特許拒絶査定不服審判
2017-002944
画像形成システム及び画像形成システム制御方法並びに制御装置
- 審判番号
- 2017-002944
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-261072外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年02月28日
- 審決日
- 2017年10月02日
- 公報発行日
- 2017年11月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コニカミノルタ株式会社
- 【請求人代理人】井島 藤治
- 分類
- P18 .121-WY (G03G) / P18 .537-WY (G03G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-261072「画像形成システム及び画像形成システム制御方法並びに制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月 9日出願公開、特開2014-106462、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年11月29日の出願であって、平成27年7月10日付け、及び平成28年7月29日付けで手続補正がされ、同年11月22日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年2月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年6月9日付けで拒絶理由通知がされ、同年8月10日付けで手続補正がされたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1乃至18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」乃至「本願発明18」という。)は、平成29年8月10日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1乃至18に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
相互に交換可能な複数のパーツを構成部品として有し、記録紙に画像を形成する画像形成システムであって、
各パーツのそれぞれに非接触で読み取り可能であって前記各パーツの設定が記録される非接触タグが付され、
前記各パーツに付された前記非接触タグを読み取るタグ読み取り部と、
画像形成を制御すると共に、前記各パーツの状況を管理する制御部とを備え、
前記制御部は、いずれかのパーツの交換時期が到来した場合に、交換時期が到来した前記パーツである交換対象パーツに対して、相互に交換が可能なパーツとしての互換パーツの存在を検出し、交換された際には、交換されたパーツの交換前の設定位置においてなされたパーツの特性に対応した設定を取得し、該設定を交換後の設定位置において反映させる、
ことを特徴とする画像形成システム。」
なお、本願発明2乃至18の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明3は、本願発明1乃至2のいずれかを減縮した発明である。
本願発明4は、本願発明1乃至3のいずれかを減縮した発明である。
本願発明5は、本願発明1乃至4のいずれかを減縮した発明である。
本願発明6は、本願発明3を減縮した発明である。
本願発明7は、本願発明1に対応する画像形成システム制御方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明8は、本願発明7を減縮した発明である。
本願発明9は、本願発明7乃至8のいずれかを減縮した発明である。
本願発明10は、本願発明7乃至9のいずれかを減縮した発明である。
本願発明11は、本願発明7乃至10のいずれかを減縮した発明である。
本願発明12は、本願発明9を減縮した発明である。
本願発明13は、本願発明1に対応する制御装置の発明であり、本願発明1と実質的な構成の差異がない発明である。
本願発明14は、本願発明13を減縮した発明である。
本願発明15は、本願発明13乃至14のいずれかを減縮した発明である。
本願発明16は、本願発明13乃至15のいずれかを減縮した発明である。
本願発明17は、本願発明13乃至16のいずれかを減縮した発明である。
本願発明18は、本願発明15を減縮した発明である。
第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成21年5月21日に頒布された引用文献1(特開2009-111822号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【請求項3】
複数の画像形成装置がネットワークに接続された画像形成システムであって、
各画像形成装置が、
前記ネットワークに接続された他の画像形成装置と通信を行う通信部と、
各種表示を行う表示部と、
