特許拒絶査定不服審判
2016-014339
遊技機
- 審判番号
- 2016-014339
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-257544外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年09月26日
- 審決日
- 2017年04月17日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-257544「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年4月30日出願公開、特開2015-83176〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年9月3日に出願した特願2012-193443号の一部を平成26年12月19日に新たな特許出願としたものであって、平成28年1月20日付けで拒絶理由通知がされ、これに対し同年3月23日付けで手続補正がなされたが、同年6月28日付け(発送日:同年7月5日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月26日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成28年3月23日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年3月23日付けの手続補正)
「【請求項1】
A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、発射手段により前記遊技領域のうち、第1遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1始動領域と、
B 前記遊技領域に設けられ、前記発射手段により前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能であり、遊技球が通過しない第1の態様と、当該第1の態様に比べて遊技球が通過し易い第2の態様とに変化可能な第2始動領域と、
C 前記第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な特別遊技領域及び普通領域と、
D 前記第1始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技領域を遊技球が通過可能となる特別遊技を行うか否かを判定する第1特別遊技判定手段と、
E 前記第2始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技を行うか否かを判定する第2特別遊技判定手段と、
F 前記普通領域を遊技球が通過することにより、前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させるか否かを判定する普通遊技判定手段と、
G 前記普通遊技判定手段により前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させると判定されることによって、当該第2始動領域を当該第2の態様に変化させる第2始動領域制御手段と、
H 図柄表示手段に所定の図柄を変動表示させた後に、前記第1又は第2特別遊技判定手段による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
I 前記第1始動領域に遊技球が通過したときに前記第1特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第1特別遊技判定手段による判定権利を第1保留として記憶するとともに、前記第2始動領域に遊技球が通過したときに前記第2特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第2特別遊技判定手段による判定権利を第2保留として記憶する保留記憶手段と、
J 前記第1又は第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄を停止表示された後に、前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
K 前記第2始動領域制御手段により、前記第2始動領域が前記第1の態様となり易い非特定遊技状態又は、前記第2始動領域が前記第2の態様となり易い特定遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段と、
L 前記第1遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第1の発射方向報知および、前記第2遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第2の発射方向報知を行うことが可能な発射方向報知制御手段と、を備え、
M 前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が行われた場合、この特別遊技の終了後、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄が所定回数停止表示されるまで前記特定遊技状態で遊技を制御してから前記非特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を有し、
N 前記発射方向報知制御手段は、
前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行に基づき、前記第2の発射方向報知を行うとともに、前記遊技状態制御手段による前記特定遊技状態中においても前記第2の発射方向報知を行い、
O 前記遊技状態制御手段による制御が、前記特定遊技状態から前記非特定遊技状態に移行したことに基づき、前記第1の発射方向報知を行い、
P 前記遊技状態制御手段により前記非特定遊技状態に制御されているときに、前記普通領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第1の発射方向報知を行い、
Q 前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されているときに、前記第1始動領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行う、
R ことを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正である平成28年9月26日付けの手続補正)
「【請求項1】
A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、発射手段により前記遊技領域のうち、第1遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1始動領域と、
B 前記遊技領域に設けられ、前記発射手段により前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能であり、遊技球が通過しない第1の態様と、当該第1の態様に比べて遊技球が通過し易い第2の態様とに変化可能な第2始動領域と、
C 前記第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な特別遊技領域及び普通領域と、
D 前記第1始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技領域を遊技球が通過可能となる特別遊技を行うか否かを判定する第1特別遊技判定手段と、
E 前記第2始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技を行うか否かを判定する第2特別遊技判定手段と、
F 前記普通領域を遊技球が通過することにより、前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させるか否かを判定する普通遊技判定手段と、
