特許拒絶査定不服審判
2016-018349
遊技機
- 審判番号
- 2016-018349
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-140924外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月06日
- 審決日
- 2017年12月11日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F) / P18 .575-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-140924号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月22日出願公開、特開2015- 12971号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成25年7月4日の出願であって、平成27年4月28日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月3日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年1月21日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年3月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月26日付け(発送日:9月6日)で補正却下の決定とともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年12月6日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。
一方、当審において、平成29年5月29日付けで拒絶理由を通知し、同年7月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月24日付けで最後の拒絶理由を通知し、同年10月30日に意見書および手続補正書が提出されたところである。
第2 平成29年10月30日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年10月30日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1を補正する内容を含んでおり、平成29年7月28日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。
(補正前:平成29年7月28日付け手続補正)
「【請求項1】
所定の遊技が可能な遊技機であって、
前記所定の遊技に関する画像が表示される複数の表示装置と、
共通の画像データを用いて、前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、
前記複数の表示装置は、第1表示装置と、該第1表示装置より小さい表示面積を有する第2表示装置と、を含み、
前記表示制御手段は、前記第1表示装置の色調に合わせて、前記第2表示装置の色調を補正し、
前記第2表示装置は、第1位置と、該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置との間を移動可能であり、
重畳した前記第2表示装置によって被覆されている前記第1表示装置の表示領域に、前記第2表示装置と同じ画像を表示可能である、
ことを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正である平成29年10月30日付け手続補正)
「【請求項1】
所定の遊技が可能な遊技機であって、
前記所定の遊技に関する画像が表示される複数の表示装置と、
共通の画像データを用いて、前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、
前記複数の表示装置は、第1表示装置と、該第1表示装置より小さい表示面積を有する第2表示装置と、を含み、
前記表示制御手段は、前記第1表示装置の色調に合わせて、前記第2表示装置の色調を補正し、
前記第2表示装置は、第1位置と、該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置との間を移動可能であり、
重畳した前記第2表示装置によって被覆されている前記第1表示装置の表示領域に、前記第2表示装置と同じ画像を表示可能であり、
前記第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、前記第1表示装置の画像に対応した画像を表示可能である、
ことを特徴とする遊技機。」
2.補正の適否
本件補正により請求項1の記載は、第2表示装置について、「前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、前記第1表示装置の画像に対応した画像を表示可能である」点が限定された。
そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の特許請求の範囲に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、図7(a)、(b)等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A~Hについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。
「A 所定の遊技が可能な遊技機であって、
B 前記所定の遊技に関する画像が表示される複数の表示装置と、
C 共通の画像データを用いて、前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、
D 前記複数の表示装置は、第1表示装置と、該第1表示装置より小さい表示面積を有する第2表示装置と、を含み、
E 前記表示制御手段は、前記第1表示装置の色調に合わせて、前記第2表示装置の色調を補正し、
