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特許拒絶査定不服審判

2016-001849

誘導プラズマによる有機化合物の熱破壊方法および装置

審判番号
2016-001849
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-540437外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年02月05日
審決日
2016年11月07日
公報発行日
2017年05月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (F23G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-540437号「誘導プラズマによる有機化合物の熱破壊方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年6月3日国際公開、WO2011/064314、平成25年4月11日国内公表、特表2013-512406号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2010年11月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年11月27日(FR)フランス共和国)を国際出願日とする出願であって、平成24年5月25日に国内書面が提出され、平成24年7月20日に国際出願翻訳文提出書により、明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面の翻訳文が提出され、平成24年7月20日に特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書が提出され、平成26年11月27日付けで拒絶理由通知が通知され、平成27年4月27日に意見書が提出されたが、平成27年9月29日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成28年2月5日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出されたものである。 第2 平成28年2月5日付けの手続補正について [1]本件補正 平成28年2月5日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲に関して、本件補正により補正される前(すなわち、平成24年7月20日に提出された特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書により補正された)の下記1.(1)に示す請求項13を下記1.(2)に示す請求項13に補正するとともに、明細書に関して、明細書の翻訳文における下記2.(1)に示す段落【0094】を下記2.(2)に示す段落【0094】に補正するものである。 1.特許請求の範囲の補正 (1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項13 「【請求項13】 インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を分解する装置であって、 -少なくとも一つの誘導プラズマトーチ; -前記トーチ中に少なくとも一種のプラズマ形成ガスを導入する手段; -必要に応じて、前記(複数の)プラズマ形成ガスが酸素から構成されない場合、酸素を含まない場合、または酸素をほとんど含まない場合、酸素ガスを前記プラズマ中または前記プラズマの近傍に運搬する手段; -前記供給物を前記トーチ中に導入する手段; -前記誘導プラズマトーチ(6)から流出した前記ガスの熱破壊を行うことを可能とすることができる反応囲壁室(7); -前記反応囲壁室(7)から流出した前記ガスの混合を行うことを可能とする装置(8); -前記混合装置(8)中に空気および/または酸素ガス(9)を導入する手段; -前記混合装置(8)からの前記ガスの少なくとも一部を、冷却により再結合させることを可能とする装置(10);を含み、 前記誘導トーチ(6)、前記反応囲壁室(7)、前記混合装置(8)および前記再結合装置(10)が、流動可能に連通されている装置。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項13 「【請求項13】 インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を分解する装置であって、 -少なくとも一つの誘導プラズマトーチ; -前記トーチ中に少なくとも一種のプラズマ形成ガスを導入する手段; -必要に応じて、前記(複数の)プラズマ形成ガスが酸素から構成されない場合、酸素を含まない場合、または酸素をほとんど含まない場合、酸素ガスを前記プラズマ中または前記プラズマの近傍に運搬する手段; -前記供給物を前記トーチ中に導入する手段; -前記誘導プラズマトーチ(102)から流出した前記ガスの熱破壊を行うことを可能とすることができる反応囲壁室(6、106); -前記反応囲壁室(6、106)から流出した前記ガスの混合を行うことを可能とする装置(11、107); -前記混合装置(11、107)中に空気および/または酸素ガス(9、10、15、108)を導入する手段; -前記混合装置(11、107)からの前記ガスの少なくとも一部を、冷却により再結合させることを可能とする装置(12、109);を含み、 前記誘導トーチ(102)、前記反応囲壁室(6、106)、前記混合装置(11、107)および前記再結合装置(12、109)が、流動可能に連通されている装置。」