特許拒絶査定不服審判
2016-004427
高速初期ネットワークリンクセットアップのためのシステムおよび方法
- 審判番号
- 2016-004427
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-539119外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年03月24日
- 審決日
- 2017年02月27日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】クゥアルコム・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】蔵田 昌俊
- 【請求人代理人】福原 淑弘
- 【請求人代理人】井関 守三
- 【請求人代理人】岡田 貴志
- 分類
- P18 .121-WY (H04W) / P18 .537-WY (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-539119「高速初期ネットワークリンクセットアップのためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月 2日国際公開、WO2013/063592、平成26年12月18日国内公表、特表2014-534739、請求項の数(24)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
本願は、平成24年(2012年)10月29日(パリ条約による優先権主張 2011年10月28日(US)アメリカ合衆国、2011年11月4日(US)アメリカ合衆国、2012年1月13日(US)アメリカ合衆国、2012年4月10日(US)アメリカ合衆国、2012年4月30日(US)アメリカ合衆国、2012年10月26日(US)アメリカ合衆
国)を国際出願日とする出願であって、手続の概要は以下のとおりである。
平成26年 4月28日 国内書面
平成27年 4月28日 拒絶理由通知
平成27年 8月 7日 誤訳訂正書
平成27年 8月10日 意見書、手続補正書
平成27年11月18日 拒絶査定
平成28年 3月24日 審判請求、手続補正書
平成28年 5月16日 前置報告
平成28年 9月29日 拒絶理由通知
平成29年 1月25日 意見書、手続補正書
第2.特許請求の範囲の記載
本願の特許請求の範囲の記載は、平成29年1月25日付けの手続補正書の特許請求の範囲に記載された以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
ワイヤレス通信システムにおけるリンクセットアップ中のシグナリングを削減する方法であって、
第1のデバイスにおいて、前記第1のデバイスがアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージを送信用に
キューに入れることであって、前記第1のメッセージが、前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含み、前記第1のデバイスは、移動局であることと、
前記第1のメッセージの送信の前に、前記第1のデバイスにおいて、前記情報を含む第2のメッセージを前記アクセスポイントから受信することと、
前記第2のメッセージが前記情報を含むとき、前記第1のメッセージを前記キューから削除することと
を備え、
前記第2のメッセージは、第3のデバイスからの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージまたはビーコンフレームであ
る、方法。
【請求項2】
前記ネットワーク識別子がネットワークドメイン識別子を備え、前記ネットワークドメイン識別子が少なくとも1つのネットワークに関連付けられ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のメッセージが探査要求を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のメッセージが、探査応答を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第3のデバイスからの前記要求が、第2の探査要求であり、前記探査応答が、前記第3のデバイスからの前記第2の探査要求に応答して前記アクセスポイントによって生成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のメッセージが関連付け応答を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記関連付け応答は、前記アクセスポイントとの関連付けを要求する関連付け要求に応答する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のメッセージがビーコンフレームを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のメッセージが前記第3のデバイスにアドレッシングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のデバイスが端末を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のメッセージがアクセスネットワーク照会プロトコル要求を備
え、前記第2のメッセージがアクセスネットワークプロトコル応答を備え
る、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ワイヤレス通信システムにおけるリンクセットアップ中のシグナリングを削減するように構成されたデバイスであって、
移動局において、前記移動局がアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージを記憶するように構成された
キューであって、前記第1のメッセージが、前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含むキューと、
前記第1のメッセージの送信の前に、前記移動局において、前記情報を含む第2のメッセージを前記アクセスポイントから受信するように構成された受信機と、
前記第2のメッセージが前記情報を含むとき、前記キューから前記第1のメッセージを削除するように構成されたプロセッサと
を備え、
前記第2のメッセージは、第3のデバイスからの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージまたはビーコンフレームであ
る、デバイス。
【請求項13】
前記ネットワーク識別子がネットワークドメイン識別子を備え、前記ネットワークドメイン識別子が少なくとも1つのネットワークに関連付けられ
る、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1のメッセージが探査要求を備える、請求項12に記載のデバイ
ス。
【請求項15】
