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特許拒絶査定不服審判

2017-001785

遊技機

審判番号
2017-001785
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-148204外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年02月07日
審決日
2017年08月28日
公報発行日
2017年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-148204「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月 8日出願公開、特開2016- 22162〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本願は、平成26年7月18日になされた出願であって、平成27年8月20日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して、同年10月19日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年4月26日付けで最後の拒絶の理由が通知され、これに対して、同年7月7日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月9日付けで前記平成28年7月7日付け手続補正書による補正が却下されるとともに同日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成29年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。 第2.平成29年2月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年2月7日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、平成27年10月19日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項1における 「少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が着脱可能に設けられる枠部材とから成り、 遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材を備えた遊技機において、 前記演出用駆動部材は、 前記遊技盤の前面側で所定の演出動作を行う複数の盤面駆動部材を備え、 前記電気的駆動手段は、 遊技機の電源投入後又は電源復旧後、前記盤面駆動部材を初期動作させると共に、該初期動作を、複数の前記盤面駆動部材それぞれについて実際の動作を開始するタイミングが重複しないようにすること を特徴とする遊技機。」 は、審判請求時に提出された手続補正書(平成29年2月7日付け)における 「少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が着脱可能に設けられる枠部材と、遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材とを備えた遊技機において、 前記演出用駆動部材は、 前記遊技盤の前面側で所定の演出動作を行う複数の盤面駆動部材を備え、 前記電気的駆動手段は、 遊技機の電源投入後又は電源復旧後、前記盤面駆動部材を初期動作させると共に、該初期動作を、複数の前記盤面駆動部材それぞれについて実際の動作を開始するタイミングが重複しないようにし、 複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと、 を特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。) 2.補正の目的 上記補正はおおむね、 (補正事項1)補正前の請求項1における、 「少なくとも、遊技盤と、・・・枠部材とから成り、・・・演出用駆動部材を備えた遊技機」 なる補正前の記載を 「少なくとも、遊技盤と、・・・枠部材と、・・・演出用駆動部材とを備えた遊技機」 に改める補正と、 (補正事項2)補正前の請求項1に係る発明に、 「複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと、」 なる特定事項を加入する補正とからなる。 前記のうち (1)補正事項1については、前記補正前の記載について平成28年4月26日付け最後の拒絶理由通知における拒絶の理由に記載された、 「「少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が着脱可能に設けられる枠部材とから成り、遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材を備えた遊技機」(請求項1)と記載されているが、「少なくとも、」及び「成り」と記載されていることによって、遊技盤と枠部材とから成る遊技機なのか、遊技盤と枠部材と演出用駆動部材とを備えた遊技機なのか、そのどちらの意味なのかが曖昧になっている」 との指摘事項について、当該曖昧さを解消することを目的として、「遊技盤」「枠部材」「演出用駆動部材」を「と、」により並列的に列挙する形式に改めたものであり、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とする補正に該当する。 (2)また、前記補正事項2については、補正前の請求項1に係る発明の「電気的駆動手段」の機能について、前記特定事項に係る機能を追加することでさらに限定したものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明との産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、当該補正事項2は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。 3.本件補正発明の独立特許要件についての検討 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、その請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本件補正発明について ア.本件補正発明 本件補正発明は、上記1.の本件補正の概要に示した次のとおりのものである(A~Fは、当審にて分説して付与した。以下「構成A」などという。) 「A 少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が着脱可能に設けられる枠部材と、遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材とを備えた遊技機において、 B 前記演出用駆動部材は、 前記遊技盤の前面側で所定の演出動作を行う複数の盤面駆動部材を備え、 C 前記電気的駆動手段は、 遊技機の電源投入後又は電源復旧後、前記盤面駆動部材を初期動作させると共に、 D 該初期動作を、複数の前記盤面駆動部材それぞれについて実際の動作を開始するタイミングが重複しないようにし、 E 複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと、 F を特徴とする遊技機。」 イ.本件補正発明の認定 構成A・Cに記載される「電気的駆動手段」については、構成C・Dにおいて盤面駆動手段の動作を制御する機能について特定されていることから、該「電気的駆動手段」はそうした(CPUを備えるような)制御手段を指すようにも解せるが、例えば【0817】(符号の説明)において、CPUを備えた「ランプ制御部470」により制御される対象である「盤面ギミック駆動部491」や「パトランプモータ482」など、役物を駆動するモータなどの駆動源に対して「(電気的駆動手段)」と添え書きされていることから、前記「電気的駆動手段」はモータなどの駆動源を指し、構成C・Dにおける前記機能についての特定事項は、該駆動源が、何らかの制御手段による制御により実現する動作を特定したものと認められる。 (2)刊行物に記載された発明 ア.刊行物1に記載された発明 原査定の上記最後の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-90654号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 (ア)「【請求項1】 遊技盤上に配置され、それぞれ駆動部を有して当該駆動部により駆動される複数の可動役物と、 前記複数の可動役物の位置検出をおこなう検出手段と、 前記複数の可動役物のうちのいずれかの可動役物の駆動指示があった場合に、前記検出手段による検出結果に基づき、前記駆動指示により指示された駆動対象の可動役物を駆動させるか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段により前記駆動対象の可動役物を駆動させると判定された場合に、前記駆動対象の可動役物の駆動部を制御して、当該可動役物を駆動させる駆動制御手段と、 を備えることを特徴とするぱちんこ遊技機。 【請求項2】 前記複数の可動役物に対して、駆動させる優先順位を設定する設定手段をさらに備え、 前記判定手段は、 前記駆動対象の可動役物とは異なる他の可動役物が進出位置である場合に前記駆動対象の可動役物を駆動させないと判定し、つづいて、前記設定手段により設定された前記駆動対象の可動役物と前記他の可動役物との優先順位の高低により、前記他の可動役物を前記進出位置から退避させるか否かを判定し、 前記駆動制御手段は、 前記他の可動役物を退避させると判定された場合に、前記他の可動役物を前記進出位置から退避させて前記駆動対象の可動役物を駆動させ、 前記他の可動役物を退避させないと判定された場合に、前記他の可動役物の予め定められた駆動が完了して前記進出位置から退避された後で、前記駆動対象の可動役物を駆動させることを特徴とする請求項1に記載のぱちんこ遊技機。 ・・・ 【請求項4】 前記複数の可動役物は、電源供給時に、各々の現在位置から退避位置まで駆動され、 前記駆動制御手段は、前記優先順位が高く定められた順に前記複数の可動役物を各々の退避位置へ退避させることを特徴とする請求項2または3に記載のぱちんこ遊技機。」 (イ)「【0015】 (実施の形態1) (ぱちんこ遊技機の基本構成) まず、本発明にかかる実施の形態1のぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明にかかる実施の形態1のぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態1のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。