審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2015-016410

開創器照明システム

審判番号
2015-016410
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-224036外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年09月07日
審決日
2017年03月24日
公報発行日
2017年09月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-224036号「開創器照明システム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月10日出願公開、特開2013-  6094号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件出願は、平成19年(2007)年 1月18日(パリ条約による優先権主張 2006年 1月18日 米国、2007年 1月17日 米国)を国際出願日とする特願2008-551401号の出願(以下、「原出願」という。)の一部を平成24年10月 9日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成24年10月 9日  :翻訳文提出 平成25年 9月 5日付け:拒絶理由通知 平成26年 2月10日  :意見書、手続補正書の提出 同年 7月22日付け:拒絶理由通知(最後) 同年11月12日  :意見書、手続補正書の提出 平成27年 4月30日付け:平成26年11月12日付けの手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 同年 9月 7日  :審判請求書、手続補正書の提出 平成28年 5月27日付け:拒絶理由通知 同年 8月24日  :意見書、手続補正書の提出 同年11月 1日付け:拒絶理由通知(最後) 平成29年 2月 1日  :意見書、手続補正書の提出 第2 平成29年 2月 1日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成29年2月 1日提出の手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容の概要 平成29年 2月 1日提出の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成28年 8月24日付けで補正された特許請求の範囲をさらに補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1に関する以下の補正を含んでいる。なお、下線部は補正箇所を示す。 (1)<補正前の請求項1> 「【請求項1】 医用開創器照明システムであって: 開創器であって、術野に直面するように適応した上面と、組織を係合し、前記術野を露出するように適応した下面と、遠位端と、近位端と、前記術野を露出するために組織を係合するように適応した形状と、前記開創器の前記上面の上に形成された溝とを有する開創器; 前記上面の上の前記溝に滑走可能に配置される光ガイドであって、前記光ガイドが、前記開創器の形状に対応し、前記開創器に取り外し可能に固定され、前記光ガイドが、前記光ガイドを通過する光が前記術野を指向することを可能にする切子面部分を有しており、 インプットアダプターが、前記光ガイドに取り付けられており、前記切子面部分が、複数の切子面を含み、各切子面は、段差面と、ステップ面と、それらの間に形成された切子面角度とを有し、前記ステップ面が、前記光ガイドにおける前記光の全体的内部反射を支援し、前記段差面が、前記光を屈折させて、前記複数の切子面における各切子面から発する 光の方向を変化させる、光ガイド;および、 前記インプットアダプターに照明エネルギーを供給する光源 を含む、医用開創器照明システム。」 (2)<補正後の請求項1> 「【請求項1】 医用開創器照明システムであって: 開創器であって、術野に直面するように適応した上面と、組織を係合し、前記術野を露出するように適応した下面と、遠位端と、近位端と、前記術野を露出するために組織を係合するように適応した形状と、前記開創器の前記上面の上に形成された溝とを有する開創器; 前記上面の上の前記溝に滑走可能に配置される光ガイドであって、前記光ガイドが、前記開創器の形状に対応し、前記開創器に取り外し可能に固定され、前記光ガイドが、前記光ガイドを通過する光が前記術野を指向することを可能にする、前記光ガイドの前面および/または後面に配置された切子面部分を有しており、インプットアダプターが、前記光ガイドに取り付けられており、前記切子面部分が、複数の切子面を含み、各切子面は、段差面と、ステップ面と、それらの間に形成された切子面角度とを有し、前記ステップ面が、前記光ガイドにおける前記光の全体的内部反射を支援し、前記段差面が、前記光を屈折させて、前記複数の切子面における各切子面から発する光の方向を変化させる、光ガイド;および、 前記インプットアダプターに照明エネルギーを供給する光源 を含み、 前記光ガイドは、光ファイバーを含まない、医用開創器照明システム。」 2 補正の適否 本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1の「切子面部分」について「光ガイドの前面および/または後面に配置された」と限定的に限縮するとともに、「光ガイド」について「光ファイバーを含まない」と限定的に減縮するものである。 そこで、補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項にて規定される独立特許要件に適合するか否かについて検討する。 (1)補正発明 補正発明は、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、上記1(2)に示す特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの「医用開創器照明システム」であると認める。 (2)刊行物 これに対して、当審の平成28年11月 1日付け拒絶の理由に引用された、本件の原出願の優先日前に頒布された刊行物である以下の文献には、以下の発明ないし技術事項が記載されていると認められる。 刊行物1:米国特許公開第2005/0165283号明細書 刊行物2:特開2003-162904号公報 刊行物3:特表2002-524182号公報 ア 刊行物1に記載された事項 刊行物1には、「Lit retractor(照明開創器)」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、括弧内は当審による仮訳であり、 下線は理解の便のため、当審で付したものである。 (ア) 「FIELD OF THE INVENTION The present invention relates generally to the field of medicine, and, more particularly, to illuminated surgical retractors. 」 (発明の属する技術分野 本発明は、一般に医学の分野に関し、より詳細には、照明付き外科手術開創器に関するものである 。)