前記第2のメッセージが、探査応答を備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第3のデバイスからの前記要求が、第2の探査要求であり、前記探査応答が、前記第3のデバイスからの前記第2の探査要求に応答して前記アクセスポイントによって生成
される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第2のメッセージが関連付け応答を備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
前記関連付け応答は、前記アクセスポイントとの関連付けを要求する関連付け要求に応答する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2のメッセージがビーコンフレームを備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2のメッセージが前記第3のデバイスにアドレッシングされる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスが端末を備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第1のメッセージがアクセスネットワーク照会プロトコル要求を備
え、前記第2のメッセージがアクセスネットワークプロトコル応答を備え
る、請求項12に記載のデバイス。
【請求項23】
ワイヤレス通信システムにおけるリンクセットアップ中のシグナリングを削減するための装置であって、
移動局において、前記移動局がアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージをキューに入れるための手段であって、前記第1のメッセージが、前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含む手段と、
前記第1のメッセージの送信の前に、前記移動局において、前記情報を含む第2のメッセージを前記アクセスポイントから受信するための手段と、
前記第2のメッセージが前記情報を含むとき、前記第1のメッセージを前記キューから削除するための手段と
を備え、
前記第2のメッセージは、第3のデバイスからの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージまたはビーコンフレームであ
る、装置。
【請求項24】
ワイヤレス通信システム内の装置のプロセッサによって実行可能な命令を備える非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、前記装置に、
移動局において、前記移動局がアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージを送信用にキューに入れさせ、前記第1のメッセージが、
前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含み、
前記第1のメッセージの送信の前に、前記移動局において、前記情報を含む第2のメッセージを前記アクセスポイントから受信させ、
前記第2のメッセージが前記情報を含むとき、前記第1のメッセージを前記キューから削除させ、
ここにおいて、前記第2のメッセージは、第3のデバイスからの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージまたはビーコンフレームである、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。」
第3.当審の拒絶理由
平成28年9月29日付けで通知した当審の拒絶理由の概要は、特許請求の範囲の請求項の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないというものである。
上記「第2.特許請求の範囲の記載」に記載したように、本願の特許請求の範囲の請求項の記載は、補正によって明確なものとなり、当審の拒絶理由は解消した。
第4.原査定の理由の概要
原査定の理由の概要は、本願の各請求項に係る発明は、その出願前に外国において、頒布された国際公開第2011/090257号(以下、「引用例」という。)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
第5.当審の判断
1.引用発明
上記引用例には、図面とともに、以下の記載がなされている。
(1)「[0004] The station (STA) having desire to access a wireless network may use two scanning methods for searching an accessible wireless network (BSS or IBSS), i.e., a candidate AP or the like.
[0005] One is passive scanning, which uses a beacon frame transmitted from the AP (or STA). That is, the STA having desire to access a wireless network periodically receives the beacon frames from the AP or the like managing a relevant BSS (or IBSS), thereby finding the accessible BSS or IBSS.
[0006] The other is active scanning. The STA having desire to access the wireless network first transmits a probe request frame. Then, the STA or AP that receives the probe request frame responds with a probe response frame.」
(当審訳
[0004] 無線ネットワークにアクセスを望む無線局(STA)は、アクセス可能な無線ネットワーク(BSSまたはIBSS)、すなわち候補のAPまたは類似のもの、を探査するために、2つのスキャン方法を使用可能である。
[0005] 一つは受動的スキャン方法で、それはAP(またはSTA)から送信されるビーコンフレームを用いる。すなわち、無線ネットワークにアクセスを望むSTAは、APまたは関連するBSS(またはIBSS)を管理する類似のものから、ビーコンフレームを周期的に受信し、それによりアクセス可能なBSSまたはIBSSを見つけ出す。
[0006] もう一つは能動的スキャン方法である。無線ネットワークにアクセスを望むSTAは、最初に、探査要求フレームを送信する。そして、探査要求フレームを受信したAPまたはSTAは、探査応答フレームで応答する。)
(2)「[0050] FIG. 1 shows configuration of a wireless local area network (WLAN) system according to an exemplary embodiment of the present invention.
