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特許拒絶査定不服審判

2015-006217

粘着シートロールの改良

審判番号
2015-006217
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-518129外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年04月02日
審決日
2017年08月07日
公報発行日
2018年02月23日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (B08B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-518129号「粘着シートロールの改良」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 1月 6日国際公開、WO2011/001166、平成24年12月13日国内公表、特表2012-532013号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2010年6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年6月29日、英国)を国際出願日とする出願であって、平成26年11月27日付けで拒絶査定がされた。これに対し、平成27年4月2日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、その後、当審より平成28年3月31日付けで拒絶理由が通知され、平成28年10月5日に意見書及び手続補正書が提出され、さらに、当審より平成28年12月14日付けで拒絶理由が通知され、平成29年6月20日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明について 1 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成29年6月20日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認める(以下「本願発明」という。)。 「接触式清掃で用いるシートロールにおいて、 ロール芯と、 その上に取外可能に取着された複数の粘着シートとを具備し、 前記複数の粘着シートは、粘着シートの各端部を他のシートの端部に当接させて先行する粘着シート上に巻付けるようにして前記ロール芯の外周面に巻付けられており、 前記粘着シートが、分子量約150 - 270 kg mol-1のポリプロピレンから形成した柔軟なフィルムであり、その外側に面した第1の側面が、殺菌剤を添加した粘着材料によってコーティングされ、内側に面した第2の側面がエンボス面を備え、該エンボス面がシリコーンを含んでおらず、前記複数の粘着シートが生物分解性でかつリサイクル可能であるシートロール。」 2 引用例 (1)引用例1 平成28年12月14日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2001-112703号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(「・・・」は省略を意味する。以下同様。) (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 粘着層と、非シリコーン系樹脂層とを有し、該非シリコーン系樹脂層にエンボス加工処理がされていることを特徴とするクリーニングテープ。 ・・・ 【請求項6】 巻回状態とされるものであることを特徴とする請求項1記載のクリーニングテープ。」 (イ)「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種のゴミを粘着除去するクリーニングテープに関するもので、特に、電子部品の製造工程にて用いるのに適したものに関する。 【0002】 【従来の技術】電子部品、例えば、プリント基盤等の製造工程においては、その電子部品の表面上のゴミを除去するために清掃工程が設けられている。そのような清掃工程としては、例えば、図2に示すように、電子部品24がコンベヤベルト26によって搬送されている状態において、その電子部品24の表面に清掃ロール20、22が回転しながら接触するようになっている。清掃ロール20の周面にはゴム系弾性体が設けられており、電子部品24上のゴミは清掃ロール20、22の弾性体上に付着し、電子部品24の表面上のゴミが取り除かれるようになっている。この清掃ロール22の上方には、これと所定圧力で接触するように清掃ロール22側に付勢されているクリーニングロール18が配備されている。このクリーニングロール18は、ドラムの周面にクリーニングテープが幾重にも巻回されて概略構成されている。このクリーニングテープは、通常、紙製の支持層の一方の面に粘着剤が塗布された粘着層が形成され、他方の面にシリコーン樹脂からなる剥離層が形成されたもので、その粘着層が外方に面するように巻回され、粘着層と清掃ロール22とが接触するようになっている。このクリーニングテープが巻回されたクリーニングロール18は、清掃ロール22上に付着したゴミを取り除くためのもので、電子部品24から清掃ロール22上に除去されたゴミは、クリーニングテープの粘着層上に付着し、清掃ロール22は、その表面上からゴミが除去された状態で再び電子部品24と接触するようになる。