G 前記普通遊技判定手段により前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させると判定されることによって、当該第2始動領域を当該第2の態様に変化させる第2始動領域制御手段と、
H 図柄表示手段に所定の図柄を変動表示させた後に、前記第1又は第2特別遊技判定手段による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
I 前記第1始動領域に遊技球が通過したときに前記第1特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第1特別遊技判定手段による判定権利を第1保留として記憶するとともに、前記第2始動領域に遊技球が通過したときに前記第2特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第2特別遊技判定手段による判定権利を第2保留として記憶する保留記憶手段と、
J 前記第1又は第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄を停止表示された後に、前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
K 前記第2始動領域制御手段により、前記第2始動領域が前記第1の態様となり易い非特定遊技状態又は、前記第2始動領域が前記第2の態様となり易い特定遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段と、
L 前記第1遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第1の発射方向報知および、前記第2遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第2の発射方向報知を行うことが可能な発射方向報知制御手段と、を備え、
S 前記特別遊技には、第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも有利な第2特別遊技と、
を含み、
前記第1特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、第1の割合で前記第2特別遊技が行われ、
前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ、
M 前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が行われた場合、この特別遊技の終了後、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄が所定回数停止表示されるまで前記特定遊技状態で遊技を制御してから前記非特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を有し、
N 前記発射方向報知制御手段は、
前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行に基づき、前記第2の発射方向報知を行うとともに、前記遊技状態制御手段による前記特定遊技状態中においても前記第2の発射方向報知を行い、
O 前記遊技状態制御手段による制御が、前記特定遊技状態から前記非特定遊技状態に移行したことに基づき、前記第1の発射方向報知を行い、
P 前記遊技状態制御手段により前記非特定遊技状態に制御されているときに、前記普通領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第1の発射方向報知を行い、
Q 前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されているときに、前記第1始動領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行う、
R ことを特徴とする遊技機。」
2.補正の適否
本件補正によって、請求項1の記載は、上記1.の下線部が加わるように補正された。すなわち、補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「特別遊技実行手段」が「第1又は第2特別遊技判定手段により」「特別遊技を行うと判定された場合」に「行う」「特別遊技」について、「S 第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも有利な第2特別遊技と、を含み、前記第1特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、第1の割合で前記第2特別遊技が行われ、前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ」るという限定を付加したものである。
そうすると、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そして、本件補正は、明細書の段落【0123】~【0125】、【0130】~【0139】の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。
(1)本件補正後の請求項1に係る発明
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の本件補正の概要において示したとおりのものである。
(2)刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-24471号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
ア 「【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。」
イ 「【0016】
遊技盤5には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール14が環状に装着されると共に、そのガイドレール14の内側の遊技領域15に、センターケース16の他、普通図柄始動手段17、第1,第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)18a,18b、大入賞手段(開閉入賞手段)19、普通入賞手段20等の遊技球検出手段を含む各種遊技部品が配置されている。
【0017】
センターケース16は、例えば遊技盤5の裏側に固定される液晶式等の画像表示手段21に対応して遊技領域15内の略中央に配置されており、遊技盤5の前面側に沿って設けられ且つ固定ねじ等により遊技盤5に固定される前面装着板22と、画像表示手段21の表示画面21aを取り囲む表示枠部23とを一体に備えている。表示枠部23は、例えばその略全体が前面装着板22から前側に突出しており、その内側、即ち画像表示手段21側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。即ち、発射手段6により遊技領域15の上部側に打ち込まれた遊技球は、この表示枠部23の上部側で左右に振り分けられ、センターケース16の左側の左流下経路(非特定流下経路)24aと右側の右流下経路(特定流下経路)24bとの何れかを流下する。」
ウ 「【0019】
普通図柄始動手段17は、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、例えばセンターケース16の右側上部、即ち右流下経路24b上の上部側に配置されており、通過した遊技球を検出可能となっている。」
エ 「【0022】
第1特別図柄始動手段18aは、第1特別図柄表示手段32aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の下側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。なお、遊技領域15内の釘配置(図示省略)等により、この第1特別図柄始動手段18aへは左流下経路24aを流下してきた遊技球(センターケース16のステージ36を経た遊技球を含む)の入賞が可能であるのに対し、右流下経路24bを流下してきた遊技球については入賞不可能(又は入賞困難)となっている。