(下線は、補正箇所を示すために請求人が付したものである。以下同様。) 2.明細書の補正 (1)本件補正前の明細書の段落【0094】 「【0094】 本発明はさらに、インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を分解する装置であって、 -少なくとも一つの誘導プラズマトーチ; -該トーチ中に少なくとも一種のプラズマ形成ガスを導入する手段; -必要に応じて、上記(複数の)プラズマガスが酸素から構成されない場合、酸素を含まない場合、または酸素をほとんど含まない場合、酸素ガスを上記プラズマ中または上記プラズマの近傍に運搬する手段; -該供給物を該トーチ中に導入する手段; -上記誘導プラズマトーチ(6)から流出したガスの熱破壊を行うことを可能とすることができる反応囲壁室または反応室(7); -上記反応囲壁室または反応室(7)から流出したガスの混合を行うことを可能とする装置; -上記混合装置(8)中に空気および/または酸素ガス(9)を導入する手段; -上記混合装置(8)からのガスの少なくとも一部を、冷却により再結合させることを可能とする装置(10);を含み、 上記誘導プラズマトーチ(6)、上記囲壁室または反応室(7)、上記混合装置(8) および上記再結合装置(10)が、流動可能に連通されている装置に関する。」 (2)本件補正後の明細書の段落【0094】 「【0094】 本発明はさらに、インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を分解する装置であって、 -少なくとも一つの誘導プラズマトーチ; -該トーチ中に少なくとも一種のプラズマ形成ガスを導入する手段; -必要に応じて、上記(複数の)プラズマガスが酸素から構成されない場合、酸素を含まない場合、または酸素をほとんど含まない場合、酸素ガスを上記プラズマ中または上記プラズマの近傍に運搬する手段; -該供給物を該トーチ中に導入する手段; -上記誘導プラズマトーチ(102)から流出したガスの熱破壊を行うことを可能とすることができる反応囲壁室または反応室(6、106); -上記反応囲壁室または反応室(6、106)から流出したガスの混合を行うことを可能とする装置; -上記混合装置(11、107)中に空気および/または酸素ガス(9、10、15、108)を導入する手段; -上記混合装置(11、107)からのガスの少なくとも一部を、冷却により再結合させることを可能とする装置(12、109);を含み、 上記誘導プラズマトーチ(102)、上記囲壁室または反応室(6、106)、上記混合装置(11、107)および上記再結合装置(12、109)が、流動可能に連通されている装置に関する。」 [2]本件補正についての判断 (1)特許請求の範囲の請求項13に関する本件補正について 本件補正により、「誘導プラズマトーチ(6)」が「誘導プラズマトーチ(102)」に、「反応囲壁室(7)」が「反応囲壁室(6、106)」に、「ガスの混合を行うことを可能とする装置(8)」が「ガスの混合を行うことを可能とする装置(11、107)」に、「混合装置(8)」が「混合装置(11、107)」に、「酸素ガス(9)」が「酸素ガス(9、10、15、108)」に、「冷却により再結合させることを可能とする装置(10)」が「冷却により再結合させることを可能とする装置(12、109)」に、「誘導トーチ(6)」が「誘導トーチ(102)」に、「再結合装置(10)」が「再結合装置(12、109)」に、それぞれ補正された。 そして、これらの補正は、いずれも上記各部材に付した番号を図面の翻訳文及び明細書の翻訳文(段落【0094】を除く。)の記載と一致させて正しい番号とするものであるから、特許法第17条の2第5項第3号における「誤記の訂正」に該当する。 また、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところはない。 (2)明細書に関する本件補正について 本件補正により、「誘導プラズマトーチ(6)」が「誘導プラズマトーチ(102)」に、「反応囲壁室または反応室(7)」が「反応囲壁室または反応室(6、106)」に、「混合装置(8)」が「混合装置(11、107)」に、「酸素ガス(9)」が「酸素ガス(9、10、15、108)」に、「冷却により再結合させることを可能とする装置(10)」が「冷却により再結合させることを可能とする装置(12、109)」に、「再結合装置(10)」が「再結合装置(12、109)」に、それぞれ補正された。 そして、これらの補正は、いずれも上記各部材に付した番号を図面の翻訳文及び明細書の翻訳文(段落【0094】を除く。)の記載と一致させて正しい番号とするものであるから、明細書、特許請求の範囲及び図面の翻訳文の記載から導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書、特許請求の範囲及び図面の翻訳文に記載した事項の範囲においてなされたものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に違反してなされたものではない。 [3]むすび 本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合し、適法にされたものである。 