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特許拒絶査定不服審判

2017-000456

遊技機

審判番号
2017-000456
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-154571外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年01月12日
審決日
2017年10月05日
公報発行日
2018年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-154571号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月16日出願公開、特開2017- 35121号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年8月4日の出願であって、平成28年6月10日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年8月19日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年9月30日付け(発送日:同年10月13日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年1月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲の記載を補正する内容を含んでおり、平成28年8月19日付けの手続補正書と本件補正の、特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ以下の通りである(下線部は補正箇所を示す。また、A~Gは、分説するために当審にて付した。)。 (補正前:平成28年8月19日付け手続補正) 「【請求項1】 遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である遊技機において、 音を出力する音声出力手段と、 前記待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段と、 前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段と、 前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段と、を備えるとともに、前記第1音量切替手段又は第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させることを特徴とする遊技機。」 (補正後:本件補正である平成29年1月12日付け手続補正) 「【請求項1】 A 遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である遊技機において、 B 音を出力する音声出力手段と、 C 前記待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段と、 D 前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段と、 E 前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段と、を備えるとともに、 F 前記第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させ、 G 前記第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力されることを特徴とする遊技機。」 2 補正の適否 本件補正のうち、「前記第1音量切替手段又は第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させる」を「前記第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させ、」とする補正は、音量確認用の音を音声出力手段から出力させる対象を「前記第1音量切替手段又は第2音量切替手段」と択一的に記載していたものを「前記第1音量切替手段」のみに限定するものである。 本件補正のうち、「前記第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力される」との事項を追加する補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2音量切替手段」について、その具体的態様が特定されていなかったものを、「切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力される」に限定するものである。 また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0292】及び【0293】に基づくものであり、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件について 本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記1の本件補正の概要において示したとおりのものである。 (2)刊行物に記載された事項 (2-1)平成28年6月10日付けの拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-239609号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア「【請求項1】 スピーカと、 音量を設定することができるボリュームと、 遊技の進行を制御する主制御基板と、 該主制御基板からのコマンドに基づいて演出の進行を制御する演出制御基板と、 操作することにより前記演出に関与することができる演出操作部と、 を備える遊技機であって、 前記演出制御基板は、少なくとも、 前記ボリュームで設定される音量で演出に関する演出音の音量を調整する演出音音量調整制御手段と、 所定の条件が成立したときに前記演出操作部が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音音量調整制御手段が調整した前記演出音の音量を強制的に変更する演出音音量変更制御手段と、 前記演出音音量調整制御手段が音量調整した前記演出音又は前記演出音音量変更制御手段が強制的に音量調整した前記演出音を前記スピーカから流す制御を実行する音出力実行制御手段と、 を備え、 前記演出音音量変更制御手段は、前記所定の条件が成立したときにおいて、前記演出音音量調整制御手段が調整した前記演出音の音量を大きくするように前記演出操作部が操作されたときには該操作に応じて当該演出音の音量を強制的に大きく変更する一方、前記演出音音量調整制御手段が調整した前記演出音の音量を小さくするように前記演出操作部が操作されたときには該操作に応じて当該演出音の音量を強制的に小さく変更することを特徴とする遊技機。」 イ「【0574】 [6-3.周辺制御基板] 周辺制御基板4140は、図100に示すように、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4150と、液晶表示装置1900の描画制御と本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム4140aと、を備えている。」 ウ「【0629】 なお、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようにっていることに加えて、図43に示した、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することで大当り遊技状態が発生している期間(例えば、大当り遊技状態として1ラウンド~15ラウンドまでの計15ラウンドが設定されている場合には、1ラウンド~15ラウンドまでの各ラウンドを消化している期間)内において演出音のサブボリューム値を調節することができるようになっている。