特許拒絶査定不服審判
2016-016227
遊技機
- 審判番号
- 2016-016227
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-128560外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年10月31日
- 審決日
- 2017年05月22日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 小笠原特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-128560「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月27日出願公開、特開2014-221355〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成22年12月14日に出願した特願2010-278208号の一部を平成25年4月4日に新たな特許出願にした特願2013-78388号の一部を平成26年6月23日に新たな特許出願にしたものであって、平成27年7月30日付けで手続補正がなされたが、平成28年1月26日付けで拒絶理由通知がされ、これに対し平成28年4月1日付けで手続補正がなされたが、平成28年8月18日付け(発送日:8月30日)で補正却下の決定とともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年10月31日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載についての補正であり、平成27年7月30日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は、補正箇所を示す。)。
(補正前:平成27年7月30日付け手続補正)
「始動条件の成立により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて特別図柄抽選を実行する抽選手段と、
前記特別図柄抽選が実行されると、特別図柄を変動表示した後に停止表示することにより、前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する図柄表示手段と、
前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから停止させた後に再変動させる擬似連変動を所定回数実行する擬似連変動演出制御手段と、
遊技中に視認可能な位置に配置され、遊技者によって操作される操作手段と、
前記操作手段を、遊技者による操作とは無関係に、前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する演出制御手段とを備え、
前記演出制御手段は、前記擬似連変動演出制御手段により前記擬似連変動が実行されることに伴って、前記操作手段の演出態様を変化させる、遊技機。」
(補正後:本件補正である平成28年10月31日付け手続補正)
「始動条件の成立により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて特別図柄抽選を実行する抽選手段と、
前記特別図柄抽選が実行されると、特別図柄を変動表示した後に停止表示することにより、前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する図柄表示手段と、
前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから、チャンス図柄で停止させると、前記装飾図柄を再変動させる擬似連変動を所定回数実行する擬似連変動演出制御手段と、
遊技中に視認可能な位置に配置され、遊技者によって操作される操作手段と、
前記操作手段を、遊技者による操作とは無関係に、前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する演出制御手段とを備え、
前記演出制御手段は、前記擬似連変動演出制御手段により複数回の前記擬似連変動が実行される場合において、前記装飾図柄が前記チャンス図柄で停止される毎に繰り返し、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる、遊技機。」
2.補正の適否
本件補正により請求項1の記載は、擬似連変動について、「装飾図柄を変動させてから停止させた後に再変動させる」とあったものを、「装飾図柄を変動させてから、チャンス図柄で停止させると、前記装飾図柄を再変動させる」と限定し、演出制御手段について、「前記擬似連変動演出制御手段により前記擬似連変動が実行されることに伴って、前記操作手段の演出態様を変化させる」とあったものを、「前記擬似連変動演出制御手段により複数回の前記擬似連変動が実行される場合において、前記装飾図柄が前記チャンス図柄で停止される毎に繰り返し、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる」と限定している。
そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の特許請求の範囲に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、明細書の[0067]-[0081]、図面の図4-図16等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A~Gについては、発明特定事項を分説するため当審で付与した。)。
「A 始動条件の成立により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
B 前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて特別図柄抽選を実行する抽選手段と、
C 前記特別図柄抽選が実行されると、特別図柄を変動表示した後に停止表示することにより、前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する図柄表示手段と、
D 前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから、チャンス図柄で停止させると、前記装飾図柄を再変動させる擬似連変動を所定回数実行する擬似連変動演出制御手段と、
E 遊技中に視認可能な位置に配置され、遊技者によって操作される操作手段と、
F 前記操作手段を、遊技者による操作とは無関係に、前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する演出制御手段とを備え、
G 前記演出制御手段は、前記擬似連変動演出制御手段により複数回の前記擬似連変動が実行される場合において、前記装飾図柄が前記チャンス図柄で停止される毎に繰り返し、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる、遊技機。」
(2)刊行物に記載された事項
