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特許拒絶査定不服審判

2017-002173

遊技機

審判番号
2017-002173
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-185360外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年02月15日
審決日
2017年09月12日
公報発行日
2017年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-185360号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月21日出願公開、特開2016- 55042号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成26年9月11日に出願したものであって,平成27年11月25日付けで拒絶理由が通知され,これに対し平成28年1月26日に意見書及び手続補正書が提出され,同年6月9日付けで拒絶理由(いわゆる「最後の拒絶理由通知」)が通知され,これに対し同年8月10日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年12月8日付けで同年8月10日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ,それに対して,平成29年2月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。 第2 平成29年2月15日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年2月15日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり,平成28年1月26日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ,以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。 (補正前:平成28年1月26日付けの手続補正) 「【請求項1】 所定条件の成立に基づいて,当否判定を行う当否判定手段と, 前記当否判定の結果に基づいて,識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示させる識別情報表示制御手段と, 前記当否判定の結果が特定結果となることに基づいて,入球不能状態の可変入球口を入球可能状態に変化させる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と, 所定の始動口への入球容易性に係る状態として,第一遊技状態と第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態とを有し,第一遊技状態又は第二遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と,を備え, 前記遊技状態設定手段は,識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし,前記特定遊技の終了後における第二遊技状態において前記一単位が所定回数行われることに基づいて,第二遊技状態から第一遊技状態に設定可能な遊技機であって, 識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態として,第一変動状態と,第一変動状態とは識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第二変動状態と,第一変動状態とも第二変動状態とも識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第三変動状態と,を少なくとも有しており, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が前記特定回数行われた以降は,第三変動状態を設定する ことを特徴とする遊技機。」 (補正後:本件補正である:平成29年2月15日付け手続補正) 「【請求項1】 所定条件の成立に基づいて,当否判定を行う当否判定手段と, 前記当否判定の結果に基づいて,識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示させる識別情報表示制御手段と, 前記当否判定の結果が特定結果となることに基づいて,入球不能状態の可変入球口を入球可能状態に変化させる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と, 所定の始動口への入球容易性に係る状態として,第一遊技状態と第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態とを有し,第一遊技状態又は第二遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と,を備え, 前記遊技状態設定手段は,識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし,前記特定遊技の終了後における第二遊技状態において前記一単位が所定回数行われることに基づいて,第二遊技状態から第一遊技状態に設定可能な遊技機であって, 識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態として,第一変動状態と,第一変動状態とは識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第二変動状態と,第一変動状態とも第二変動状態とも識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第三変動状態と,を少なくとも有しており, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が前記特定回数行われた以降は,第三変動状態を設定するよう構成されており, 前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能であり,前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている ことを特徴とする遊技機。」 2 補正の適否 (1)補正事項 本件補正は,補正前の請求項1について,以下に挙げる補正事項を含むものである。 ア 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「所定条件」に関して,「前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能」という記載を追加する補正。 イ 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「特定回数」に関して,「前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている」という記載を追加する補正。 (2)補正の目的等についての検討 ア 補正事項アは,「所定条件」について「前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能」と限定する補正であり,また,補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 補正事項イは,「特定回数」について「前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている」と限定する補正であり,また,補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして,本件補正は,本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲,明細書及び図面(以下,「当初明細書等」という。)の段落【0033】,【0081】の記載に基づくものであるから,新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,すなわち,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か,について以下に検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)は,上記「1 本件補正の概要」に本件補正後の請求項1として記載したとおりのものである(A~Iは,本願補正発明を分説するために当審で付した。)。 