特許異議申立
2016-700949
コンバータ装置及び半導体装置
- 審判番号
- 2016-700949
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-509752
- 登録番号
- 特許第5899469号(P5899469)
- 請求日
- 2016年10月04日
- 審決日
- 2017年06月15日
- 公報発行日
- 2017年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【権利者代理人】新居 広守
- 【権利者代理人】寺谷 英作
- 【権利者代理人】道坂 伸一
- 【異議申立人】山川 大志
- 審判長/審判官
- 審判長 新川 圭二
- 審判官 高瀬 勤
- 審判官 山田 正文
- 分類
- P1651.113-YAA(H02M) / P1651.121-YAA(H02M) / P1651.536-YAA(H02M) / P1651.537-YAA(H02M) / P1651.851-YAA(H02M) / P1651.852-YAA(H02M) / P1651.857-YAA(H02M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5899469号発明「コンバータ装置及び半導体装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5899469号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4、11~20〕、〔5、6、23~32〕、〔21、22〕、〔7、33~42〕、〔8~10、43~52〕について訂正することを認める。
特許第5899469号の請求項2ないし7、9ないし52に係る特許を維持する。
特許第5899469号の請求項1、8に係る特許についての特許異議の申立を却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第5899469号の請求項1ないし20に係る特許についての出願は、平成24年3月28日(優先権主張 平成23年4月14日)に出願され、平成28年3月18日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人 山川大志により特許異議の申立てがなされ、当審において平成28年12月20日付けで取消理由を通知し、その指定期間内である平成29年2月20日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人 山川大志から平成29年4月25日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正は、「特許第5899469号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、一群の請求項ごとに訂正する」ことを求めるものであり、その訂正の内容は、本件特許に係る特許請求の範囲を、次のように訂正するものである。
(1)請求項1~6および請求項11~32の一群の請求項に係る訂正
(当審注:訂正事項1として請求項1の削除を含むから、訂正請求書の「7 請求の理由 (1)」において、「請求項2~6および請求項11~32からなる一群の請求項に係る訂正について」のうち「請求項2~6」とあるのは、「請求項1~6」の誤記である。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記整流器は、少なくとも前記入力交流電圧を半波整流する機能を有し、前記AC遮断検出回路は、前記入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力する請求項1に記載のコンバータ装置。」と記載されているのを、「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に(当審注:訂正請求書の請求の理由に「前記入力交流電圧の入力が遮断された時に」とあるのは、「入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に」の誤記である。)、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず、前記放電回路は、ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、前記AC遮断検出回路は、前記入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力し、前記放電回路は、前記アクロスザラインコンデンサの前記残留電荷を放電する場合、当該残留電荷を前記整流器により全波整流された電流として放電するコンバータ装置。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3、4、11~20も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1または2に記載のコンバータ装置」とあるのを、「請求項2に記載のコンバータ装置」に訂正する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5に、「さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間、あるいは、前記整流器のカソード端子と前記第1接続点との間に、前記整流器のカソード端子から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器のカソード端子に接続されている請求項1に記載のコンバータ装置。」と記載されているのを、「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、アノード端子及びカソード端子を有し、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、前記整流器の後段に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、前記放電回路は、ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間、あるいは、前記整流器のカソード端子と前記第1接続点との間に、前記整流器のカソード端子から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器のカソード端子に接続されているコンバータ装置。」に訂正する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11に「請求項1、2及び5~7、及び10のいずれか1項に記載のコンバータ装置」とあるのを、「請求項2に記載のコンバータ装置」に訂正する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項17に「請求項1、2及び5~10のいずれか1項に記載のコンバータ装置」とあるのを、「請求項2に記載のコンバータ装置」に訂正する。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項3に、「さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記第1接続点から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器の前段に接続されている請求項1または2に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、アノード端子及びカソード端子を有し、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、前記整流器の後段に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、前記放電回路は、ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記第1接続点から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器の前段に接続されているコンバータ装置。」と改め、新たに請求項21とする。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項4に、「さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える請求項3に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項1を引用する)請求項3を引用するものについて、「さらに、前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える請求項21に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項22とする。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11に、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項1、2、5~7、及び10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項5または6を引用するものについて、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項5または6に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項23とする。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項12に、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項23に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項24とする。
サ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項13に、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項23に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項25とする。
シ 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項14に、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5(当審注:訂正請求書の請求の理由に「請求項25」とあるのは、「請求項5」の誤記である。)または6を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項25に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項26とする。
ス 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項15に、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項25に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項27とする。
セ 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項16に、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項25に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項28とする。
ソ 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項17に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項1、2及び5~10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項5または6を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項5または6に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項29とする。
タ 訂正事項16
特許請求の範囲の請求項18に、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項17に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項17を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項29に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項30とする。
チ 訂正事項17
特許請求の範囲の請求項19に、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項18に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項18を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項30に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項31とする。
ツ 訂正事項18
特許請求の範囲の請求項20に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項19に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項5または6を引用する)請求項19を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項31に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項32とする。
(2)請求項7および請求項33~42からなる一群の請求項に係る訂正
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項7に「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、アノード端子及びカソード端子を有し、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前段に接続され、アノード端子及びカソード端子を有する整流素子と、前記整流器の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、前記整流器の後段に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記整流器の前段に接続され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる放電回路とを備え、前記放電回路は、ドレイン端子が、前記整流素子のカソード端子に接続された、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を、放電させる第1放電用スイッチとを備えるコンバータ装置。」と記載されているのを、「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の第3接続点と第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子と、前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させる放電回路とを備え、前記放電回路は、ドレイン端子が、前記第1整流素子のカソード端子および前記第2整流素子のカソード端子に接続された、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を、放電させる第1放電用スイッチとを備えるコンバータ装置。」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項33~42も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項11に、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項1、2、5~7、及び10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項7を引用するものについて、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項7に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項33とする。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項12に、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項33に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項34とする。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項13に、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項33に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項35とする。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項14に、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項35に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項36とする。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項15に、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項35に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項37とする。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項16に、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項35に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項38とする。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項17に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項1、2及び5~10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項7を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項7に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項39とする。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項18に、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項17に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項17を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項39に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項40とする。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項19に、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項18に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項18を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項40に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項41とする。
サ 訂正事由11
特許請求の範囲の請求項20に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項19に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項7を引用する)請求項19を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項41に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項42とする。