前記通信部を介して他の画像形成装置と通信を行い、他の画像形成装置における互換性を有する消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度についての情報を取得し、補充あるいは交換の時期が近づいた消耗品もしくは部品に関して、他の画像形成装置における互換性のある消耗品もしくは部品の中で、前記使用可能量と前記使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを補充あるいは交換の候補として選択して前記表示部に表示する制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された画像形成装置、該画像形成装置を有する画像形成システム、該画像形成システムを管理する画像形成管理サーバに関する。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の特許文献1記載の発明では、ネットワーク内で各画像形成装置の消耗品や部品の使用可能量を参照し、交換の目安としている。
しかし、各画像形成装置毎に使用状況が異なっており、消耗品の消耗率(日々の使用量)、部品の交換時期は、使用可能量に比例するものではない。
【0005】
すなわち、ある画像形成装置において使用可能量が多く残った消耗品や部品が存在していたとしても、使用頻度が激しいため、交換の候補としては相応しくない場合があり得る。また、逆の場合には、一見すると、交換の候補として相応しく見えないものの、実際には交換の候補とすべきものも存在している可能性がある。
【0006】
しかし、このような状況で、どの画像形成装置の消耗品や部品を交換候補とすべきかについて、適切な判断基準は存在していなかった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、複数の画像形成装置が存在するネットワーク内で、画像形成装置の消耗品や部品について他の画像形成装置の互換性のある消耗品や部品との交換を適切に行うことが可能な、画像形成装置、該画像形成装置を有する画像形成システム、該画像形成システムを管理する画像形成管理サーバを実現することを目的とする。」
(4)「【0020】
ここでは、複数の画像形成装置100A~100Dがネットワーク200に接続された画像形成システムを具体例にしている。
なお、複数の画像形成装置100A~100Dにおいて、画像形成部140A~140Dでは、互換性のある消耗品や部品を備えて構成されているものとする。この場合、画像形成部内の全ての消耗品もしくは部品で互換性を有している必要はなく、少なくとも一部でも互換性のある消耗品もしくは部品を備えていればよい。
【0021】
ここで、画像形成装置100Aは、制御部101Aと、通信部110Aと、情報保持部120Aと、操作表示部130Aと、画像形成部140Aとを備えて構成されている。
制御部101は、画像形成について各部を制御するほか、他の画像形成装置と通信を行う制御、他の画像形成装置における互換性を有する消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度についての情報を取得する制御、消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度から他の画像形成装置における使用可能期間を推定する制御、補充あるいは交換の時期が近づいた消耗品もしくは部品に関して、他の画像形成装置における互換性のある消耗品もしくは部品の中で、前記使用可能量と前記使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを選択する制御、補充あるいは交換の候補として選択した他の画像形成装置の消耗品もしくは部品を表示部に表示する制御、を行う。」
(5)「【0024】
操作表示部130Aは、制御部101の制御に基づいて、画像形成に関する各種操作入力の受付と各種状態表示を行う他、本実施形態では、補充あるいは交換の候補として選択
された他の画像形成装置の消耗品もしくは部品の情報を表示する。
【0025】
画像形成部140Aは、記録紙上に画像を形成する各種方式の画像形成手段であり、たとえば、電子写真方式の画像形成をするプリントエンジンなどを有して構成されている。そしてこの画像形成部140Aは、他の画像形成装置100B~100Dにおける画像形成部と互換性のある消耗品もしくは部品を有して構成されている。
【0026】
ここで、消耗品もしくは部品とは、トナーやインク、現像剤、各種ローラ、感光体、光源など、使用に基づく消耗や劣化に応じて補充や交換を行うものを意味している。
また、ここで、ネットワーク200は、小規模なLANなどのネットワークや企業内のネットワーク(イントラネット)やインターネットなど各種のネットワークを含むものとする。そして、互換性のある消耗品もしくは部品を交換する際には、予め、交換を行う範囲を画像形成装置の機種番号やIPアドレスなどにより定めておくことが望ましい。」
(6)「【0030】
以下、図3のフローチャートを参照して、実施形態の動作説明を行う。
まず、ネットワーク200に接続された複数の画像形成装置のうちで、画像形成装置100Aで画像形成を開始する場合を考える。
【0031】
ここで、画像形成装置100Aに20コピーのジョブが発生したとする。制御部101Aは、このジョブのコピー数と、画像形成装置100内の各消耗品もしくは部品の使用可能量を比較して、消耗品もしくは部品について交換の必要があるか否かを画像形成開始前に判別する(図3中のステップS301)。
【0032】