([0002]) (イ) 「FIG. 1 shows a side (or profile) view of an exemplary apparatus 200 according to the present invention. Apparatus 200 is of suitable size and weight for manipulation by hand and includes a surgical retractor 210 that is suitable for sterilization in an autoclave. In the exemplary embodiment, surgical retractor 210 is made from stainless steel. In alternative embodiments, surgical retractor 210 may be made from high temperature plastic or any other material or combination of materials suitable for use in surgical procedures. Surgical retractor 210 includes a body portion 220. Portion 220 includes a generally planar portion 230 defining an aperture or hole 240, an aperture or hole 250, and an aperture or hole 260 (see FIG. 2, FIG. 3, and FIG. 5), and further includes a generally arcuate or curved portion 270 extending from portion 230. Surgical retractor 210 further includes a generally arcuate or curved insertion portion 280 extending from portion 270. Portion 280 includes a generally arcuate or curved end portion 290. Portion 220 includes a lackluster bottom surface 300 and portion 280 includes a lustrous bottom surface 310 (see also FIG. 4. and FIG. 5). Also, portion 220 includes a lackluster top surface 330, while portion 280 includes a lustrous top surface 340. Portion 280 also includes a lustrous side surface 350 extending between surface 310 and surface 340, and further includes an opposing lustrous side surface (not shown). Meanwhile, portion 220 also includes a lackluster side surface 360 extending between surface 300 and surface 330, and further includes an opposing lackluster side surface (not shown). In the exemplary embodiment, the lustrous surfaces (e.g., 340, 350, 310) are produced by suitably color buffing portion 280 in a known manner and the lackluster surfaces (e.g., 330, 360, 300) are produced by suitably mass finishing portion 220 in a known manner. Additionally, portion 280 defines a generally ovular aperture or hole 364 extending between surface 310 and surface 340 (see FIG. 3 and FIG. 5). Surface 300, surface 310, and surface 360 define a groove or channel 370 extending between surface 360 and hole 364 (see FIG. 5), while surface 340 defines a groove or channel 374 that also communicates with hole 364 (see FIG. 2). 」 (図1は、本発明による例示的な装置200の側面(またはプロファイル)を示している。装置200は手で操作するのに適したサイズおよび重量であって、オートクレーブ内で滅菌可能な外科手術開創器210を備えている。例示的な実施形態では、外科手術開創器210は、ステンレス鋼から形成されている。代替実施形態では、外科手術開創器210は、高温プラスチックまたは外科的処置に使用するのに適したその他の材料若しくは材料の組合せから製造することができる。外科手術開創器210は、本体部220を備えている。本体部220は、開口または孔240、開口または孔250、開口または孔260を画定するほぼ平坦な部分230を備えており(図2、図3、図5参照)、さらに平坦な部分230から延在する全体的に弓状または湾曲部270を備えている。外科手術開創器210はさらに、湾曲部270から延在する、概して曲線または弓形挿入部280を備えている。弓形挿入部280は、概して曲線または弓形の端部分290を含む。本体部220はツヤのない底面300を備え、弓形挿入部280は光沢ある底面310(図4、図5も参照)を備えている。本体部220はツヤのない上面330を含み、一方、弓形挿入部280は、光沢のある上面340を含む。弓形挿入部280はまた、底面310と上面340との間に延在する光沢側表面350とを含み、また対向する光沢のある側面(図示せず)を含む。本体部220は、底面300と上面330との間に延在するツヤのない側面360を有しており、さらに対向するツヤのない側面(図示せず)を含む。例示的実施形態において、弓形挿入部280の光沢ある表面(例えば、340、350、310)は、公知の方法でカラーバフ加工により生成され、本体部220のツヤのない表面(例えば、330、360、300)は、公知の方法でバレル加工により生成される。弓形挿入部280は、底面310と上面340の間に延びる略卵形の開口又は穴364が形成されている(図3及び図5参照)。底面300、底面310、側面360は側面360と孔364との間に延在する溝またはチャネル370を形成する(図5参照)。上面340は孔364と連通する溝またはチャネル374を形成している(図2参照)。)