特許拒絶査定不服審判
2015-016636
フラットな、リード無しの片面集積回路パッケージ
- 審判番号
- 2015-016636
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-190389外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年09月10日
- 審決日
- 2017年01月23日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マキシム・インテグレイテッド・プロダクツ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】鮫島 睦
- 【請求人代理人】吉田 環
- 分類
- P18 .537-WZ (H01L) / P18 .562-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-190389「フラットな、リード無しの片面集積回路パッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 3月 6日出願公開、特開2014- 42033〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成18年3月22日(パリ条約に基づく優先権主張 平成17年5月11日 米国(US))に出願した特願2006-78152号の一部を平成25年9月13日に新たな特許出願としたものであって、平成25年10月11日付けで手続補正がなされ、平成26年10月24日付け拒絶理由通知に対する応答時、平成27年1月14日付けで手続補正がなされたが、同年5月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月10日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされた。
その後、当審の平成28年6月28日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年10月4日付けで手続補正がなされ、さらに当審の同年10月13日付け最後の拒絶理由通知に対する応答時、同年12月1日付けで手続補正がなされたものである。
2.平成28年12月1日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年12月1日付けの手続補正を却下する。
[理 由]
(1)補正の内容
平成28年12月1日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、
「【請求項1】
集積回路パッケージと最終使用機器と機構とを含んで成る装置であって:
集積回路パッケージは、
絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトを含んで成るエンクロージャであって、絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトは、エンクロージャのコンタクト面を形成するように構成されているエンクロージャ、ならびに
エンクロージャ内に位置し、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトに電気的に接続されている集積回路ダイ
を含んで成り、
集積回路パッケージは、機構により、それ自体が直接、最終使用機器に固定されており、
最終使用機器は、プリンターまたはコンピューターであって、第1電気コンタクトに電気的に直接接続されている第3電気コンタクト、および第2電気コンタクトに電気的に直接接続されている第4電気コンタクトを含んで成り、ならびに
機構は、集積回路パッケージの第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトが、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトと無ハンダの電気機械接続をそれぞれ形成するように、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトに設けられたバネデバイスにより陽圧を集積回路パッケージに適用するものである、
装置。
【請求項2】
絶縁ハウジングは、エポキシプラスチックを含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
エンクロージャのコンタクト面は、実質的にフラットである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
集積回路ダイの少なくとも一部は、第1電気コンタクトの内面に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
集積回路ダイは、第1電気コンタクトの内面に全体が配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
集積回路パッケージは、電気コンタクトとして、第1および第2電気コンタクトのみを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
エンクロージャ内に位置する導電体を更に含んで成り、導電体は、集積回路ダイに取り付けられ、且つ第1電気コンタクトの内面に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
導電体は、ワイヤボンドを含んで成る、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
エンクロージャ内に位置する導電体を更に含んで成り、導電体は、集積回路ダイに取り付けられ、且つ第2電気コンタクトの内面に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
導電体は、ワイヤボンドを含んで成る、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1電気コンタクトは、少なくとも2ミリメートルの長さ、および少なくとも2ミリメートルの幅を含み、また、第2電気コンタクトは、少なくとも2ミリメートルの長さ、および少なくとも2ミリメートルの幅を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
集積回路ダイは、最終使用機器の較正に用いられるキャリブレーションデバイスを含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