(3)請求項8~10および請求項43~52からなる一群の請求項に係る訂正
(当審注:訂正事項1として請求項8の削除を含むから、訂正請求書の「7 請求の理由 (3)」において、「請求項9-10および請求項43~52からなる一群の請求項に係る訂正について」のうち「請求項9-10」とあるのは、「請求項8~10」の誤記である。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項9に「前記AC遮断検出回路に入力される信号は、前記入力交流電圧が前記整流器によって半波整流された信号である請求項8に記載のコンバータ装置。」と記載されているのを、「入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子と、前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、前記平滑コンデンサの残留電荷の放電経路となる抵抗素子と、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流(当審注:訂正請求書の請求の理由に「信号」とあるのは、「電流」の誤記である。)として放電させ、前記平滑コンデンサの残留電荷を、前記抵抗素子を介して放電させる放電回路と、を備え、前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず、前記放電回路は、前記第1整流素子および第2整流素子のカソード端子と接続され、前記整流器の前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され、(当審注:訂正請求書の請求の理由に「前記整流素子のカソード端子と接続され、前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され、」とあるのは、「前記第1整流素子および第2整流素子のカソード端子と接続され、前記整流器の前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され、」の誤記である。)前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備えるコンバータ装置。」に訂正する(請求項9の記載を引用する請求項10、43~52も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項11に、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項1、2、5~7、及び10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項10を引用するものについて、「さらに、前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている請求項10に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項43とする。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項12に、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項10を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる請求項43に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項44とする。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項13に、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項11に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項10を引用する)請求項11を引用するものについて、「前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる請求項43に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項45とする。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項14に、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項10を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる請求項45に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項46とする。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項15に、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項10を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる請求項45に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項47とする。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項16に、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項13に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項10を引用する)請求項13を引用するものについて、「前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる請求項45に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項48とする。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項17に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項1、2及び5~10のいずれか1項に記載のコンバータ装置。」とあるうち、請求項9または10を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する請求項9または10に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項49とする。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項18に、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項17に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項9または10を引用する)請求項17を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される請求項49に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項50とする。
サ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項19に、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項18に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項9または10を引用する)請求項18を引用するものについて、「前記第1の予め設定された時間は、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される請求項50に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項51とする。
シ 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項20に、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項19に記載のコンバータ装置。」とあるうち、(請求項9または10を引用する)請求項19を引用するものについて、「前記AC遮断検出回路は、前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える請求項51に記載のコンバータ装置。」と改め、新たに請求項52とする。
2 訂正の適否
(1)請求項1~6および請求項11~32からなる一群の請求項に係る訂正
ア 一群の請求項について
訂正事項1~18に係る訂正前の請求項1~6および請求項11~20について、請求項2~6および請求項11~20はそれぞれ請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正ものである。したがって、訂正前において請求項1~6および請求項11~20は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものであり、訂正事項1~18に係る訂正は、一群の請求項に対して請求されたものである。
イ 訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ウ 訂正事項2について
(a)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1を引用する形式であったものを、独立形式とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
また、訂正事項2は、請求項2の「整流器」について、訂正前の「アノード端子及びカソード端子を有し」から、訂正後の「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された」と特定し、
「アクロスザラインコンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の前段に配置された」から、訂正後の「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された」と特定し、
「平滑コンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の後段に配置された」から、「前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された」と特定し、
「AC遮断検出回路」について、訂正前の「入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力する」から、訂正後の「前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力」し、「前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず」と特定し、
「放電回路」について、訂正前の「前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる」から、訂正後の「前記アクロスザラインコンデンサの前記残留電荷を放電する場合、当該残留電荷を前記整流器により全波整流された電流として放電する」と特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正後の請求項3、4、11~20は、訂正後の請求項2を引用するから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
「整流器」に関して、本件明細書段落【0062】には、「ブリッジダイオード11は、アノード端子及びカソード端子を有し、外部の交流電源101に接続され、交流電源101から供給される入力交流電圧を整流する機能を有する整流器である。ブリッジダイオード11は、例えば、4つのダイオードから構成され、第1及び第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点にて接続され、第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点にて接続され、第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードが第3接続点にて接続され、第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードが第4接続点にて接続される。・・・(略)・・・また、第1接続点は、ブリッジダイオード11のカソードであり、第2接続点は、ブリッジダイオード11のアノードと定義される。」と記載され、図1、図15Aおよび図15Bの回路図には、「前記第2接続点がグランド端子に接続されている」ことが示されているから、訂正事項2における「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「アクロスザラインコンデンサ」に関して、本件明細書段落【0062】には、「コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0063】には、「Xコンデンサ12の両電極は、上記交流電圧ライン間に接続される。」と記載されているから、訂正事項2における「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置されたアクロスザラインコンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「平滑コンデンサ」に関して、本件明細書段落【0064】には、「平滑コンデンサ13の両電極は、それぞれ、ブリッジダイオード11の第1接続点であるカソード及び第2接続点であるアノードに接続される。」と記載されているから、訂正事項2における「整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された平滑コンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「AC遮断検出回路」に関して、本件明細書段落【0062】には、「・・・コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0185】には、「AC遮断検出回路21は、交流電圧ラインに直接接続され、」と記載され、さらに、図15Bの回路図には、AC遮断検出回路(21)が整流器(11)の第3接続点または第4接続点とグランド端子を結ぶ経路上に配置された構成が示され、整流器(11)の第3接続点または第4接続点、AC遮断検出回路(21)、およびグランド端子を結ぶ経路上には、整流素子が配置されていないことから、訂正事項2における「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路」、および、「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されて」いないことは、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「放電回路」に関して、本件明細書段落【0066】には、「放電回路30の入力端子は、ブリッジダイオード11のカソードと平滑コンデンサ13との接続点に接続され、AC遮断検出信号VacoffがAC遮断検出回路20から出力された場合に、少なくとも平滑コンデンサ13及びXコンデンサ12の一方の残留電荷を放電させる機能を有する。」と記載され、本件明細書段落【0062】には、4つのダイオードおよび4つの接続点を有する整流器の回路構成の記載と図15A、図15Bとによれば、Xコンデンサからの残留電荷の放電回路による放電は、整流器を介して全波整流されていることは明らかであるから、「放電回路」が「アクロスザラインコンデンサの残留電荷を放電する場合、当該残留電荷を整流器により全波整流された電流として放電する」ことは、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(a)のとおり、訂正事項2は、請求項の記載を引用形式から独立形式とし、「整流器」、「アクロスザラインコンデンサ」、「平滑コンデンサ」、「AC遮断検出回路」の構成要素、およびこれらの接続関係を具体的に特定し、「AC遮断検出回路」および「放電回路」の作用を具体的に特定するものであるから、これらの構成要素により得られる発明特定事項を概念的により下位の発明特定事項にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 訂正事項3について
(a)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項1または2を引用していた請求項3を、請求項2のみを引用する形式に訂正するものであり、訂正事項3は、上記訂正事項2と同様に特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項3が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)から明らかなように、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項3が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)から明らかなように、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
オ 訂正事項4
(a)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項5が訂正前の請求項1を引用する形式であったものを、独立形式とする訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
カ 訂正事項5について
(a)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項1、2、5~7及び10を引用する請求項11を、訂正後の請求項2のみを引用するものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項5が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)からも明らかなように、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項5が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)からも明らかなように、上記訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
キ 訂正事項6について
(a)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項1、2及び5~10のいずれか1項を引用する請求項17を、訂正後の請求項2のみを引用するものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項17が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)からも明らかなように、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項6が引用する請求項2については、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであり、上記(a)から明らかなように、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ク 訂正事項7について
(a)訂正の目的について
訂正事項7は、訂正前の請求項1または2を引用した請求項3のうち、訂正前の請求項1を引用した請求項3を独立形式に訂正し、新たに請求項21とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ケ 訂正事項8について
(a)訂正の目的について
訂正事項8は、訂正前の請求項4が引用する請求項を、訂正前の請求項3(請求項1または2を引用)から、訂正後の請求項21(訂正前の請求項1のみを引用した請求項3)とし、新たに請求項22とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項22が引用する請求項21については、上記「ク 訂正事項7について」のとおりであり、上記(a)から明らかなように、訂正事項8は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
コ 訂正事項9について
(a)訂正事項9は、訂正前の請求項1、2、5~7、及び10を引用する請求項11のうち、請求項5または6を引用するものについて、新たに請求項23とするものであるから、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項23が引用する請求項5または6は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項9は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
サ 訂正事項10について
(a)訂正の目的について