([0049]) (ウ) 「Apparatus 200 also includes a light conduit 380 having a side-view geometry or profile substantially conforming to that of surgical retractor 210. Conduit 380 includes an end 390, an end 400, and an optional casing or sheath 410. Sheath 410 extends through channel 370 and hole 364 such that end 390 protrudes from an intermediate portion of channel 374 (see also FIG. 2, FIG. 4, and FIG. 5). Further, sheath 410 includes a lustrous outer surface 416 extending from end 390 and a lackluster outer surface 418 extending from surface 416 to end 400 (see FIG. 3, FIG. 4, and FIG. 5). 」 (装置200はまた、側面視で外科手術開創器210とほぼ一致した幾何学的形状又はプロファイルを有する光導管380を含む。光導管380は、端部390と端部400、およびオプションでケーシング又はシース410を含む。シース410はチャネル370および孔364を通って端部390まで延び、チャネル374の中間部(図2、図4、及び図5も参照)から突出している。さらに、シース410は、端部390から延びる光沢のある外表面416と、外表面416から端部400に延びるとツヤのない外表面418を含む(図3、図4、図5参照)。)([0050]) (エ) 「In general, conduit 380 is suitable for use in surgical procedures and configured to transmit externally generated light from end 400 to end 390. Accordingly, conduit 380 includes one or more fiber optic cables and/or any other suitable light transmitting materials. The light transmitting materials may be in the form of a single cable or filament such as a glass or plastic rod. The filament may be molded or otherwise formed into a desired cross-sectional and longitudinal shape. The single filament may alone form the conduit 380 or the single filament may be housed in optional sheath 410 to protect the filament, provide additional rigidity or flexibility, and/or improve the light transmission and/or dispersion of the conduit 380. Alternatively, the light transmitting materials may be in the form of a plurality of filaments such as a plurality of glass or plastic filaments. The plurality of filaments may be loosely gathered and constrained in a desired shape by placing them within optional sheath 410. The filaments may also be formed into a self-supporting structure such as by adhering them to one another with an adhesive and/or by fusing them with heat and/or pressure. The multifilament structure may then be optionally housed in sheath 410. The conduit 380 includes a coupling member 420 fixedly housing a portion of sheath 410 proximal to end 400. Member 420 is configured in a known manner for finger-releasably coupling conduit 380 to an external light source. 」 (一般に光導管380は、外科手術手順において使用するのに適した、外部で発生された光を端部400から端部390に伝達するよう構成されている。従って、光導管380は、1つまたは複数の光ファイバケーブルおよび/または任意の他の適切な光透過性材料を含む。透光材料はガラス棒若しくはプラスチック棒のような単一のケーブル又はフィラメントの形態であってもよい。フィラメントは、鋳造またはその他の所望の断面及び長手状に形成してもよい。単一のフィラメントは、単独で光導管380を形成してもよく、単一のフィラメントは、任意のシース410に収容されているフィラメントを保護するため、追加の剛性または可撓性を提供するため、および/または光導管380の光透過および/または分散を改善することができる。あるいは、光透過材料は、複数のガラスまたはプラスチック繊維のような複数のフィラメントの形態であってもよい。複数のフィラメントは、任意のシース410内にコントローラセルを置くことにより所望の形状に集められて緩く規制されてもよい。フィラメントは、接着剤及び/又は熱及び/又は圧力を溶融させて相互に接着などによって自己支持構造に形成してもよい。マルチフィラメント構造体は、シース410内に収容されてもよい。光導管380は、端部400の近位側のシース410の一部を収容する固定連結部材420とを備えている。固定連結部材420は、光導管380と外部光源とを指により解放可能に連結する周知の構成である。 )([0051]) (オ) 「Apparatus 200 further includes a bracket 430 that finger-releasably couples conduit 380 to surgical retractor 210. Bracket 430 includes a sleeve portion 440 fixedly housing a portion of sheath 410 of conduit 380 proximal to end 400 and distal to end 390 (see also FIG. 2 and FIG. 3). Bracket 430 further includes a generally planar flange portion 450 extending laterally underneath portion 230 of surgical retractor 210 proximal to surface 300 (see FIG. 3, FIG. 4, and FIG. 5). Bracket 430 also includes a button or peg 460, having a plurality of slits 470 therein, extending upward from flange portion 450 and snugly fitted into hole 260 of surgical retractor 