第3 本願発明について [1]本願発明 本件補正は、上記第2のとおり適法にされたものであるので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年2月5日提出の手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに図面の翻訳文からみて、次のとおりのものである。(なお、本件補正による請求項1は、本件補正前のものと変わるところはない。) 「【請求項1】 インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を熱破壊する方法であって、下記の連続工程が行われる方法: a)前記供給物が前記プラズマ中に導入され、酸素ガスの供給が前記少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/または前記プラズマもしくは前記プラズマの近傍にて達成され、それにより原子への分解が誘発されたガスが得られる工程; b)反応囲壁室中において、原子への分解が誘発された前記ガスを熱破壊する第一運転が行われる工程; c)前記第一熱破壊運転を経た前記ガスを空気および/または酸素と混合することにより、前記ガスを熱破壊する第二運転が行われる工程; d)前記混合からの前記ガスの少なくとも一部を冷却することにより、再結合が達成される工程; e)前記ガスを排出する。」 [2]刊行物 1.刊行物1 (1)刊行物1の記載事項 原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特表2007-524800号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「誘導結合プラズマを使用して液体状や粉末状や気体状の廃棄物を破壊するための装置および方法」に関して図面とともに以下の記載がある。 1a)「【請求項1】 液体状または気体状または粉末状とされた少なくとも1つの有機物質またはハロゲン化有機物質のための熱的破壊プロセスであって、 -1つまたは複数の上記有機物質と、カーボンの原子数と酸素の原子数と間において少なくとも化学量論的な原子比率が確保されるような十分な量の水と、を混合し、または、1つまたは複数の上記ハロゲン化有機物質と、一方においてはカーボンの原子数と酸素の原子数との間において他方においては水素の原子数とハロゲンの原子数との間において少なくとも化学量論的な原子比率が確保されるような十分な量の水と、を混合し、 -誘導結合プラズマトーチ(6)のコイル(26)内へと、上記混合物と、プラズマガスと、を導入し、これにより、原子状態へと分解したガスを生成し、 -原子状態へと分解した前記ガスの第1熱的破壊操作を、反応チャンバ(7)内において、引き起こし、 -前記第1熱的破壊操作を受けた前記ガスに対して、エネルギーを追加することなく、攪拌デバイス(8)内において、エアおよび/または酸素と攪拌しつつ、第2熱的破壊操作を引き起こし、 -前記攪拌デバイス(8)から導出されたガスの少なくとも一部を冷却(10)することによって、再結合させ、 -破壊されたガスの放出(20)を行う、 ことを特徴とする熱的破壊プロセス。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】) 1b)「【0017】 破壊対象をなす物質と水との混合は、破壊対象物質が液体または粉末状である場合には液体状態の水を使用して行われ、破壊対象物質が気体状である場合には水蒸気を使用して行われる。混合物は、カーボンの原子数と酸素の原子数と間において少なくとも化学量論的な原子比率が確保されるような、廃棄物と水との比率を有していなければならない。ハロゲン化有機物質という特殊なケースに関しては、廃棄物と水との比率は、加えて、水素の原子数とハロゲンの原子数との間において、化学量論的な原子比率が達成されるものとされなければならない。 【0018】 有利には、有機物質またはハロゲン化有機物質が液体状または粉末状である場合には、少なくとも1つの有機物質またはハロゲン化有機物質と水との混合物は、誘導結合プラズマトーチのコイルのところへと、スプレーの形態で導入される。または、有機物質またはハロゲン化有機物質が気体状である場合には、少なくとも1つの有機物質またはハロゲン化有機物質と水との混合物は、誘導結合プラズマトーチのコイルのところへと、気体状という形態で導入される。」(段落【0017】及び【0018】) 1c)「【0050】 本発明による熱的破壊プロセスのために使用される装置が、図1に示されている。 【0051】 電源1は、380V/50Hzの電力供給システム(符号100)に対して接続されているとともに冷却設備2によって冷却されているものであり、プラズマトーチ6に対して、制御パネル4を介して、高周波エネルギーを供給している。この制御パネルは、例えば、チューニングキャビネットとすることができる。符号101は、電源1を制御パネル4に対して接続している同軸ケーブルを示しており、符号102は、パネル4をプラズマトーチ6に対して接続している誘導アームを示している。 【0052】 プラズマトーチ6を動作させるためには、ガスを供給しなければならない。動作ガス3の導入と、処理対象をなす水と廃棄物との混合物5の導入とは、トーチ6の内部において直接的に行われている。水と廃棄物とは、前もって混合されている。