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特許拒絶査定不服審判

2016-004026

遊技機

審判番号
2016-004026
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-262514外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年03月16日
審決日
2017年01月11日
公報発行日
2017年04月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-262514号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 6月25日出願公開、特開2015-116373号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年12月19日に特許出願されたものであって、平成27年4月30日付けで拒絶理由通知がされ、これに対し平成27年7月2日付けで手続補正がなされたが、平成27年12月14日付け(発送日:平成27年12月22日)で拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年3月16日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の概要 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載を含む補正であり、平成27年7月2日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。 (補正前:平成27年7月2日付け手続補正) 「【請求項1】 所定の開始条件の成立により、内部抽選を行うとともに図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示されて、遊技利益を付与する遊技機において、 所定の可動範囲で可動可能な第1可動構造物と、 少なくとも2つの部材からなる第2可動構造物と、 を備え、 前記第2可動構造物の2つの部材を動作させ、閉状態と、開状態と、に制御し、前記閉状態である場合には、前記部材を前記第1可動構造物に遮蔽された位置とし、前記開状態である場合には、前記部材の一部が前記第1可動構造物から遮蔽範囲に含まれない範囲に移動させ、 前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とし、 前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記開状態とする ことを特徴とする遊技機。」 (補正後:本件補正である平成28年3月16日付け手続補正) 「【請求項1】 所定の開始条件の成立により、内部抽選を行うとともに図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示されて、遊技利益を付与する遊技機において、 所定の可動範囲で可動可能な第1可動構造物と、 少なくとも2つの部材からなる第2可動構造物と、 を備え、 前記第2可動構造物の2つの部材を動作させ、閉状態と、開状態と、に制御し、前記閉状態である場合には、前記部材を前記第1可動構造物に遮蔽された位置とし、前記開状態である場合には、前記部材の一部が前記第1可動構造物から遮蔽範囲に含まれない範囲に移動させ、 第1位置において、前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とし、 第2位置において、前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記開状態とする ことを特徴とする遊技機。」 2.補正の適否 審判請求時の補正によって、請求項1の記載は、上記1.の下線部が加わるように補正された。すなわち、補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とする」ことに、「第1位置において、」という限定をすると共に、「前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記開状態とする」ことに、「第2位置において、」という限定をするものである。 そうすると、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 そして、本件補正は、図56等に基づいており、新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について以下において検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1.の補正の概要において示した次のとおりのものである(A~Fは本願補正発明を分説するため当審で付与した。)。 「A 所定の開始条件の成立により、内部抽選を行うとともに図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示されて、遊技利益を付与する遊技機において、 B 所定の可動範囲で可動可能な第1可動構造物と、 C 少なくとも2つの部材からなる第2可動構造物と、 を備え、 D 前記第2可動構造物の2つの部材を動作させ、閉状態と、開状態と、に制御し、前記閉状態である場合には、前記部材を前記第1可動構造物に遮蔽された位置とし、前記開状態である場合には、前記部材の一部が前記第1可動構造物から遮蔽範囲に含まれない範囲に移動させ、 E 第1位置において、前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とし、 F 第2位置において、前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記開状態とする ことを特徴とする遊技機。」 (2)刊行物に記載された事項 原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2013-208308号公報には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 遊技盤に設けられ、演出画像を表示可能な第1表示画面を有する表示装置と、 一面に第2表示画面を有すると共に他面に可動可能な可動部を備えた役物演出部を有し、前記第1表示画面の一部を覆うように可動可能な演出用可動装置と、 演出制御を行う演出制御手段と、を備え、 前記演出制御手段は、前記演出用可動装置を前記第1表示画面の一部を覆うように可動させる可動制御、前記役物演出部を視認不能な態様から視認可能な態様に可動させる可動制御、及び前記可動部を可動させる可動制御を行う際には、前記演出用可動装置の可動に関連した演出画像を前記第1表示画面に表示する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。」 (イ)「【0027】 ここで、「大当たり抽選」とは、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たり抽選の結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、特別図柄判定用乱数値については後述する。 【0028】 また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16又は第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16又は第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16又は第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16又は第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。大当たりにおけるラウンド遊技回数はラウンド回数表示器26により表示される。 なお、この大当たり遊技には、複数種類の大当たりが設けられているが、詳しくは後述する。」 (ウ)「【0033】 図1、図2において、飾り部材6の内側に露出したメイン画像表示装置7のメイン表示画面(第1表示画面)7aの前部下方には、第1の演出用可動装置Aが配置され、メイン表示画面7aの左右両側方に位置する飾り部材6の縦枠の裏側には第2の演出用可動装置Bが表示画面上に出没自在に配置されており、メイン表示画面7aの上部中央には第3の演出用可動装置Cが昇降自在に配置され、表示画面の左右両側方に位置する飾り部材部分の裏側には第4の演出用可動部材Dが表示画面上に出没自在に配置されている。 【0034】 まず、第1の演出用可動装置Aの構成、動作について説明する。 図8(a)及び(b)は第1の演出用可動装置が下降位置(第1の位置)にあるときの正面図、及び斜視図であり、図9(a)及び(b)は第1の演出用可動装置が中間上昇位置にあるときの正面図、及び斜視図であり、図10は第1の演出用可動装置が中間形態にある時(サブ画像表示装置の回転途中)の正面図であり、図11(a)及び(b)は第1の演出用可動装置が上昇位置(第2の位置)においてサブ画像表示装置を縦姿勢に回転させた後の状態を示す正面図、及び斜視図である。 ・・・ 【0035】 図8乃至図20に示すように、第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素としている。 ・・・ 【0036】 サブ画像表示装置30は、表示装置基部33と、表示装置基部33の前面に配置された長方形状の表示画面(第2表示画面)31と、表示装置基部33の後面に配置されたギミック等の役物演出部50と、を備えている。」 (エ)「【0121】 リーチ状態に移行後は、第1の演出用可動装置Aと第2の演出用可動装置Bを可動させる。 先ず、第1の演出用可動装置Aの動作について説明する。 第1の演出用可動装置Aは、図46(a)に示すように、斜め上方に約45度の角度で傾斜した状態で停止していたサブ表示画面31を横長状態のまま垂直姿勢となるように可動する。 次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(a)に示すような横長状態で垂直姿勢のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を時計回りに90度回転させて、図46(b)に示すようにサブ画像表示装置30が縦姿勢となり、サブ表示画面31が縦長状態となるように可動する。 【0122】 次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(b)に示すような縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、図46(c)に示すようにサブ表示画面31の裏面側に設けられている演出役物部50が前面側となるように可動する。つまり、役物演出部50を視認不能な態様から視認可能な態様となるように可動する。 次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(d)に示すように、役物演出部50の背面側(役物演出部50とサブ画像表示装置30との間)に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する。」 (オ)【図46】(d)には、可動部54は役物演出部50の両側から側方に2つ突出させていることが図示されている。また、【図6】には、可動部54は第1の演出用可動装置Aに対して側方に2つ突出させることが図示されている。 上記記載事項から以下の事項がいえる。 (a)上記(イ)より、刊行物1に記載の遊技機は、「第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する処理をし、特別図柄が変動表示を行い、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知され、大当たり遊技を実行する権利を獲得する」ことが記載されている。 (b)上記(エ)より、第1の演出用可動装置Aは、上昇、90度回転、180回転が可能であるから、所定の可動範囲で可動可能であることは明らかである。 (c)上記(オ)より、可動部54は2つを突出をさせるものであるから、可動部54は2つの部材からなるといえる。 (d)上記(エ)、(オ)より、可動部54は2つの部材を動作させ、第1の演出用可動装置Aに隠蔽されていた状態と突出した状態に可動可能であることは明らかである。 (e)上記(エ)には、「第1の演出用可動装置Aは、図46(a)に示すような横長状態で垂直姿勢のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を時計回りに90度回転させて、図46(b)に示すようにサブ画像表示装置30が縦姿勢となり、サブ表示画面31が縦長状態となるように可動する。」と記載されているが、この状態では、可動部54は第1の演出用可動装置Aに遮蔽されていることは明らかである。 (f)また、上記(エ)において、「次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(b)に示すような縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、図46(c)に示すようにサブ表示画面31の裏面側に設けられている演出役物部50が前面側となるように可動する。つまり、役物演出部50を視認不能な態様から視認可能な態様となるように可動する。 