特許拒絶査定不服審判
2017-001686
鋼板からパーツを形成する方法
- 審判番号
- 2017-001686
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-531319外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年02月06日
- 審決日
- 2018年06月19日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インペリアル イノベ-ションズ リミテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
- 分類
- P18 .113-Z (B21D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-531319「鋼板からパーツを形成する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年4月4日国際公開,WO2013/045933,平成26年11月27日国内公表,特表2014-531319〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
【理 由】
第1 主な手続の経緯
本願は,2012年9月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年9月27日,英国)を国際出願日とする出願であって,平成28年2月25日付けで拒絶理由を通知し,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,請求人からは何らの応答もなかったため,同年9月30日付けで拒絶査定がなされた。
これに対して,平成29年2月6日に拒絶査定不服審判の請求と同時に手続補正がなされ,同年8月18日及び10月20日に上申書が提出され,平成30年4月27日に請求人代理人と当合議体で面接が行われ,同年5月18日に請求人代理人より証拠の提出を申し出る旨の電話応対がなされ,同年5月28日に請求人代理人よりボロン鋼を説明するファクシミリの送付がなされた。
第2 平成29年2月6日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年2月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.請求項1に係る補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
「ボロン鋼からなる鋼板からパーツを形成する方法であって,
(a)オーステナイト化が起こる温度まで前記ボロン鋼からなる鋼板を加熱する工程と,
(b)前記ボロン鋼からなる鋼板をダイで挟んでパーツの形状にし,さらに前記パーツに形成されたボロン鋼からなる鋼板を冷却する工程と,
を備え,
工程(a)と工程(b)との間に前記ボロン鋼からなる鋼板に冷却手段を適用する追加の工程を備える鋼板からパーツを形成する方法であって,
前記追加の工程は前記ボロン鋼からなる鋼板がオーステナイト状態に維持されるように実施されることを特徴とする鋼板からパーツを形成する方法。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の,願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「鋼板からパーツを形成する方法であって,
(a)オーステナイト化が起こる温度まで板を加熱する工程と,
(b)前記板をダイで挟んでパーツの形状にし,さらに前記形成した板を冷却する工程と,
を備え,
工程(a)と工程(b)との間に前記板に冷却手段を適用する追加の工程を備えることを特徴とする鋼板からパーツを形成する方法。」
2.補正の適否
本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は,本件補正前の「鋼板」を,より下位概念の「ボロン鋼からなる鋼板」に限定し,また,本件補正前の「追加の工程」について,「前記追加の工程は前記ボロン鋼からなる鋼板がオーステナイト状態に維持されるように実施される」という条件を付加して限定するものである。また,本件補正前の請求項1に係る発明と,本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。
(1)引用例の記載事項及び引用発明
本願優先日前に日本国内において頒布され,原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2007-275937号公報(以下「引用例」という。)には,以下の事項及び発明が記載されている。記載事項における下線は,理解を助けるために当審で付したものである。
ア.「【0001】