「【請求項1】 A 所定条件の成立に基づいて,当否判定を行う当否判定手段と, B 前記当否判定の結果に基づいて,識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示させる識別情報表示制御手段と, C 前記当否判定の結果が特定結果となることに基づいて,入球不能状態の可変入球口を入球可能状態に変化させる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と, D 所定の始動口への入球容易性に係る状態として,第一遊技状態と第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態とを有し,第一遊技状態又は第二遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と,を備え, E 前記遊技状態設定手段は,識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし,前記特定遊技の終了後における第二遊技状態において前記一単位が所定回数行われることに基づいて,第二遊技状態から第一遊技状態に設定可能な遊技機であって, F 識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態として,第一変動状態と,第一変動状態とは識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第二変動状態と,第一変動状態とも第二変動状態とも識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第三変動状態と,を少なくとも有しており, G 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が前記特定回数行われた以降は,第三変動状態を設定するよう構成されており, H 前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能であり,前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている ことを特徴とする I 遊技機。」 (2)刊行物に記載された事項 原査定の平成28年6月9日付け拒絶理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-235013号公報(以下,「刊行物1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【0007】 (1) 始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b)を備え,該変動表示部の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに,遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって, 前記始動領域を遊技媒体が通過可能な第1状態(開状態)と,該第1状態よりも前記始動領域を遊技媒体が通過しにくいまたは通過しない第2状態(閉状態)とに変化可能であり,所定の条件が成立したときに当該第1状態に制御な可変始動装置(可変入賞球装置15)と, 前記開始条件が成立したときに,前記変動表示について,前記特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図24のS60,S71~S73)と, 該事前決定手段による決定に基づいて,前記変動表示が行なわれる変動時間(図14~図20の変動パターンに対応する変動時間)が定められた変動パターンを複数種類の変動パターン(図14~図20の変動パターン)のうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図25のS112,S115)と, 該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行する変動表示実行手段(図25のS117,図11のS303,S304)と, 前記第1特定遊技状態,および,前記第2特定遊技状態の終了後において,予め定められた回数(たとえば,100回)の前記変動表示が実行されるまで,前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御すると決定される確率(大当り確率)が前記通常遊技状態よりも高い高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図31のS157,図24のS60)と, 前記第1特定遊技状態,および,前記第2特定遊技状態の終了後において,前記高確率状態が継続する回数よりも少ない回数の前記変動表示が実行されるまで,前記通常遊技状態に比べて前記可変始動装置が前記第1状態に変化する頻度が高い高頻度状態(電チューサポート制御状態(高ベース状態))に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図31のS162,S169,図33のS511,S514)と, 前記第1特定遊技状態の終了後の前記高頻度状態において,前記変動パターン選択手段が前記通常遊技状態よりも高い割合で短い変動時間の変動パターンを選択する(15R第1確変大当り後の標準時短状態においては,はずれとなるときに,図15の標準時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択するが,これらテーブルは,時短終了確変状態以外の非時短状態においてはずれとなるときに変動パターンを選択する図14の非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルよりも変動時間が短い変動パターンを選択する割合が高い。)第1短縮状態(標準時短状態)に制御し,前記第2特定遊技状態の終了後の前記高頻度状態において,前記変動パターン選択手段が当該第1短縮状態よりもさらに短い変動時間の変動パターンを選択する(15R第2確変大当り後の超時短状態においては,はずれとなるときに,図16の超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択するが,これらテーブルは,標準時短状態においてはずれとなるときに変動パターンを選択する図15の標準時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルよりも変動時間が短い変動パターンを選択する割合が高い。)第2短縮状態(超時短状態)に制御する変動短縮制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図31のS162,S169,図25および図26のS91~S109,S112~S115)とを備え, 前記変動パターン選択手段は,前記高頻度状態の終了後の前記高確率状態において,前記第1短縮状態または前記第2短縮状態のときに選択される変動パターンとは異なる変動パターン(図17の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルの変動パターン(第4スーパーリーチ,第5スーパーリーチ))を選択可能であり(図26のS106B), 前記高頻度状態制御手段により,前記高頻度状態に制御される前記変動表示の回数が,前記第2特定遊技状態の終了後の方が前記第1特定遊技状態の終了後よりも少ない(図2,図31のS161,S168に示されるように,15R第2確変大当りの終了後の高ベース状態は96回の変動表示が実行されるまで継続可能であり,15R第1確変大当りの終了後の高ベース状態は98回の変動表示が実行されるまで継続可能である)。」 (イ)「【0015】 (5) 前記変動表示部は, 第1始動領域(第1始動入賞口13)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第1実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第1開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第1識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第1変動表示部(第1特別図柄表示器8a)と, 第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b)とを含み, 前記第1実行条件が成立したが前記第1開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数の範囲内で記憶可能な第1保留記憶手段(RAM55,図13の第1保留記憶バッファ)と, 前記第2実行条件が成立したが前記第2開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数の範囲内で記憶可能な第2保留記憶手段(RAM55,図13の第2保留記憶バッファ)と, 