F 前記第2表示装置は、第1位置と、該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置との間を移動可能であり、
G 重畳した前記第2表示装置によって被覆されている前記第1表示装置の表示領域に、前記第2表示装置と同じ画像を表示可能であり、
H 前記第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、前記第1表示装置の画像に対応した画像を表示可能である、
ことを特徴とする遊技機。」
(2-1)刊行物1に記載された事項
当審において最後に通知した拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2009-261813号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【請求項1】
大型電子ディスプレイに図柄が変動表示された後、変動停止して大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機において、電動アクチュエータを作動させることにより前記大型電子ディスプレイの前面に出没可能なる装飾可動体を設け、該装飾可動体に小型電子ディスプレイを設けることで該小型電子ディスプレイが前記大型電子ディスプレイの前面に進出し得るようにするとともに、前記大当たり図柄の一部が該小型電子ディスプレイに表示されるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(イ)「【0001】
本発明は、液晶表示装置等の電子ディスプレイを具備し、該電子ディスプレイに大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機に関するものである。
【背景技術】」
(ウ)「【0009】
10は前記大型電子ディスプレイ3の上部に位置し、キャラクタの腕に見立てたアーム状に形成されている装飾可動体で、該装飾可動体10の基部が遊技盤1の一側部に旋回自在に軸支され、該基部は減速歯車(図示せず)を介して後述する電動アクチュエータたる駆動モータに連繋され、該電動アクチュエータを作動させることにより該装飾可動体が該基部を中心としてゆっくり旋回し得るように構成される。そして、該装飾可動体10の先端部にドットマトリックス表示装置からなる小型電子ディスプレイ11が設けられ、図1に破断線で示したように、該装飾可動体10がその旋回によって降下することで、該小型電子ディスプレイ11が該大型電子ディスプレイ3の前面に進出し得る。」
(エ)「【0013】
なお、遊技球が始動入賞口4に入賞しスイッチ25により検出されると、主制御回路20は乱数を取得し、該乱数値により大当たりであるかハズレであるかを判定すると共に、該乱数値により種々の演出が選択され、主制御回路20から演出制御回路22にその演出を実行するべく指令が出され、指令を受けた演出制御回路22はその指令に基いて画像制御回路23を作動させ大型電子ディスプレイ3および小型電子ディスプレイ11に所定の動画像を表示するとともに、仕掛制御回路24が駆動モータ33を作動させ装飾可動体10を旋回させる。」
(オ)「【0016】
また、図5に示した演出は、(イ)に示したように、大型電子ディスプレイ3の図柄変動表示が停止し、間隔を離して「7 7」と表示されたとき、(ロ)に示したように小型電子ディスプレイ11がその間隔部分の上部に進出してきて、該小型電子ディスプレイ11に「7」が表示され、該小型電子ディスプレイ11を駆動モータ33の作動により上下に揺らすと同時にその表示「7」が該小型電子ディスプレイ11上から大型電子ディスプレイ3上に滑り落ちるように見えるように、該小型電子ディスプレイ11の表示と大型電子ディスプレイ3の表示とを連動させ、(ニ)に示したように大型電子ディスプレイ3に「777」の大当たり表示がなされるようにしたものである。このように大型電子ディスプレイ3と小型電子ディスプレイ11とを併用することにより立体的で斬新な様々な演出をすることができ、遊技の魅力、集客力が増す。」
(カ)上記(ウ)【0009】の「10は前記大型電子ディスプレイ3の上部に位置し、キャラクタの腕に見立てたアーム状に形成されている・・装飾可動体10の先端部に・・・小型電子ディスプレイ11が設けられ、・・・該装飾可動体10がその旋回によって降下することで、該小型電子ディスプレイ11が該大型電子ディスプレイ3の前面に進出し得る」の記載、および、上記(オ)【0016】の「また、図5に示した演出は、(イ)に示したように、大型電子ディスプレイ3の図柄変動表示が停止し、間隔を離して「7 7」と表示されたとき、(ロ)に示したように小型電子ディスプレイ11がその間隔部分の上部に進出してきて、該小型電子ディスプレイ11に「7」が表示され、該小型電子ディスプレイ11を駆動モータ33の作動により上下に揺らすと同時にその表示「7」が該小型電子ディスプレイ11上から大型電子ディスプレイ3上に滑り落ちるように見えるように、該小型電子ディスプレイ11の表示と大型電子ディスプレイ3の表示とを連動させ、(ニ)に示したように大型電子ディスプレイ3に「777」の大当たり表示がなされるようにしたものである」の記載を参酌して図5をみると、図5(イ)には、小型電子ディスプレイ11が大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置に位置すること、図5(ロ)には、小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なること、および、小型電子ディスプレイ11には「7」が表示され、「7」の表示は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3に重なっていない部分にも表示されていること、図5(ハ)には、小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」が表示されること、が示されているといえる。
上記(ア)~(オ)の記載事項、(カ)の認定事項から、以下の事項が導かれる。
(a)上記(イ)【0001】には、「電子ディスプレイを具備し、該電子ディスプレイに大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機」と記載されている。