(2-1)刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2010―259643号公報(以下、「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0019】図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。」
(イ)「【0060】<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
【0061】ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作リングユニット329が備えられている。なお、操作リングユニット329は、ボタン機能330とリング機能331とを有して構成されるものであり、このボタン機能330及びリング機能331は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。」
(ウ)「【0314】 また、主制御基板2094には、第一始動口センサ2416(本発明の第一入賞状態検出手段に相当)によって第一始動口1420への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段2916aと、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段2917aとが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段2918aが設けられている。また、第一当り判定用乱数抽出手段2916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル2911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、及び第一当り図柄用乱数抽出手段2917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル2912aを用いて第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931aが設けられている。さらに、第一変動時間用乱数抽出手段2918aによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段2930aによって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル2913aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段2930aによって外れであることが決定されると、第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932aが設けられている。」
(エ)「【0315】また、主制御基板2094には、第一特別図柄表示器2390aにおいて第一特別図柄の変動を開始するとともに、第一変動時間決定手段2932aによって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段2931aによって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段2934と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段2930aによって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段2935が設けられている。さらに、主制御基板2094には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶するとともに、第一特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰り返し行わせる第一保留消化手段2922aが設けられている。換言すれば、第一始動口センサ2416による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機させる第一保留消化手段2922aが設けられている。第一保留消化手段2922aについてさらに詳細に説明する。第一保留消化手段2922aには、第一保留制御手段2941a及び第一消化制御手段2942aが設けられており、第一保留制御手段2941aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすとともに、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第一特別図柄用乱数記憶手段2939の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第一消化制御手段2942aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を読み出すとともに、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n-1の記憶領域にシフトさせる。」
(オ)「【0332】 図114に示すように、周辺基板2811には、主制御基板2094から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段2951によって受信されると、これを基に液晶表示装置640を制御するための各種機能が備えられている。」
(カ)「【0337】一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段2976aが設けられている。第一装飾図柄変動制御手段2976aは、コマンド受信手段2951によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。」
(キ)「【0355】操作リングユニット329は、図118に示すように、押圧操作が可能なボタン機構330と、回転操作が可能なリング機構331と、を外形筐体をなす上下の各カバー体332,333に収容することでユニット化して構成されている。ボタン機構330は、図119に示すように、押圧操作部分となる上面壁を有した円筒形状に形成され、且つ透光性の材料によって形成されたボタンキャップ334と、該ボタンキャップ334内に収容される円盤形状の光拡散レンズ335と、該光拡散レンズ335とボタンキャップ334とが上端部分に取り付けられる円筒形状のプランジャー336と、を備えている。」
(ク)「【0365】また、ステッピングモータ344は、取付片部365の下面にビス止めされるものであり、取付片部365には、ステッピングモータ344を取り付けた状態でモータ軸344aを上方へ挿通する挿通穴365aが穿設されている。伝達ギア343は、取付片部365の上面側で挿通穴365aを挿通したモータ軸344aに取り付けられ、取付片部365の基部となる円筒基部362の壁面部分には、伝達ギア343とリングギア342とを歯合するための切欠部365bが穿設されている。そして、ステッピングモータ344は、伝達ギア343を介してリングギア342を回転させることにより、該リングギア342と一体的に設けられたリングキャップ341を回転駆動するようになっている。即ち、リング機構331を構成するリングキャップ341は、ボタン機構330を構成するボタンキャップ334と同様に遊技者の操作が可能な操作手段の機能を有すると共に、ステッピングモータ344の駆動に基づいて回転する可動演出手段としての機能をも有した構成となっている。」