・・・。 【0017】 遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal  Display)などが用いられる。・・・。 ・・・ 【0026】 遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。 ・・・ 【0031】 画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置には、第1可動役物130aと第2可動役物130bとが配置されている。第1可動役物130aと第2可動役物130bとは、ソレノイドやモータなどの駆動部(図2-1符合200や230などを参照)を備えており、この駆動部の駆動によって駆動される。 【0032】 たとえば、第1可動役物130aは、第1可動役物130aを用いた演出(以下「第1役物演出」という)時に、画像表示部104上方より下方へスライドし、画像表示部104の前面に進出する(図2-2参照)。また、第1可動役物130aは、第1役物演出以外のときには、画像表示部104上方に設けられた収容スペースに収容される(図1に示した状態となる)。 【0033】 また、第2可動役物130bは、第2可動役物130bを用いた演出(以下「第2役物演出」という)時に、画像表示部104下方より上方へスライドし、画像表示部104の前面に進出する(図2-3参照)。また、第2可動役物130bは、第2役物演出以外のときには、画像表示部104下方に設けられた収容スペースに収容される(図1に示した状態となる)。」 (ウ)「【0039】 図2-1に示すように、第1可動役物130aは、第1駆動部200と、第1スライドギア210と、第1装飾部材220とを備える。ここで、第1駆動部200は、駆動モータ201と、駆動ギア202と、従動ギア203とからなる。駆動モータ201は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア202を駆動回転させる。従動ギア203は、駆動ギア202に歯合連結し、駆動ギア202の回転力によって従動回転する。 ・・・ 【0043】 また、図2-1に示すように、第2可動役物130bは、第2駆動部230と、第2スライドギア240と、第2装飾部材250とを備える。ここで、第2駆動部230は、駆動モータ231と、駆動ギア232と、従動ギア233とからなる。駆動モータ231は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア232を駆動回転させる。従動ギア233は、駆動ギア232に歯合連結し、駆動ギア232の回転力によって従動回転する。」 (エ)「【0118】(実施の形態2) つぎに、本発明にかかる実施の形態2について説明する。以下の実施の形態2では、実施の形態1と同一構成については同一符号を付し、その説明を省略する。図9は、本発明の実施の形態2にかかるぱちんこ遊技機の正面図である。図9に示す実施の形態2のぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910と、第2可動役物920とを備えている。たとえば、ぱちんこ遊技機900の電源遮断時に第1可動役物910と第2可動役物920とが図9で示す位置にされていたとする。 【0119】 ここで、ぱちんこ遊技機900へ電源が供給されると、ぱちんこ遊技機900は予め定められた初期動作をおこなう。この初期動作において、ぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910と、第2可動役物920とを所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させる。このとき、たとえば、図9において、ぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910を原点位置へ復帰させようと、矢印Aで示す方向へ駆動させたとする。この場合、第1可動役物910は、点線Bで示す位置で第2可動役物920と干渉してしまう。 【0120】 このため、ぱちんこ遊技機900では、第1可動役物910よりも第2可動役物920の優先順位を高く設定しておく。そして、初期動作時に、まず、優先順位が高く定められた第2可動役物920を矢印Cで示す方向へ駆動させて、第2可動役物920を退避位置へ退避させる。その後で、優先順位の低く定められた第1可動役物910を矢印Aで示す方向へ駆動させて、第1可動役物910を退避位置へ退避させる。こうすることで、ぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910および第2可動役物920との干渉を防止し、それぞれの退避位置へスムーズに退避させることができる。」 (オ)「【0121】 (実施の形態2の可動役物の構成) ここで、実施の形態2の可動役物の構成について説明する。図10-1は、本実施の形態2の可動役物の正面図(その1)である。図10-2は、本実施の形態2の可動役物の正面図(その2)である。図10-1および図10-2には、本実施の形態2の第1可動役物910を示している。