本実施形態では、大当り遊技状態を実行中に音楽が本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるようになっており、例えばドラム音がズンズン響いて不快に感じる遊技者は音量を小さく調節して大当り遊技状態を心地よく消化させることができ、また迫力ある音量で大当り遊技状態を消化したい遊技者は音量を大きく調節して大当り遊技状態を心地よく消化させることができるようになっている。大当り遊技状態において調節された演出音のサブボリューム値は、大当り遊技状態が消化されたのち、そのサブボリューム値が維持されて演出が進行するようになっている。演出音のサブボリューム値は、パチンコ遊技機1の電源投入後、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われている期間内において、デフォルト値(初期値)として、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームが設定されるようになっている。ここで、大当り遊技状態が発生している期間内において操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるプログラムについて簡単に説明する。このプログラムは、音量調整ボリューム4140aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ4150akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、操作ユニット400のダイヤル操作部401の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP4160aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。 【0630】 このように、本実施形態では、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、操作ユニット400のダイヤル操作部401の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム4140aは、周辺制御基板4140に実装されているため、本体枠3を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム4140aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、大当り遊技状態が発生している期間(例えば、大当り遊技状態として1ラウンド~15ラウンドまでの計15ラウンドが設定されている場合には、1ラウンド~15ラウンドまでの各ラウンドを消化している期間)内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく不快に感じる場合には、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作して所望の音量まで小さくすることができる。また本実施形態では、大当り遊技状態を実行中に音楽が本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れるようになっているため、例えばドラム音がズンズン響いて不快に感じる遊技者は音量を小さく調節して大当り遊技状態を心地よく消化させることができるし、より迫力ある音量で大当り遊技状態を消化したい遊技者は音量を大きく調節して大当り遊技状態を心地よく消化させることができるようになっている。 【0631】 また、本実施形態では、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われると、前回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム4140aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている(つまり、演出音のサブボリューム値が、デフォルト値(初期値)として、上述した、音量調整ボリューム4140aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームが設定されるようになっている)。これにより、今回、パチンコ遊技機1の前面に着座して遊技を行う遊技者は、大当り遊技状態が発生している期間(例えば、大当り遊技状態として1ラウンド~15ラウンドまでの計15ラウンドが設定されている場合には、1ラウンド~15ラウンドまでの各ラウンドを消化している期間)内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作して所望の音量に調節することができる。 ・・・ 【0634】 装飾図柄1900a~1900cの変動表示が開始され、所定時間経過した後に装飾図柄1900a~1900cの変動表示が停止されて、停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせとであるときには、図153(b)に示すように、「大当り」である旨を伝えるメッセージMGAが液晶表示装置1900の表示領域の中央上側に表示され、「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGBが表示領域の中央に表示され、図41に示した操作ユニット400のダイヤル操作部401を模したジョグダイヤルJGDが表示領域の中央下側に表示され、ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を左方向に回転させる左回転操作を行うことで音量を「小」さくすることができるという旨を伝えるメッセージMGCがジョグダイヤルJGDの左側に表示されるとともに、ジョグダイヤルJGD(ダイヤル操作部401)を右方向に回転させる右回転操作を行うことで音量を「大」きくすることができるという旨を伝えるメッセージMGDFがジョグダイヤルJGDの右側に表示されるようになっている。」 エ「【0638】 このように、本実施形態では、大当り遊技状態を実行中に音量を小さくしたり、又は大きくしたりすることができるこにより、遊技者が好まない音楽で不快に感じるときには音量を小さくして大当り遊技状態を心地よく消化することができるようになっているとともに、遊技者が好む音楽であって例えば懐かしく感じる楽曲であったりする場合にはその楽曲を楽しむために音量を大きくして大当り遊技状態を心地よく消化することができるようになっている。」 オ 上記ウには、「パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって液晶表示装置1900によるデモンストレーションが行われる」(【0631】)と記載されている。ここで「遊技が行われていない状態が所定時間継続され」ると「客待ち状態と」なるということは、「遊技が行われていない状態」ではない状態から「遊技が行われていない状態」となってその状態が「所定時間継続」すると「客待ち状態と」なるということであり、「遊技が行われていない状態」ではない状態とは、遊技が行われている状態のことであるから、刊行物1には、遊技が行われている状態から遊技が行われていない状態となり、その状態が所定時間継続すると、デモンストレーションが行われる客待ち状態となるパチンコ遊技機1が記載されているといえる。 カ 上記ウには「停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせとであるときには、図153(b)に示すように、「大当り」である旨を伝えるメッセージMGAが液晶表示装置1900の表示領域の中央上側に表示され、「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGBが表示領域の中央に表示され、」(【0634】)と記載され、上記イには、「液晶表示装置1900の描画制御と・・・を行う液晶及び音制御部4160」(【0574】)と記載されているから、刊行物1には、停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせであるときに、「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGBが液晶表示装置1900に表示されるように制御する液晶及び音制御部4160が記載されているといえる。 