訂正事項10は、訂正前の請求項11(請求項1、2及び5~7、及び10のいずれかを引用)を引用する請求項12のうち、請求項5または6を引用する請求項11について、訂正後の請求項23(請求項5または6を引用)を引用するものとして、新たに請求項24としたものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項24が引用する請求項23は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項10は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
シ 訂正事項11について
(a)訂正の目的について
訂正事項11は、訂正前の請求項11(請求項1、2及び5~7、及び10のいずれかを引用)を引用する請求項13のうち、請求項5または6を引用する請求項11について、訂正後の請求項23(請求項5または6を引用)を引用するものとして、新たに請求項25としたものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項25が引用する請求項23は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項11は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ス 訂正事項12について
(a)訂正の目的について
訂正事項12は、訂正前の請求項14が引用する請求項を、訂正前の請求項13から、訂正後の請求項25とするものとし、新たに請求項26としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項26が引用する請求項25は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項12は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
セ 訂正事項13について
(a)訂正の目的について
訂正事項13は、訂正前の請求項15が引用する請求項を、訂正前の請求項13から、訂正後の請求項25とし、新たに請求項27としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項27が引用する請求項25は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項13は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ソ 訂正事項14について
(a)訂正の目的について
訂正事項14は、訂正前の請求項16が引用する請求項を、訂正前の請求項13から、訂正後の請求項25とし、新たに請求項28としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項28が引用する請求項25は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項14は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
タ 訂正事項15について
(a)訂正の目的について
訂正事項15は、訂正前の請求項1、2及び5~10のいずれか1項を引用する請求項17のうち、請求項5または6を引用するものを、新たに請求項29としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項29が引用する請求項5または6は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項15は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
チ 訂正事項16について
(a)訂正の目的について
訂正事項16は、訂正前の請求項18が引用する請求項を、訂正前の請求項17から訂正後の請求項29を引用するものとし、新たに請求項30としたものであるから、訂正事項16は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項30が引用する請求項29は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項16は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ツ 訂正事項17について
(a)訂正の目的について
訂正事項17は、訂正前の請求項19が引用する請求項を、訂正前の請求項18から訂正後の請求項30を引用するものとし、新たに請求項31としたものであるから、訂正事項17は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項31が引用する請求項30は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項17は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
テ 訂正事項18について
(a)訂正の目的について
訂正事項18は、訂正前の請求項20が引用する請求項を、訂正前の請求項19から、訂正後の請求項31を引用するものとし、新たに請求項32としたものであるから、訂正事項18は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項32が引用する請求項31は、訂正による実質的な内容の変更はなく、また、上記(a)からも明らかなように、訂正事項18は、訂正により実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
(2)請求項7および請求項33~42からなる一群の請求項に係る訂正について
ア 一群の請求項について
訂正事項1~11に係る訂正前の請求項7および請求項11~20について、請求項11~20はそれぞれ請求項7を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項7に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前において請求項7および請求項11~20は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものであり、訂正事項1~11に係る訂正は、一群の請求項に対して請求されたものである。
イ 訂正事項1について
(a)訂正の目的について
訂正事項1は、請求項7の「整流器」について、訂正前の「アノード端子及びカソード端子を有し」から、訂正後の「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された」と特定し、
「アクロスザラインコンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の前段に配置された」から、訂正後の「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された」と特定し、
「平滑コンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の後段に配置された」から、訂正後の「前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された」と特定し、
「整流素子」について、訂正後の「第1整流素子および第2整流素子」とで構成されることを特定し、さらに、訂正前の「整流器の前段に接続され」から、訂正後の「第1整流素子」の「アノード端子がアクロスザラインコンデンサの一端に接続され」、「第2整流素子」の「アノード端子がアクロスザラインコンデンサの他端に接続された」と特定し、
「AC遮断検出回路」について、訂正前の「整流器の前段に接続され」から、訂正後の「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」と特定し、
「放電回路」について、訂正前の「アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」から、訂正後の「アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させる」と特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正後の請求項33~42は、訂正後の請求項7を引用するから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
「整流器」に関して、本件明細書段落【0062】には、「ブリッジダイオード11は、アノード端子及びカソード端子を有し、外部の交流電源101に接続され、交流電源101から供給される入力交流電圧を整流する機能を有する整流器である。ブリッジダイオード11は、例えば、4つのダイオードから構成され、第1及び第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点にて接続され、第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点にて接続され、第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードが第3接続点にて接続され、第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードが第4接続点にて接続される。・・・(略)・・・また、第1接続点は、ブリッジダイオード11のカソードであり、第2接続点は、ブリッジダイオード11のアノードと定義される。」と記載され、図1、図15Aおよび図15B、図19の回路図には、「前記第2接続点がグランド端子に接続されている」ことが示されているから、訂正事項1における「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「アクロスザラインコンデンサ」に関して、本件明細書段落【0062】には、「コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0063】には、「Xコンデンサ12の両電極は、上記交流電圧ライン間に接続される。」と記載されているから、訂正事項1における「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置されたアクロスザラインコンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「平滑コンデンサ」に関して、本件明細書段落【0064】には、「平滑コンデンサ13の両電極は、それぞれ、ブリッジダイオード11の第1接続点であるカソード及び第2接続点であるアノードに接続される。」と記載されているから、訂正事項1における「整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された平滑コンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「整流素子」に関して、本件明細書段落【0209】には、「・・・アクロスザラインコンデンサの一端にアノードが接続された第1ダイオードと、アクロスザラインコンデンサの他端にアノードが接続された第2ダイオードと・・・」と記載され、図19には、アクロスザラインコンデンサ12の一端にアノードが接続されたダイオード112Aと、アクロスザラインコンデンサの他端にアノードが接続されたダイオード112Bとが示されているから、訂正事項1における「整流素子」が「第1整流素子および第2整流素子」で構成され、「アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子」、および、「アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「AC遮断検出回路」に関して、本件明細書段落【0062】には、「・・・コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0185】には、「AC遮断検出回路21は、交流電圧ラインに直接接続され、」と記載され、図15Bの回路図には、AC遮断検出回路(21)が整流器(11)の第3接続点または第4接続点とグランド端子を結ぶ経路上に配置された構成が示されているから、訂正事項1における「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置されたAC遮断検出回路」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「放電回路」に関して、本件明細書段落【0211】の「入力交流電圧が遮断されると、Xコンデンサ12の残留電荷はダイオード112A及び112Bを介して放電回路30から放電される。」との記載、及び、本件明細書段落【0065】の「AC遮断検出回路20は、ダイオード111A及び111Bを介して、交流電圧ラインに接続される。・・・(略)・・・図1に記載されたAC遮断検出回路20は、全波整流された交流電圧の遮断を検出する回路である」との記載によれば、交流電圧ライン(アクロスザラインコンデンサ12の端)に接続された2つのダイオード111Aおよび111Bを介して流れる電流は全波整流された電流となることが記載されているといえるので、図19に示された放電回路30に入力される電流が全波整流された電流であることは自明であるから、訂正事項1における「アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させる放電回路」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
以上のように、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(a)から明らかなように、訂正事項1は、「整流器」、「アクロスザラインコンデンサ」、「平滑コンデンサ」、「整流素子」、「AC遮断検出回路」の構成要素、およびこれらの接続関係を具体的に特定し、「放電回路」の作用を具体的に特定するものであるから、これらの構成要素により得られる発明特定事項を概念的により下位の発明特定事項にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ウ 訂正事項2について
(a)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項1、2、5~7、及び10を引用する請求項11を、訂正後の請求項7のみを引用するものとし、新たに請求項33とする訂正であり、訂正後の請求項33が引用する請求項7は、上記「イ 訂正事項1について」のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項33が引用する請求項7についての訂正は、上記「イ 訂正事項1について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項2も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項33が引用する請求項7についての訂正は、上記「イ 訂正事項1について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項2も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 訂正事項3について
(a)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項12が引用する請求項11を、訂正事項2に伴い、請求項33(請求項7を引用)を引用するものとし、新たに、請求項34としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項34が引用する請求項33は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項3も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項34が引用する請求項33についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項3も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
オ 訂正事項4について
(a)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項13が引用する請求項11を、訂正事項2に伴い、請求項33(請求項7を引用)を引用するものとし、新たに、請求項35としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項35が引用する請求項33についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項4も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項35が引用する請求項33についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項4も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
カ 訂正事項5について
(a)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項14が引用する請求項13が、訂正事項4に伴い、訂正後の請求項35となったため、引用する請求項を訂正後の請求項35とし、新たに請求項36としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項36が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項5も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項36が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項5も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
キ 訂正事項6について
(a)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項15が引用する請求項13が、訂正事項4に伴い、訂正後の請求項35となったため、引用する請求項を訂正後の請求項35とし、新たに請求項37としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項37が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項6も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項37が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項6も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ク 訂正事項7について
(a)訂正の目的について
訂正事項7は、訂正前の請求項16が引用する請求項13が、訂正事項4に伴い、訂正後の請求項35となったため、引用する請求項を訂正後の請求項35とし、新たに請求項38としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項38が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項7も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項38が引用する請求項35についての訂正は、上記「オ 訂正事項4について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項7も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ケ 訂正事項8について
(a)訂正の目的について
訂正事項8は、訂正前の請求項1、2及び5~10のいずれか1項を引用する請求項17を、訂正後の請求項7のみを引用するものとし、新たに請求項39とする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項39が引用する請求項7についての訂正は、上記「イ 訂正事項1について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項8も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項39が引用する請求項7についての訂正は、上記「イ 訂正事項1について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項8も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
コ 訂正事項9について
(a)訂正の目的について
訂正事項9は、訂正前の請求項18が引用する請求項17が、訂正事項8に伴い、訂正後の請求項39となったため、引用する請求項を訂正後の請求項39とし、新たに請求項40としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項40が引用する請求項39についての訂正は、上記「ケ 訂正事項8について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項9も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項40が引用する請求項39についての訂正は、上記「ケ 訂正事項8について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項9も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
