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特許異議申立

2016-700325

マルチコア光ファイバケーブルのための単心コネクタ

審判番号
2016-700325
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2013-500191
登録番号
特許第5798177号(P5798177)
請求日
2016年04月19日
審決日
2017年09月12日
公報発行日
2017年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
  • 【権利者代理人】岡部 讓
  • 【権利者代理人】吉澤 弘司
  • 【異議申立人】滝沢 純平
  • 【異議申立人代理人】平山 晃二
審判長/審判官
  • 審判長 恩田 春香
  • 審判官 小松 徹三
  • 審判官 森 竜介
分類
P1652.121-YAA(G02B) / P1652.537-YAA(G02B) / P1652.853-YAA(G02B) / P1652.857-YAA(G02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5798177号発明「マルチコア光ファイバケーブルのための単心コネクタ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5798177号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔6-9〕について訂正することを認める。 特許第5798177号の請求項6に係る特許を維持する。 特許第5798177号の請求項7及び8に係る特許についての特許異議申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第5798177号の請求項1~11に係る特許についての出願(特願2013-500191号)は、平成23年3月16日に国際特許出願(パリ条約による優先権主張2010年3月16日 米国)されたものであって、平成27年8月28日付けで設定登録がなされ、平成27年10月21日に特許掲載公報が発行され、その後、平成28年4月19日付けで、特許異議申立人滝沢純平により、その請求項6~8に係る特許に対して特許異議の申立てがなされたものである。そして、以後の手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 6月21日:取消理由通知(同年6月24日発送) 平成28年 9月23日:訂正請求書・意見書(特許権者提出) 平成28年11月14日:訂正拒絶理由通知(同年11月16日発送) 平成29年 1月 5日:意見書(特許権者提出) 平成29年 1月31日:取消理由通知(決定の予告 同年2月2日発送) 平成29年 5月 8日:訂正請求書・意見書(特許権者提出) 平成29年 6月22日:通知書(同年6月26日発送) 平成29年6月22日付け通知書により、平成29年1月31日付け取消理由通知(決定の予告)の写し、平成29年5月8日付け訂正請求書及びこれに添付された訂正した特許請求の範囲の副本等を特許異議申立人に送付し、意見書を提出する機会を与えたが、意見書の提出はなかった。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 平成29年5月8日付けの訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)は特許請求の範囲を訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6~9について訂正することを求めるものであって、以下の訂正事項1~9からなる。(当審注:下線は、請求人が付したものである。なお、平成28年9月23日付けの訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項6に「(c)前記マルチコアファイバの…端部を、前記フェルール内に接着し」とあるのを「(c)前記マルチコアファイバの…端部を、フェルール内に接着し」と訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6に「…達成する、方法。」とあるのを「…達成し、前記工程(b)において、前記光コネクタハウジング内で前記フェルール部分組立品が回転可能な前記フレームに装着される、方法。」と訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6に「(f)前記ファイバコアが前記光コネクタハウジングに対して所望する位置になるまで…回転させ、正確な回転配置を達成」とあるのを「(f)前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転位置になるまで…回転させ、前記正確な回転配置を達成」と訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6に「(f)前記ファイバコアが…、前記フェルール部品組立品を、…回転させ」とあるのを「(f)前記ファイバコアが…、前記フェルール部品組立品とともにフレームを、…回転させ」と訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項9を独立形式に訂正し、前記訂正事項1、3の訂正を行う。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、「フェルール」が前出していないにもかかわらず「前記フェルール」とした記載を「フェルール」にする訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について 訂正前の請求項8は、訂正前の請求項6を引用し、「工程(b)において、前記光コネクタハウジング内で、前記フェルール部分組立品が回転可能なフレームに装着される」ことを特定していた。そうすると、訂正事項2は、訂正前の請求項6に、訂正前の請求項8の特定事項を付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、「所望する位置」という明瞭でない記載を、訂正前の請求項6で用いられている「正確な回転配置」に訂正するとともに、後出の「正確な回転配置」を「前記正確な回転配置」に訂正して前出する「正確な回転配置」であることを明瞭にする訂正である。したがって、訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4)訂正事項4について ア 訂正事項4は、「前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ」る部材について、訂正前においては、「前記フェルール部分組立品」であったものを「前記フェルール部品組立品とともにフレーム」にする訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ そして、願書に添付した明細書には、 「【0049】 1.3. 回転可能なフレームを持つLCコネクタ 1.3.1. 