キ 上記ウには「大当り遊技状態が発生している期間・・・内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる」(【0630】)と記載され、上記イには、「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160」(【0574】)と記載されているから、刊行物1には、大当り遊技状態が発生している期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音の音量を所望の音量に調節する液晶及び音制御部4160が記載されているといえる。 ク 上記イには、「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶及び音制御部4160」(【0574】)と記載され、上記ウには「大当り遊技状態が発生している期間・・・内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる」(【0630】)、「大当り遊技状態を実行中に音量を小さくしたり、又は大きくしたりすることができる」(【0638】)、「大当り遊技状態において調節された演出音のサブボリューム値は、大当り遊技状態が消化されたのち、そのサブボリューム値が維持されて演出が進行する」(【0629】)と記載されているから、刊行物1には、液晶及び音制御部4160は、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作すると、大当り遊技状態を実行中に音楽や効果音の音量を小さくしたり、又は大きくしたりし、調節された音量は維持されて演出が進行する点が記載されているといえる。 ケ 上記ア~エの記載事項及び上記オ~クの認定事項から、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a~gは、本件補正発明のA~Gに対応させて付与した。)。 「a 遊技が行われている状態から遊技が行われていない状態となりその状態が所定時間継続するとデモンストレーションが行われる客待ち状態となるパチンコ遊技機1であって、(認定事項オ) b 演出音をスピーカから流す制御を実行する音出力実行制御手段と、(【請求項1】) d 停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせであるときに、「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGBが液晶表示装置1900に表示されるように制御する液晶及び音制御部4160と、(認定事項カ) e 大当り遊技状態が発生している期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音の音量を所望の音量に調節する液晶及び音制御部4160とを備え、(認定事項キ) g 液晶及び音制御部4160は、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作すると、大当り遊技状態を実行中に音楽や効果音の音量を小さくしたり、又は大きくしたりし、調節された音量は維持されて演出が進行するパチンコ遊技機1。(認定事項ク)」 (2-2)本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-229766号公報(以下、「刊行物2」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア「【請求項1】 制御コマンドを出力する主制御手段と、 前記制御コマンドに応じた演出制御を行う演出制御手段と、 前記演出制御に応じた演出音を出力する音声出力手段と、 遊技者による前記演出音の音量の出力可能範囲を設定する出力可能範囲設定手段と、 前記出力可能範囲設定手段によって設定された演出音の音量の出力可能範囲内で、遊技者に前記演出音の音量の設定を行わせる音量調整手段とを備え、 前記音声出力手段は、前記音声調整手段による音量調整時に、該音声出力手段から出力される演出音の音量に応じた音量の音情報を調整される音量レベルに応じて出力する ことを特徴とする遊技機。 ・・・ 【請求項5】 前記音量調整手段は、前記表示手段が履歴画面を表示している期間を除いた遊技機の待機状態中に遊技者に音量の設定を行わせることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。」 イ「【0080】 次に、本発明の一実施形態に係る遊技機1の演出音の音量調整処理の具体例について図面を参照して説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る遊技機1における演出音の音量調整可能期間を説明するためのタイミングチャートである。本実施形態に係る遊技機1では、遊技者による演出音の音量調整を客待ち期間中(演出制御基板102が主制御基板101より客待ちコマンドを受信したタイミングから、変動コマンドを受信する直前のタイミングまでの期間)可能とする。但し、本実施形態では、一例として、客待ち期間中であっても遊技者等のボタン操作等によって履歴画面が表示されている間は演出音の音量調整はできないようにしている。 ・・・ 【0092】 なお、本実施形態では、ステップS12の音量バー表示処理時に、音声出力装置18から遊技中に出力される変動音、又は変動音に相当する専用の音声やその他の機械音等の音情報を出力するようにする。また、この際に音声出力装置18から出力される音情報の音量は、音量調整後に実際に遊技機1から出力される演出音の音量と同じ又は同程度の音量とする。 【0093】 上述したステップS12の音量バー表示処理の後、遊技者によって上キー201や下キー202が操作されると、これに応じて音量が調整される(ステップS13)。具体的には、遊技者によって上キー201が操作されると、十字キー検出スイッチ25aは、上キー201の操作が行われたことを演出制御基板102に知らせるための信号を送信する。そして、信号を受信した演出制御基板102は、演出音の音量を増大するとともに、音量バーのカーソル位置を右方向に移動させるように指示する信号を液晶・音声制御基板105に送信する。そして、信号を受信した液晶・音声制御基板105は、演出音の音量を増大するとともに、音量バーのカーソル位置を右方向に移動させる。また、ステップS12で出力した変動音等の音量を、遊技者による音量調整レベルの変更に対応させて同様に変更する。これにより、遊技者が実際の音量レベルを聴きながら調整することが可能となる。」 ウ 【0080】の記載を参照すると、【図6】には、演出音の音量調整可能期間を説明するタイムチャートが記載されており、遊技状態が、「変動中」から「客待ち中」となりさらに「変動中」となる点がみてとれる。 (3)対比 本願補正発明と刊行物1発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(g)とし、本願補正発明、刊行物1発明の文節に対応させている。 (a)刊行物1発明の「客待ち状態」は、本願補正発明の「遊技者による遊技が行われていない待機状態」に相当する。また、刊行物1発明は、「遊技が行われている状態から遊技が行われていない状態となりその状態が所定時間継続するとデモンストレーションが行われる客待ち状態となる」ものであり、「客待ち状態」の後、遊技者が遊技を開始すれば、遊技実行状態になることは遊技機分野の技術常識であるから、遊技実行状態と待機状態とに遷移可能であるといえる。 したがって、刊行物1発明の構成aは、本願補正発明の「遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能」であることに相当する。 (b)刊行物1発明の「演出音をスピーカから流す制御を実行する音出力実行制御手段」は、本願補正発明の「音を出力する音声出力手段」に相当する。 (d)刊行物1発明の「停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせであるとき」は、大当り遊技状態が発生した遊技実行状態であるといえるから、本願補正発明の「遊技実行状態」に相当する。 また、刊行物1発明の「「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGB」及び「メッセージMGBが液晶表示装置1900に表示されるように制御する液晶及び音制御部4160」は、それぞれ、本願補正発明の「音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出」及び「演出を実行する制御手段」に相当する。 したがって、刊行物1発明の「停止表示された装飾図柄1900a~1900cの組み合わせが大当りとなる組み合わせであるときに、「ダイヤル操作部を操作すると音量調節ができます。」という旨を伝えるメッセージMGBが液晶表示装置1900に表示されるように制御する液晶及び音制御部4160」は、本願補正発明の「前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段」に相当する。 (e)刊行物1発明の「大当り遊技状態が発生している期間内」は、大当り遊技状態が発生している遊技実行状態であるといえるから、本願補正発明の「遊技実行状態」に相当する。 また、刊行物1発明の「操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより」及び「本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音の音量を所望の音量に調節する液晶及び音制御部4160」は、それぞれ、本願補正発明の「遊技者の入力操作に基づいて」及び「前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段」に相当する。 したがって、刊行物1発明の「大当り遊技状態が発生している期間内において、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作することにより、本体枠3に設けたスピーカ821及び扉枠5に設けたスピーカ130,222,262から流れる音楽や効果音の音量を所望の音量に調節する液晶及び音制御部4160」は、本願補正発明の「前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段」に相当する。 (g)刊行物1発明において、「操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作すると」、「液晶及び音制御部4160は」、音量の切替えを行うから、刊行物1発明の「液晶及び音制御部4160は、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作すると」は、本願補正発明の「前記第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合」に相当する。 刊行物1発明は、「大当り遊技状態を実行中に音楽や効果音の音量を小さくしたり、又は大きくしたりし、調節された音量は維持されて演出が進行する」ものであり、音楽や効果音が別の音に変化していないから、本願補正発明の「その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力される」に相当する構成を有している。 したがって、刊行物1発明の「液晶及び音制御部4160は、操作ユニット400のダイヤル操作部401を操作すると、大当り遊技状態を実行中に音楽や効果音の音量を小さくしたり、又は大きくしたりし、調節された音量は維持されて演出が進行する」ことは、本願補正発明の「前記第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力されること」に相当する。 そうすると、両者は、 「A 遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、を有し、遊技状態から待機状態に遷移可能な遊技機において、 B 音を出力する音声出力手段と、 D 前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段と、 E 前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段と、を備えるとともに、 G 前記第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力されることを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点) 音量を切り替える「音量切替手段」に関し、 本願補正発明は、「遊技実行状態」において「音量を切り替える第2音量切替手段」に加えて、「待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段」(構成C)を有し、「第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させ」る構成(構成F)を有するのに対し、 刊行物1発明は「遊技実行状態」において「出力される音量を切り替える第2音量切替手段」は有するものの、「待機状態」において「出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段」(構成C)を有さず、そのため「第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させ」る構成(構成F)も有さない点。 (4)判断 上記相違点について検討する。 上記(2)(2-2)に記載された刊行物2には、変動中から客待ち中になりその後また変動中になる遊技機(本願補正発明の「遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である遊技機」に相当【図6】)の客待ち期間中に遊技者に音量の設定を行わせるものであって(【請求項5】、【0080】)、遊技者の操作によって音量の設定を行わせる音量調整手段(本願補正発明の「第1音量切替手段」に相当、【請求項1】、【請求項5】、【0093】を参照)を有し、音量バー表示処理時、すなわち前記音声調整手段による音量調整時に、音声出力手段から出力される演出音の音量に応じた音量の変動音に相当する専用の音声やその他の機械音等の音情報を、調整される音量レベルに応じて出力する(本願補正発明の「切り替えられた音量に相当する音量確認用の音」に相当、【0092】、【0093】)遊技機が、記載されている。 これらは本願補正発明の「遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、を有し、遊技状態から待機状態に遷移可能な遊技機」において、構成C及び構成Fを全て含むものである。 そして刊行物1発明と、上記刊行物2に記載された事項とは遊技者によって音量切替を可能にするという点で共通するものであるから、刊行物1発明に、上記刊行物2に記載された、客待ち期間中に遊技者の操作によって音量の設定を行わせる音量調整手段(本願補正発明の「第1音量切替手段」に相当)を有する構成を適用し、上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になしえたものである。 そして本願補正発明の作用効果は、刊行物1発明及び刊行物2に記載の事項から当業者が予測し得る範囲のものであり、格別顕著なものではない。 (5)請求人の主張について 請求人は、平成29年1月12日付けの審判請求書において、以下のように主張している。 「新請求項1記載の発明は、以下の如き特徴点を有している。 (a)待機状態において、遊技者の入力操作に基づいて、音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段と、遊技実行状態において、遊技者の入力操作に基づいて、音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段とを有する点 (b)第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を音声出力手段から出力させ、第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力される点 そして、本願発明は、上記特徴点により以下の如き特有の効果を奏することができる。 (i)上記特徴点(a)を有することにより、遊技機の演出の内容や周囲の状況に応じて、遊技者が適切な音量に切り替えることができる。 (ii)上記特徴点(b)により、待機状態において音量確認用の音に基づいて音量を切り替えているときに、例えば図柄変動が開始された場合であっても、切り替えられた音量にて遊技実行状態の演出時の音が出力されるので、その演出時の音に基づいて継続して音量の調整を行わせることができる。 (iii)上記特徴点(b)により、待機状態においては、音量確認用の音が出力されるので音量調整をより確実に行わせることができるとともに、遊技実行状態においては、切り替えられた音量にて演出時の音が出力されるので音量調整によって演出が妨げられるのを回避することができる。」(5頁第4行~第24行) しかしながら、上記3(4)で示したように、遊技者による音量切替を可能にする手段を有する刊行物1発明に、同じ課題である遊技者による音量切替を可能にする手段を有する上記刊行物2に記載された技術を適用し、待機時に音量の切り替えを可能とする「音量調整手段」(本願補正発明の「第1音量切替手段」に相当)を有する構成とすることは当業者が容易になしえたものである。したがって請求人の主張は採用できない。 (6)まとめ したがって、本件補正発明は刊行物1発明と刊行物2に基づいて、当業者が容易に発明できたもので有り、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 本願補正発明は、上記第2の通り却下されたので、本願の請求項1にかかる発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年8月19日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1で補正前として記載された以下のとおりのものである(A~Fは、分説するために当審にて付した。)。 「【請求項1】 A 遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である遊技機において、 B 音を出力する音声出力手段と、 C 前記待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段と、 D 前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段と、 E 前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段と、を備えるとともに、 F 前記第1音量切替手段又は第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させることを特徴とする遊技機。」 1 刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-80584号公報(以下、「刊行物3」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア「【0035】 遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、・・・」 イ「【0042】 演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。」 ウ「【0121】 ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS78)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。ステップS77における演出用乱数更新処理に続いて、演出出力設定処理が実行される(ステップS77)。演出出力設定処理は、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯させるときの光量といった、演出装置の出力量を変更するための処理などを含んでいればよい。ステップS77にて演出出力設定処理を実行した後には、ステップS72の処理に戻る。こうしたステップS74~S77の処理を実行することなどによって、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じた演出の実行を制御する。」 エ「【0134】 ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。」 オ「【0140】 図12は、図11のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS301)。これらの変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS301;No)、パチンコ遊技機1における客待ち状態などにてデモンストレーション表示(デモ表示)を含めたデモンストレーション演出を実行するための制御を行う(ステップS302)。一例として、ステップS302の処理では、デモンストレーション演出を実行するために予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。」 カ「【0146】 ステップS301にて変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS301;Yes)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始待ち処理を終了する。 【0147】 図13は、図11のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS311)。ステップS311の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「小当り」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」、「突確(大当り)」がある。」 キ「【0160】 変動中メッセージMN1A、変動中メッセージMN2A、変動中メッセージMN3Aは、パチンコ遊技機1における遊技の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1B、変動中メッセージMN2B、変動中メッセージMN3Bは、パチンコ遊技機1のモチーフとなるストーリー(物語)の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1C、変動中メッセージMN2C、変動中メッセージMN3Cは、遊技説明やストーリー説明に限定されない一般的な内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1Dは、例えば音量や光量といった、演出装置における出力量の設定を示す通常メッセージであり、特に、演出装置の出力量が最小出力量であることを示す通常メッセージである。変動中メッセージMN1Eは、演出カスタマイズによる特典演出の実行制御が有効化されているか否かを示す通常メッセージであり、特に、演出カスタマイズによる特典演出が無効であることを示す通常メッセージである。 【0161】 この実施の形態では、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示とテロップ表示のいずれに決定されたかにかかわらず、共通の変動中メッセージが決定され、変動中メッセージ種別の決定結果に応じて異なる報知態様で報知される。