【0023】
第2特別図柄始動手段18bは、第2特別図柄表示手段32bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース16の右側の右流下経路24b上で且つ普通図柄始動手段17よりも下流側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。この第2特別図柄始動手段18bは、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段41が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。」
オ 「【0034】
発射警告情報表示手段(発射警告表示出力手段)40(図2,図12)は、遊技者が狙うべき流下経路と反対側の流下経路に遊技球が打ち込まれた場合に発射警告情報を表示するもので、例えば左打ち期間中に右流下経路24b上の普通図柄始動手段(特定検出手段)17等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を、右打ち期間中に左流下経路24a上の普通入賞手段20等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を画像表示手段21上に表示するように構成されている。
【0035】
大入賞手段19は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板42を備えた開閉入賞手段で、例えばセンターケース16の右側の右流下経路 (特定流下経路)24b上で且つ第2特別図柄始動手段18bよりも下流側に配置されており、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する大当たり状態中に、開閉板42が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させると共に、その入賞した遊技球を検出するようになっている。」
カ 「【0037】
主制御基板51は、主に遊技盤5側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動口チェック処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、普通図柄表示制御手段66、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、大当たり状態発生手段75、第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76b、特別遊技状態発生手段77、事前判定手段78、制御コマンド送信手段79等を備えている。
【0038】
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段62は、普通図柄始動手段17による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
【0039】
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。」
キ 「【0041】
普通利益状態発生手段65は、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図3に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが選択されるようになっている。
ク 「【0044】
第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bがその入賞球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値(判定乱数値)及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶させるように構成されている。
【0045】
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値(判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンとして複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。」
ケ 「【0048】
大当たり状態発生手段(利益状態発生手段)75は、遊技者に有利な大当たり状態(利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(所定態様)となることに基づいて、大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるように構成されている。大当たり状態における大入賞手段19の開放パターンは例えば複数種類用意されており、大当たり状態毎にそれらのうちの1つが選択されるようになっている。」
コ 「【0052】
第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76bは、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0053】
特別遊技状態発生手段77は、大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。なお本実施形態では、図4に示すように、第1,第2特別図柄表示手段32a,32b共に、大当たり図柄乱数値が0~4の場合に時短状態が、5~9の場合に確変状態が夫々発生するように構成されている。このように、本実施形態では特別遊技状態(確変状態と時短状態)の振り分け確率については第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一であるのに対し、大当たり状態で開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっており、第1特別図柄側で大当たりとなるよりも第2特別図柄側で大当たりとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。
【0054】
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図3に示すように当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了するようになっている。」
サ 「【0064】
この発射誘導情報出力開始処理(図8)では、まず受信した遊技状態コマンドの種類が判定される(S11~S14)。そして、受信した遊技状態コマンドが15R大当たり開始コマンドであれば(S11:Yes)、右打ち期間中フラグが、右打ち期間中であることを示すONに設定される(S15)と共に、図11及び図12(a)に示すように、発射誘導情報表示手段39、即ち画像表示手段21の表示画面21a上に「右へ→」等の右打ち誘導情報の表示が開始され(S16)、また発射誘導情報出力中フラグがONに切り換えられ(S17)、発射誘導情報出力開始処理は終了する。15R大当たり開始コマンドが送信されると、その後に15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利(右打ち期間)となる。
【0065】
なお、特別遊技状態中(潜伏確変状態を除く)は、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンとなるため(図3)、遊技者にとって「右打ち」が有利な右打ち期間であり、この特別遊技状態中に大当たり状態が開始しても「右打ち」が有利な状態は変わらない。従って、15R大当たり開始コマンドを受信した場合(S11:Yes)であっても、それが特別遊技状態中(潜伏確変状態を除く)である場合、即ち右打ち期間中である場合には、右打ち誘導情報の表示を開始しないように制御してもよい。」