最前部圧入リテーナーを持つ回転可能なフレーム 図12は、フェルール部分組立品が、組み立てられたコネクタの中でユニットとして回転可能なフレームに収納された、本発明のさらなる特徴に準じたBTW用LCコネクタ120の分解組立図を包含する。コネクタは、以下の要素を含む(左から右へ):プラグハウジング121、リテーナー122、フェルール部分組立品123、チューブ124、スプリング125、回転可能なフレーム126、および、バッファブーツ127。フレーム126は、実質的には円筒形状を持ち、そこに、フェルール部分組立品123を受けるように形作られた空洞を持つ。 … 【0052】 ひとたび、コネクタ120がマルチコアファイバに取り付けられると、ファイバのコアは、ハウジング121に対してフレーム126を回転することで、ハウジング上部のラッチアームに対して正しい位置に置かれる。ひとたびファイバコアがコネクタハウジング121に対して所望の位置に置かれると、フレーム126はエポキシ樹脂で所定の位置に保持される。」(当審注:下線は当審が付加した。以下同様である。) との記載がある。上記記載によれば、フレームはフェルール部分組立品を受け入れるように形作られた空胴を持ち、フレームを回転することでファイバのコアが正しい位置に置かれることが理解できる。ここで、マルチコアファイバの端部がフェルール内に装着されることを踏まえると、フェルール部分組立品はフレームとともに回転することは、明らかである。してみると、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲においてするものである。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項7を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (6)訂正事項6について 訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項8を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (7)訂正事項7について 訂正事項7のうち、特許請求の範囲の請求項9を独立形式にする訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項7のうち、訂正事項1、3の訂正を行う訂正は、上記(1)、(3)で検討したとおり、何れも、明瞭でない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (8)一群の請求項 訂正前の請求項6~9は、一群の請求項を構成するところ、本件訂正請求は、当該一群の請求項に対して訂正を請求するものである。 (9)小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔6-9〕について訂正を認める。 第3 本件発明 1 上記第2のとおり、本件訂正請求は認められたので、本件特許の請求項6~9に係る発明(以下、その順に「本件発明6」等という。)は、次のとおりのものである。 【請求項6】 複数のファイバコアを含むマルチコアファイバを含むマルチコアファイバケーブルを含む光ケーブルのための位置合わせされたコネクタ化を提供する方法であって、 (a)前記光ケーブルの端部の被覆を剥がし、前記マルチコアファイバのむき出しにされた裸端を作成し、 (b)光コネクタのフェルール部分組立品の長手方向を通過して延びる毛細管に、前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を挿入し、 (c)前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を、フェルール内に接着し、 (d)前記ファイバを前記フェルール先端で切り取り、 (e)前記の切り取ったファイバを研磨し、凸状の端面を作成し、そして (f)前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転配置になるまで、前記フェルール部分組立品とともにフレームを、前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ、前記正確な回転配置を達成し、 前記工程(b)において、前記光コネクタハウジング内で前記フェルール部分組立品が回転可能な前記フレームに装着される、方法。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 複数のファイバコアを含むマルチコアファイバを含むマルチコアファイバケーブルを含む光ケーブルのための位置合わせされたコネクタ化を提供する方法であって、 (a)前記光ケーブルの端部の被覆を剥がし、前記マルチコアファイバのむき出しにされた裸端を作成し、 (b)光コネクタのフェルール部分組立品の長手方向を通過して延びる毛細管に、前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を挿入し、 (c)前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を、フェルール内に接着し、 (d)前記ファイバを前記フェルール先端で切り取り、 (e)前記の切り取ったファイバを研磨し、凸状の端面を作成し、そして (f)前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転配置になるまで、前記フェルール部分組立品を、前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ、前記正確な回転配置を達成し、 前記工程(b)において、前記光コネクタハウジング内に摺動勘合して前記フェルール部分組立品が拡張部材を通過して延びる、方法。 第4 取消理由 当審が通知した取消理由は、概略以下のとおりである。 1 本件の請求項6乃至8に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。よって、本件の請求項6乃至8に係る特許は、取り消すべきものである。 2 本件特許の請求項6乃至8に係る発明は、その優先日前日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。よって、本件特許の請求項6乃至8に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 第5 当審の判断 1 特許法第36条第6項第2号について (1)請求項6について 上記第2のとおり、訂正前の請求項6の「前記フェルール内に接着し」との記載は「フェルール内に接着し」に訂正され、「所望する位置」との記載は「正確な回転配置」に訂正された。したがって、請求項6の記載は、不明瞭であるとはいえない。 (2)請求項7、8について 上記第2のとおり、請求項7、8は削除されたので、取り消す対象が存在しない。 2 特許法第29条第2項について (1)甲第1号証に記載された発明 ア 平成29年1月31日付け取消理由通知において引用した甲第1号証(米国特許第5,682,451号。以下「甲1」という。)には、以下の記載がある。 (ア)「The present invention is a connector for non-cylindrically symmetrical optical elements, particularly optical fibers, which provides improved control of rotational orientation for highly accurate fiber-to-fiber alignment. 」(4欄29行~同欄32行) 「本発明は、非円筒対称形光学素子(特に、ファイバ同士を高精度に整列させるための改良された回転配置制御を提供する光ファイバ)のためのコネクタに関する。」 (イ)「In contrast to the optical fibers utilized in the telecommunications industry, some optical fibers are non-cylindrically symmetrical. They may have non-circular cross sections, or may simply have performance that depends on their rotational orientation. Some non-cylindrically symmetrical fibers are constructed so that they are birefringent, that is, light of different polarizations will have different propagation characteristics within the fiber. For example, polarization maintaining (PM) and polarizing (PZ) fibers have a non-cylindrically symmetrical internal structure designed to maintain the polarization of the light in the fiber. Such fibers typically have two transverse axes associated with this polarization birefringence.」(1欄55行~同欄67行) 「電気通信産業に使用される光ファイバと対照的に、非円筒対称形の光ファイバも存在する。非円筒対称形の光ファイバは、非円形の断面を有するか、あるいは、単に回転配置に依存する性能を有するものであってもよい。いくつかの非円筒対称形ファイバーは、それらが複屈折を有するように、すなわち、異なる偏光がファイバー内で異なる伝搬特性を有するように構成される。例えば、定偏波(PM)および偏光(PZ)ファイバーは、ファイバー内の偏光を維持するために設計された非円筒対称形内部構造を有する。こうしたファイバーは、一般に、この偏光複屈折に関する2つの横軸を有する。」 (ウ)「However, one of ordinary skill in the art would be aware that the connectors of the invention may also be used to retain and interconnect any optical element with non-cylindrically symmetrical internal geometry, whether birefringent or not, such as optical fibers with elliptical cores, multiple cores, offset cores, and the like.」(6欄46行~同欄52行) 「しかしながら、当業者は、複屈折性の有無を問わず、楕円コア、マルチコア、オフセットコア等のような非円筒対称形の内部構造を有するあらゆる光学素子を保持し、相互接続するためにもまた本発明のコネクタを使用しうることに気付くであろう。」 (エ)「The present invention allows the connector to be fully assembled during the termination procedure, thus simplifying installation on typical cables (see FIG. 4A).」(5欄53行~同欄55行) 「本発明によれば、終端処理の間にコネクタを完全に組み立てることが可能となり、これにより、典型的なケーブルに(コネクタを)取り付けることが簡素化される(図4A参照)。」 (オ)「The components comprising embodiments of the optical fiber connector of the invention have been described, and reference is made to FIGS. 4A and 4B to consider the functional aspects of the connector that allow fine-tuning of polarization axis alignment according to the present invention. In operation, the ferrule 522 is rotationally fixed, preferably with an adhesive, in the cup portion 528 of the collar member 524. The ferrule 522 may be randomly rotationally oriented relative to the collar member 524. Next, the key 564 on the collar member 524 is inserted into the keyway 566 of the inner sleeve 544, and the internal surface of the inner sleeve 544 is slideably engaged with the external surface of the barrel portion 528 of the collar member. The collar member 524 with intermated ferrule 522 (hereinafter referred to as the ferrule collar assembly), and inner sleeve 544 may then be inserted into the housing bore 541, along with the spring 536, until the tapered flange 532 clears the shoulder 548, snaps into place, and the flange 532 engages the second face 548B of the shoulder.」(9欄10行~同欄28行) 「本発明の光ファイバーコネクタの実施例を含む構成要素について述べてきたが、以下では、図4Aおよび4Bを参考にして本発明による偏光軸心合せの微調整を可能にするコネクタの機能的観点について考察する。