(b)上記(ア)【請求項1】には、「大型電子ディスプレイに図柄が変動表示された後、変動停止して大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機において、・・・前記大型電子ディスプレイの前面に出没可能なる・・・小型電子ディスプレイを設けることで該小型電子ディスプレイが前記大型電子ディスプレイの前面に進出し得るようにするとともに、前記大当たり図柄の一部が該小型電子ディスプレイに表示されるようにした」ことが記載されている。
よって、刊行物1には、「表示されると遊技者に特典がもたらされる大当たり図柄を表示する大型電子ディスプレイと、大当たり図柄の一部が表示される小型電子ディスプレイ」が記載されているといえる。
(c)上記(エ)【0013】には、「遊技球が始動入賞口4に入賞しスイッチ25により検出されると、主制御回路20は乱数を取得し、該乱数値により大当たりであるかハズレであるかを判定すると共に、該乱数値により種々の演出が選択され、主制御回路20から演出制御回路22にその演出を実行するべく指令が出され、指令を受けた演出制御回路22はその指令に基いて画像制御回路23を作動させ大型電子ディスプレイ3および小型電子ディスプレイ11に所定の動画像を表示する」と記載されている。
また、上記(オ)【0016】には、「該小型電子ディスプレイ11に「7」が表示され、該小型電子ディスプレイ11を駆動モータ33の作動により上下に揺らすと同時にその表示「7」が該小型電子ディスプレイ11上から大型電子ディスプレイ3上に滑り落ちるように見えるように、該小型電子ディスプレイ11の表示と大型電子ディスプレイ3の表示とを連動させ」ることが記載されている。
上記(カ)より、図5(ハ)には、小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」が表示されることが示されている。
よって、刊行物1には、小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」を表示させるように作動する画像制御回路23が記載されているといえる。
(d)上記(b)より、刊行物1には、「大型電子ディスプレイと小型電子ディスプレイ」が記載されている。
(f)上記(ウ)【0009】には、「10は前記大型電子ディスプレイ3の上部に位置し、キャラクタの腕に見立てたアーム状に形成されている・・装飾可動体10の先端部に・・・小型電子ディスプレイ11が設けられ、・・・該装飾可動体10がその旋回によって降下することで、該小型電子ディスプレイ11が該大型電子ディスプレイ3の前面に進出し得る」ことが記載されている。
そして、上記(オ)【0016】には、「図5に示した演出は、(イ)に示したように、大型電子ディスプレイ3の図柄変動表示が停止し、間隔を離して「7 7」と表示されたとき、(ロ)に示したように小型電子ディスプレイ11がその間隔部分の上部に進出して」くることが記載されている。
また、上記(カ)より、図5(イ)には、小型電子ディスプレイ11が大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置に位置すること、図5(ロ)には、小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なることが示されている。
よって、刊行物1には、小型電子ディスプレイ11は、大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置から、一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なる位置に進出し得ることが記載されているといえる。
(h)上記(カ)より、図5(ロ)には、小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なること、および、小型電子ディスプレイ11には「7」が表示され、「7」の表示は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3に重なっていない部分にも表示されていることが示されている。
また、上記(イ)【0001】には、「遊技機」と記載されている。
よって、刊行物1には、小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なったとき、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3の前面に重なっていない部分にも表示されている、遊技機が記載されているといえる。
以上(ア)~(オ)の記載事項、(カ)の認定事項及び上記(a)~(h)の認定事項を総合すれば、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a~hは発明の構成を分説するため当審で付した。)。
「a 電子ディスプレイを具備し、該電子ディスプレイに大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機であって、
b 表示されると遊技者に特典がもたらされる大当たり図柄を表示する大型電子ディスプレイと、大当たり図柄の一部が表示される小型電子ディスプレイと、
c 小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」を表示させるように作動する画像制御回路23と、を備え、
d 大型電子ディスプレイと小型電子ディスプレイと、を含み、
f 小型電子ディスプレイ11は、大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置から、一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なる位置に進出し得、
h 小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なったとき、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3の前面に重なっていない部分にも表示されている、遊技機。」