……
[0054] The STA is a predetermined functional medium having a medium access control (MAC) and a physical layer interface for a wireless medium, based on institute of electrical and electronics engineers (IEEE) 802.11 standards, which broadly includes both the AP and the non-AP STA.
[0055] The non-AP STA is not the AP but the STA, the STA may also refer to the non-AP STA. Further, the non-AP STA may be called a mobile terminal, a wireless transmit/receive unit (WTRU), user equipment (UE), a mobile station (MS), a mobile subscriber unit, or the like.」
(当審訳
[0050] 図1は、この発明の典型的な実施例による無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムの構成を示す。
……
[0054] STAは、無線メディアのためのメディアアクセス制御(MAC)及び物理層のインタフェイスを有する、あらかじめ決められた機能のメディアであり、IEEE802.11規格に基づき、AP及び非APのSTAを含む。
[0055] 非AP STAは、APではなくSTAであり、STAはまた、非AP STAのことをいう。さらに、非AP STAは、移動端末、無線送受信装置(WTRU)、ユーザ装置(UE)、移動局(MS)、加入者装置等と呼ばれる。)
(3)「[0080] FIG. 4 shows a probe request frame according to an exemplary embodiment of the present invention.
[0081] The probe request frame 400 includes a basic service set identification (SSID) field 410, a supported rates field 420, a request information field 430, and a probe relaying information field 440.
[0082] The SSID field 410 indicates an identifier of BSS or IBSSS.」
(当審訳
[0080] 図4は、この発明の典型的な実施例の探査要求フレームを示す。
[0081] 探査要求フレーム400は、基本サービスセット識別(SSID)フィールド410、サポートレートフィールド420、要求情報
フィールド430、及び探査中継情報フィールド440を含む。
[0082] SSIDフィールド410は、BSSまたはIBSSの識別子を示す。
(4)「[0101] The probe request frame may be received by a plurality of STAs. If the plural STAs are all employed in relaying the probe request frame, it is not efficient. Therefore, there is a need for preventing relay overlap between the plural STAs.
[0102] After receiving the probe request frame, the STA previously stores the probe request frame in a buffer so as to relay the probe request frame. At this time, since the STA has not performed the relay, this STA is called a relay pending STA. If receiving the probe confirm frame due to the relay of another probe relaying STA before relaying the probe request frame, the relay pending STA discards the buffered probe request frame.」
(当審訳
[0101] 探査要求フレームは、複数のSTAに受信されるかもしれない。複数のSTAがすべて、探査要求フレームの中継に使用されるのは、効率的ではない。そこで、複数のSTA間での中継の重複を防止することが必要である。
[0102] 探査要求フレームの受信後、STAは、探査要求フレームを中継する前に、探査要求フレームをバッファに格納する。このとき、STAは、まだ中継を実行していないので、中継ペンディングSTAと呼ばれる。もし、探査要求フレームの中継前に、別の探査中継STAの中継の結果、探査確認フレームを受信すると、中継ペンディングSTAは、バッファに格納した探査要求フレームを破棄する。)
(5)「[0110] FIG. 7 is a flowchart of a scanning method according to still another exemplary embodiment of the present invention.
[0111] After the channel sensing, the probe requesting STA ascertaining that the channel of the TV WS is unoccupied transmits the probe request frame with regard to the unoccupied channel (S710).