その後、混合物は、液体または懸濁液のためのスプレープローブを使用して、および、ガスのための注入プローブを使用して、トーチ6内へと導入される(トーチ内への水と廃棄物との混合物の導入原理は、図2に示されている)。 【0053】 ガスおよび混合物をプラズマトーチ6内へと導入した後には、プラズマガス、および、水と対象物との混合物は、反応チャンバ7内へと導入される。この反応チャンバ7の機能は、プラズマトーチ内において生成された熱を閉じ込めることである。これにより、廃棄物を完全に破壊することができる。よって、反応チャンバから導出されたガスは、1500℃を超える温度に達することができる。 【0054】 反応チャンバ7の出口のところにおいて、ガスは、ベンチュリー8として公知の特殊デバイス内へと流入する。ベンチュリー8とは、攪拌デバイスである。つまり、燃焼ガス(エアまたは酸素9)の追加によって、反応チャンバ7から導出されたガスの第2燃焼(事後燃焼)を引き起こす。図4は、ベンチュリー8の詳細を示している。したがって、このデバイスにより、反応チャンバ7内における初期的破壊ステージから抜け出してくる可能性のある有毒化合物を、破壊することができる。ベンチュリー内においては、ガスは、燃焼ガスとの混合後になおかつ発熱性燃焼反応の後に、1200℃を超える温度に達することができる。 【0055】 その後、ガスは、スペース10内へと導入される。このスペース10内においては、ガスは、急冷され、再結合ステップを受ける。この再結合スペースは、水冷式二重壁チャンバから構成されている。このスペース10内においては、温度は、出口のところにおける200℃にまで、急速に減少している。反応チャンバ7とは異なり、再結合スペース10は、熱的に絶縁されていない。二重壁は、冷却設備2から導出された再循環水によって冷却されている。このスペースにおいては、ガスは、流れることによって、壁の近くにおける自然的な対流によって冷却される。」(段落【0050】ないし【0055】) 1d)「【0065】 図2は、プラズマトーチの内部へと、対象物と水との混合物5を導入するためのシステムを示している。 【0066】 プラズマトーチ6は、無電極型の、高周波結合トーチあるいは誘導結合トーチである。この場合、プラズマは、コイル26を通過する高電圧かつ高周波数の電流によって、生成される。プラズマとは、ガスが、イオンや、電子や、中立種や、励起種、等へと分解されたことを表すために使用される用語である。任意のタイプの誘導トーチであっても、適切に使用することができる。 【0067】 プラズマトーチは、好ましくは、高周波を透過させ得る非導電性材料から形成されている。 【0068】 処理されるべき対象物は、十分な量の水と混合されなければならない。処理対象をなす対象物が液体または粉末という態様のものである場合には、液体の水が、添加される。処理対象をなす対象物がガスである場合には、添加される水も、また、ガスでなければならない(つまり、水蒸気)。添加すべき十分な量の水は、対象物と水との間の比率を、最低限でも、一方においてはカーボンの原子数と酸素の原子数との間において、他方においては、ハロゲン化有機物質という特殊なケースに関しては、水素の原子数とハロゲンの原子数との間において、化学量論的な原子比率が達成されるものとして、得られる。液体の水または水蒸気という態様でもって対象物に対して混合することによって、酸素と水素とを同時に添加することのために、原子の再結合を制御し得るとともに、高度な安全性(例えば、H2/O2の爆発というリスクがない)を確保することができる。よって、同時的な原子の再結合反応は、以下の通りである。 C + O → CO H + Cl → HCl 【0069】 このようにして生成された混合物は、タンク内に貯蔵され、プラズマトーチ内への導入のための待受状態とされる。 【0070】 水と廃棄物との混合物は、スプレーされた態様としてあるいはガスという態様として、プラズマトーチ6の中心領域へと導入される。」(段落【0065】ないし【0070】) 1e)「【0077】 図3は、破壊フェーズを概略的に示している。反応チャンバが図示されており、この反応チャンバ内において、対象物の破壊が起こる。この反応チャンバ7は、二重壁28を備えている。この二重壁28の内部にわたって、冷却水が循環する。この二重壁は、スチールから形成することができる。二重壁の内表面は、保護的な耐火材料によって被覆される。 【0078】 トーチ6から導出されたガスは、ポート27を通して反応チャンバ7内へと導入される。観測用のガラスポート30を使用することにより、ポート27を通して導入されたガスの振舞いが適切であるかどうかをチェックすることができる。ガスイオン化に関しての好ましくない振舞いは、以下のような特徴点を有している。 -ガス柱内における不規則なかつ非一様な移動。 -金属製構成部材(トーチのエッジ、注入プローブ、等)上への電気アーク。 -プラズマが不完全に形成されること、また、プラズマがトーチ6の内部に閉じ込められたままであること。 【0079】 ガスの適切な振舞いの制御は、観測用ガラス30の前方位置にカメラ31を配置することによって、容易に行うことができる。反応チャンバ7の出口33に向けて配置された熱電対32を使用することにより、このチャンバから導出されるガスの温度を測ることができる。 【0080】 その後、この反応チャンバから導出されたガスは、ベンチュリーとして公知のデバイスへと導入される。ベンチュリー8の目的は、冷たいエアの追加によって、反応チャンバから導出された反応ガス内において高度な乱流を発生させることである。