次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(d)に示すように、役物演出部50の背面側(役物演出部50とサブ画像表示装置30との間)に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する。」と記載されている。 これは、第1の演出用可動装置Aは、図46(b)に示すような縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させ、図46(c)の状態を経て、その後(次に)、図46(d)に示すように、可動部54を第1の演出用可動装置Aから側方に突出させるように可動させることであるといえる。 上記記載事項(ア)~(オ)、認定事項(a)~(f)を総合すれば、刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(a~fは発明の構成を分説するため当審で付与した。)。 「a 第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する処理をし、特別図柄が変動表示を行い、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知され、大当たり遊技を実行する権利を獲得する遊技機において、 b 所定の可動範囲で可動可能である第1の演出用可動装置Aと、 c 2つの部材からなる可動部54と、 d 可動部54は2つの部材を動作させ、第1の演出用可動装置Aに隠蔽されていた状態と突出した状態に可動可能であり、 e 横長状態の上昇位置において、第1の演出用可動装置Aは、時計回りに90度回転させた状態では、可動部54は第1の演出用可動装置Aに遮蔽され、 f 縦姿勢にある位置において、第1の演出用可動装置Aは、表裏が反転するように180度回転させ、その後(次に)、可動部54は第1の演出用可動装置Aから側方に突出させるように可動させる遊技機。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 (a)引用発明の「第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したとき」は、本願補正発明の「所定の開始条件の成立」に相当する。また、引用発明の「特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する処理」は、本願補正発明の「内部抽選」に相当する。 そして、引用発明の「特別図柄が変動表示を行い、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示」することは、本願補正発明の「図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示」することに相当する。また、引用発明の「大当たり遊技を実行する権利を獲得する遊技機」は、本願補正発明の「遊技利益を付与する遊技機」に相当する。 そうすると、引用発明の「第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する処理をし、特別図柄が変動表示を行い、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知され、大当たり遊技を実行する権利を獲得する遊技機」は、本願補正発明の「所定の開始条件の成立により、内部抽選を行うとともに図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示されて、遊技利益を付与する遊技機」に相当する。 (b)引用発明の「第1の演出用可動装置A」は、本願補正発明の「第1可動構造物」に相当する。したがって、引用発明の「所定の可動範囲で可動可能である第1の演出用可動装置A」は、本願補正発明の「所定の可動範囲で可動可能な第1可動構造物」に相当する。 (c)引用発明の「可動部54」は、本願補正発明の「第2可動構造物」に相当する。また、本願補正発明において、「第1可動構造物」と「第2可動構造物」がどのような関係(独立した関係か、包含される関係)か特定されていない。 したがって、引用発明の「2つの部材からなる可動部54」は、本願補正発明の「少なくとも2つの部材からなる第2可動構造物」に相当する。 (d)引用発明の「可動部54は2つの部材を動作させ、第1の演出用可動装置Aに隠蔽されていた状態と突出した状態に可動可能」にすることは、可動部54は突出しない閉状態と突出した開状態に制御可能であることである。そして、引用発明の可動部54は突出しない閉状態では第1の演出用可動装置Aに隠蔽され、突出した開状態では、第1の演出用可動装置Aに遮蔽されないよう突出するよう移動可能であるといえる。また、引用発明の可動部54は突出に伴い、少なくとも一部は第1の演出用可動装置Aに遮蔽されないことは明らかである。 したがって、引用発明の「可動部54は2つの部材を動作させ、第1の演出用可動装置Aに隠蔽されていた状態と突出した状態に可動可能であり、」は、本願補正発明の「前記第2可動構造物の2つの部材を動作させ、閉状態と、開状態と、に制御し、前記閉状態である場合には、前記部材を前記第1可動構造物に遮蔽された位置とし、前記開状態である場合には、前記部材の一部が前記第1可動構造物から遮蔽範囲に含まれない範囲に移動させ、」に相当する。 (e)引用発明の「第1の演出用可動装置A」の「横長状態の上昇位置」は、時計回りに90度回転させる前の位置であるから、本願補正発明の「第1位置」に相当する。そして、引用発明の「第1の演出用可動装置Aは、時計回りに90度回転させた状態」は、本願補正発明の「第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合」に相当する。また、引用発明の「可動部54は第1の演出用可動装置Aに遮蔽され」は、本願補正発明の「第2可動構造物を前記閉状態とし」に相当する。 そうすると、引用発明の「横長状態の上昇位置において、第1の演出用可動装置Aは、時計回りに90度回転させた状態では、可動部54は第1の演出用可動装置Aに遮蔽され」は、本願補正発明の「第1位置において、前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とし」に相当する。 (f)引用発明の「第1の演出用可動装置A」の「縦姿勢にある位置」は、表裏が反転するように180度回転させる前の位置であるから、本願補正発明の「第2位置」に相当する。そして、引用発明の「第1の演出用可動装置Aは、表裏が反転するように180度回転させ」は、本願補正発明の「第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される」に相当する。また、引用発明の「可動部54は第1の演出用可動装置Aから側方に突出させるように可動させる」は、本願補正発明の「第2可動構造物を前記開状態とする」に相当する。 