消耗品もしくは部品の交換の必要がなければ(図3中のステップS301でNO)、制御部101Aは、画像形成(図3中のステップS302)をジョブが完了するまで実行する(図3中のステップS303)。
【0033】
一方、消耗品もしくは部品の交換の必要があれば(図3中のステップS301でYES)、制御部101Aは、画像形成を一時停止させ(図3中のステップS304)、通信部110Aを介してネットワーク200上の予め定められた他の画像形成装置に対して消耗品もしくは部品についての問い合わせを行う。この場合、画像形成装置100Aで交換が必要と判断された消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度とについて、制御部101Aが他の画像形成装置の制御部に対して問い合わせを行う(図3中のステップS305)。
【0034】
なお、各制御部は定期的に他の画像形成装置の制御部に対して問い合わせを行っておい
て、その情報を情報保持部120に保持しておいて、交換の必要が生じた場合に最新の情報のみを取得するようにしてもよい。
【0035】
そして、他の画像形成装置の制御部に対して問い合わせを行った画像形成装置100Aの制御部101Aは、他の画像形成装置が画像形成中であるか否か、互換性のある消耗品もしくは部品の使用可能量、互換性のある消耗品もしくは部品の他機における使用頻度、を参照し、該使用可能量と該使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを補充あるいは交換の候補として選択する(図3中のステップS306)。
【0036】
ここで、制御部101Aは、他機から自機に持ってきた場合に実行しようとしているジョブを実行できるだけの使用可能量が残っているか、自機から他機に持っていった場合に他機で最低限のジョブを実行できるだけの使用可能量が残っているか、なども参照する。
【0037】
そして、制御部101Aは以上のようにして消耗品もしくは部品の探索を行い、他の画像形成装置に交換可能な消耗品もしくは部品が存在しなければ(図3中のステップS307でNO)、サービスマンを呼ぶか新品の消耗品もしくは部品に交換するかのエラーメッセージを表示する(図3中のステップS311)。
【0038】
なお、他の画像形成装置のうち、画像形成を実行中のものについては、交換すべき消耗品もしくは部品を探索する候補から外してもよい。また、その実行中の画像形成装置が終了してから探索してもよい。
【0039】
また、制御部101Aは以上のようにして消耗品もしくは部品の探索を行い、今回交換要求が発生した消耗品もしくは部品と互換性のあるものが、他の画像形成装置に交換可能な消耗品もしくは部品として存在していれば(図3中のステップS307でYES)、使用可能量と使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを補充あるいは交換の候補として操作表示部130Aに表示する(図3中のステップS308)。
【0040】
図4は操作表示部130Aの表示画面の一例であり、今回交換要求が発生した消耗品もしくは部品の詳細(1302A)と、互換性のある消耗品もしくは部品であって他の画像形成装置において使用可能期間が長いもの詳細(1303A)とが示された状態である。
【0041】
この場合、制御部101Aは、操作表示部130Aに互換性のある消耗品もしくは部品を有する画像形成装置、交換の手順などを併せて表示、あるいは次の詳細画面などで表示してもよい。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「複数の画像形成装置がネットワークに接続された画像形成システムであって、
各画像形成装置が、
前記ネットワークに接続された他の画像形成装置と通信を行う通信部と、
各種表示を行う表示部と、
画像形成について各部を制御するほか、前記通信部を介して他の画像形成装置と通信を行い、他の画像形成装置における互換性を有する消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度についての情報を取得し、補充あるいは交換の時期が近づいた消耗品もしくは部品に関して、他の画像形成装置における互換性のある消耗品もしくは部品の中で、前記使用可能量と前記使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを補充あるいは交換の候補として選択して前記表示部に表示する制御部と、
を備えた画像形成システム。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成23年10月13日に頒布された引用文献2(特開2011-201082号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【請求項3】
各々が記録媒体が搬入される搬入口及び前記搬入口から搬入された記録媒体を搬出する搬出口を備え、前記搬入口から搬入された記録媒体に対して片面印刷及び両面印刷が可能な2台の印刷部が、前段の印刷部の前記搬出口から搬出された記録媒体が後段の印刷部の前記搬入口に搬送されるように接続された印刷装置と、
前記印刷装置における前記2台の印刷部の各々の消耗品の残量もしくは使用量及び交換部品の使用実績量の少なくとも1つについて前記2台の印刷部の差が予め定められた値以下となるように印刷に用いる印刷部が切替えられるように前記印刷装置を制御する印刷制御装置と、