(2-2)刊行物2に記載された事項
当審において最後に通知した拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-105769号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(キ)「【0162】
次に、演出制御部130は、サブ表示器6(サブ画面60)にサブ画像を表示するか否かを判断する(ステップ937)。そして、演出制御部130は、サブ表示器6にサブ画像を表示する場合、次のステップ938に処理を進める。一方、演出制御部130は、サブ表示器6にサブ画像を表示しない場合、次のステップ939に処理を進める。」
(ク)「【0169】
[描画処理]
以下、図25~図28を参照しつつ、画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理について説明する。ここで、図25は、画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理の一例を示すフローチャートである。図26は、分割数SNが「0」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理の一例について説明するための説明図である。図27は、分割数SNが「4」に設定されている場合にVDP142によって行われる描画処理の一例について説明するための説明図である。図28は、分割画像の出力処理の一例について説明するための説明図である。なお、図25に示すフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部140(VDP142)で行われる描画処理は、制御用ROM144に記憶されているプログラムに基づいてCPU141が生成する制御信号に基づいて行われる。また、以下の説明では、第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bのうち、第1フレームバッファ1426Aを使用して描画処理が行われる場合を例に説明するが、第2フレームバッファ1426Bを使用した描画処理も第1フレームバッファ1426Aを使用した描画処理と同様に行われる。
【0170】
図25において、CPU141からの制御信号がVDP142に入力されると、描画エンジン1424は、メイン画像および/またはサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファを選択する(ステップ290)。例えば、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aおよび第2フレームバッファ1426Bのうち、現時点でメイン表示器5および/またはサブ表示器6へ画像を出力しているフレームバッファを特定して、画像を出力していないフレームバッファを今回のフレームの描画処理に使用するフレームバッファとして選択する。
【0171】
上記ステップ290で第1フレームバッファ1426Aが選択された場合、描画エンジン1424は、CPU141からの指示に応じたメイン表示器5に表示されるメイン画像を、第1フレームバッファ1426Aに描画し(ステップ291)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU141は、演出制御部130から指示されたコマンドに対応する演出を決定し、当該演出の実行を指示する制御信号をVDP142へ出力している。この制御信号に応じて、描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に応じて、装飾図柄やキャラクタCI等を示す第1画像と、装飾図柄等の背景を示す背景画像としての第2画像と、文字画像としての第3画像とを、画像用ROM148からVRAM_RS1425に読み出して、これらの画像を合成した画像であるメイン画像を第1フレームバッファ1426Aに描画する(図26参照)。
【0172】
次に、画像音響制御部140は、サブ画面60に画像を表示するか否かを判断する(ステップ292)。ここで、上記ステップ938の処理について説明したように、演出制御部130は、サブ画面60に画像を表示する場合、当該画像を表示するための情報をサブ画像演出コマンドとして生成し、当該サブ画像演出コマンドを画像音響制御部140に出力している。また、上記ステップ939の処理について説明したように、演出制御部130は、サブ画面60に画像を表示しない場合、サブ画面60を未表示にする指示を示すサブ画像演出コマンドを生成し、当該サブ画像演出コマンドを画像音響制御部140に出力している。このサブ画像演出コマンドに応じて、画像音響制御部140は、演出制御部130からサブ画面60に画像を表示することを示すサブ画像演出コマンドを取得した場合、上記ステップ292において肯定判定し、次のステップ293に処理を進める。一方、画像音響制御部140は、演出制御部130からサブ画面60に画像を表示しないことを示すサブ画像演出コマンドを取得した場合、上記ステップ292において否定判定し、次のステップ309に処理を進める。
【0173】
ステップ293において、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、サブ画面60の位置に対応する領域をコピーしてコピー画像を生成し、次のステップに処理を進める。例えば、演出制御部130によってサブ画面60の位置が検出されると、サブ画面60の現時点の位置情報が画像音響制御部140へ送信され、CPU141がサブ画面60の位置情報を含む制御信号をVDP142へ出力する。そして、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、上記位置情報に対応する領域(典型的には、サブ画面60が重なる領域)をコピーしてコピー画像を生成する。具体的には、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像の中から、上記位置情報に対応する240×320(垂直画素数×水平画素数)の画素データをコピーして、VRAM_RS1425にコピー画像として格納する。なお、上記ステップ912で設定された輪郭画像EIのみをサブ画面60に表示する場合、上記コピー画像の生成処理およびVRAM_RS1425への書き込み処理(すなわち、上記ステップ293の処理)を省略する。