サ 訂正事項10について
(a)訂正の目的について
訂正事項10は、訂正前の請求項19が引用する請求項18が、訂正事項9に伴い、訂正後の請求項40となったため、引用する請求項を訂正後の請求項40とし、新たに請求項41としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項41が引用する請求項40についての訂正は、上記「コ 訂正事項9について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項10も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項41が引用する請求項40についての訂正は、上記「コ 訂正事項9について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項10も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
シ 訂正事項11
(a)訂正の目的について
訂正事項11は、訂正前の請求項20が引用する請求項19が、訂正事項10に伴い、訂正後の請求項41となったため、引用する請求項を訂正後の請求項41とし、新たに請求項42としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(b)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項42が引用する請求項41についての訂正は、上記「サ 訂正事項10について」のとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項11も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項42が引用する請求項41についての訂正は、上記「サ 訂正事項10について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項11も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
(3)請求項8~10および請求項43~52からなる一群の請求項に係る訂正
ア 一群の請求項について
訂正事項1~12に係る訂正前の請求項8~20について、請求項9~20はそれぞれ請求項8を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項8に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前において請求項8~20は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当するものであり、訂正事項1~12に係る訂正は、一群の請求項に対して請求されたものである。
イ 訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項8を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
ウ 訂正事項2について
(a)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項9が請求項8を引用する形式であったものを、独立形式とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
また、訂正事項2は、請求項9の「整流器」について、訂正前の「アノード端子及びカソード端子を有し」から、訂正後の「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された」と特定し、
「アクロスザラインコンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の前段に配置された」から、訂正後の「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された」と特定し、
「平滑コンデンサ」について、訂正前の「前記整流器の後段に配置された」から、「前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された」と特定し、
「整流素子」について、訂正後の「第1整流素子および第2整流素子」とで構成されることを特定し、さらに、訂正前の「整流器の前段に接続され」から、訂正後の「第1整流素子」の「アノード端子がアクロスザラインコンデンサの一端に接続され」、「第2整流素子」の「アノード端子がアクロスザラインコンデンサの他端に接続された」と特定し、
「AC遮断検出回路」について、訂正前の「整流器の前段に接続され」から、訂正後の「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、「前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず」と特定し、
「放電回路」について、訂正前の「前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」から、訂正後の「前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させ、前記平滑コンデンサの残留電荷を、前記抵抗素子を介して放電させる」と特定し、
同じく、「放電回路」について、訂正前の「前記整流素子のカーソード端子と接続され、前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され」から、訂正後の「前記第1整流素子および第2整流素子のカソード端子と接続され、前記整流器の前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され」と特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正前の請求項9が引用する請求項8では、「前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と記載されているが、当該記載は、「前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」の誤記であるから、訂正事項2における訂正は、誤記の訂正を含み、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とするものである。
また、訂正後の請求項10、43~52は、訂正後の請求項9を引用するから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び第2号に掲げる誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
「整流器」に関して、本件明細書段落【0062】には、「ブリッジダイオード11は、アノード端子及びカソード端子を有し、外部の交流電源101に接続され、交流電源101から供給される入力交流電圧を整流する機能を有する整流器である。ブリッジダイオード11は、例えば、4つのダイオードから構成され、第1及び第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点にて接続され、第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点にて接続され、第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードが第3接続点にて接続され、第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードが第4接続点にて接続される。・・・(略)・・・また、第1接続点は、ブリッジダイオード11のカソードであり、第2接続点は、ブリッジダイオード11のアノードと定義される。」と記載され、図1、図15Aおよび図15Bの回路図には、「前記第2接続点がグランド端子に接続されている」ことが示されているから、訂正事項2における「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器」は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「アクロスザラインコンデンサ」に関して、本件明細書段落【0062】には、「コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0063】には、「Xコンデンサ12の両電極は、上記交流電圧ライン間に接続される。」と記載されているから、訂正事項2における「前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置されたアクロスザラインコンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「平滑コンデンサ」に関して、本件明細書段落【0064】には、「平滑コンデンサ13の両電極は、それぞれ、ブリッジダイオード11の第1接続点であるカソード及び第2接続点であるアノードに接続される。」と記載されているから、訂正事項2における「整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された平滑コンデンサ」は、願書に添付した明細書に記載された事項である。
「整流素子」に関して、本件明細書段落【0209】には、「・・・アクロスザラインコンデンサの一端にアノードが接続された第1ダイオードと、アクロスザラインコンデンサの他端にアノードが接続された第2ダイオードと・・・」と記載され、図20には、アクロスザラインコンデンサ12の一端にアノードがダイオード112Aと、アクロスザラインコンデンサの他端にアノードが接続されたダイオード112Bとが示されているから、訂正事項2における「整流素子」が「第1整流素子および第2整流素子」で構成され、「第1整流素子のアノード端子がアクロスザラインコンデンサの一端に接続され、第2整流素子のアノード端子がアクロスザラインコンデンサの他端に接続された」構成は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「AC遮断検出回路」に関して、本件明細書段落【0062】には、「・・・コンバータ装置1の2つ入力端子と接続されている。この2つの入力端子は、交流電源101と接続され、第3接続点と一方の入力端子とを接続するラインと、第4接続点と他方の入力端子とを接続するラインとは、交流電圧ラインを構成する。」と記載され、本件明細書段落【0185】には、「AC遮断検出回路21は、交流電圧ラインに直接接続され、」と記載され、さらに、図15Bの回路図には、AC遮断検出回路(21)が整流器(11)の第3接続点または第4接続点とグランド端子を結ぶ経路上に配置された構成が示され、整流器(11)の第3接続点または第4接続点、AC遮断検出回路(21)、およびグランド端子を結ぶ経路上には、整流素子が配置されていないことから、訂正事項2における「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、および、「整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されて」いないことは、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
「放電回路」に関して、本件明細書段落【0211】には、「入力交流電圧が遮断されると、Xコンデンサ12の残留電荷はダイオード112A及び112Bを介して放電回路30から放電される。」と記載され、また、本件明細書段落【0214】~【0216】には、「【0214】 図20は、本発明の実施の形態9の変形例に係るコンバータ装置の一構成例を示す回路構成図である。同図に記載されたコンバータ装置11Bは、図19に記載されたコンバータ装置11Aと比較して、接合型トランジスタのドレインとブリッジダイオードのカソードとの間に抵抗素子75が接続されている点のみが構成として異なる。・・・(略)・・・【0215】 抵抗素子75は、一端が、ブリッジダイオード11と平滑コンデンサ13の正極との間に接続され、他端が、ダイオード112A及び112Bのカソードに接続されている。・・・(略)・・・【0216】実施の形態9に係るコンバータ装置11Aでは、Xコンデンサ12の残留電荷のみ放電させるのに対し、本変形例に係るコンバータ装置11Bによれば、Xコンデンサ12の残留電荷を優先的に放電し、かつ、平滑コンデンサ13の残留電荷も放電することができる。」と記載されていることから、図20によれば、交流電圧ライン(アクロスザラインコンデンサ12の両端)に接続された2つのダイオード111Aおよび111Bを介して放電回路30に入力される電流が全波整流された電流であることは明らかであり、また、整流器11の第1接続点と接続された平滑コンデンサの残留電荷が、整流器11の第1接続点と接続された抵抗素子75を介して放電させることは明らかであるから、訂正事項2における「アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させ、前記平滑コンデンサの残留電荷を、前記抵抗素子を介して放電させる放電回路」、「放電回路」が「前記第1整流素子および第2整流素子のカソード端子と接続され、前記整流器の前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され」ることは、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項である。
また、訂正前の請求項9が引用する請求項8では、「放電回路」が「前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と記載されているが、図20、及び、図20に関連する願書に最初に添付した明細書段落【0214】~【0216】の記載から、「前記平滑コンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」との記載は、明らかな誤記であるから、「前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる放電回路」とする訂正事項2の誤記の訂正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、誤記の訂正については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(a)のとおり、訂正事項2は、請求項の記載を引用形式から独立形式とし、「整流器」、「アクロスザラインコンデンサ」、「平滑コンデンサ」、「AC遮断検出回路」の構成要素、およびこれらの接続関係を具体的に特定し、「AC遮断検出回路」および「放電回路」の作用を具体的に特定し、誤記を訂正するものであるから、これらの構成要素により得られる発明特定事項を概念的により下位の発明特定事項にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
エ 訂正事項3について
(a)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項1、2、5~7、及び10を引用する請求項11を、訂正後の請求項10のみを引用するものとし、新たに請求項43とする訂正であり、訂正後の請求項43が引用する請求項10は、請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおりであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項43が引用する請求項10は、請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項3も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項43が引用する請求項10は、請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項3も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
オ 訂正事項4について
(a)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項12が引用する請求項11を、訂正事項3に伴い、請求項43(請求項10を引用)を引用するものとし、新たに、請求項44としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項44は、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項4も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項44は、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項4も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
カ 訂正事項5について
(a)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項13が引用する請求項11を、訂正事項3に伴い、請求項43(請求項10を引用)を引用するものとし、新たに、請求項45としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項45は、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項5も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項45は、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項5も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
キ 訂正事項6について
(a)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項14が引用する請求項13を、訂正事項5に伴い、請求項45を引用するものとし、新たに、請求項46としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項46は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項6も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項46は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項5も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ク 訂正事項7について
(a)訂正の目的について
訂正事項7は、訂正前の請求項15が引用する請求項13を、訂正事項5に伴い、請求項45を引用するものとし、新たに、請求項47としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項47は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項7も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項47は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項7も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ケ 訂正事項8について
(a)訂正の目的について
訂正事項8は、訂正前の請求項16が引用する請求項13を、訂正事項5に伴い、請求項45を引用するものとし、新たに、請求項48としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項48は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項8も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項48は、請求項45を引用しており、請求項45についての訂正は、上記「カ 訂正事項5について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項8も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
コ 訂正事項9について
(a)訂正の目的について
訂正事項9は、訂正前の請求項1、2及び5~10のいずれか1項を引用する請求項17のうち、請求項9または10を引用するものを、新たに請求項49としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項49は、直接的、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項9も、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項49は、直接的、間接的に請求項9を引用しており、請求項9についての訂正は、上記「ウ 訂正事項2について」のとおり、、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項9も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