第1および第3電気コンタクトは、グランド電位に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第2および第4電気コンタクトは、電力供給源に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
第2および第4電気コンタクトは、通信源に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。」
と補正するものである。
(2)補正の適否
本件補正後の請求項1によれば、
「集積回路パッケージは、機構により、それ自体が直接、最終使用機器に固定されており」という特定事項、及び「機構は、集積回路パッケージの第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトが、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトと無ハンダの電気機械接続をそれぞれ形成するように、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトに設けられたバネデバイスにより陽圧を集積回路パッケージに適用するものである」という特定事項を有する、つまり、
本件補正後の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「機構」は、集積回路パッケージそれ自体を直接、最終使用機器に固定するものである(以下、「前者」という。)ことに加えて、さらに、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトに設けられたバネデバイスであって陽圧を集積回路パッケージに適用するものである(以下、「後者」という。)というものである。
しかしながら、出願当初明細書等にあたる外国語書面の翻訳文(翻訳文提出書)には、「前者」の構成を有するものに関して、一つの態様(一の実施例)として段落【0014】~【0016】及び図2に、陽圧を集積回路パッケージの一方の面(第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトのコンタクト面が形成されていない方の面)に適用するとともに、集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定することもできる「クランプデバイス」が記載され、同様のものとして「バネデバイス」でもよい旨が記載されているのみであり、一方、「前者」の構成を有するものに関して、他の態様(他の実施例)として段落【0017】~【0018】及び図3に、集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するのではなく、集積回路パッケージを周辺デバイスに実装あるいは取り付けてなるものにおいて、陽圧を集積回路パッケージの他方の面(第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトのコンタクト面が形成されている方の面)に適用するとともに、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトに設けられた「バネ(バネデバイス)」が記載されているのみであって、「前者」とともに「後者」も有するものについては記載されておらず、また、外国語書面の翻訳文の記載からみて自明なことともいえない〔そもそも、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトに設けられた「バネ(バネデバイス)」によって、集積回路パッケージに対する陽圧を、他方の面(第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトのコンタクト面が形成されている方の面)側から適用するとともに、集積回路パッケージを実装あるいは取り付ける「周辺デバイス」を用いることなく、「回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定する」というのは技術的にみて不自然なことであり、技術常識を考慮しても、「前者」とともに「後者」も有するものについては、外国語書面の翻訳文の記載からは到底把握することはできない。〕。
よって、本件補正後の請求項1は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲を超えた内容を含むものであって、新たな技術的事項を導入するものであり、平成28年12月1日付け手続補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に違反するものであるから、同条第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
3.当審の拒絶の理由について
(1)本願の特許請求の範囲
平成28年12月1日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲は、平成28年10月4日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
集積回路パッケージと最終使用機器と機構とを含んで成る装置であって:
集積回路パッケージは、
絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトを含んで成るエンクロージャであって、絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトは、エンクロージャのコンタクト面を形成するように構成されているエンクロージャ、ならびに
エンクロージャ内に位置し、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトに電気的に接続されている集積回路ダイ
を含んで成り、
集積回路パッケージは、機構により、それ自体が直接、最終使用機器に固定されており、
最終使用機器は、プリンターまたはコンピューターであって、第1電気コンタクトに電気的に直接接続されている第3電気コンタクト、および第2電気コンタクトに電気的に直接接続されている第4電気コンタクトを含んで成り、
第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトは、それぞれ、バネが設けられたコンタクトであり、ならびに
機構は、集積回路パッケージの第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトが、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトと無ハンダの電気機械接続をそれぞれ形成するように、クランプまたはバネデバイスにより陽圧を集積回路パッケージに適用するものである、
装置。
【請求項2】