210 such that peg 460 (and thus bracket 430 and conduit 380) is finger-releasably coupled to surgical retractor 210 (see FIG. 2 and FIG. 3). It should be appreciated, however, that various components in alternative embodiments may include a screw/socket arrangement, a lever operated latch, or any other suitable alternative coupling or couplings for releasably coupling conduit 380 to surgical retractor 210, including (in some embodiments) a coupling that releasably couples conduit 380 to surgical retractor 210 but does not finger-releasably couple conduit 380 to surgical retractor 210. 」 (装置200は、光導管380を外科手術開創器210に指解放可能に結合するブラケット430を備えている。ブラケット430は、近位端400及び遠位端390を有する光導管380のシース410の一部を固定するスリーブ部440を備えている(図2及び図3も参照されたい)。ブラケット430はさらに、手術用開創器210の部分230の底面300の近位にある横方向に(図3、図4、図5参照)に延びるほぼ平らなフランジ部分450を含む。また、ブラケット430は、フランジ部450から上方に延在し、その中に複数のスリット470を有するボタンまたはペグ460を備え、ペグ460(したがってブラケット430及び光導管380)が外科用開創器210の孔260に嵌合結合して指解放可能である(図2及び図3参照)。しかしながら、代替実施形態における様々な構成要素では、ねじ/ソケット配置、レバー操作式ラッチ、または光導管380と外科用開創器210を解放可能に連結する任意の他の適切な代替的な連結を含み、(ある実施態様における)連結は、光導管380と外科用開創器210を解放可能に連結するが、指解放可能ではない。)([0053]) (カ)「In operation of exemplary apparatus 200, member 420 of light conduit 380 is coupled to a suitable external light source and insertion portion 280 of surgical retractor 210 is inserted into a surgical cavity. Body portion 220 is used to grasp and manipulate surgical retractor 210 as desired. It should be appreciated that the low profile and light weight of exemplary apparatus 200 facilitates its manipulation. In any event, light from the external source is emitted from end 390 of light conduit 380. Channel 374 focuses some of this light into somewhat of a spotlight like beam. Insertion portion 280 is suitably maneuvered to direct the focused light into a desired portion of the surgical cavity. Meanwhile, one or more of the lustrous surfaces (e.g., 340, 350, 310) also reflect a portion of the light present in the surgical cavity, thereby dispersing some of the light to generally illuminate another portion or portions of the surgical cavity at a somewhat lower intensity than the area illuminated by the focused light. Consequently, general or somewhat diffuse lighting of the surgical cavity is provided concurrently with more focused lighting of relatively higher intensity. 」 (例示的な装置200の動作では、光導管380の部材420は、適切な外部光源に連結され、外科手術開創器210の弓形挿入部280は、外科的腔に挿入される。本体部220は、必要に応じて外科手術開創器210を把持し、操作するために使用される。例示的な装置200の薄型および軽量であることによって、その操作を容易にすることを理解されたい。いずれにしても、外部からの光は、光導管380の端部390から放射される。チャネル374は、この光の一部を集光スポット状ビームの多少に変換する。弓形挿入部280は、外科的腔の所望の部分に集束光を向けるように適切に操作される。一方、光沢のある表面(例えば、340、350、310)の1つまたは複数は、外科的腔内に存在する光の一部を反射することにより、光の一部を分散させて、通常の集光された光によって照射される領域よりも若干低い強度で外科的腔の別の部分を照明する。これにより、外科的腔に通常の照明又はやや拡散された照明が、比較的高い強度の集光された照明と同時に提供される。 )([0058]) (キ) 「FIGS. 6-18 show alternative configurations for the tip of the light conduit in which the light conduit terminates at an end that lies flush with, or is recessed below, the top surface 340 of the insertion portion 280 of the retractor 210. The end may be generally planar or it may be a simple or complex curve. ・・・・・」 (図6-18には、光導管の先端部の代替的な構成を示し、光導管の端部は外科手術開創器210の弓形挿入部280の上面340と同じ高さあるいは下方に窪んで終わっている。端部は、一般的に平面であるか、または単純なまたは複雑な曲線であってもよい。