特許拒絶査定不服審判
2016-016822
順番管理システム、表示端末および表示プログラム
- 審判番号
- 2016-016822
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-001320外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年11月09日
- 審決日
- 2017年10月23日
- 公報発行日
- 2017年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016- 1320「順番管理システム、表示端末および表示プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 7月13日出願公開、特開2017-123023、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成26年1月6日に出願された特許出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 4月13日付け:拒絶理由の通知
平成28年 6月 8日 :意見書,手続補正書の提出
平成28年 8月 5日付け:拒絶査定
平成28年11月 9日 :審判請求書,手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(平成28年8月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1~4に係る発明は,引用文献1,2に記載された発明に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2006-323725号公報
2.特開2002-342846号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)
第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正は,特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものである。
そして,「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように,補正後の請求項1~4に係る発明は,独立特許要件を満たすものである。
第4 本願発明
本願請求項1~4に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」という。)は,平成28年11月9日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
受付端末と,表示端末と,順番管理サーバと,携帯情報端末とが,通信ネットワークを介して接続される順番管理システムであって,
前記受付端末は,
顧客が順番待ちをする施設に設けられ,前記施設を特定するための施設IDが与えられ,顧客のグループごとに,当該グループを構成する顧客の数の入力を含む順番待ちの入力操作を受け付ける入力部と,
を備え,
前記順番管理サーバは,
前記施設IDに対応付けて各施設での順番待ちリストが登録されている管理テーブルであって,前記順番待ちリストによって,顧客のグループごとに順番待ち状況を管理する管理テーブルと,
前記受付端末における順番待ちの入力操作に基づいて前記管理テーブルを更新すると共に,更新した内容を前記施設IDが与えられた表示端末に送信する第1のプロセッサと,
を備え,
前記携帯情報端末は,
卓番の入力を含むレジ済入力操作を検知し,前記入力された卓番をレジ済情報として前記表示端末に送信する手段と,
を備え,
前記表示端末は,
前記施設の所定の位置に設置され,当該表示端末が設置された前記施設を特定するための施設IDが与えられ,
順番待ちをしている各グループの客数を受け付け順に表示する客数表示領域と,片付けが可能となったテーブルの卓番を表示する卓番表示領域とを含む画面を表示するための表示部と,
前記表示端末に与えられた施設IDに基づいて,前記通信ネットワークを介して前記順番管理サーバから前記施設IDに対応付けられた施設における前記顧客の数に関する情報を取得し,前記顧客の数を前記順番待ちの入力操作の受け付け順に並べて前記客数表示領域に表示し,前記通信ネットワークを介して前記携帯情報端末から前記レジ済情報を受信すると,受信したレジ済情報に基づいて,卓番表示領域の表示を更新する第2のプロセッサと,
を備える,順番管理システム。
【請求項2】
前記表示端末は,前記受付端末において新規のグループの順番待ちの入力操作が受け付けられた場合,前記新規のグループを構成する顧客の数を,先に並べて表示されている顧客の数の末尾に追加して表示する,請求項1に記載の順番管理システム。
【請求項3】
前記受付端末は,さらに,順番待ちをしている特定のグループを案内した旨の入力操作を受け付け,