作業時に、フェルール522が好ましくは接着剤によってカラー部材524のカップ部528内で回転方向に固定される。フェルール522は、カラー部材524に対して任意に回転方向に配置されても良い。次に、カラー部材524のキー564が、内部スリーブ544のキー溝566に挿入されて、内部スリーブ544の内面がカラー部材のバレル部528の外面と滑動自在に係合される。内部でかみ合わされたフェルール522を有するカラー部材524(以下フェルールカラー組立品)および内部スリーブ544が、次に、ばね536に沿って、テーパーフランジ532が肩548を通過し、適所にスナップ嵌めされて、かつ、フランジ532が肩の第2の面548Bと係合するまで、ハウジングボア541に挿入される。」 (カ)「In the alternative, it will be evident to one of ordinary skill in the art that the inner sleeve 544 may be provided in the larger diameter region 542 of the internal bore of the housing and with its second end 544B abutting the first face 548A of the shoulder 548. In such a case the collar member 524 with an intermated ferrule 522 is inserted into the housing 540 along with the spring 536, and rotated about the longitudinal axis of the collar so the key 564 engages the keyway 566 in the inner sleeve 544. The collar member and intermated ferrule are then inserted into the inner sleeve 544 until the tapered flange 532 clears the shoulder 548, snaps into place, and the flange 532 engages the second face 548B of the shoulder.」(9欄29行~同欄41行) 「これとは別に、当業者であれば、内部スリーブ544がハウジングの内部ボアの大きな直径領域542に、かつ、肩548の第1の面548Aに隣接するその第2の端544Bと一緒に提供され得ることは明らかであろう。こうした場合には、内部でかみ合わされたフェルール522を有するカラー部材524が、ばね536に沿ってハウジング540内に挿入され、キー564が内部スリーブ544のキー溝566に係合するように、カラーの長手方向軸を中心として回転される。カラー部材および内部でかみ合うフェルールが、次に、テーパーフランジが肩548を通過し、適所でスナップ嵌めされて、フランジ532が肩の第2の面548Bに係合するまで、内部スリーブ544に挿入される。」 (キ)「A terminal end 570 of a non-cylindrically symmetrical optical fiber having a jacket 572 with reinforcing strands 574 and a buffer 576, is stripped, by mechanical or chemical means well known in the art. The terminal end 570 of the fiber is inserted in the housing 540. Once through the housing 540, the terminal end 570 of the fiber may pass into the collar passageway 527, which may be tapered to facilitate insertion, if desired. The fiber then passes into the contiguous passageway 526 in the ferrule 522, and its advancing terminal end protrudes from the exposed end 534 of the ferrule 522.」(9欄42行~同欄52行) 「強化用ストランド574とバッファ576とを有するジャケット572を備える非円筒対称形光ファイバの端部570の被覆が既知の機械的又は化学的手段によって剥がされる。ファイバの端部570がハウジング540に挿入される。ハウジング540に挿入された場合、ファイバの端部570がカラー挿入路527の中を通過してもよい。なお、カラー挿入路570は挿入を容易にするためにテーパー状になっていることが好ましい。その後、ファイバはフェルール522の連続挿入路526の中を通過し、ファイバの先端部がフェルール522の露出端534から突出する。」 (ク)「The terminal end 570 of the fiber is then rotationally fixed, preferably with an adhesive, in the ferrule passageway 526. The protruding fiber is then cleaved and its end is polished according to procedures well known in the art.」(9欄53行~同欄56行) 「その後、ファイバの端部570は、好ましくは接着剤を用いて、フェルール挿入路526内に回転方向に固定される。その後、突出したファイバを切り取り、その端部を既知の工程により研磨する。」 (ケ)「Once the fiber has been rotationally fixed in the ferrule, polished, and its polarization axis identified according to procedures well known in the art, the ferrule collar assembly may be rotated about the longitudinal axis of the housing in the housing bore. The rotation in the housing bore 541 of the ferrule collar assembly with attached inner sleeve may be performed by hand, or by a suitably designed tool which engages the cup portion 528 of the collar member 524 (see, for example, FIG. 6).」(9欄57行~同欄65行) 「ファイバがフェルール内に回転方向に固定され、研磨され、ファイバの変更軸が既知の方法により特定されると、フェルール-カラー組立品は、ハウジングボア内でハウジングの長手方向軸の周りに回転することができる。