図10-1および図10-2に示すように、第1可動役物910は、第1駆動部1010と、第1ガイド板1020と、第2ガイド板1030と、第1装飾部材1040とを備える。 【0122】 第1駆動部1010は、駆動モータ1011と、駆動ギア1012とからなる。駆動モータ1011は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア1012を駆動回転させる。 ・・・ 【0128】 図11-1は、本実施の形態2の可動役物の背面図(その1)である。図11-2は、本実施の形態2の可動役物の背面図(その2)である。図11-1および図11-2には、本実施の形態2の第2可動役物920を示している。図11-1および図11-2に示すように、本実施の形態2の第2可動役物920は、第2駆動部1110と、第2装飾部材1120とを備える。 【0129】 第2駆動部1110は、駆動モータ1111と、回転板1112と、スライドギア1113と、駆動ギア1115と、駆動ギア1116とからなる。駆動モータ1111は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、回転軸J2を回転させることにより回転板1112を回転させる。」 上記記載事項(ア)~(オ)及び刊行物1の図面から、以下の事項が導かれる。 (あ)上記【0026】には 「遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている」 なる記載があるが、同段落には 「枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している」 とも記載されていること、及び、一般に「枠」とそれに囲まれた部材との関係は、窓枠と窓の関係にもみられるとおり、枠に該部材を取り付けたとも、該部材の周囲に枠を取り付けたとも表現できることから、前記刊行物1の記載における遊技盤と枠部材相互の関係は、「遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む」枠部材の四角い枠の中に遊技盤が取り付けられている、即ち設けられている、とも解せるといえる。(以下「認定事項1-1」という。) また、「遊技盤101の略中央部分に」ある「画像表示部104」(【0017】)が遊技者から視認可能であることは、一般的なぱちんこ遊技機についての技術常識からも、図1からも明らかであるから、「第1可動役物130aと第2可動役物130b」が「画像表示部104の」、「遊技者から見て前面となる位置に」「配置され」る(【0031】)のであれば、「第1可動役物130aと第2可動役物130b」が遊技者から視認可能な位置に配置されているといえる。(以下「認定事項1-2」という。) そうすると、刊行物1には、 「「遊技盤101」(【0015】)と、 「遊技盤101」が設けられる「枠部材115」(【0026】、認定事項1-1)と、 「遊技者から視認可能な位置」(認定事項1-2)に「配置され」た「第1可動役物130aと第2可動役物130b」(【0031】)からなる「可動役物」(【請求項1】)であって、 「前記役物のうちのいずれかの可動役物の駆動指示があった場合に、」「前記可動役物の位置検出をおこなう」「検出手段による検出結果に基づき、前記駆動指示により指示された駆動対象の可動役物を駆動させるか否かを判定する判定手段」「により前記駆動対象の可動役物を駆動させると判定された場合に、前記駆動対象の可動役物の駆動部を制御」する「駆動制御手段」により(【請求項1】)制御される、 「モーター」からなる「駆動部」「の駆動によって駆動される」(【0031】) 前記「可動役物」と、「を備えるぱちんこ遊技機」(【請求項1】)」 が記載されているといえる。 (い)上記(ア)(イ)(あ)から、刊行物1には、 「可動役物」(【請求項1】)は、 「画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置に」設けられ(【0031】)、「第1可動役物130a」または「第2可動役物130bを用いた演出時に」(【0032】)「駆動部の駆動によって」(【0031】)「画像表示部104上方」または「下方に設けられた収容スペース」から「画像表示部104の前面に進出する」(【0032】【0033】)よう「駆動される」(【0031】、「第1可動役物130aと第2可動役物130bと」(【0031】)からなる、 ことが記載されているといえる。 (う)上記(あ)で認定したとおり、【0031】には、各可動役物はモーターからなる駆動部の駆動により駆動される、すなわち各可動役物はモーターからなる駆動部が駆動することが記載されているといえる。 また、上記【0039】【0043】【0121】~【0122】【0128】~【0129】には、第1・第2各可動役物がそれぞれ、駆動モータなどからなる第1駆動部・第2駆動部なる駆動部を備えることが記載されている。ここでの「駆動モータ」は前記【0031】の「モーター」に該当する。 また、上記【0032】には 「第1可動役物130aは、第1可動役物130aを用いた演出・・・時に、画像表示部104上方より下方へスライドし、画像表示部104の前面に進出する・・・。また、第1可動役物130aは、第1役物演出以外のときには、画像表示部104上方に設けられた収容スペースに収容される・・・。」 