絶縁ハウジングは、エポキシプラスチックを含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
エンクロージャのコンタクト面は、実質的にフラットである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
集積回路ダイの少なくとも一部は、第1電気コンタクトの内面に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
集積回路ダイは、第1電気コンタクトの内面に全体が配置されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
集積回路パッケージは、電気コンタクトとして、第1および第2電気コンタクトのみを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
エンクロージャ内に位置する導電体を更に含んで成り、導電体は、集積回路ダイに取り付けられ、且つ第1電気コンタクトの内面に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
導電体は、ワイヤボンドを含んで成る、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
エンクロージャ内に位置する導電体を更に含んで成り、導電体は、集積回路ダイに取り付けられ、且つ第2電気コンタクトの内面に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
導電体は、ワイヤボンドを含んで成る、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1電気コンタクトは、少なくとも2ミリメートルの長さ、および少なくとも2ミリメートルの幅を含み、また、第2電気コンタクトは、少なくとも2ミリメートルの長さ、および少なくとも2ミリメートルの幅を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
集積回路ダイは、最終使用機器の較正に用いられるキャリブレーションデバイスを含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
第1および第3電気コンタクトは、グランド電位に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第2および第4電気コンタクトは、電力供給源に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
第2および第4電気コンタクトは、通信源に電気的に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
機構は、クランプを含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
機構は、バネデバイスを含んで成る、請求項1に記載の装置。」
(2)当審の平成28年10月13日付け拒絶の理由
当審において平成28年10月13日付けで通知した拒絶理由は、
「1)平成28年10月4日付けでした手続補正は、下記の点で外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
2)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」
というものであって、具体的には次のようなものである。
(2-1)特許法第17条の2第3項違反(上記拒絶理由のうちの「理由1」)
『平成28年10月4日付け手続補正により、請求項1は、
「【請求項1】
集積回路パッケージと最終使用機器と機構とを含んで成る装置であって:
集積回路パッケージは、
絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトを含んで成るエンクロージャであって、絶縁ハウジング、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトは、エンクロージャのコンタクト面を形成するように構成されているエンクロージャ、ならびに
エンクロージャ内に位置し、第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトに電気的に接続されている集積回路ダイ
を含んで成り、
集積回路パッケージは、機構により、それ自体が直接、最終使用機器に固定されており、
最終使用機器は、プリンターまたはコンピューターであって、第1電気コンタクトに電気的に直接接続されている第3電気コンタクト、および第2電気コンタクトに電気的に直接接続されている第4電気コンタクトを含んで成り、
第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトは、それぞれ、バネが設けられたコンタクトであり、ならびに
機構は、集積回路パッケージの第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトが、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトと無ハンダの電気機械接続をそれぞれ形成するように、クランプまたはバネデバイスにより陽圧を集積回路パッケージに適用するものである、
装置。」と補正された。
これによると、クランプまたはバネデバイスからなる機構により、陽圧を集積回路パッケージに適用して当該集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するという構成(以下、「前者」という。)に加えて、さらに、最終使用機器に設けられている第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトをそれぞれバネが設けられたコンタクトとするという構成(以下、「後者」という。)をも有する旨限定された。
(なお、補正前の請求項22における、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトにそれぞれ設けられた「バネ」は、引用する補正前の請求項1における、集積回路パッケージに陽圧を適用する機構としての「バネデバイス」に当たると解釈することもできたものが、上記補正の結果、第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトにそれぞれ設けられた「バネ」と、集積回路パッケージに陽圧を適用する機構としての「バネデバイス」とは別個のものであると解されるものとなった。)