また、クリーニングテープは、汚れることで使用に適さなくなったら、その汚れた最外周部分を巻回状態から引き出し、切断除去し、内側に位置していたクリーニングテープを最外周面として、きれいなクリーニングロール18として継続して使用に供する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述したようなクリーニングテープにおいては、巻回された状態で使用に供するので、巻回した状態においてクリーニングテープ同士が粘着層を介して接触するようになる。そこで、クリーニングテープを取り替える為に引き出す際に、クリーニングテープ同士がくっついて引き出しにくくならないように、粘着層と剥離性の高いシリコーン樹脂からなる剥離層が設けられている。ところが、このシリコーン樹脂成分が、巻回状態中に、粘着層中に移行し、続いて、その粘着層と接触する清掃ロール22を介して電子部品24に移行するおそれがある。一般に、電子部品24は、シリコンを忌避するもので、僅かな移行も望ましくない。 【0004】本発明は前記課題を解決するためになされたもので、シリコーン樹脂を用いることなく、かつ、巻回して使用等することもできるクリーニングテープを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のクリーニングテープは、粘着層と、非シリコーン系樹脂層とを有し、該非シリコーン系樹脂層にエンボス加工処理がされていることを特徴とするものである。その非シリコーン系樹脂層としては、ポリオレフィンが好ましく、とりわけ直鎖状低密度ポリエチレンが望ましい。また、粘着層と非シリコーン系樹脂層との間には、支持層等を設けることができる。非シリコーン系樹脂層としては、その表面の平均粗さが0.6~30μmであることが望ましい。本発明のクリーニングテープは、電子部品を清掃する清掃ロールのクリーニング用に特に好適である。」 (ウ)「【0006】 【発明の実施の形態】本発明のクリーニングテープは、少なくとも、粘着層と、非シリコーン系樹脂層とを有するものである。使用に際しては、これらの層は外方に露出する部分に位置し、即ち、粘着層は表面層となり、非シリコーン系樹脂層は裏面層となる。用途等に応じて、他の層、例えば、図1に示すクリーニングテープ10のように、支持層12を粘着層14と非シリコーン系樹脂層16の間に設けることもできる。支持層12としては、布、紙、セロファン、ガラス布、ポリ塩化ビニル、酢酸繊維素や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素樹脂等のフィルムなど、各種のものが適用できる。中でも、その剛性、軽量性、コスト等の点で、合成紙が適当である。また、支持層12は白色のものが好ましい。クリーニングテープ10が白色になることで、除去したゴミ等の異物を視認しやすくなるからである。粘着層14には、目的に応じてクリーニングテープに使用される周知の粘着剤を適用することができる。例えば、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、塩化ゴム、天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、繊維素エステル等が挙げられる。 【0007】非シリコーン系樹脂層16にはクリーニングテープとしての使用に適応できる種々の特性(例えば、剛性など)を有し、かつ、シリコーン系樹脂を含有しない各種の樹脂を適用することができ、例えば、ポリオレフィン、PET等のポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。中でも、ポリオレフィンが、軽量性、適度な剛性、コスト等の点で好ましい。また、廃棄処分においても、有毒ガスが発生しないので望ましい。さらに、粘着剤の塗工工程においては、120℃前後の熱が加えられるので、耐熱性が要求されることから、ポリオレフィンの中でも、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。他方、適度な柔軟性を有し、巻回等する際の作業性の点からは、直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンが好ましい。よって、直鎖状低密度ポリエチレンが、耐熱性と作業性を兼ね備えていることから、より適当である。非シリコーン系樹脂層には、シリコーン系樹脂は勿論のこと、ブリードアウトを削減する上で、他の添加剤もできるだけ入っていないことが望ましい。この点からも、ポリオレフィンであれば、無添加のまま使用に供することができるので望ましい。また、PVA系等の各種の非シリコーン系離型剤も粘着層への移行の可能性があるので、含有しない方が望ましく、かつ、本発明によれば、そのような添加剤を使用せずとも、エンボス加工処理により良好な剥離性を発揮できるものである。 【0008】本発明のクリーニングテープにおける非シリコーン系樹脂層には、エンボス加工処理が施されて、その表面に凹凸が形成されていることが必要である。このエンボス加工処理が施されていることにより、巻回時に、非シリコーン系樹脂層と粘着層とが隣接していても、その実質的な接触面積が少なくなるので、剥離しやすくなり、巻回状態から容易に引き出することが可能となる。