ここで、引用発明の「180度回転させ、その後(次に)、」と本願補正発明の「第2の可動範囲で動作される場合には、」は、第2可動構造物(可動部54)の可動タイミングは異なる。 したがって、引用発明の「縦姿勢にある位置において、第1の演出用可動装置Aは、表裏が反転するように180度回転させ、その後(次に)、可動部54は第1の演出用可動装置Aから側方に突出させるように可動させる」と、本願補正発明の「第2位置において、前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記開状態とする」とは、「第2位置において、前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作され、前記第2可動構造物を前記開状態とする」点で共通している。 そうすると、両者は、 「A 所定の開始条件の成立により、内部抽選を行うとともに図柄の変動表示を開始させ、所定の停止条件の成立により、前記図柄の変動表示の停止制御を行って所定の図柄の組み合わせが停止表示されて、遊技利益を付与する遊技機において、 B 所定の可動範囲で可動可能な第1可動構造物と、 C 少なくとも2つの部材からなる第2可動構造物と、 を備え、 D 前記第2可動構造物の2つの部材を動作させ、閉状態と、開状態と、に制御し、前記閉状態である場合には、前記部材を前記第1可動構造物に遮蔽された位置とし、前記開状態である場合には、前記部材の一部が前記第1可動構造物から遮蔽範囲に含まれない範囲に移動させ、 E 第1位置において、前記第1可動構造物が第1の可動範囲で動作される場合には、前記第2可動構造物を前記閉状態とし、 F’ 第2位置において、前記第1可動構造物が第2の可動範囲で動作され、前記第2可動構造物を前記開状態とする遊技機。」 である点で一致しており、次の点で一応相違する。 (相違点) 第2位置において、本願補正発明は第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、第2可動構造物を開状態とするのに対し、引用発明は第1可動構造物が第2の可動範囲で動作され、その後(次に)、第2可動構造物を開状態とした点。 (4)判断 そこで、前記相違点について検討する。 上記(2)の(エ)で記載したとおり、可動部54(第2可動構造物)は、図46(c)ではなく図46(d)の段階で側方に突出させるように可動(開状態に)させている。しかし、図46(a)から図46(d)は、第1の演出用可動装置A(第1可動構造物)の一連の動きを示しており、遊技機の演出において役物の可動は連続した動きになるのが一般的である。 そうすると、引用発明の第1可動構造物が第2の可動範囲で動作され、その後(次に)、第2可動構造物を開状態としたことについて、第1可動構造物と第2可動構造物の動きを連続的にし、第1可動構造物が第2の可動範囲で動作され、その直後に第2可動構造物を開状態とすることは当業者なら容易になし得ることである。また、本願補正発明の「場合には、」がどれくらいの時間的範囲を特定しているものであるか定かでない。 したがって、引用発明において、第2位置において、第1可動構造物が第2の可動範囲で動作される場合には、第2可動構造物を開状態とするようにし、上記相違点に係る本願補正発明の構成にすることは当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願補正発明の効果について、引用発明、刊行物1に記載された事項からみて格別なものではない。 (5)審判請求人の主張 審判請求人は請求書第4頁において次のような主張をしている。 「これに対し、引用文献1に記載されたものは、サブ画像表示装置30を備えた第1の演出用可動装置が、メイン画像表示装置7の前部下方から、メイン画像表示装置7の前面に移動した際に、サブ画像表示装置30の後面に配置された役物演出部50が、背面から側方に突出した突出位置に移動するものです。すなわち、引用文献1に記載のものは、第1可動構造物が第1位置から第2位置に移動し、第1可動構造物が第2位置に移動した際に第2可動構造物が視認可能な位置に移動するものであって、第1可動構造物が、第1位置にあるときの形、および、第2位置にあるときの形は、常に同じものであります。そして、第1可動構造物の動きによって第2可動構造物が動作するわけではありません。 このように、引用文献1に記載されたものは、第1位置における動作と、第2位置における動作と、が状況によって変化するものではありません。 このように、本願発明は、引用文献1の記載に基づいて、容易に発明をすることができたものではありません。」 しかし、上記主張について検討すると、まず、「第1位置」、「第2位置」について、前記(3)の(e)、(f)で示した当審の認定と異なる。これは、「第1位置」、「第2位置」の表現自体が漠然としているために起因することである。そして、上記主張の「第1可動構造物が、第1位置にあるときの形、および、第2位置にあるときの形は、常に同じものであります。そして、第1可動構造物の動きによって第2可動構造物が動作するわけではありません。」などは、本願補正発明に特定されていないことであるから、引用文献1の記載内容が本願補正発明と異なる旨の主張は妥当でない。 よって、審判請求人の主張は採用できない。 (6)小括 よって、本願補正発明は引用発明及び刊行物1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成26年7月2日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1.で示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。 1.刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1の記載事項は、上記第2の3.(2)に記載したとおりである。 2.対比・判断 本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1.の下線部の構成を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項(構成要件)をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2の3に記載したとおり、引用発明及び刊行物1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明及び刊行物1に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないものである。 したがって、本願は拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-004026

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