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特許拒絶査定不服審判

2016-005356

遊技機

審判番号
2016-005356
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-006028外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年04月11日
審決日
2017年01月23日
公報発行日
2017年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-6028号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年7月27日出願公開、特開2015-134024号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 本願は、平成26年1月16日の出願であって、平成27年5月14日付け拒絶理由通知に対して、同年7月8日付けで手続補正がされたところ、平成28年1月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年4月11日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年7月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものであると認められる(記号A~Iは、分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 回転方向に沿って複数の図柄が形成された回胴と、 B 前記回胴を所定のステップ角を最小回転単位として回転駆動する回転駆動手段と、 C 遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段とを備え、 D 前記制御手段は、 前記回胴の回転開始命令に応じて前記回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理を行う回胴起動手段と、 E 前記起動処理の後、前記回胴を定常回転させる定常回転手段と、 F 前記定常回転中に前記回胴の1周回における原点位置が検出されたことに応じて前記回胴の回転停止操作の受け付けを許可する停止許可手段と、 G 前記停止許可手段により許可された前記回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段と、 H 前記停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄の特定の停止ステップ位置で前記回胴を停止させる停止手段と、を含み、 I 前記回胴起動手段は、前記図柄1コマ分のステップ数をN、前記停止ステップ位置から次の図柄までのステップ数をMとしたときに、Nステップ~N+Mステップ数分前記回胴を回転させるまでに前記起動処理を終了する 遊技機。」 3 引用文献 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-22237号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【0001】 本発明は、メダル、コイン、遊技球等の遊技媒体を用いて、リールやベルト等の回胴の停止遊技を行い、遊技規則上の役物遊技あるいは役物連続作動装置等に基づく特別遊技又は所謂、ATやART等の遊技者に有利な特典遊技を付与する回胴式遊技機、あるいは回胴により特図変動表示を行うパチンコ機等に好適な遊技機に関する。 ・・・・・ 【0003】 従来、この種遊技機の回胴の駆動手段には、特許文献1等に開示されているように、ステッピングモータが多く使用されている。ステッピングモータは回転トルクが大きく、しかも優れた停止性能を備えており、遊技機に好適である。例えば、回胴式遊技機においては、回転開始操作レバーの押下操作により、ステッピングモータの回転を起動した後、加速回転させて定速回転状態に移行させている。回胴を備えた遊技機においては、回胴起動後から定速回転状態に移行する時間が遅くなると、間延びしたりして継続遊技の促進を妨げるため、回胴式遊技機に限らず、円滑に継続遊技を促進するうえで回胴起動後に速やかに定速回転状態に移行させることが重要である。 ・・・・・ 【0006】 本発明の目的は、遊技の円滑な進行を妨げることなく回胴の加速処理を迅速に行って遊技興趣を増大して継続遊技の促進を図ることのできる遊技機を提供することにある。」 (イ)「【0022】 前扉5の略中央で、液晶表示装置3の下方には、図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8は透明パネルからなり、図柄表示窓8を通じて、リール(回胴)8a、8b、8cが視認可能に筐体1内部に配置されている。リール8a~8cにより、図柄表示窓8に表示される図柄を可変表示(変動)させる回胴表示部が構成されている。リール8a~8cは、ステッピングモータ(251、252、253)の回転軸に取り付けられ、そのモータ駆動により一定速度で回転駆動される。リール8a~8cの外周面には、21個の図柄が回転方向に沿って形成されている。図柄表示窓8からは、各リール8a~8cの図柄のうち、所定数、例えば3個ずつの図柄が視認可能となっている。本実施形態においては、リール表面に図柄を配し、リール回転によって図柄を変動する回胴表示部を用いているが、これに限らず、例えば無端ベルトの表面に図柄を配し、これを回転することにより図柄を変動する回胴表示部を使用することも可能であり、リール、ドラム、ベルト等の機械式回胴表示部の他に、擬似的に回胴及びその変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。」 (ウ)「【0031】 本実施形態に係る回胴式遊技機Aの制御装置について説明する。 図4は回胴式遊技機Aの制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。 