シ 「【0069】
時短終了コマンドが送信されると、それまでの時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため(図3)、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利(左打ち期間)となる。」
ス 「【0073】
発射警告情報制御手段86は、発射警告情報の出力制御を行うもので、図10に示す発射警告情報制御処理を例えば定期割り込み毎に実行することにより、左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれ、右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に発射警告情報を出力させるように構成されている。」
セ 「【0090】
実施形態では、普通図柄始動手段17を、右流下経路(特定流下経路)24bを流下する遊技球を検出する特定検出手段としたが、特定検出手段は右流下経路24b上の検出手段であればよく、また1つであっても複数であってもよい。また、右流下経路24bの上流側に、普通図柄始動手段17等とは別の専用の特定検出手段を配置してもよい。この専用の特定検出手段は、右流下経路24b側に振り分けられた全ての遊技球を検出可能とすることが望ましい。同様に、非特定流下経路である左流下経路24aを流下する遊技球を検出する非特定検出手段についても、普通入賞手段20に限らず左流下経路24a上の検出手段であればよく、また1つであっても複数であってもよい。また、左流下経路24aの上流側に、普通入賞手段20等とは別の専用の非特定検出手段を配置してもよい。」
上記記載事項ア~セを総合すれば、刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「a 遊技領域15に配置され、発射手段6により遊技領域15に打ち込まれ左流下経路24aを流下してきた遊技球の入賞が可能である第1特別図柄始動手段18a(【0016】、【0017】、【0022】)と、
b 遊技領域15に配置され、発射手段6により遊技領域15に打ち込まれ右流下経路24bを流下してきた遊技球の入賞が可能であり、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な第2特別図柄始動手段18b(【0016】、【0017】、【0023】)と、
c 発射手段6により遊技領域15に打ち込まれた遊技球が流下する右流下経路24b上に配置され、遊技球を内部へと入賞させる大入賞手段19及び遊技球が通過可能な普通図柄始動手段17(【0017】、【0019】、【0035】)と、
d 第1特別図柄始動手段18aに遊技球が入賞し、第1特別図柄始動手段18aがその入賞球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値を取得する第1特別始動口チェック処理手段72a、及び、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり/外れの判定を行う第1特別図柄処理手段74a(【0044】、【0045】、【0048】)と、
e 第2特別図柄始動手段18bに遊技球が入賞し、第2特別図柄始動手段18bがその入賞球を検出することに基づいて、第2特別乱数作成処理手段71bで作成された大当たり判定乱数値を取得する第2特別始動口チェック処理手段72bと、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり/外れの判定を行う第2特別図柄処理手段74b(【0044】、【0045】、【0048】)と、
f 普通図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値を取得する普通始動口チェック処理手段62と、当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を開状態に変化させる当たり/外れの判定を行う普通図柄処理手段64(【0038】、【0039】、【0041】)と、
g 普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を開状態に変化させる普通利益状態発生手段65(【0041】)と、
h 第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させる第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76b(【0052】)と、
i 第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bがその入賞球を検出することに基づいて取得される大当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として記憶する第1,第2特別乱数記憶手段73a,73b(【0044】)と、
j 第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて、大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段75(【0048】)と、
k 普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられる時短状態を発生させる特別遊技状態発生手段77を備える遊技動作に関わる制御を行う主制御基板51(【0037】、【0053】、【0054】)と、
l 左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を、右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力する発射警告情報制御手段86(【0034】、【0073】)と、を備え、
m 遊技動作に関わる制御を行う主制御基板51は、
大当たり状態発生手段75による大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段77(【0037】、【0048】、【0053】)を有し、
n 前記発射警告情報制御手段86は、
15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利となる右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力すること及び特別遊技状態中は、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンとなるため、遊技者にとって「右打ち」が有利な右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力し(【0034】、【0064】、【0065】、【0073】)、
o 発射警告情報制御手段86は、時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を出力し(【0034】、【0069】、【0073】)、
p 時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる左打ち期間中に右流下経路24b上の普通図柄始動手段17等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を画像表示手段21上に表示し(【0034】、【0069】)、
q 15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利となる右打ち期間中に左流下経路24a上の検出手段が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を画像表示手段21上に表示する(【0034】、【0064】、【0090】)、