本発明は,自動車部品の構造部材等,強度が必要とされる部材を,鋼板を熱間でプレス成形して製造する方法及びその方法によって成形されたプレス成形品に関する。」
イ.「【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明者らは,鋼板,特に中炭素薄鋼板を素材としてブランク押さえを要する絞り変形や張り出し変形での熱間プレス成形を行う際,加熱炉から鋼板を抽出してプレス成形するまでの時間及び冷却方法を種々変えて試験を行った。その結果,加熱炉から鋼板を抽出した後,短時間でプレス成形するよりも,金型と接触させた状態で暫く時間をおいてプレス成形を行うと,成形高さが向上することを見出した。このプレス成形前の保持時間は,プレス成形時の鋼板の温度に影響を与えるため,プレス成形時の鋼板温度を従来よりも低くすると成形高さが向上するという結論が得られた。
【0021】
一方,加熱炉から鋼板を抽出した後,冷却速度が所定速度(後述する10℃/s)よりも遅い場合,例えばプレス成形前後に空冷すると,十分な焼入れ性が確保できないことから,成形性と共に焼入れ性を確保するためには,冷却速度を適正に制御する必要があることがわかった。更に,プレス成形を終了する前にマルテンサイト変態が生じると,成形性が著しく劣化するという知見を得た。
【0022】
本発明は以上の検討によって得られた知見に基づくものであり,最大の特徴は,オーステナイト温度域まで加熱した鋼板に対して,冷却速度を制御しながら,プレス成形を行うようにし,プレス成形の開始時における鋼板の温度を600℃以下(且つ,Ms点以上,以下同様である)とし,プレス成形の終了時における鋼板の温度をMs点以上とすることである。
【0023】
即ち,本発明は,通常の熱間プレス温度よりも低温で鋼板のプレス成形を開始する点で従来の熱間プレス成形と相違し,プレス成形中に歪み誘起マルテンサイト変態を生じさせることなくプレス成形を終了させる点で,成形温度を(Ms点+120℃)~(Ms点-80℃)の範囲とする熱間プレス成形とは相違する。また,鋼板の加熱温度をオーステナイト温度域として,加速冷却しながらプレス成形と焼入れを同時に行い,高強度成形品を得るという点において,従来の温間成形とは相違する。
・・・(中略)・・・
【0027】
次に,重要な条件は,加熱した鋼板及びプレス成形後の成形品を冷却する際の冷却速度である。加熱炉から抽出した鋼板を,プレス成形を行う直前まで10℃/s以上の冷却速度で冷却し,鋼板の温度がプレス成形中及びプレス成形後の温度から300℃以下に到達するまでの冷却速度も10℃/s以上とすることが必要である。ただし,鋼板の温度がAr3温度超の領域では冷却速度の影響は顕著ではないため,鋼板のAr3温度以下から300℃以下に到達するまでの冷却速度を10℃/s以上とすることが好ましい。この冷却速度が10℃/s未満であると,冷却中にオーステナイトからフェライトへの変態が起こり,十分に焼入れ強度が確保できない。プレス成形後の冷却停止温度は,マルテンサイト変態を完了させるために300℃以下とし,室温まで冷却しても良い。冷却速度の上限は規定しないが,後述する金型による抜熱と冷媒の噴射を組み合わせても,500℃/sより速くすることは困難である。」
ウ.「【実施例】
【0042】
実施例により本発明をさらに説明する。質量%で,C:0.22%,Si:0.2%,Mn:1.4%,Cr:0.2%,Mo:0.1%,Ti:0.05%,B:0.002%の化学成分を有する鋼を鋳造し,1150℃~1250℃の温度に再加熱後,熱延し,酸洗,冷間圧延を行い,焼鈍し,さらに圧下率0.8%の調質圧延を施して1.5mm厚の冷延鋼板を製造した。この鋼板のMs点は,フォーマスター試験機を用い,冷却中の試験片の熱膨張変化を測定して求めた結果,400℃であった。
【0043】
この鋼板をブランクサイズ150mm角に切断したものを熱間プレスに供した。このプレス成形は,ブランク押さえを用いた,80mm×80mmの角頭ポンチを下金型とする角筒成形であり,ポンチ押さえもポンチ底に対面する位置に配した。プレス成形高さは35mmとした。なお,ポンチ肩及びダイス肩は10R,ポンチコーナーは15Rである。
【0044】
また,ブランク押さえ力は2トンとした。成形速度(プレス成形の際の鋼板の移動速度)は20~150mm/sとしたが,プレス成形前後での鋼板の冷却を金型抜熱で行う時には,適宜プレス成形の途中で一時停止させた。即ち,プレス成形前の金型抜熱では,ポンチとブランク押さえ上の鋼板にダイスとポンチ押さえが接触した時点で(プレス成形の直前),またプレス成形後の金型抜熱では,プレス下死点で(プレス成形の直後),所定の時間停止させた。ここで,所定の時間とは,プレス成形開始温度およびプレス成形終了温度が,上述した温度(プレス成形開始温度が600℃以下の温度であり,プレス成形終了温度がMp点以上の温度)に到達するまでの時間である。
【0045】