(ケ)「【0407】次に、ボタン機構330及びリング機構331が可動演出手段として機能する三例を説明する。一例目としては、始動口(第一始動口1420、第二始動口1421)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、図134(A)に示すように、左右の装飾図柄401,403が同一図柄で揃いリーチ態様が表示されると共に(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄402がノーマルリーチの変動態様で表示される。このとき、ボタン機構330及びリング機構331は、それぞれ停止状態にある。即ち、ボタン機構330のボタンキャップ334を光装飾するフルカラーLED358及びリング機構331のリングキャップ341を光装飾するフルカラーLED356は、それぞれ消灯状態にあり、また、リング機構331のリングキャップ341を回転駆動するステッピングモータ344は、駆動停止状態にある。
【0408】その後、図134(B)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄402(同図中には、「6」の中装飾図柄402が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。また、この時点でも、ボタン機構330及びリング機構331は、それぞれ停止状態にある。そして、図134(C)に示すように、液晶表示装置640の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、ボタン機構330及びリング機構331が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED358,356の点灯・点滅駆動によってボタン機構330のボタンキャップ334及びリング機構331のリングキャップ341が発光し、これと同時に、ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転する。その後は、このようなボタン機構330及びリング機構331の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置640の表示は、図134(D)に示すように、左右の装飾図柄401,403が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄402の変動が再開されて、スーパーリーチ変動に発展する。即ち、ボタン機構330及びリング機構331は、その演出駆動によって、液晶表示装置640での装飾図柄のノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動への発展契機となる演出を行うようになっている。」
上記(ア)~(ケ)の記載事項から、以下の事項が導かれる。
(1-a)上記(ウ)【0314】には、主制御基板2094には、第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出されたとき、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段2916aと、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段2917aと、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段2918aが設けられていることが記載されている。
そうすると、刊行物には、第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出されたとき大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段2916a、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段2917a、及び、変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段2918aが記載されているといえる。
(1-b)上記(ウ)【0314】には、主制御基板2094には、第一当り判定用乱数抽出手段2916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル2911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、第一当り図柄用乱数抽出手段2917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル2912aを用いて第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931a、及び、第一変動時間用乱数抽出手段2918aによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段2930aによって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル2913aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段2930aによって外れであることが決定されると、第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932aが設けられていることが記載されている。
そうすると、刊行物には、第一当り判定用乱数抽出手段2916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル2911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、及び、第一当り図柄用乱数抽出手段2917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル2912aを用いて第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931a、及び、第一変動時間用乱数抽出手段2918aによって変動時間用乱数が抽出されると、第一当り時変動時間設定用テーブル2913aまたは第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932aが記載されているといえる。