回胴式遊技機Aの制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100と、主制御基板100から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御を統括的に司る演出制御基板200と、賞メダルの払出を制御する払出制御基板300と、AC24Vの外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板400とからなる。演出制御基板200は、演出I/F(インターフェイス)基板201を介して主制御基板100と接続されている。演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドの受信、演出内容の抽選や液晶制御基板203への液晶制御コマンドの送信、各スピーカの音制御、装飾ランプ部6等のLED発光制御等を行う。なお、図4において電源供給ルートは省略してある。」 (エ)「【0040】 本実施形態のステッピングモータでは、回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁駆動方式が採用されている。1-2相励磁駆動方式では(17B)に示すように、励磁出力カウンタの値(0~7)による励磁相(1相又は2相)の切換が行われる。即ち、A相とB-相の両方への通電(2相励磁)、A相の通電(1相励磁)、A相とB相の両方への通電(2相励磁)、B相の通電(1相励磁)、B相とA-相の両方への通電(2相励磁)、A-相の通電(1相励磁)、A-相とB-相の両方への通電(2相励磁)及びB-相の通電(1相励磁)が順繰りに行われる。本実施形態では504個の励磁パルスの印加によりリールが1周する構成であるので、1励磁パルスあたりの角度変化は約0.714°となっている。 ・・・・・ 【0042】 図25の(25B)はステッピングモータの起動から停止までの回胴回転速度の駆動制御例を示す。ステッピングモータの起動から停止までには、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転始動スイッチ15aがオンになってステッピングモータが回転を始めた後、一定の定速回転に至るまでの加速期間t1と、該定速回転が保持される定速回転期間t2と、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下を夫々回胴回転停止スイッチ16e~16gにより検出して内部抽選結果に関連してリールを停止する停止制御期間t3が含まれている。停止制御期間t3には、回胴停止制御時の停止図柄位置調整用の滑り移動時間も含まれている。 【0043】 加速時においては、図24の(24A)のインデックス0~24に基づいて励磁制御が実行される。通常回転の場合には、回転開始時の励磁出力カウンタの値が1、3、5、7のいずれかになるようにしている。例えば、開始時の励磁出力カウンタ値が1とすると、1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持される。本実施形態では1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させている。次のインデックス1により2相励磁の状態が31回のタイマ割込みが発生するまで保持される。以下、インデックス24までの加速期間において、2相励磁状態のときのタイマ値が漸減されていく。通常回転させる際にはタイマ割込みの発生回数が(24A)の設定タイマ値に達する度に、励磁出力カウンタを更新(+1)するため、徐々に回転速度が速くなる。回胴の駆動開始時点で、励磁出力カウンタの値が0以外のときには、その励磁状態から順番に切り換えて、上記同様の加速時の励磁制御が行われる。逆回転時には、励磁状態を切り換える順序を通常回転時(図20のステップS222参照)と逆にして励磁制御が実行される(図19のステップS206参照)。」 (オ)「【0046】 主制御基板100には、回胴中継基板250を介してリール8a~8cを回転駆動するためのステッピングモータ(251、252、253)が接続され、また、各リールに対して配設した回胴回転位置検出センサ254、255、256が接続されている。ステッピングモータには例えば504パルス(以下、ステップ数ともいう。)の駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより1回転するパルスモータを使用することができる。励磁パルスの印加によってステッピングモータ(251、252、253)の回転位置制御を行うことができる。リール8a~8cには、21個の図柄が描かれているので、所定の位置ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24(504÷21)ステップ数の励磁パルスの印加を必要とする。リール8a~8cはリールユニットケースに収容されて、筐体1内に設置されている。回胴回転位置検出センサ254、255、256は、所定間隔を開けて保持された一対の発光素子と受光素子からなるリールインデックスセンサである。各リールの周回箇所の所定の基準位置には発光素子と受光素子の間を通過可能な遮光片が設けられている。各リールが1回転するごとに遮光片が発光素子と受光素子の間を通過することにより、回胴回転位置検出センサ254~256がリールの基準位置を検出して、基準位置の検出ごとに、その検出信号を主制御基板100に出力する。主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。」 (カ)「【0068】 回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)が行われた後、リール回転始動が行われて各リール8a~8cの回転状態に移行する。リール回転の後に、回胴回転停止ボタン16a~16cの停止操作による回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gの検出信号が出力された場合には、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS8)。