特許拒絶査定不服審判
2015-019003
燃料電池を冷却する方法
- 審判番号
- 2015-019003
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-527513外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年10月21日
- 審決日
- 2017年02月07日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
- 【請求人代理人】田中 清
- 【請求人代理人】村山 みどり
- 分類
- P18 .572-WZ (H01M) / P18 .574-WZ (H01M) / P18 .536-WZ (H01M) / P18 .537-WZ (H01M) / P18 .55 -WZ (H01M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法36条4項1号特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第5項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-527513「燃料電池を冷却する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 3月 7日国際公開、WO2013/029719、平成26年11月13日国内公表、特表2014-529861〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件審判に係る出願(以下、「本願」と言う。)は、2012年7月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年8月30日、ドイツ国)を国際出願日とする出願であって、平成27年2月12日付けで通知された拒絶の理由に対して、平成27年5月16日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年6月12日付けで拒絶査定され(謄本の送達日は平成27年6月23日)、これに対し平成27年10月21日に本件拒絶査定不服審判が請求されたものであり、その後、当審において、平成28年10月13日付けで最後の拒絶理由が通知され、これに対し、平成28年12月27日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 平成28年12月27日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成28年12月27日付け手続補正についての補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
特許請求の範囲の請求項1の記載は、平成28年12月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」と言う。)により、次のように補正された。
(1)本件補正前
「【請求項1】
液状冷媒を用いて燃料電池(3)を冷却する方法であって、前記燃料電池に供給される反応物質と、前記燃料電池から排出される生成物とのうちの少なくとも一方が運転状態にて気体状であり、前記冷媒を冷媒輸送装置(11)を用いて前記燃料電池(3)を通して送る方法において、
前記冷媒輸送装置(11)の電力消費を設定された基準値と比較し、前記設定された基準値からの前記電力消費の偏差により前記液状冷媒中の気体を検出するものであり、
前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
気体の検出により冷却回路(10)および/または前記燃料電池(3)の緊急停止を行なうことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電力消費の評価を、前記冷媒輸送装置の回転数が前記冷媒輸送装置(11)の定格回転数の30%より上で行なうことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記冷媒輸送装置(11)を電気駆動することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基準値との前記冷媒輸送装置(11)の電力消費の比較を前記冷媒輸送装置(11)を駆動するための電気モータ(14)の制御装置(16)にて実行することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基準値を基準曲線として設定することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基準値を前記冷媒輸送装置(11)の回転数に依存して種々に設定することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記基準値を前記冷媒の圧力および/または温度に依存して種々に設定することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記燃料電池(3)を少なくとも部分的に電気駆動される乗物(2)における駆動電力を発生させるために使用することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。」
(2)本件補正後
「【請求項1】
液状冷媒を用いて燃料電池(3)を冷却する方法であって、前記燃料電池に供給される反応物質と、前記燃料電池から排出される生成物とのうちの少なくとも一方が運転状態にて気体状であり、前記冷媒を冷媒輸送装置(11)を用いて前記燃料電池(3)を通して送る方法において、
前記冷媒輸送装置(11)の電力消費を設定された基準値と比較し、前記設定された基準値からの前記電力消費の偏差により前記液状冷媒中の気体を検出するものであり、
前記燃料電池(3)のカソード室および/またはアノード室と前記燃料電池(3)における前記液状冷媒が貫流する室との間に漏れが生じている場合にのみ前記気体が前記液状冷媒中に現れることを前提として、前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
気体の検出により冷却回路(10)および/または前記燃料電池(3)の緊急停止を行なうことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電力消費の評価を、前記冷媒輸送装置の回転数が前記冷媒輸送装置(11)の定格回転数の30%より上で行なうことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記冷媒輸送装置(11)を電気駆動することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基準値との前記冷媒輸送装置(11)の電力消費の比較を前記冷媒輸送装置(11)を駆動するための電気モータ(14)の制御装置(16)にて実行することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記基準値を基準曲線として設定することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基準値を前記冷媒輸送装置(11)の回転数に依存して種々に設定することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記基準値を前記冷媒の圧力および/または温度に依存して種々に設定することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記燃料電池(3)を少なくとも部分的に電気駆動される乗物(2)における駆動電力を発生させるために使用することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。」