と記載され、上記【0033】には、 「第2可動役物130bは、第2可動役物130bを用いた演出・・・時に、画像表示部104下方より上方へスライドし、画像表示部104の前面に進出する・・・。また、第2可動役物130bは、第2役物演出以外のときには、画像表示部104下方に設けられた収容スペースに収容される・・・。」 と記載されていることから、図9に示される第1可動役物910と、第2可動役物920の状態は、共に前記【0032】【0033】にいう「画像表示部の前面に進出」した状態であるといえる。そうすると、上記【0118】の、 「たとえば、ぱちんこ遊技機900の電源遮断時に第1可動役物910と第2可動役物920とが図9で示す位置にされていたとする。」 とは、電源遮断時に第1可動役物910と第2可動役物920とが、画像表示部104の上方や下方に収容されず、画像表示部の前面に進出したままとなっている場合を例示する記述であると理解される。 これを受け、続く【0119】には、 「ここで、ぱちんこ遊技機900へ電源が供給されると、ぱちんこ遊技機900は予め定められた初期動作をおこなう。この初期動作において、ぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910と、第2可動役物920とを所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させる。」 と記載されている。 以上から、刊行物1には、 「電源遮断時に第1可動役物910と第2可動役物920とが、画像表示部の前面に進出したままとなっている場合」に、「ぱちんこ遊技機900へ電源が供給されると、ぱちんこ遊技機900は予め定められた初期動作をおこなう。この初期動作において、ぱちんこ遊技機900は、第1可動役物910と、第2可動役物920とを」、該各可動役物それぞれが備える駆動部が、「所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させる。」 ことが記載されているといえる。(以下「認定事項1-3」という。) また、【0118】の「電源遮断時」は、特に電源遮断の発生要因を限定する記載もないことから、通常のスイッチ等による電源OFFが行われた場合と、停電などスイッチOFFによらない不測の電源供給停止が生じた場合とを含む、あらゆる電源供給の遮断事象が生じた場合が含まれると解される。 そうすると、【0119】における 「ぱちんこ遊技機900へ電源が供給される」 には、 電源の供給が電源スイッチのOFFなどにより正常に停止された状態から、電源スイッチ操作等により電源供給が開始された場合、すなわち電源投入と、 停電などにより電源スイッチのOFFなどを経ずに停止していた電源供給が、停電の解消などにより、電源スイッチ操作等を経ずに再開した場合、すなわち電源復旧と、 が含まれるといえる。(以下「認定事項1-4」という。) そうすると、前記認定事項1-3及び1-4から、刊行物1には、 「(「電源遮断時に第1可動役物910と第2可動役物920とが、画像表示部の前面に進出したままとなっている場合」に、)「ぱちんこ遊技機900へ」「電源投入」又は「電源復旧」により電源が供給されると、(ぱちんこ遊技機900は予め定められた初期動作をおこない、この初期動作において、)「第1可動役物910と、第2可動役物920とを」、該各可動役物それぞれが備える「モーター」からなる「駆動部」が、「所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させる。」」 ことが記載されているといえる。 (え)上記【請求項4】には 「前記複数の可動役物は、電源供給時に、各々の現在位置から退避位置まで駆動され、前記駆動制御手段は、前記優先順位が高く定められた順に前記複数の可動役物を各々の退避位置へ退避させる」 と記載され、上記【0120】には、先行する【0118】~【0119】の記載から上記(う)で認定したとおりの、可動役物が電源遮断時に画像表示部の前面に進出したままとなっている状態でぱちんこ遊技機に電源が供給された場合の「初期動作」について、 「初期動作時に、まず、優先順位が高く定められた第2可動役物920を矢印Cで示す方向へ駆動させて、第2可動役物920を退避位置へ退避させる。その後で、優先順位の低く定められた第1可動役物910を矢印Aで示す方向へ駆動させて、第1可動役物910を退避位置へ退避させる。」 と記載されている。 この記載から、「初期動作時」の各可動役物の動作機序は、 1)まず、第2可動役物920を駆動 2)第2可動役物を退避位置へ退避 3)2)の後で、第1可動役物910を駆動 4)第1可動役物910を退避位置へ退避 であり、可動役物が第1・第2各可動役物なる2つからなる場合において、該2つの可動役物は、一方が動き出してから退避位置へ退避、すなわち駆動を完了して停止するのを待って、他方が駆動、すなわち動き出すように制御されているといえ、両可動役物が駆動、すなわち動き出すタイミングは、少なくとも先行して駆動する(第2)可動役物が駆動してから退避を完了するまでの時間だけ、ずれるように制御されているといえる。 また、ここで、該各可動役物を駆動するのが、それぞれに備えられた「駆動部」であることは、上記(う)で認定したとおりである。 よって、刊行物1には、 「駆動部は、初期動作時に、第1・第2各可動役物について、それぞれの動き出すタイミングがずれるように駆動する」 ことが記載されているといえる。 (お)上記ア~オの記載事項、上記(あ)~(え)の認定事項から、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a~fは、本件補正発明のA~Fに対応させて付与した。)。 「a 遊技盤101と、 遊技盤101が設けられる枠部材115と、 遊技者から視認可能な位置に配置された、 第1可動役物130aと第2可動役物130bからなる可動役物であって、 前記複数の可動役物のうちのいずれかの可動役物の駆動指示があった場合に、前記可動役物の位置検出をおこなう検出手段による検出結果に基づき、前記駆動指示により指示された駆動対象の可動役物を駆動させるか否かを判定する判定手段により前記駆動対象の可動役物を駆動させると判定されると、 前記駆動対象の可動役物の駆動部を制御する駆動制御手段により制御される、モーターからなる駆動部の駆動によって駆動される、前記可動役物と、 を備えたぱちんこ遊技機900であって、(あ) b 前記可動役物は、 画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置に設けられ、 第1可動役物130aまたは第2可動役物130bを用いた演出時に、 駆動部の駆動によって、画像表示部104上方または下方に設けられた収容スペースから画像表示部104の前面に進出するよう駆動され、 第1可動役物130aと第2可動役物130bとを備え、(い) c 前記駆動部は、 ぱちんこ遊技機900へ電源投入又は電源復旧により電源が供給されると、 前記第1可動役物910と、前記第2可動役物920とを所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させると共に、(う) d 前記駆動部は、 初期動作時に、前記第1・第2各可動役物について、それぞれの動き出すタイミングがずれるように駆動する、(え) f ぱちんこ遊技機900。」 イ.刊行物2に記載された技術事項 原査定の上記最後の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-252244号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (ア)「【0040】 図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。」 上記記載事項(ア)から、以下の技術事項が導かれる。 (あ)「パチンコ遊技機1において、額縁状に形成されたガラス扉枠2に遊技盤6を着脱可能に取り付けること。」 ウ.刊行物3に記載された技術事項 当審にて新たに発見した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-48757号公報(以下「刊行物3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技状態に応じて駆動可能な駆動体を有する遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、パチンコ遊技機等においては、遊技の演出として駆動体の駆動による演出を遊技状態に応じて行っていた。 駆動体を駆動するための駆動源として励磁モータがある。励磁モータは励磁位置を変更更新しながら励磁位置に電流を流すことで駆動し、駆動体を駆動させる。」 (イ)「【0024】 さらに本実施例では、前記表示装置10の上方に駆動体81が設けられており、遊技状態に応じて駆動可能とされている。 前記駆動体81は、多面体で構成され、本実施例では、図2に示すような略直方体からなり、長さ方向を回転軸として横長に取り付けられている。 ・・・ 【0027】 なお、前記駆動体は1つに限られず、複数設けてもよい。例えば、前記駆動体81の他に刀の柄の形状をした第2の駆動体91を設けて、該駆動体91用の励磁モータ(図示せず)により、遊技状態に応じて表示装置10の前面側で揺動させ、所定位置で停止するようにしてもよい。」 (ウ)「【0064】 以下に遊技機1における制御処理を説明する。前記主制御基板200の制御回路に設けられる主なフラグとして、本実施例では大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFF(=0)にされる。 ・・・ 【0066】 CPU等の初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。その際に、例えば電飾や駆動体が正常に動作されるかを確認できるように電飾や駆動体を動作させる初期動作設定を設けてもよいとする。但し、駆動体を動作させる場合は、他の初期設定が終了しても駆動体の動作が継続している場合もあり、その状態で遊技が開始すると駆動体の初期動作と演出動作が重複してしまうので、遊技が開始しても初期動作が終了するまで駆動体の演出動作のみを禁止する処理を設けるとよい。 そして、メイン処理Mは繰り返し行われるが、CPU等の初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。」 上記記載事項(ア)~(ウ)から、以下の事項が導かれる。 (あ)【0024】・【0027】には、「駆動体」が「刀の柄の形状形」や「多面体」を呈し、「揺動する」旨の記載があることから、上記記載事項での「駆動体」はいわゆる可動役物を指すといえる。 