前記表示端末は,前記特定のグループを案内した旨の入力操作が受け付けられた場合,表示中の前記特定のグループを構成する顧客の数を削除する,請求項1又は2に記載の順番管理システム。
【請求項4】
前記表示端末は,前記特定のグループに続いて1つ以上のグループの順番待ちの入力操作が受け付けられた場合において,前記特定のグループを構成する顧客の数を削除したとき,前記1つ以上のグループの顧客の数を繰り上げて表示する,請求項3に記載の順番管理システム。」
第5 引用文献,引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由において引用された,特開2006-323725号公報(以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審において付与した。)
(ア)「【0015】
図1に本発明の一実施の形態に係るPOSシステムの構成を示す。図示のPOSシステムは,レストラン等の飲食店,特に客席数の多い大型の飲食店で使用されるPOSシステムであって,ウェイティング端末10と,POS端末20と,複数のハンディーターミナル31~3Nとを有している。
【0016】
ウェイティング端末10は,少なくとも入力部及び表示部を有する機器,例えば,タッチパネルである。このウェイティング端末10は,飲食店の入り口付近に設置され,来店客が名前や人数等を入力し,また待ち客に関する情報(ウェイティングリスト)を表示するために用いられる。
【0017】
POS端末20は,少なくとも入力部,表示部,処理部及び送受信部を備え,ウェイティング端末10に接続されるとともに,図示しないホストにも接続されている。POS端末20は,会計処理やオーダー処理を行うほか,後述するように,待ち客に関する情報(ウェイティングリスト)と客用卓に関する情報(卓管理テーブル)とを管理する。POS端末の処理部は,片付けが必要な客用卓が複数存在する場合に,その片付け順を決定する片付け順決定部としても機能する。
【0018】
ハンディーターミナル31~3Nの各々は,少なくとも入力部,表示部及び送受信部を備えている。各ハンディーターミナル31~3Nは,POS端末20に無線接続され,オーダー情報等をPOS端末20へ送信するとともに,POS端末から送信される情報を表示部に表示させる。」
(イ)「【0021】
POS端末20は,待ち客に関する情報と客用卓に関する情報とを管理する。待ち客に関する情報としては,少なくとも氏名(或いはグループ名など,他の客と区別するための名称)と人数とがある。待ち客に関する情報は,来店順序とともに管理され,例えば,図2に示すようなウェイティングリストとして管理される。また,客用卓に関する情報としては,定員と,使用中であることを示すフラグと,片付けが必要であることを示すフラグとがある。客用卓に関する情報は,各客用卓に固有に割り当てられた卓番とともに管理され,例えば,図3に示すような卓管理テーブルとして管理される。」
(ウ)「【0022】
待ち客に関する情報の入力は,POS端末20からも可能であるが,通常は,ウェイティング端末10より行われる。ウェイティング端末10への入力は,従業員又は来店客自身が行う。」
(エ)「【0023】
ウェイティング端末10に入力された待ち客に関する情報は,POS端末20へ送られ,POS端末20が保持するウェイティングリストに登録される。POS端末20は,ウェイティングリストを表す情報を,ウェイティング端末10に送り返す。これにより,ウェイティング端末10の表示部には,ウェイティングリストが表示される。また,ウェイティングリストを表す情報は,ハンディーターミナル31~3Nにも送信される。あるいは,ウェイティングリストは,いつでもハンディーターミナル31~3Nから読み出せる状態に置かれ,必要に応じてハンディーターミナル31~3Nの表示部に表示される。
【0024】
ウェイティングリストに登録された情報は,ウェイティング端末10,POS端末及びハンディーターミナル31~3Nのいずれからも削除することができる。通常は,従業員がウェイティングリストに登録されている待ち客を客用卓に案内する際に,ウェイティング端末10又はハンディーターミナル3n(1≦n≦N)に対して,その客に関する情報を削除する操作を行う。その結果,ウェイティング端末10又はハンディーターミナル3n(1≦n≦N)からPOS端末に対して削除指令が送信される。
【0025】
ウェイティング端末10又はハンディーターミナル3n(1≦n≦N)から削除指令を受けたPOS端末20は,ウェイティングリストから該当する客に関する情報を削除し,残りの情報の順番を繰り上げて新たなウェイティングリストを作成する。新たなウェイティングリストは,前述と同様にウェイティング端末10及びハンディーターミナル31~3Nへ送信され表示される。」
(オ)「【0028】