(下線部は、補正された記載を示す。また、本件補正後の請求項1に係る発明を、以下、「本願補正発明」という。)
2.新規事項の追加について
本願補正発明は、「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」との構成を含むものである。
当該構成によれば、「偏差」は、単に「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができる」のみならず、「液状冷媒中に侵入した気体」が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることまで認識することができるようなやり方で評価されるということになる。
国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、「翻訳文等」という。)には、「このような電力消費の偏差は、その場合には偏差の既知の特性曲線によって相応に評価することができる。特に重要であるのはこの場合には、液状冷媒中の気体の存在を認識することができるようなやり方での評価である。」(段落0018)との訳語があり、「偏差」が「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」ことは記載されているといえる。
しかし、液状冷媒中に存在する気体が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入したものである(その他から侵入したものではない)ことを認識することができるようなやり方で「偏差」が評価されるという事項は、翻訳文等には記載されておらず、また、翻訳文等の記載から自明な事項であるとは認められない。
したがって、本願補正発明の上記構成は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではなく、本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
3.補正の目的要件について
(1)特許請求の範囲の減縮について
特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」は、第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限られる。また、補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白であって、かつ、補正後の請求項が補正前の請求項を限定した関係になっていることが明確であることが要請され、補正前の請求項と補正後の請求項とは、一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならない。
本件補正の前後で、請求項数は共に9であり、請求項1は共に液体冷媒を用いて燃料電池を冷却する方法に関するものであり、独立請求項は共に請求項1のみであり、従属項の引用形式は共に同じであるから、本件補正前の請求項1が本件補正後の請求項1に対応するものとして検討する。
本件補正後の請求項1は、「前記燃料電池(3)のカソード室および/またはアノード室と前記燃料電池(3)における前記液状冷媒が貫流する室との間に漏れが生じている場合にのみ前記気体が前記液状冷媒中に現れる」という「前提」を特定したものであるが、本件補正前の請求項1には、前提の有無について記載されておらず、本件補正前の請求項1に記載のいずれの発明特定事項を限定しても当該前提となることはない。
したがって、本件補正前の請求項1を本件補正後の請求項1とする補正は、特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」には該当しない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
(2)明りょうでない記載の釈明について
平成28年10月13日付けの最後の拒絶理由で通知した事項は、「『偏差』の評価のやり方を具体的にどのようなものとすれば、カソード室・アノード室以外から侵入した気体と区別して『燃料電池のカソード室および/またはアノード室から』侵入した気体であることを認識することができるのか」というものであるが、本件補正により新たに追加された事項は、カソード室および/またはアノード室で漏れが生じている場合にのみ気体が冷媒中に現れるという評価のための希望的前提条件であって、上記区別のやり方を説明するものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当しない。
(3)請求項の削除、誤記の訂正について
本件補正が、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするもの、及び、同法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当しないことは、明らかである。
(4)まとめ
よって、本件補正は、特許法17条の2第5項に規定される目的のいずれにも該当しない補正事項を含むものであり、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
4.独立特許要件について
仮に、本件補正が特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると扱った場合について、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、検討しておく。
(1)実施可能要件、明確性要件について
(1-1)「前記燃料電池(3)のカソード室および/またはアノード室と前記燃料電池(3)における前記液状冷媒が貫流する室との間に漏れが生じている場合にのみ前記気体が前記液状冷媒中に現れることを前提」との記載について
液体冷媒中に気体が浸入する原因としては、カソード室・アノード室における漏れ以外に、カソード室・アノード室以外の箇所での異常も想定されるが、なぜ、カソード室・アノード室のみから気体が浸入することとなるのかについて、明細書、特許請求の範囲及び図面に何ら開示がなく、不明である。
(1-2)「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価されること」との記載について