サ 訂正事項10について
(a)訂正の目的について
訂正事項10は、訂正前の請求項18が引用する請求項17が、訂正事項9に伴い、訂正後の請求項49となったため、引用する請求項を訂正後の請求項49とし、新たに請求項50としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項50が引用する請求項49についての訂正は、上記「コ 訂正事項9について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項10も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項50が引用する請求項49についての訂正は、上記「コ 訂正事項9について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項10も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
シ 訂正事項11について
訂正事項11は、訂正前の請求項19が引用する請求項18が、訂正事項10に伴い、訂正後の請求項50となったため、引用する請求項を訂正後の請求項50とし、新たに請求項51としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項51が引用する請求項50についての訂正は、上記「サ 訂正事項10について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項11も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項51が引用する請求項50についての訂正は、上記「サ 訂正事項10について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項11も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ス 訂正事項12について
訂正事項12は、訂正前の請求項20が引用する請求項19が、訂正事項11に伴い、訂正後の請求項51となったため、引用する請求項を訂正後の請求項51とし、新たに請求項52としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものである。
(b)願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正後の請求項52が引用する請求項51についての訂正は、上記「シ 訂正事項11について」のとおり、願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項12も、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
(c)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正後の請求項52が引用する請求項51についての訂正は、上記「シ 訂正事項11について」のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項12も、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
3 小括
したがって、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項~第6項に適合するので、訂正後の請求項〔1~4、11~20〕、〔5、6、23~32〕、〔21、22〕、〔7、33~42〕、〔8~10、43~52〕について訂正を認める。
訂正後の請求項〔5、6、23~32〕、〔21、22〕に係る「(1)請求項1~6および請求項11~32からなる一群の請求項に係る訂正」の訂正事項4、訂正事項9~18、訂正事項7、8は、引用関係の解消を目的とする訂正、およびそれに付随する訂正であって、その訂正は認めれるものである。そして、特許権者から、訂正後の請求項〔5、6、23~32〕、〔21、22〕について訂正が認められるときは請求項〔1~4、11~20〕とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項〔1~4、11~20〕、〔5、6、23~32〕、〔21、22〕、〔7、33~42〕、〔8~10、43~52〕について一群の請求項ごとに訂正することを認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1~52に係る発明(以下、それぞれを「本件発明1」~「本件発明52」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~52に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】(削除)
【請求項2】
入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、
第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、
前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、
前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、
前記第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、
前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず、
前記放電回路は、
ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、
前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、
前記AC遮断検出回路は、前記入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力し、
前記放電回路は、前記アクロスザラインコンデンサの前記残留電荷を放電する場合、当該残留電荷を前記整流器により全波整流された電流として放電する
コンバータ装置。
【請求項3】
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記第1接続点から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、
前記AC遮断検出回路は、前記整流器の前段に接続されている
請求項2に記載のコンバータ装置。
【請求項4】
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える
請求項3に記載のコンバータ装置。
【請求項5】
入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、
アノード端子及びカソード端子を有し、前記入力交流電圧を整流する整流器と、
前記整流器の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、
前記整流器の後段に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、
前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、
前記放電回路は、
ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、
前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間、あるいは、前記整流器のカソード端子と前記第1接続点との間に、前記整流器のカソード端子から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、
前記AC遮断検出回路は、前記整流器のカソード端子に接続されている
コンバータ装置。
【請求項6】
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードが挿入され、
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える
請求項5に記載のコンバータ装置。
【請求項7】
入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、
第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、
前記整流器の第3接続点と第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、
アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子と、
前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、
前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させる放電回路とを備え、
前記放電回路は、
ドレイン端子が、前記第1整流素子のカソード端子および前記第2整流素子のカソード端子に接続された、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、
前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を、放電させる第1放電用スイッチとを備える
コンバータ装置。
【請求項8】(削除)
【請求項9】
入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、
第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器と、
前記整流器の前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、
アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子と、
前記整流器の前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧を検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、
前記平滑コンデンサの残留電荷の放電経路となる抵抗素子と、
前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させ、前記平滑コンデンサの残留電荷を、前記抵抗素子を介して放電させる放電回路と、を備え、
前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点、前記AC遮断検出回路、およびグランド端子を結ぶ前記経路上には、整流素子が配置されておらず、
前記放電回路は、
前記第1整流素子および第2整流素子のカソード端子と接続され、
前記整流器の前記第1接続点と前記抵抗素子を介して接続され、
前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備える
コンバータ装置。
【請求項10】
ドレイン端子が前記整流器のカソード端子と前記抵抗素子に接続され、ソース端子が前記第1放電用スイッチに接続された接合型トランジスタを備える
請求項9に記載のコンバータ装置。
【請求項11】
さらに、
前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、
前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、
前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、
前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、
前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている
請求項2に記載のコンバータ装置。
【請求項12】
前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、
前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる
請求項11に記載のコンバータ装置。
【請求項13】
前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、
前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる
請求項11に記載のコンバータ装置。
【請求項14】
前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる
請求項13に記載のコンバータ装置。
【請求項15】
前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、
前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる
請求項13に記載のコンバータ装置。
【請求項16】
前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、
前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、
前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる
請求項13に記載のコンバータ装置。
【請求項17】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する
請求項2に記載のコンバータ装置。
【請求項18】
前記第1の予め設定された時間は、
前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される
請求項17に記載のコンバータ装置。
【請求項19】
前記第1の予め設定された時間は、
前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される
請求項18に記載のコンバータ装置。
【請求項20】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、
前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、
前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える
請求項19に記載のコンバータ装置。
【請求項21】
入力交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ装置であって、
アノード端子及びカソード端子を有し、前記入力交流電圧を整流する整流器と、前記整流器の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサと、
前記整流器の後段に配置された、前記整流器で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、
入力端子への前記入力交流電圧の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路と、
前記整流器のカソード端子と前記平滑コンデンサとを接続する第1接続点に接続され、前記AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路から出力された場合に、前記平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの少なくとも一方の残留電荷を放電させる放電回路とを備え、
前記放電回路は、
ドレイン端子が前記第1接続点に接続され、前記残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタと、
前記接合型トランジスタの降圧側端子であるソース端子に接続され、前記AC遮断検出信号の出力値に応じて、前記残留電荷を放電させる第1放電用スイッチとを備え、
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記第1接続点から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、
前記AC遮断検出回路は、前記整流器の前段に接続されている
コンバータ装置。
【請求項22】
さらに、
前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える
請求項21に記載のコンバータ装置。
【請求項23】
さらに、
前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、
前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、
前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、
前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、
前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている
請求項5または6に記載のコンバータ装置。
【請求項24】
前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、
前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる
請求項23に記載のコンバータ装置。
【請求項25】
前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、
前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる
請求項23に記載のコンバータ装置。
【請求項26】
前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる
請求項25に記載のコンバータ装置。
【請求項27】
前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、
前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる
請求項25に記載のコンバータ装置。
【請求項28】
前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、
前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、
前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる
請求項25に記載のコンバータ装置。
【請求項29】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する
請求項5または6に記載のコンバータ装置。
【請求項30】
前記第1の予め設定された時間は、
前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される
請求項29に記載のコンバータ装置。
【請求項31】
前記第1の予め設定された時間は、
前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される
請求項30に記載のコンバータ装置。
【請求項32】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、
前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、
前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える
請求項31に記載のコンバータ装置。
【請求項33】
さらに、
前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、
前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、
前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、
前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、
前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている
請求項7に記載のコンバータ装置。
【請求項34】
前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、
前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる
請求項33に記載のコンバータ装置。
【請求項35】
前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、