・・・・・・ )([0061]) (ク) 「In typical use, the insertion portion 280 of the retractor 210 is inserted into a surgical cavity with the bottom surface 310 abutting the margins of the surgical cavity to retract the margins and enlarge the cavity opening. The top surface 340 faces away from the margins of the cavity. The light conduit emits light through the hole 364 in the top surface 340 to illuminate the surgical cavity. 」 (典型的な使用では、外科手術開創器210の弓形挿入部280の底面310は外科的腔の縁に当接して開口を拡大させる。上面340は、外科的腔の縁から離れる方向に面する。光導管は、上面340の穴364を経て発光して外科的腔を照らす。)([0062]) (ケ) 「The exemplary conduit 700 of FIGS. 9 and 10 includes a single light transmitting filament 704 for transmitting light to an elongate end portion 712 having a longitudinal axis 716. The filament 704 is terminated by forming a series of stair steps 706 each having an end face 708 normal to the longitudinal axis 716. The end 702 may more or less closely approximate the shape of the top surface 340 of the retractor 210 depending on how finely or coarsely the stair steps 706 are formed. The steps may be equal to approximate a planar angled surface or they may be unequal to approximate a curved surface. The normal end faces 708 provide for maximum light transmission out of the conduit along the axis 716 while the stair step arrangement provides an illumination pattern similar to that of the example of FIGS. 7 and 8. The exemplary embodiment of FIGS. 9 and 10 omits the optional sheath shown in the prior examples. 」 (図9及び図10の例示的な管路700は、長手方向軸線716を有する細長い端部712に光を伝達する単一の光透過性フィラメント704とを備えている。フィラメント704は、長手方向軸線716に垂直な端面708を有する階段状段部706を末端に形成する。端部702は、外科手術開創器210の上面340に近似させる程度に依存して階段状段部706は微細または粗雑に形成される。ステップは、平面の傾斜表面を近似するために等しくしてもよいし、曲面を近似するために等しくなくてもよい。階段配列にすることによって、図7及び図8の例と同様の照明パターンを提供する一方で、垂直の端面708は、軸716に沿って管路のうち最大透過光を提供する。図9及び図10の例示的な実施形態は、従来例に示した任意のシースを省略している。)([0065]) (コ)上記摘記事項(カ)に「光沢のある表面(例えば、340、350、310)の1つまたは複数は、外科的腔内に存在する光の一部を反射することにより、光の一部を分散させて、通常の集光された光によって照射される領域よりも若干低い強度で外科的腔の別の部分を照明する。」とあるから、外科手術開創器210の上面340は外科的腔を照らす機能を有していると言うことができる。 (サ)上記摘記事項(ク)に「上面340は、外科的腔の縁から離れる方向に面する。」とあるから、上面340は外科的腔に直面していると言える。 (シ)上記摘記事項(ケ)及び図9並びに図10によれば、垂直な端面708と階段状段部706とはそれらの間に形成された角度を有していると言うことができる。 (ス)上記摘記事項(ケ)に「端部702は、外科手術開創器210の上面340に近似させる程度に依存して階段状段部706は微細または粗雑に形成される。ステップは、平面の傾斜表面を近似するために等しくしてもよいし、曲面を近似するために等しくなくてもよい。」とあるから、階段状段部706は、開創器210の上面340側に設けられていると認められる。 (セ)外科手術開創器が遠位端と近位端とを有していることは明らかである。 イ 刊行物1に記載の発明 そこで、上記摘記事項(ア)ないし(ケ)及び上記認定事項(コ)ないし(セ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて補正発明に照らして整理すると刊行物1には以下の発明が記載されていると認める。(以下、「刊行物1発明」という。) <刊行物1発明> 「照明付き外科手術開創器であって: 外科手術開創器210であって、外科的腔に直面して外科的腔を照らす光沢のある上面340と、外科的腔の縁に当接して開口を拡大させる底面310と、遠位端と、近位端と、弓形挿入部280及び弓形の端部分290を含む外科手術開創器210; 光導管380が、側面視で外科手術開創器210とほぼ一致した幾何学的形状又はプロファイルを有し、外科手術開創器210に指解放可能に固定され、光導管380が、光導管380を透過する光が外科的腔に収束光を向けることを可能にする、上面340側に配置された階段状段部706と垂直の端面708を有する階段配列を有しており、光導管380の固定連結部材420が光導管380に設けられており、階段配列が複数の階段状段部706と垂直の端面708を含み、階段状段部706と垂直の端面708とそれらの間に形成された角度とを有し、垂直の端面708が軸716に沿って管路のうち最大透過光を提供する、光導管380; および、光導管380の固定連結部材420に照明エネルギーを供給する外部光源を含む、照明付き外科手術開創器」 ウ 刊行物2に記載された事項 (ア) 「【0001】本発明は、広義には光搬送システムに関し、より具体的には、手術器具および従来の手工具を含む機能的器具の一部分を含み得る、光搬送システム/照明装置の適用に関する。 【0002】光搬送システムは一般に公知であるが、先行技術のシステムは、限定はしないが開創器などの手術器具および従来の手工具(たとえば機械工の工具)を含む機能的器具とともに用いるようには容易に適合されない。ここで、現在の光搬送システムでは、多種多様な所望の照明条件に対して最適の照明が与えられていない。さらに、現在の光搬送システムは、器具の構造的要素を形成するのには適していない。また、現在の光搬送システムは交換のコストが高いので、光搬送システムを使い捨てにする必要がある状況(たとえば滅菌が要求される状況など)にはあまり適していない。」 (イ) 「【0022】ここで、光を所望の方向およびパターンに方向づけ、種々の光強度レベルをもたらすための手段について図1および図2を参照して述べる。これらの図には、光放射部10の部分Bが示される。変形、乱れ、被覆、パターンまたはレンズを含む光抽出構造が、放射部10の1つ以上の側部または端縁上の1つ以上の選択された光表面領域20に設けられ得る。