(1-c)上記(ウ)【0314】には、主制御基板2094には、大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931a、及び、第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932aが設けられていることが記載され、上記(エ)【0315】には、主制御基板2094には、第一特別図柄表示器2390aにおいて第一特別図柄の変動を開始するとともに、第一変動時間決定手段2932aによって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段2931aによって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段2934が設けられていることが記載されている。
そうすると、刊行物には、大当りの当否、停止図柄及び変動時間が決定されると、第一特別図柄の変動を開始するとともに、決定された変動時間の経過後、決定された停止図柄で変動停止させる第一特別図柄表示器2390aが記載されているといえる。
(1-d)上記(オ)【0332】には、周辺基板2811には、主制御基板2094から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段2951によって受信されると、これを基に液晶表示装置640を制御するための各種機能が備えられていることが、上記(カ)【0337】には、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段2976aが設けられ、第一装飾図柄変動制御手段2976aは、コマンド受信手段2951によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段から読み出し変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させることが、上記(ケ)【0407】、【0408】には、始動口(第一始動口1420、第二始動口1421)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、左右の装飾図柄401,403が同一図柄で揃いリーチ態様が表示されると共に、中装飾図柄402がノーマルリーチの変動態様で表示され、ハズレを決定する中装飾図柄402が一旦停止表示され、その後、液晶表示装置640の表示は、左右の装飾図柄401,403が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄402の変動が再開されて、スーパーリーチ変動に発展することが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、制御コマンドに含まれる変動時間に基づいて、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、中装飾図柄402が一旦ハズレ図柄が停止表示され、その後、ハズレを決定する中装飾図柄402の変動を再開する第一装飾図柄変動制御手段2976aが記載されているといえる。
(1-e)上記(ア)【0019】には、パチンコ機1は、皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されていることが、上記(イ)【0060】、【0061】には、皿ユニットはユニット枠301を備え、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作リングユニット329が備えられ、操作リングユニット329は、ボタン機能330とリング機能331とを有して構成され、このボタン機能330及びリング機能331は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものであることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、皿ユニット300のユニット枠301の上面の前方中央に配置され、遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作リングユニット329が記載されているといえる。
(1-f)上記(キ)【0355】には、操作リングユニット329は、押圧操作が可能なボタン機構330と、回転操作が可能なリング機構331と、を備えていることが、上記(ク)【0365】には、リング機構331を構成するリングキャップ341は、ボタン機構330を構成するボタンキャップ334と同様に遊技者の操作が可能な操作手段の機能を有すると共に、ステッピングモータ344の駆動に基づいて回転する可動演出手段としての機能をも有することが、上記(ケ)【0407】、【0408】には、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、ハズレ図柄を停止表示した状態で、ボタン機構及びリング機構331が演出駆動され、ボタン機構330及びリング機構331の演出駆動が継続した状態で、中装飾図柄402の変動が再開されることが、それぞれ、記載されている。
そうすると、刊行物には、操作リングユニット329を、ステッピングモータ344の駆動に基づいて、液晶表示装置640の変動表示中に演出駆動するステッピングモータ344を備えることが記載されているといえる。
(1-g)上記(ア)【0019】には、パチンコ機1が、上記(ケ)【0407】、【0408】には、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、左右の装飾図柄401,403が同一図柄で揃いリーチ態様が表示されると共に中装飾図柄402がノーマルリーチの変動態様で表示され、ハズレを決定する中装飾図柄402が一旦停止表示されるとき、ボタン機構330及びリング機構331は、それぞれ停止状態にあり、その後、液晶表示装置640の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、ボタン機構330及びリング機構331が演出駆動され、具体的には、各フルカラーLED358,356の点灯・点滅駆動によってボタン機構330のボタンキャップ334及びリング機構331のリングキャップ341が発光し、これと同時に、ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転し、ボタン機構330及びリング機構331の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置640の表示は、中装飾図柄402の変動が再開されることが、記載されている。
そうすると、刊行物には、ステッピングモータ344は、中装飾図柄が一旦ハズレ図柄で停止され、その中装飾図柄の変動が再開される場合において、中装飾図柄がハズレ図柄で停止されると、ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転するパチンコ機1が記載されているといえる。
以上、上記(ア)~(ケ)の記載事項及び上記(1-a)~(1-g)の認定事項を総合すれば、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a~gは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。