回胴停止処理では、上記当選情報と回胴の停止操作手順(停止操作タイミング)とに基づき、停止制御テーブルから滑りコマ数を算出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。 【0069】 回胴停止処理は各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、ROM103内に記憶された停止制御テーブルを参照して、該当リール停止位置でリールの回転を停止させることにより行われる。リール停止位置は、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内(遊技規則に定められた4駒)で引き込んで停止するように決定される。停止操作タイミングの位置から4駒以内に抽選結果に対応する図柄が有る場合には、当選役図柄が有効ライン上に揃うように停止制御される。殊に、再遊技の停止制御処理においては、通常遊技状態やボーナスフラグ持越状態においても再遊技が当選している場合、再遊技が必ず有効ライン上に整列するように優先的引き込み制御が行われる。」 (キ)「【0077】 図9はCTC105の計時に基づく一定時間ごとの割り込みにより起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。図9を参照して、上記主制御基板(主制御部)において1.5ms(ミリ秒)程度ごとに実行されるタイマ割込処理について説明する。 【0078】 主制御基板100は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行ってから(ステップS20)、ポート入力処理を行う(ステップS21)。ポート入力処理では遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。ついで、回胴回転制御処理を行う(ステップS22)。回胴回転制御処理では、回胴制御フラグに応じて、回胴の起動、回転、停止が行われる。以下の説明においては、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転が起動される起動前の回胴状態にあるとして説明する。回胴回転制御処理の詳細は図19~図23に基づいて後述する。回胴回転制御処理の後、定期更新処理が行われる(ステップS23)。」 (ク)「【0098】 図15は起動設定処理(ステップS64、S66、S68、S72、S74、S76)を示す。 起動設定処理においては、まず、図10の(10B)により示した指定数割込み待ち処理(ステップS80)を行うことにより、BCレジスタにセットした遅れ時間を消費した後、割込み禁止状態に移行する(ステップS81)。ついで、回転開始順序に応じた対象回胴のリールを特定し(ステップS82)、特定した対象リールに対応する制御フラグをセットする(ステップS83)。このとき、逆回転演出が含まれる場合には逆回転フラグをセットする。ステップS83の後、割込み禁止状態が解除され割込みが許可されて処理を終える(ステップS84)。」 (ケ)「【0101】 回胴センサONフラグは回胴回転位置検出センサ254~256により各回胴の基準位置を検出したことを示すフラグである。(18C)に示すように、回胴センサONフラグのオン状態は、回胴起動後、リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、回胴回転位置検出センサ254~256によるリールの基準位置の検出信号を受信した時点T4から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。」 (コ)「【0110】 タイマ割込処理(図9)において実行される回胴回転制御処理(ステップS22)を以下に詳述する。 図19~図23は回胴回転制御処理(ステップS22)を示す。 回胴回転制御処理においては制御フラグがオンしている回転制御過程での処理が行われる。逆回転フラグがオンのときはステップS203(図19参照)以下の逆回転制御処理を行う。回胴停止中フラグがオンのときはステップS208(図19参照)以下の回胴停止中制御処理を行う。回胴起動フラグがオンのときはステップS215(図20参照)以下の回胴回転加速制御処理を行う。回胴回転開始時にはステップS227(図21参照)以下の回胴回転開始制御処理を行う。定常回転状態中にはステップS232(図22参照)以下の回胴定常回転制御処理を行う。停止信号検出フラグがオンされた後、停止命令フラグがオンされるまでの停止滑り制御処理はステップS240(図23参照)以下で行われ、停止命令フラグがオンになるとステップS247(図23参照)を経て、回胴停止中制御処理に移行する。図19~図23において、フラグのオン・オフ設定を夫々、「1」、「0」をセットすると表記している。 ・・・・・ 【0113】 逆回転フラグ及び回胴停止中フラグがいずれもオフであるとき、回転起動フラグがオンか否かを判断する(ステップS214)。回転起動フラグがオフのときは、回胴起動済みフラグのオン・オフ判断処理(ステップS226)に移る。制御フラグがオンで、回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときには、回胴回転始動レバー15が操作された直後の状態であり、回胴回転開始制御処理を行う。 【0114】 回胴回転開始制御処理においては、励磁制御の開始補正が行われる(ステップS227)。励磁制御の開始補正は以下の理由から必要とされる。 回胴回転停止スイッチ16e~16を押下したとき、リール8a~8cにブレーキ制動(4相全て励磁する全相励磁)をかけても直ぐには停止に至らない。即ち、実際にリールが停止するまでには、1乃至2ステップ角度だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しながら新たな加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力(トルク)は小さい方が好ましい。初期励磁が2相の場合は、トルクが強いためガタツキが目立つ。