客用卓の使用終了(空卓の発生)を示す情報は,POS端末20から入力される。つまり,会計処理の際に,従業員がPOS端末20の入力部に卓番を入力することにより行われる。POS端末20は,会計処理の際に入力された卓番に対応する卓管理テーブルの使用中フラグをオフ(“0”にリセット)するとともに,片付要フラグをオン(“1”にセット)する。またPOS端末20は,片付要フラグがオンになっている卓番のリストを作成して全ハンディーターミナル31~3Nに送信する。ハンディーターミナルに31~3Nに送信された要片付卓番リストは,それぞれの表示器に表示される。
【0029】
要片付卓番リストは,例えば,図4に示すように,卓番,定員及び片付け順に関する情報を含む。なお,片付け順に関する情報については,後述するように,所定時間ごとに更新されるため,情報なしの場合がある。」
(カ)上記(ア)~(オ)によれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。
<引用発明>
レストラン等の飲食店,特に客席数の多い大型の飲食店で使用されるPOSシステムであって,ウェイティング端末10と,POS端末20と,複数のハンディーターミナル31~3Nとを有しており(段落【0015】,図1),
前記ウェイティング端末10は,
少なくとも入力部及び表示部を有する機器,例えば,タッチパネルであり,飲食店の入り口付近に設置され,従業員又は来店客が待ち客に関する情報を入力し,また待ち客に関する情報を表示するために用いられるものであり,待ち客に関する情報は,少なくとも氏名(或いはグループ名など,他の客と区別するための名称)と人数とがあり,来店順序とともに管理され,ウェイティングリストとして管理されるものであり(段落【0016】,【0021】,【0022】及び図2),
前記POS端末20は,
少なくとも入力部,表示部,処理部及び送受信部を備え,ウェイティング端末10に接続され,会計処理やオーダー処理を行うほか,待ち客に関する情報(ウェイティングリスト)と,客用卓に関する情報(卓管理テーブル)とを管理するものであり(段落【0017】),
ウェイティング端末10に入力された待ち客に関する情報を受信してウェイティングリストに登録し,また,ウェイティング端末10又はハンディーターミナル3n(1≦n≦N)から削除指令を受け,ウェイティングリストから該当する客に関する情報を削除し,残りの情報の順番を繰り上げて新たなウェイティングリストを作成し,ウェイティング端末10及びハンディーターミナル31~3Nへ送信するものであり(段落【0023】~【0025】),
会計処理の際に入力部に入力された卓番に対応する卓管理テーブルの使用中フラグをオフ(“0”にリセット)するとともに,片付要フラグをオン(“1”にセット)し,片付要フラグがオンになっている卓番のリストを作成して全ハンディーターミナル31~3Nに送信するものであり(段落【0028】),
前記ハンディーターミナル31~3Nの各々は,
少なくとも入力部,表示部及び送受信部を備え,POS端末20に無線接続され,オーダー情報等をPOS端末20へ送信するとともに,POS端末から送信されるウェイティングリスト,要片付卓番リストを表示部に表示させるものであり,前記要片付卓番リストは,卓番,定員及び片付け順に関する情報を含むものである(段落【0018】,【0029】,【0041】~【0044】及び図4,6,9),
POSシステム。
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された特開2002-342846号公報(以下,引用文献2という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。
(ア)「【0053】<待ち客入力>まず,待ち客の入力に際しての制御について説明する。特に図示しないが,待ち客表示装置6aのCPU22は,待ち客の入力に際して,HDD26に格納された制御プログラムに基づいて以下の処理を実行する。顧客の待ち合い場所に設置された待ち客表示装置6aは,通常,図7に示すような,トップページである画面P1を表示している。画面P1には,案内を待っている顧客に関する待ち客情報50や,現在待っている顧客の総人数である総人数情報51等が表示されている。画面P1を表示している状態で,タッチパネル21の操作により,「お待ち入力」52がタッチされると,図8に示す画面P2を表示する。」
(イ)「【0062】各待ち客表示装置6は,サーバ3から出力された待ち客管理ファイル100の最新データに基づいて待ち客情報50の表示を更新するとともに,各顧客名に対応づけられた人数から総人数を算出し,算出した総人数に基づいて総人数情報51をLCD20に表示させ,画面P1へ戻る。ここに,総人数取得手段および表示手段としての機能の一部が実現され,総人数取得機能および表示機能が実現される。」
(ウ)「【0094】次に,待ち客表示装置6のうち,厨房等,待ち合い場所以外の場所に設置される待ち客表示装置6bでの操作に応じた各部の制御について図20ないし図22を参照して説明する。なお,待ち客表示装置6bで,待ち客表示装置6aと同様の処理および表示を行う部分についての説明は省略する。」