ここで用いる「光抽出構造」という用語は、光が放射される部分を生じさせる、表面の形状またはジオメトリにおける何らかの変化および/または被覆もしくは表面処理を意味するものである。図3(A)は、そのような光表面領域20の1つであって、光を抽出する変形または乱れ22のパターンが設けられる領域の概略図である。図3(A)に示す光を抽出する変形または乱れのパターン22は、光線の一部分の内部反射角が、その光線が光抽出変形または乱れ22が設けられている側部を通って放射部10から放出されるかまたは放射部10を通って再び反射され、またその他方側から放出されるのに十分なほど大きくなるように、光線を分割する可変のパターンを含む。」 (ウ) 「【0026】図3(A)に示す光抽出変形22のパターンに加えてまたはその代わりに、他の光抽出構造を設けるのも適しているとわかるはずである。上述したように、他の光抽出構造は成形パターンにより複雑な形状を用いたさまざまな形状のレンズ、角柱面、窪みまたは突起面を含み、これらは光放射部の1つ以上の表面領域(たとえば側部および端縁)内にもしくはその上に成形、エッチング、スタンピング、熱成形またはホットスタンピングなどを行なうことにより形成され得る。拡散光(光線を拡げることによる)および指向光(光線を集束することによる)をもたらすために、レンズ(たとえばピローレンズ(pillow lenses))が用いられ得る。図3(B)および(C)には、放射表面領域に角柱面28または窪み30が形成される領域26が示され、図3(D)には、放射表面領域の外部に形成された角柱または他の反射もしくは屈折面32が示される。角柱面、窪みまたは突起面により、これに接触して光放射部から放射される光線の部分が生じることになる。また、角柱、窪みもしくはその他の面の角度を変えてさまざまな方向に光を向け、所望の光出力分散もしくは効果を生じさせるか、または光のスポット像もしくはパターンを特定の区域もしくは領域に投影することもできる。また、反射面または屈折面は、特定の角度を持たない形状またはパターンを有し、モアレまたは他の悪影響を減じることができる。さらに、放射部から放射される光線は、通常、無影または同質の光であり得る。ここで、放射部は複数の側部から3Dの物体を同時に照らすことができる。」 (エ) 「【0051】ここで図11を参照して、身体構造T(身体組織、骨または臓器などを含み得る)を開創するための開創装置106A、106Bおよび106Cが示される。開創装置106Aは、開創部材770Aおよび光搬送システム702Aで構成される。開創部材770Aは水平部分772と、垂直部分774と、支持部材776とを含む。支持部材776は、水平部材772と剛性の取付具(図示せず)との間に配置される。光搬送システム702Aは垂直部分774の前面に装着され、光分配部760Aおよび光放射部710Aを含む。光分配部760Aは開創部材770Aの一般的な形状に従うように曲がり、光源(図示せず)から光を受ける。好適な接着剤を用いて光搬送システム702Aを垂直部分774に取付けることができる。光放射部710Aは作業領域内に拡散光または直接光を与える。」 エ 刊行物2事項 上記摘記事項(ア)ないし(エ)からみて、刊行物2には、以下の技術的事項(以下、「刊行物2事項」という。)が記載されていると認める。 <刊行物2事項> 「開創装置における光放射部において、放射表面領域の外部に反射もしくは屈折面32を設け、角柱、窪みもしくはその他の面の角度を変えてさまざまな方向に光を向けること」 オ 刊行物3に記載された事項 (ア) 「【0012】(発明の概要) 本発明は、自己保持方式であって、及び/又は、血管摘出または類似の手術用に照明された作業空間を提供する血管開創器に向けられる。本発明の一態様において、皮下組織を引っ込めるための装置が提供される。本装置は、近位端部および遠位端部を備え、かつその中の細長い通路を定める弓形横断面を有する細長い部材を有する。また、本装置は、光源に接続可能な近位部分および近位部分から細長い通路内へ光を方向づけるための細長い通路内遠位部分を備えた実質的に透明な照明部材すなわちライトパイプ(光導波管)を有する。」 (イ) 「【0031】遠位部分56は、上側表面60および下側表面62を定める全体的に平らな構成であり、遠位先端64で終了する。上側表面60は、以下に更に詳細に述べるように、下側表面62を経て遠位部分56に沿って通過する光を偏向させるために上側表面60内に延びる複数の横方向溝66を備えることが好ましい。横方向溝66は長さ方向軸線24に実質的に垂直に延び、細長い通路18内において長さ方向軸線24に対して実質的に垂直に、かつ実質的に均一にこれに沿って光を拡散させるように遠位先端64方向に遠位部分56の上側表面60内に次第に深く侵入することが更に好ましい。横方向溝66の底部は、長さ方向の作業用窓20に向かって長さ方向軸線24に実質的に垂直に光をさらに偏向させるように事前決定角度において、例えば長さ方向軸線24に対して傾斜するように傾斜する。」 (ウ)「【0033】また、遠位部分56は、ライトパイプ50の遠位部分56を細長い部材12に実質的に固定するために細長い部材12の内部表面23上に形成されるスロット70と協調的に結合させるために遠位先端64に近接して配置された1対の傾斜したタブ68を含む。ライトパイプ50を細長い部材12に取り付けるために、中間部分54が空洞40内ガイドレール42と実質的に交差するまで、ライトパイプ50の近位部分52はハンドル30の小孔38を通って方向付けされる。同時に、傾斜タブ68がスロット70と実質的に交差するまで、細長い部材12の内部表面23に沿って遠位部分56が方向付けられる。」 カ 刊行物3事項 上記摘記事項(ア)ないし(ウ)からみて、刊行物3には、以下の技術的事項(以下、「刊行物3事項」という。)が記載されていると認める。 <刊行物3事項> 「照明された作業空間を提供する開創器において、ライトパイプ(光導波管)50の遠位先端64に近接して設けられた傾斜タブ68がスロット70と交差するまで細長い部材12の縁の部分22により構成される溝に沿って滑走させ、ライトパイプの下側表面62から光を放散させること」 (3)対比 補正発明と刊行物1発明とを対比すると以下のとおりである。 刊行物1発明の「照明付き外科手術開創器」は、その機能・構造からみて、補正発明の「医用開創器照明システム」に相当することは明らかである。 以下、同様に、「外科手術開創器210」は「開創器」に、「外科的腔」は「術野」に、「光導管380」は「光ガイド」に、「側面視で外科手術開創器210とほぼ一致した幾何学的形状又はプロファイル」は「開創器の形状に対応」に、「外科手術開創器210に指開放可能に固定され」は「開創器に取り外し可能に固定され」に、「階段配列」は「切子面部分」に、「階段状段部706および垂直の端面708」は「切子面」に、「階段状段部706」は「ステップ面」に、「垂直の端面708」は「段差面」に、「階段状段部706と垂直の端面708とそれらの間に形成された角度」は「切子面角度」に、「外部光源」は「光源」に、それぞれ相当する。 また、刊行物1発明の「外科的腔に直面して外科的腔を照らす光沢のある上面340」は、光沢のある面とすることで外科的腔の別の部分を照明可能としているから、上面として適応した面にされていると言え、補正発明の「術野に直面するように適応した上面」に相当する。 刊行物1発明の「外科的腔の縁に当接して外科的腔の開口を拡大させる底面310」は、「外科的腔の縁」は「組織」と言うことができ、外科的腔の開口を拡大させることは「術野を露出する」と言えるから、「組織を係合し、前記術野を露出するように適応した下面」に相当する。 刊行物1発明の「弓形挿入部280及び弓形の端部分290」は、弓形挿入部は外科的腔に挿入され、弓形形状により外科的腔の組織を係合していることも技術常識を踏まえると明らかであるから「前記術野を露出するために組織を係合するように適応した形状」に相当する。 