加熱炉により鋼板を900℃で3分加熱した後抽出し,プレス上死点位置で鋼板をポンチとブランク押さえ上にセットし,表1に示すように冷却方法を種々組み合わせ,プレス成形前後の冷却速度とプレス成形温度を変えた成形を行った。冷却停止温度が15℃であるNo.2は,プレス成形後の冷却において,15℃の水を冷媒として金型から噴射したもの(金型抜熱及び水噴射)であり,冷却停止温度が5℃であるNo.7は,水温を5℃として水を噴射し,冷却したものである。No.10,11及び14は,プレス成形前に空冷した例であるが,プレス成形開始温度の低下とともに冷却速度も小さくなっている。
【0046】
この冷却速度と成形温度は,予め,表1のそれぞれの冷却方法による冷却曲線を作成して算出した。この冷却曲線を基に,加熱炉から鋼板を抽出後,プレス成形までの冷却時間を調整し,プレス成形開始温度を制御した。なお,冷却曲線は,鋼板に熱電対を取り付け,表1のそれぞれの条件で冷却し,プレス成形を行わずに,温度の時間変化として測定した。」
エ.表1
表1のNo.8に係る実施例について,プレス成形前の冷却方法がミスト噴射,プレス成形後の冷却方法が金型抜熱,プレス成形前の冷却速度を30℃/s,プレス形成中の冷却速度を30℃/s,プレス成形後の冷却速度を50℃/sとすることが記載されている。
オ.引用発明
引用例の表1のNo.8に係る実施例は,プレス成形前の冷却方法がミスト噴射,プレス成形後の冷却方法が金型抜熱,プレス成形前の冷却速度が30℃/s,プレス成形後の冷却速度が50℃/sであるプレス成形方法であるところ,プレスの対象は,質量%で,C:0.22%,B:0.002%を含有する鋼板(段落【0042】)であると理解できる。
また,当該鋼板は,900℃で3分間加熱され(段落【0045】),当該加熱の温度がオーステナイト温度域であること(段落【0023】)を理解できる。
また,プレス成形は,角頭ポンチを下金型,ダイスを上金型とする角筒成形(段落【0043】及び【0044】)であると理解できる。
そして,引用例には,プレス形成後の冷却速度が10℃/s未満であると,冷却中にオーステナイトからフェライトへの変態が起こること(段落【0027】)が記載されているから,プレス形成後の鋼板がオーステナイト状態であると理解できる。そうすると,プレス成形開始時の鋼板は,プレス形成後の鋼板よりも温度が高いから,当然にオーステナイト状態であり,プレス成形前の冷却は,鋼板がオーステナイト状態を維持するように行われていると理解できる。
以上の技術的事項を,技術常識をふまえて整理すると,引用例には,次の発明が記載されているということができる。
「質量%で,C:0.22%,B:0.002%を含有する鋼板を角筒成形する方法であって,
(a)オーステナイト化が起こる900℃まで前記鋼板を加熱する工程と,
(b)前記鋼板を角頭ポンチを下金型,ダイスを上金型として挟んで角筒成形し,さらに角筒成形された鋼板を金型抜熱による冷却速度50℃/sのプレス成形後の冷却を行う工程と,
工程(a)と工程(b)との間に前記鋼板にミスト噴射による冷却速度30℃/sのプレス成形前の冷却を行う工程を備える鋼板を角筒成形する方法であって,
前記プレス成形前の冷却を行う工程は前記鋼板がオーステナイト状態を維持するように行われている鋼板を角筒成形する方法。」(以下「引用発明」という。)
(2)周知例の記載事項
本願優先日前に日本国内において頒布され,この審決で初めて引用する刊行物である,大和久重雄編,「金属術語辞典」,2000年4月10日改訂版第31刷発行,株式会社アグネ承風社,第286ページ(以下「周知例」という。)には,以下の事項が記載されている。
「ホウ素鋼(Boron steel)
ボロン鋼ともいう.一種の強靱鋼で,ホウ素の微量添加(0.001~0.008%)で焼入性が著しく向上し,硬い耐摩性のある鋼である.過量に含むとボロンカーバイドが析出し脆化する.」
(3)対比
本件補正発明と引用発明を対比すると,引用発明の「質量%で,C:0.22%,B:0.002%を含有する鋼板」について,上記(2)の周知例を参照すると,ホウ素が0.001~0.008%添加された鋼をボロン鋼と称することは,本願優先日前に周知の技術常識といえるから,引用発明の鋼板は,本件補正発明の「ボロン鋼からなる鋼板」と一致する。
また,引用発明の「鋼板を角筒成形する方法」が,本件補正発明の「パーツを形成する方法」と一致することは明らかであり,以下同様に,「オーステナイト化が起こる900℃まで前記鋼板を加熱する工程」が「オーステナイト化が起こる温度まで前記ボロン鋼からなる鋼板を加熱する工程」に,「前記鋼板を角頭ポンチを下金型,ダイスを上金型として挟んで角筒成形」することが「前記ボロン鋼からなる鋼板をダイで挟んでパーツの形状」にすることに,「角筒成形された鋼板を金型抜熱による冷却速度50℃/sのプレス成形後の冷却を行う工程」が「前記パーツに形成されたボロン鋼からなる鋼板を冷却する工程」に,「工程(a)と工程(b)との間に前記鋼板にミスト噴射による冷却速度30℃/sのプレス成形前の冷却を行う工程」が「工程(a)と工程(b)との間に前記ボロン鋼からなる鋼板に冷却手段を適用する追加の工程」に,「前記プレス成形前の冷却を行う工程は前記鋼板がオーステナイト状態を維持するように行われている」ことが「前記追加の工程は前記ボロン鋼からなる鋼板がオーステナイト状態に維持されるように実施される」ことに一致する。