冷たいエアと反応物質とから構成されたこの混合ガスを使用することにより、補助的な熱を一切使用しなくても、反応チャンバから導出されたガスの事後燃焼を引き起こすことができる。よって、反応チャンバ7内において変換されなかったすべての反応性ガスの破壊を、達成することができる。このベンチュリー内においては、例えばH2 やCOやC等といったような様々なガス種は、以下の反応式に基づいてエアに対して反応することとなる。 CO + H2 + O2 → CO2 + H2O 【0081】 よって、有害なガスCOが、有害性のより小さなガスへと変換される。」(段落【0077】ないし【0081】) (2)上記(1)及び図1ないし4の記載から分かること 1f)上記1d)の段落【0066】の記載から、プラズマが、高電圧かつ高周波数の電流が通過するコイル26によってイオンへと分解された動作ガス3により形成されたものであることが分かる。 1g)上記1a)の記載及び1c)の段落【0052】ないし【0055】の記載を併せみると、「対象物と水との混合物5と動作ガス3とをプラズマトーチ6内へ導入して、原子状態へと分解したガスを生成するプロセス」、「反応チャンバ7中において、原子状態へと分解したガスを破壊する第1熱的破壊操作を行うプロセス」、「第1熱的破壊操作を受けたガスにエアおよび/または酸素を追加して攪拌することにより、第2熱的破壊操作を行うプロセス」、「攪拌されたガスの少なくとも一部を冷却することにより再結合するプロセス」、及び「破壊されたガスを排出するプロセス」が、この順に連続して行われることが分かる。 (3)引用発明 上記(1)及び(2)並びに図1ないし4の記載から、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「高電圧かつ高周波数の電流が通過するコイル26によってイオンへと分解された動作ガス3により形成されたプラズマにより、1つまたは複数の有機物質を含む対象物を熱的破壊する方法であって、下記のプロセスが連続して行われる方法: 対象物と水との混合物5と動作ガス3とをプラズマトーチ6内へ導入して、原子状態へと分解したガスを生成するプロセス、 反応チャンバ7中において、原子状態へと分解したガスを破壊する第1熱的破壊操作を行うプロセス、 第1熱的破壊操作を受けたガスにエアおよび/または酸素を追加して攪拌することにより、ガスの事後燃焼を引き起こす第2熱的破壊操作を行うプロセス、 攪拌されたガスの少なくとも一部を冷却することにより再結合するプロセス、 破壊されたガスを排出するプロセス。」 2.刊行物2 (1)刊行物2の記載事項 原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開平8-150315号公報(以下、「刊行物2」という。)には、「化合物処理装置」に関して図面とともに以下の記載がある。 2a)「【請求項1】気体の又は気化された処理対象物をプラズマ発生部に継続的に供給する処理対象物供給手段と、プラズマ発生部に供給された前記処理対象物をアーク放電によりプラズマ化し、プラズマ化された処理対象物を分解・燃焼室内に噴出するためのプラズマ発生部と、処理対象物の分解・燃焼に要する酸素を含有する酸素含有ガスを分解・燃焼室内に供給して処理対象物に混合させるための酸素含有ガス供給手段と、プラズマ発生部から噴出した処理対象物を実質上全て熱分解および/または燃焼させる分解・燃焼室と、分解・燃焼室から廃ガスを排出するための廃ガス排出口と、廃ガス排出口から排出された廃ガスを無害化するための廃ガス処理手段とを有することを特徴とする化合物処理装置。 【請求項2】不燃性のプラズマ用ガスをプラズマ発生部に連続的に供給するプラズマ用ガス供給手段と、プラズマ発生部に供給されたプラズマ用ガスをアーク放電によりプラズマ化し、プラズマ化されたプラズマ用ガスを分解・燃焼室内に噴出するためのプラズマ発生部と、気体の又は気化若しくは霧化された処理対象物を分解・燃焼室内に継続的に供給してプラズマ化したプラズマ用ガスに混合させるための処理対象物供給手段と、処理対象物の分解・燃焼に要する酸素を含有する酸素含有ガスを分解・燃焼室内に供給して処理対象物に混合させるための酸素含有ガス供給手段と、処理対象物供給手段により供給された処理対象物を実質上全て熱分解および/または燃焼させる分解・燃焼室と、分解・燃焼室から廃ガスを排出するための廃ガス排出口と、廃ガス排出口から排出された廃ガスを無害化するための廃ガス処理手段とを有することを特徴とする化合物処理装置。 【請求項3】酸素含有ガスをプラズマ発生部に連続的に供給するプラズマ用酸素含有ガス供給手段と、プラズマ発生部に供給された酸素含有ガスをアーク放電によりプラズマ化し、プラズマ化された酸素含有ガスを分解・燃焼室内に噴出するためのプラズマ発生部と、気体の又は気化若しくは霧化された処理対象物を分解・燃焼室内に継続的に供給してプラズマ化した酸素含有ガスに混合させるための処理対象物供給手段と、処理対象物供給手段により供給された処理対象物を実質上全て熱分解および/または燃焼させる分解・燃焼室と、分解・燃焼室から廃ガスを排出するための廃ガス排出口と、廃ガス排出口から排出された廃ガスを無害化するための廃ガス処理手段とを有することを特徴とする化合物処理装置。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】ないし【請求項3】) 2b)「【0030】処理対象となる有機ハロゲン化合物としては、テトラクロロビフェニ-ル等のポリ塩化ビフェニール(PCB)、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の塩化エチレン、トリクロロエタン等の塩化エタン、クロロフルオロカーボン(CFC)、廃フロン及びハロン等を例示することができる。 