第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「POSシステム」,「ウェイティング端末10」,「ハンディーターミナル31~3Nの各々」及び「POS端末20」は,それぞれ,本願発明の「順番管理システム」,「受付端末」,「表示端末」及び「順番管理サーバ」に相当する。そして,「POS端末20」は,「ウェイティング端末10」及び「ハンディーターミナル31~3Nの各々」とそれぞれ接続されており,情報を送受信する通信を行うのであるから,「POSシステム」は,「POS端末20」と,「ウェイティング端末10」,「ハンディーターミナル31~3Nの各々」とが,「通信ネットワークを介して接続される」ものであるといえる。
(イ)引用発明の「ウェイティング端末10」は,入力部を有する機器であり,「待ち客に関する情報」は,グループ名を含む氏名と人数とを含むから,「ウェイティング端末10」は,本願発明でいうところの「顧客のグループごとに,当該グループを構成する顧客の数の入力を含む順番待ちの入力操作を受け付ける入力部」を備えているといえる。
(ウ)引用発明の「POS端末20」は,顧客の順番待ち状況である「待ち客に関する情報」を管理するのであり,「待ち客に関する情報」は,グループ名を含む氏名と人数とを含み,来店順序とともに,待ち客の順番待ちリストであるウェイティングリストとして管理されるのだから,「POS端末20」は,本願発明でいうところの「順番待ちリストによって,顧客のグループごとに順番待ち状況を管理する管理テーブル」を備えているといえる。
(エ)引用発明の「POS端末20」は,ウェイティング端末10からの入力・削除指令に基づいてウェイティングリストを更新するのであり,さらに,「POS端末20」は,このウェイティングリストを表す情報を,「ハンディーターミナル31~3Nの各々」に送信するものである。そして,「POS端末20」は,これら入力等の処理を実行するためのプロセッサなどの処理装置を備えていることは明らかであるから,「POS端末20」は,本願発明でいうところの「前記受付端末における順番待ちの入力操作に基づいて前記管理テーブルを更新すると共に,更新した内容を表示端末に送信する第1のプロセッサ」を備えているといえる。
(オ)引用発明の「ハンディーターミナル31~3Nの各々」は,グループ名を含む氏名と人数とを含み,来店順序とともに管理される「ウェイティングリスト」及び卓番,定員及び片付け順に関する情報を含む「要片付卓番リスト」を表示部に表示させるのであるから,「ハンディーターミナル31~3Nの各々」は,本願発明でいうところの「順番待ちをしている各グループの客数を受け付け順に表示する客数表示領域と,片付けが可能となったテーブルの卓番を表示する卓番表示領域とを含む画面を表示するための表示部」を備えているといえる。そして,「ハンディーターミナル31~3Nの各々」は,POS端末20から受信した「ウェイティングリスト」を表示部に表示するのであり,当該表示部に情報を表示させるためのプロセッサなどの処理装置を備えていることは明らかであるから,本願発明でいうところの「前記通信ネットワークを介して前記順番管理サーバから前記顧客の数に関する情報を取得し,前記顧客の数を前記順番待ちの入力操作の受け付け順に並べて前記客数表示領域に表示する第2のプロセッサ」を備えているといえる。
イ してみると,本願発明1と引用発明とは,次の点で一致する。
<一致点>
受付端末と,表示端末と,順番管理サーバとが,通信ネットワークを介して接続される順番管理システムであって,
前記受付端末は,
顧客が順番待ちをする施設に設けられ,顧客のグループごとに,当該グループを構成する顧客の数の入力を含む順番待ちの入力操作を受け付ける入力部と,
を備え,
前記順番管理サーバは,
順番待ちリストによって,顧客のグループごとに順番待ち状況を管理する管理テーブルと,
前記受付端末における順番待ちの入力操作に基づいて前記管理テーブルを更新すると共に,更新した内容を表示端末に送信する第1のプロセッサと,
を備え,
前記表示端末は,
順番待ちをしている各グループの客数を受け付け順に表示する客数表示領域と,片付けが可能となったテーブルの卓番を表示する卓番表示領域とを含む画面を表示するための表示部と,
前記通信ネットワークを介して前記順番管理サーバから前記顧客の数に関する情報を取得し,前記顧客の数を前記順番待ちの入力操作の受け付け順に並べて前記客数表示領域に表示する第2のプロセッサと,
を備える,順番管理システム。
ウ そして,次の点で相違する
<相違点1>
本願発明は,施設を特定するための施設IDを受付端末及び表示端末に与え,当該施設IDに対応付けて順番待ち状況を管理し,当該施設IDに基づいて順番待ち状況を表示するのに対して,引用発明は,待ち客に関する情報の管理や表示において,飲食店を特定するための情報は用いていない点
