審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2017-001832

スロットマシン

審判番号
2017-001832
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-137182外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年02月07日
審決日
2018年02月08日
公報発行日
2018年05月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-137182号「スロットマシン」拒絶査定不服審判事件〔平成26年1月9日出願公開、特開2014-214号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年6月18日の特許出願であって、平成28年3月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月31日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年11月8日)、それに対し、平成29年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 平成29年2月7日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年2月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、平成28年5月25日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項4における 「【請求項4】 各々が識別可能な複数種類の識別情報が所定の順番で配置された表示帯を移動させることで変動表示可能な可変表示部を複数備え、 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 前記可変表示部の変動速度が規定の速度となったときに前記導出操作手段の操作を有効化する導出操作有効化手段と、 前記導出操作手段が操作されたときに表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、 前記導出操作有効化手段による前記導出操作手段の操作の有効化を遅延させることが可能な有効化遅延手段と、 前記導出操作手段の操作が有効化されるまでに、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行うことが可能な特殊変動制御手段と、 前記特殊変動制御手段が前記特殊変動制御を行った後に、所定値をランダムに決定する所定値決定手段と、 を備え、 前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、一の表示帯に対する他の表示帯の位置関係を表示帯が1周する範囲内でランダムに変化させ、 スロットマシンはさらに、 定期的にタイマ割込み処理を実行して遊技状態を制御する遊技制御手段と、 前記可変表示部を変動表示させるためのステッピングモータとを備え、 前記タイマ割込み処理は、 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う定常処理と、 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記定常状態とは異なり前記特殊変動制御を行う非定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う非定常処理と、 所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理とを含み、 前記非定常処理は、前記タイマ割込み処理において、前記特別処理の前に実行される ことを特徴とする、スロットマシン。」を、 審判請求時に提出された手続補正書(平成29年2月7日付け)における 「【請求項4】 A 各々が識別可能な複数種類の識別情報が所定の順番で配置された表示帯を移動させることで変動表示可能な可変表示部を複数備え、 B 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 E 前記可変表示部の変動速度が規定の速度となったときに前記導出操作手段の操作を有効化する導出操作有効化手段と、 F 前記導出操作手段が操作されたときに表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、 G 前記導出操作有効化手段による前記導出操作手段の操作の有効化を遅延させることが可能な有効化遅延手段と、 H 前記導出操作手段の操作が有効化されるまでに、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行うことが可能な特殊変動制御手段と、 I 前記特殊変動制御手段が前記特殊変動制御を行った後に、所定値をランダムに決定する所定値決定手段と、 を備え、 J 前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係を変化させることが可能であり、 K スロットマシンはさらに、 定期的にタイマ割込み処理を実行して遊技状態を制御する遊技制御手段と、 L 前記可変表示部を変動表示させるためのステッピングモータとを備え、 M 前記タイマ割込み処理は、 M1 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う定常処理と、 M2 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記定常状態とは異なり前記特殊変動制御を行う非定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う非定常処理と、 M3 所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理とを含み、 N 前記非定常処理は、前記タイマ割込み処理において、前記特別処理の前に実行され、 O 前記所定値決定手段は、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が変化しない第1値から、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した第2値までの間の値から、いずれの値も決定され得るようにランダムに前記所定値を決定する ことを特徴とする、スロットマシン。」に補正するものである(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。また、A~Oは、当審にて分説して付した。)。 2 補正の目的 上記補正は、補正前の請求項4に記載した発明を特定するために必要な事項である「所定値決定手段」に関して、「前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、一の表示帯に対する他の表示帯の位置関係を表示帯が1周する範囲内でランダムに変化させ、」とあったものを、「前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係を変化させることが可能であり、」(構成J)と限定することに加え、「前記所定値決定手段は、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が変化しない第1値から、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した第2値までの間の値から、いずれの値も決定され得るようにランダムに前記所定値を決定する」(構成O)と限定するものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項4に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項4に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項4に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。 (1)刊行物 ア 刊行物1 原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-72332号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は審決にて付した。以下同じ。)。 ・記載事項 (ア)「【請求項1】 複数種類の図柄が複数の表示位置に各々表示された複数のリールを回転させ、該複数のリールが全て停止したときに入賞ラインに沿って停止表示された図柄組合せが、予め定められた複数の役のうちいずれかに対応していた場合、該対応する役が成立するスロットマシンであって、 外部からの操作に応じて、前記複数のリールの回転停止を指示する回転停止指示手段と、 前記複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達するまでの間、前記回転停止指示手段からの指示を無効化する回転指示無効化手段と、 前記複数のリールの各々に表示された複数の図柄のうち、予め定められた所定図柄によって構成される所定の図柄組合せが前記入賞ラインに沿って停止表示されると、前記複数の役のうち特定の役が成立する確率が、前記所定の図柄組合せの停止表示前と異なる特定遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と、 前記遊技状態移行手段によって、前記特定遊技状態へ移行したか否かを判断する特定遊技状態判断手段と、 前記特定遊技状態判断手段が前記特定遊技状態へ移行したと判断すると、前記複数のリールが回転を開始してから前記定常回転速度に達するまでの間に、各リールにおいて、前記所定図柄から所定数の図柄を隔てて表示されている特定の図柄が、前記入賞ラインに沿うこととなる相対位置を保った状態で回転するように、前記入賞ラインに沿って停止表示された前記所定図柄を起点として、前記複数のリールの回転を制御するリール回転制御手段と、を備え、 前記リール回転制御手段は、 前記複数のリールの各々における前記特定の図柄が、前記入賞ラインに沿うこととなる相対位置を保った状態で、前記複数のリールを所定時間回転させた後、前記複数のリールの回転速度を前記定常回転速度まで加速することを特徴とするスロットマシン。」 (イ)「【0001】 本発明は、遊技者が遊技媒体を投入し、リールを回転させた後に停止させ、そのときに表示されているリールに描かれた図柄の組合せによって遊技結果が定まるスロットマシンに関する。」 (ウ)「【0025】 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。 [第1実施形態] 本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄を表示する、図柄表示領域である表示窓22が形成されている。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに連続して表示される3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。」 (エ)「【0039】 ≪主制御回路の説明≫ 中央処理装置(以下、CPUと称する)106は、入出力バス104を介して入力される各種情報に応じて、ROM108に記憶されている各種制御プログラムを実行することで、スロットマシン10における遊技の制御を行う。CPU106は、各種制御プログラムの処理を、クロック発生回路112から供給されるクロック信号CLKおよび割込信号IRに従って行っている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、前述した図柄識別情報の他、例えば、後述する各種の役に対応する図柄組合せ(図8参照)、各種役抽選テーブル(図9~図11参照)、各リールの加速パターン(図12参照)、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御情報(図13参照)などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図14に示すメインルーチン、図15~図19に示す各種サブルーチンの処理を実行するためのプログラムなどがある。 ・・・ 【0055】 ≪主制御回路の説明≫ 主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、回転指示無効化手段430と、入賞判定手段440と、入賞処理手段450と、遊技進行停止手段460と、を含む。役抽選手段410は、役抽選処理によって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、成立すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、成立すると次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技といい、再遊技における有効ラインは、再遊技役が成立した遊技における有効ラインと同一となる。