刊行物1発明の「導管380の部材420」と補正発明の「インプットアダプター」は、外部光源から照明エネルギーを供給される部材という限りにおいて共通する。 したがって、両者は、 「医用開創器照明システムであって: 開創器であって、術野に直面するように適応した上面と、組織を係合し、前記術野を露出するように適応した下面と、遠位端と、近位端と、前記術野を露出するために組織を係合するように適応した形状と、を有する開創器; 光ガイドであって、前記光ガイドが、前記開創器の形状に対応し、前記開創器に取り外し可能に固定され、前記光ガイドが、前記光ガイドを通過する光が前記術野を指向することを可能にする切子面部分を有しており、前記切子面部分が、複数の切子面を含み、各切子面は、段差面と、ステップ面と、それらの間に形成された切子面角度とを有し、;および、 インプットアダプターに照明エネルギーを供給する光源 を含み、 医用開創器照明システム」である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点1) 補正発明の「ステップ面」が、前記光ガイドにおける前記光の全体的内部反射を支援し、「段差面」が、光を屈折させて、複数の切子面における各切子面から発する光の方向を変化させるのに対し、刊行物1発明の「通常の端面708」は軸716に沿って管路のうち最大透過光を提供するものの、光の方向を変化させるものか不明であり、また、「階段状段部706」が光の全体的内部反射を支援しているかも不明な点。 (相違点2) 補正発明の「インプットアダプター」は、光ガイドに取り付けられているのに対し、刊行物1発明の固定連結部材420は光導管380の一部を形成する点。 (相違点3) 補正発明の、「開創器」は開創器の前記上面の上に形成された溝とを有し、「光ガイド」が前記上面の上の前記溝に滑走可能に配置されるのに対し、刊行物1発明の「開創器210」及び「光導管380」は溝を滑走するのか明らかでない点。 (相違点4) 補正発明の「切子面部分」は光ガイドの前面および/または後面に配置されているのに対し、刊行物1発明の階段配列は光導管の前面あるいは後面に設けられているのか不明である点。 (相違点5) 補正発明の光ガイドは、光ファイバーを含まないのに対し、刊行物1発明の光導管は光ファイバーをも含み得る点。 (4)相違点の検討 ア 相違点1について 刊行物2事項は、「開創装置における光放射部において、放射表面領域の外部に反射もしくは屈折面32を設け、角柱、窪みもしくはその他の面の角度を変えてさまざまな方向に光を向けること」であるところ、引用発明と引用文献2記載事項とは、開創装置において作業空間に照明を提供するという共通の技術分野に属しており、刊行物1発明に刊行物2記載事項を適用して、「垂直の端面」を屈折面とし、「階段状段部」を反射面として構成することは当業者が容易になし得たものである。 イ 相違点2について 刊行物1の摘記事項(エ)に、「導管380は、端部400の近位側のシース410の一部を収容する固定連結部材420とを備えている。固定連結部材420は、光導管380と外部光源とを指により解放可能に連結する周知の構成である。」とあり、刊行物1発明における固定連結部材420は光導管380と外部光源とを連結する周知の部材であることを鑑みると、固定連結部材420は光導管380に備えられているとはいえ、光導管に取り付けられるよう構成されていると考えることもでき、相違点2は実質的な相違点とは言い難い。 仮に、実質的な相違点であるとしても、部材を一体的に形成するか別体として形成するかは、あらゆる分野において一般的行われる事項であると認められ、刊行物1発明において、光導管の一部を形成する固定連結部材420を光導管380とは別体に形成して取り付けるよう構成することは当業者が容易になし得たものである。 ウ 相違点3について 刊行物3事項は、「作業空間内に照明を提供する開創器において、ライトパイプ(光導波管)50の遠位先端64に近接して設けられた傾斜タブ68がスロット70と交差するまで細長い部材12の縁の部分22により構成される溝に沿って滑走させ、ライトパイプの下側表面62から光を放散させること」であるところ、刊行物3事項の「下側表面62」は開創器の形状及び照明する方向から明らかなように、刊行物1発明の「上面」の方向と一致する。 刊行物1発明と刊行物3事項とは、開創装置において作業空間に照明を提供するという共通の技術分野に属しており、刊行物1発明における「上面」に刊行物3事項を適用して、上面に溝を設けて光導管を滑走させるよう構成することは、当業者が容易になし得たものである。 エ 相違点4について まず、補正発明の「光ガイドの前面」あるいは「光ガイドの後面」について、「前面」および「後面」の方向が一義的に定まらないことから、明細書を参酌して、その意味内容を明らかにする。 これに関する明細書の記載としては、段落【0040】に「図4および図5は、光ガイド挿入体として使用される(図1の場合のように)、あるい は、ポリカーボネートのような剛性の、強靭な材料で製造される場合は、単純なフック型またはブレード型開創器として使用される光ガイド23を示す。」とあり、段落【0042】に「ブレード前面23Fにおける、ブレードの一部には、一つ以上の切子面、例えば、切子面27が刻まれる。」とあり、段落【0051】に「遠位端23D近くの、光ブレードの後ろ側、下面23Lは、角度調整された切子面29において、該角度調整が、光線の内部反射が光ガイドの内部に留まるように、光線が、(遠位端で)前面に向かって光ガイド面の通過を可能とする(必ずしも全てが、反射されて光ガイドに戻るのではなく)のに十分なように行われる切子面を含んでもよい。」とあり、段落【0052】に「遠位端23Dにおける光ガイド前面は、さらに別の光指向構造、例えば、成形、またはフォイル鋳型微小構造散乱子、または散乱フィルムを有していてもよい。この場合も、数多くの切子面が設けられ、背面切子面の反射面の角度は、均一な照明が得られるように、入射光および術野に対し適切な相対的関係を持つように選ばれる。」とあり、段落【0059】に「切子面は、照明要求に応じて、前面のみ、または後面のみ、または両面に設けてもよい。本明細書に記載される光調節特性の組み合わせによって、光ガイドの光の多くが術野を指向することが確保されるので、光ガイドの全体効率は改善される。」とあるから、補正発明における「光ガイドの前面」は術野側を指し、「光ガイドの後面」は組織側を指すものと認められる。 そうすると、刊行物1発明における、「階段配列」は、図9を参照しつつ上記摘記事項(ケ)に「端部702は、外科手術開創器210の上面340に近似させる程度に依存して階段状段部706は微細または粗雑に形成される。」とあることを踏まえれば、外科手術開創器の上面340側に配置されているから、光導管380の前面に配置されていると言い改めることができ、相違点4は実質的な相違点とは言い難い。 オ 相違点5について まず、「光ガイドは、光ファイバーを含まない」ことの技術的意義が明らかでないことから明細書を参酌する。 これに関する明細書の記載としては、段落【0059】に、「切子面は、照明要求に応じて、前面のみ、または後面のみ、または両面に設けてもよい 。本明細書に記載される光調節特性の組み合わせによって、光ガイドの光の多くが術野を指向することが確保されるので、光ガイドの全体効率は改善される。」とあり、段落【0060】に「例えば、図4の光ガイドは、シリコンで製造された場合、光ファイバー系デバイスの40パーセント効率に比べ、65パーセントを超える効率を有することを我々は経験している。」