<相違点2>
本願発明は,受付端末と,表示端末と,順番管理サーバと通信ネットワークを介して接続され,卓番の入力を含むレジ済入力操作を検知し,前記入力された卓番をレジ済情報として前記表示端末に送信する手段を備える携帯情報端末を備えるのに対して,引用発明は,当該携帯情報端末を備えていない点
<相違点3>
本願発明では,表示端末が,施設の所定の位置に設置され,通信ネットワークを介して携帯情報端末からレジ済情報を受信すると,受信したレジ済情報に基づいて,卓番表示領域の表示を更新するのに対して,引用発明では,ハンディーターミナルの各々が,そのように特定されていない点
(2)相違点についての判断
ア 相違点1について
引用文献1には,待ち客に関する情報の管理や表示において,施設である飲食店を特定するための情報を用いることは,記載も示唆もされていない。また,引用文献1のPOSシステムは,複数の飲食店を対象とするものではないから,引用発明において,飲食店を特定するための情報をウェイティング端末10等に与え,当該情報に基づいて待ち客に関する情報の管理や表示を行うように構成する必然性はない。
してみると,複数の店舗におけるそれぞれの待ち行列の情報を店舗IDに対応付けて管理することが出願当時周知技術であるとしても,相違点1について容易想到とはいえない。
イ 相違点2について
引用発明は,POS端末20が,会計処理の際に入力部に入力された卓番に対応する卓管理テーブルの使用中フラグをオフ(“0”にリセット)するとともに,片付要フラグをオン(“1”にセット)し,片付要フラグがオンになっている卓番のリストを作成して全ハンディーターミナル31~3Nに送信する手段を備えるものであるが,引用文献1には,POS端末20に備わる上記手段を別の端末の手段として構成し,さらに当該端末を携帯情報端末とすることは,記載も示唆もされていないし,その必然性もないから,相違点2について容易想到とはいえない。
ウ 相違点3について
引用発明は,POS端末20が,会計処理の際に入力部に入力された卓番に基づいて要片付卓番リストを更新するのであって,ハンディーターミナル31~3Nの各々が,要片付卓番リストを更新するのではない。また,上記(1)ウの<相違点2>において示したとおり,引用発明は,本願発明でいうところの「携帯情報端末」を備えていないから,要片付卓番リストを更新するための情報である「会計処理の際に入力部に入力された卓番」を通信ネットワークを介して「携帯情報端末」から受信するものでもない。さらに,ハンディーターミナル31~3Nの各々は,施設である飲食店の所定の位置に設置されたものでもない。そして,引用文献1には,POS端末20において実行される要片付卓番リストの更新をハンディーターミナル31~3Nの各々において実行するように構成することも,要片付卓番リストの更新を携帯情報端末のようなPOS端末20とは別の端末から受信した情報に基づいて行うように構成することも,ハンディーターミナル31~3Nの各々を飲食店の所定の位置に設置するように構成することも,いずれも,記載も示唆もされていないし,その必然性もない。
してみると,引用文献2に示されるように,待ち客の人数を表示する待ち客表示装置を,厨房等,待ち合い場所以外の場所に設置することが出願当時周知技術であるとしても,そのような構成を採用することの動機付けは存在しないし,当該引用文献2の待ち客表示装置は,片付けが可能となったテーブルの卓番を表示するものでもないから,相違点3について容易想到であるとはいえない。
エ 小括
本願発明は,相違点1~3に係る構成の採用により,複数の施設における順番待ち状況を管理することを可能とするとともに,施設のスタッフが,施設に設置された表示端末を参照することにより,順番待ちをしているグループの客数と順序及び片付けが可能になったテーブルを把握した上で,適切な優先順位を付けて作業を行うことを可能とするものであり,ア~ウにおいて上記したとおり,相違点1~3について容易想到であるとはいえない。
してみると,本願発明は,当業者であっても,引用文献1に記載された引用発明と引用文献2に示される周知技術に基づいて容易に発明することができたものであるとはいえない。
2.本願発明2~4について
本願発明2~4も,1.(2)ア~ウにおいて検討した本願発明1の相違点1~3に係る構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第7 原査定について
審判請求時の補正により,本願発明1~4は,本願発明1の相違点1~3に係る構成を備えるものとなっているから,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1,2に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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