[0112] The probe relaying STA relays the probe request frame to the WS AP (S720). Further, the probe relaying STA transmits a probe relay confirm frame for notifying that the relay has been performed (S730). The probe relay confirm frame is used for preventing other STAs from relaying the probe request frame, and may be broadcasted.」
(当審訳
[0110] 図7は、この発明の、さらに別の典型的な実施例のスキャン方法のフローチャートである。
[0111] 探査要求STAは、チャネルを検出し、TV WSのチャネルが占有されていないことを確認して、占有されていないチャネルで探査要求フレームを送信する(S710)。
[0112] 探査中継STAは、探査要求フレームをWS APへ中継する(S720)。さらに、探査中継STAは、中継が実行されたことを知らせるために、探査中継確認フレームを送信する(S730)。探査中継確認フレームは、他のSTAが探査要求フレームを中継しないようにするため
に、用いられ、ブロードキャストすることができる。)
(6)「[0122] Referring back to FIG. 7, the WS AP transmits the probe response frame in response to the probe request frame (S740). The probe response frame may be broadcasted. The relay pending STA being on standby for receiving and relaying the probe request frame may discard the pending probe request frame as the probe response frame is received from the WS AP.
[0123] After receiving the probe request frame including the probe relaying information, the relay pending STA is on standby for relaying the probe request frame. If the transmitter address of the received probe relay confirmation frame is equal to the transmitter address of the probe request frame remaining in the buffer, the relay pending STA discard the buffered probe request frame. Also, if receiving the probe response frame from the WS AP to which the buffered probe request frame is relayed, the relay pending STA discards the buffered probe request frame.」
(当審訳
[0122] 図7に戻って、WS APは探査要求フレームに応答して、探査応答フレームを送信する(S740)。探査応答フレームは、ブロードキャストすることができる。探査要求フレームの受信と中継をスタンバイしている中継ペンディングSTAは、探査応答フレームをWS APから受信することで、ペンディング中の探査要求フレームを破棄することができる。
[0123] 探査中継情報を含む探査要求フレームを受信して、中継ペンディングSTAは、探査要求フレームの中継をスタンバイする。受信した探査中継確認フレームの送信機アドレスが、バッファ内の探査要求フレームの送信機アドレスと同じときには、中継ペンディングSTAは、バッファ内の探査要求フレームを破棄する。また、バッファ内の探査要求フレームの中継先のWS APから探査応答フレームを受信した場合にも、中継ペンディングSTAは、バッファ内の探査要求フレームを破棄する。)
上記(4)に「[0102] 探査要求フレームの受信後、STAは、探査要求フレームを中継する前に、探査要求フレームをバッファに格納する。このとき、STAは、まだ中継を実行していないので、中継ペンディングSTAと称される。」とあるように、「中継ペンディングSTA」は、探査要求フレームの受信後、まだ中継を実行していない「探査中継STA」のことである。
したがって、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
無線ネットワークにアクセスを望む無線局(STA)である探査要求STAから受信した探査要求フレームをバッファに格納し、
前記探査要求フレームをWS APへ中継する、移動局と呼ばれる探査中継STAにおいて、
前記探査要求フレームは、BSSまたはIBSSの識別子を示すSSIDフィールドを含み、
前記WS APは、前記探査要求フレームに応答して、探査応答フレームを送信するものであり、
前記バッファ内の探査要求フレームの中継先のWS APから探査応答フレームを受信した場合には、探査要求フレームの受信後、まだ中継を実行していない探査中継STAは、前記バッファ内の探査要求フレームを破棄す
る、方法
2.対比
本願の請求項1-24に係る発明は、上記「第2.特許請求の範囲の記
載」に示した平成29年1月25日付けの手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用発明とを対比する。