【0174】
次に、描画エンジン1424は、図26に示されるように、メイン画面50には表示されず、サブ画面60にのみ表示される表示内容を示す差分画像(すなわち、輪郭画像EIや表示情報IFを示す画像)をコピー画像に合成してサブ画像を生成し(ステップ294)、次のステップに処理を進める。例えば、制御用ROM144には、輪郭画像EIや表示情報IFを示すサブ画像情報が記憶されており、CPU141は、演出制御部130から取得した輪郭画像EIや表示情報IFに対応するサブ画像情報を制御用ROM144から読み出してRAM145に格納する。そして、上記サブ画像情報を含む制御信号がVDP142へ出力される。描画エンジン1424は、CPU141からの制御信号に含まれているサブ画像情報が示す差分画像を生成するために必要な素材データを画像用ROM148から読み出してVRAM_RS1425に格納して、その素材データを用いて差分画像(すなわち、輪郭画像EIや表示情報IFを示す画像)を生成する。そして、描画エンジン1424は、生成された差分画像をVRAM_RS1425上で例えばZバッファ法等を用いてコピー画像に合成することによって、サブ画像を生成する。図26には、メイン画像に対するサブ画像の位置が、破線18で示されている。本実施形態では、上述したように、垂直画素数L3が「240」で水平画素数C3が「320」のサブ画像が生成される。このように、描画エンジン1424は、メイン画像からサブ画面60の位置に対応する領域をコピーして得られるコピー画像に、遊技者へ報知する情報(輪郭画像EIや表示情報IF)を示す差分画像を合成して、サブ画面60に表示するためのサブ画像を生成する。なお、上記ステップ912で設定された輪郭画像EIのみをサブ画面60に表示する場合、コピー画像が生成されないため、上記差分画像をそのままサブ画像としてVRAM_RS1425に格納する。また、コピー画像のみをサブ画面60に表示する場合、上記差分画像が存在しないため上記ステップ294の処理を省略してコピー画像をそのままサブ画像として取り扱う。」
(ケ)「【0178】
上記ステップ298の処理の後、描画エンジン1424は、第2フレームバッファ1426Bに格納されている前のフレームの画像を表示する処理が完了し、上記ステップ291およびステップ298の処理によって第1フレームバッファ1426Aに描画された次のフレームの画像を表示するタイミングになるのを待つ(ステップ299)。そして、上記表示タイミングになった場合(ステップ299:YES)、出力回路1427は、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出してメイン表示器5へ出力すると共に(ステップ300;図26参照)、サブ画像を同じく第1フレームバッファ1426Aから読み出してサブ表示器6へ出力する(ステップ301;図26参照)。そして、画像音響制御部140は、描画処理が終了するまで上記ステップ290に戻って描画処理を繰り返す。」
(コ)図14には「画像音響制御部140」の構成として、「CPU141」、「VDP142」を備えること、「VDP142」は、「描画エンジン1424」、「VRAM FB1426」、「出力回路1427」を備えることが記載されている。
(サ)図15には、「VRAM FB1426」は、「第1フレームバッファ1426A」を備えることが記載されている。
以上(キ)~(ケ)の記載事項、(コ)、(サ)の認定事項から、刊行物2には、以下の事項(以下、「刊行物2に記載の事項」という。)が記載されているといえる。
「画像音響制御部140(VDP142)によって行われる描画処理において、CPU141からの制御信号がVDP142に入力されると、描画エンジン1424は、メイン画像および/またはサブ画像の描画処理に使用するフレームバッファを選択し、第1フレームバッファ1426Aが選択された場合、描画エンジン1424は、CPU141からの指示に応じたメイン表示器5に表示されるメイン画像を、第1フレームバッファ1426Aに描画し、次に、描画エンジン1424は、第1フレームバッファ1426Aに描画されたメイン画像のうち、サブ画面60(サブ表示器6)が重なる領域をコピーしてコピー画像を生成し、サブ画像として取り扱い、表示タイミングになった場合、出力回路1427は、メイン画像を第1フレームバッファ1426Aから読み出してメイン表示器5へ出力すると共に、サブ画像を同じく第1フレームバッファ1426Aから読み出してサブ表示器6へ出力する」こと。
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(h)とし、本願補正発明、引用発明の分説に対応させている。
(a)引用発明の「電子ディスプレイを具備し、該電子ディスプレイに大当たり図柄が表示されると遊技者に特典がもたらされる遊技機」は、本願補正発明の「所定の遊技が可能な遊技機」に相当する。
(b)引用発明の「表示されると遊技者に特典がもたらされる大当たり図柄を表示する」こと、および、「大当たり図柄の一部が表示される」ことは、いずれも、本願補正発明の「前記所定の遊技に関する画像が表示される」ことに相当する。
そして、引用発明の「大型電子ディスプレイ」と「小型電子ディスプレイ」は、本願補正発明の「複数の表示装置」に相当する。
よって、引用発明の「表示されると遊技者に特典がもたらされる大当たり図柄を表示する大型電子ディスプレイと、大当たり図柄の一部が表示される小型電子ディスプレイ」は、本願補正発明の「前記所定の遊技に関する画像が表示される複数の表示装置」に相当する。
(c)引用発明の「画像制御回路23」は、「小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」を表示させるように作動する」ものであるから、本願補正発明の「前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段」に相当する。
