特許異議申立
2016-700529
多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置およびその方法
- 審判番号
- 2016-700529
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2012-538730外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年06月09日
- 審決日
- 2017年02月17日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社
- 【権利者代理人】土橋 皓
- 【異議申立人】所 智恵子
- 分類
- P1652.113-YAA(C12M) / P1652.121-YAA(C12M) / P1652.832-YAA(C12M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5830024号発明「多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置およびその方法」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5830024号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項[1~14]及び訂正後の請求項[16~25]について訂正することを認める。
特許第5830024号の請求項1,2,3,10,12,16に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第5830024号の請求項1,2,3,10,12,16に係る特許についての出願は,平成23年10月14日に特許出願され,平成27年10月30日にその特許権の設定登録がされ,その後,その特許について,特許異議申立人により特許異議の申立てがされ,平成28年9月30日付けで取消理由が通知され,その指定期間内である平成28年11月25日に意見書の提出及び訂正の請求がされたものである。また,平成28年12月13日に異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知を行ったものの,異議申立人からの応答はなかった。
2 訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
ア 請求項1,3に係る「密閉制御部と、を有する」を「密閉制御部と、を有するとともに、前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する」に訂正する。
イ 請求項4を削除する。
ウ 請求項5に係る「請求項4」を「請求項1乃至請求項3のいずれか」に訂正し,請求項6に係る「請求項4または請求項5」を「請求項1乃至3または請求項5」に訂正し,請求項7に係る「請求項4または請求項5」を「請求項1乃至請求項3または請求項5のいずれか」に訂正し,請求項8に係る「請求項1乃至請求項7」を「請求項1乃至請求項3または請求項5乃至請求項7」に訂正し,請求項9に係る「請求項1乃至請求項8」を「請求項1乃至請求項3または請求項5乃至請求項8」に訂正し,請求項10に係る「請求項1乃至請求項9」を「請求項1乃至3または請求項5乃至9」に訂正し,請求項11,14に係る「請求項1乃至請求項10」を「請求項1乃至請求項3または請求項5乃至請求項10」に訂正し,請求項13に係る「請求項1乃至請求項12」を「請求項1乃至3または請求項5乃至請求項12」に訂正する。
エ 請求項16に係る「1または2以上の液収容部から、気体の吸引および吐出を行なう吸引吐出機構によって液体の吸引および吐出が可能な前記各ノズルに着脱可能に装着した分注チップ」を「1または2以上の液収容部から、1または2以上のノズルが設けられたノズルヘッドに設けられた気体の吸引および吐出を行なう吸引吐出機構によって液体の吸引および吐出が可能な前記各ノズルに着脱可能に装着した分注チップ」に訂正する。
オ 請求項16に係る「前記反応容器内を温度制御する」を「前記反応容器内を温度制御するとともに、前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に、測定端を前記移動機構を用いて前記反応容器に接近させて、該増幅用溶液中での光を受光して前記密閉液および/または密閉蓋で反応容器内に密閉した前記増幅用溶液中で生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定する」に訂正する。
カ 請求項18を削除する。
キ 請求項19に係る「請求項18」を「請求項16」に訂正し,請求項20に係る「請求項18または請求項19」を「請求項16または請求項19」に訂正し,請求項24に係る「請求項18乃至請求項23」を「請求項16または請求項19乃至請求項23」に訂正し,請求項25に係る「請求項16乃至請求項23」を「請求項16、請求項17または請求項19乃至請求項23」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記アの訂正は,特許請求の範囲の請求項4に記載された事項を請求項1,3に記載したものであるから,新規事項の追加に該当しない。また,請求項1,3に係る発明の核酸自動処理装置の構成要件を直列的に不可するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
上記オの訂正は,特許請求の範囲の請求項18に記載された事項を請求項16に記載したものであるから,新規事項の追加に該当しない。また,請求項16に係る発明の核酸自動処理方法の構成要件を直列的に付加するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
上記イ及びカの訂正は,請求項4,18を削除するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
上記ウ及びキの訂正は,上記ア及びオの訂正に伴って引用する請求項を変更するものであるから,新規事項の追加に該当せず,また,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
上記エの訂正は,明細書の【0013】に記載されていた事項を請求項16に記載するものであるから,新規事項の追加に該当しない。また,請求項16には,「前記ノズル」との記載が存在していたものの,「ノズル」が記載されておらず誤記であったところ,当該誤記の訂正を目的とするものである。