引用発明は、「無線ネットワークにアクセスを望む無線局(STA)である探査要求STA」の「探査要求フレーム」をアクセスポイントである「WS AP」へ送るものであり、「前記バッファ内の探査要求フレームの中継先のWS APから探査応答フレームを受信したとき、探査要求フレームの受信後、まだ中継を実行していない「探査中継STA」は、前記バッファ内の探査要求フレームを破棄する」として、不必要な「探査要求フレーム」を送らないようにするものであるから、本願発明と同様に、ワイヤレス通信システムにおけるリンクセットアップ中のシグナリングを削減する方法といえる。
引用発明の「探査要求フレーム」は、「無線ネットワークにアクセスを望む無線局(STA)である探査要求STA」が、「探査中継STA」を介して、アクセスポイントである「WS AP」へ送るもので、それに応答して「WS AP」が「探査応答フレーム」を送信するから、本願発明の「第1のメッセージ」とは、アクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するためのメッセージである点で共通する。
引用発明は、「探査中継STA」において、「探査要求フレームをバッ
ファに格納し」及び「前記探査要求フレームをWS APへ中継する」とするので、「探査中継STA」が本願発明の「第1のデバイス」に対応し、本願発明が「第1のデバイスにおいて、前記第1のデバイスがアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージを送信用にキューに入れること」と共通する。
引用発明は、「前記探査要求フレームは、BSSまたはIBSSの識別子を示すSSIDフィールドを含み」とするので、本願発明が「前記第1の
メッセージが、前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含
み」とすることと共通する。
引用発明は、「前記バッファ内の探査要求フレームの中継先のWS APから探査応答フレームを受信した場合には、探査要求フレームの受信後、まだ中継を実行していない探査中継STAは、前記バッファ内の探査要求フ
レームを破棄する」とするので、「まだ中継を実行していない探査中継STA」が受信する「探査応答フレーム」は、この「まだ中継を実行していない探査中継STA」以外の別の「探査中継STA」等が「WS AP」へ送った「探査要求フレーム」に応答するものである。
したがって、上記「まだ中継を実行していない探査中継STA」以外の別の「探査中継STA」等が、本願発明の「第3のデバイス」に対応し、「探査応答フレーム」がアクセスポイントによって生成されたメッセージといえる点で、本願発明の「第2のメッセージ」に対応するから、引用発明は、本願発明と、「第1のメッセージ」の送信の前に、「第1のデバイス」において、「第2のメッセージ」をアクセスポイントから受信することと、前記
「第1のメッセージ」を「キュー」から削除することとを備え、前記「第2のメッセージ」は、「第3のデバイス」からの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージである点で共通する。
したがって、本願発明と引用発明とを対比すると、以下の点で一致し、また相違する。
(1)一致点
ワイヤレス通信システムにおけるリンクセットアップ中のシグナリングを削減する方法であって、
第1のデバイスにおいて、前記第1のデバイスがアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージを送信用に
キューに入れることであって、前記第1のメッセージが、前記アクセスポイントについてのネットワーク識別子を含み、前記第1のデバイスは、移動局であることと、
前記第1のメッセージの送信の前に、前記第1のデバイスにおいて、第2のメッセージを前記アクセスポイントから受信することと、
前記第1のメッセージを前記キューから削除することと
を備え、
前記第2のメッセージは、第3のデバイスからの要求に応答して前記アクセスポイントによって生成されたメッセージまたはビーコンフレームであ
る、方法。
(2)相違点1
本願発明は「第1のメッセージ」が「第1のデバイスがアクセスポイントとのリンクを確立するための情報を要求するための第1のメッセージ」であるのに対して、引用発明では、「第1のメッセージ」に対応する「探査要求フレーム」は、「第1のデバイス」に対応する「探査中継STA」ではな
く、「探査中継STA」とは別の「探査要求STA」が要求するものである点。
(3)相違点2
本願発明の「第2のメッセージ」は、「第1のデバイスがアクセスポイントとのリンクを確立するための情報」を含み、「第2のメッセージ」がその情報を含むとき、「第1のメッセージ」を削除するのに対して、引用発明の「探査応答フレーム」はそのような情報を含むものであるか明らかでなく、単に「探査応答フレーム」を受信することで、「第1のメッセージ」に対応する「探査要求フレーム」を破棄する点。
3.判断
上記相違点1について検討する。
引用発明の「探査中継STA」が、「探査要求STA」が要求するものではなく、それ自身が要求するメッセージをアクセスポイントに送信するものとすると、もはや「探査中継STA」は中継局とはいえないので、「探査中継STA」が中継局として機能する引用発明において、そのようにすることは、当業者であっても容易にできることではない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
請求項12、23、及び24に係る発明は、本願発明に対応するデバイ
ス、装置、及びコンピュータ可読記憶媒体の発明であり、その他の請求項は請求項1または12を引用するものであるから、それらの請求項に係る発明についても同様である。
第6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1-24に係る発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2016-004427