を備えた印刷システム。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷システム、及びプログラムに関する。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、本発明の構成を有しない場合に比べて、各々が記録媒体が搬入される搬入口及び搬入口から搬入された記録媒体を搬出する搬出口を備え、搬入口から搬入された記録媒体に対して片面印刷及び両面印刷が可能な2台の印刷部が、前段の印刷部の搬出口から搬出された記録媒体が後段の印刷部の搬入口に搬送されるように接続された印刷装置の2台の印刷部の両方を用いた印刷が可能な期間を長くすることができる印刷制御装置、印刷システム、及びプログラムを提供することを目的とする。」
(4)「【0015】
図1は、本実施の形態に係る印刷システムの構成を示す図である。本実施の形態に係る印刷システムは、印刷制御装置としてのメインコントローラ10と、第1の印刷部12及び第2の印刷部13を含む印刷装置11とを有している。なお、図1には、第1の印刷部12及び第2の印刷部13のメカ的な構成も示されている。
【0016】
メインコントローラ10は、不図示の端末装置から受信した(例えばページ記述言語等により記述された)印刷情報を解析し、印刷装置11での印刷に用いられる画像データ(ラスターデータ)を生成(RIP処理:Raster Image Process)して、印刷装置11の第1の印刷部12及び第2の印刷部13に出力する。また、メインコントローラ10は、印刷装置11の印刷動作を制御する制御信号を生成して出力する。」
(5)「【0036】
検知部34は、第1の印刷部12に設けられた消耗品の残量(もしくは使用量)、及び交換部品の使用実績量を検知する(図1では不図示)。消耗品とは、例えば、現像器4の現像に用いられるトナー、印刷物を綴じるステープルの針等をいう。また、交換部品とは、例えば、使用済みのトナーが溜まるトナー回収ボトル、感光体1、定着器6のクリーニングウェブ(布状部材)、転写ベルト、定着器6の加熱ロール等をいう。
【0037】
なお、感光体1や定着器6のクリーニングウェブも広義では消耗品ではあるが、本実施の形態では、使用により量が減少するものを消耗品と呼称し、劣化や容量満杯のため交換が必要となるものを交換部品と呼称する。
【0038】
検知方法であるが、例えば、トナーについては、センサにより残量を検知する。検知結果は不図示のメモリに記憶される。感光体1等の交換部品については、予め交換部品の各々に対応するカウンタが設けられており、交換されてから何枚印刷されたかをカウントし、このカウント値を使用実績量として検知している。カウント値は不図示のメモリに記憶される。なお、ステープルの針の使用量についても、同様にカウントするようにしている。なお、交換部品を交換してからの印刷枚数の累積値(上記カウント値)が、交換部品毎に予め定められた上限値に到達すると、交換部品が寿命に達したとされる。」
(6)「【0051】
ステップ104では、現在、ステップ102で消耗が進んでいると判断した印刷部で印刷中か否かを判断する。ステップ104で肯定判断した場合には、印刷装置11で実行中の印刷を停止する。そして、ステップ108で、第1の印刷部12及び第2の印刷部13の内部に残留している記録用紙を、各々の用紙搬送部33を動作させて第1の印刷部12及び第2の印刷部13の各々に設けられているパージ部(不図示)に排出し、消耗が進んでいない(すなわち、消耗が進んでいると判断されなかった)印刷部で、排紙部52に印刷が停止される前に排出された記録用紙のうち最後に排出された記録用紙に印刷されたページの1つ後のページから印刷が再開されるよう画像データ及び制御信号を出力し、上記消耗が進んでいると判断された印刷部では記録用紙の搬送だけを行わせ印刷が再開されないように制御信号を出力する。そして、ステップ110に進む。」
したがって、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「各々が記録媒体が搬入される搬入口及び前記搬入口から搬入された記録媒体を搬出する搬出口を備え、前記搬入口から搬入された記録媒体に対して片面印刷及び両面印刷が可能な2台の印刷部が、前段の印刷部の前記搬出口から搬出された記録媒体が後段の印刷部の前記搬入口に搬送されるように接続された印刷装置と、
前記印刷装置における前記2台の印刷部の各々の消耗品の残量もしくは使用量及び交換部品の使用実績量の少なくとも1つについて前記2台の印刷部の差が予め定められた値以下となるように印刷に用いる印刷部が切替えられるように前記印刷装置を制御する印刷制御装置と、
を備えた印刷システム。」
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成18年10月26日に頒布された引用文献3(特開2006-293282号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項2】
トナー濃度を検知するトナー濃度センサにおいて、
書き換え可能で着脱自在の記憶手段を備えていることを特徴とするトナー濃度センサ。
【請求項3】
前記記憶手段は前記トナー濃度センサ固有の制御値の情報を記憶することを特徴とする請求項2記載のトナー濃度センサ。