キャラクタ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとなってメッセージが報知される。テロップ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上における所定領域(例えば画面上部のメッセージ表示エリアなど)にてメッセージを示す演出画像(文字画像など)がテロップ表示(スクロール表示)される。 【0162】 図16(A)~(E)は、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示に決定された場合に対応する変動中メッセージの報知例を示している。例えば変動中メッセージMN1Aとして、図16(A)に示すように、「ステップアップ予告はステップが進むほどアツイ!!」という遊技説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Bとして、図16(B)に示すようなストーリー説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Cとして、図16(C)に示すような一般メッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Dとして、図16(D)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Eとして、図16(E)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。」 ク「【0183】 図13に示すステップS316の処理にて「実行なし」と判定された場合や(ステップS316;Yes)、ステップS317の処理を実行した後には、簡単スタート指示受付期間を設定する(ステップS318)。簡単スタート指示受付期間は、変動中メッセージMN1Eや予告演出パターンYKP1Eに決定された場合に、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、プッシュボタン31Bに対する操作を有効に受け付けて、簡単スタートによる演出カスタマイズを開始可能にする期間である。ステップS318の処理に続いて、出力変更指示受付期間を設定する(ステップS319)。出力変更指示受付期間は、変動中メッセージMN1Dや予告演出パターンYKP1Dに決定された場合に、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する操作を有効に受け付けて、演出出力の設定変更を可能にする期間である。」 ケ「【0186】 ステップS322の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS323)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS324)、可変表示開始設定処理を終了する。」 コ「【0195】 図24に示すステップS221にて設定切替スイッチ300の変更がない場合や(ステップS221;No)、ステップS222の処理を実行した後には、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップS223A)。遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップS223A;Yes)、出力変更の指示があったか否かを判定する(ステップS223B)。演出制御用CPU120は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)が検出された場合に、出力変更の指示があったと判定すればよい。また、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作が検出されたときなどに、出力変更の指示があったと判定すればよい。 【0196】 ステップS223Bにて出力変更の指示があった場合には(ステップS223B;Yes)、指示に対応した表示と設定を行う(ステップS224)。この実施の形態では、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合に、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を操作することにより、設定切替スイッチ300のスイッチ位置と同様に、演出出力量を6段階のいずれかに設定変更(調整)することができる。画像表示装置5の画面上には、例えばデモ画面のレイヤーに設定変更画面のレイヤーを重畳表示するなどして、設定変更画面の裏ではデモ画面の表示が継続されてもよい(音声出力なども継続される)。」 サ「【0198】 図24に示すステップS224の処理では、変更後の演出出力量を報知する確認動作が実行されてもよい。例えば演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから変更後の音量に対応する確認音を出力させる。また、演出制御用CPU120は、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを変更後の光量に対応して点灯させる。」 シ 上記コには、「飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中」、「デモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間」(【0195】)と記載されている。上記オには、「可変表示開始待ち処理において、・・・変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS301;No)、パチンコ遊技機1における客待ち状態などにてデモンストレーション表示(デモ表示)を含めたデモンストレーション演出を実行するための制御を行う(ステップS302)。」(【0140】)、上記カには、「ステップS301にて変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS301;Yes)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始待ち処理を終了する。」(【0146】)と記載されている。また、上記カには、「図13は、・・・可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。」(【0147】)、上記ケには、「演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから・・・可変表示開始設定処理を終了する。」(【0186】)と記載されている。【0147】、【0186】の記載を参照すると、図13には、可変表示開始設定処理の最後に演出プロセスフラグの値を“2”とすることが記載されている。さらに、上記エに「可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、・・・飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。」(【0134】)と記載され、このことから、ステップS301にて変動開始コマンドの受信があった場合には可変表示開始設定処理を経て可変表示中演出処理が実行される、すなわち、可変表示中となることが記載されているといえる。ここで、上記コの記載から、可変表示中は遊技実行中であるから、刊行物3には、遊技実行中の状態と、デモンストレーション表示(デモ表示)といった、遊技が開始されていない状態を有し、可変表示開始待ち処理で変動開始コマンドの受信が無い場合は客待ち状態になってデモンストレーション表示を行い、変動開始コマンドの受信があった場合には遊技実行中となる遊技機が記載されているといえる。 