ボーナス役は、成立すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。本実施形態における特別遊技には、終了条件の違いに応じてビッグボーナスゲーム(以下、BB遊技という)と、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB遊技という)とがある。BB遊技は、予め定められた枚数のメダルを払い出すと、BB遊技の終了条件が成立して特別遊技へ移行する前の遊技(以下、この遊技を一般遊技という)へ戻る。また、RB遊技は、遊技を所定回数(例えば12回)行うか、小役が入賞した回数が所定回数(例えば8回)になると、RB遊技の終了条件が成立して一般遊技に戻る。」 (オ)「【0069】 <リール制御手段の説明> リール制御手段420は、リール回転制御手段422およびリール停止制御手段424を有し、リール40L、40C、40Rの回転駆動に関する制御を行う。リール回転制御手段422は、加速パターン記憶手段4220および駆動パルス出力手段4222を備え、これら各手段により、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信すると、モータ駆動回路116L,116C,116Rを介してステッピングモータ80L、80C、80Rを駆動し、リール40L、40C、40Rを回転させる。加速パターン記憶手段4220は、各リールの停止状態から定常回転速度(79.90[rpm]とする)に到達するまでの間に、ステッピングモータ80L、80C、80Rに供給する電流の相を切り替える回数およびタイミングを指定する情報(加速パターン)を記憶しており、図3に示したROM108によって実現される。 【0070】 ここで、図12に加速パターンの一例を示す。この図に示す加速パターンは、各リールを停止状態から加速するために、駆動パルス出力手段4222からモータ駆動回路116L,116C,116Rに対して出力する駆動パルスの数と、駆動パルスを出力するタイミングとを定めたものである。これにより、モータ駆動回路116L,116C,116Rは、各駆動パルスが出力されるごとに、図5に示した励磁パターンに従って、各々対応するステッピングモータ80L、80C、80Rに対して、電流を供給する相を順次切り替えていくことで、各リールを加速する。また、この図において、(a)は遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターンの内容を示しており、(b)は一般遊技からRT遊技へ移行するときに、そのことを示す演出を行うためのRT移行時加速パターンの内容を示している。 【0071】 図12に示す加速パターンでは、各駆動パルスの出力タイミングを指定する情報が、クロック発生回路112から割込信号IRが出力された数によって表されている。例えば、(a)の通常加速パターンにおいて、各リールの回転を開始するときに、最初の駆動パルスは、回転開始から割込信号IRが90回出力されたとき(時間にして1.49[msec]×90=134.10[msec]が経過した時)に出力される。また、2発目の駆動パルスは、最初の駆動パルスが出力されてから割込信号IRが15回出力されたとき(時間にして1.49[msec]×15=22.35[msec]が経過した時)に出力される。また、3発目から8発目までの駆動パルスは、各々、直前の駆動パルスが出力されてから割込信号IRが7回出力されたとき(時間にして1.49[msec]×7=10.43[msec]が経過した時)に出力される。 【0072】 さらに、9発目から17発目までの駆動パルスは、各々、直前の駆動パルスが出力されてから割込信号IRが2回出力されたとき(時間にして1.49[msec]×2=2.98[msec]が経過した時)に出力される。そして、18発目の駆動パルスは、17発目の駆動パルスが出力されてから次の割込信号IRが出力されたときに出力される。18発目の駆動パルスが出力されると、各リールは定常回転速度に達し、以下、割込信号IRが出力されるごとに、駆動パルス出力手段4222からモータ駆動回路116L,116C,116Rへ駆動パルスが出力される。このときの各リールの回転速度は、1/(504[ステップ]×1.49[msec])×60≒79.90[rpm]となる。 ・・・ 【0075】 リール停止制御手段424は、ストップスイッチ37L、37C、37Rから発信されたリール停止信号に応じて、リール40L、40C、40Rを停止させる。このとき、リール停止制御手段424は、予め定められた制約の範囲内で、役抽選の結果に則した図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される制御を行う。たとえば、役抽選によって何らかの役が当選した状態で、あるストップスイッチが操作された場合、リール停止制御手段424は、その時点から対応するリールが所定の図柄数(5図柄)だけ移動(回転)する間に、上記当選した役に対応した図柄組合せを構成している図柄が、有効ラインが横切っている図柄停止位置(以下、有効ラインの位置という)に到達し得るときは、その図柄が有効ラインの位置に達したときにリールを停止させる。」 (カ)「【0110】 RT移行フラグがオンになっていた(YES)場合は、RT遊技へ移行したことを示す演出を実行すべく、CPU106は、図12(b)に示したRT移行時加速パターンに従って、モータ駆動回路116L、116C、116Rへ駆動パルスを出力する(ステップS96)。この駆動パルスの出力に関する処理は、図3に示したクロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理(図示省略)によって行われる。これにより、リール40L,40C,40Rは一斉に回転を開始する。そして、9発の駆動パルスが出力されたことにより、RT移行時加速パターンによる加速段階が終了すると、引き続き、通常時における定常回転速度(約79.90[rpm])よりも遅い回転速度(約39.95[rpm])を保った状態で、リール40L,40C,40Rを所定時間回転させる(ステップS98)。そして、所定時間が経過すると、CPU106は、リール40L,40C,40Rの回転を停止させ(ステップS100)、図12(a)に示した通常加速パターンに従って、図3に示した「(ステップS102)。これにより、モータ駆動回路116L、116C、116Rは、各々対応するステッピングモータ80L、80C、または80Rの駆動を開始し、リール40L、40C、40Rは再び回転を開始する。」 (キ) 「【0149】 本実施形態におけるリール演出回転処理に関する処理では、モータ駆動回路116R,116C,116Lに対して駆動パルスを出力する割込処理で使用する各種変数の初期値をセットするとともに、当該割込処理の開始を指示している。以下、図23および図24を参照して、RT遊技へ移行後の最初の遊技において実行される、第2実施形態でのリール40L,40C,40Rを用いた演出を行うための割込処理(以下、リール加速処理という)について説明する。 【0150】 なお、この加速処理は、図3に示したクロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに、モータ駆動回路116R,116C,116Lの各々について個別に実行されるものである。この加速処理を行うことによって、モータ駆動回路116R,116C,116Lに対し、図12(b)に示したRT移行時加速パターンに従った駆動パルスが出力される。また、この加速処理で参照する変数には、リール駆動状態、遅延カウンタ、割込カウンタ、ステップカウンタ、および、再加速カウンタなどがあり、これらの変数は、RAM110に記憶されている。ここで、リール駆動状態は、RT遊技に移行したときの各リールの加速段階において、「加速中」、「仮定速中」、「再加速中」のいずれの状態にあるのかを示す情報を記憶するための変数である。また、「加速中」は、リールが停止している状態から仮定速(回転速度が約39.95[rpm])に達する間の状態、「仮定速中」は、仮定速で回転している状態、および、「再加速中」は、仮定速から定常回転速度(約79.90[rpm])に達する間の状態を示している。 ・・・ 【0153】 すなわち、前述したように、図21の図柄配列においては、小役4に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されると、各リールのボーナス図柄は、左リール40Lを基準とすると、中リール40Cについては2図柄分、右リール40Rについては3図柄分ずれている。また、各リールに対応するモータ駆動回路に対して、いずれも図12(b)に示した加速パターンに従って駆動パルス出力する。よって、各モータ駆動回路に対する駆動パルスの出力処理の開始タイミングに時間差をつけることで、各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させるものである。」 ・・・ 【0157】 これに対して、ステップ数が「9」になっていた(YES)場合は、CPU106は、他のモータ駆動回路に対するリール加速処理におけるステップ数も、すべて「9」になっているか否かを判断する(ステップS328)。他のモータ駆動回路に対するリール加速処理において、未だ図12(b)に示した加速パターンに従って駆動パルスを出力している(NO)場合は、割込カウンタの値に「2」をセットして(ステップS330)、リール加速処理を終了する。これに対して、全てのモータ駆動回路に対するリール加速処理において、図12(b)に示した加速パターンに従って駆動パルスを出力し終えていた場合(YES)は、CPU106は、RAM110に記憶されているリール駆動状態を「仮定速中」に更新して(ステップS330)、次の割り込みから仮定速中の処理へと移行する。そして、ステップS330で割込カウンタの値に「2」をセットして、リール加速処理を終了する。このように、図12(b)に示した加速パターンに従って駆動パルスを出力し終えた場合であっても、他のモータ駆動回路に対するリール加速処理において、加速段階における駆動パルスを出力し終えていないときは、リール駆動状態を「加速中」にしたまま、2回の割込処理につき1回の割合で駆動パルスを出力し続ける。よって、この間、対応するリールは39.95[rpm]の回転速度で回転している。 【0158】 リール駆動状態が「仮定速中」に移行すると、次の割込信号IRが出力されたときに、ステップS310の判断結果がNOとなり、図24に示す処理へ移行する。まず、CPU106は、現在のリール駆動状態が「仮定速中」であるか否かを判断する(ステップS334)。現在のリール駆動状態が「仮定速中」である(YES)ときは、CPU106は、まず、割込カウンタの値を「1」減算し(ステップS336)、割込カウンタの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS338)。割込カウンタの値が「0」になっていない(NO)場合は、リール加速処理を終了して他の割込処理を実行する。これに対して、割込カウンタの値が「0」になっていた(YES)ときは、CPU106は、駆動パルスを出力した後(ステップS340)、割込カウンタの値に「2」をセットする(ステップS342)。 【0159】 次にCPU106は、リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS344)。ここで、この所定時間は、各リールにおける同じ種類のボーナス図柄が横一列に揃った状態で回転する時間を、予め適宜定めたものであり、図3に示したROM108に記憶されている。上述した所定時間が経過していない(NO)ときは、CPU106は、割込カウンタの値に「2」をセットして(ステップS346)、リール加速処理を終了する。これに対して、所定時間が経過した場合は、RAM110に記憶されているリール駆動状態を「再加速中」に更新し(ステップS348)、再加速カウンタの値に各モータ駆動回路に対応する初期値を設定する(ステップS350)。 【0160】 ここで、再加速カウンタの値は、割込信号IRが出力されるごと(すなわち、リール加速処理が行われるごと)に、初期値から「1」ずつ減算され、「0」になったときに、仮定速中の回転速度から定常回転速度へ再加速を行う。また、再加速カウンタの初期値は、各リール対応するモータ駆動回路ごとに異なっており、リール駆動回路116Lについては「72」、リール駆動回路116Cについては「24」、リール駆動回路116Rについては「0」になっている。 【0161】 詳しくは後述するが、これらの初期値により、右リール40Rについては、仮定速中の状態が終了すると次の割込信号IRでリール加速処理が行われるときに定常回転速度への再加速が開始される。また、中リール40Cについては、右リール40Rの図柄位置に対して、リール回転方向とは反対の方向へ1図柄分ずれた状態で、定常回転速度で回転するように再加速が開始される。また、左リール40Lについては、右リール40Rの図柄位置に対してリール回転方向とは反対の方向へ3図柄分ずれた状態で、定常回転速度で回転するように再加速が開始される。すなわち、各リールにおける再加速の開始タイミングをずらすことにより、小役4に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されたときの相対的な位置関係に戻すように制御している。 【0162】 ステップS350で、再加速カウンタに各々初期値がセットされると、CPU106は、ステップS346で割込カウンタの値に「2」をセットしてリール加速処理を終了し、次の割り込みから再加速中の処理を行う。 ・・・ 【0166】 以上に説明したリール加速処理を、RT遊技へ移行した最初の遊技におけるリール40L,40C,40Rの回転開始時に行うことにより、図21に示した図柄配列において、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールが仮定速(39.95[rpm])で回転し、その状態で所定時間が経過すると、定常回転速度に再加速することになる。ここで、仮定速中に横一列に並ぶボーナス図柄は、小役4に対応する図柄組合せが、有効ラインL1に沿って停止表示されたときは「青7」図柄、有効ラインL5に沿って停止表示されたときは「BAR」図柄、有効ラインL2、L3、または、L4のいずれかに沿って停止表示されたときは「赤7」図柄となる。また、再加速時には各リール間の相対的な図柄位置が、前回の遊技で小役4が入賞したときの位置関係に戻される。」 (ク)「【0190】 また、第2実施形態において、図24のステップS344で、「仮定速中」に移行してから、所定時間が経過した(YES)と判断されると、CPU106は、同図のステップS350で、各リールについて再加速を開始するタイミングを調整するため、各リール駆動回路116に対応する再加速カウンタの値に、各々、予め適宜定めておいた初期値をセットしていた。ここで、各再加速カウンタの値にセットする初期値を、予め定めた値ではなく、例えば、各々乱数に基づく抽選を行って、当該抽選によって決定された任意の値をセットするようにしてもよい。このよう構成した場合、すべてのリールが定常回転速度に達したときの、各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるので、遊技者が特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作するという技術介入性に影響を与えにくくすることができる。」 ・認定事項 (ケ)認定事項h、m、m1、m2 【0039】の「CPU106は、各種制御プログラムの処理を、クロック発生回路112から供給されるクロック信号CLKおよび割込信号IRに従って行っている。」との記載、【0110】の「CPU106は、・・・RT移行時加速パターンに従って、モータ駆動回路116L、116C、116Rへ駆動パルスを出力する・・・。この駆動パルスの出力に関する処理は、・・・クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理(図示省略)によって行われる。」との記載から、刊行物1には、CPU106が、RT移行時加速パターンに従って、モータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力処理を割込信号IRに従った割込処理によって行うことが記載されているといえる。 そして、刊行物1の【0149】には「リール演出回転処理」に関し、「RT遊技へ移行後の最初の遊技において実行される」、「リール40L,40C,40Rを用いた演出を行うための割込処理(以下、リール加速処理という)」と記載され、【0150】には「この加速処理は」、「クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに、モータ駆動回路116R,116C,116Lの各々について個別に実行される」と記載されている。さらに、【0153】には「各モータ駆動回路に対する駆動パルスの出力処理の開始タイミングに時間差をつけることで、各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させるものである。」と記載され、【0166】には「リール加速処理を、RT遊技へ移行した最初の遊技におけるリール40L,40C,40Rの回転開始時に行う・・・ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールが仮定速・・・で回転し、その状態で所定時間が経過すると、定常回転速度に再加速することになる。」と記載されている。 したがって、刊行物1には、RT遊技へ移行した最初の遊技におけるリールの回転開始時に、モータ駆動回路への駆動パルスの出力処理をRT移行時加速パターンに従い、各モータ駆動回路に対する駆動パルスの出力処理の開始タイミングに時間差をつけることで、各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールを仮定速で回転させ、その状態で所定時間が経過すると定常回転速度に再加速するリール演出回転処理を割込処理によって行うCPU106について記載されていると認められる(認定事項h:【0039】、【0110】、【0149】、【0153】、【0166】)。 また、同様に、RT移行時加速パターンに従って、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理について記載されていると認められる(認定事項m、m2:【0039】、【0110】)。 さらに、【0070】には「ここで、図12に加速パターンの一例を示す。・・・この図において、(a)は遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターンの内容を示しており、・・・」と記載され、【0071】には「各駆動パルスの出力タイミングを指定する情報が、クロック発生回路112から割込信号IRが出力された数によって表されている。例えば、(a)の通常加速パターンにおいて、・・・」と記載されている。 したがって、刊行物1には、遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターンに従って、各リールが定常回転速度に達するまで、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理について記載されていると認められる(認定事項m、m1:【0039】、【0070】~【0072】、【0110】)。 (コ)認定事項i、j 【0159】には「リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから、・・・所定時間が経過した場合は、・・・リール駆動状態を「再加速中」に更新し・・・再加速カウンタの値に各モータ駆動回路に対応する初期値を設定する(ステップS350)。」と記載され、【0161】には「各リールにおける再加速の開始タイミングをずらす」と記載され、【0190】には「「仮定速中」に移行してから、所定時間が経過した(YES)と判断されると、CPU106は、同図のステップS350で、各リールについて再加速を開始するタイミングを調整するため、・・・各再加速カウンタの値にセットする初期値を、予め定めた値ではなく、・・・各々乱数に基づく抽選を行って、当該抽選によって決定された任意の値をセットする・・・すべてのリールが定常回転速度に達したときの、各リール間の相対位置がランダムな位置関係となる・・・」と記載されている。 したがって、刊行物1には、各リールについて、リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから所定時間が経過した場合は、リール駆動状態を「再加速中」に更新し、再加速カウンタに設定される各モータ駆動回路に対応する初期値を、予め定めた値ではなく、各々乱数に基づく抽選によって決定された値とすることにより、各リールにおける再加速の開始タイミングをずらし、すべてのリールが定常回転速度に達したときの各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるようにするCPU106について記載されていると認められる。 (サ)認定事項m3 【0149】には「RT遊技へ移行後の最初の遊技において実行される、・・・リール40L,40C,40Rを用いた演出を行うための割込処理(以下、リール加速処理という)・・・」と記載され、【0157】には「全てのモータ駆動回路に対するリール加速処理において、図12(b)に示した加速パターンに従って駆動パルスを出力し終えていた場合(YES)は、CPU106は、・・・リール加速処理を終了する。」と記載され、【0158】には「CPU106は、・・・リール加速処理を終了して他の割込処理を実行する。」と記載されている。 したがって、刊行物1には、RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理を終了して他の割込処理が実行されることについて記載されている。 ・刊行物発明 上記(ア)~(ク)の記載事項、上記(ケ)~(サ)の認定事項から、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~nは、本件補正発明のA~Oのうち、A~Nに対応させて付与した。)。 「a 外周面に21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられ、回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rを備え(【0025】)、 b 複数のリールが全て停止したときに入賞ラインに沿って停止表示された図柄組合せが、予め定められた複数の役のうちのいずれかに対応していた場合、該対応する役が成立するスロットマシンであって(【請求項1】)、 c 役抽選処理によって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定める主制御回路100の役抽選手段410と(【0055】)、 d 外部からの操作に応じて、複数のリールの回転停止を指示する回転停止指示手段と(【請求項1】)、 e、g 複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達するまでの間、回転停止指示手段からの指示を無効化する回転指示無効化手段と(【請求項1】)、 f 予め定められた制約の範囲内で、役抽選の結果に則した図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される制御を行うリール停止制御手段424【0075】と、 h RT遊技へ移行した最初の遊技におけるリールの回転開始時に、モータ駆動回路への駆動パルスの出力処理をRT移行時加速パターンに従い、各モータ駆動回路に対する駆動パルスの出力処理の開始タイミングに時間差をつけることで各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールを仮定速で回転させると共に、その状態で所定時間が経過すると定常回転速度に再加速するリール演出回転処理を割込処理によって行うCPU106(認定事項h)を備え、 i、j CPU106は、 各リールについて、リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから所定時間が経過した場合は、リール駆動状態を「再加速中」に更新し、再加速カウンタに設定される各モータ駆動回路に対応する初期値を、予め定めた値ではなく、各々乱数に基づく抽選によって決定された値とすることにより、各リールにおける再加速の開始タイミングをずらし、すべてのリールが定常回転速度に達したときの各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるようにし(認定事項i、j)、 k  クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理によって各種制御プログラムの処理を行い(【0039】、【0110】)、 l 駆動によりリール40L、40C、40Rを回転させるステッピングモータ80L、80C、80R(【0069】)と、 m 割込処理は、 m1 遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターンに従って、各リールが定常回転速度に達するまで、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理(認定事項m1)と、 m2 RT移行時加速パターンに従って、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理(認定事項m2)と、 m3、n RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理を終了して実行される他の割込処理(認定事項m3)とを含む スロットマシン(【0001】)。」 イ 刊行物2 前置報告書において新たに提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-95966号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 ・記載事項 ・記載事項 (ア)「【請求項1】 周囲に複数の図柄が付された複数個の回転リールと、 回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、 回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、 回転リールの図柄の停止表示の態様により構成される当選役を抽選により決定するための役抽選手段とを備え、 スタートスイッチの操作により回転リールの回転を開始させるとともに、役抽選手段により複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選を行い、その抽選の結果及びストップスイッチの操作に基づいて回転リールの回転を停止させ、当選した役に係る図柄の組み合わせが表示窓の所定位置に揃ったか否かの判定を行い、その判定の結果に応じて所定の利益を遊技者に付与する又は付与しないことで1回の遊技が終了する遊技機であって、 ・・・」 (イ)「【技術分野】 【0001】 この発明は、回転リールによる回胴演出が可能な遊技機に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上記した回転中に所定の図柄を揃えてしまう回胴演出は、当該所定の図柄を揃えることができるかもしれないという期待感の高揚はあるものの、所定図柄が並列した状態で回転するため、そのままでは、いわゆる目押しの補助となってしまうという問題点があった。