しかしながら、出願当初明細書等にあたる外国語書面の翻訳文(翻訳文提出書)には、一つの態様(実施例)として段落【0014】~【0016】及び図2に、陽圧を集積回路パッケージに適用する機構が、集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定することもできる「クランプ」である、「前者」のものが記載されているのみであり、また、他の態様(実施例)として段落【0017】~【0018】及び図3に、集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するのではなく、集積回路パッケージを周辺デバイスに実装あるいは取り付けてなるものにおいて、陽圧を集積回路パッケージに適用する機構が、第3及び第4電気コンタクトに設けられた「バネ(バネデバイス)」である、「後者」のものが記載されているのみであって、「前者」に加えてさらに「後者」も有すること、つまり「前者」と「後者」とを併用することまでは記載されておらず、また、外国語書面の翻訳文の記載からみて自明なことともいえない〔外国語書面の翻訳文によれば、「後者」については、集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するとともに、当該集積回路パッケージを一方の面側から付勢(陽圧を適用)するクランプといった機構を有してないからこそ、第3及び第4電気コンタクトにバネ(バネデバイス)からなる機構を設け、集積回路パッケージを他方の面側から付勢(陽圧を適用)するようにしたものであると理解するのが自然である。つまり、クランプ等により集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するとともに、当該集積回路パッケージを一方の面側から付勢(陽圧を適用)している、すなわち「前者」を有しているのであれば、わざわざコンタクトにバネを設けて集積回路パッケージを他方の面側からも付勢する、すなわち「後者」も有するものとする必要性はなく、この逆も同様であり、結局のところ、外国語書面の翻訳文の記載からみても「前者」と「後者」とを併用することまでは想定されていないというべきである。〕。
よって、補正後の請求項1は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲を超えた内容を含むものであって、新たな技術的事項を導入するものであり、平成28年10月4日付け手続補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。』
(2-2)特許法第36条第6項第1号違反(上記拒絶理由のうちの「理由2」)
『請求項1において、
「・・集積回路パッケージは、機構により、それ自体が直接、最終使用機器に固定されており、
最終使用機器は、プリンターまたはコンピューターであって、第1電気コンタクトに電気的に直接接続されている第3電気コンタクト、および第2電気コンタクトに電気的に直接接続されている第4電気コンタクトを含んで成り、
第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトは、それぞれ、バネが設けられたコンタクトであり、ならびに
機構は、集積回路パッケージの第1電気コンタクトおよび第2電気コンタクトが、最終使用機器の第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトと無ハンダの電気機械接続をそれぞれ形成するように、クランプまたはバネデバイスにより陽圧を集積回路パッケージに適用するものである・・」とあるが、
上記「理由1について」でも指摘したように、クランプまたはバネデバイスからなる機構により、陽圧を集積回路パッケージに適用して当該集積回路パッケージ自体を直接、最終使用機器に固定するという構成(以下、「前者」という。)に加えて、さらに、最終使用機器に設けられている第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトをそれぞれバネが設けられたコンタクトとするという構成(以下、「後者」という。)をも有するようにすること、つまり「前者」と「後者」とを併用することについては発明の詳細な説明に記載されていないことである。
よって、請求項1に係る発明及び請求項1に従属する各請求項に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでない。』
(3)当審の判断
(3-1)特許法第17条の2第3項違反について
平成28年10月13日付け拒絶理由通知書において「理由1」として指摘したとおり(上記(2-1)を参照)であり、外国語書面の翻訳文には、クランプまたはバネデバイスからなる機構により、陽圧を集積回路パッケージに適用して当該集積回路パッケージそれ自体を直接、最終使用機器に固定するという構成(以下、「前者」という。)に加えて、さらに、最終使用機器に設けられている第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトをそれぞれバネが設けられたコンタクトとするという構成(以下、「後者」という。)をも有するようにすること、つまり「前者」と「後者」とを併用することについては記載されておらず、また、外国語書面の翻訳文の記載からみて自明なことともいえない。
したがって、平成28年10月4日付け手続補正による補正後の請求項1は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲を超えた内容を含むものであって、新たな技術的事項を導入するものであり、かかる手続補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(3-2)特許法第36条第6項第1号違反について
平成28年10月13日付け拒絶理由通知書において「理由2」として指摘したとおり(上記(2-2)を参照)であり、クランプまたはバネデバイスからなる機構により、陽圧を集積回路パッケージに適用して当該集積回路パッケージそれ自体を直接、最終使用機器に固定するという構成(以下、「前者」という。)に加えて、さらに、最終使用機器に設けられている第3電気コンタクトおよび第4電気コンタクトをそれぞれバネが設けられたコンタクトとするという構成(以下、「後者」という。)をも有するようにすること、つまり「前者」と「後者」とを併用することについては発明の詳細な説明に記載されていないことである。
したがって、請求項1に係る発明及び請求項1に従属する各請求項に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件出願は、平成28年10月4日付けでした手続補正は特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、また、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2015-016636