よって、引用発明の「小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」を表示させるように作動する画像制御回路23」は、本願補正発明と「前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段」の点で共通する。
(d、f、h)引用発明の「大型電子ディスプレイ」、「小型電子ディスプレイ」は、それぞれ、本願補正発明の「第1表示装置」、「第2表示装置」に相当する。
(d)引用発明の「大型電子ディスプレイと小型電子ディスプレイと、を含」むことは、本願補正発明の「前記複数の表示装置は、第1表示装置と、該第1表示装置より小さい表示面積を有する第2表示装置と、を含」むことに相当する。
(f)引用発明の「大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置」、「一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なる位置」は、それぞれ、本願補正発明の「第1位置」、「該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置」に相当する。
よって、引用発明の「小型電子ディスプレイ11は、大型電子ディスプレイ3の上方の重ならない位置から、一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なる位置に進出し得」ることは、本願補正発明の「前記第2表示装置は、第1位置と、該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置との間を移動可能であ」ることに相当する。
(h)引用発明の「小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なったとき、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3の前面に重なっていない部分にも表示されている」ことは、本願補正発明の「前記第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、」「画像を表示可能である」ことを含むものである。
よって、引用発明の「小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なったとき、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3の前面に重なっていない部分にも表示されている、遊技機」は、本願補正発明の「前記第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、画像を表示可能である、」「遊技機」の点で共通する。
上記(a)~(h)の対比により、本願補正発明と引用発明とは、
「A 所定の遊技が可能な遊技機であって、
B 前記所定の遊技に関する画像が表示される複数の表示装置と、
C’ 前記複数の表示装置の表示制御を行う表示制御手段と、を備え、
D 前記複数の表示装置は、第1表示装置と、該第1表示装置より小さい表示面積を有する第2表示装置と、を含み、
F 前記第2表示装置は、第1位置と、該第1位置よりも前記第1表示装置に重畳する面積が広い第2位置との間を移動可能であり、
H’ 前記第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、画像を表示可能である、
遊技機。」
である点で一致し、構成C、E、G、Hに関し、以下の点で相違する。
[相違点1](構成C)
本願補正発明の表示制御手段は、共通の画像データを用いているのに対し、引用発明では、このような構成は特定されていない点。
[相違点2](構成E)
本願補正発明の表示制御手段は、第1表示装置の色調に合わせて、第2表示装置の色調を補正するのに対し、引用発明では、このような構成は特定されていない点。
[相違点3](構成G)
本願補正発明の表示制御手段は、重畳した第2表示装置によって被覆されている第1表示装置の表示領域に、第2表示装置と同じ画像を表示可能であるのに対し、引用発明では、このような構成は特定されていない点。
[相違点4](構成H)
本願補正発明の、第2表示装置は、第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、第1表示装置の画像に対応した画像を表示可能であるのに対し、引用発明では、このような構成は特定されていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点2について
表示制御の技術分野において、複数の表示装置を用いて画像等を表示する際に、全体として違和感のない表示とするために各表示装置の色調を一致させるように補正することは、当業者であれば、当然考慮すべき事項である(必要があれば、特開2004-212605号公報、特開平7-322181号公報、特開2012-173669号公報等参照されたい。)。
その際、一方の表示領域の色調に合わせて他方の表示領域の色調を補正することは、本願出願前周知技術である(必要があれば、特開2004-357730号公報等参照されたい。)。
そして、遊技機の技術分野においても、複数の表示装置を用いての演出等に際して、遊技者から見て違和感のない表示とすることは、常に内在する自明の課題であるから、引用発明の大型電子ディスプレイと小型電子ディスプレイにおいて、周知技術を適用して、色調を一致させるようにすることは、当業者が容易に想到し得るものであり、その際、表示面積の大きい方である大型電子ディスプレイを基準とすることに格別の困難性は認められない。
したがって、引用発明に周知技術を適用することで、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点1、3について
相違点1、3は、表示制御手段による画像に関する点で共通しているのでまとめて検討する。
刊行物2に記載の事項の「CPU141」、「VDP42」、「描画エンジン1424」、「第1フレームバッファ1426A」、「出力回路1427」を備える「画像音響制御部140」は、「描画処理」を行うことから、「表示制御手段」ということができる。