前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる
請求項33に記載のコンバータ装置。
【請求項36】
前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる
請求項35に記載のコンバータ装置。
【請求項37】
前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、
前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる
請求項35に記載のコンバータ装置。
【請求項38】
前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、
前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、
前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる
請求項35に記載のコンバータ装置。
【請求項39】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する
請求項7に記載のコンバータ装置。
【請求項40】
前記第1の予め設定された時間は、
前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される
請求項39に記載のコンバータ装置。
【請求項41】
前記第1の予め設定された時間は、
前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される
請求項40に記載のコンバータ装置。
【請求項42】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、
前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、
前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える
請求項41に記載のコンバータ装置。
【請求項43】
さらに、
前記平滑コンデンサの端子電圧をオンオフするスイッチ素子と、
前記スイッチ素子でオンオフされた前記端子電圧を所望の直流電圧に変換し、当該直流電圧を負荷に供給する入出力変換部と、
前記スイッチ素子のオンオフを制御する制御回路と、
前記制御回路に電源電圧を供給するレギュレータとを備え、
前記接合型トランジスタの前記ソース端子は、前記レギュレータに接続されている
請求項10に記載のコンバータ装置。
【請求項44】
前記第1放電用スイッチの一端は前記接合型トランジスタの前記ソース端子に接続され、前記第1放電用スイッチの他端は接地され、
前記放電回路は、前記レギュレータから前記制御回路への電流経路とは独立した経路で、前記接合型トランジスタ及び前記第1放電用スイッチを経由して前記残留電荷を接地放電させる
請求項43に記載のコンバータ装置。
【請求項45】
前記レギュレータは、前記第1放電用スイッチを含み、当該第1放電用スイッチを経由して前記制御回路に電力を供給し、
前記放電回路は、前記第1放電用スイッチを導通状態にして前記残留電荷を放電させる
請求項43に記載のコンバータ装置。
【請求項46】
前記第1放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号に対応した信号がゲートに印加されることにより導通状態となる
請求項45に記載のコンバータ装置。
【請求項47】
前記制御回路は、前記AC遮断検出信号が入力されることにより、前記スイッチ素子を非導通状態とし、
前記第1放電用スイッチは、前記スイッチ素子の非導通状態により前記電源電圧が参照電圧以下となったときに導通状態となる
請求項45に記載のコンバータ装置。
【請求項48】
前記放電回路は、さらに、前記第1放電用スイッチと前記制御回路とを接続する第2接続点と接地端子との間に第2放電用スイッチを備え、
前記第2放電用スイッチは、前記AC遮断検出信号がゲートに印加されることにより導通状態となることで、前記電源電圧を降圧させ、
前記第1放電用スイッチは、前記電源電圧が降圧することにより導通状態となることで、前記残留電荷を放電させる
請求項45に記載のコンバータ装置。
【請求項49】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧が正の基準電圧値と一致する時間間隔が第1の予め設定された時間を越える時に前記AC遮断検出信号を出力する
請求項9または10に記載のコンバータ装置。
【請求項50】
前記第1の予め設定された時間は、
前記入力交流電圧が定常動作状態時の、前記整流器で整流された前記入力交流電圧が前記正の基準電圧値と一致する時間間隔の最長値、より長く設定される
請求項49に記載のコンバータ装置。
【請求項51】
前記第1の予め設定された時間は、
前記整流器によって半波整流された前記入力交流電圧の周期時間よりも短く設定される
請求項50に記載のコンバータ装置。
【請求項52】
前記AC遮断検出回路は、
前記整流器で整流された前記入力交流電圧と前記正の基準電圧値とを比較して比較結果信号を出力する電圧比較器と、
前記比較結果信号が変化する時に、第2の予め設定された時間のパルス幅のパルス信号を出力するパルス発生回路と、
前記パルス信号の入力によってタイマー状態が初期化され、初期化されてから前記第1の予め設定された時間が経過すると前記AC遮断検出信号を出力するタイマー回路とを備える
請求項51に記載のコンバータ装置。」
2 取消理由の概要
訂正前の請求項1~20に係る特許に対して平成28年12月20日付けて特許権者に通知した取消理由通知の要旨は、次のとおりである。
(1)優先権主張、優先日について
請求項1,5,6についての新規性、進歩性の判断の基準日は、特願2011-90360号の出願日である平成23年4月14日であり、請求項2~4,7~20についての新規性、進歩性の判断の基準日は、国際出願日である平成24年3月28日である。
(2)請求項7に係る発明について
甲3:米国特許出願公開第2011/0176341号明細書(平成23年7月21日公開)
請求項7に係る発明は、甲3発明であるから、請求項7についての特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
また、請求項7に係る発明は甲3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項7に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(3)請求項8に係る発明について
甲4:米国特許出願公開第2011/0122668号明細書(平成23年5月26日公開)
請求項8に係る発明は、甲4発明であるから、請求項8についての特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
また、請求項8に係る発明は甲4発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項8に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(4)請求項1に係る発明について
甲1:米国特許出願公開第2010/0309694号明細書(平成22年12月9日公開)
甲2:特開2000-184718号公報
請求項1に係る発明は、甲1発明及び甲2に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
また、請求項1に係る発明は、甲2発明及び甲1に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(5)請求項2に係る発明について
請求項2に係る発明は、甲1発明と甲2、甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項2に係る発明は甲2発明と甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項2に係る発明は甲3発明と甲2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項2に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(6)請求項9に係る発明について
請求項9に係る発明は、甲4発明及び甲3に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(7)請求項10に係る発明について
請求項10に係る発明は甲4発明及び甲1,甲3に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(8)請求項11に係る発明について
請求項11に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項11に係る発明は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項11に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項11に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項11に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(9)請求項12に係る発明について
請求項12に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項12に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項12に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項12に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項12に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(10)請求項13に係る発明について
請求項13に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項13に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項13に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項13に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項13に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(11)請求項14に係る発明について
請求項14に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項14に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項14に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項14に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項14に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(12)請求項15に係る発明について
請求項15に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項15に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項15に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項15に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項15に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(13)請求項16に係る発明について
請求項16に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項16に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項16に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項16に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項16に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(14)請求項17,18に係る発明について
請求項17,18に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項17,18に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項17,18に係る発明は甲2発明と甲1に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項17,18に係る発明は甲4発明と甲1,3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項17,18に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(15)請求項19に係る発明について
請求項19に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項19に係る発明は甲2発明と甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項19に係る発明は甲4発明と甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(16)請求項20に係る発明について
請求項20に係る発明は甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項20に係る発明は甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項20に係る発明は甲2発明と甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項20に係る発明は甲4発明と甲3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上より、請求項20に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(17)特許法第36条第4項第1号に関して
請求項2,7,8,9,19に係る発明において、「整流器」が「半波整流する機能」を有し、「AC遮断検出回路」が「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出」する点について、発明の詳細な説明、図面では、AC遮断検出回路は、ブリッジダイオード11の前段で、入力交流電圧を検出しているのみであり、ブリッジダイオード11によって半波整流された交流電圧を検出するものではないから、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項2,7,8,9,19に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。
また、請求項3,4,9~20は、請求項2,7,8,9,19のいずれかを引用するものであるから、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項3,4,9~20に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。
(18)特許法第36条第6項第1号に関して
請求項8に「平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と記載されているが、請求項8に対応する実施例である図20においては、平滑コンデンサは、整流素子に接続されておらず、平滑コンデンサの残留電荷を整流素子を介して放電させることは、発明の詳細な説明には記載されていない。
請求項8を直接的、間接的に引用する請求項9~20についても同様に、発明の詳細な説明に記載されたものでない。
(19)特許法第36条第6項第2号に関して
請求項7,8,9に係る発明において、「前記整流器の前段に接続され」た「AC遮断検出回路」が「前記整流器によって半波整流された前記交流電圧」を検出することの技術的意味を当業者が理解できないため、発明が明確でない。
請求項7,8,9を直接的、間接的に引用する請求項10~20についても同様に、発明が明確でない。
(20)特許法第36条第6項第2号に関して
請求項8に係る発明において、「平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と記載されているが、「放電回路」は、平滑コンデンサと抵抗素子を介して接続されているから、平滑コンデンサの残留電荷は、整流素子を介しては放電されないため、発明が明確でない。
請求項8を直接的、間接的に引用する請求項9~20についても同様に、発明が明確でない。
3 甲号証の記載
(1)甲第1号証(米国特許出願公開第2010/0309694号明細書(平成22年12月9日公開))のFIG.2,FIG.3及び段落[0011]~[0023]の記載によれば、甲第1号証には、
「入力交流電圧(power source VAC)を直流電圧(DC voltage VBUS)に変換するコンバータ装置であって、
アノード端子及びカソード端子を有し、入力交流電圧(power source VAC)を整流するブリッジ整流器(bridge rectifier 10)と、
ブリッジ整流器(10)の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサ(X-capacitors C1,C2)と、
ブリッジ整流器(10)の後段に配置された、ブリッジ整流器(10)で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサ(bulk capacitor CIN)と、
整流素子(D1,D2)を介して、入力交流電圧に接続され、全波整流された入力交流電圧を検出し、入力端子への入力交流電圧(VAC)の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号(discharging signal VDIS)を出力するAC遮断検出回路(detection cirtcuit 20+sample circuit 30+delay circuit 40)と、
ブリッジ整流器(10)の前段で接続点に接続され、AC遮断検出信号(VDIS)が前記AC遮断検出回路(20+30+40)から出力された場合に、アクロスザラインコンデンサ(C1,C2)の残留電荷を放電させる放電回路(20)とを備え、
前記放電回路(20)は、
ドレイン端子が前記接続点に接続され、残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタ(high-voltage switch J1:Junction Field Effect Transistor(JFET))と、
接合型トランジスタ(J1)の降圧側端子であるソース端子に接続され、AC遮断検出信号(VDIS)の出力値に応じて、残留電荷を放電させる第1放電用スイッチ(fourth transistor M4)とを備える
コンバータ装置。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
(2)甲第2号証(特開2000-184718号公報)の図2,図5,段落【0034】,【0035】,【0051】,【0052】の記載によれば、甲第2号証には、
「AC入力端子(12)に印加されたAC電源(11)をDC信号に変換してDC出力端子(22)から出力するコンバータ装置であって、
アノード端子及びカソード端子を有し、AC電源(11)を整流するブリッジ整流ダイオード(18)と、
ブリッジ整流ダイオード(18)の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのコンデンサ(15,17)と、
ブリッジ整流ダイオード(18)の後段に配置された、ブリッジ整流ダイオード(18)で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサ(20)と、
入力端子へのAC電源(11)の入力が遮断された時に、AC遮断検出信号(制御部(40B)の出力信号)を出力するAC遮断検出回路(電流検出部(30)+制御部(40B))と、
ブリッジ整流ダイオード(18)の端子(18b)と平滑コンデンサ(20)を接続する第1接続点に接続され、AC遮断検出信号(制御部(40B)の出力信号)がAC遮断検出回路(電流検出部(30)+制御部(40B))から出力された場合に、コンデンサ(15,17)と平滑コンデンサ(20)の残留電荷を放電する放電回路(第2の放電抵抗19+第2のスイッチング素子25)とを備え、
AC遮断検出回路(30)は、平滑コンデンサ(20)の充電電流を抵抗(31)によって検知することにより、AC電源の印加、遮断を検出する、
コンバータ装置。」の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。