…
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載のトナー濃度センサを備えていることを特徴とする現像装置。
…
【請求項15】
請求項11記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
前記現像装置が複数であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項17】
現像剤あるいはトナーの色、現像剤の種類、前記現像装置の種類、前記現像装置の使用状況を表す情報の少なくとも1つについて前記現像装置の動作の可否を判断し、動作不可の場合、画像形成動作を抑制させることを特徴とする請求項15又は16記載の画像形成装置。」
(2)「【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに使用され2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ、このトナー濃度センサを備えた現像装置及びプロセスカートリッジ、並びに前記現像装置あるいはプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に関する。」
(3)「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記に示されるような従来の技術にあっては、例えば、4色の各現像器を有するカラー画像形成装置の場合、各色の現像器のトナー消費量が異なるので、トナーエンドになった現像器あるいはプロセスカートリッジの交換タイミングも異なる。この場合、通常は新品の現像器あるいはプロセスカートリッジに交換することが行われるが、間違ってセットされることが懸念される。また、現像剤・トナーに起因する画像品質の異常が発生した場合、現像器あるいはプロセスカートリッジ自体が使用状況や製造情報などのデータを有していないため、その原因を的確に究明することが困難であった。また、現像器あるいはプロセスカートリッジは、環境への配慮からリサイクルして使用されることが行われている。この場合においても、現像器あるいはプロセスカートリッジ自体が使用状況や製造情報などのデータを有していないため、スムーズな再生を行うには時間が係ることが多かった。このように、現像器あるいはプロセスカートリッジ固有の情報(現像剤・トナーの情報、濃度適正値、使用状態、製造情報など)を保持していないため、品質維持はもとより、保守性、リサイクル性などにおいて上述したような問題点があった。
【0004】
また、従来の技術はメモリ(記憶)機能を備えてはいるが、複写機、プリンタといった画像形成装置はそのサービス形態の多様性からトナー濃度センサにメモリ機能を必要としない場合がある。例えば、サービスマンが全てメンテナンスする機械等は、ユーザがメンテナンスする場合と異なり色を間違えて誤セットするということはほとんど生じない。また、多くの機種に同じ濃度センサを備えている場合、現像装置と画像形成装置の寿命が同じの据え置き機等は、記憶機能を必要としない場合もある。
【0005】
さらに、濃度センサ記憶領域が大きいもの、小さいものを作り分ける場合がある。特にトナー濃度やトナー濃度の狙いを決める値について時々刻々の出力を全て記憶することにより市場での使われ方などの調査を行う場合に使用されるメモリは、そういった調査を行わない機械に対し大きい記憶領域が必要となる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサに当該センサ固有の制御値を書き込み可能に保持することにより、画像品質の維持、保守性、及びリサイクル性を向上させることにある。
【0007】
また、他の目的は、前記目的に加え、記憶機能の必要の是非に対応すること、及び必要とする記憶容量に容易に対応することができるようにすることにある。」
(4)「【0037】
<第1の実施形態>
本実施形態は、非磁性トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤の濃度を透磁率の変化から検知するトナー濃度センサにデータ格納手段を設け、このデータ格納手段に現像剤・トナー情報、種類、履歴などのセンサ固有の各種のデータ(各種制御値)を書き換え可能に格納することによって、画像品質の確保を図り、特に、保守性の向上、リサイクルの容易化、誤セットなどの発生を防止するものである。以下、具体的に説明する。」
(5)「【0060】
EEPROM121に格納されるデータは、例えば、下記に示すように、
[1]現像剤の色
[2]現像剤の種類
[3]トナー濃度センサを配置する側の現像装置やプロセスカートリッジの種類
[4]トナー濃度センサを配置する側の現像装置やプロセスカートリッジの使用状況を表す情報
[5]シリアルナンバー
[6]製造拠点、ロット番号
[7]トナー濃度センサ固有の情報
[8]トナー濃度の狙いに関する情報
などである。これらのデータは例えば2進符号のデータで格納される。
【0061】