トルクが弱い1相にするとズレ分をゆっくり吸収できるのでガタツキが目立ちにくい。このため、開始補正は励磁出力カウンタをビット0クリアして行われる。励磁出力カウンタをビット0クリアすることにより「0」、「2」、「4」、「6」のいずれかになり、その後、後述するステップS222で励磁出力カウンタを1加算するため、励磁出力カウンタは「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかになる。従って、図17の(17B)の励磁出力テーブルから明らかなように、強制的に1相励磁から励磁制御を開始させることができる。 【0115】 励磁制御の開始補正を行った後、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする(ステップS228)。この回胴起動フラグをオンにすることにより、次の割込み処理では回胴回転加速制御処理を行うことになる。このとき、定常回転を検出するために回胴センサONフラグをオフにしておく。ついで、1図柄の回転移動には、24ステップ数の励磁パルスの印加を必要とするので、図柄ステップ数カウンタの初期化、つまり1図柄単位での励磁パルスの初期値(24)設定を行う(ステップS229)。図柄ステップ数の初期値設定の後、リール起動時の初期化を行う(ステップS230)。この初期化において、回胴回転異常をタイマ監視するためのエラータイマ(メインRAM104に設けたタイマカウント用メモリエリア)がクリアされ、総計21のリール図柄数を計数するための図柄カウンタがクリアされ、また出力タイマインデックスメモリエリアの出力タイマテーブルインデックス値が0にセットされ、更にモータ出力タイマ値に1をセットする。図柄ステップ数はモータの励磁出力毎に1減算され、0になると24に設定、更新される。図柄カウンタは図柄ステップ数が0になる毎に1加算され、21に達すると0が設定、更新される。出力タイマインデックスメモリエリアはメインRAM104に設けられており、(24A)の励磁出力タイムデータテーブルよりインデックスに応じたタイマ値を取得するごとに、出力タイマインデックスメモリエリアのインデックス値が更新される。上記の図柄カウンタ及びモータ出力タイマもメインRAM104に設けられている。ステップS230の後、回胴起動フラグオン(ステップS228)によりステップS215に移る。 【0116】 回転起動フラグがオンになると(ステップS214)、ステップS215以下の回胴回転加速制御処理が行われる。まず、モータ出力タイマの値を1減算して、モータ出力タイマの値が0か否かを判断する(ステップS215、S216)。回胴回転開始時の初期化設定でモータ出力タイマに1がセットされているため、最初の加速制御ではモータ出力タイマが0になる。モータ出力タイマの値が0のとき、モータ励磁出力更新処理(ステップS217)を行う。モータ励磁出力更新処理においては、(24A)の励磁出力タイムデータテーブルを参照して、メインRAM104に記憶された出力タイマテーブルインデックス値に応じたタイマ値を取得する。例えば、起動直後であれば、(24A)に示すように、インデックス値が0であるので、タイマ値として「1」が取得される。取得したタイマ値をモータ出力タイマにセットし、前記出力タイマインデックスメモリエリアに記憶されたインデックス値を1加算する(ステップS218、S219)。 ・・・・・ 【0119】 ステップS215以下の回胴回転加速制御処理においては、トルクの弱い1相励磁の期間に対応するタイマ値を「1」にしてその時間を極力短くし、トルクの強い2相励磁の期間を長めに設定し、それを段階的に徐々に短くしているため、回胴起動後の加速過程において速やかに定速回転状態に移行させて円滑な回胴遊技を促進することができる。特に、長期稼働の観点からもステッピングモータへの通電負担を軽減でき回胴モータの長寿命化にも寄与する。なお、本実施形態では24ステップで加速期間が終わるようになっているが、24ステップより多くしてもよいし、あるいは少なくすることができる。 【0120】 リール回転加速処理の終了により回胴起動フラグをオフすると共に、回胴起動済みフラグをオンする(ステップS221)。これにより、次の割込み処理では回胴定常回転制御処理を行うことになる。 ・・・・・ 【0122】 定常回転状態中は、停止操作に基づく停止信号検出フラグがオンされるまで正回転状態の監視と維持が行われる。定速回転期間t2(定常回転状態中)においては、1回の割込み処理毎に、図17の(17B)の励磁出力テーブルに基づいて1相と2相を交互に励磁して、定速回転が維持される。定常回転状態に移行して停止信号検出フラグがオンされていないとき(ステップS231)、励磁出力カウンタのカウンタ値に応じてリール回転の正常・異常が監視される。励磁出力カウンタのカウンタ値のビット0が0のとき(ステップS232)、2相励磁状態と判断され前記エラータイマを1加算する(ステップS233)。このエラータイマはステッピングモータに印加される1パルスの駆動信号(励磁パルス信号)毎に、1パルス分の時間を計時するタイマである。ステッピングモータは504パルスの駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより1回転するので、ステッピングモータ1回転時間を、エラータイマによる504パルス時間のタイマ監視で行うと、タイマ容量が504パルス分の記憶容量を要する。本実施形態においては主制御部への容量負担を削減するために、2相励磁状態時のみ計時して、エラータイマに必要な容量を削減している。具体的には、リール1周時間は504パルス時間に相当するので、252パルス時間でタイムアップさせてもよいが、エラータイマに若干の余裕を持たせて256(=252+4)パルス時間(>リール1周相当時間)でタイムアップするようにしている。従って、通常、504パルス時間をタイマ監視する場合には2バイト分の容量が必要であるが、2相励磁状態時のみをタイマカウントすることにより、1バイトの記憶容量で済み、記憶容量の削減を可能にしている。励磁出力カウンタのカウンタ値のビット0が1で(ステップS232)、1相励磁状態と判断されたときは、前記エラータイマを1加算せずに(ステップS233)、ステップS235に移る。