(3)甲第3号証(米国特許出願公開第2011/0176341号明細書(平成23年7月21日公開))のFIG.4及び段落[0026]~[0030]の記載によれば、甲第3号証には、
「入力交流電圧(power source VAC)を直流電圧(DC voltage VBUS)に変換するコンバータ装置であって、
アノード端子及びカソード端子を有し、入力交流電圧(power source VAC)を整流するブリッジ整流器(bridge rectifier 10)と、
ブリッジ整流器(10)の前段に接続され、アノード端子及びカソード端子を有する整流素子(first diode D1)と、
ブリッジ整流器(10)の前段に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサ(X-capacitors C1,C2)と、
ブリッジ整流器(10)の後段に配置された、ブリッジ整流器(10)で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサ(bulk capacitor CIN)と、
ブリッジ整流器(10)の前段に接続され、入力端子への入力交流電圧(VAC)の入力が遮断された時に、整流素子(D1)によって半波整流された入力交流電圧(VAC)を検出してAC遮断検出信号(VDIS)を出力するAC遮断検出回路(20+30+40)と、
AC遮断検出信号(VDIS)が前記AC遮断検出回路(20+30+40)から出力された場合に、アクロスザラインコンデンサ(C1,C2)の残留電荷を、整流素子(D1)を介して放電させる放電回路(20)とを備え、
前記放電回路(20)は、
ドレイン端子が、整流素子(D1)のカソード端子に接続された、残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接合型トランジスタ(J1:Junction Field Effect Transistor(JFET))と、
接合型トランジスタ(J1)の降圧側端子であるソース端子に接続され、AC遮断検出信号(VDIS)の出力値に応じて、残留電荷を放電させる第1放電用スイッチ(fourth transistor M4)とを備える
コンバータ装置。」の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。
(4)甲第4号証(米国特許出願公開第2011/0122668号明細書(平成23年5月26日公開))のFIG.5及び段落[0027]~[0046]の記載によれば、甲第4号証には、
「入力交流電圧AC(VAC)を直流電圧DC(Vo)に変換するコンバータ装置であって、
入力交流電圧を整流するブリッジ整流器(rectifying circuit 200)であって、4つのダイオードのうち、2つのダイオードのアノードどうしが接続する第1接続点、他の2つのダイオードのカソードどうしが接続する第2接続点、入力交流電圧側に第3接続点、第4接続点を有するブリッジ整流器(rectifying circuit 200)と、
ブリッジ整流器(rectifying circuit 200)の第3接続点と第4接続点との間に配置された、ラインノイズを低減するためのアクロスザラインコンデンサ(filter capacitor C2)と、
アクロスザラインコンデンサ(C2)の一端にアノード端子が接続された第1整流素子(first discharging diode D1)とアクロスザコンデンサ(C2)の他端にアノード端子が接続された第2整流素子(second discharging diode D2)であって、整流するために使われる第1整流素子(first discharging diode D1)および第2整流素子(second discharging diode D2)と、
ブリッジ整流器(rectifying circuit 200)の第1接続点と第2接続点との間に配置された、ブリッジ整流器(rectifying circuit 200)で整流された整流電圧を平滑化する平滑コンデンサ(energy storage capacitor C7)と、
ブリッジ整流器(rectifying circuit 200)の第3接続点(21a)とグランド端子COMとを結ぶ経路に配置され、入力端子への入力交流電圧ACの入力が遮断された時に、入力交流電圧ACを検出してAC遮断検出信号を出力するAC遮断検出回路(discharging loop controller 212(AC voltage detecting circuit 214+driving circuit 213))と、
平滑コンデンサ( C7)の一端に接続された第2の放電抵抗素子(second discharging resistor R9')と、
AC遮断検出信号が前記AC遮断検出回路(214+213)から出力された場合に、アクロスザラインコンデンサ(filter capacitor C2)の残留電荷を第1整流素子(first discharging diode D1)および第2整流素子(second discharging diode D2)を介して放電させ、平滑コンデンサ(energy storage capacitor C7)の残留電荷を、第2の放電抵抗素子(second discharging resistor R9')を介して放電させる放電回路(swiching circuit 211)と、
前記放電回路は、
第1整流素子(first discharging diode D1)および第2整流素子(second discharging diode D2)のカソード端子と第1の放電抵抗素子(discharging resistor R2')を介して接続され、
ブリッジ整流器(rectifying circuit 200)の第1接続点と第2の放電抵抗素子(second discharging resistor R9')を介して接続され、
AC遮断検出信号の出力値に応じて、平滑コンデンサ(energy storage capacitor C7)及びアクロスザラインコンデンサ(filter capacitor C2)の両方の残留電荷を放電させる放電用スイッチ(switching circuit 211(JFET))と、
前記AC遮断検出回路(discharging loop controller 212(AC voltage detecting circuit 214+driving circuit 213))は、入力交流電圧VACの正の期間で分圧コンデンサC5を充電し、第2の検出信号Vp(正)を生成し、負の期間で分圧コンデンサC4を充電し、第1の検出信号Vn(負)を生成し、入力交流電圧VACが検出されない場合、分圧コンデンサC4が放電され、第1の検出信号Vn(負)が負からゼロとなり、放電用スイッチ(switching circuit 211(JFET))をVp(正)によりオンする、
コンバータ装置。」の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されている。
第4 判断
1 特許法第29条第1項第3号及び特許法第29条第2項について
(1)本件発明2について
ア 本件発明2と甲1発明との対比判断
(ア)本件発明2と甲1発明とを対比すると、本件発明2と甲1発明とは以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点1]
AC遮断検出回路が、本件発明2では、整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出するのに対して、甲1発明では、入力交流電圧に接続された整流素子(D1,D2)を介して全波整流された入力交流電圧(VAC)を検出する点。
[相違点2]
放電回路の接合型トランジスタのドレイン端子が、本件発明2では、整流器の「第1接続点」に接続され、平滑コンデンサの残留電荷を放電させ、また、アクロスザラインコンデンサの残留電荷を放電する場合、「残留電荷を整流器により全波整流された電流として放電する」のに対し、甲1発明では、ブリッジ整流器(10)の前段の接続点に接続され、平滑コンデンサの残留電荷の放電は行わず、また、アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電は、ブリッジ整流器(10)の前段で行われ、ブリッジ整流器(10)により全波整流された電流として行われない点。
(イ)上記[相違点1]について検討する。
甲第3号証のFIG.4~FIG.6、段落[0026]の記載によれば、甲第3号証には、「整流素子(D1)によって半波整流された入力交流電圧(VHV)により、入力交流電圧(VAC)の遮断を検出するAC遮断検出回路(20,30,40)」が記載されている。
甲第3号証には、半波整流を検出する回路は記載されているものの、整流素子(D1)を配置して半波整流するものであり、また、AC遮断検出回路(20)はスイッチJ1,M4,M5があるため、グランド端子と結ぶ経路は構成されていない。また、いずれの証拠にも、「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」ことは、記載されていない。
よって、上記相違点1に係る「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、「当該経路には整流素子を配置せず」という構成により、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が形成され、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」構成を、当業者が容易に想到し得たということはできず、本件発明2は、当該構成により、耐圧性が要求される大型の整流素子を配置することなく半波整流を行い、部品の削減、AC遮断検出回路の小型化を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。
したがって、上記相違点2を検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明、甲3に記載された技術事項、他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
イ 本件発明2と甲2発明との対比判断
(ア)本件発明2と甲2発明とを対比すると、本件発明2と甲2発明とは以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点1]
AC遮断検出回路が、本件発明2では、整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出するのに対して、甲2発明では整流器の第1接続点と平滑コンデンサとの間に配置され、抵抗により平滑コンデンサの充電電流を検出する点。
[相違点2]
整流器の第2接続点が、本件発明2では、グランド端子に接続されているのに対し、甲2発明ではそうではない点。
[相違点3]
放電回路の抵抗が、本件発明2では、「ドレイン端子が第1接続点に接続され、残留電荷を放電させるときの放電電圧を降圧する接続型トランジスタ」からなり、降圧側端子であるソース端子に第1放電用スイッチが接続されるのに対し、甲2発明では、単なる放電抵抗19であり、接合型トランジスタではない点。
(イ)上記[相違点1]、[相違点2]について検討する。
甲第3号証のFIG.4~FIG.6、段落[0026]の記載によれば、甲第3号証には、「整流素子(D1)によって半波整流された入力交流電圧(VHV)により、入力交流電圧(VAC)の遮断を検出するAC遮断検出回路(20,30,40)」が記載されている。
しかしながら、甲第3号証には、半波整流を検出する回路は記載されているものの、整流素子(D1)を配置して半波整流するものであり、また、AC遮断検出回路(20)には、スイッチJ1,M4,M5があるため、グランド端子と結ぶ経路は構成されていない。また、いずれの証拠にも、「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」ことは、記載されていない。
そして、甲第2号証の段落【0019】には、AC遮断検出回路を他の部分に配設してもよいとの示唆があるが、甲2発明に甲第3号証記載の技術を採用したとしても、上記相違点1、2に係る「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、「整流器の第2接続点が、グランド端子に接続され」、「当該経路には整流素子を配置せず」という構成により、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が形成され、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」構成を、当業者が容易に想到し得たということはできず、本件発明2は、当該構成により、耐圧性が要求される大型の整流素子を配置することなく半波整流を行い、部品の削減、AC遮断検出回路の小型化を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。
したがって、上記相違点3を検討するまでもなく、本件発明2は、甲2発明、甲3に記載された技術的事項、他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
ウ 本件発明2と甲3発明との対比判断
(ア)本件発明2と甲3発明とを対比すると、本件発明2と甲3発明とは以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点1]
AC遮断検出回路が、本件発明2では、整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出するのに対して、甲3発明では、整流素子(D1)によって半波整流された入力交流電圧(VAC)を検出する点。
[相違点2]
放電回路の接合型トランジスタのドレイン端子が、本件発明2では、整流器の「第1接続点」に接続され、平滑コンデンサの残留電荷を放電させ、また、アクロスザラインコンデンサの残留電荷を放電する場合、「残留電荷を整流器により全波整流された電流として放電する」のに対し、甲3発明では、ブリッジ整流器(10)の前段の接続点に接続され、平滑コンデンサの残留電荷の放電は行わず、また、アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電は、ブリッジ整流器(10)の前段で行われ、ブリッジ整流器(10)により全波整流された電流として行われない点。
(イ)上記[相違点1]について検討する。
甲第3号証には、半波整流を検出する回路は記載されているものの、整流素子(D1)を配置して半波整流するものであり、また、AC遮断検出回路(20)には、スイッチJ1,M4,M5があるため、グランド端子と結ぶ経路は構成されていない。また、いずれの証拠にも、「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」ことは、記載されていない。
よって、上記相違点1に係る「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、「当該経路には整流素子を配置せず」という構成により、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が形成され、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」構成を、当業者が容易に想到し得たということはできず、本件発明2は、当該構成により、耐圧性が要求される大型の整流素子を配置することなく半波整流を行い、部品の削減、AC遮断検出回路の小型化を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。
したがって、上記相違点2を検討するまでもなく、本件発明2は、甲3発明、その他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(2)本件発明11~20について
本件発明11~20は、請求項2を直接または間接的に引用し、かつ、請求項2の記載を他に置き換えることなく引用して記載したものであるから、本件発明11~20は、本件発明2を全て含むものである。
そうすると、本件発明11~20は、本件発明2と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明7について
ア 本件発明7と甲3発明とを対比すると、本件発明7と甲3発明とは以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点1]
AC遮断検出回路が、本件発明7では、整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出するのに対して、甲3発明では、整流素子(D1)によって半波整流された入力交流電圧(VAC)を検出する点。
[相違点2]
アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電が、本件発明7では「アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子」により、前記第1整流素子および前記第2整流素子を介して、全波整流された電流として放電させる放電回路により行われるのに対し、甲3発明では、整流素子(D1)を介して放電される点。
イ 上記[相違点1]について検討する。
甲第3号証には、半波整流を検出する回路は記載されているものの、整流素子(D1)を配置して半波整流するものであり、また、AC遮断検出回路(20)には、スイッチJ1,M4,M5があるため、グランド端子と結ぶ経路は構成されていない。また、いずれの証拠にも、「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され、当該経路には整流素子を配置せずに、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」ことは、記載されていない。
よって、上記相違点1に係る「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」るという構成により、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が形成され、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」構成を、当業者が容易に想到し得たということはできず、本件発明7は、当該構成により、耐圧性が要求される大型の整流素子を配置することなく半波整流を行い、部品の削減、AC遮断検出回路の小型化を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。
ウ 上記[相違点2]について検討する。
甲第3号証のFIG.2には、放電回路として「アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの一端に接続された第1整流素子(D1)、および、アノード端子およびカソード端子を有し前記アノード端子が前記アクロスザラインコンデンサの他端に接続された第2整流素子(D2)」が記載されている。しかしながら、甲第3号証のFIG.2記載の放電回路の整流素子(D1,D2)は、AC遮断検出回路の入力交流電圧の検出を兼ねるものであるから、AC遮断検出回路の入力交流電圧をFIG.4記載の整流素子(D1)により半波整流で行い、アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電をFIG.2記載の2つの整流素子(D1,D2)で行うという構成を採用することはできない。
よって、甲3発明において、上記相違点2に係る構成を採用することは当業者が容易に想到し得たということはできない。
エ したがって、本件発明7は、甲3発明、その他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(4)本件発明33~42について
本件発明33~42は、請求項7を直接または間接的に引用し、かつ、請求項7の記載を他に置き換えることなく引用して記載したものであるから、本件発明33~42は、本件発明7を全て含むものである。
そうすると、本件発明33~42は、本件発明7と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)本件発明9について
ア 本件発明9と甲4発明とを対比すると、本件発明9と甲4発明とは以下の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点1]
本件発明9では、整流器の第2接続点がグランド端子に接続されているのに対し、甲4発明ではそうではない点。
[相違点2]
AC遮断検出回路が、本件発明9では、整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出するのに対して、甲4発明では、整流されていない入力交流電圧を検出する点。
[相違点3]
本件発明9では、整流器の第3接続点または第4接続点、AC遮断検出回路およびグランド端子を結ぶ経路上には、整流素子が配置されていないのに対し、甲4発明では、整流素子(D3,D4)が配置されている点。
イ 上記[相違点1]、[相違点2]について検討する。
甲第4号証のAC遮断検出回路は、整流されていない入力交流電圧を検出するものであり、甲第4号証の整流器の第2接続点はグランド端子には接続されていない。
甲第3号証には、整流器の第2接続点をグランド端子に接続し、半波整流を検出する回路は記載されているものの、整流素子(D1)を配置して半波整流するものであり、また、AC遮断検出回路(20)には、スイッチJ1,M4,M5があるため、グランド端子と結ぶ経路は構成されていない。また、いずれの証拠にも、「整流器の第2接続点がグランド端子に接続され」、「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」ことは、記載されていない。