前記における格納データのうち、[1]~[4]については作像装置(複写機やプリンタ)がその特定の識別に対する情報と比較し、その現像装置あるいはプロセスカートリッジが当該作像装置内で動作可能かどうかを判定する。動作不可と判定された場合は作像装置が作像を抑制する動作、あるいはユーザへの作像抑制あるいは不可の表示を行う。[4]に関しては使用時間に関する情報(例えば駆動積算時間等)、又は画像形成された記録媒体の数、つまり作像枚数に関わる情報があり、例えば当該現像装置あるいはプロセスカートリッジにおけるユニット保証枚数カウントをユーザに示すといったことが、ユニット交換した後にでも可能となる。また、市場返品ユニットの解析時にも役立つ。
【0062】
また、前記[5]のシリアルナンバー、[6]の製造拠点については、現像装置又はプロセスカートリッジがどのような経路でユーザに届いたかといった販売物流解析や、不具合発生Lot調査、出荷から市場使用後どの程度の時間で回収拠点に回収されるかといった生産計画データとして活用できる。また、前記[7]のトナー濃度センサ固有の情報については、センサに固有の情報を加えることにより、センサ個々の応答ばらつき修正することなくリサイクルすることが可能となる。センサコストは高価で、現像剤や感光体に比べて寿命が非常に長く、リサイクルによるメリットが高いため経済効果が高い。
【0063】
さらに本構成ならば予め画像形成装置100に伝えてその後のトナー濃度調整を行うことができるので、画像形成装置100の電源投入時や現像装置脱着時の調整のためのダウンタイムを大幅に短縮させることができる。透磁率検知型のトナー濃度センサにおけるセンサ個々の応答ばらつきとは、内部コイルの配置や抵抗値のばらつきを原因として同じ透磁率の試験片で検査しても、出力特性が複数のセンサ間で差が生じることを意味する。従来はそのような差を認容して画像形成装置100の電源立ち上げ時や現像装置を脱着した後にトナー補給と濃度検知の繰り返しによるトナー濃度調整動作を行っていた。その際、センサばらつきに関する情報がないため調整は時間がかかるのが常であった。本構成ならば、製造時の良品検査で予め前記試験片を用いて応答ばらつきを検証し、これをデータとしてメモリに書き込んでおくことにより、このような調整動作の際には動作に先立って画
像形成装置100本体のCPUに情報を伝達し、その応答域でのトナー濃度調整を行うことができるので、フィードバック制御の時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0064】
また、前記[8]のトナー濃度の狙いに関する情報については、画像形成装置側がトナー濃度についての狙いの制御値をトナー濃度センサに書き込む機能を有する。従来は画像形成装置側だけで当該制御情報を持っていたが、現像装置あるいはプロセスカートリッジが交換された場合に機械側でその情報をすぐに検知することは困難で、交換のたびに作像に関する制御情報を得るための動作(例えば現像バイアスを変化させての転写ユニット上の付着量検出、濃度補正といった動作である)を実施していた。このような作業は特に市場にてサービスマンが現像装置あるいはプロセスカートリッジをメンテナンスする際の現像装置あるいはプロセスカートリッジにて代替する際に手間が増え、最悪の場合、壊してしまうといった状況が発生する。トナー濃度センサにこのそれぞれのトナー濃度あるいはトナー濃度制御の狙いに関する情報を入力することにより、このような市場でのユニット交換対応においても前記ミス発生を未然に防ぐことが可能となる。」
(5)「【0068】
このように非磁性トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤の現像ユニット4内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサに書き換え可能な記憶装置(EEPROM)121を備え、各々のトナー濃度センサ固有の情報(制御値-制御に使用する情報)を加えることにより、下記に記載するような利点がある。すなわち、
1)センサコストは高価で現像剤や感光体に比べて寿命が非常に長く、リサイクルによるメリットが高い。センサに固有の情報としてリサイクル回数を加えることにより、寿命を超えたセンサかどうかの検査を簡略化することができる。
2)記憶装置(EEPROM)121のそれぞれに現像器あるいは現像器を含むプロセスカートリッジの種類に関する情報や使用に関する情報を記憶させることにより、画像形成装置100側でその情報を取得し、書き換えすることによりさまざまなメリットを享受できる安価で小型な画像形成装置を提供することができる。メリットとは、例えば、
2-1)複写機、プリンタ等についてそれぞれの仕様が異なるがその多くは共通部品で構成される消耗品が市場に多く流通している。例えばトナーであれば、粉砕トナー、オイルレス定着用トナー、小粒径トナーなど、トナー容器はほぼ同じであるが内容物が異なり、ユーザが誤セットする可能性がある。これに対し、セット後に画像形成装置100で適正でない場合は使用禁止することによって機械の故障を防ぐことが可能となる。
2-2)トナーやプロセスカートリッジの使用状況データを画像形成装置100本体からそれぞれの記憶装置EEPROMあるいはICタグ(無線タグ)に書き込むことにより、消耗品の着脱や他の画像形成装置100と交換するといった場合でも、残量情報等が適正に保持される。
等である。
【0069】