ス 上記アには「効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており」(【0035】)と記載されており、上記ウには「演出出力設定処理は、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量・・・といった、演出装置の出力量を変更するための処理などを含んで」(【0121】)いることが記載されており、刊行物3には、効果音等の音声を出力するスピーカ8L、8Rが記載されているといえる。 セ 上記コには、「デモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)が検出された場合に、出力変更の指示があったと判定すればよい。また、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作が検出されたときなどに、出力変更の指示があったと判定すればよい。」(【0195】)と記載され、また、「ステップS223Bにて出力変更の指示があった場合には(ステップS223B;Yes)、指示に対応した表示と設定を行う(ステップS224)。・・・遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合に、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を操作することにより、設定切替スイッチ300のスイッチ位置と同様に、演出出力量を6段階のいずれかに設定変更(調整)することができる。」(【0196】)と記載されている。ここで、上記ウに記載の「例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量・・・といった、演出装置の出力量」(【0121】)から、演出出力量は音量といえる。また、「設定を行う」あるいは、「設定変更(調整)することができる」ということは、そのような手段を有することは明らかであるから、刊行物3には、デモンストレーション表示中といった、遊技が開始されていない所定期間に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段を有し、また、遊技実行中に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段を有する遊技機が記載されている。 ソ 上記キには、「変動中メッセージMN1Dは、例えば音量や光量といった、演出装置における出力量の設定を示す通常メッセージであり、特に、演出装置の出力量が最小出力量であることを示す通常メッセージである。」(【0160】)、「変動中メッセージMN1Dとして、図16(D)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。」(【0162】)と記載され、図16(D)には、キャラクタCH1のセリフとして「音量設定が「最小」です レバーを使って変更できます」との記載されている。このことから刊行物3には、レバーを使って音量設定を変更できることを示す変動中メッセージMN1Dの表示がなされる点が記載されているといえる。また、上記クの「変動中メッセージMN1Dや予告演出パターンYKP1Dに決定された場合に、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する操作を有効に受け付け」(【0183】)との記載と、上記コの「飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作が検出されたとき」(【0195】)の記載とから、変動中メッセージMN1Dが遊技の実行中に表示されることがわかる。さらに、上記キには、「キャラクタ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとなってメッセージが報知される。テロップ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上における所定領域・・・にてメッセージを示す演出画像・・・がテロップ表示・・・される。」(【0161】)と記載され、変動中メッセージは、画像表示装置5に表示されるといえる。上記イの、「演出制御基板12は、・・・画像表示装置5、・・・といった演出用の電気部品による演出動作を制御する」(【0042】)の記載から、画像表示装置5は、演出制御基板12が制御する。これらの記載から、刊行物3には、可変表示中といった遊技実行中に、レバーを使って音量設定を変更できることを示す変動中メッセージMN1Dの表示が画像表示装置5でなされるように制御する演出制御基板12が記載されているといえる。 タ 上記サには「図24に示すステップS224の処理では、・・・音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから変更後の音量に対応する確認音を出力させる。」(【0198】)と記載され、また、上記コには「ステップS223Bにて出力変更の指示があった場合には(ステップS223B;Yes)、指示に対応した表示と設定を行う(ステップS224)。」(【0196】)と記載されているから、刊行物3には、音量の出力変更の指示があり対応した設定変更を行った場合に、変更後の音量に対応する確認音をスピーカ8L、8Rから出力させることが記載されているといえる。 チ 上記ア~サの記載事項及び上記シ~タの認定事項から、刊行物3には次の発明(以下「刊行物3発明」という。)が記載されていると認められる(a~fは、本願発明のA~Fに対応させて付与した。)。 「a 遊技実行中の状態と、デモンストレーション表示(デモ表示)といった、遊技が開始されていない状態を有し、可変表示開始待ち処理で変動開始コマンドの受信が無い場合は客待ち状態になってデモンストレーション表示を行い、変動開始コマンドの受信があった場合には遊技実行中となる遊技機であって、(認定事項シ) b 効果音等の音声を出力するスピーカ8L、8Rを有し、(認定事項ス) c デモンストレーション表示中といった、遊技が開始されていない所定期間に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段を有し、(認定事項セ) d 遊技実行中に、レバーを使って音量設定を変更できることを示す変動中メッセージMN1Dの表示が画像表示装置5でなされるように制御する演出制御基板12を有し、(認定事項ソ) e 遊技実行中に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段を有し、(認定事項セ) f 音量の出力変更の指示があり対応した設定変更を行った場合に、変更後の音量に対応する確認音をスピーカ8L、8Rから出力させる遊技機。(認定事項タ)」 2 対比 本願発明と刊行物3発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(f)とし、本願発明、刊行物3発明の文節に対応させている。 (a)刊行物3発明の「遊技実行中の状態」は、本願発明の「遊技実行状態」に相当する。刊行物3発明の「デモンストレーション表示(デモ表示)といった、遊技が開始されていない状態」は、本願発明の「遊技者による遊技が行われていない待機状態」に相当する。そして、「可変表示開始待ち処理で変動開始コマンドの受信が」あるか無いかによって「遊技実行中の状態」になったり「客待ち状態になってデモンストレーション表示を行」う状態になったりするわけであるから、刊行物3発明の「可変表示開始待ち処理で変動開始コマンドの受信が無い場合は客待ち状態になってデモンストレーション表示を行い、変動開始コマンドの受信があった場合には遊技実行中となる」ことは、本願発明の「遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能」であることに相当する。 したがって、刊行物3発明の「遊技実行中の状態と、デモンストレーション表示(デモ表示)といった、遊技が開始されていない状態を有し、可変表示開始待ち処理で変動開始コマンドの受信が無い場合は客待ち状態になってデモンストレーション表示を行い、変動開始コマンドの受信があった場合には遊技実行中となる」ことは、本願発明の「遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である」ことに相当する。 (b)刊行物3発明の「効果音等の音声を出力するスピーカ8L、8R」は、本願発明の「音を出力する音声出力手段」に相当する。 (c)刊行物3発明の「デモンストレーション表示中といった、遊技が開始されていない所定期間」は、本願発明の「待機状態」に相当する。刊行物3発明の「スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作」は、本願発明の「遊技者の入力操作」に相当する。そして刊行物3発明の「音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段」は、本願発明の「第1音量切替手段」に相当する。 したがって、刊行物3発明における「デモンストレーション表示中といった、遊技が開始されていない所定期間に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段」は、本願発明における「前記待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段」に相当する。 (d)刊行物3発明の「レバーを使って音量設定を変更できることを示す変動中メッセージMN1D」は、演出出力の音量の切り替えに関する演出と言えるから、本願発明の「音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出」に相当する。刊行物3発明の「変動中メッセージMN1Dの表示が画像表示装置5でなされるように制御する演出制御基板12」は、本願発明の「演出を実行する制御手段」に相当する。 したがって、刊行物3発明における「遊技実行中に、レバーを使って音量設定を変更できることを示す変動中メッセージMN1Dの表示が画像表示装置5でなされるように制御する演出制御基板12」は、本願発明における「前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段」に相当する。 (e)刊行物3発明の「遊技実行中」は、本願発明の「遊技実行状態」に相当する。上記(c)と同様、刊行物3発明の「スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作」は、本願発明の「遊技者の入力操作」に相当する。そして、刊行物3発明の「音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段」は、上記(c)で検討した「設定変更する手段」と同じ手段であり、別の手段ではないから、本願発明の「第2音量切替手段」と音量を切り替える「音量切替手段」であるという点で共通する。 したがって、刊行物3発明における「遊技実行中に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段」は、本願発明における「前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第2音量切替手段」と「遊技実行状態において、遊技者の入力操作に基づいて、音声出力手段により出力される音の音量を切り替える音量切替手段」を備える点で共通する。 (f)刊行物3発明の「音量の出力変更の指示があり対応した設定変更を行った場合」は、本願発明の「音量の切り替えが行われた場合」に相当する。刊行物3発明の「変更後の音量に対応する確認音をスピーカ8L、8Rから出力させる」は、本願発明の「切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させる」に相当する。 しかしながら、上記(e)で検討したように、刊行物3発明の「音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段」は、同じ1つの手段である。 したがって、刊行物3発明における「音量の出力変更の指示があり対応した設定変更を行った場合に、変更後の音量に対応する確認音をスピーカ8L、8Rから出力させる」ことは、本願発明における「前記第1音量切替手段又は第2音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させること」と「第1の音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させる」点で共通する。 そうすると、両者は、 「A 遊技者により遊技が行われている遊技実行状態と、遊技者による遊技が行われていない待機状態と、に遷移可能である遊技機において、 B 音を出力する音声出力手段と、 C 前記待機状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える第1音量切替手段と、 D 前記遊技実行状態において、前記音声出力手段から出力される音の音量の切り替えに関する演出を実行する制御手段と、 E’ 前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える音量切替手段と、を備えるとともに、 F’前記第1音量切替手段による音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させることを特徴とする遊技機。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1)(構成Eに関して) 遊技機が備える「前記遊技実行状態において、前記遊技者の入力操作に基づいて、前記音声出力手段により出力される音の音量を切り替える」「音量切替手段」に関して、 本願発明は、「第2音量切替手段」であるのに対して、 刊行物発明3は、上記構成Cと同じ「音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段(第1音量切替手段)」であり、そのような構成でない点。 (相違点2)(構成Fに関して) 「音量の切り替えが行われた場合、その切り替えられた音量に相当する音量確認用の音を前記音声出力手段から出力させる」「音量切替手段」に関して、 本願発明は、「第2音量切替手段又は第1音量切替手段」であるのに対して、 刊行物発明3は、「音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する手段(第1音量切替手段)」が1つしかないため、そのような構成でない点。 3 判断 上記相違点について検討する。 (相違点1~2) 相違点1~2は関連するのでまとめて検討する。刊行物3発明の「デモンストレーション表示中といった、遊技が開始されていない所定期間に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する」こと(構成c)と「遊技実行中に、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)の操作に基づいて、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量を6段階のいずれかに設定変更する」こと(構成e)はともに、「音量切替手段」により音量を変更するものであるといえるが、音量を設定変更する期間(タイミング)は異なるわけであるから、これらの設定変更を同じ「音量切替手段」で行うことに変えて、異なる「音量切替手段」で行い、本願発明の「第1音量切替手段」と「第2音量切替手段」を有する構成として、上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者であれば適宜なし得ることと認められる。また、そのような構成としたことによる格別なる効果もない。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物3発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論の通り審決する。

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2017-000456

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