r パチンコ機(【0014】)。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「左流下経路24a」及び「第1特別図柄始動手段18a」は、それぞれ、本願補正発明の「第1遊技領域」及び「第1始動領域」に相当する。
また、引用発明において、「遊技領域15」が遊技球が流下可能な領域であることは明らかである。
したがって、引用発明の「a 遊技領域15に配置され、発射手段6により遊技領域15に打ち込まれ左流下経路24aを流下してきた遊技球の入賞が可能である第1特別図柄始動手段18a」は、本願補正発明の「A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、発射手段により前記遊技領域のうち、第1遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1始動領域」に相当する。
イ 引用発明の「右流下経路24b」及び「第2特別図柄始動手段18b」は、本願補正発明の「第1遊技領域とは異なる第2遊技領域」及び「第2始動領域」に相当する。
したがって、引用発明の「b 遊技領域15に配置され、発射手段6により遊技領域15に打ち込まれ右流下経路24bを流下してきた遊技球の入賞が可能であり、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な第2特別図柄始動手段18b」は、本願補正発明の「B 前記遊技領域に設けられ、前記発射手段により前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能であり、遊技球が通過しない第1の態様と、当該第1の態様に比べて遊技球が通過し易い第2の態様とに変化可能な第2始動領域」に相当する。
ウ 引用発明の「c 発射手段6により遊技領域15に打ち込まれた遊技球が流下する右流下経路24b上に配置され、遊技球を内部へと入賞させる大入賞手段19及び遊技球が通過可能な普通図柄始動手段17」は、本願補正発明の「C 前記第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な特別遊技領域及び普通領域」に相当する。
エ 引用発明の「大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり」は、本願補正発明の「特別遊技領域を遊技球が通過可能となる特別遊技」に相当する。
したがって、引用発明の「d 第1特別図柄始動手段18aに遊技球が入賞し、第1特別図柄始動手段18aがその入賞球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値を取得する第1特別始動口チェック処理手段72a、及び、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり/外れの判定を行う第1特別図柄処理手段74a」は、本願補正発明の「D 前記第1始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技領域を遊技球が通過可能となる特別遊技を行うか否かを判定する第1特別遊技判定手段」に相当する。
オ 引用発明の「e 第2特別図柄始動手段18bに遊技球が入賞し、第2特別図柄始動手段18bがその入賞球を検出することに基づいて、第2特別乱数作成処理手段71bで作成された大当たり判定乱数値を取得する第2特別始動口チェック処理手段72bと、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり/外れの判定を行う第2特別図柄処理手段74b」は、本願補正発明の「E 前記第2始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技を行うか否かを判定する第2特別遊技判定手段」に相当するといえる。
カ 引用発明の「f 普通図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値を取得する普通始動口チェック処理手段62と、当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を開状態に変化させる当たり/外れの判定を行う普通図柄処理手段64」は、本願補正発明の「F 前記普通領域を遊技球が通過することにより、前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させるか否かを判定する普通遊技判定手段」に相当する。
キ 引用発明の「g 普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を開状態に変化させる普通利益状態発生手段65」は、本願補正発明の「G 前記普通遊技判定手段により前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させると判定されることによって、当該第2始動領域を当該第2の態様に変化させる第2始動領域制御手段」に相当する。
ク 引用発明の「h 第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させる第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76b」は、本願補正発明の「H 図柄表示手段に所定の図柄を変動表示させた後に、前記第1又は第2特別遊技判定手段による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる図柄表示制御手段」に相当する。
ケ 引用発明の「i 第1,第2特別図柄始動手段18a,18bに遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段18a,18bがその入賞球を検出することに基づいて取得される大当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として記憶する第1,第2特別乱数記憶手段73a,73b」は、第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させることができない場合、大当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として記憶することは明らかであるから、本願補正発明の「I 前記第1始動領域に遊技球が通過したときに前記第1特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第1特別遊技判定手段による判定権利を第1保留として記憶するとともに、前記第2始動領域に遊技球が通過したときに前記第2特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第2特別遊技判定手段による判定権利を第2保留として記憶する保留記憶手段」に相当する。
コ 引用発明の「j 第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて、大入賞手段19を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させる大当たり状態発生手段75」は、本願補正発明の「J 前記第1又は第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄を停止表示された後に、前記特別遊技を行う特別遊技実行手段」に相当する。
サ 引用発明において、「k 普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられる時短状態」は、普通利益状態発生手段65による第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41を開状態に変化させ易い状態といえる。また、非時短状態は、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41が閉状態となり易い状態といえ、引用発明の遊技動作に関わる制御を行う主制御基板51がそれらの状態で遊技を制御する遊技状態制御手段を有することは明らかである。