とあるから、光ガイドの効率を高めるという目的のために、光ガイドに光ファイバーを含まないよう構成するものと認められる。 一方、刊行物1には摘記事項(エ)に「光導管380は、1つまたは複数の光ファイバケーブルおよび/または任意の他の適切な光透過性材料を含む。透光材料はガラス棒若しくはプラスチック棒のような単一のケーブル又はフィラメントの形態であってもよい。」とあり、光ファイバーケーブルとは異なる他の適切な光透過性材料とすることが記載されている。 そうすると、光導管は光ファイバーを含まないよう構成していると言うことができ、相違点5は実質的な相違点とは言い難い。 また、明細書を参酌し、「光ガイドは、光ファイバーを含まない」ことが光ガイドがシリコンで製造されていることを意味していると善解しても、光導波路としてシリコンを用いることは例示するまでもない周知慣用な技術であり、刊行物1発明における、光導管として光ファイバに代えてシリコンファイバを用いる程度のことは当業者が容易になし得たものである。 カ 補正発明の効果について 補正発明によってもたらされる効果も、刊行物1発明、刊行物2事項並びに刊行物3事項、及び従来周知の事項から当業者が予測できる程度のものであって、格別のものではない。 キ 小括 したがって、補正発明は、刊行物1発明、刊行物2事項並びに刊行物3事項、及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび よって、本件補正は特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記[補正却下の決定の結論]のとおり、決定する。 第3 本件出願の発明について 1 本件出願の発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の特許請求の範囲の請求項に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、平成28年 8月24日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本件出願の発明」という。)は、上記第2の1(1)に示す特許請求の範囲の請求項1に記載された「医用開創器照明システム」である。 2 刊行物 これに対して、当審の拒絶の理由に引用された刊行物は、上記第2の2(2)に示した刊行物1ないし3であり、その刊行物1ないし3の記載事項は上記第2の2(2)のとおりである。 3 対比・検討 本件出願の発明は、上記第2の2で検討した補正発明から、実質的に「切子面部分」について「光ガイドの前面および/または後面に配置された」という限定と、「光ガイド」について「光ファイバーを含まない」という限定 とを削除したものである。 そうすると、本件出願の発明と刊行物1発明とは、上記第2の2(3)で示した一致点を有し、上記第2の2(3)で示した相違点1ないし3においてのみ相違する。 そして、相違点1ないし3については、上記第2の2(4)で検討したとおりである。 したがって、本件出願の発明は、刊行物1発明、刊行物2事項並びに刊行物3事項、及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということになる。 4 むすび 以上により、本件出願の発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、本件出願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきであるから、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2015-016410

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決3件(インブイティ・インコーポレイテッド)
  • 2022-014204拒絶査定不服審判 / 2023-02-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)照明要素
    同じ当事者: インブイティ・インコーポレイテッド
  • 2021-017171拒絶査定不服審判 / 2022-06-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)照明付き電気外科手術システムおよびその使用方法
    同じ当事者: インブイティ・インコーポレイテッド
  • 2016-013700拒絶査定不服審判 / 2018-02-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)照光式吸引装置
    同じ当事者: インブイティ・インコーポレイテッド
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-013059拒絶査定不服審判 / 2026-07-06 / 請求不成立超音波トランスデューサ、超音波探触子、超音波診断装置および超音波トランスデューサ…
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-011631拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 請求不成立超音波トランスデューサ、超音波探触子、超音波診断装置および超音波トランスデューサ…
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-013876拒絶査定不服審判 / 2026-05-19 / 請求不成立医用画像表示装置、医用画像表示方法および医用画像表示プログラム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-000057拒絶査定不服審判 / 2026-03-31 / 請求不成立心不全管理のための感知
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-017922拒絶査定不服審判 / 2026-02-17 / 請求不成立神経活動を検出するための方法及びシステム
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,956件(121・A61B)
  • 2024-014320拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)生理学的データのモニタリング方法
    共通の審決分類: 121・A61B
  • 2025-010743拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)乳房の病変を同定する方法及びモデル
    共通の審決分類: 121・A61B
  • 2024-019207拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)少なくとも1つの呼吸パラメータを決定するための測定装置及び方法
    共通の審決分類: 121・A61B
  • 2025-016546拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)診断デバイス
    共通の審決分類: 121・A61B
  • 2025-015249拒絶査定不服審判 / 2026-08-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)感情推定装置
    共通の審決分類: 121・A61B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存