なお、図22においてはエラータイマのタイムアップを減算カウント値0の意味で「0」と表している。また、本実施形態においては256ステップ分の2相励磁状態の検出に基づいて回胴回転異常の検出を行っているが、256ステップ分の1相励磁状態の検出に基づいて回胴回転異常の検出を行うことができる。 【0123】 エラータイマが0でないとき(ステップS234)、リール位置検出センサのオン・オフが判断される(ステップS235)。リールの遮光片通過によりリール位置検出センサ(回胴回転位置検出センサ254~256)のオンが検出されたときには、正常回転と判断してエラータイマをクリアする(ステップS235、S236)。リール位置検出センサのオンにより正常な正回転が行われていることを確認して、回胴センサONフラグがオンになり(ステップS237)、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移る。リール位置検出センサのオン時点から定常正回転状態におけるリール図柄1つずつの回転シフト移動が厳密に制御される。リール位置検出センサのオンによりリールの回転基準位置が検出されたので、前記図柄ステップ数カウンタに24がセットされ、且つ前記図柄カウンタも0にセットされ、リール位置初期化処理が行われる(ステップS238)。ついで、ステップS222に移って、励磁出力カウンタに1加算して、励磁出力テーブルに基づき励磁出力カウンタのカウンタ値に応じた励磁データを取得して、出力バッファにセットする励磁出力データを更新する処理が行われる(ステップS223~S225)。」 (サ)上記(エ)の段落【0042】には、「ステッピングモータが回転を始めた後、一定の定速回転に至るまでの加速期間t1と、該定速回転が保持される定速回転期間t2」と記載されており、図25Bも併せて参照すると、引用文献1には、「定速回転期間t2」が「加速期間t1」よりも時間的に後であることが示されているといえる。 また、上記(コ)の段落【0110】には、「回胴起動フラグがオンのときはステップS215(図20参照)以下の回胴回転加速制御処理を行う。」、「定常回転状態中にはステップS232(図22参照)以下の回胴定常回転制御処理を行う。」と記載されているところ、同段落【0122】の「定速回転期間t2(定常回転状態中)」との記載も参酌すると、上記の「加速期間t1」、「定速回転期間t2」に行われる処理は、それぞれ「回胴回転加速制御処理」、「回胴定常回転制御処理」であることは明らかである。 そして、上記(キ)の段落【0078】には、主制御基板100が回胴回転制御処理を行うことが記載され、上記(コ)の段落【0110】には、回胴回転制御処理において回胴定常回転制御処理等が行われることが記載されているから、引用文献1には、主制御基板100が回胴定常回転制御処理を行う機能を有していることが記載されているといえる。 そうすると、引用文献1には、「主制御基板100は、回胴回転加速制御処理の後に定速回転が保持される回胴定常回転制御処理を行う機能を有する」ことが記載されていると認められる。 (シ)上記(コ)の段落【0123】には、「リール位置検出センサのオンにより正常な正回転が行われていることを確認して、回胴センサONフラグがオンになり(ステップS237)、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移る。」と記載されている。 そして、上記(オ)の段落【0046】には、「各リールの周回箇所の所定の基準位置には発光素子と受光素子の間を通過可能な遮光片が設けられている。各リールが1回転するごとに遮光片が発光素子と受光素子の間を通過することにより、回胴回転位置検出センサ254~256がリールの基準位置を検出して、基準位置の検出ごとに、その検出信号を主制御基板100に出力する。」と記載されており、上記段落【0123】には、「リール位置検出センサ(回胴回転位置検出センサ254~256)」と記載され、「リール位置検出センサ」と「回胴回転位置検出センサ254~256」とが同じものであることが示されているから、引用文献1には、「リールの周回箇所の所定の基準位置を検出するリール位置検出センサ」が記載されているといえる。 また、上記(ケ)の段落【0101】には、「回胴センサONフラグは回胴回転位置検出センサ254~256により各回胴の基準位置を検出したことを示すフラグである。(18C)に示すように、回胴センサONフラグのオン状態は、回胴起動後、リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、回胴回転位置検出センサ254~256によるリールの基準位置の検出信号を受信した時点T4から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。」と記載されているから、「回胴回転位置検出センサ254~256」、すなわち、「リール位置検出センサ」がオンになるのは、「リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降」であるといえる。 さらに、上記(キ)の段落【0078】には、主制御基板100が回胴回転制御処理を行うことが記載され、上記の段落【0123】の記載は、段落【0110】以降の「回胴回転制御処理」の説明として記載されているものであるから、引用文献1には、主制御基板100が停止制御状態に移す機能を有することが記載されているといえる。 以上のことから、引用文献1には、「主制御基板100は、リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、リールの周回箇所の所定の基準位置を検出するリール位置検出センサのオンにより、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移す機能を有する」ことが記載されていると認められる。 上記(ア)~(コ)の記載事項及び上記(サ)~(シ)の認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a~iは、本願補正発明の記号A~Iに対応させて付した。)