したがって、引用発明の「k 普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段18bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられる時短状態を発生させる特別遊技状態発生手段77を備える遊技動作に関わる制御を行う主制御基板51」は、本願補正発明の「K 前記第2始動領域制御手段により、前記第2始動領域が前記第1の態様となり易い非特定遊技状態又は、前記第2始動領域が前記第2の態様となり易い特定遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段」に相当する。
シ 引用発明の「l 左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を、右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力する発射警告情報制御手段86」は、本願補正発明の「L 前記第1遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第1の発射方向報知および、前記第2遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第2の発射方向報知を行うことが可能な発射方向報知制御手段」に相当する。
ス 上記サの検討を踏まえれば、引用発明の「m 遊技動作に関わる制御を行う主制御基板51は、大当たり状態発生手段75による大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段77を有」することは、本願補正発明の「M 前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が行われた場合、この特別遊技の終了後、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄が所定回数停止表示されるまで前記特定遊技状態で遊技を制御してから前記非特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を有」することに相当する。
セ 引用発明の「n 前記発射警告情報制御手段86は、15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利となる右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力すること及び特別遊技状態中は、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンとなるため、遊技者にとって「右打ち」が有利な右打ち期間中であるにも拘わらず左流下経路24a側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を出力」することは、本願補正発明の「N 前記発射方向報知制御手段は、前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行に基づき、前記第2の発射方向報知を行うとともに、前記遊技状態制御手段による前記特定遊技状態中においても前記第2の発射方向報知を行」うことに相当する。
ソ 引用発明の「o 発射警告情報制御手段86は、時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる左打ち期間中であるにも拘わらず右流下経路24b側に所定個数の遊技球が打ち込まれた場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を出力」することは、本願補正発明の「O 前記遊技状態制御手段による制御が、前記特定遊技状態から前記非特定遊技状態に移行したことに基づき、前記第1の発射方向報知を行」うことに相当する。
タ 引用発明の発射警告情報制御手段86が「p 時短状態が終了して通常遊技状態となり、右流下経路24b上にある第2特別図柄始動手段18bの開閉パターンが延長開閉パターンから通常開閉パターンに切り換わって入賞の可能性が極めて低くなるため、第1特別図柄始動手段18aを狙って「左打ち」を行う方が遊技者にとって有利となる左打ち期間中に右流下経路24b上の普通図柄始動手段17等が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「←左を狙え!」等の右打ち警告情報を画像表示手段21上に表示する」ことは、本願補正発明の発射方向報知制御手段が「P 前記遊技状態制御手段により前記非特定遊技状態に制御されているときに、前記普通領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第1の発射方向報知を行」うことに相当する。
チ 引用発明の発射警告情報制御手段86が「q 15R大当たり状態が開始され、右流下経路24b上にある大入賞手段19が開放されるため、遊技者は右流下経路24b側を狙って「右打ち」を行う方が有利となる右打ち期間中に左流下経路24a上の検出手段が検出した遊技球の個数が所定個数(例えば3個)以上となった場合に「右を狙え!→」等の左打ち警告情報を画像表示手段21上に表示する」ことと、本願補正発明の発射方向報知制御手段が「Q 前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されているときに、前記第1始動領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行う」こととは、「前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されているときに、前記第1遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な検出手段への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行う」点で共通する。
ツ 引用発明の「r パチンコ機」は、本願補正発明の「R 遊技機」に相当する。
そうすると、両者は、
「A 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、発射手段により前記遊技領域のうち、第1遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1始動領域と、
B 前記遊技領域に設けられ、前記発射手段により前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能であり、遊技球が通過しない第1の態様と、当該第1の態様に比べて遊技球が通過し易い第2の態様とに変化可能な第2始動領域と、
C 前記第2遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な特別遊技領域及び普通領域と、
D 前記第1始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技領域を遊技球が通過可能となる特別遊技を行うか否かを判定する第1特別遊技判定手段と、
E 前記第2始動領域を遊技球が通過することにより前記特別遊技を行うか否かを判定する第2特別遊技判定手段と、
F 前記普通領域を遊技球が通過することにより、前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させるか否かを判定する普通遊技判定手段と、
G 前記普通遊技判定手段により前記第2始動領域を前記第2の態様に変化させると判定されることによって、当該第2始動領域を当該第2の態様に変化させる第2始動領域制御手段と、