よって、上記相違点1、2に係る「整流回路の第2接続点がグランド端子に接続され」、「AC遮断検出回路」が「整流器の第3接続点または第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」るという構成により、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が形成され、「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出する」構成を、当業者が容易に想到し得たということはできず、本件発明9は、当該構成により、耐圧性が要求される大型の整流素子を配置することなく半波整流を行い、部品の削減、AC遮断検出回路の小型化を実現することができるという顕著な効果を奏するものである。
ウ したがって、本件発明9は、上記相違点3について検討するまでもなく、甲4発明、その他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(6)本件発明10、43~52について
本件発明10、43~52は、請求項9を直接または間接的に引用し、かつ、請求項9の記載を他に置き換えることなく引用して記載したものであるから、本件発明10、43~52は、本件発明9を全て含むものである。
そうすると、本件発明10、43~52は、本件発明9と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 特許法第36条第4項第1号に関して
「整流器」が「半波整流する機能」を有し、「AC遮断検出回路」が「整流器によって半波整流された入力交流電圧を検出」する点について
請求項2,7,9において、「整流器」の構成が、「第1のダイオード、第2のダイオード、第3のダイオードおよび第4のダイオードを有し、前記第1及び前記第2のダイオードのカソードどうしが第1接続点であるカソード端子にて接続され、前記第3及び第4のダイオードのアノードどうしが第2接続点であるアノード端子にて接続され、前記第1のダイオードのアノードと第3のダイオードのカソードとが第3接続点にて接続され、前記第2のダイオードのアノードと第4のダイオードのカソードとが第4接続点にて接続され、前記第2接続点がグランド端子に接続された、前記入力交流電圧を整流する整流器」と訂正され、「AC遮断検出回路」の配置が、「前記整流器の前記第3接続点または前記第4接続点とグランド端子とを結ぶ経路に配置され」と訂正された。
その結果、「整流器の第3接続点または第4接続点」と「AC遮断検出回路」と「接地端子」と「整流器の第2接続点」との間で閉回路が構成されることにより、「第2のダイオード」または「第4のダイオード」により半波整流された入力交流電圧をAC遮断検出回路で検出することが明らかになった。
よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項2,7,9に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。
また、請求項3,4,10~20,33~52は、請求項2,7,9を直接または間接的に引用するものであるから、同様であり、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項3,4,10~20,33~52に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。
3 特許法第36条第6項第1号に関して
訂正前の請求項8の「平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」との記載について、訂正により請求項8が削除され、訂正前の請求項8を引用した請求項9について、「前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と訂正されたため、平滑コンデンサの残留電荷の放電は、整流素子を介さないものとなったので、請求項9に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものである。
また、請求項9を直接または間接的に引用する請求項10,43~52についても同様に、発明の詳細な説明に記載されたものである。
4 特許法第36条第6項第2号に関して
(1)訂正前の請求項7,8,9の「前記整流器の前段に接続され」た「AC遮断検出回路」が「前記整流器によって半波整流された前記交流電圧」を検出することについて、上記2のとおり、請求項7,9の訂正により、技術的意味が明確となった。
また、請求項7,9を直接または間接的に引用する請求項10,33~52についても同様に、明確となった。
(2)訂正前の請求項8の「平滑コンデンサ及び前記アクロスザラインコンデンサの両方の残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」との記載について、請求項9について、「前記アクロスザラインコンデンサの残留電荷を、前記整流素子を介して放電させる」と訂正されたため、平滑コンデンサの残留電荷の放電は、整流素子を介さないものとなったので、請求項9に係る発明は明確となった。
請求項9を直接または間接的に引用する請求項10,43~52についても同様に明確となった。
5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)請求項3(訂正後の請求項21)について
ア 特許異議申立理由
放電回路が放電動作を実行する場合、平滑コンデンサの残量電荷の放電を防止し、Xコンデンサの残留電荷のみを放電させるために、本件図9の「ダイオード64」のように、ダイオードを直列に挿入することは、設計事項であるから、請求項3に係る特許は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 特許異議申立人の意見
特許異議申立人は、平成29年4月25日付け意見書において、甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23」が「コンデンサ15」の放電を制御し、「第2のスイッチング素子23」が「平滑コンデンサ20」の放電を制御することが開示され、特開2006-87238号公報の図3には、「ダイオード34」と「抵抗33」とを、「コンデンサ5」に直列に接続することにより、コンデンサの放電を抑制することが開示されているから、平滑コンデンサから放電させないようにダイオードを設けることは当業者が容易に想到し得た事項であると主張している。
ウ 判断
甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23及び第2のスイッチング素子25をそれぞれオンさせ、第1の放電抵抗13をコンデンサ15及びコンデンサ17に、第2の放電抵抗19を平滑コンデンサ20にそれぞれ並列接続することで、前記それぞれのコンデンサに蓄積された電荷を速やかに放電させ、前述の海外の安全基準に適合させている。」と記載されている。
しかしながら、甲第2号証には、第1のスイッチング素子23と第2のスイッチング素子25とをどちらもオンにし、「コンデンサ15、コンデンサ17」、「コンデンサ20」の両方の残留電荷を放電することが開示されているのであって、「コンデンサ15、コンデンサ17」の残留電荷のみを放電させ、「コンデンサ20」の残留電荷は放電させないようにすることは、開示も示唆もされていない。
また、特開2006-87238号公報には、コンデンサの放電を抑制することが開示されているが、アクロスザラインコンデンサと平滑コンデンサのうち、アクロスザラインコンデンサの残留電荷のみを放電させ、平滑コンデンサの残留電荷を放電させないことは、開示も示唆もされていない。
したがって、本件発明21の「第1接続点と平滑コンデンサとの間に、第1接続点から平滑コンデンサへと向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、AC遮断検出回路は、整流器の前段に接続されている」という構成は、当業者が容易に想到し得たものということはできず、本件発明21は、当該構成により、本件明細書段落【0150】記載の「ダイオード64は、放電回路30が放電動作を実行する場合に、平滑コンデンサ13の残留電荷の放電を防止し、Xコンデンサ12の残留電荷のみを放電させる機能を有する」という顕著な作用効果を有するものである。
よって、本件発明21は、甲1発明、甲2発明、その他の証拠の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(2)請求項4(訂正後の請求項22)について
ア 特許異議申立理由
甲第7号証(特開平8-44453号公報)および甲第8号証(特開2010-153636号公報)には、抵抗とダイオードを並列接続することが開示されている。
したがって、Xコンデンサの残留電荷を優先的に放電し、かつ、平滑コンデンサの残留電荷も放電するために、本件図13の「抵抗素子75」のように、抵抗素子をダイオードと並列接続することは、設計事項であるから、請求項4に係る特許は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 特許異議申立人の意見
特許異議申立人は、平成29年4月25日付け意見書において、甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23」が「コンデンサ15」の放電を制御し、「第2のスイッチング素子23」が「平滑コンデンサ20」の放電を制御することが開示され、特開2006-87238号公報には、「ダイオード34」と「抵抗33」の並列回路を用いれば、「コンデンサ」の放電を効率的に抑制できることが開示されているので、平滑コンデンサとの間に「ダイオードと並列接続された抵抗素子」を設けることは当業者が容易に想到し得た事項であると主張している。
ウ 判断
甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23及び第2のスイッチング素子25をそれぞれオンさせ、第1の放電抵抗13をコンデンサ15及びコンデンサ17に、第2の放電抵抗19を平滑コンデンサ20にそれぞれ並列接続することで、前記それぞれのコンデンサに蓄積された電荷を速やかに放電させ、前述の海外の安全基準に適合させている。」と記載されている。
しかしながら、甲第2号証には、第1のスイッチング素子23と第2のスイッチング素子25とをどちらもオンにし、「コンデンサ15、コンデンサ17」、「コンデンサ20」の両方の残留電荷を放電することが開示されているのであって、「コンデンサ15、コンデンサ17」の残留電荷の放電を、「コンデンサ20」の残留電荷の放電に優先させることは、開示も示唆もされていない。
また、甲第7号証の段落【0008】、図2には、抵抗4,ダイオード5の並列接続の出力側にコンデンサ6を接地接続し、時定数回路を構成し、CPUのクロックを時間的余裕を持たせて停止されることが記載されているが、甲第7号証には、コンバータ装置のコンデンサの残留電荷の放電については、開示も示唆もされていない。。
また、甲第8号証の段落【0081】、図1(B)には、カメラのフラッシュ制御を行うIGBTにおいて、ダイオードと抵抗を並列接続してダイオードのカソードをIGBTのゲートに接続することにより、ターンオン特性を劣化させずに1GBTのdv/dtの値を制限できることが記載されいるが、甲第8号証には、コンバータ装置のコンデンサの残留電荷の放電については、開示も示唆もされていない。
また、特開2006-87238号公報には、コンデンサの放電を抑制することが開示されているが、アクロスザラインコンデンサと平滑コンデンサのうち、アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電を、平滑コンデンサの残留電荷の放電に優先させることは、開示も示唆もされていない。
したがって、本件発明22の「第1接続点と平滑コンデンサとの間に、第1接続点から平滑コンデンサへと向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、AC遮断検出回路は、整流器の前段に接続され」、「さらに、第1接続点と平滑コンデンサとの間に、ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える」構成は、当業者が容易に想到し得たものということはできず、本件発明22は、当該構成により、本件明細書段落【0175】記載の「Xコンデンサ12の残留電荷を優先的に放電し、かつ、平滑コンデンサ13の残留電荷も放電することができる」という顕著な作用効果を有するものである。
よって、本件発明22は、甲1発明、甲2発明、その他の証拠の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(3)請求項5について
ア 特許異議申立理由
放電回路が放電動作を事項する場合、平滑コンデンサの残留電荷の放電を防止し、Xコンデンサの残留電荷のみを放電させるために、本件図11Aの「ダイオード64」のように、ダイオードを直列に挿入することは、設計事項であるから、、請求項5に係る特許は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 特許異議申立人の意見
特許異議申立人は、平成29年4月25日付け意見書において、甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23」が「コンデンサ15」の放電を制御し、「第2のスイッチング素子23」が「平滑コンデンサ20」の放電を制御することが開示され、特開2006-87238号公報には、「ダイオード34」と「抵抗33」の並列回路を用いれば、「コンデンサ」の放電を効率的に抑制できることが開示されているので、平滑コンデンサから放電させないように「ダイオード」を設けることは当業者が容易に想到し得た事項であり、また、甲第2号証の段落【0019】の記載に基づいて、「AC遮断検出回路」を「整流器のカソード端子に接続」することは当業者が容易に想到し得た事項であると主張している。
ウ 判断
甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23及び第2のスイッチング素子25をそれぞれオンさせ、第1の放電抵抗13をコンデンサ15及びコンデンサ17に、第2の放電抵抗19を平滑コンデンサ20にそれぞれ並列接続することで、前記それぞれのコンデンサに蓄積された電荷を速やかに放電させ、前述の海外の安全基準に適合させている。」と記載されている。
しかしながら、甲第2号証には、第1のスイッチング素子23と第2のスイッチング素子25とをどちらもオンにし、「コンデンサ15、コンデンサ17」、「コンデンサ20」の両方の残留電荷を放電することが開示されているのであって、「コンデンサ15、コンデンサ17」の残留電荷のみを放電させることことは、開示も示唆もされていない。
また、特開2006-87238号公報には、コンデンサの放電を抑制することが開示されているが、アクロスザラインコンデンサと平滑コンデンサのうち、アクロスザラインコンデンサの残留電荷のみを放電させ、平滑コンデンサの残留電荷を放電させないことは、開示も示唆もされていない。
したがって、本件発明5の「前記第1接続点と前記平滑コンデンサとの間に、前記整流器のカソード端子から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器のカソード端子に接続されている」という構成は、当業者が容易に想到し得たものということはできず、本件発明5は、当該構成により、本件明細書段落【0155】記載の「ダイオード64は、放電回路30が放電動作を実行する場合に、平滑コンデンサ13の残留電荷の放電を防止し、Xコンデンサ12の残留電荷のみを放電させる機能を有する」という顕著な作用効果を有するものである。
また、「あるいは」で択一的に記載された他方の「前記整流器のカソード端子と前記第1接続点との間に、前記整流器のカソード端子から前記平滑コンデンサへ向かう方向を順方向として直列挿入されたダイオードを備え、前記AC遮断検出回路は、前記整流器のカソード端子に接続されている」という構成は、本件明細書段落【0170】に記載されているように、平滑コンデンサ13及びXコンデンサ12の双方の残留電荷の放電を可能とし、AC遮断検出回路が、平滑コンデンサ13により平滑化される前の直流電圧のリップルを検出できるようにダイオード64を配置する構成は、いずれの証拠にも開示も示唆もないから、当業者が容易に想到し得たものということはできない。
よって、本件発明5は、甲1発明、甲2発明、その他の証拠の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(4)請求項6について
ア 特許異議申立理由
甲第7号証(特開平8-44453号公報)および甲第8号証(特開2010-153636号公報)には、抵抗とダイオードを並列接続することが開示されている。
したがって、Xコンデンサの残留電荷を優先的に放電し、かつ、平滑コンデンサの残留電荷も放電するために、本件図13の「抵抗素子75」のように、抵抗素子をダイオードと並列接続することは、設計事項であるから、請求項6に係る特許は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 特許異議申立人の意見
特許異議申立人は、平成29年4月25日付け意見書において、甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23」が「コンデンサ15」の放電を制御し、「第2のスイッチング素子23」が「平滑コンデンサ20」の放電を制御することが開示され、特開2006-87238号公報には、「ダイオード34」と「抵抗33」の並列回路を用いれば、「コンデンサ」の放電を効率的に抑制できることが開示されているので、平滑コンデンサとの間に「ダイオードと並列接続された抵抗素子」を設けることは当業者が容易に想到し得た事項であり、また、甲第2号証の段落【0019】の記載に基づいて、「AC遮断検出回路」を「整流器のカソード端子に接続」することは当業者が容易に想到し得た事項であると主張している。
ウ 判断
甲第2号証の段落【0027】には、「第1のスイッチング素子23及び第2のスイッチング素子25をそれぞれオンさせ、第1の放電抵抗13をコンデンサ15及びコンデンサ17に、第2の放電抵抗19を平滑コンデンサ20にそれぞれ並列接続することで、前記それぞれのコンデンサに蓄積された電荷を速やかに放電させ、前述の海外の安全基準に適合させている。」と記載されている。
しかしながら、甲第2号証には、第1のスイッチング素子23と第2のスイッチング素子25とをどちらもオンにし、「コンデンサ15、コンデンサ17」、「コンデンサ20」の両方の残留電荷を放電することが開示されているのであって、「コンデンサ15、コンデンサ17」の残留電荷の放電を、「コンデンサ20」の残留電荷の放電に優先させることは、開示も示唆もされていない。
また、甲第7号証の段落【0008】、図2には、抵抗4,ダイオード5の並列接続の出力側にコンデンサ6を接地接続し、時定数回路を構成し、CPUのクロックを時間的余裕を持たせて停止されることが記載されているが、甲第7号証には、コンバータ装置のコンデンサの残留電荷の放電については、開示も示唆もされていない。。
また、甲第8号証の段落【0081】、図1(B)には、カメラのフラッシュ制御を行うIGBTにおいて、ダイオードと抵抗を並列接続してダイオードのカソードをIGBTのゲートに接続することにより、ターンオン特性を劣化させずに1GBTのdv/dtの値を制限できることが記載されいるが、甲第8号証には、コンバータ装置のコンデンサの残留電荷の放電については、開示も示唆もされていない。
また、特開2006-87238号公報には、コンデンサの放電を抑制することが開示されているが、アクロスザラインコンデンサと平滑コンデンサのうち、アクロスザラインコンデンサの残留電荷の放電を、平滑コンデンサの残留電荷の放電に優先させることは、開示も示唆もされていない。
したがって、本件発明6の「第1接続点と平滑コンデンサとの間に、ダイオードが挿入され、さらに、第1接続点と平滑コンデンサとの間に、前記ダイオードと並列接続された抵抗素子を備える」という構成は、当業者が容易に想到し得たものということはできず、本件発明6は、当該構成により、本件明細書段落【0177】記載の「抵抗素子75を接続することにより、Xコンデンサ12の残留電荷を優先的に放電させつつ、所定期間経過すれば、平滑コンデンサ13の残留電荷も放電できるので、平滑コンデンサ13の残留電荷により感電することを防止できる。よって、抵抗素子75を一つ追加するだけで、Xコンデンサ12と平滑コンデンサ13の両方の残留電荷が放電できるようになるので、コストの増加、実装面積の拡大も最小限で抑えることができる。」という顕著な作用効果を有するものである。
よって、本件発明6は、甲1発明、甲2発明、その他の証拠の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項2~7、9~52に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項2~7、9~52に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項1、8に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項1、8に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700949