ICタグ(無線タグ)を使用する場合には、RFID(Radio Frequency Identication)システムによる無線通信を用い、非接触で前述のトナー濃度センサ34へのデータ書き込みが行われる。図15は無線タグとリーダライタの構成を示すブロック図である。無線タグ220は、メモリ221、データ処理回路222、変調回路223、送信ドライバ224、アンテナ入力回路225、電源生成回路226、復調回路227、受送信アンテナ228を備えている。なお、ICタグはRFIDでは、タグやラベルという形に加工されたアンテナ付きICチップを総称した名称である。」
(6)上記(4)には、トナー濃度センサにデータ格納手段を設け、このデータ格納手段に現像剤・トナー情報、種類、履歴などのセンサ固有の各種のデータ(各種制御値)を書き換え可能に格納されることが示され、上記(5)には、トナーやプロセスカートリッジの使用状況データは、記憶装置EEPROMあるいはICタグ(無線タグ)に書き込まれること、及びICタグ(無線タグ)を使用する場合には、RFID(Radio Frequency Identication)システムによる無線通信を用いること、が示されているから、トナー濃度センサに設けられる格納手段は、現像剤・トナー情報、種類、履歴などのセンサ固有の各種のデータ(各種制御値)を書き換え可能に格納するRFID(Radio Frequency Identication)システムによる無線通信記憶手段といえる。
したがって、上記引用文献3には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「トナー濃度を検知し、着脱自在で、現像剤・トナー情報、種類、履歴などのセンサ固有の各種のデータ(各種制御値)を書き換え可能に格納するRFID(Radio Frequency Identication)システムによる無線通信記憶手段を備えているトナー濃度センサと、
前記トナー濃度センサを備え、トナーエンドになったら交換する現像装置と、
複数の前記現像装置を備え、
現像剤あるいはトナーの色、現像剤の種類、前記現像装置の種類、前記現像装置の使用状況を表す情報の少なくとも1つについて前記現像装置の動作の可否を判断し、動作不可の場合、画像形成動作を抑制させる、画像形成装置。」
第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、
後者の「互換性を有する」、「消耗品もしくは部品」、及び「画像形成システム」は、それぞれ、前者の「相互に交換可能な」、「『パーツ』、『構成部品』」、及び「記録紙に画像を形成する画像形成システム」に相当し、後者の「画像形成システム」を構成する「消耗品もしくは部品」が、複数あることは明らかである。
後者の「制御部」は、「画像形成について各部を制御するほか、通信部を介して他の画像形成装置と通信を行い、他の画像形成装置における互換性を有する消耗品もしくは部品の使用可能量と使用頻度についての情報を取得し、補充あるいは交換の時期が近づいた消耗品もしくは部品に関して、他の画像形成装置における互換性のある消耗品もしくは部品の中で、前記使用可能量と前記使用頻度から推定される他の画像形成装置における使用可能期間が長いものを補充あるいは交換の候補として選択して表示部に表示する」ものであるから、「画像形成を制御すると共に、各パーツの状況を管理する制御部とを備え、前記制御部は、いずれかのパーツの交換時期が到来した場合に、交換時期が到来した前記パーツである交換対象パーツに対して、相互に交換が可能なパーツとしての互換パーツの存在を検出」するものといえる。
したがって、両者は、
「相互に交換可能な複数のパーツを構成部品として有し、記録紙に画像を形成する画像形成システムであって、
画像形成を制御すると共に、前記各パーツの状況を管理する制御部とを備え、
前記制御部は、いずれかのパーツの交換時期が到来した場合に、交換時期が到来した前記パーツである交換対象パーツに対して、相互に交換が可能なパーツとしての互換パーツの存在を検出する画像形成システム。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]
本願発明1が、「各パーツのそれぞれに非接触で読み取り可能であって前記各パーツの設定が記録される非接触タグが付され、前記各パーツに付された前記非接触タグを読み取るタグ読み取り部」を備え、パーツが「交換された際には、交換されたパーツの交換前の設定位置においてなされたパーツの特性に対応した設定を取得し、該設定を交換後の設定位置において反映させる」ものであるのに対し、引用発明1は、そのようなものでない点。
(2)相違点についての判断
引用発明2の「交換部品」、及び「印刷システム」は、それぞれ、本願発明1の「交換可能なパーツ」、及び「画像形成システム」に相当する。
しかし、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項は、引用発明2に、記載も示唆もされていない。
また、引用発明3の「現像装置」は、トナーエンドになったら交換するものであるから、本願発明1の「交換可能なパーツ」に相当する。
引用発明3の「RFID(Radio Frequency Identication)システムによる無線通信記憶手段」は、本願発明1の「非接触で読み取り可能である非接触タグ」に相当し、読み取り可能な非接触タグを備えているから、タグ読み取り部を備えていることは明らかである。