「a 第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出されたとき大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段2916a、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段2917a、及び、変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段2918aと、
b 第一当り判定用乱数抽出手段2916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル2911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、及び、第一当り図柄用乱数抽出手段2917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル2912aを用いて第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931a、及び、第一変動時間用乱数抽出手段2918aによって変動時間用乱数が抽出されると、第一当り時変動時間設定用テーブル2913aまたは第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932aと、
c 大当りの当否、停止図柄及び変動時間が決定されると、第一特別図柄の変動を開始するとともに、決定された変動時間の経過後、決定された停止図柄で変動停止させる第一特別図柄表示器2390aと、
d 制御コマンドに含まれる変動時間に基づいて、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、中装飾図柄402が一旦ハズレ図柄が停止表示され、その後、ハズレを決定する中装飾図柄402の変動を再開する第一装飾図柄変動制御手段2976aと、
e 皿ユニット300のユニット枠301の上面の前方中央に配置され、遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作リングユニット329と、
f 操作リングユニット329を、ステッピングモータ344の駆動に基づいて、液晶表示装置640の変動表示中に演出駆動するステッピングモータ344とを備え、
g ステッピングモータ344は、中装飾図柄が一旦ハズレ図柄で停止され、その中装飾図柄の変動が再開される場合において、中装飾図柄がハズレ図柄で停止されると、ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転するパチンコ機1。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)-(g)とし、本願補正発明、引用発明の分説に対応させている。
(a)引用発明の「第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出され」ることは、本願補正発明の「始動条件の成立」に相当する。
引用発明の「大当り判定用乱数」、「大当り図柄用乱数」及び「変動時間用乱数」は、本願補正発明の「判定情報」に相当する。
したがって、引用発明のこれらの乱数を「抽出」することは、本願補正発明の判定情報を「取得」することに相当する。
そして、引用発明の「第一当り判定用乱数抽出手段2916a」、「第一当り図柄用乱数抽出手段2917a」及び「第一変動時間用乱数抽出手段2918a」は、本願補正発明の「判定情報取得手段」に相当する。
よって、引用発明の「第一始動口センサ2416によって第一始動口1420への入賞が検出されたとき大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段2916a、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段2917a、及び、変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段2918a」は、本願補正発明の「始動条件の成立により判定情報を取得する判定情報取得手段」に相当する。
(b)上記(a)より、引用発明の「第一当り判定用乱数抽出手段2916a」、「第一当り図柄用乱数抽出手段2917a」及び「第一変動時間用乱数抽出手段2918a」は、本願補正発明の「判定情報取得手段」に、引用発明の「抽出」することは、本願補正発明の判定情報を「取得」することに、引用発明の「大当り判定用乱数」、「大当り図柄用乱数」及び「変動時間用乱数」は、本願補正発明の「判定情報」に、それぞれ、相当する。
そして、引用発明の「第一当り判定用テーブル2911aを用い」ること、「第一当り図柄用テーブル2912aを用い」ること及び「第一当り時変動時間設定用テーブル2913aまたは第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用い」ることは、本願補正発明の「基づ」くことに相当する。
また、引用発明の「大当りの当否を決定する」こと、「第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する」こと及び「第一特別図柄の変動時間を決定する」ことは、本願補正発明の「特別図柄抽選を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「第一当否決定手段2930a」、「第一停止図柄決定手段2931a」及び「第一変動時間決定手段2932a」は、本願補正発明の「抽選手段」に相当する。
よって、引用発明の「第一当り判定用乱数抽出手段2916aによって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル2911aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段2930a、及び、第一当り図柄用乱数抽出手段2917aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル2912aを用いて第一特別図柄表示器2390aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段2931a、及び、第一変動時間用乱数抽出手段2918aによって変動時間用乱数が抽出されると、第一当り時変動時間設定用テーブル2913aまたは第一外れ時変動時間設定用テーブル2914aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段2932a」は、本願補正発明の「前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて特別図柄抽選を実行する抽選手段」に相当する。
(c)上記(b)より、引用発明の「大当りの当否、停止図柄及び変動時間が決定される」ことは、本願補正発明の「前記特別図柄抽選が実行される」ことに相当する。