また、該「駆動体」を複数設けることも【0027】に記載されていることから、【0066】の 「初期動作設定」で「駆動体を動作させる場合は、他の初期設定が終了しても駆動体の動作が継続している場合もあり、その状態で遊技が開始すると駆動体の初期動作と演出動作が重複してしまうので、遊技が開始しても初期動作が終了するまで駆動体の演出動作のみを禁止する処理を設ける」 ことは、駆動体が複数ある場合について、 「初期動作設定で複数の駆動体を動作させる場合は、他の初期設定が終了しても該複数の駆動体の動作が継続している場合もあり、その状態で遊技が開始すると前記複数の駆動体の初期動作と演出動作が重複してしまうので、遊技が開始しても前記複数の駆動体が初期動作を終了するまで前記駆動体の演出動作のみを禁止する処理を設ける」(以下「認定事項3-1」という。) ことであるといえる。 また、【0066】には 「CPU等の初期設定処理(S10)では」「電飾や駆動体が正常に動作されるかを確認できるように電飾や駆動体を動作させる初期動作設定を設けてもよ」く、「CPU等の初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され」 なる事項が記載されているといえ、これは、 「CPU等の初期設定処理」で行われる「初期動作設定」が、「電源投入時のみ」、「最初の1巡目のみ」すなわち電源投入時に一度だけ「実行さ」れる処理であることといえる。(以下「認定事項3-2」という。) よって、刊行物3には、 「パチンコ遊技機において」(【0002】)、電源投入時に一度だけ実行されるCPU等の初期設定処理における初期動作設定において(認定事項3-2)、「複数の駆動体を動作させる場合は、他の初期設定が終了しても該複数の駆動体の動作が継続している場合もあり、その状態で遊技が開始すると前記複数の駆動体の初期動作と演出動作が重複してしまうので、遊技が開始しても前記複数の駆動体が初期動作を終了するまで前記駆動体の演出動作のみを禁止する処理を設ける」(認定事項3-1) ことが記載されていると認められる。 (3)対比 本件補正発明と刊行物1発明とを、分説に従い対比する。(以下、刊行物1発明の各構成については単に「構成a」などといい、本件補正発明の各構成は単に「構成A」などということがある。) ア.刊行物1発明における構成aの 「可動役物」 「前記複数の可動役物のうちのいずれかの可動役物の駆動指示があった場合に、前記複数の可動役物の位置検出をおこなう検出手段による検出結果に基づき、前記駆動指示により指示された駆動対象の可動役物を駆動させるか否かを判定する判定手段により前記駆動対象の可動役物を駆動させると判定されると」 「モーターからなる駆動部の駆動によって駆動される」 はそれぞれ、本件補正発明における構成Aの 「演出用駆動部材」 「所定条件が成立すると」 「電気的駆動手段により動作する」 に相当する。 したがって、刊行物1発明における構成aは、本件補正発明における構成Aのうち 「少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が設けられる枠部材と、遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材とを備えた遊技機において、」 の点で共通する。 イ.刊行物1発明における構成bの 「画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置」 「第1可動役物130aまたは第2可動役物130bを用いた演出時に、駆動部の駆動によって、画像表示部104上方または下方に設けられた収容スペースから画像表示部104の前面に進出するよう駆動され」ること 「第1可動役物130aと第2可動役物130bとを備え」 は、それぞれ本件補正発明の 「前記遊技盤の前面側」 「所定の演出動作を行う」こと 「複数の盤面駆動部材を備え」 に相当する。 したがって、刊行物1発明における構成bは、本件補正発明における構成Bに相当する。 ウ.刊行物1発明における構成cの 「ぱちんこ遊技機900へ電源投入又は電源復旧により電源が供給されると」 「前記第1可動役物910と、前記第2可動役物920とを所定の退避位置(たとえば各々の原点位置)へ復帰させる」 はそれぞれ、本件補正発明における構成Cの 「遊技機の電源投入後又は電源復旧後」 「前記盤面駆動部材を初期動作させる」 に相当する。 したがって、刊行物1発明における構成cは、本件補正発明における構成Cに相当する。 エ.刊行物1発明における構成dの 「前記第1・第2各可動役物」 「動き出すタイミングがずれるように駆動する」 はそれぞれ、本件補正発明における構成Dの 「複数の前記盤面駆動部材」 「実際の動作を開始するタイミングが重複しないようにし」 に相当する。 したがって、刊行物1発明における構成dは、本件補正発明における構成Dに相当する。 オ.刊行物1発明における構成fが本件補正発明の構成Fに相当することは明らかである。 上記ア.~オ.によれば、本件補正発明と刊行物1発明とは、 [一致点] 「A 少なくとも、遊技盤と、該遊技盤が設けられる枠部材と、遊技者が視認可能な位置に配置され、所定条件が成立すると電気的駆動手段により動作する演出用駆動部材とを備えた遊技機において、 B 前記演出用駆動部材は、 前記遊技盤の前面側で所定の演出動作を行う複数の盤面駆動部材を備え、 C 前記電気的駆動手段は、 遊技機の電源投入後又は電源復旧後、前記盤面駆動部材を初期動作させると共に、 D 該初期動作を、複数の前記盤面駆動部材それぞれについて実際の動作を開始するタイミングが重複しないようにし(たこと)、 F を特徴とする遊技機。」 