【0031】気化器10は、処理対象物である有機ハロゲン化合物が常温常圧で液体である場合に、その処理対象物を加熱して気化させるものである。液体PCBの場合、500℃以上に加熱して気化させる。気化された処理対象物は、第1ポンプ12によってプラズマ発生部に加圧送給される。 【0032】また、処理対象物である有機ハロゲン化合物が、例えばテトラクロロビフェニ-ル(C12H6Cl4)のように、常温常圧で気体である場合、容器14から導出された処理対象物は、第2ポンプ16によってプラズマ発生部18に加圧送給される。 【0033】プラズマ発生部18では、送給されてきた処理対象物が、アーク放電によりプラズマ化され、2200乃至2800℃程度の高温のプラズマとなった処理対象物は、分解・燃焼室20内に噴出する。アーク放電の電極は、水冷や空冷などの適宣の冷却手段により耐用寿命を延ばすことが可能である。電極の材料としては、例えば、黒鉛、ハフニウム、ニッケル、銅等の電極用の通常の工業材料を用いることができる。 【0034】この分解・燃焼室20内には、酸素含有ガス供給装置22から、処理対象物の分解・燃焼に要する酸素を含有する酸素含有ガス(例えば空気や酸素富化空気等)が供給され、プラズマ化して分解・燃焼室20内に噴射された処理対象物に混合する。 【0035】プラズマ発生部18から噴出した処理対象物は、高温のプラズマであるため、分解・燃焼室20内において極めて短時間(例えば0.01乃至0.1秒間)で実質上全てが熱分解および/または燃焼し、[例えばテトラクロロビフェニ-ル(C12H6Cl4)の場合、高温のプラズマとなって電離したテトラクロロビフェニ-ルは、続いて供給混合される酸素含有ガスと短時間で次式 2C12H6Cl4+25O2→24CO2+2H2O+8HCl ・・・・(1) のような反応を開始し、短時間に終了する。]廃ガスとなった後、廃ガス排出口から排出される。処理対象物を分解・燃焼室20内に滞留させるべき時間を非常に短く(例えば0.01乃至0.1秒間)することができるので、分解・燃焼室20を格段に小型化することができる。」(段落【0030】ないし【0035】) 2c)「【0047】図2は、本発明の別の実施例としての有機ハロゲン化合物処理装置の説明図、図3は、本発明の更に別の実施例としての有機ハロゲン化合物処理装置の説明図である。 【0048】図2及び図3の実施例では、処理対象物を直接プラズマ化するのでなく、別のプラズマ用ガスをプラズマ化し、気体の処理対象物又は気化若しくは霧化した処理対象物をそのプラズマ炎の中又は近傍に送給することにより、その処理対象物の高効率の熱分解および/または燃焼を図る。 【0049】プラズマ用ガスとしては、空気などの酸素含有ガス、アルゴンなどの不活性ガス、二酸化炭素ガス等の不燃性ガスが用いられる。有害物質となる窒素酸化物の副生を抑制するために、窒素ガスの使用を避け、酸素含有ガスが空気の場合においても酸素富化空気とすることが望ましい。 【0050】容器60から導出されたプラズマ用ガスは、第1ポンプ62によってプラズマ発生部18に加圧送給される。プラズマ発生部18では、送給されてきたプラズマ用ガスが、アーク放電によりプラズマ化され、2200乃至2800℃程度の高温のプラズマとなったプラズマ用ガスは、分解・燃焼室20内に噴出する。 【0051】図2の実施例において、処理対象物である有機ハロゲン化合物が常温常圧で気体である場合、容器65から導出され、処理対象物である有機ハロゲン化合物が常温常圧で液体である場合、図1の実施例と同様の気化器64によって気化され、第2ポンプ66によって分解・燃焼室20内のプラズマ炎の流れの中又は近傍に継続的に加圧送給されてプラズマ化した高温のプラズマ用ガスに混合し、その熱を効率的に受ける。 【0052】図3の実施例においては、常温常圧で液体である容器67内の処理対象物が第2ポンプ69により霧化装置68に加圧送給され、霧化装置68により霧化された処理対象物が、分解・燃焼室20内のプラズマ炎の流れの中又は近傍に継続的に送給されてプラズマ化した高温のプラズマ用ガスに混合し、その熱を効率的に受ける。霧化装置68としては、高圧一流体噴射霧化装置、高圧二流体噴射霧化装置、超音波アトマイザー等を適宜採用し得る。 【0053】図2及び図3の何れの実施例においても、プラズマ用ガスが酸素含有ガスであり、含有する酸素の量が処理対象物の燃焼に十分な量であれば、酸素含有ガス供給装置22からの分解・燃焼室20内への酸素含有ガスの供給の必要はない。プラズマ用ガスが含有する酸素の量が不十分であれば、酸素含有ガス供給装置22からも分解・燃焼室20内へ酸素含有ガスを供給して処理対象物に混合させ、処理対象物の燃焼に要する酸素を補う。またプラズマ用ガスが酸素含有ガスでない場合、酸素含有ガス供給装置22から分解・燃焼室20内に処理対象物の分解・燃焼に要する酸素を含有する酸素含有ガスを供給し、処理対象物に混合させる。 【0054】処理対象物は、気体であるか又は気化若しくは霧化されており、而もプラズマ化した高温のプラズマ用ガスと混合するため、分解・燃焼室20内において極めて短時間(例えば0.01乃至0.1秒間)で実質上全てが熱分解および/または燃焼する[例えば上記式(1) のような反応]。処理対象物の熱分解および/または燃焼によるものを含む廃ガスは、分解・燃焼室20の廃ガス排出口から排出される。