そして、引用発明の「第一特別図柄の変動を開始するとともに、決定された変動時間の経過後、・・・変動停止させる」ことは、本願補正発明の「特別図柄を変動表示した後に停止表示する」ことに相当する。
また、上記(b)を参照すると、引用発明の「決定された停止図柄」は、特別図柄抽選により決定されるものであるから、本願補正発明の「前記特別図柄抽選の抽選結果」に相当し、そうすると、引用発明の「決定された停止図柄で変動停止させる」ことは、本願補正発明の「前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「第一特別図柄表示器2390a」は、本願補正発明の「図柄表示手段」に相当する。
よって、引用発明の「大当りの当否、停止図柄及び変動時間が決定されると、第一特別図柄を変動の開始するとともに、決定された変動時間の経過後、決定された停止図柄で変動停止させる第一特別図柄表示器2390a」は、本願補正発明の「前記特別図柄抽選が実行されると、特別図柄を変動表示した後に停止表示することにより、前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する図柄表示手段」に相当する。
(d)上記(カ)【0337】「一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段2976aが設けられている。第一装飾図柄変動制御手段2976aは、コマンド受信手段2951によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。」の記載からみて、引用発明の「制御コマンドに含まれる変動時間」は、抽選結果に基づくものであるから、本願補正発明の「前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間」に相当する。
引用発明の「装飾図柄」は、本願補正発明の「装飾図柄」に相当するから、引用発明の「液表表示装置640」は、本願補正発明の「表示手段」に相当する。
引用発明の「装飾図柄において、中装飾図柄402が一旦ハズレ図柄が停止表示され、その後、ハズレを決定する中装飾図柄402の変動を再開する」ことは、本願補正発明の構成Dと「装飾図柄を変動させてから、図柄で停止させると、停止させた少なくとも一部の図柄を再変動させる」点で共通する。
また、引用発明は、再変動を一回実行するものであるから、本願補正発明の「所定回数実行する」ものに相当する。
よって、引用発明の「制御コマンドに含まれる変動時間に基づいて、液晶表示装置640に変動表示される装飾図柄において、中装飾図柄402が一旦ハズレ図柄が停止表示され、その後、ハズレを決定する中装飾図柄402から大当りと決定する中装飾図柄402に切り替わる第一装飾図柄変動制御手段2976a」は、本願補正発明の構成Dと「前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから、図柄で停止させると、停止させた少なくとも一部の図柄の再変動を所定回数実行する演出制御手段」の点で共通する。
(e)引用発明の「皿ユニット300のユニット枠301の上面の前方中央に配置される」ことは、本願補正発明の「遊戯中に視認可能な位置に配置される」ことに相当する。
また、引用発明の「遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作リングユニット329」は、本願補正発明の「遊技者によって操作される操作手段」に相当する。
よって、引用発明の「皿ユニット300のユニット枠301の上面の前方中央に配置され、遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作リングユニット329」は、本願補正発明の「遊技中に視認可能な位置に配置され、遊技者によって操作される操作手段」に相当する。
(f)上記(e)より、引用発明の「操作リングユニット329」は、本願補正発明の「操作手段」に相当する。
また、引用発明の「ステッピングモータ344の駆動に基づ」くことは、本願補正発明の「遊技者による操作とは無関係」に相当する。
そして、引用発明の「液晶表示装置640の変動表示中」は、上記(d)においても検討した通り、制御コマンドに含まれる変動時間によるものであるから、特別図柄の変動表示中に相当するものである。
したがって、引用発明の「液晶表示装置640の変動表示中に演出駆動する」ことは、本願補正発明の「前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する」ことに相当し、引用発明の「ステッピングモータ344」は、本願補正発明の「演出制御手段」に相当する。
よって、引用発明の「操作リングユニット329を、ステッピングモータ344の駆動に基づいて、液晶表示装置640の変動表示中に演出駆動するステッピングモータ344」は、本願補正発明の「前記操作手段を、遊技者による操作とは無関係に、前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する演出制御手段」に相当する。
(g)上記(f)より、引用発明の「ステッピングモータ344」は、本願補正発明の「演出制御手段」に相当する。
また、引用発明の「リング機構331のリングキャップ341」は、操作リングユニット329を構成する部材であることから、上記(e)より、本願補正発明の「操作手段」に相当する。
そして、引用発明の「中装飾図柄が一旦ハズレ図柄で停止され、その中装飾図柄の変動が再開される場合において、中装飾図柄がハズレ図柄で停止される」ことは、本願補正発明と、図柄の一旦停止状態を含む演出が実行される場合において、装飾図柄が図柄で停止される点で共通する。
また、引用発明の、ステッピングモータ344は、「ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転する」ことは、本願補正発明の、演出制御手段は、「操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる」ことに相当する。
引用発明の「パチンコ機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の「ステッピングモータ344は、装飾図柄が一旦ハズレ図柄で停止され、その後大当り図柄が表示される場合において、装飾図柄がハズレ図柄で停止されると、ステッピングモータ344の回転駆動によってリング機構331のリングキャップ341が回転するパチンコ機1」は、本願補正発明の構成Gと、「前記演出制御手段は、図柄の一旦停止状態を含む演出が実行される場合において、前記装飾図柄が前記図柄で停止されると、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる、遊技機」の点で共通する。
上記(a)-(g)により、本願補正発明と引用発明とは、
[一致点]
A 始動条件の成立により判定情報を取得する判定情報取得手段と、
B 前記判定情報取得手段により取得された前記判定情報に基づいて特別図柄抽選を実行する抽選手段と、
C 前記特別図柄抽選が実行されると、特別図柄を変動表示した後に停止表示することにより、前記特別図柄抽選の抽選結果を報知する図柄表示手段と、