このフェルール-カラー組立品のハウジングボア541内における回転は、装着されたインナースリーブと共に、手動で、又はカラー部534のカップ部528に咬む合する適切に設計された道具(例えば、図6参照)を用いて行われてもよい。」 (コ)「The ferrule collar assembly is rotated within the housing 540 until the plane of polarization of the light exiting the fiber 570 at the exposed ferrule endface 534 is optimally rotationally aligned with respect to the external key 569.」(9欄66行~10欄2行) 「露出されたフェルールの端面534においてファイバ570から出射される光の偏光面が外部キー569に対して適切に回転整列されるまで、フェルール-カラー組立品がハウジング540の内面で回転する。」 (サ)「The optimal rotational orientation angle of the fiber polarization axis with respect to the external key may be selected from any desired orientation angle, such as, for example, 0.degree., 45.degree. or 90.degree.. Thus, the fiber insertion and bonding process can be accomplished in much the same way as with any typical connector installation. Fiber polishing and other steps required before the rotational alignment can be completed on an assembled connector, rather than a bare ferrule, or an unassembled ferrule collar, as in conventional connectors. In addition, as discussed above, the flexibility to align the plane of polarization of the fiber to the rotational alignment reference 569 in a pre-assembled connector in a single step, using the housing itself as the alignment fixture, greatly reduces the alignment errors due to tolerance stacking.」(10欄2行~10欄16行) 「外部キーに対する光ファイバーの偏心軸の最も有効な回転配置角度は、0度、45度、または90度などの所望の配置角度のいずれかから選択されても良い。このため、ファイバー挿入結合工程は、一般的なコネクタ設置とほぼ同様の方法で達成され得る。回転心合せ前に必要とされるファイバー研磨およびその他の工程が、従来のコネクタのように裸のフェルールすなわち組み立てられていないフェルールカラーではなく、むしろ組立られたコネクタ上で完了され得る。さらに、上述のように、ハウジング自体を心合せ固定具として用いる単一工程で事前に組み込まれたコネクタ内の回転基準部569にファイバーの偏光面を心合せするための柔軟性が、「許容差スタック(tolerance stacking)」による心合せの誤差を著しく低減する。」 (シ)「After this rotational alignment step is completed, locking means may rotationally fix the ferrule collar assembly into position with respect to the housing to prevent further rotation of the ferrule collar assembly in the housing bore. The locking means may include mechanical devices, or simply application of a drop of adhesive onto the inner sleeve 544 through an access orifice 571 in the housing 540 (see FIG. 4B).」(10欄17行~同欄24行) 「この回転心合せステップが完了した後、ロック手段がフェルールカラーアセンブリをハウジングに対する位置に回転方向に固定して、ハウジングボア内でフェルールカラーアセンブリのさらなる回転を防止する。ロック手段が、機械的装置、または、ハウジング540内の接近オリフィス571を通じての内部スリーブ544上への接着剤の単なる液滴の適用を含んでもよい(図4B参照)。」 (ス)「Following the locking procedure, the housing is inserted into the appropriate latching member 550, which may be selected from FC-type and an SC-type. A crimp sleeve 552 and a boot member 516 may be then by applied to complete the connector assembly. The connector assembly may then be attached to an appropriate terminal or device to connect the PM fiber with another PM fiber or optical element.」(10欄25行~同欄31行) 「ロック手続きに続き、ハウジングがFCタイプおよびFCタイプから選択され得る適切なラッチ部材550に挿入される。クリンプスリーブ552およびブーツ部材516が、次に、コネクタ組体品を完成するために適用される。コネクタ組体品が、次に、PMファイバーを別のPMファイバーまたは光学要素と接続するために適切な端末または装置に取り付けられる」 (セ)「The structure of the housing may vary widely depending on the intended application, but preferably the housing is selected from the industry standard FC or SC-types described above.」(4欄45行~同欄48行) 「ハウジングの構造は、意図された適用に依存してさまざまに異なっていても良いが、好ましくは、ハウジングが上述の工業標準規格のSC型またはFC型から選択される。」 イ 上記(ア)~(セ)の記載によれば、甲1には、以下の発明が記載されている。 