前記第1保留記憶手段および前記第2保留記憶手段に前記保留記憶情報が記憶されている場合に,前記第1開始条件よりも前記第2開始条件を優先して成立させる開始条件優先手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560,図23のS52~S54)と, 遊技媒体が入賞可能な第1の状態と該第1の状態(開状態)よりも遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(閉状態)とに変化可能であり,前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される可変入賞装置(特別可変入賞球装置20)とをさらに含み, 前記事前決定手段は, 前記第1開始条件が成立したときに,前記第1変動表示部で実行される変動表示について,前記特定遊技状態に制御するか否かと,前記複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記第1識別情報の変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定し(特別図柄ポインタが1のときにおける図24のS60,S71~S73), 前記第2開始条件が成立したときに,前記第2変動表示部で実行される変動表示について,前記特定遊技状態に制御するか否かと,前記複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記第2識別情報の変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定し(特別図柄ポインタが2のときにおける図24のS60,S71~S73), 前記特定遊技状態として,前記第1特定遊技状態および前記第2特定遊技状態よりも前記可変入賞装置を遊技者にとって不利な態様で前記第1の状態とする第3特定遊技状態を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかを決定し(図24のS60,S71), 前記高確率状態制御手段は,前記第3特定遊技状態の終了後において前記高確率状態に制御し(図31のS157), 前記高頻度状態制御手段は,前記事前決定手段により前記第3特定遊技状態とすることが決定されたときに,当該第3特定遊技状態の終了後において前記高頻度状態に制御し(図2(B)の2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルで低確低ベース状態以外の状態で2R確変大当りが発生したときは,大当り遊技状態後に高ベース状態となることが決定される。図31のS165,S169), 前記変動短縮制御手段は,前記事前決定手段により前記第3特定遊技状態とすることが決定されたときに,当該第3特定遊技状態の終了後において,前記第2短縮状態に制御する(図2(B)の2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルで低確低ベース状態以外の状態で2R確変大当りが発生したときは,大当り遊技状態後に超時短状態となることが決定される。図31のS165,S169)。」 (ウ)「【0028】 第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は,変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば,遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後,変動表示の開始条件(たとえば,保留記憶数が0でない場合であって,第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり,かつ,大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され,変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお,入賞とは,入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また,表示結果を導出表示するとは,図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。」 (エ)「【0043】 また,図1に示すように,可変入賞球装置15の下方には,特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は,開閉板を備え,遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と,遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお,特別可変入賞球装置20は,閉状態において,入賞はしづらいものの,入賞することは可能である(すなわち,遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように,特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は,遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。 【0044】 特別可変入賞球装置20は,第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって,入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。」 (オ)「【0060】 ここで,電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては,普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御),普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御),可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御),および,可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると,当該制御が行なわれていないときと比べて,可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので,第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり,遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また,このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより,第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。 【0061】 このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は,発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が,当該制御が行なわれないときと比べて,高い状態であるので,「高ベース状態」と呼ばれる。また,このような制御が行なわれないときは,「低ベース状態」と呼ばれる。また,このような制御は,可変入賞球装置15,すなわち,電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり,「電チューサポート制御」と呼ばれる。 ・・・ 【0065】 この実施の形態においては,大当り確率の状態を示す用語として,「高確率状態(確変状態)」と,「低確率状態(非確変状態)」とを用い,ベースの状態の組合せを示す用語として,「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と,「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。 【0066】 また,この実施の形態においては,大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として,「低確低ベース状態」,「高確低ベース状態」,および,「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは,大当り確率の状態が低確率状態で,かつ,ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。高確低ベース状態」とは,大当り確率の状態が高確率状態で,かつ,ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは,大当り確率の状態が高確率状態で,かつ,ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。