク及び回転加速度センサー」である点。 (相違点2)本願発明5では、「光を伝送するステップ」が、「前記放出された光が、前記ユーザの身体からの反射についての、特定の波長、幾何学的形状、強度、およびモードからなる、伝送するステップ」であるのに対し、引用発明がこのようなものであるか不明な点。 (相違点3)本願発明5では、「光を受け取るステップ」が「前記受け取った光が前記ユーザの前記身体内の血流に基づいて強度が変化し、前記光学センサを利用して更に前記受け取った光を前記光の前記強度に対応する電圧に変換する、受け取るステップ」であるのに対し、引用発明がこのようなものであるか不明な点。 (相違点4)本願発明5では、「計算するステップ」が、「前記データが、前記ユーザのバイオプロセスに基づいて変化し、前記受け取った光に影響を及ぼす前記ユーザの身体の特性に基づいて前記受信したデータをオフセットし、前記生体測定データは前記運動センサが受ける運動のオフセットを含む、計算するステップ」であるのに対し、引用発明は、このようなものでない点。 (相違点5)本願発明5では、「前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用され」るのに対し、引用発明はこのようなものでない点。 (2)相違点についての判断 事例に鑑み、上記相違点5について検討する。 上記相違点5に係る本願発明5の「(運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計と、前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープとを含む)前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用され」ることは、引用文献2-7に記載も示唆もされていない。 したがって、上記相違点1-4について判断するまでもなく、本願発明5は、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 なお、「光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用」する点に関しては、引用文献3の【要約】に「光電センサ7によって近赤外光を照射して血管からの反射光量を光電容積脈波として検出するとともに、体動センサ8によって青外光を照射し被験者の体動を検出する。光電センサ7の出力波形、すなわち光電容積脈波から体動センサ8の出力波形を減じることで体動成分を光電脈波から除去する。」と記載されており、体動センサによって検出した体動成分を光電センサ7の出力波形である光電脈波から除去することが記載されている。しかしながら、当該体動センサは、「青外光を照射し被験者の体動を検出する」ものであって、引用文献3は、「体動センサ」について、【0016】に「体動センサ8としては、この実施形態においては、青外光波長(例えば420mm)をもった光を皮膚へ向けて照射可能な発光青色LED(投光器)とその反射光を受光するフォトトランジスタ(受光器)とからなっている。青外光は皮膚表面で反射し、フォトトランジスタの出力は被験者の測定中の微少な体動として検出される。」と記載するだけで、本願発明5のような「(運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計と、前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープとを含む)運動センサ」を体動センサとすることについて、記載ないし示唆するものではない。したがって、引用発明に引用文献3に記載された技術事項を適用したとしても、上記相違点5に係る本願発明5の構成が得られることとはならない。 2 本願発明1について 本願発明1は、装置の発明であるが、上記相違点5に係る本願発明5の構成に対応する「前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用される」ことを発明特定事項とするものであるから、本願発明5と同様の理由により、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 3 本願発明2-4について 本願発明2-4は、請求項1の従属項に係る発明であって、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 4 本願発明6-9について 本願発明6-9は、請求項5の従属項に係る発明であって、本願発明5を減縮した発明であるから、本願発明5と同様の理由により、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 5 本願発明10について 本願発明10は、本願発明5-9の何れかのプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体の発明であるから、本願発明5と同様の理由により、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1-10は、上記相違点5に係る「前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用される」という事項を有するものとなっており、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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