「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」との構成によれば、「偏差」は、単に「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができる」のみならず、「液状冷媒中に侵入した気体」が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることまで認識することができるようなやり方で評価されるということになる。
しかし、「偏差」の評価のやり方を具体的にどのようなものとすれば、カソード室・アノード室以外から侵入した気体と区別して「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることを認識することができるのか、明細書、特許請求の範囲及び図面に何ら開示がなく、不明である。
(1-3)小活
したがって、発明の詳細な説明の記載は、本願補正発明を、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではなく、また、特許請求の範囲の記載は、明確ではない。よって、本願は、特許法第36条第4項第1号及び同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないので、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(2)まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成27年5月16日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(「第2.1.(1)」参照。以下、これを「本願発明」と言う。)。
2.当審で通知した最後の拒絶理由
平成28年10月13日付けで当審が通知した最後の拒絶理由は以下のとおりである。
「[理由1]平成27年5月16日付け手続補正書でした補正(以下、「本件補正」という。)は、下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない(同法第184条の12第2項参照)。
[理由2]この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号並びに第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。
記
・理由1について
本件補正により、請求項1に「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」という記載が追加された。
当該記載によれば、「偏差」は、単に「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができる」のみならず、「液状冷媒中に侵入した気体」が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることまで認識することができるようなやり方で評価されるということになる。
翻訳文等には、「このような電力消費の偏差は、その場合には偏差の既知の特性曲線によって相応に評価することができる。特に重要であるのはこの場合には、液状冷媒中の気体の存在を認識することができるようなやり方での評価である。」(段落0018)との訳語があり、「偏差」が「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」ことは記載されているといえる。
しかし、液状冷媒中に存在する気体が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入したものである(その他から侵入したものではない)ことを認識することができるようなやり方で「偏差」が評価されるという事項は、翻訳文等には記載されておらず、また、翻訳文等の記載から自明な事項であるとは認められない。
したがって、本件補正後の請求項1の上記記載事項は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではなく、本件補正は翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。
・理由2について
請求項1には、「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」との訳語がある。
当該記載によれば、「偏差」は、単に「液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができる」のみならず、「液状冷媒中に侵入した気体」が「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることまで認識することができるようなやり方で評価されるということになる。
しかし、「偏差」の評価のやり方を具体的にどのようなものとすれば、カソード室・アノード室以外から侵入した気体と区別して「燃料電池のカソード室および/またはアノード室から」侵入した気体であることを認識することができるのか、明細書及び図面に何ら開示がなく、不明である。 」
2.最後の拒絶理由に対する当審の判断
本願発明は、「前記偏差が、前記燃料電池のカソード室および/またはアノード室から前記液状冷媒中に侵入した気体の存在を認識することができるようなやり方で評価される」との構成が、平成27年5月16日付け手続補正により追加されたものであるが、この構成は、本願補正発明も同様に含んでいる。
したがって、この構成に関し本願補正発明に対して行った新規事項の追加、実施可能要件、明確性要件についての指摘と、同様の指摘がなされる。
すなわち、本願補正発明について上記「第2 2.」でした指摘と同様に、本願発明の上記構成は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではなく、平成27年5月16日付けの手続補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。
また、本願補正発明について上記「第2 4.(1-2)、(1-3)」でした指摘した同様に、本願の発明の詳細な説明の記載は、本願発明を、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではなく、また、特許請求の範囲の記載は、明確ではない。よって、本願は、特許法第36条第4項第1号及び同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
3.むすび
したがって、本願の平成27年5月16日付けの手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。
また、本願の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、本願の特許請求の範囲の記載は、同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
そうすると、本願は拒絶すべきであるとした原査定は維持すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2015-019003