処理対象物を分解・燃焼室20内に滞留させるべき時間を非常に短く(例えば0.05乃至0.2秒間)することができるので、分解・燃焼室20を格段に小型化することができる。」(段落【0047】ないし【0054】) 2d)「【0061】 【効果】請求項1の化合物処理装置では、プラズマ発生部から噴出した処理対象物は高温のプラズマであるため、分解・燃焼室内において極めて短時間で実質上全てが熱分解および/または燃焼する。それゆえ、処理対象物を分解・燃焼室内に滞留させるべき時間、すなわち熱分解および/または燃焼のための時間を非常に短くすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、分解・燃焼室を格段に小型化することができる。 【0062】また、灯油等の燃料の燃焼による処理対象物の助燃を行わないため、廃ガスの量が極めて少ないので、廃ガス処理手段の処理容量を極めて小さくすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、廃ガス処理手段を格段に小型化することができる。 【0063】このように、分解・燃焼室及び廃ガス処理手段を何れも従来に比し格段に小型化することができるので、装置全体を極めてコンパクトに構成して移動可能なものとすることが可能である。 【0064】請求項2の化合物処理装置では、処理対象物は、気体であるか又は気化若しくは霧化されており、而もプラズマ化した高温のプラズマ用ガスと混合するため、分解・燃焼室内において極めて短時間で実質上全てが熱分解および/または燃焼する。それゆえ、処理対象物を分解・燃焼室内に滞留させるべき時間、すなわち熱分解および/または燃焼のための時間を非常に短くすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、分解・燃焼室を格段に小型化することができる。 【0065】また、灯油等の燃料の燃焼による処理対象物の助燃を行わないため、廃ガスの量が極めて少ないので、廃ガス処理手段の処理容量を非常に小さくすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、廃ガス処理手段を格段に小型化することができる。 【0066】このように、分解・燃焼室及び廃ガス処理手段を何れも従来に比し格段に小型化することができるので、装置全体を極めてコンパクトに構成して移動可能なものとすることが可能である。 【0067】請求項3の化合物処理装置では、処理対象物は、気体であるか又は気化若しくは霧化されており、而もプラズマ化した高温の酸素含有ガスと混合するため、分解・燃焼室内において極めて短時間で実質上全てが熱分解および/または燃焼する。それゆえ、処理対象物を分解・燃焼室内に滞留させるべき時間、すなわち熱分解および/または燃焼のための時間を非常に短くすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、分解・燃焼室を格段に小型化することができる。 【0068】また、灯油等の燃料の燃焼による処理対象物の助燃を行わないため、廃ガスの量が極めて少ないので、廃ガス処理手段の処理容量を非常に小さくすることができる。従って、従来実用化されている灯油の燃焼による助燃によって熱分解や燃焼を行わせる処理装置に比し、廃ガス処理手段を格段に小型化することができる。 【0069】このように、分解・燃焼室及び廃ガス処理手段を何れも従来に比し格段に小型化することができるので、装置全体を極めてコンパクトに構成して移動可能なものとすることが可能である。」(段落【0061】ないし【0069】) (2)上記(1)及び図1ないし3の記載から分かること 2e)上記2a)及び2c)の段落【0053】及び【0054】の記載並びに図2及び3の記載から、分解・燃焼室20内において、プラズマ化した高温のプラズマ用ガスに有機ハロゲン化合物からなる処理対象物を混合して分解・燃焼すること、及び、その際の酸素の供給が、プラズマ用ガスを酸素含有ガスとすること、あるいは、分解・燃焼室20内に酸素を含有する酸素含有ガスを供給することにより行われることが分かる。 (3)刊行物2の技術 上記(1)及び(2)並びに図1ないし3の記載から、刊行物2には次の技術(以下、「刊行物2の技術」という。)が記載されている。 「分解・燃焼室20内において、プラズマ化した高温のプラズマ用ガスに有機ハロゲン化合物からなる処理対象物を混合して分解・燃焼するために酸素の供給が行われ、 酸素の供給が、プラズマ用ガスを酸素含有ガスとすること、あるいは、分解・燃焼室20内に酸素を含有する酸素含有ガスを供給することにより行われる技術。」 [3]本願発明と引用発明との対比・判断 引用発明における「高電圧かつ高周波数の電流が通過するコイル26」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「インダクター」に相当し、以下同様に、「イオンへと分解された」は「イオン化された」に、「動作ガス3」は「プラズマ形性ガス」に、「プラズマ」は「誘導プラズマ」に、「1つまたは複数の有機物質」は「少なくとも一種の有機化合物」に、「対象物」は「供給物」に、「熱的破壊」は「熱破壊」に、「下記のプロセスが連続して行われる」は「下記の連続工程が行われる」に、「プラズマトーチ6内」は「プラズマ中」に、「原子状態へと分解した」は「原子への分解が誘発された」に、「ガスを生成する」は「ガスが得られる」に、「プロセス」は「工程」に、「反応チャンバ7」は「反応囲壁」に、「破壊」は「熱破壊」に、「第1熱的破壊操