なお,前述の通常大当りのように,大当り遊技状態終了後に大当り確率の状態が低確率状態となるものについて,たとえば電チューサポート制御を行なう場合には,大当り確率の状態が低確率状態で,かつ,ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である「低確高ベース状態」となる。」 (カ)「【0068】 15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りは,15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態,および,電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれる。15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りにおいては,確変状態が,変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と,次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。 【0069】 15R第1確変大当りにおいては,時短状態が,変動表示が98回という確変状態が継続する変動表示の回数よりも少ない回数実行されるまでという条件と,次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は,時短回数とも呼ばれる。15R第2確変大当りにおいては,時短状態が,変動表示が96回という,確変状態が継続する変動表示の回数よりも短く,かつ,15R第1確変大当りの時短状態が継続する変動表示の回数よりも少ない回数実行されるまでという条件と,次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。15R第1確変大当りについては,時短状態として,標準時短状態に制御される。15R第2確変大当りについては,時短状態として,超時短状態に制御される。 ・・・ 【0072】 以上に説明したように,15R第1確変大当り,15R第2確変大当り,および,2R確変大当り(第2制御状態となる場合)となったときには,大当り遊技状態の終了後,高確高ベース状態となり,特定回数の変動表示(96回または98回)が行なわれると,時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,確変状態が終了する前(変動表示が100回行なわれるまで)の段階で高確低ベース状態となる。このような確変状態が終了する前に時短状態が終了した状態は,以下の説明において,時短終了確変状態と呼ぶ場合がある。そして,所定回数の変動表示(100回)が行なわれると,確変状態が終了することにより,低確低ベース状態となる。時短終了確変状態においては,後述するように,変動表示が行なわれるときに,その他の遊技状態で変動表示が行なわれるときには実行されないような演出が行なわれる。時短終了確変状態となる変動表示の回数としては,確変状態が終了する前の複数回の変動表示であってもよく,1回の変動表示であってもよい。」 (キ)「【0214】 図13は,保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように,第1保留記憶バッファには,第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また,第2保留記憶バッファには,第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは,RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは,RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには,ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や,ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1),変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。」 (ク)「【0265】 15R第1確変大当り,15R第2確変大当り,または,2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の高確高ベース状態において,時短状態および電チューサポート制御状態が終了する所定回数の変動表示回数が実行されて,確変状態よりも前に時短状態および電チューサポート制御状態が終了したことにより高確低ベース状態となった時短終了確変状態のときにおいては,変動パターンを決定するために,次のように判定テーブルを選択する。 【0266】 前述のような時短終了確変状態の高確低ベース状態において,第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには,変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく,図17(a)の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択する。」 (ケ)「【0464】 (9) 前述した実施形態では,超時短状態となる15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて,大当り遊技状態終了後の超時短状態が同じ期間(変動表示96回まで)継続する例を示した。しかし,15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて,大当り遊技状態終了後の超時短状態が異なる期間継続するようにしてもよい(たとえば,15R第2確変大当りが変動表示96回まで継続し,2R確変大当りが変動表示94回まで継続する第1例,15R第2確変大当りが変動表示94回まで継続し,2R確変大当りが変動表示96回まで継続する第2例)。」 (コ)図14には,非時短状態はずれ時第2判定テーブルは,変動パターンとして通常変動(10秒)はずれを179/251で選択することが図示されている。 (サ)図16には,超時短状態はずれ時第3判定テーブルは,超時短変動(1秒)はずれのみを含むことが図示されている。 (シ)図17には,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルには,変動パターンとして第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれを含むことが図示されている。 上記記載事項(ア)~(ケ)及び上記図示内容(コ)~(シ)より,以下の事項が導かれる。 なお,(a)~(i)は本願補正発明の構成A~Hに対応した事項を示している。 (a)上記段落【0007】には「始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b)を備え,」及び「前記開始条件が成立したときに,前記変動表示について,前記特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560・・・)」と記載されているから,刊行物1には,始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b)を備え,前記開始条件が成立したときに,前記変動表示について,特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が記載されているといえる。 (b)上記段落【0007】には「該事前決定手段による決定に基づいて,前記変動表示が行なわれる変動時間・・・が定められた変動パターンを複数種類の変動パターン・・・のうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560・・・)と, 該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行する変動表示実行手段」と記載され,上記段落【0028】には「変動表示は,・・・変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。」と記載されているから,刊行物1には,該事前決定手段による決定に基づいて,前記変動表示が行なわれる変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と, 該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行し,変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する変動表示実行手段が記載されているといえる。 (c)上記段落【0043】には「特別可変入賞球装置20は,・・・遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と,遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。」と記載され,上記段落【0044】には「特別可変入賞球装置20は,第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において・・・入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。」と記載されているので,刊行物1には,遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と,遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である特別可変入賞球装置20であって、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において,入賞領域となる大入賞口が開放状態に制御される特別可変入賞球装置20が記載されているといえる。 (d)上記段落【0061】には「電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は,・・・「高ベース状態」と呼ばれる。また,このような制御が行なわれないときは,「低ベース状態」と呼ばれる。」と記載され,上記段落【0007】には「前記通常遊技状態に比べて前記可変始動装置が前記第1状態に変化する頻度が高い高頻度状態(電チューサポート制御状態(高ベース状態))に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560・・・)」と記載されているから,刊行物1には,電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)である「高ベース状態」と,このような制御が行われない「低ベース状態」が存在するとともに,高ベース状態に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)が記載されているといえる。 (e)上記段落【0068】には「15R第2確変大当りは,・・・大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態,および,電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれる。」と記載され,上記段落【0069】には「15R第2確変大当りについては,時短状態として,超時短状態に制御される。」と記載され,上記段落【0072】には「15R第2確変大当り・・・となったときには,大当り遊技状態の終了後,高確高ベース状態となり,特定回数の変動表示(96回または98回)が行なわれると,時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,確変状態が終了する前(変動表示が100回行なわれるまで)の段階で高確低ベース状態となる。このような確変状態が終了する前に時短状態が終了した状態は,以下の説明において,時短終了確変状態と呼ぶ場合がある。」と記載され,上記段落【0464】には「15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて,大当り遊技状態終了後の超時短状態が異なる期間継続するようにしてもよい」及び「たとえば,・・・15R第2確変大当りが変動表示94回まで継続し,」と記載されているから,刊行物1には, 15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,変動表示が100回行われるまで時短終了確変状態である高確低ベース状態となる制御 が記載されているといえる。 ここで,高確低ベース状態がいつ始まり,いつ終わるかに着目すると,刊行物1には 15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御 が記載されているといえる。 そして,上記段落【0007】には「第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)」,「前記第2特定遊技状態の終了後において,予め定められた回数(たとえば,100回)の前記変動表示が実行されるまで,前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御すると決定される確率(大当り確率)が前記通常遊技状態よりも高い高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560・・・)」,「前記通常遊技状態に比べて前記可変始動装置が前記第1状態に変化する頻度が高い高頻度状態(電チューサポート制御状態(高ベース状態))に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560・・・)」及び「パチンコ遊技機1」と記載されている。 以上本欄に示した刊行物1の記載をまとめると, 15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御 を行う高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)及び高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)を有するパチンコ遊技機1が記載されているといえる。 (f)刊行物1には,上記(b)に示したとおり変動表示が行われる変動時間が定められた変動パターンが存在することが記載されているといえる。 そして,刊行物1にはこのような変動パターンの選択を行うときの状態について,以下のような記載がある。 第1に,上記段落【0007】には「15R第2確変大当り後の超時短状態においては,はずれとなるときに,・・・超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択する」と記載されている。ここで,図16に図示された事項を考慮すると,刊行物1には,超時短状態においては,はずれとなるときに,変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択することが記載されているといえる。 第2に,上記段落【0265】には,「時短終了確変状態のときにおいては,変動パターンを決定するために,次のように判定テーブルを選択する。」と記載され,上記段落【0266】には「変動表示結果がはずれとなるときには,・・・時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択する。」と記載されている。ここで,図17に図示された事項を考慮すると,刊行物1には,時短終了確変状態のときにおいては,はずれとなるときには,変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択して変動パターンを決定することが記載されているといえる。 第3に,上記段落【0007】には「時短終了確変状態以外の非時短状態においてはずれとなるときに変動パターンを選択する・・・非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブル」と記載されている。ここで,図14に図示された事項を考慮すると,刊行物1には,時短終了確変状態以外の非時短状態において,はずれとなるときに,変動パターンとして,通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルにより変動パターンを選択することが記載されているといえる。 したがって,刊行物1には, 変動表示が行われる変動時間が定められた変動パターンについて, 上記超時短状態においては,はずれとなるときに,変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択し, 時短終了確変状態のときにおいては,はずれとなるときには,変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択して変動パターンを決定し, 時短終了確変状態以外の非時短状態において,はずれとなるときに,変動パターンとして,通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルにより変動パターンを選択する ことが記載されているといえる。 (g)上記(e)に示したように,刊行物1には 15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御を行うことが記載されているといえる。 (h)上記段落【0015】には「第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b)とを含み,」及び「前記第2実行条件が成立したが前記第2開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数の範囲内で記憶可能な第2保留記憶手段(・・・第2保留記憶バッファ)」と記載され,上記段落【0214】には「第2保留記憶バッファには,第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。」と記載されているので,刊行物1には,第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b)を有するとともに,前記第2実行条件が成立したが前記第2開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数4の範囲内で記憶可能な第2保留記憶手段(第2保留記憶バッファ)」が記載されているといえる。 (i)上記段落【0007】には「パチンコ遊技機1」と記載されている。 上記記載事項(ア)~(ケ),上記図示内容(コ)~(シ)及び上記の認定事項(a)~(i)から,刊行物1には,次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「a 始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b)を備え,前記開始条件が成立したときに,前記変動表示について,特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と, b 該事前決定手段による決定に基づいて,前記変動表示が行なわれる変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と, 該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行し,変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する変動表示実行手段と, c 遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と,遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である特別可変入賞球装置20であって、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において,入賞領域となる大入賞口が開放状態に制御される特別可変入賞球装置20と, d 電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)である「高ベース状態」と,このような制御が行われない「低ベース状態」が存在するとともに,高ベース状態に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と,を備え, e,g 15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御 を行う高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)及び高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)を有するパチンコ遊技機1であって, f 変動表示が行われる変動時間が定められた変動パターンについて, 上記超時短状態においては,はずれとなるときに,変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択し, 時短終了確変状態のときにおいては,はずれとなるときには,変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択して変動パターンを決定し, 時短終了確変状態以外の非時短状態において,はずれとなるときに,変動パターンとして,通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルにより変動パターンを選択するとともに, h 第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b)を有するとともに,前記第2実行条件が成立したが前記第2開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数4の範囲内で記憶可能な第2保留記憶手段(第2保留記憶バッファ)を有する i パチンコ遊技機1」 (3)対比・判断 本願補正発明と引用発明1とを対比する。 (a)引用発明1の「始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて」,「特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する」ことは,それぞれ,本願補正発明の「所定条件の成立に基づいて」,「当否判定を行う」ことに相当する。 したがって,引用発明1の「始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後,該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b)を備え,前記開始条件が成立したときに,前記変動表示について,特定遊技状態に制御するか否かと,前記特定遊技状態として,第1特定遊技状態(15R第1確変大当り),および,第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかとを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)」は, 本願補正発明の「所定条件の成立に基づいて,当否判定を行う当否判定手段」に相当する。 (b)引用発明1の「該事前決定手段による決定」及び「該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行し,変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する」ことは,それぞれ本願補正発明の「当否判定の結果」及び「識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示」することに相当する。 したがって,引用発明の「該事前決定手段による決定に基づいて,前記変動表示が行なわれる変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と, 該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行し,変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する変動表示実行手段」は, 本願補正発明の「前記当否判定の結果に基づいて,識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示させる識別情報表示制御手段」に相当する。 (c)引用発明1の「特定表示結果」,「遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)」及び「開放状態」は,それぞれ本願補正発明の「特定結果」,「入球不能状態」及び「入球可能状態」に相当する。 また,引用発明1の「入賞領域となる大入賞口」は,「第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において」開放状態に制御されることから,本願補正発明の「可変入球口」に相当するといえる。 したがって,引用発明1の「遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と,遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である特別可変入賞球装置20であって、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき,および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において,入賞領域となる大入賞口が開放状態に制御される特別可変入賞球装置20」は, 本願補正発明の「前記当否判定の結果が特定結果となることに基づいて,入球不能状態の可変入球口を入球可能状態に変化させる特定遊技を実行する特定遊技実行手段」に相当する。 (d)引用発明1の「電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)である「高ベース状態」」及び「このような制御が行われない「低ベース状態」」は,それぞれ,本願補正発明の「第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態」及び「第一遊技状態」に相当する。 