H 図柄表示手段に所定の図柄を変動表示させた後に、前記第1又は第2特別遊技判定手段による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
I 前記第1始動領域に遊技球が通過したときに前記第1特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第1特別遊技判定手段による判定権利を第1保留として記憶するとともに、前記第2始動領域に遊技球が通過したときに前記第2特別遊技判定手段による判定が行えない場合、当該第2特別遊技判定手段による判定権利を第2保留として記憶する保留記憶手段と、
J 前記第1又は第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄を停止表示された後に、前記特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
K 前記第2始動領域制御手段により、前記第2始動領域が前記第1の態様となり易い非特定遊技状態又は、前記第2始動領域が前記第2の態様となり易い特定遊技状態で遊技を制御する遊技状態制御手段と、
L 前記第1遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第1の発射方向報知および、前記第2遊技領域に向けて遊技球を発射させるよう促す第2の発射方向報知を行うことが可能な発射方向報知制御手段と、を備え、
M 前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が行われた場合、この特別遊技の終了後、前記図柄表示制御手段により前記判定図柄が所定回数停止表示されるまで前記特定遊技状態で遊技を制御してから前記非特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を有し、
N 前記発射方向報知制御手段は、
前記特別遊技実行手段による前記特別遊技の実行に基づき、前記第2の発射方向報知を行うとともに、前記遊技状態制御手段による前記特定遊技状態中においても前記第2の発射方向報知を行い、
O 前記遊技状態制御手段による制御が、前記特定遊技状態から前記非特定遊技状態に移行したことに基づき、前記第1の発射方向報知を行い、
P 前記遊技状態制御手段により前記非特定遊技状態に制御されているときに、前記普通領域への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第1の発射方向報知を行い、
Q’ 前記特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されているときに、前記第1遊技領域に向けた発射された遊技球が通過可能な検出手段への遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行う、
R 遊技機。」
である点で一致しており、構成Q、Sに関し次の点で相違する。
(相違点1)
特別遊技実行手段により特別遊技が実行されているときに、第1遊技領域に向けた発射された遊技球が通過可能で遊技球の通過が検出されたことに基づき前記第2の発射方向報知を行うための検出手段が、本願補正発明では「第1始動領域」であるのに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。
(相違点2)
特別遊技について、本願補正発明では「S 第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも有利な第2特別遊技と、を含み、前記第1特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、第1の割合で前記第2特別遊技が行われ、前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ」るのに対し、引用発明ではそのようなものか否か明らかでない点。
(4)判断
そこで、前記相違点について検討する。
(相違点1について)
刊行物1の段落【0090】(上記(2)セ)には、「非特定流下経路である左流下経路24aを流下する遊技球を検出する非特定検出手段についても、普通入賞手段20に限らず左流下経路24a上の検出手段であればよく」と記載されており、引用発明の「左流下経路24a上の検出手段」として、「左流下経路24aを流下してきた遊技球の入賞が可能である第1特別図柄始動手段18a」を選択して、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が適宜なし得ることである。
(相違点2について)
刊行物1には、以下の記載がある。
「【0049】
本実施形態では、図4に示すように大入賞手段19の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられており、大当たり状態発生手段75は、例えば大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンα,βの何れかを選択するように構成されている。開放パターンαは、大入賞手段19を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンα(遊技球が入賞困難な短時間だけ大入賞手段19を開放する短時間開放パターンの一例)は、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
【0050】
一方の開放パターンβ(通常開放パターンの一例)は、大入賞手段19を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されている。この開放パターンβの場合、大入賞手段19への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
【0051】
また本実施形態では、図4に示すように、開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。なお以下の説明では、開放パターンαによる大当たり状態を「2R大当たり状態」、開放パターンβによる大当たり状態を「15R大当たり状態」という。
【0052】
第1,第2特別図柄表示制御手段76a,76bは、第1,第2特別図柄表示手段32a,32bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段74a又は第2特別図柄処理手段74bによる特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段32a又は第2特別図柄表示手段32bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させると共に所定の第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0053】
特別遊技状態発生手段77は、大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別
遊技状態を発生させるためのもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。なお本実施形態では、図4に示すように、第1,第2特別図柄表示手段32a,32b共に、大当たり図柄乱数値が0~4の場合に時短状態が、5~9の場合に確変状態が夫々発生するように構成されている。このように、本実施形態では特別遊技状態(確変状態と時短状態)の振り分け確率については第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一であるのに対し、大当たり状態で開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっており、第1特別図柄側で大当たりとなるよりも第2特別図柄側で大当たりとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。」