所定図柄が並列した状態で回転することにより、通常の目押しに比べて、回転中の図柄の認識を著しく容易にしてしまい、そうでない場合と比較してあまりにも不公平になってしまうものである。そして、熟練した遊技者によっては、そのような目押し補助となるようなものは、面白みが半減してしまう者もいた。 そこで、本発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回胴演出後、目押しの補助とならないようにして、遊技の興趣を向上させようとするものである。」 (ウ)「【0016】 また、前扉14の上部には、上パネル12aを備え、前扉14の下部には、下パネル12bを備え、前扉14の前面における、上パネル12aと下パネル12bとの間には、前方へ向けて突出する操作部12cを備えている。 前記上扉3には、遊技者側に向かって臨む略四角窓状の上パネル12aが形成されている。そして、この上パネル12aの略中央には、三個の回転リール40の円周に貼付したリールテープ42上の図柄61、いわゆる停止図柄61を見ることができる表示窓13が形成されている。この表示窓13は、3個全ての回転リール40の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。 ・・・ 【0020】 そして、下扉4の下部には、所定の役の図柄が有効ライン上に表示された場合に、貯留払い出し手段65からメダルが払い出される払い出し口32が形成され、この払い出し口32の下方には、払い出し口32から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状の払い出し皿33が形成されている。 本実施の形態に係る遊技機10は、原則として、ベットスイッチ16操作又はメダル投入後のスタートスイッチ30の押下により、回転リール40の回転を開始すると共に、役抽選を行い、各回転リール40のストップスイッチ50の押下タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を役抽選の結果に適合するように停止させ、停止時の図柄の組み合わせによって、当選した役の所定図柄が有効ライン上に停止表示された場合に、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の特典(利益)を遊技者に付与するスロットマシンである。 ・・・ 【0022】 回転リール40は、21個の図柄を周囲に均等に配列した筒状のものである。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるとともに、複数個(21個)の図柄61が表示されているテープ状のリールテープ42とを備えている。 前記回転位置検知装置46は、回転リール40の回転ドラムから横方向に突出している突出片状のインデックス47と、回転リール40の周囲の支持部材49から突出するとともにインデックス47の通過を光センサーの遮断によって検知するためのインデックスセンサ48とを備えている。」 (エ)「【0029】 そして、前記通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるために通常遊技に関する制御を行うものであり、前記特別遊技制御手段80は、特別遊技を行わせるために特別遊技に関する制御を行う。 (通常遊技制御手段70) 通常遊技制御手段70は、通常遊技を制御するものである。 以下、遊技機10における通常遊技について説明する。1回の遊技につき、遊技媒体としてのメダルを3枚ベットすることが可能である。3枚のメダルをベットすると、5本全てのラインが有効になる。なお、3枚投入だけしか有効にならない3枚専用機とすることもできる。そして、有効になったラインを、以下、「有効ライン」と称する。また、メダルのベットには、メダル投入口18からメダルを投入することによるベットと、ベットスイッチ16を操作することによるクレジットされているメダルのベットとがある。また、再遊技のときには、前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルが自動的にベットされる。また、3枚のメダルのベットを条件に、遊技を開始することが可能となり、スタートスイッチ30を操作すると、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われるとともに、3個すべての回転リール40の回転が開始する。その後、3個すべての回転リール40の回転が所定の定常回転速度になって定常回転するようになると、3個すべてのストップスイッチ50が有効になり、ストップスイッチ50の操作が有効になる。そして、3個のストップスイッチ50のうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール40の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール40の回転が停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、役抽選で当選した役に対応する図柄の組み合わせが停止表示されると、当該役に応じた枚数のメダルを獲得できる。また、獲得したメダルは、クレジットされ、クレジット数が上限値に達したときには、貯留払い出し手段65が駆動して、上限値を超えた分が払い出し口32から払い出される。また、メダルの獲得に代えて、あるいはメダルの獲得とともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。」 (オ)「【0041】 (回転中図柄位置抽選手段184) 回転中図柄位置抽選手段184は、一部又は全部の回転中の複数の回転リール40同士の図柄61の位置を抽選により決定するためのものである。具体的には、回転中図柄位置抽選手段184は、回転中の3個の回転リール40同士の図柄の相対的な位置関係を抽選により決定する。 具体的には、回転中図柄位置抽選手段184は、基準となる左リール43の特定図柄61aとしての図柄「赤7」に対して、中リール44及び右リール45の図柄「赤7」を何コマずらすかを抽選により決定するものである。左リール43の図柄「赤7」の横に中リール44又は右リール45の図柄「赤7」が位置しているときのずれは0コマとなり、その位置から中リール44又は右リール45の図柄「赤7」が回転下流側に1コマずれた場合のずれは1コマとなる。通常、全周で0コマから20コマのずれが発生し得ることになるが、回転中図柄位置抽選手段184は、この0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つの数値を、中リール44について抽選で決定する。そして、更に、それらの20個のうちから中リール44について抽選で決定したものを除く、19個のうちから1つの数値を、右リール45について抽選で決定する。なお、0コマを除外したのは、目押し補助となるような左リール43と、中リール44及び右リール45との横並びの位置を除いたものであり、中リール44の抽選で決定した位置を除いたものから右リール45の抽選をするのは、中リール44と右リール45とが目押しの補助となるような横並びの位置を除いたものである。」 (カ)「【0048】 また、本実施の形態では、回転リール40を所定の定常回転速度で回転させるための移行処理、いわゆる定常回転処理(速度調整処理)が終了してから、ストップスイッチ50の操作が有効となるように形成されている。 (ウェイト制御手段190) ウェイト制御手段190は、1回の遊技における遊技時間が、予め定められた所定時間(以下、「ウェイト時間」と称す。)以下とならないように制御するものである。本実施の形態では、ウェイト時間は、4.1秒に設定されている。また、本実施の形態では、ウェイト制御手段190は、計時手段150によりウェイト時間を計時している。具体的には、ウェイト制御手段190は、一の遊技において、回転制御手段250により回転リール40の回転が開始されたことを契機に、計時手段150に計時を開始させる。そして、次の遊技において、回転制御手段250により回転リール40の回転が開始されたことを契機に、計時手段150による計時をリセットして再度計時を開始させる。そして、それ以降の遊技においても同様に、毎遊技、回転制御手段250により回転リール40の回転が開始されたことを契機に、計時手段150による計時をリセットして再度計時を開始させる。」 (キ)「【0051】 (停止制御手段130) 停止制御手段130は、役抽選手段110の抽選の結果と、各ストップスイッチ50が操作された際における対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、各回転リール40の回転を停止させるものである。 具体的には、停止制御手段130は、各ストップスイッチ50が操作された際における対応する回転リール40の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ50が操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ50が操作された時点で、有効ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール40の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。」 (ク)「【0054】・・・ (停止図柄判定手段140) 停止図柄判定手段140は、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがいずれかの有効ライン上に停止表示されているか否かを判定し、この判定結果に基づいた制御を行うものである。すなわち、所定の役を構成する図柄の組み合わせが停止表示された場合に、この停止表示された役に応じた信号を出力するように形成されている。 【0055】 具体的には、停止図柄判定手段140は、各制御手段に信号を出力する。そして、例えば、小役に係る信号が入力された遊技制御手段27は、貯留払い出し手段65を作動させて所定枚数のメダルを払い出すように制御する。また、例えば、再遊技役に係る信号が入力された遊技制御手段27は、再度の遊技の制御を行う。また、例えば、ボーナス役に係る信号が入力された特別遊技制御手段80は、特別遊技を開始する。より具体的には、例えば、BB役に係る信号が入力された特別遊技制御手段80は、BBゲームを開始する。 (計時手段150) 計時手段150は、所定時間を計時するためのものであって、本実施の形態を実施するにあたって、種々の時間を時間するものであり、複数のタイマー機構を備えているものである。例えば、1回の遊技制限時間である4.1秒の計時も行うとともに、停止演出制御手段300による回胴演出の所定図柄が揃った状態(所定態様を維持した状態)で回転させる時間等の計時等も行うものである。また、その他の種々の時間を、計時或いはカウントするためのものである。その方法は、所定時間までのカウントアップによるものであるが、これに限定されず所定時間からのカウントダウンによるものでもよい。」 (ケ)「【0058】 また、本実施の形態では、停止演出制御手段300は、回胴演出抽選手段120の抽選の結果に基づいて、回胴演出データ記憶手段210から入手した回胴演出データによって、回胴演出を実行するように形成されている。 停止演出制御手段300は、回転位置検出手段160により検出した特定図柄61aの位置を回転中の複数の回転リール40同士で比較したときに特定図柄61aが複数の回転リール40により構成される所定の配置態様のままで回転するように所定の回転リール40の回転態様を変更させ、その後、その所定の配置態様を維持した複数の回転リール40を同一回転速度で回転させ、その後、そのままの状態で停止させる回胴演出(停止演出)を行うものである。本実施の形態では、回転態様として、回転リール40の回転速度を変更させている。 ・・・ 【0062】 これにより、停止演出制御手段300は、時刻T3からT4までの途中で時間tだけ、3個の回転リール40の図柄「赤7」を横並びに並列させた状態で、回転を停止させる回胴演出としての停止演出を実施することができる。 停止演出制御手段300は、回転位置判断手段161からの回転リール40の回転位置データ及び回胴演出データ記憶手段210に記憶させている回転速度及び維持時間等のデータに基づき、内部の演算手段により時間等を算出しているものである。そして、この演算算出は、回転位置判断手段161からの最新の回転位置データの更新により、その都度、演算結果の修正を行いながら実行しているものである。