また、刊行物2に記載の事項の「メイン表示器5」は、本願補正発明の「第1表示装置」に、刊行物2に記載の事項の「サブ表示器6」および「サブ画面60」は、本願補正発明の「第2表示装置」に相当する。
よって、刊行物2に記載の事項における表示制御手段は、第1表示装置のメイン画像のうち、第2表示装置が重なる領域をコピーしてサブ画像を生成し、第1表示装置にメイン画像を出力し、第2表示装置にサブ画像を出力するものといえる。
ここで、サブ画像はメイン画像をコピーして生成していることから、共通の画像データを用いていること、および、メイン画像とサブ画像が重なる領域においては同じ画像であることは明らかである。
そうすると、刊行物2には、表示制御手段は、共通の画像データを用いて、複数の表示制御を行うという、本願補正発明の相違点1に係る構成、および、重畳した第2表示装置によって被覆されている第1表示装置の表示領域に、第2表示装置と同じ画像を表示可能であるという、本願補正発明の相違点3に係る構成が記載されているといえる。
そして、引用発明も、第1表示装置と、第1表示装置に重畳する第2表示装置を有するから、引用発明の大型電子ディスプレイと小型電子ディスプレイの表示制御において、刊行物2に記載のように、共通の画像データを用いること、および、重畳した第2表示装置によって被覆されている第1表示装置の表示領域に、第2表示装置と同じ画像を表示可能であることを適用し、上記相違点1、3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点4について
上記イでの検討を踏まえ、引用発明に刊行物2に記載の事項を適用すると、引用発明の構成hにおいて、小型電子ディスプレイ11の一部が大型電子ディスプレイ3の前面に重なったとき、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11が重畳した大型電子ディスプレイ11にも表示されることは明らかである。
ここで、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」と、小型電子ディスプレイ11に重畳された大型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、共通の画像データを用いて表示制御されるものであるから、両者は「対応した画像」ということができる。
そして、引用発明の構成hによれば、小型電子ディスプレイ11に表示された「7」は、小型電子ディスプレイ11の大型電子ディスプレイ3の前面に重なっていない部分にも表示されているから、小型電子ディスプレイは、大型電子ディスプレイに重畳しない表示領域を含めて、大型ディスプレイ3の画像に対応した画像を表示しているといえる。
上記(3)より、引用発明の「大型電子ディスプレイ3」および「小型電子ディスプレイ11」は、それぞれ、本願補正発明の「第1表示装置」および「第2表示装置」に対応する。
そうすると、引用発明に刊行物2に記載の事項を適用することにより、第2表示装置は、前記第1表示装置に重畳しない表示領域を含めて、前記第1表示装置の画像に対応した画像を表示可能とする、本願補正発明の相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(5)審判請求人の主張について
平成29年10月30日付け意見書において、請求人は、本願補正発明の構成Eについて、「刊行物1、2には、上記(d)の構成について、何ら開示も示唆もされておりません。刊行物1には、色調の補正についての記載が全くありません。また、刊行物2では、方式の異なる表示装置(液晶パネルとドットマトリックス)を敢えて用いており、複数の表示装置間で違和感のない表示をするという発想がそもそもありません。」と主張している(2頁35~38行)。
この主張について検討すると、上記(4)アで検討したとおり、複数の表示装置を用いる場合に、違和感のない表示をするというのは自明の課題であるし、引用発明は、「小型電子ディスプレイ11と大型電子ディスプレイ3とに跨がるように「7」を表示させる」(構成c)ものであるから、両表示装置間で該「7」の表示が共通のものであることを遊技者が認識し得る程度に両表示装置間の表示の違和感をなくす動機付けは充分にあるといえる。また、本願補正発明において、複数の表示装置の方式が同じか否かについては言及されていない。
よって、請求人の主張は採用できない。
(6)小括
よって、本願補正発明は引用発明、刊行物2に記載の事項、および、周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反し、又は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本願補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年7月28日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で補正前として記載されたとおりのものである。
1.刊行物に記載された事項
当審において最後に通知した拒絶の理由に引用された刊行物1、2の記載事項、引用発明、刊行物2に記載の事項は、上記第2の3.(2)(2-1)、(2-2)に記載したとおりである。
2.対比・判断
本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1.で示した下線部に係る事項であるところの上記第3.(1)で示した構成Hを省いたものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記第2の3.(3)で示した[相違点1]~[相違点3]と同様の相違点のみで相違し、当該相違点に係る本願発明の構成については、上記第2の3.(4)ア、イと同様の理由により、引用発明、刊行物2に記載の事項、周知技術に基づいて当業者が容易になし得たものである。
3.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、刊行物2に記載の事項、周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-018349