「フェルール522が好ましくは接着剤によってカラー部材524のカップ部528内で回転方向に固定され、 次に、カラー部材524のキー564が、内部スリーブ544のキー溝566に挿入されて、内部スリーブ544の内面がカラー部材529のバレル部528の外面と滑動自在に係合され、 次に、ばね536に沿って、テーパーフランジ532が肩548を通過し、適所にスナップ嵌めされて、かつ、フランジ532が肩の第2の面548Bと係合するまで、ハウジングボア541に挿入され 非円筒対称形光ファイバの端部570の被覆が既知の機械的又は化学的手段によって剥がされ、 ファイバの端部570がハウジング540に挿入され、 その後、ファイバはフェルール522の連続挿入路526の中を通過し、ファイバの先端部がフェルール522の露出端534から突出し、 その後、ファイバの端部570は、好ましくは接着剤を用いて、フェルール挿入路526内に回転方向に固定され、 その後、突出したファイバを切り取り、その端部を既知の工程により研磨し、 露出されたフェルールの端面534においてファイバ570から出射される光の偏光面が外部キー569に対して適切に回転整列されるまで、内部でかみ合わされたフェルール522を有するカラー部材524(フェルール-カラー組立品)をハウジング540の内面で回転し、 この回転心合せステップが完了した後、ロック手段がフェルールカラーアセンブリをハウジングに対する位置に回転方向に固定して、ハウジングボア内でフェルールカラーアセンブリのさらなる回転を防止し、 ハウジングがラッチ部材550に挿入され、 クリンプスリーブ552およびブーツ部材516が、適用される、 PM(定偏波)ファイバーを別のPMファイバーまたは光学要素と接続するためのコネクタ組立品を完成する方法であって、 ハウジングの構造は、好ましくは、工業標準規格のSC型またはFC型から選択され、 マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子を保持し、相互接続するためにも使用しうる、 コネクタ組立品を完成する方法。」(以下「甲1発明」という。) (2)対比・判断(本件発明6) ア 本件発明6と甲1発明を対比する。 (ア)甲1発明の「マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子」は本件発明6の「複数のファイバコアを含むマルチコアファイバ」に相当し、以下同様に、 「マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子」と「被覆」を一体としたものは「マルチコアファイバケーブル」に、 「コネクタ組立品を完成する方法」は「コネクタ化を提供する方法」に、 「端部570の被覆が既知の機械的又は化学的手段によって剥がされ」ることは「端部の被覆を剥がし、前記マルチコアファイバのむき出しにされた裸端を作成」することに 「ファイバはフェルール522の連続挿入路526の中を通過」することは「光コネクタのフェルール部分組立品の長手方向を通過して延びる毛細管に、前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を挿入」することに、 「ファイバの端部570は、好ましくは接着剤を用いて、フェルール挿入路526内に回転方向に固定」することは「前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を、フェルール内に接着」することに、 「突出したファイバを切り取」ることは「前記ファイバを前記フェルール先端で切り取」ることに、 「その端部を既知の工程により研磨」することは「前記の切り取ったファイバを研磨」することに、 それぞれ、相当する。 (イ)本件発明6の「光コネクタハウジング」と甲1発明の「ハウジング」を対比する。 はじめに本件発明6の「光コネクタハウジング」の技術的意義について検討する。特許明細書の発明の詳細な説明には、請求項6等と実質的に同一の記載である【0097】~【0101】以外には、「光コネクタハウジング」が記載されていない。そこで、「プラグハウジング」の記載を参酌すると、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 「【0028】 フェルールの部分組立品は、適切な形状のソケットにはめ込むために形状されたプラグハウジングに装着され、フェルール先端の光ファイバ端面は、ソケットの中に収められた対応する表面(例えば、上記の光デバイスの配列のような)に、使用できる程度に近接させられる、あるいは他のコネクタの光ファイバ端面と直接接触させられる。」 また、LCコネクタについて、以下の記載がある。 「【0032】 コネクタ30が完全に組み立てられたとき、フェルール先端321は、プラグハウジング31最前部の開口部311を通じて接近できる。プラグハウジング31は、コネクタを対応するソケット(図示せず)に解除可能なようにロックするのに使用されるラッチアーム312を含む。」 上記記載によれば、プラグハウジングは、フェルールの部分組立品を装着し、ソケットにはめ込むために形状され、LCコネクタの場合にはラッチアームを含むものと解される。 甲1発明は、「フェルールカラーアセンブリをハウジングに対する位置に回転方向に固定」し、「ハウジングがラッチ部材550に挿入され」るものである。また、甲1発明の「ハウジングの構造は、好ましくは、工業標準規格のSC型またはFC型から選択され」るものであるから、甲1発明の「ハウジング」はソケットにはめ込むために形状されていると解される。 そうすると、甲1発明の「ハウジング」、または、「ハウジング」と「ラッチ部材」は、本件発明6の「光コネクタハウジング」に相当する。 (ウ)甲1発明の「PM(定偏波)ファイバーを別のPMファイバーまたは光学要素と接続するためのコネクタ組立品を完成する方法」は、マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子を保持し、相互接続するために使用する、コネクタ組立品を完成する方法であってよいところ、「マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子」、すなわち、マルチコアファイバを別のマルチコアファイバと接続する際には、各マルチコアファイバを位置合わせし、各コアの配置が一致するように接続することは、明らかである。してみると、甲1発明において、マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子を保持し、相互接続するためにも使用しうる、コネクタ組立品を完成する際に、「フェルール-カラー組立品をハウジング540の内面で回転し」、「ファイバーまたは光学要素と接続するためのコネクタ組立品を完成する」ことは、本件発明6の「前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転配置になるまで、前記フェルール部分組立品を、前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ、前記正確な回転配置を達成」することに相当する。 (エ)してみると、両者は、 「複数のファイバコアを含むマルチコアファイバを含むマルチコアファイバケーブルを含む光ケーブルのための位置合わせされたコネクタ化を提供する方法であって、 (a)前記光ケーブルの端部の被覆を剥がし、前記マルチコアファイバのむき出しにされた裸端を作成し、 (b)光コネクタのフェルール部分組立品の長手方向を通過して延びる毛細管に、前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を挿入し、 (c)前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を、フェルール内に接着し、 (d)前記ファイバを前記フェルール先端で切り取り、 (e)前記の切り取ったファイバを研磨し、そして (f)前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転配置になるまで、前記フェルール部分組立品を、前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ、前記正確な回転配置を達成する、方法。」の点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1:切り取ったファイバを研磨することにより、本件発明6は、「凸状の端面を作成」しているのに対し、甲1発明は、そのような端面を作成しているのか否か不明である点。 相違点2:「光コネクタのフェルール部分組立品の長手方向を通過して延びる毛細管に、前記マルチコアファイバの前記むき出しにされた端部を挿入」する工程(b)において、本件発明6は、「前記光コネクタハウジング内で前記フェルール部分組立品が回転可能な前記フレームに装着される」のに対し、引用発明は、そのようなものなのか否か明らかでない点。 相違点3:「前記ファイバコアが光コネクタハウジングに対して正確な回転配置になるまで、」「前記光コネクタハウジング内部で長手方向軸の周りに回転させ」る部材が、本件発明6では「前記フェルール部分組立品とともにフレーム」であるのに対し、甲1発明では、「カラー部材524(フェルール-カラー組立品)」である点。 イ 以下、上記相違点について検討する。 (ア)相違点1について 取消理由通知において引用した甲第2号証(特開2002-192448号公報。以下「甲2」という。)には、以下の記載がある。 a 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は光コネクタの製造方法及び光フェルールに関する。例えば、光通信用コネクタの端面研磨に関し、特にコネクタのフェルール部へファイバを取り付け、端面研磨する際の方法及びコネクタ形状に関する。」 b 「【0002】 【従来の技術】従来、光ファイバの光コネクタフェルールの固定及び端面研磨は、以下のように行われている。先ず、図4(a)のように、プラスチックフェルール(以下、フェルールと略称する)2の後部から熱硬化型接着剤(以下、接着剤と略称する)1を充填し、更にフェルール2の端面部へも接着剤1を塗布する。次に、図4(b)に示すように、接着剤1の充填されたフェルール2の後部から、先端部の被覆3を除去した光ファイバ4を挿入し、加熱して接着剤1を固化する。 【0003】この光ファイバ4の挿入工程で、フェルール2と光ファイバ4の間隙にも接着剤1をある程度充填することができる。引き続き、図4(c)に示すように、余分に突き出た光ファイバ4をブレーク後、図4(d)に示すように、接着剤1を研磨紙等で比較的高速に加工除去し、その後、フェルール端面形状を凸球面に整えるため粗研磨をし、最後に加工歪除去、鏡面化のための仕上げ加工を行う。最近では工程の短縮のため、この接着剤1の除去と粗研磨は同一加工で処理されることもある。」 上記記載によれば、光ファイバを光コネクタを用いて光ファイバを接続するに際し、光ファイバの端面を凸球面に研磨加工することが理解できる。 光ファイバの技術分野において、光コネクタを用いて光ファイバを接続する際、光ファイバの端面を凸球面状に研磨加工することは、例えば甲2に記載されるよう、周知の技術手段である。 そうすると、マルチコアのような非円筒対称形の内部構造を有する光学素子を保持し、相互接続するために使用するコネクタ組立品を完成する方法である甲1発明において、「突出したファイバを切り取り、その端部を既知の工程により研磨」する際に、上記周知の技術手段を採用して凸球面状に研磨加工し、上記相違点1に係る本件発明6の発明特定事項となすことは、当業者が容易になし得ることである。 (イ)相違点2について a はじめに、上記相違点2に係る本件発明6の発明特定事項の技術的な意味について検討する。 「前記光コネクタハウジング内で、前記フェルール部分組立品が回転可能なフレームに装着される」は、「前記光コネクタハウジング内で、…回転可能なフレーム…」を意味するのか、あるいは、「前記光コネクタハウジング内で、…フレームに装着される」ことを意味するのか、また、請求項6のどの特定事項を限定するのか、文言上、必ずしも明確ではない。そこで、以下、検討する。 発明の詳細な説明には,以下の記載がある。 「【0049】 1.3. 回転可能なフレームを持つLCコネクタ 1.3.1. 最前部圧入リテーナーを持つ回転可能なフレーム 図12は、フェルール部分組立品が、組み立てられたコネクタの中でユニットとして回転可能なフレームに収納された、本発明のさらなる特徴に準じたBTW用LCコネクタ120の分解組立図を包含する。コネクタは、以下の要素を含む(左から右へ):プラグハウジング121、リテーナー122、フェルール部分組立品123、チューブ124、スプリング125、回転可能なフレーム126、および、バッファブーツ127。フレーム126は、実質的には円筒形状を持ち、そこに、フェルール部分組立品123を受けるように形作られた空洞を持つ。 【0050】 図13は、リテーナー122の拡大図を示しており、フレーム126の中で、フェルール部分組立図123、チューブ124、および、スプリング125を保持するためにフレーム126の口に圧入される。リテーナーは、フェルール部分組立品123の形状に適合する内部形状(例えば、六角、正方形、長方形、D形、二重D形、等)を持つ。 【0051】 図14は、フェルール部分組立品123、チューブ124、および、スプリング125がフレーム126に装着され、ハウジング121に適合する最前部とバッファブーツ127に適合する背面を持つユニット140を形成するために、フレーム126の口に圧入リテーナー122が位置する、コネクタ120の分解組立図を示す。 【0052】 ひとたび、コネクタ120がマルチコアファイバに取り付けられると、ファイバのコアは、ハウジング121に対してフレーム126を回転することで、ハウジング上部のラッチアームに対して正しい位置に置かれる。ひとたびファイバコアがコネクタハウジング121に対して所望の位置に置かれると、フレーム126はエポキシ樹脂で所定の位置に保持される。」 上記記載によれば、フェルール部分組立品123がフレームに装着されてユニット140を形成する工程、コネクタをマルチコアファイバに取り付ける工程、ハウジング121に対してフレーム126を回転する工程が理解できる。 そうすると、本件発明6の「前記フェルール部分組立品が回転可能なフレームに装着される」とは、発明の詳細な説明に記載されたユニット140を形成する工程の一部の工程であって、ハウジングに対してフレームを回転する工程より前の工程であるから、「前記フェルール部分組立品が回転可能なフレームに装着される」とは、光コネクタハウジングの内部でなされる工程ではない。