すなわち、停止演出制御手段300は、回転リール40を制御するのに回転位置及び回転速度から算出される所定の時間等の時間経過情報と、回転位置判断手段161から入ってくる回転リール40の回転位置情報との両方で、回転リール40を制御しているものである。なお、停止演出制御手段300は、これに限定されることなく、所定の時間経過情報を主として回転リール40を制御してもよく、また、回転位置情報を主として回転リール40を制御してもよい。 【0063】 例えば、現在の図柄位置情報だけを判定して、その判定結果が所定の図柄位置になるまで、所定の回転速度を継続するように制御し、所定の図柄位置となったときに回転速度を変更等するように形成してもよい。 また、例えば、停止演出制御手段300は、回胴演出開始時に、各回転リール40について、所定の回転速度で所定の時間、回転させることをセットする。そして、計時手段150のタイマー手段が、タイムアップしたら、速度調整処理等を行うように、主に時間経過を判定するだけで制御するように形成してもよい。 また、停止演出制御手段300は、上述したように、採取した各種データに基づいて内部の演算手段により回転リール40の回転を制御しているが、特にこのようなものに限定されるものではなく、最初の停止位置データから、予め全ての位置データ及びその位置データから算出される回転速度及びその維持時間等を記録したデータテーブルを、回胴演出データ記憶手段210に設けておき、当初の停止位置データ及び予め記憶したデータに基づいて、回転リール40を制御するようにしてもよい。」 (コ)「【0065】 ・・・ (再回転制御手段310) 再回転制御手段310は、停止演出制御手段300による停止演出(回胴演出)後、ストップスイッチ50による停止操作が可能となる前に、回転リール40を再回転させると共に、この再回転中複数の回転リール40の特定図柄61aの位置を所定の配置態様から崩れたものが表示窓13に表示可能な状態で回転するように各回転リール40の回転態様を異ならせる。そして、その後、再回転制御手段310は、その所定の配置態様を崩したものが表示窓13に表示可能な状態で複数の回転リール40を同一回転速度で回転させるものである。」 (サ)「【0074】 ・・・なお、再回転制御手段310は、停止演出制御手段300と同様に、これに限定されることなく、所定の時間経過情報を主として回転リール40を制御してもよく、また、回転位置情報を主として回転リール40を制御してもよい。 【0075】 なお、再回転制御手段310は、上述したように、採取した各種データに基づいて内部の演算手段により回転リール40の回転を制御しているが、特にこのようなものに限定されるものではなく、予め全ての位置データ及びその位置データから算出される回転速度及びその維持時間等を記録したデータテーブルを、回胴演出データ記憶手段210に設けておき、上当初の停止位置データ及び予め記憶したデータに基づいて、回転リール40を制御するようにしてもよい。・・・」 (シ)「【0085】 ステップ151において、回胴演出に当選しているか否かが判定される。そして、回胴演出に当選していると判定された場合、次のステップ152に進む。 ステップ152において、回転中図柄位置抽選手段184により、基準となる左リール43の図柄「赤7」に対して、中リール44の図柄「赤7」が何コマ(nコマ)離れているかのコマ数nを1~20の整数から抽選により決定する処理が行われる。そして、次のステップ153に進む。 ステップ153において、回転中図柄位置抽選手段184により、基準となる左リール43の図柄「赤7」に対して、右リール45の図柄「赤7」が何コマ(mコマ)離れているかのコマ数mを1~20の整数のうち、ステップ152で決定した数値を除外したものから抽選により決定する処理が行われる。そして、次のステップ154に進む。なお、n=mとなる数値を予め除外して抽選をしているが、抽選方法は同様の効果を有するものであればこれに限定されることなく、例えばn=mとなった場合には、n=mとならないものになるまで抽選処理を繰り返すようなものでもよい。」 (ス)「【0098】 (回胴演出における回転態様(3)) ・・・ 【0099】 このように、回転リール40の回転開始タイミングをずらすことにより、回転リール40の回転加速度及び回転速度は、3個の回転リール40で全て同一に設定することができる。これにより、回転リール40の回転制御プログラミングの製作において、変動させるパラメータを時間だけに設定して、回転加速度及び回転速度は、全て共通にすることができ、制御プログラミングを容易なものにすることができる。 なお、かかる場合には、前回の遊技において、回転リール40の停止位置を記憶し、その記憶を今回の遊技まで維持する必要があるため、その記憶手段を有しているものである。 ・・・」 (セ)「【0106】 (再配置における回転態様(4)) また、図22に示すように、時間Dの時刻R4まで、3個の回転リール40は、図柄「赤7」が揃った状態で、同一回転速度V2で回転している。そして、時刻R4からR5にかけて、3個の回転リール40は、同一回転加速度で回転速度を減速し、時刻R5において、3個の回転リール40は同時に停止する。その状態で、図柄「赤7」は、揃った状態で停止しているものである。その際、3個の回転リール40の図柄「赤7」は、表示窓13の中段ラインL2で横一直線に並んで停止している。そして、時間Fだけ、その停止状態が続き、時刻R6において、基準となる実線で示される左リール43が回転を開始し、回転速度V1まで回転速度を増加させる。一方、一点鎖線で示す中リール44も左リール43に時間Gだけ遅れて時刻R7で左リール43と同一回転加速度で回転を開始し、回転速度V1まで速度を増加させる。そして、時刻R9において、左リール43と中リール44との図柄「赤7」が、所定コマ数(nコマ)離れた状態の配置態様で同一回転速度で回転を続ける。そして、時刻R8において、二点鎖線で示される右リール45も回転を開始、時刻R10において、左リール43と右リール45との図柄「赤7」が、所定コマ数(mコマ)離れた状態の配置態様で同一回転速度V1(定常回転速度)で回転を続ける。」 (ソ)「【0122】 ここで、再配置制御手段による所定の配置態様を崩す手法、すなわち、図柄「赤7」が揃った状態から、その揃った状態を崩す手法としては、図24のフローに示すように、3個の回転リール40の回転速度を別々の回転速度で行うことができる。そして、その後は、上述した第1の実施の形態で説明した所定コマ数だけ離す離間再配置により所定の配置態様の再配置を行うことができる。 具体的な遊技の流れは、第1の実施の形態のステップ120の回胴演出処理及び再配置処理が、図13のフローの代わりに図24に示すようなフローとなるものである。 また、上述した第1~第4の実施の形態で、再回転制御手段310又は再配置制御手段は、図柄「赤7」の選択再配置、ランダム再配置、又は離間再配置を、1つの回転リールだけで実施するようにしてもよい。具体的には、残りの2つの回転リール40は、揃った状態のままであるが、1つの回転リール40だけが、その揃った所定の配置態様から崩れた状態になっているものである。」 ・認定事項 (タ)認定1 【0016】の「・・・三個の回転リール40の円周に貼付したリールテープ42上の図柄61、・・・回転リール40の回転・・・」との記載、【0022】の「回転リール40は、21個の図柄を周囲に均等に配列した筒状のものである。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるとともに、複数個(21個)の図柄61が表示されているテープ状のリールテープ42とを備えている。」との記載から、刊行物1には、複数個(21個)の図柄61が均等に配列されているテープ状のリールテープ42が周囲に貼付され、回転可能な回転リール40を三個備えることが示されているものと認められる。 (チ)認定2 【0065】の「再回転制御手段310は、停止演出(回胴演出)後、・・・回転リール40を再回転させる・・・」との記載から、刊行物1には、再回転制御手段310は、停止演出(回胴演出)後、回転リール40を再回転させる制御を行うことが記載されている。 そして、【0074】の「・・・再回転制御手段310は、停止演出制御手段300と同様に、・・・所定の時間経過情報を主として回転リール40を制御してもよく、・・・」との記載、及び、【0063】の「停止演出制御手段300は、回胴演出開始時に、各回転リール40について、・・・計時手段150のタイマー手段が、タイムアップしたら、速度調整処理等を行うように、主に時間経過を判定するだけで制御するように形成してもよい。」との記載から、刊行物1には、再回転制御手段310は、各回転リール40について、所定の回転速度で所定の時間、回転させることをセットし、計時手段150のタイマー手段が、タイムアップしたら、速度調整処理等を行う、主に時間経過を判定するだけで制御することが記載されている。 また、【0099】には、回胴演出における回転態様(3)に関してではあるが、「回転リール40の回転制御プログラミングの製作において、変動させるパラメータを時間だけに設定して、回転加速度及び回転速度は、全て共通にすることができ」ることが記載されている。 また、【0106】には、「・・・図22に示すように、・・・時間Fだけ、その停止状態が続き、時刻R6において、・・・左リール43が回転を開始し、回転速度V1まで回転速度を増加させる。・・・中リール44も左リール43に時間Gだけ遅れて時刻R7で左リール43と同一回転加速度で回転を開始し、回転速度V1まで速度を増加させる。」ことが記載されている。 さらに、【図22】には、左リール43が回転を開始した後、時間G経過後、中リール44が回転を開始することが図示されている。 これらの記載事項及び認定事項からみて、刊行物2には、 「再回転制御手段310は、各回転リール40の回転加速度及び回転速度を全て共通にし、時間をパラメータにしてリールの回転を制御するものであって、 停止演出(回胴演出)後、計時手段150のタイマー手段がタイムアップすると(時間F経過後)、左リール43の回転を開始し、回転速度V1まで回転速度を増加させ、 左リール43が回転を開始した後、計時手段150のタイマー手段がタイムアップすると(時間G経過後)、左リール43と同一回転加速度で中リール44の回転を開始し、回転速度V1まで速度を増加させる 速度調整処理を行う」ことが示されているものと認められる。 (ツ)認定3 【0085】の「・・・全周で0コマから20コマのずれが発生し得ることになるが、回転中図柄位置抽選手段184により、基準となる左リール43の図柄「赤7」に対して、中リール44の図柄「赤7」が何コマ(nコマ)離れているかのコマ数nを1~20の整数から抽選により決定する処理が行われる。・・・」との記載、及び、【0041】の「・・・回転中図柄位置抽選手段184は、この0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つの数値を、中リール44について抽選で決定する。・・・」との記載から、刊行物1には、回転中図柄位置抽選手段184が、基準となる左リール43の図柄「赤7」に対して、中リール44の図柄「赤7」が何コマ(nコマ)離れているかのコマ数nを、0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つ抽選により決定する処理が行われることが記載されている。 そして、【図22】には、例えば、揃っていた2個のリールの特定図柄が、速度V1を時間Gだけ維持することにより所定コマ数だけ離れること、すなわち、回転中図柄位置抽選手段184により抽選で決定されたコマ数n分離間することによる回転リール40周面における距離が、時間Gに回転速度V1を乗算することにより求められることが図示されている。これは、時間Gが、「コマ数n分だけ離間することによる回転リール40周面における距離」を「回転速度V1」で除算して求められることを意味するものである。 また、【0075】の「・・・予め全ての位置データ及びその位置データから算出される回転速度及びその維持時間等を記録したデータテーブルを、回胴演出データ記憶手段210に設けておき、上当初の停止位置データ及び予め記憶したデータに基づいて、回転リール40を制御するようにしてもよい。・・・」との記載から、刊行物1には、「維持時間」を予め求めておくことが示されているといえる。 したがって、刊行物2には、再回転制御手段310は、回転中図柄位置抽選手段184により抽選で決定された、全周に相当する0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つの数値nを用いて、時間Gを予め求めておくことが示されているといえる。 ・刊行物2に記載された技術事項 上記(ア)~(ソ)の記載事項、上記(タ)~(ツ)の認定事項から、刊行物2には、次の技術事項(以下「刊行物2に記載された技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「複数個(21個)の図柄61が均等に配列されているテープ状のリールテープ42が周囲に貼付され、回転可能な回転リール40を三個備え(認定1)、 各回転リール40のストップスイッチ50の押下タイミング及び役抽選の結果に基づいて図柄を停止表示し、停止時の図柄の組み合わせによって、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の特典(利益)を遊技者に付与するスロットマシンにおいて(【0020】)、 回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチ(【請求項1】)と、 回転リール40の回転が所定の定常回転速度になって定常回転するようになると、ストップスイッチ50の操作を有効とする通常遊技制御手段70(【0029】、【0048】)と、 各回転リール40のストップスイッチ50の押下タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を役抽選の結果に適合するように所定の図柄の組み合わせで停止させる停止演出制御手段300 (【0020】、【0051】)とを備え、 停止演出制御手段300 は、所定の配置態様を維持した複数の回転リール40を同一回転速度で回転させ、その後、そのままの状態で停止させる回胴演出を行い(【0058】)、 各回転リール40の回転加速度及び回転速度を全て共通にし、時間をパラメータにしてリールの回転を制御するものであって、 停止演出(回胴演出)後、計時手段150のタイマー手段がタイムアップすると(時間F経過後)、左リール43の回転を開始し、回転速度V1まで回転速度を増加させ、 左リール43が回転を開始した後、計時手段150のタイマー手段がタイムアップすると(時間G経過後)、左リール43と同一回転加速度で中リール44の回転を開始し、回転速度V1まで速度を増加させる 速度調整処理を行う再回転制御手段310(認定2)を備え、 再回転制御手段310は、回転中図柄位置抽選手段184により抽選で決定された、全周に相当する0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つの数値nを用いて、時間Gを予め求め(認定3)、 所定時間を計時するためのタイマー機構を有する計時手段150(【0055】)を備えたスロットマシン。」 (2)対比 本件補正発明と刊行物発明とを、分説に従い対比する。 (a)刊行物発明における 「外周面に」「貼り付けられ」た「21個の図柄」、 「等間隔で印刷された帯状のリールテープ」、 「回転自在に設けられている」ことは、それぞれ、 本件補正発明における 「各々が識別可能な複数種類の識別情報」、 「所定の順番で配置された表示帯」、 「移動させることで変動表示可能な」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成aの「3個のリール40L,40C及び40R」は、本件補正発明における構成Aの「複数」の「可変表示部」に相当する。 (b)刊行物発明における構成bの 「複数のリールが全て停止したときに入賞ラインに沿って」「図柄組合せ」を「停止表示」させること、 「図柄組合せが、予め定められた複数の役のうちのいずれかに対応していた場合、該対応する役が成立する」ことは、それぞれ、 本件補正発明における構成Bの 「可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出」すること、 「複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能な」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成bの「スロットマシン」は、本件補正発明における構成Bの「スロットマシン」に相当する。 (c)刊行物発明における「予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定める」ことは、本件補正発明における「入賞について発生を許容するか否かを決定する」ことに相当する。 また、刊行物発明における「予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定める」ことは、「役に当選したか否か」に結果、及び、停止操作に基づいて表示結果が導出されることから、本件補正発明における「表示結果が導出される前に」決定されることに相当する。 したがって、刊行物発明における構成cの「主制御回路100の役抽選手段410」は、本件補正発明における構成Cの「事前決定手段」に相当する。 (d)刊行物発明における「外部からの操作」は、本件補正発明における「遊技者」による「操作」に相当する。 そして、刊行物発明における「複数のリールの回転停止を指示する」ことは、「複数のリールの回転停止」の「指示」により、構成bの「図柄組合せ」が「停止表示され」ることになるから、本件補正発明における「表示結果を導出させる」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成dの「回転停止指示手段」は、本件補正発明における構成Dの「導出操作手段」に相当する。 (e)刊行物発明における「所定の定常回転速度」は、本件補正発明における「規定速度」に相当する。 そして、刊行物発明における「複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達するまでの間、回転停止指示手段からの指示を無効化する」ことは、「複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達」した後に回転停止指示手段からの指示が有効化されることであるから、本件補正発明における「可変表示部の変動速度が規定速度となったときに導出操作手段の操作を有効化する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成eの「回転指示無効化手段」は、本件補正発明における構成Eの「導出操作有効化手段」に相当する。 (f)刊行物発明ににおいて、「図柄組合せ」が「停止表示」されるのは、構成dによると、「外部からの操作に応じ」たものであるから、刊行物発明における「予め定められた制約の範囲内で、役抽選の結果に則した図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させる制御を行う」ことは、本件補正発明における「導出操作手段が操作されたときに表示結果を導出する制御を行う」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成fの「リール停止制御手段424」は、本件補正発明における構成Fの「導出制御手段」に相当する。 (g)刊行物発明における構成gの「回転指示無効化手段」は、上記(e)より、「複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達する」と「回転停止指示手段からの指示」が有効化されることであり、「複数のリールが回転を開始してから所定の定常回転速度に達する」までの期間に、構成hの「リール演出回転処理」が実行される場合、「リール演出回転処理」が実行されない場合に比して、少なくとも、「回転停止指示」の有効化が遅延されることになる。 したがって、刊行物発明における構成gの「回転指示無効化手段」は、本件補正発明における構成Gの「導出操作有効化手段による導出操作手段の操作の有効化を遅延させることが可能な有効化遅延手段」にも相当する。 (h)刊行物発明における構成hの「各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態」は、本件補正発明における「複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となる」ことに相当することから、刊行物発明における構成hの「各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールを仮定速で回転させ」ることは、本件補正発明における「複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行う」ことに相当する。 そして、刊行物発明における構成hの「仮定速」は、「定常回転速度に再加速」される前の速度であるから、「各リール」が「仮定速で回転」する期間は、構成gより「回転停止指示手段からの指示」が「無効化」され、有効化される前の期間であるといえる。 したがって、刊行物発明における構成hの「リール演出回転処理を割込処理によって行うCPU106」は、本件補正発明における構成Hの「特殊変動制御手段」としての機能を有する。 (i)刊行物発明における「各リールについて、リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから所定時間が経過した場合」は、リール駆動状態が「再加速中」に更新されることから、本件補正発明における「特殊変動制御手段が前記特殊変動制御を行った後」に相当する。 そして、刊行物発明における「初期値を、予め定めた値ではなく、各々乱数に基づく抽選によって決定された値とする」ことは、本件補正発明における「所定値をランダムに決定する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における「CPU106」は、本件補正発明における「所定値決定手段」の機能を有するものである。 (j)上記(i)より、刊行物発明における「各リールについて、リール駆動状態が「仮定速中」に移行してから所定時間が経過した場合」は、本件補正発明における「特殊変動制御手段により特殊変動制御が行われた後」に相当する。 そして、刊行物発明における「再加速カウンタに設定される各モータ駆動回路に対応する初期値を、予め定めた値ではなく、各々乱数に基づく抽選によって決定された値とすることにより、各リールにおける再加速の開始タイミングをずら」すことは、1つのリールの再加速を開始させた後に、次のリールの再加速を開始するタイミングを乱数抽選に基づくランダムな時間だけ経過したときとするものであるから、本件補正発明における「一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させる」に相当する。 また、刊行物発明における「すべてのリールが定常回転速度に達したときの各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるように」することは、 「ボーナス図柄が横一列に並んだ状態」から各リール間の位置関係を変化させることであるから、本件補正発明における「複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係を変化させる」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成jは、本件補正発明における構成Jに相当する。 (k)刊行物発明における「クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理」は、本件補正発明における「定期的に」「実行」される「タイマ割込み処理」に相当する。 そして、刊行物発明における「各種制御プログラムの処理を行」うことは、「「各種制御プログラム」により各種遊技状態が制御されるものであるから。本件補正発明における「遊技状態を制御する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成kの「CPU106」は、本件補正発明における構成Kの「遊技制御手段」としての機能を有する。 (l)刊行物発明における構成lの「駆動によりリール40L、40C、40Rを回転させるステッピングモータ80L、80C、80R」は、本件補正発明における構成Lの「可変表示部を変動表示させるためのステッピングモータ」に相当する。 (m、m1)まず、刊行物発明における構成mの「割込処理」は、本件補正発明における構成Mの「タイマ割込み処理」に相当する。 次に、刊行物発明における構成m1と、本件補正発明における構成M1とを対比する。 同構成m1の「各リールが定常回転速度に達する」ことは、同構成M1の「複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となる」ことに相当する。 そして、同構成m1の「ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理」は、同構成M1の「ステッピングモータを駆動制御する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成m1の「遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターンに従って、各リールが定常回転速度に達するまで、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理」は、本件補正発明における構成M1における「テッピングモータを駆動制御することにより、複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となるように複数の可変表示部の変動制御を行う定常処理」に相当する。 (m2)刊行物発明における「ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を」行うことは、本件補正発明における「ステッピングモータを駆動制御する」ことに相当する。 そして、刊行物発明における「RT移行時加速パターン」は、構成hによると、「RT遊技へ移行した最初の遊技におけるリールの回転開始時」に用いられるものであり、構成m1の「遊技を開始するためにリール40L、40C、40Rを回転させるための通常加速パターン」とは異なるものである。