そして,上記ア~ウの訂正は,一群の請求項[1~14]に対して請求されたものであり,上記エ~キの訂正は,一群の請求項[16~25]に対して請求されたものである。
(3)小括
以上のとおりであるから,本件訂正請求による訂正ア~キは特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第4項,及び,同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので,訂正後の請求項[1~14]及び訂正後の請求項[16~25]について訂正を認める。
3 特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1,2,3,10,12,16に係る発明(以下「本件発明1,2,3,10,12,16」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1,2,3,10,12,16に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
本件発明1「気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構および該吸引吐出機構によって液体の吸引および吐出が可能な分注チップを着脱可能に装着する1または2以上のノズルが設けられたノズルヘッドと、
核酸増幅に用いる増幅用溶液を収容する1または2以上の液収容部および1または2以上の反応容器を少なくとも有する容器群と、
前記ノズルと前記容器群との間を相対的に移動可能とする移動機構と、
前記反応容器内を核酸増幅のための温度制御が可能な温度制御器と、
前記容器群の前記反応容器以外の所定収容部に収容され、前記ノズルを用いて前記反応容器にまで運搬可能であって該反応容器に収容した前記増幅用溶液を該反応容器内に密閉可能な密閉液および/または密閉蓋と、
前記反応容器への前記増幅用溶液の収容が完了すると、前記密閉液および/または密閉蓋が該増幅用溶液を前記反応容器内に密閉するように前記吸引吐出機構および前記移動機構、または前記移動機構を制御する密閉制御部と、を有するとともに、
前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置。」
本件発明2「前記容器群には、検体、増幅対象である核酸またはその断片を捕獲可能な磁性粒子が懸濁した磁性粒子懸濁液、前記増幅対象の分離および抽出に用いる分離抽出用溶液を収容する2以上の液収容部をさらに有し、前記ノズルに装着した前記分注チップまたは前記容器群に設けられた液収容部の内部に磁場を及ぼしかつ除去することが可能で前記分注チップまたは前記液収容部の内壁に前記磁性粒子を吸着可能な磁力部をさらに有するとともに、前記吸引吐出機構、前記移動機構、および前記磁力部を制御して、前記検体から前記増幅対象の溶液を分離抽出して液収容部内に前記増幅用溶液の一部として収容する抽出制御部をさらに有する請求項1に記載の多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置。」
本件発明3「気体の吸引および吐出を行う吸引吐出機構および該吸引吐出機構によって液体の吸引および吐出が可能な分注チップを着脱可能に装着する1または2以上のノズルが設けられたノズルヘッドと、
核酸増幅に用いる増幅用溶液を収容する1または2以上の液収容部、1または2以上の反応容器、検体、増幅対象である核酸またはその断片を捕獲可能な磁性粒子が懸濁した磁性粒子懸濁液、前記増幅対象の分離および抽出に用いる分離抽出用溶液を収容する2以上の液収容部、および2以上の分注チップを装着可能に収容する2以上のチップ収容部を少なくとも有する容器群と、
前記分注チップを前記ノズルから脱着可能な脱着機構と、
前記ノズルと前記容器群との間を相対的に移動可能とする移動機構と、
前記反応容器内を核酸増幅のための温度制御が可能な温度制御器と、
前記ノズルに装着した前記分注チップまたは前記容器群に設けられた液収容部の内部に磁場を及ぼしかつ除去することが可能で前記分注チップまたは前記液収容部の内壁に前記磁性粒子を吸着可能な磁力部と、
前記容器群の前記反応容器以外の所定収容部に収容され、前記ノズルを用いて前記反応容器にまで運搬可能であって該反応容器に収容した前記増幅用溶液を該反応容器内に密閉可能な密閉液および/または密閉蓋と、
前記吸引吐出機構、前記移動機構、前記脱着機構および前記磁力部を制御して、前記分注チップを前記ノズルに装着して前記検体から前記増幅対象の溶液を分離抽出して液収容部内に前記増幅用溶液の一部として収容し前記分注チップを前記ノズルから脱着する抽出制御部と、
前記反応容器への前記増幅用溶液の収容が完了すると、前記密閉液および/または密閉蓋が該増幅用溶液を前記反応容器内に密閉するように前記吸引吐出機構および前記移動機構、または前記移動機構を制御する密閉制御部と、を有するとともに、
前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置。」
本件発明10「前記密閉蓋は前記ノズルの先端部に嵌合して装着可能な嵌合部を有し、該密閉蓋および分注チップを前記ノズルから脱着する脱着機構を有するとともに、前記密閉制御部は分注チップをノズルに装着して前記増幅用溶液を前記反応容器に収容した後、分注チップをノズルから脱着して前記密閉蓋をノズルに装着して前記増幅用溶液を前記反応容器内に密閉するように前記吸引吐出機構、前記移動機構および前記脱着機構を制御する請求項1乃至3または請求項5乃至請求項9のいずれかに記載の多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置。」
本件発明12「前記密閉蓋が前記反応容器の開口部を閉塞した場合には、前記密閉制御部は、前記吸引吐出機構または前記移動機構を制御して該密閉蓋を押圧または振盪する請求項7乃至請求項11のいずれかに記載の多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理装置。」
本件発明16「容器群が有する核酸増幅に用いる増幅用溶液を収容する1または2以上の液収容部から、1または2以上のノズルが設けられたノズルヘッドに設けられた気体の吸引および吐出を行なう吸引吐出機構によって液体の吸引および吐出が可能な前記各ノズルに着脱可能に装着した分注チップ、前記気体の吸引吐出を行なう吸引吐出機構および前記ノズルと前記容器群との間を相対的に移動可能とする移動機構を用いて前記容器群に設けられた核酸増幅のための温度制御がされる反応容器に前記増幅用溶液を運搬し、前記吸引吐出機構および前記移動機構、または前記移動機構によって前記容器群の前記反応容器以外の所定収容部から密閉液および/または密閉蓋を前記反応容器内に前記ノズルを用いて運搬して前記増幅用溶液を前記反応容器内に密閉し、前記反応容器内を温度制御するとともに、