。 「a 21個の図柄が回転方向に沿って形成されており、回胴表示部を構成するリール8a~8cと、(【0022】) b リール8a~8cを回転駆動し、1励磁パルスあたりの角度変化が約0.714°となっているステッピングモータ(251、252、253)と、(【0022】、【0040】) c 遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100とを備え、(【0031】) d 前記主制御基板100は、(【0078】、【0110】) 制御フラグがオンで回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときに、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする回胴回転開始制御処理を行い、回転起動フラグがオンになると、徐々に回転速度が速くなる回胴回転加速制御処理を行う機能と、(【0043】、【0113】~【0116】) e 回胴回転加速制御処理の後に定速回転が保持される回胴定常回転制御処理を行う機能と、(サ) f リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、リールの周回箇所の所定の基準位置を検出するリール位置検出センサのオンにより、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移す機能と、(シ) g 各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内で引き込んで停止するようにリール停止位置を決定するとともに、(【0069】) h 該当リール停止位置でリールの回転を停止させる回胴停止処理を行う機能と、を有し、(【0069】) i ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24ステップ数の励磁パルスの印加を必要とし、回胴回転加速制御処理においては、加速期間は24ステップで終わるようになっている、遊技機。(【0046】、【0119】、【0001】)」 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する(対比にあたっては、本願発明の構成A~Iと引用発明の構成a~iについて、それぞれ(a)~(i)の見出しを付けて行った。)。 (a)引用発明の「21個の図柄」は、本願発明の「複数の図柄」に相当する。 また、引用発明の「リール8a~8c」は、「回胴表示部を構成する」ものであるから、本願発明の「回胴」に相当する。 そうすると、引用発明の「21個の図柄が回転方向に沿って形成されており、回胴表示部を構成するリール8a~8c」は、 本願発明の「回転方向に沿って複数の図柄が形成された回胴」に相当する。 (b)ステッピングモータにおいて、1励磁パルスあたりの角度変化が最小回転単位であることは技術常識であるから、引用発明の「1励磁パルスあたりの角度変化が約0.714°となっている」ことは、本願発明の「所定のステップ角を最小回転単位と」することに相当する。 そうすると、引用発明の「リール8a~8cを回転駆動し、1励磁パルスあたりの角度変化が約0.714°となっているステッピングモータ(251、252、253)」は、 本願発明の「前記回胴を所定のステップ角を最小回転単位として回転駆動する回転駆動手段」に相当する。 (c)引用発明の「主制御基板100」は、「遊技動作制御を統括的に司る」ものであるから、「遊技動作を進行させるための処理を実行する」ものであることは明らかである。 そうすると、引用発明の「遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100」は、本願発明の「遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段」に相当する。 (d)引用発明は、「制御フラグがオンで回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときに、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする回胴回転開始制御処理を行」うものであるところ、制御フラグがセットされて(引用文献1の段落【0098】を参照。)オンになると回胴回転開始制御処理が行われるから、「制御フラグをセットすること」は、「回胴の回転開始命令」ということができ、したがって、引用発明の「制御フラグがオンで回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときに」は、本願発明の「前記回胴の回転開始命令に応じて」に相当する。 また、引用発明の「徐々に回転速度を速くする」ことは、本願発明の「徐々に加速させる」ことに相当するから、引用発明の「回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする回胴回転開始制御処理」及び「徐々に回転速度を速くする回胴回転加速制御処理」は、本願発明の「前記回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理」に相当する。 そうすると、引用発明の「制御フラグがオンで回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときに、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする回胴回転開始制御処理を行い、回転起動フラグがオンになると、徐々に回転速度を速くする回胴回転加速制御処理を行う機能」を有する「前記主制御基板100」は、 本願発明の「前記回胴の回転開始命令に応じて前記回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理を行う回胴起動手段」としての機能を有している。 (e)上記(d)で検討したとおり、引用発明の「回胴回転加速制御処理」は、その前に行われる「回胴回転開始制御処理」とともに、本願発明の「起動処理」に相当するものであるから、引用発明の「回胴回転加速制御処理の後」は、本願発明の「前記起動処理の後」に相当する。 