作」は「第一運転」に、「受けた」は「経た」に、「エア」は「空気」に、「追加して攪拌する」は「混合する」に、「ガスの事後燃焼を引き起こす」は「ガスを熱破壊する」に、「第2熱的破壊操作」は「第二運転」に、「攪拌された」は「混合からの」に、「再結合する」は「再結合が達成される」に、「排出するプロセス」は「排出する」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明における「対象物と水との混合物5と動作ガス3とをプラズマトーチ6内へ導入して、原子状態へと分解したガスを生成するプロセス」と本願発明における「前記供給物が前記プラズマ中に導入され、酸素ガスの供給が前記少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/または前記プラズマもしくは前記プラズマの近傍にて達成され、それにより原子への分解が誘発されたガスが得られる工程」とは、「供給物がプラズマ中に導入され、それにより原子への分解が誘発されたガスが得られる工程」という限りにおいて一致する。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「インダクターによりイオン化された少なくとも一種のプラズマ形成ガスにより形成された少なくとも一種の誘導プラズマにより、少なくとも一種の有機化合物を含む少なくとも一種の供給物を熱破壊する方法であって、下記の連続工程が行われる方法: 供給物がプラズマ中に導入され、それにより原子への分解が誘発されたガスが得られる工程; 反応囲壁室中において、原子への分解が誘発されたガスを熱破壊する第一運転が行われる工程; 第一熱破壊運転を経たガスを空気および/または酸素と混合することにより、ガスを熱破壊する第二運転が行われる工程; 混合からのガスの少なくとも一部を冷却することにより、再結合が達成される工程; ガスを排出する。」 [相違点] 「供給物がプラズマ中に導入され、それにより原子への分解が誘発されたガスが得られる工程」に関して、本願発明においては、酸素ガスの供給が前記少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/または前記プラズマもしくは前記プラズマの近傍にて達成されるのに対して、引用発明においては、対象物と水との混合物5と動作ガス3とをプラズマトーチ6内へ導入する点(以下、「相違点」という。)。 以下、上記相違点について検討する。 [相違点について] 刊行物2の技術は、「分解・燃焼室20内において、プラズマ化した高温のプラズマ用ガスに有機ハロゲン化合物からなる処理対象物を混合して分解・燃焼するために酸素の供給が行われ、 酸素の供給が、プラズマ用ガスを酸素含有ガスとすること、あるいは、分解・燃焼室20内に酸素を含有する酸素含有ガスを供給することにより行われる技術。」であって、 刊行物2の技術における「分解・燃焼室20内」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「反応囲壁室中」に対応し、以下同様に、「プラズマ用ガス」は「プラズマ形成ガス」に、「有機ハロゲン化合物」は「有機化合物」に、「処理対象物」は「供給物」に、「分解・燃焼」は「熱破壊」に、「酸素」は「酸素ガス」に、それぞれ対応する。 そして、刊行物2の技術における「酸素の供給が、プラズマ用ガスを酸素含有ガスとすること、あるいは、分解・燃焼室20内に酸素を含有する酸素含有ガスを供給することにより行われる」ことは、プラズマ用ガスを酸素含有ガスとすること、あるいは、分解・燃焼室20内に存在するプラズマもしくはプラズマ近傍に酸素含有ガスを供給することに他ならないから、本願発明における「酸素ガスの供給が少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/または前記プラズマもしくは前記プラズマの近傍にて達成され」ることに対応する。 よって、刊行物2の技術は、本願発明の用語を用いて表現すると、 「反応囲壁室中において、プラズマ化した高温のプラズマ形成ガスに有機化合物からなる供給物を混合して熱破壊するために酸素ガスの供給が行われ、酸素ガスの供給が少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/または前記プラズマもしくは前記プラズマの近傍にて達成される技術。」と言い換えることができる。 そうすると、引用発明と刊行物2の技術とは、プラズマ化した高温のプラズマ形成ガスに有機化合物からなる供給物を混合して熱破壊するという点で共通の技術課題を有するから、引用発明に刊行物2の技術を適用して、引用発明における「対象物と水との混合物5と動作ガス3とをプラズマトーチ6内へ導入する」ことに代えて、「酸素ガスの供給が少なくとも一種のプラズマ形成ガス、および/またはプラズマもしくはプラズマの近傍にて達成される」ようにして、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 そして、本願発明は、引用発明及び刊行物2の技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 第4 むすび したがって、本願発明は、引用発明及び刊行物2の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-001849

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