また、刊行物発明は、「RT移行時加速パターンに従」うことにより、構成hの「各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールを仮定速で回転させると共に、その状態で所定時間が経過すると定常回転速度に再加速するリール演出回転処理」を行うものである。さらに、刊行物発明における構成hの「各リールにおけるボーナス図柄の位置を一致させ、ボーナス図柄が横一列に並んだ状態で各リールを仮定速で回転させ」ることが、本件補正発明における「複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行う」ことに相当することは、上記hにおいて検討したとおりである。 したがって、刊行物発明における構成m2の「RT移行時加速パターンに従って、ステッピングモータ80L、80C、80Rのモータ駆動回路116L、116C、116Rへの駆動パルスの出力に関する処理を、クロック発生回路112から割込信号IRが出力されるごとに実行する割込処理」は、本件補正発明における構成M2の「定常状態とは異なり特殊変動制御を行う非定常状態となるように複数の可変表示部の変動制御を行う非定常処理」に相当する。 (m3)刊行物発明における構成m3と、本件補正発明における構成M3とを対比する。 刊行物発明における構成m3の「割込処理は」「リール加速処理を終了して実行される他の割込処理」「を含む」ことと、本件補正発明における構成M3の「タイマ割込み処理は」「所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理」「を含」むこととは、「タイマ割込み処理は、所定の条件に応じて実行される他の処理を含む」ことで共通する。 (n)刊行物発明における構成nの「リール加速処理を終了して」「他の割込処理」が「実行される」ことと、本件補正発明における構成Nの「非定常処理は、タイマ割込み処理において、特別処理の前に実行され」ることとは、上記(m、m3)と同様に、「非定常処理は、タイマ割込み処理において、他の処理の前に実行され」ることで共通する。 上記(a)~(n)によれば、本件補正発明と刊行物発明は、 「【請求項1】 A 各々が識別可能な複数種類の識別情報が所定の順番で配置された表示帯を移動させることで変動表示可能な可変表示部を複数備え、 B 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 E 前記可変表示部の変動速度が規定の速度となったときに前記導出操作手段の操作を有効化する導出操作有効化手段と、 F 前記導出操作手段が操作されたときに表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、 G 前記導出操作有効化手段による前記導出操作手段の操作の有効化を遅延させることが可能な有効化遅延手段と、 H 前記導出操作手段の操作が有効化されるまでに、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行うことが可能な特殊変動制御手段と、 I 前記特殊変動制御手段が前記特殊変動制御を行った後に、所定値をランダムに決定する所定値決定手段と、 を備え、 J 前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係を変化させることが可能であり、 K スロットマシンはさらに、 定期的にタイマ割込み処理を実行して遊技状態を制御する遊技制御手段と、 L 前記可変表示部を変動表示させるためのステッピングモータとを備え、 M1’前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う定常処理と、 M 前記タイマ割込み処理は、 M2 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記定常状態とは異なり前記特殊変動制御を行う非定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う非定常処理と、 M3’所定の条件に応じて実行される他の処理とを含み、 N’前記非定常処理は、前記タイマ割込み処理において、他の処理の前に実行される スロットマシン。」 の点で一致し、次の点で相違する。 [相違点1](構成M3,N) タイマ割込み処理に関し、 本件補正発明は、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理を含み、非定常処理は、タイマ割込み処理において、特別処理の前に実行されるのに対して、 刊行物発明は、そのように特定されていない点。 [相違点2](構成O) 本件補正発明は、所定値決定手段は、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が変化しない第1値から、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した第2値までの間の値から、いずれの値も決定され得るようにランダムに所定値を決定するのに対して、 刊行物発明は、再加速カウンタにセットする時間に係る値を、予め定めた値ではなく、各々乱数に基づく抽選によって決定する(構成i)が、本件補正発明のように特定されていない点。 (3)当審の判断 ア 相違点1について 刊行物発明においては、RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理を終了してから他の割込処理を実行する(構成m3,n)ものであって、割込処理として、RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理以外の他の処理を実行するものである。 一方、スロットマシンの技術分野において、実行される種々の割込処理に関して、I)ステッピングモータ駆動制御によるリールの定常処理をタイマ割込み処理により行うこと、II)ステッピングモータ駆動制御によるリールの回転処理と、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理とを割込み処理により行うこと、さらに、III)ステッピングモータ駆動制御によるリールの回転処理の後に、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理を行うことは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2010-131416号公報の【0100】~【0103】、【図8】には、ステッピングモータの回転制御により一定の回転速度になるまで加速させることが記載され、【0168】~【0178】、【0219】~【0226】、【図16】、【図19】には、タイマ割込み処理内でのステッピングモータの回転制御を行う割込み処理Bbを、処理時間が一定でなく不安定な他の複数の割込み処理Bcに先行して行うことにより脱調や回転の不安定性を排除できること、ステッピングモータの回転制御により一定の回転速度になるまで加速させることが記載されている。 また、特開2011-251172号公報の【0086】~【0092】、【図19】には、タイマ割込みによりST32の回胴回転制御処理を実行した後に、処理期間が一定でない処理を含むST35のメダル情報出力処理、ST36の表示出力処理を行うことが記載されている。 さらに、特開2004-89476号公報の【0024】~【0027】、【図5】には、タイマ割込処理によりST17の回転モータ制御処理を行った後に、S18~S23の処理期間が一定でない処理を含む各種処理を行うことが記載されている。)。 そして、刊行物発明は、RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理(「非定常処理」)を行うものであるのに対して、上記周知の技術事項は、非定常処理に関する記載はないが、両者は、タイマ割込み処理において、リールの回転処理とリールの回転処理以外の他の処理を行うスロットマシンである点で共通する。 また、刊行物発明のような非定常処理を行うスロットマシンにおいても、タイマ割込み処理によりリールの回転処理を行う際に、ステッピングモータの回転制御による脱調や回転の不安定性を排除する必要があることは、当業者にとって自明の課題である。 したがって、刊行物発明に上記周知の技術事項を適用して、RT移行時加速パターンを用いたリール加速処理の後に実行される他の割込み処理を、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理として、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。 イ 相違点2について 上記(2)対比(i)において検討したように、刊行物発明において、「再加速を開始するタイミング」は、「乱数に基づく抽選によって決定」されるものであり、所定の時間範囲内からランダムに決定されるものであるといえる。 なお、電子機器の技術分野においては、ランダムな値を得るため抽選を行うのであれば、何らかの上限、下限を有する所定の範囲内から値を決定することは当業者にとって自明である。 ところで、刊行物発明における「再加速を開始するタイミング」が決定される「所定の時間範囲」が、例えば極端に大きな範囲であれば、一部のリールのみ延々と回り続けることになって遊技が開始されなくなってしまうので、ある程度の大きさになっていることも当業者にとって自明である。 その程度について、刊行物1に記載された第2実施形態における「初期値」には、0~3図柄のズレに対しての値として「72」、「24」、「0」がセットされることが例示されており(【0160】を参照。)、これは、一のリールに対する他のリールの位置関係が、リールが1周するまでの時間範囲内で変化しているというものに含まれている。 つまり、ランダムに決定する時間範囲の上限値は、結局、何らかの大きさにしなくてはならないこと、そして、リールの構造上、リールが1周すると図柄のズレがなくなり元の状態に戻ることを考慮すれば、その大きさの程度として、「リールが一周するまでの時間範囲内」とすることに技術的困難性があるものではない。 加えて、刊行物発明は、刊行物1の【0190】に記載された第2実施形態における変形例に基づいて認定したものであるが、その変形例に係る構成を備えることにより、「すべてのリールが定常回転速度に達したときの、各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるので、遊技者が特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作するという技術介入性に影響を与えにくくすることができる。」(【0190】)という効果を奏することが刊行物1に記載されている。 さらに、「各リール間の相対位置」を特定するのにリール一周分が必要十分であることも当業者にとって明らかである。 ここで、刊行物2に記載された技術事項について検討する。 刊行物2に記載された技術事項の「所定の配置態様を維持した複数の回転リール40を同一回転速度で回転させ」る「回胴演出」は、本件補正発明における構成Hの「複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御」に対応する。 そして、刊行物2に記載された技術事項の「再回転制御手段310は、回転中図柄位置抽選手段184により抽選で決定された、全周に相当する0コマから20コマの21個の数値のうち、0コマを除く、1コマから20コマまでの20個のうちから1つの数値nを用いて、時間Gを予め求め」ることのうち、「全周に相当する0コマから20コマの21個の数値のうち」「20コマまで」は、本件補正発明における構成Oの「一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した第2値まで」に対応する。 一方、刊行物2には、ランダム再配置を1つの回転リールだけで実施し、残りの2つの回転リールの図柄は揃った状態のままとしてもよい(段落【0122】)ことが記載されており、この記載は、ランダム再配置において、回転リールの相対位置が変化しない状態を許容することを示唆している。 そうすると、刊行物2に記載された技術事項において、「1コマ」は、隣接するリールの間で図柄の相対的な位置関係が変化する値であるが、刊行物2記載の上記示唆事項を勘案すれば、刊行物2に記載された技術事項において、相対的な位置関係が変化しない位置も含めて抽選を行うようにし、相対的な位置関係が変化しない値(0コマ)から、相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した値(20コマ)までの全周に相当する範囲内から、ランダムに所定値を決定するように構成することは、刊行物2に記載された技術事項に実質的に含まれるものと解される。 そして、刊行物発明と刊行物2に記載された技術事項とは、複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行い、特殊制御実行後の再加速のタイミングをリール毎に異ならせることが可能なスロットマシンである点で共通する。 また、刊行物発明と刊行物2に記載された技術事項とは、特殊変動制御の後の状態を、目押しの補助とならないようにするという同一の課題を解決するものである。 これらのことからみて、刊行物発明に刊行物2に記載された技術事項を適用して、刊行物1の【0190】に記載された「遊技者が特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作するという技術介入性に影響を与えにくくすることができる。」