してみると、本件発明6の「前記光コネクタハウジング内で、前記フェルール部分組立品が回転可能なフレームに装着される」ことの技術的な意味は、前記フェルール部分組立品はフレームに装着されること、そして、該フレームは、前記光コネクタハウジング内で回転可能なフレームであることであると解される。 b 次に、本件発明6の特定事項である「フレーム」の技術的意義について検討する。 本件の特許明細書には、以下の記載がある。 「【0049】 1.3. 回転可能なフレームを持つLCコネクタ 1.3.1. 最前部圧入リテーナーを持つ回転可能なフレーム 図12は、フェルール部分組立品が、組み立てられたコネクタの中でユニットとして回転可能なフレームに収納された、本発明のさらなる特徴に準じたBTW用LCコネクタ120の分解組立図を包含する。コネクタは、以下の要素を含む(左から右へ):プラグハウジング121、リテーナー122、フェルール部分組立品123、チューブ124、スプリング125、回転可能なフレーム126、および、バッファブーツ127。フレーム126は、実質的には円筒形状を持ち、そこに、フェルール部分組立品123を受けるように形作られた空洞を持つ。 … 【0051】 図14は、フェルール部分組立品123、チューブ124、および、スプリング125がフレーム126に装着され、ハウジング121に適合する最前部とバッファブーツ127に適合する背面を持つユニット140を形成するために、フレーム126の口に圧入リテーナー122が位置する、コネクタ120の分解組立図を示す。 【0052】 ひとたび、コネクタ120がマルチコアファイバに取り付けられると、ファイバのコアは、ハウジング121に対してフレーム126を回転することで、ハウジング上部のラッチアームに対して正しい位置に置かれる。ひとたびファイバコアがコネクタハウジング121に対して所望の位置に置かれると、フレーム126はエポキシ樹脂で所定の位置に保持される。」 上記記載によれば、フレームは、フェルール部分組立品をユニットとして収納・装着し、ハウジングに対して回転する機能を有するものと解される。そして、一般に、フレームは、「骨組、台枠、機械の運動部を適当な関係位置に保つ静止部材」(工業教育研究会編 図解 機械用語辞典 第4版 日刊工業新聞社 2008.9.25 590頁「フレーム」の項を参照)を意味することを踏まえると、本件発明6におけるフレームは、フェルール部分組立品をユニットとして収納・装着する骨組み、あるいは台枠であって、ハウジングに対して回転する機能を有するものと解される。 c 甲1発明は、「カラー部材524のキー564が、内部スリーブ544のキー溝566に挿入されて、内部スリーブ544の内面がカラー部材529のバレル部528の外面と滑動自在に係合され」ているところ、内部スリーブの技術的な意味について検討する。 甲1発明は、「カラー部材524のキー564が、内部スリーブ544のキー溝566に挿入されて、内部スリーブ544の内面がカラー部材529のバレル部528の外面と滑動自在に係合され」、「内部でかみ合わされたフェルール522を有するカラー部材524(フェルール-カラー組立品)をハウジング540の内面で回転」するものであるところ、甲1発明の「内部スリーブ544」は、カラー部材524と係合し、一体としてハウジングに対して回転するものである。そして、一般に、スリーブは、「軸などの外周にはめ込んで用いる細長い筒型の部品」工業教育研究会編 図解 機械用語辞典 第4版 日刊工業新聞社 2008.9.25 309頁「スリーブ」の項を参照であることを踏まえると、甲1発明におけるスリーブは、カラー部材524と係合する、軸などの外周にはめ込んで用いる細長い筒型の部品であって、カラー部材と一体としてハウジングに対して回転する機能を有するものと解される。 d 以上を踏まえて検討すると、本件発明6における「フレーム」と甲1発明における「内部スリーブ」は、フェルール部分組立品(甲1発明では、フェルール-カラー組立品)を収納・装着しハウジングに対して回転する機能を有する点で共通するものの、骨組、台枠等を意味する「フレーム」と、軸などの外周にはめ込んで用いる細長い筒型の部品を意味する「スリーブ」は、部材として相違する。そして、甲1発明におけるスリーブは、カラー部材とハウジングボアの間に位置する細長い筒型の部品であるから、甲1発明の「スリーブ」に代えて「フレーム」を用いることは、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (ウ)異議申立人の主張について a 異議申立人は、甲第3号証(特開2002-139650号公報)には、プラグフレーム5内で、ホルダ6及びフェルール2が回転可能なストップリング4に装着されることが記載されており、ハウジング内で回転可能な部材にフェルール等の部材を装着することは、本件特許の出願時の当業者であれば容易に想到し得たことである旨主張(異議申立書29頁22行~30頁1行)するので、以下、検討する。 甲第3号証の図1は、以下のとおりである。 異議申立人が主張するように、甲第3号証には、プラグフレーム5内で、ホルダ6及びフェルール2が回転可能なストップリング4に装着されることが記載されているとしても、甲1発明と甲第3号証に記された技術は、各部品の形状や組立構造が相違するから、甲第3号証に開示された、プラグフレーム5、ホルダ6、フェルール2等を、甲1発明と組み合わせることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 b また、異議申立人は、甲第4号証(特開2002-72014号公報)には、「プラグフレーム30内で、フェルール10が回転可能なストッパ20に装着される」ことが記載されているから、甲1発明において、ハウジング内で回転可能な部材にフェルール等の部材を装着することは、本件特許の出願時の当業者であれば容易に想到したことである旨主張(異議申立書30頁2行~同頁7行)するので、以下、検討する。 甲第4号証の図6は、以下のとおりである。 異議申立人が主張するように、甲第4号証には、プラグフレーム30内で、フェルール10が回転可能なストッパ20に装着されることが記載されているとしても、甲1発明と甲第4号証に記された技術は、各部品の形状や組立構造が相違するから、甲第4号証に開示された、プラグフレーム30、フェルール10、ストッパ20等を、甲1発明と組み合わせることは、当業者が容易になし得たものとは言えない。 (エ)小括 したがって、相違点3について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明と甲第2号証~甲第4号証に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、訂正により請求項7、8が削除されたため、請求項7、8に係る特許に対して、特許異議申立人滝沢純平がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項に係る特許が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2016-700325

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