以上から,本件補正発明と引用発明は,以下の点で一致し,相違する点が存在しない。
<一致点>
「ボロン鋼からなる鋼板からパーツを形成する方法であって,
(a)オーステナイト化が起こる温度まで前記ボロン鋼からなる鋼板を加熱する工程と,
(b)前記ボロン鋼からなる鋼板をダイで挟んでパーツの形状にし,さらに前記パーツに形成されたボロン鋼からなる鋼板を冷却する工程と,
を備え,
工程(a)と工程(b)との間に前記ボロン鋼からなる鋼板に冷却手段を適用する追加の工程を備える鋼板からパーツを形成する方法であって,
前記追加の工程は前記ボロン鋼からなる鋼板がオーステナイト状態に維持されるように実施される鋼板からパーツを形成する方法。」
(4)判断
本件補正発明と引用発明は相違する点が存在しないから,本件補正発明は,本願優先日前に頒布された刊行物に記載された引用発明と同一のものであり,特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当し,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)請求人の主張について
請求人は,平成30年5月28日に送付されたファクシミリにおいて,「ボロン鋼」はボロンを少なくとも0.2%含有するものをいうのに対して,引用発明の鋼は0.002%しか含有しておらず,ボロン鋼に相当しない旨を主張しているが,ボロン鋼がボロンを少なくとも0.2%含有する旨の主張を裏付ける証拠は提出されていない。そして,上記周知例によれば,ボロンは鋼を硬くするために添加されるが,0.008%を超えて過量に含まれると,ボロンカーバイドが析出し脆化するから,請求人の主張のとおりボロンを少なくとも0.2%も含有すれば,鋼が脆化してしまい,ボロンを添加する技術的な意義を滅却する。したがって,請求人の上記主張は採用できない。
また,請求人は,上記ファクシミリにおいて,本件補正発明の鋼と引用発明の鋼は相状態が異なる旨を主張しているが,そもそも本件補正発明の鋼の具体的組成は全く明らかにされていないから,本件補正発明の鋼の具体的な相状態も不明というほかなく,請求人の当該主張も採用できない。
3.補正の適否についてのむすび
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって,上記[補正却下の決定の結論]のとおり,決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は,願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に記載された,上記第2の1.(2)に示すとおりのものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は,次のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
記
・請求項 1
・引用文献等 1
・備考
引用文献1の段落22-27等には,鋼板からパーツを形成する方法であって,(a)オーステナイト化が起こる温度まで板を加熱する工程と,(b)前記板をダイで挟んでパーツの形状にし,さらに前記形成した板を冷却する工程と,を備え,工程(a)と工程(b)との間に前記板に冷却手段を適用する追加の工程を備えることを特徴とする鋼板からパーツを形成する方法が記載されている。
してみると,請求項1に係る発明と引用文献1記載の方法とに差異はない。
引用文献1.特開2007-275937号公報
3.引用例の記載事項及び引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項及び引用発明は,上記第2の2.(1)に記載したとおりである。
4.対比及び判断
本願発明は,前記2の1.(1)に補正後の発明として記載した発明,すなわち本件補正発明から,上記第2の2で指摘した各限定事項を省いたものである。
そうすると,本願発明の発明特定事項をすべて含み,さらに,他の発明特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が,上記第2の2.(4)に記載したとおり,本願優先日前に頒布された刊行物に記載された引用発明と同一のものであるから,本願発明も同様に,引用発明と同一のものであり,特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当する。
第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当するから,特許を受けることができない。
したがって,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-001686