また、引用発明の「定速回転が保持される」ことは、本願発明の「定常回転させる」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「回胴回転加速制御処理の後に定速回転が保持される回胴定常回転制御処理を行う機能」を有する「前記主制御基板100」は、 本願発明の「前記起動処理の後、前記回胴を定常回転させる定常回転手段」としての機能を有している。 (f)引用発明において、定常回転状態になると定速回転が保持されるから(引用文献1の段落【0042】、【0122】を参照。)、引用発明の「リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降」は、本願発明の「前記定常回転中」に相当する。 また、引用発明の「リールの周回箇所の所定の基準位置」は、本願発明の「前記回胴の1周回における原点位置」に相当する。 さらに、引用発明の「回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作」は、本願発明の「前記回胴の回転停止操作」に相当し、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作を有効にすることは、押下操作の受け付けを許可することといえるから、引用発明の「回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移す」ことは、本願発明の「前記回胴の回転停止操作の受け付けを許可する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、リールの周回箇所の所定の基準位置を検出するリール位置検出センサのオンにより、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移す機能」を有する「前記主制御基板100」は、 本願発明の「前記定常回転中に前記回胴の1周回における原点位置が検出されたことに応じて前記回胴の回転停止操作の受け付けを許可する停止許可手段」としての機能を有している。 (g)引用発明の「各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置」、「図柄の駒数で所定の駒数以内」、「リール停止位置」は、それぞれ本願発明の「前記回転停止操作が行われたときの図柄位置」、「所定の最大滑りコマ範囲内」、「停止位置」に相当する。 したがって、上記(f)の検討を踏まえると、引用発明の「各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内で引き込んで停止するようにリール停止位置を決定する」「回胴停止処理を行う機能」を有する「前記主制御基板100」は、 本願発明の「前記停止許可手段により許可された前記回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段」としての機能を有している。 (h)上記(g)で検討したとおり、引用発明の「該当リール停止位置」は、本願発明の「前記停止位置決定手段が決定した停止位置」に相当する。 また、引用発明の「リール」は、21個の図柄が回転方向に沿って形成されているものであり(引用発明の構成aを参照。)、「リール停止位置」が何れかの図柄に対応していることは技術常識である。そして、引用発明は、「ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24ステップ数の励磁パルスの印加を必要」とするから(引用発明の構成iを参照。)、「リール停止位置」は、対応する図柄の励磁パルス24ステップ数のうちの、いずれかのステップに対応する位置であることは、自明の事項である。 そうすると、引用発明の「該当リール停止位置でリールの回転を停止させる回胴停止処理を行う機能」を有する「前記主制御基板100」は、 本願発明の「前記停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄の特定の停止ステップ位置で前記回胴を停止させる停止手段」としての機能を有している。 (i)引用発明の「ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24ステップ数の励磁パルスの印加を必要とし、回胴回転加速制御処理においては、加速期間は24ステップで終わるようになっている」ことと、 本願発明の「前記回胴起動手段は、前記図柄1コマ分のステップ数をN、前記停止ステップ位置から次の図柄までのステップ数をMとしたときに、Nステップ~N+Mステップ数分前記回胴を回転させるまでに前記起動処理を終了する」こととを対比する。 上記(d)で検討したとおり、引用発明の「回胴回転加速制御処理」は、その前に行われる「回胴回転開始制御処理」とともに、本願発明の「前記起動処理」に相当するものであり、引用発明において「回胴回転加速制御処理」を実施するのは、本願発明の「前記回胴起動手段」としての機能を有する「主制御基板100」である。 また、引用発明の「ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替える」ために「印加を必要」とする「励磁パルス」の数は、本願発明の「図柄1コマ分のステップ数」である「N」に相当するから、引用発明においては、N=24である。 そして、引用発明は、「回胴回転加速制御処理においては、加速期間は24ステップで終わるようになっている」ものであるから、Nステップ数分回胴を回転させると起動処理を終了するようになっているものであるといえる。 一方、本願発明は、「Nステップ~N+Mステップ数分前記回胴を回転させるまでに前記起動処理を終了する」ものであるから、この点において両発明は相違している。 