したがって,引用発明1の「電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)である「高ベース状態」と,このような制御が行われない「低ベース状態」が存在するとともに,高ベース状態に制御する高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)」は, 本願補正発明の「所定の始動口への入球容易性に係る状態として,第一遊技状態と第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態とを有し,第一遊技状態又は第二遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段」に相当する。 (e)引用発明1の「大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態とな」ること,「時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態とな」ることは,それぞれ,本願補正発明の「前記特定遊技の終了後における第二遊技状態」となること,及び「第一遊技状態に設定」されることに相当する。 また,遊技機の技術分野において,変動表示の単位を変動表示されてから停止表示されるまでとすることは技術常識であることから考えると,引用発明1の「94回」は,本願補正発明の「所定回数」に相当するといえる。 したがって,引用発明1の「15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御 を行う高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)及び高頻度状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)を有するパチンコ遊技機1」は, 本願補正発明の「前記遊技状態設定手段は,識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし,前記特定遊技の終了後における第二遊技状態において前記一単位が所定回数行われることに基づいて,第二遊技状態から第一遊技状態に設定可能な遊技機」に相当するといえる。 (f)引用発明1において,変動表示が行われる変動時間が定められた変動パターンについて, 上記超時短状態においては,はずれとなるときに,変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択し, 時短終了確変状態のときにおいては,はずれとなるときには,変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択して変動パターンを決定し, 時短終了確変状態以外の非時短状態において,はずれとなるときに,変動パターンとして,通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルにより変動パターンを選択している。 ここで,当業者にとって, ・引用発明1の「超時短状態」,「時短終了確変状態」及び「時短終了確変状態以外の非時短状態」は,本願補正発明の「識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態」であること ・引用発明1においては,変動時間が定められた変動パターンの選択を行うにあたり「超時短状態」,「時短終了確変状態」及び「時短終了確変状態以外の非時短状態」では,それぞれ異なる判定テーブルである「変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブル」,「変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブル」及び「通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブル」を使用していること ・引用発明1において,変動パターンを選択するときに,上記各判定テーブルのいずれを利用するかで,変動時間の選択傾向が異なること はいずれも明らかであり,引用発明1の「超時短状態」,「時短終了確変状態」及び「時短終了確変状態以外の非時短状態」は,それぞれ,本願補正発明の「第一変動状態」,「第二変動状態」,「第三変動状態」に相当するといえる。 したがって,引用発明1の「変動表示が行われる変動時間が定められた変動パターンについて, 上記超時短状態においては,はずれとなるときに,変動パターンが超時短変動(1秒)はずれのみの超時短状態はずれ時の第3判定テーブルを含む,超時短状態はずれ時の第1~第3判定テーブルを使用して変動パターンを選択し, 時短終了確変状態のときにおいては,はずれとなるときには,変動パターンが第4スーパーリーチ(30秒)はずれ及び第5スーパーリーチ(30秒)はずれのみの,時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択して変動パターンを決定し, 時短終了確変状態以外の非時短状態において,はずれとなるときに,変動パターンとして,通常変動(10秒)はずれが179/251で選択される非時短状態はずれ時の第2判定テーブルを含む,非時短状態はずれ時の第1,第2判定テーブルにより変動パターンを選択する」ことは, 本願補正発明の「識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態として,第一変動状態と,第一変動状態とは識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第二変動状態と,第一変動状態とも第二変動状態とも識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第三変動状態」を有することに相当するといえる。 (g)引用発明1は,大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御を行っている。 ここで,上記「(e),(f)」に示したように「大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態とな」ること及び「超時短状態」は,本願補正発明の「前記特定遊技の終了後における第二遊技状態」及び「第一変動状態」に相当することから考えると,引用発明1の「大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御」は, 本願補正発明の「前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定」することに相当する。 また,引用発明1は,時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御を行っている。 ここで,引用発明1の「変動表示が6回行われるまで」は,本願補正発明の「識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし」たときの「前記一単位が特定回数行われるまで」に相当する。 それに加えて,上記「(e),(f)」に示したように,「時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態とな」ること,及び「時短終了確変状態」は,それぞれ本願補正発明の「第一遊技状態」及び「第二変動状態」に相当する。 したがって,引用発明1の「時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了した後,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,その状態が変動表示が6回行われるまで継続する制御」を行うことは, 本願補正発明の「前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定」することに相当する。 そして,引用発明1において,大当り遊技状態終了後,変動表示が100回行われた後は,確変状態でもなく,かつ時短状態でもないのであるから,時短終了確変状態以外の非時短状態であることは,当業者にとって明らかである。 したがって,引用発明1における「15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御」を行うことは, 本願補正発明の「前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が前記特定回数行われた以降は,第三変動状態を設定するよう構成」されていることに相当する。 (h)引用発明1の「第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件」について「前記第2実行条件が成立」すること,「保留記憶情報」及び「所定の上限値4」は,それぞれ本願補正発明の「前記所定条件の成立」,「保留情報」及び「所定の上限数」に相当する。 