D’ 前記特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから、図柄で停止させると、停止させた少なくとも一部の図柄の再変動を所定回数実行する演出制御手段と、
E 遊技中に視認可能な位置に配置され、遊技者によって操作される操作手段と、
F 前記操作手段を、遊技者による操作とは無関係に、前記特別図柄の変動表示中に実行される演出の一部として制御する演出制御手段とを備え、
G’ 前記演出制御手段は、図柄の一旦停止状態を含む演出が実行される場合において、前記装飾図柄が前記図柄で停止されると、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる、遊技機。
である点で一致し、構成D、Gに関して、以下の点で相違する。
[相違点1]
本願補正発明では、特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、表示手段において装飾図柄を変動させてから、チャンス図柄で停止させると、装飾図柄を再変動させる擬似連変動を実行するのに対し、引用発明では、このような特定はされていない点。
[相違点2]
本願補正発明では、演出制御手段は、擬似連変動演出制御手段により、複数回の擬似連変動が実行される場合において、装飾図柄がチャンス図柄で停止される毎に繰り返し、操作手段の演出態様を特定の態様に変化させるのに対し、引用発明では、このような特定はされていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1について
遊技機の技術分野において、特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、図柄の一旦停止状態を含む演出を行う際に、装飾図柄を再変動させる擬似連変動を実行すること、及び、その際、停止図柄をチャンス図柄とすることは、いずれも、本願出願前に周知技術である(必要であれば、特開2010-253079号公報(【0113】、【0114】等)、特開2010-136952号公報(【0120】-【0125】等)等を参照されたい。以下、「周知技術1」という。)。
そして、擬似連変動における停止図柄をどのような図柄にするかは、当業者が適宜選択し得る事項である。
したがって、引用発明における、中装飾図柄が一旦停止表示され、その後、変動を再開する変動表示中の演出に代えて、上記周知技術1のチャンス図柄で一旦停止させる擬似連変動を適用して、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
引用発明における、中装飾図柄が一旦停止表示され、その後、変動を再開する変動表示中の演出に代えて、周知技術1のチャンス図柄で一旦停止させる擬似連変動を適用することが、当業者が容易になし得たことであることは、上記アにおいて検討したとおりである。
そして、遊技機の技術分野において、複数回の擬似連変動が実行される場合において、装飾図柄が停止される毎に繰り返し、特定の態様の演出をすることは、本願出願前に周知技術である(必要であれば、特開2010-253079号公報の「チャンス目」の変動停止に同期して「ドゴーン」の効果音を出力すること(【0114】、図8等)、特開2008-194069号公報の図柄を仮停止させる度に、「ガイーン」の音声を出力させること(【0467】、【0469】、図109等)等を参照されたい。以下、「周知技術2」という。)。
ここで、引用発明は、図柄が停止されると、操作手段の演出態様を特定の態様に変化させるものである。
したがって、引用発明において上記周知技術2に倣って、擬似連変動が複数回実行される変動表示において、装飾図柄がチャンス図柄で停止される毎に繰り返し、操作手段の演出態様を特定の態様に変化させて、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。
ウ 本願補正発明の奏する作用効果について
そして、本願補正発明の作用効果は、引用発明及び周知技術1、2からみて、当業者の予測し得ない格別なものではない。
エ 審判請求人の主張について
審判請求書において、請求人は、「本願発明では、繰り返される複数回のボタン演出の演出態様を同じ特定態様とすることにより、実行されている演出が擬似連演出(つまり、同じことが繰り返される演出)であるということを、ボタン演出を通じて、より印象付けることができ、擬似連変動をより興趣性の高い演出として実現できるという効果を奏します。」と主張している。
この主張について検討すると、上記イで検討したとおり、擬似連変動を複数回実行することにより、繰り返し、操作手段の演出態様を特定の態様に変化させることは周知技術であるから、実行されている演出が擬似連演出であるということを、より印象付けることができ、その結果、擬似連変動をより興趣性の高い演出として実現できるという効果は、引用発明及び周知技術1、2から予測出来る範囲のものであり格別なものとはいえない。
よって、請求人の主張は採用できない。
オ まとめ
したがって、本願補正発明は引用発明及び周知技術1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本願補正発明は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年7月30日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で補正前として記載されたとおりのものである。
1.刊行物
(1-1)刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物の記載事項、引用発明は、上記第2の3.(2)(2-1)に記載したとおりである。
2.対比・判断
本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1.の下線部の、擬似連変動について、「装飾図柄を変動させてから停止させた後に再変動させる」とあったものを、「装飾図柄を変動させてから、チャンス図柄で停止させると、前記装飾図柄を再変動させる」とする限定、演出制御手段について、「前記擬似連変動演出制御手段により前記擬似連変動が実行されることに伴って、前記操作手段の演出態様を変化させる」とあったものを、「前記擬似連変動演出制御手段により複数回の前記擬似連変動が実行される場合において、前記装飾図柄が前記チャンス図柄で停止される毎に繰り返し、前記操作手段の演出態様を特定の態様に変化させる」とする限定を付加した部分を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、相違点1のみで相違し、それについては、上記第2の3.(4)アと同様の理由により、引用発明と周知技術1に基づいて当業者が容易になし得たものである。
3.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明と周知技術1に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2016-016227