上記記載を総合すれば、刊行物1には「大当たり状態発生手段75は、大当たり図柄乱数値に応じて大入賞手段19を0.2秒開放する動作を2ラウンド行う開放パターンα,大入賞手段19を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うパターンβの何れかを選択するように構成され、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている」ことが記載されていると認められる。
そして、上記記載の「第1特別図柄側」及び「第2特別図柄側」は、本願補正発明の「第1特別遊技」及び「第2特別遊技」に相当する。また、上記記載の「開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている」ことは、本願補正発明の「前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ」ることに相当する。
したがって、上記記載は、本願補正発明の「第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも有利な第2特別遊技と、を含み、前記第1特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、第1の割合で前記第2特別遊技が行われ、前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ」ることに相当するといえる。
一方、刊行物1の【図4】には、第1特別図柄における大当たり図柄乱数値が0~8のときに大当たり状態が開放パターンβとなり図柄乱数値が9のときに大当たり状態が開放パターンαとなること、及び、第2特別図柄における大当たり図柄乱数値が0~7のときに大当たり状態が開放パターンβとなり図柄乱数値が8~9のときに大当たり状態が開放パターンαとなることが記載されていると認められ、刊行物1の上記記載と整合していない。
しかしながら、開閉手段により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な第2特別図柄始動手段による大当たりの方が、第1特別図柄始動手段による大当たりよりも、有利な開放パターンを選択する割合が高い遊技機は、例えば、特開2011-104203号公報(【図6】(b)参照。)や「CRGメン’75」,パチンコ必勝ガイド2007年1月7日号,株式会社白夜書房,2007年1月7日,pp26~30に記載されているように周知技術である。
そして、上記刊行物1の段落【0049】~【0053】の記載に鑑み、遊技の興趣向上のためにこの周知技術を引用発明に適用して、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
そして、本願補正発明の効果は、引用発明、刊行物1の記載事項及び上記周知技術からみて格別なものではない。
(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書の8頁2~8行で次のような主張をしている。
「本引用文献1に記載された発明は、第1特別図柄始動手段18aと第2特別図柄始動手段18bとが検出手段として設けられているのにも拘らず、「図柄始動手段(18a、18b)以外の検出部(普通入賞手段20、普通図柄始動手段17、普通図柄始動手段17等とは別の専用の特定検出手段)における遊技球の検出状況により発射警告情報を出力するか否かを判断する」(段落[0076]、[0079]、[0090]を参照)というものであるからであります。」
しかしながら、引用発明の「左流下経路24a上の検出手段」として、「左流下経路24aを流下してきた遊技球の入賞が可能である第1特別図柄始動手段18a」を選択することは、上記(4)の相違点1についてで説示したとおり、当業者が適宜なし得ることである。
また、請求人は、審判請求書の8頁12~28行で次のような主張をしている。
「補正内容について簡潔に言いますと、「第1始動口への入球により大当たりと判定された場合よりも、第2始動口への入球により大当たりと判定された場合の方が有利な大当たり(第2特別遊技)となり易い」というものであります。
本補正に対して上記引用文献1に記載された遊技機は、[図4]に示されているように、
「第1始動口への入球により大当たりと判定された場合よりも、第2始動口への入球により大当たりと判定された場合の方が有利な大当たり(第2特別遊技)となり難い(開放パターンα(0.2秒開放×2R)となる割合が高い)」
ものであるため、この点で相違しております。
そして、補正後の請求項1は本補正をすることにより、
「第1始動口への入球により大当たりと判定された場合よりも第2始動口への入球により大当たりと判定された場合の方が有利な大当たりとなり易く、左側領域に普図始動ゲートがない遊技機において、大当たり中に第1始動口により遊技球が検出された場合、右打ち報知を行うことによって不利な第1始動口への入球を抑止できる」
という効果を奏する発明であります。
したがいまして、引用文献1に記載された発明に基づいて補正後の請求項1に係る発明に至ることは想到困難であると思料致します。」
しかしながら、第1始動口への入球により大当たりと判定された場合よりも、第2始動口への入球により大当たりと判定された場合の方が有利な大当たりとなり易いものとすることは、上記(4)の相違点2についてで説示したとおり、当業者が容易になし得たことである。
そして、第1始動口への入球により大当たりと判定された場合よりも第2始動口への入球により大当たりと判定された場合の方が有利な大当たりとなり易く、左側領域に普図始動ゲートがない遊技機において、大当たり中に第1始動口により遊技球が検出された場合、右打ち報知を行うことによって不利な第1始動口への入球を抑止できるという効果は、引用発明、刊行物1の記載事項及び周知技術から予測できる範囲のものであり格別のものではない。
よって、請求人の主張は採用できない。
(6)小括
したがって、本願補正発明は、引用発明、刊行物1の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4.むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~2に係る発明は、平成28年3月23日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1~2に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。
1.刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。
2.判断
本願発明は、本願補正発明における発明特定事項である「特別遊技実行手段」が「第1又は第2特別遊技判定手段により」「特別遊技を行うと判定された場合」に「行う」「特別遊技」について、「第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも有利な第2特別遊技と、を含み、前記第1特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、第1の割合で前記第2特別遊技が行われ、前記第2特別遊技判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合は、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特別遊技が行われ」るとの限定を省いたものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、前記第2の3.(3)における相違点1のみにおいて相違し、その余の点で一致するから、本願発明は、前記第2の3.(4)の相違点1についてに記載したものと同様の理由により、引用発明及び刊行物1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び刊行物1の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-014339