ここで、引用発明3の「センサ固有の各種のデータ(各種制御値)」とは、「現像剤・トナー情報、種類、履歴など」であって、本願発明1の「交換されたパーツの交換前の設定位置においてなされたパーツの特性に対応した設定」と異なるものであるから、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項のパーツが「交換された際には、交換されたパーツの交換前の設定位置においてなされたパーツの特性に対応した設定を取得し、該設定を交換後の設定位置において反映させる」ものであることは、引用発明3に、記載も示唆もされていない。
また、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項が設計的事項といえる理由もない。
そして、本願発明1は、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項により、「交換されたパーツの交換前の設定を取得し、該設定を交換後の部位で反映させることで、複数画像形成装置間の同種パーツ間で稼働率をできるだけ均等に近づけると共に、交換対象パーツと互換パーツとを交換して適切な状態で稼働させることが可能になる。」(本願明細書【0026】参照。)との効果を奏するものである。
したがって、本願発明1は、引用発明1乃至引用発明3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
2.本願発明2乃至18について
本願発明2乃至6は、本願発明1の発明特定事項にさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本願発明2乃至6は、上記1.(2)と同様の理由により、引用文献1乃至3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
また、本願発明7は、本願発明1に対応する画像形成システム制御方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であるし、本願発明13は、本願発明1に対応する制御装置の発明であり、本願発明1と実質的な構成の差異がない発明であるから、本願発明7及び本願発明13は、上記1.(2)と同様の理由により、引用文献1乃至3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本願発明8乃至12は、本願発明7の発明特定事項にさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本願発明8乃至12は、上記1.(2)と同様の理由により、引用文献1乃至3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本願発明14乃至18は、本願発明13の発明特定事項にさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、本願発明14乃至18は、上記1.(2)と同様の理由により、引用文献1乃至3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、
「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項1~18に対して、引用文献等1~3
<引用文献等一覧>
1.特開2009-111822号公報
2.特開2011-201082号公報
3.特開2006-293282号公報」
というものである。
しかしながら、請求項1に係る発明は、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項であるパーツが「交換された際には、交換されたパーツの交換前の設定位置においてなされたパーツの特性に対応した設定を取得し、該設定を交換後の設定位置において反映させる」ものとなっており、上記「第4」のとおり、本願発明1乃至18は、上記引用文献1乃至引用文献3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
当審では、
「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(1)請求項1乃至18に係る発明は、画像形成装置が1台の場合も包含し、明細書の【0009】に「給紙部や排出部などには同種のパーツが複数組使用されることがある。」と記載されているが、1台の画像形成装置の給紙部や排出部において、非接触タグを付してまで区別するようなものとはどの様なものなのか定かでない。
そうすると、本願発明は、複数台の画像形成装置を有する画像形成システムが前提条件であると認められる。
(2)請求項1乃至18の「交換前の設定位置においてなされた設定」との記載では、交換パーツの特性に依らないユーザ独自の印刷設定等も包含されるが、明細書の【0082】に、「パーツの特定のロットにおける特性に対応した設定」と記載されているように、パーツの特性に対応した設定しか発明の詳細な説明には開示されていない。」
との拒絶の理由を通知しているが、平成29年8月10日付けの補正において、上記指摘(2)に対して、請求項1、7及び13は、「パーツの特性に対応した」との補正がなされた結果、この拒絶の理由は解消した。
また、上記指摘(1)に対しては、同日付け意見書における釈明により解消したといえる。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-002944