上記(a)~(i)により、本願発明と引用発明とは、 (一致点) 「A 回転方向に沿って複数の図柄が形成された回胴と、 B 前記回胴を所定のステップ角を最小回転単位として回転駆動する回転駆動手段と、 C 遊技動作を進行させるための処理を実行する制御手段とを備え、 D 前記制御手段は、 前記回胴の回転開始命令に応じて前記回胴を徐々に加速させるように起動させる起動処理を行う回胴起動手段と、 E 前記起動処理の後、前記回胴を定常回転させる定常回転手段と、 F 前記定常回転中に前記回胴の1周回における原点位置が検出されたことに応じて前記回胴の回転停止操作の受け付けを許可する停止許可手段と、 G 前記停止許可手段により許可された前記回転停止操作が行われたときの図柄位置に基づいて所定の最大滑りコマ範囲内で停止位置を決定する停止位置決定手段と、 H 前記停止位置決定手段が決定した停止位置に対応する図柄の特定の停止ステップ位置で前記回胴を停止させる停止手段と、を含む 遊技機。」 である点で一致し、構成Iに関する以下の点で相違している。 (相違点) 「回胴起動手段」について、本願発明では、「前記図柄1コマ分のステップ数をN、前記停止ステップ位置から次の図柄までのステップ数をMとしたときに、Nステップ~N+Mステップ数分前記回胴を回転させるまでに前記起動処理を終了する」ものであるのに対して、引用発明では、Nステップ数分である24ステップ分回胴を回転させると起動処理を終了するようになっている点。 5 判断 上記相違点について検討する。 引用発明には、起動処理を終了させるまでに回胴を回転させるステップ数について、具体的に「Nステップ数分」である24ステップ数分であるもの、すなわち、本願発明の「Nステップ~N+Mステップ数分」の範囲に含まれるものが示されている。 また、上記(コ)の記載事項によれば、引用文献1の段落【0119】には、「なお、本実施形態では24ステップで加速期間が終わるようになっているが、24ステップより多くしてもよいし、あるいは少なくすることができる。」と記載されており、起動処理を終了するまでのステップ数を、Nステップ数分に相当する24ステップより多くしてもよいことが示唆されている。 一方、上記(ア)の記載事項によれば、引用文献1の段落【0003】には、「回胴を備えた遊技機においては、回胴起動後から定速回転状態に移行する時間が遅くなると、間延びしたりして継続遊技の促進を妨げるため、回胴式遊技機に限らず、円滑に継続遊技を促進するうえで回胴起動後に速やかに定速回転状態に移行させることが重要である。」と記載され、また、同段落【0006】には、「本発明の目的は、遊技の円滑な進行を妨げることなく回胴の加速処理を迅速に行って遊技興趣を増大して継続遊技の促進を図ることのできる遊技機を提供することにある。」と記載され、回胴の起動処理(加速処理)を迅速に行うべきことが示されている。 そうすると、引用文献1において、起動処理を終了するまでのステップ数について、「Nステップ数分よりも多くしてもよい」旨を示しているのは、大幅に多くしてもよいことを示しているのではなく、起動処理の遅延が問題にならない範囲でNステップ数分からのある程度の超過は許容することを示しているものと考えるのが妥当である。 そして、「前記停止ステップ位置から次の図柄までのステップ数」である「M」は、「N」よりも小さい値であることはその定義上自明であるから、起動処理を終了するまでのステップ数について、引用文献1の上記の示唆に基づき、加速処理の遅延が問題にならない範囲の数値として、Nよりも小さい値であるMを加えて、N+Mを上限とすることは、当業者が適宜なし得た程度のことである。 また、起動処理を終了するまでのステップ数の下限については、回胴駆動手段(ステッピングモータ)の性能上の限界等を考慮しながら当業者が適宜決定できる設計事項であって、その下限をNステップとすることは、当業者が適宜なし得た程度のことにすぎない。 したがって、引用発明において起動処理を行う回胴起動手段について、起動処理を終了させるまでに回胴を回転させるステップ数を「Nステップ~N+Mステップ数分」として、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び引用文献1の記載事項から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものとはいえない。 なお、請求人は審判請求書において、「このように本願発明は、加速期間の上限を「N+Mステップ」としていることで、起動処理前の停止図柄が原点位置の直前の図柄であった場合を除き、停止操作を受け付け可能となるまでに1周分の余分な回転を生じさせないようにすることができるもので、この点において引用文献1記載の発明に対し有利な効果を奏するものです。」(第5頁第22~26行)と主張している。 しかしながら、請求人の主張する「起動処理前の停止図柄が原点位置の直前の図柄であった場合を除き、停止操作を受け付け可能となるまでに1周分の余分な回転を生じさせないようにすることができる」という効果は、原点位置を検出するインデックスセンサが、図柄の停止時におけるいずれかの図柄の停止ステップ位置に対応する位置に配置された構成の場合には奏されるものであるけれども、図柄の停止時におけるいずれかの図柄の停止ステップ位置よりも回胴の回転方向の後方に対応する位置に配置された構成の場合には、奏されないものである。 例えば、本願の図17を参照して、図柄1コマ分のステップ数Nを24、図柄の停止ステップ位置を8番のステップ位置とし(M=8)、図柄の停止時にインデックスセンサが20コマ目(原点位置の2つ前)の図柄の1番のステップ位置に対応する位置に配置されている場合、インデックスセンサは原点位置から25ステップ(24+1ステップ)離れているから、N+Mステップ数分回胴を回転させた場合には、32ステップ(24+8ステップ)数分回胴が回転して原点位置がインデックスセンサを通り過ぎてしまい、1周分の余分な回転が必要になってしまうことになる。 そして、本願発明では、原点位置を検出するインデックスセンサの配置について何ら特定されていないから、請求人の上記主張は、特許請求の範囲の記載に基づくものではなく、採用することができない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-005356

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