前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に、測定端を前記移動機構を用いて前記反応容器に接近させて、該増幅用溶液中での光を受光して前記密閉液および/または密閉蓋で反応容器内に密閉した前記増幅用溶液中で生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定する多機能分注ユニットを利用した核酸自動処理方法。」
(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1,2,3,10,12,16に係る特許に対して平成28年9月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は,次のとおりである。
ア 請求項1,10,12,16に係る発明は,甲第1号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができず,それらの発明に係る特許は取り消すべきものである。
イ 請求項1,2,3,10,12,16に係る発明は,甲第2号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができず,それらの発明に係る特許は取り消すべきものである。
ウ 請求項2,3に係る発明は、甲第1~4号証に記載された発明に基づき,容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,それらの発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(3)甲号証の記載
甲第1~4号証のいずれの証拠にも,核酸自動処理装置が「反応容器内に密閉された増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端をノズルヘッドに設け、増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に測定端を反応容器に接近させるように移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部」を有することが記載されていない。
また,甲第1~4号証のいずれの証拠にも,核酸自動処理方法において,「増幅用溶液を反応容器へ密閉した後または密閉する際に、測定端を移動機構を用いて前記反応容器に接近させて、該増幅用溶液中での光を受光して反応容器内に密閉した前記増幅用溶液中で生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定する」ことが記載されていない。
(4)当審の判断
上記取消理由アについて,本件発明1,10,12は,甲第1号証に記載された発明と対比すると,「前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する」点で相違する。また,本件発明16は,甲第1号証に記載された発明と対比すると,「前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に、測定端を前記移動機構を用いて前記反応容器に接近させて、該増幅用溶液中での光を受光して前記密閉液および/または密閉蓋で反応容器内に密閉した前記増幅用溶液中で生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定する」点で相違する。
したがって,本件発明1,10,12,16は,甲第1号証に記載された発明ではない。
上記取消理由イについて,本件発明1,2,3,10,12に係る発明は,甲第2号証に記載された発明と対比すると,「前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する」点で相違する。また,本件発明16は,甲第2号証に記載された発明と対比すると,「前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に、測定端を前記移動機構を用いて前記反応容器に接近させて、該増幅用溶液中での光を受光して前記密閉液および/または密閉蓋で反応容器内に密閉した前記増幅用溶液中で生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定する」点で相違する。
したがって,本件発明1,2,3,10,12,16は,甲第2号証に記載された発明ではない。
上記取消理由ウについて,本件発明2,3は,甲第1号証に記載された発明と対比すると,「前記密閉液および/または密閉蓋によって前記反応容器内に密閉された前記増幅用溶液中に生ずる発光、呈色、変色、変光を含む光学的状態を測定可能な測定部を有し、前記発光等に基づく光を受光する1または2以上の測定端を前記ノズルヘッドに設け、前記増幅対象を含む前記増幅用溶液を前記反応容器へ密閉した後または密閉する際に前記測定端を前記反応容器に接近させるように前記移動機構を制御して前記測定を可能とする測定制御部、を有する」点で相違する。そして,当該相違点に関する事項は,甲第2~4号証のいずれにも記載されていない。一方,当該事項により,本件発明2,3は,明細書【0080】に記載されるように「密閉機能によって密閉状態となった増幅用溶液中での光学的状態を測定する測定機能が分注装置の移動機構を利用することで備えられてより一層多機能化され、それによって核酸等に関する処理の一貫性が装置規模を拡大することなく高められ、製造費用を削減することができる」という顕著な効果を奏する。
したがって,本件発明2,3は,甲第1~4号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4.むすび
以上のとおりであるから,取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては,本件請求項1,2,3,10,12,16に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に本件請求項1,2,3,10,12,16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2016-700529