の点で一致し、次の各点で相違する。 [相違点1](構成A) 本件補正発明では、枠部材に遊技盤が着脱可能に設けられるのに対し、刊行物1発明では、着脱可能であるか明らかでない点。 [相違点2](構成E) 本件補正発明が備える構成Eに対応する構成、すなわち 「複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと、」 を刊行物1発明が備えない点。 (4)当審の判断 上記各相違点について検討する。 ア.相違点1について 上記(2)イ.(あ)で認定したとおり、刊行物2には、 「パチンコ遊技機1において、額縁状に形成されたガラス扉枠2に遊技盤6を着脱可能に取り付けること」 が記載されている。ここで、「額縁状に形成されたガラス扉枠2」が構成Aの「枠部材」に対応することは明らかである。 また、当該刊行物2を引用するまでもなく、パチンコ遊技機において、遊技盤が枠部材に着脱自在に取り付けられる構造は例示するまでもなく周知のものであるといえる。 よって、刊行物1発明の構成aにおいて、遊技盤を枠部材に着脱自在に設けられるようにして相違点1の構成とすることは、刊行物2に記載された技術事項または周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものと認められる。 イ.相違点2について 上記(2)ウ.(あ)で認定したとおり、刊行物3には、 「パチンコ遊技機において、電源投入時に一度だけ実行されるCPU等の初期設定処理における初期動作設定において複数の駆動体を動作させる場合は、他の初期設定が終了しても該複数の駆動体の動作が継続している場合もあり、その状態で遊技が開始すると前記複数の駆動体の初期動作と演出動作が重複してしまうので、遊技が開始しても前記複数の駆動体のすべての初期動作が終了するまで前記駆動体の演出動作のみを禁止する処理を設ける」こと、 が記載されている。(以下「刊行物3記載事項」という。) ここで、刊行物3記載事項の 「電源投入時」 「CPU等の初期設定処理における初期動作設定において複数の駆動体を動作させる」 「駆動体の演出動作」 は、それぞれ本件補正発明の 「遊技機の電源投入後又は電源復旧後」(構成C) 「前記盤面駆動部材を初期動作させる」(構成C) 「前記盤面駆動部材の演出動作」(構成E) に対応する。 そうすると、前記刊行物3記載事項の 「遊技が開始しても前記複数の駆動体のすべての初期動作が終了するまで前記複数の駆動体の演出動作のみを禁止する」こと は、本件補正発明の構成Eに対応する構成、すなわち 「複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと」 に対応する。 そして、刊行物1発明と刊行物3記載事項とは、共に電源投入時に可動役物(駆動体)が初期動作を実行するパチンコ遊技機である点で共通するから、刊行物1発明における前記初期動作に際し、刊行物3に記載された、該初期動作時の演出禁止に関する技術事項を適用することは、当業者が容易に想到し得たことであり、それによる効果も刊行物1発明及び刊行物3記載事項から当業者が予測し得た範囲内のものであり格別のものではない。 ウ.小括 したがって、上記ア~イにおいて検討したように、本件補正発明は、刊行物1発明、刊行物3記載事項、刊行物2に記載された技術事項または周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 上記3において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年10月19日付けの手続補正書により補正された、上記第2.の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 2.刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1・2の記載事項は、上記第2.の3.(2)ア.・イ.に記載したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は実質的に、本件補正発明の発明特定事項から、上記構成Eにあたる 「複数の前記盤面駆動部材が初期動作を完了するまでは、前記盤面駆動部材の演出動作を実行しないこと、」 なる構成を省いたものである。 そうすると、この構成を省いた本願発明と刊行物1発明との間の相違点は、上記第2.3.(3)に示した[相違点1]のみである。 しかし、該[相違点1]については、上記第2.3.(4)ア.にて検討したとおり、刊行物1発明及び刊行物2に記載された事項または周知の技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2に記載された事項または周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 第4.むすび 以上のとおり、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2に記載された事項または周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-001785

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