また,本願補正発明においては,「前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなる」が,引用発明1においても6回(本願補正発明の「特定回数」に相当)は上限値4(本願補正発明の「所定の上限数」に相当)よりも大きくなっていることは,当業者にとって明らかである。 したがって,引用発明1の「第2始動領域(第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過したことにより変動表示の第2実行条件が成立した後,変動表示の開始を許容する第2開始条件の成立に基づいて,各々を識別可能な第2識別情報の変動表示を実行し,表示結果を導出表示する第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b)を有するとともに,前記第2実行条件が成立したが前記第2開始条件が成立していない変動表示について,保留記憶情報として所定の上限数4の範囲内で記憶可能な第2保留記憶手段(第2保留記憶バッファ)を有する」ことは, 本願補正発明の「前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能であり,前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている」ことに相当する。 (i)引用発明1の「パチンコ遊技機1」は,本願補正発明の遊技機に相当する。 以上,上記(a)から(i)により,本願補正発明と引用発明とは, 「A 所定条件の成立に基づいて,当否判定を行う当否判定手段と, B 前記当否判定の結果に基づいて,識別情報を変動表示させた後で識別情報を停止表示させる識別情報表示制御手段と, C 前記当否判定の結果が特定結果となることに基づいて,入球不能状態の可変入球口を入球可能状態に変化させる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と, D 所定の始動口への入球容易性に係る状態として,第一遊技状態と第一遊技状態よりも前記所定の始動口へ入球容易となる第二遊技状態とを有し,第一遊技状態又は第二遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と,を備え, E 前記遊技状態設定手段は,識別情報が変動表示されてから停止表示されるまでを一単位とし,前記特定遊技の終了後における第二遊技状態において前記一単位が所定回数行われることに基づいて,第二遊技状態から第一遊技状態に設定可能な遊技機であって, F 識別情報の変動表示時間を決定する際に依存する状態として,第一変動状態と,第一変動状態とは識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第二変動状態と,第一変動状態とも第二変動状態とも識別情報の変動表示時間の選択傾向が異なる第三変動状態と,を少なくとも有しており, G 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態が維持されている状況下では,第一変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が特定回数行われるまでは,第二変動状態を設定し, 前記特定遊技の終了後にて第二遊技状態から第一遊技状態となった後で前記一単位が前記特定回数行われた以降は,第三変動状態を設定するよう構成されており, H 前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能であり,前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている I 遊技機。」 である点で一致し,相違点はない。 したがって,本願補正発明は刊行物に記載された発明である。 (4)請求人の主張について 請求人は審判請求書の「(4-3-1)補正の却下の決定通知でのご認定が不当であると考える理由」において「まず,引用文献1の段落0464における『15R第2確変大当りの超時短状態が変動表示94回まで継続するようにしてもよい』との記載は,あくまでも高ベース状態が維持される期間(96回)は変えずに高ベース状態中での特図時短性能を変化させる旨の変形例であると理解している。 より具体的には,引用文献1の図2等の記載を踏まえると,『当り後ベース』に係る状態と『当り後変動時間』に係る状態とは別個に制御されるものであるといえるため,これを踏まえると,引用文献1の段落0464の記載は,例えば,『15R第2確変大当り後』において,『1~94回:高確高ベース状態且つ超時短状態』(本願発明の「第一変動状態」に相当),『95~96回:高確高ベース状態且つ標準時短』(本願発明の「第一変動状態」に相当),『97~100回:高確低ベース状態且つ時短終了確変状態』(本願発明の「第二変動状態」に相当),『101回以降:低確低ベース状態且つ非時短状態』(本願発明の「第三変動状態」に相当),とする変形例記載に過ぎないものとしか理解できない。 よって,引用文献1の段落0464の記載は,『97~100回:高確低ベース状態且つ時短終了確変状態』(本願発明の「第二変動状態」に相当)の期間を変更する証拠にはならないといえる。 特に,引用文献1の段落0464には,『15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて,大当り遊技状態終了後の超時短状態が異なる期間継続するようにしてもよい(たとえば,15R第2確変大当りが変動表示96回まで継続し,2R確変大当りが変動表示94回まで継続する第1例,15R第2確変大当りが変動表示94回まで継続し,2R確変大当りが変動表示96回まで継続する第2例)』とも記載されているわけであるが,この全体的な記載と引用文献1の図2等の記載を踏まえると,この変形例の趣旨は,15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて,大当り遊技状態終了後の高ベース状態の維持期間はともに96回なのであるから,超時短状態の維持期間のみに差を設けて両者を差別化する,というものであると理解できる。 以上のことから,引用文献1の段落0464の記載は,『97~100回:高確低ベース状態且つ時短終了確変状態』(本願発明の「第二変動状態」に相当)の期間を変更する証拠にはならないのであるから,補正の却下の決定通知における『そして,段落[0464]には,15R第2確変大当りの超時短状態が変動表示94回まで継続するようにしてもよい旨記載されていることから,特定回数が保留記憶データの4個よりも多い6回である旨記載されているといえる』とのご認定が不当であるといえる。 」と主張している(下線は当審で付した。)。 しかしながら,上記「(2)(g)」に示したとおり,刊行物1には,15R第2確変大当りとなったときは, 大当り遊技状態の終了後に,確変状態,時短状態としての超時短状態及び電チューサポート制御状態に移行する制御が行われ,高確高ベース状態となり,その超時短状態が変動表示94回まで継続する制御及び 時短状態としての超時短状態および電チューサポート状態が終了することにより,時短終了確変状態である高確低ベース状態となり,その後,変動表示が6回行われるまで前記時短終了確変状態である高確低ベース状態が継続する制御を行うことが記載されているといえる。 したがって,上記主張は採用することができない。 (5)まとめ したがって,本願補正発明は,特許法第29条第1項第3号の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。 よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されることとなったので,本願の請求項1に係る発明は,平成28年1月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,上記「第2[理由]1」に本件補正前の請求項1として記載されたとおりのものである。 1 刊行物1 原査定の拒絶理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物1の記載事項及び引用発明1の認定については,上記「第2[理由]3(2)」に記載したとおりである。 2 対比・判断 本願発明は,上記「第2[理由]1」で検討した本願補正発明から,実質的な変更とならない特定事項を除き,「所定条件」に関し「前記所定条件の成立を保留情報として所定の上限数まで記憶可能」という記載を省くとともに,「特定回数」に関し「前記特定回数は前記所定の上限数よりも多くなるよう構成されている」という記載を省いたものである。 そうすると,上記「第2[理由]3(3)」において検討したのと同様に,本願発明と引用発明とは相違点はなく一致するといえる。 したがって,本願発明は刊行物に記載された発明である。 3 まとめ 以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2017-002173

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