という機能を最大限に発揮するために、隣接するリール間の再加速のタイミングのズレの範囲を0コマ~20コマの範囲内からランダムに所定値を決定し、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 そして、本件補正発明が上記相違点2に係る構成を備えることによって奏する効果は、「所定値の決定についてランダム性を担保できる。」、「相対的な位置関係が最大限に変化しても1周の範囲内なので最大限のランダム性を得るために要する時間を最小なものとすることができる。」(審判請求書第6頁第13~16行)という程度の、至極当然の効果であって、刊行物発明、及び、刊行物2に記載された技術事項により奏される効果の範囲内のものであるといえる。 ウ 小括 上記ア~イにおいて検討したことからみて、本件補正発明は、刊行物発明、周知の技術事項、及び、刊行物2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび 上記3より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項4に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年5月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項4】 A 各々が識別可能な複数種類の識別情報が所定の順番で配置された表示帯を移動させることで変動表示可能な可変表示部を複数備え、 B 前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、 C 表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、 D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、 E 前記可変表示部の変動速度が規定の速度となったときに前記導出操作手段の操作を有効化する導出操作有効化手段と、 F 前記導出操作手段が操作されたときに表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、 G 前記導出操作有効化手段による前記導出操作手段の操作の有効化を遅延させることが可能な有効化遅延手段と、 H 前記導出操作手段の操作が有効化されるまでに、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う特殊変動制御を行うことが可能な特殊変動制御手段と、 I 前記特殊変動制御手段が前記特殊変動制御を行った後に、所定値をランダムに決定する所定値決定手段と、 を備え、 J 前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、一の表示帯に対する他の表示帯の位置関係を表示帯が1周する範囲内でランダムに変化させ、 K スロットマシンはさらに、 定期的にタイマ割込み処理を実行して遊技状態を制御する遊技制御手段と、 L 前記可変表示部を変動表示させるためのステッピングモータとを備え、 M 前記タイマ割込み処理は、 M1 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記複数の可変表示部の変動速度が規定の速度である定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う定常処理と、 M2 前記ステッピングモータを駆動制御することにより、前記定常状態とは異なり前記特殊変動制御を行う非定常状態となるように前記複数の可変表示部の変動制御を行う非定常処理と、 M3 所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理とを含み、 N 前記非定常処理は、前記タイマ割込み処理において、前記特別処理の前に実行される ことを特徴とする、スロットマシン。」 2 刊行物 刊行物1の記載事項、刊行物発明は、前記「第2[理由] 3(1)ア 刊行物1」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記「第2 2 補正の目的」において検討したとおり、本件補正発明において、「所定値決定手段」に関して、「前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、前記複数の可変表示部を構成する表示帯同士の相対的な位置関係を変化させることが可能であり、」(構成J)、かつ、「前記所定値決定手段は、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が変化しない第1値から、一の可変表示部を構成する表示帯と該一の可変表示部に隣接する可変表示部を構成する表示帯の相対的な位置関係が1周分変化する値から1を減算した第2値までの間の値から、いずれの値も決定され得るようにランダムに前記所定値を決定する」(構成O)とあったものを、「前記特殊変動制御手段により前記特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、前記所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることにより、一の表示帯に対する他の表示帯の位置関係を表示帯が1周する範囲内でランダムに変化させ、」(構成(J))とその限定を省いて元の記載に戻すものである。 そして、本願発明の構成Jと刊行物発明の構成jとは、前記「第2[理由] 3(2)対比(j)」における検討内容からみて、「特殊変動制御手段により特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させる」ことで共通する。 したがって、本願発明と刊行物発明とは、構成(J)に関して、次の点で相違する。 [相違点3](構成(J)) 特殊変動制御が行われた後、一の可変表示部の変動を開始させ、該一の可変表示部の変動開始後、所定値決定手段によりランダムに決定された所定値に基づく時間が経過した後、他の可変表示部の変動を開始させることに関して、 本願発明は、一の表示帯に対する他の表示帯の位置関係を表示帯が1周する範囲内でランダムに変化させるのに対して、 刊行物発明は、そのように特定されていない点。 さらに、本願発明と刊行物発明とは、前記「第2[理由] 3(2)対比」において検討したように、構成M3、Nに関して、次の点で相違し、その余の点で一致する。 [相違点4](構成M3,N) タイマ割込み処理に関し、 本件補正発明は、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理を含み、非定常処理は、タイマ割込み処理において、特別処理の前に実行されるのに対して、 刊行物発明は、そのように特定されていない点。 そこで、まず、上記相違点3について検討する。 刊行物発明において、「再加速の開始タイミング」をずらす量は、「乱数に基づく抽選によって決定」されるものであり(刊行物発明の構成j)、所定の時間範囲内からランダムに決定されるものであるといえる。 なお、電子機器の技術分野においては、ランダムな値を得るため抽選を行うのであれば、何らかの上限、下限を有する所定の範囲内から値を決定することは当業者にとって自明である。 そして、刊行物発明における「再加速を開始するタイミング」が決定される「所定の時間範囲」が、例えば極端に大きな範囲であれば、一部のリールのみ延々と回り続けることになって遊技が開始されなくなってしまうので、ある程度の大きさになっていることも当業者にとって自明である。 その程度について、刊行物1に記載された第2実施形態における「初期値」には、0~3図柄のズレに対しての値として「72」、「24」、「0」がセットされることが例示されており(【0160】を参照。)、これは、一のリールに対する他のリールの位置関係が、リールが1周するまでの時間範囲内で変化しているというものに含まれている。 つまり、ランダムに決定する時間範囲の上限値は、結局、何らかの大きさにしなくてはならないこと、そして、リールの構造上、リールが1周すると図柄のズレがなくなり元の状態に戻ることを考慮すれば、その大きさの程度として、「リールが一周するまでの時間範囲内」とすることに技術的困難性があるものではない。 加えて、刊行物発明は、刊行物1の【0190】に記載された第2実施形態における変形例に基づいて認定したものであるが、その変形例に係る構成を備えることにより、「すべてのリールが定常回転速度に達したときの、各リール間の相対位置がランダムな位置関係となるので、遊技者が特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作するという技術介入性に影響を与えにくくすることができる。」(【0190】)という効果を奏することが記載されている。 さらに、「各リール間の相対位置」を特定するのにリール一周分が必要十分であることも当業者にとって明らかである。 これらのことからみて、刊行物発明において、刊行物1の【0190】に記載された「遊技者が特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作するという技術介入性に影響を与えにくくすることができる。」という機能を最大限に発揮するために、「一のリールと他のリールの相対的位置関係を一周分まで(最大限)ずらすこと」により、リール間における相対的位置のずれ量のランダム性を向上させることは、当業者が適宜なし得たものであるといえる。 したがって、刊行物発明、及び、刊行物1に記載された事項に基づいて、上記相違点3に係る本願発明の構成(J)とすることは、当業者が容易になし得たものである。 また、本願発明が上記相違点3に係る構成を備えることによって奏する効果は、「一の表示帯と他の表示帯の相対的位置関係を最大限の範囲でランダムに変化させることができるうえに、最大限のランダム性を得るために要する時間も最小なものになる」(平成28年5月25日付け意見書第4頁第2~4行)という程度の、至極当然の効果であって、刊行物発明、及び、刊行物1に記載された技術事項により奏される効果の範囲内のものであるといえる。 次に、上記相違点4について検討する。 相違点4は、前記相違点1と同じであるから、前記「第2[理由]3(3)当審の判断 ア 相違点1について」において検討したことと同様に、刊行物発明に前記周知の技術事項を適用して、リール加速処理の後に実行される他の割込み処理を、所定の条件に応じて実行される処理期間が異なる特別処理として、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物発明、及び、周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-001832

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決1,228件(株式会社三共)
  • 2025-010767拒絶査定不服審判 / 2026-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三共
  • 2025-016767拒絶査定不服審判 / 2026-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三共
  • 2025-016040拒絶査定不服審判 / 2026-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三共
  • 2025-016041拒絶査定不服審判 / 2026-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三共
  • 2025-016042拒絶査定不服審判 / 2026-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三共
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-010763拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-003884拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-003885拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-006261拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,588件(121・A63F)
  • 2025-016609拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-016610拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-016769拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-007784拒絶査定不服審判 / 2026-08-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御プログラム、制御方法及びコンピュータ
    共通の審決分類: 121・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存