このエンボス加工処理によって表面に形成されるエンボスの深さとしては、0.6~30μmであることがよく、1.1~20μmであればより好ましく、4.1~15μmであればさらに好ましい。エンボスの深さが0.6μm未満であると、エンボス加工処理による効果が小さく、剥離しずらい。他方、エンボスの深さが30μmよりも深いと、巻回保持性が劣るからである。即ち、非シリコーン系樹脂層と粘着層とが全くくっつかず、巻回保持性がないと、ロール形状を保持することができなくなってしまう。尚、ここで、エンボスの深さは、表面粗さ規格(JIS B061-1994)に基づく十点平均粗さによるものである。」 (2) 引用例1に記載された発明 引用例1の段落【0006】に「本発明のクリーニングテープは、少なくとも、粘着層と、非シリコーン系樹脂層とを有するものである。使用に際しては、これらの層は外方に露出する部分に位置し、即ち、粘着層は表面層となり、非シリコーン系樹脂層は裏面層となる。用途等に応じて、他の層、例えば、図1に示すクリーニングテープ10のように、支持層12を粘着層14と非シリコーン系樹脂層16の間に設けることもできる。」と記載されていることから、支持層12は必須ではなく、粘着材層と非シリコーン系樹脂層とからなるクリーニングテープが記載されているに等しいといえることから、請求項1を引用する請求項6には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 「粘着層となる表面層と、非シリコーン系樹脂層となる裏面層とを有し、該非シリコーン系樹脂層にエンボス加工処理がされ、巻回状態とされるクリーニングテープ。」 3 本願発明と引用発明の対比 (1)対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「粘着層」を有する「クリーニングテープ」は、本願発明の「接触式清掃で用いるシートロール」に相当する。 (イ)引用発明の「巻回状態とされるクリーニングテープ」は、引用例1の【0002】を参酌すると、汚れた最外周部分を巻回状態から、引き出し、切断除去して、きれいなクリーニングロールとして継続して使用するものであって、クリーニングテープはシートと表現できるものであるから、本願発明の「取外可能に取着された」「粘着シートとを具備」すること、及び粘着シートが「先行する粘着シート上に巻付けるようにして」「巻付けられて」いることに相当する。 (ウ)引用発明の「粘着層となる表面層と、非シリコーン系樹脂層となる裏面層とを有し、該非シリコーン系樹脂層にエンボス加工処理がされ」ていることは、粘着層が表面層であるから外側に面しており、エンボス加工処理された非シリコーン系樹脂層が裏面層であるから内側に面し、シリコーンを含んでいないことは明らかである。また、引用例1の【0006】、【0007】を参照すると、非シリコーン系樹脂層は、粘着層に用いられる粘着剤によってコーティングされているといえる。 したがって、引用発明の「粘着層と、非シリコーン系樹脂層とを有し、該非シリコーン系樹脂層にエンボス加工処理がされ」と、本願発明の「前記粘着シートが、分子量約150 - 270 kg mol-1のポリプロピレンから形成した柔軟なフィルムであり、その外側に面した第1の側面が、殺菌剤を添加した粘着材料によってコーティングされ、内側に面した第2の側面がエンボス面を備え、該エンボス面がシリコーンを含んでおらず」とは、粘着シートが、その外側に面した第1の側面が、粘着材料によってコーティングされ、内側に面した第2の側面がエンボス面を備え、該エンボス面がシリコーンを含んでおらずの限りで一致する。 したがって、本願発明と引用発明とは、 「接触式清掃で用いるシートロールにおいて、 取外可能に取着された粘着シートとを具備し、 前記粘着シートは、先行する粘着シート上に巻付けるようにして巻付けられており、 前記粘着シートが、その外側に面した第1の側面が、粘着材料によってコーティングされ、内側に面した第2の側面がエンボス面を備え、該エンボス面がシリコーンを含んでいない、シートロール。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> 粘着シートについて、本願発明では、「ロール芯と」、「その上に」取着された「複数の粘着シートとを具備し」、「前記複数の粘着シートは、粘着シートの各端部を他のシートの端部に当接させて」巻付けるようにして、「前記ロール芯の外周面に巻付けられて」いるのに対して、引用発明では、そのように特定されていない点。 <相違点2> 粘着材料が、本願発明では、「殺菌剤を添加した」ものであるのに対して、引用発明ではそのように特定されていない点。 <相違点3> 粘着シートについて、本願発明では、「前記粘着シートが、分子量約150 - 270 kg mol-1のポリプロピレンから形成した柔軟なフィルムであり、」「生物分解性でかつリサイクル可能である」のに対して、引用発明では、そのように特定されていない点。 (2) 当審の判断 上記相違点について検討する。 <相違点1について> 引用発明の「巻回状態とされるクリーニングテープ」は、巻回状態であるところ、巻回状態のものの中心にロール芯を用いることは技術常識である。 また、複数の粘着シートの各端部を他のシートの端部に当接させて先行する粘着シート上に巻付けた構造のシートロールは、周知(例えば、当審拒絶理由で引用した実願昭55-112157号(実開昭57-36269号)のマイクロフィルムの切断部分9b、同じく実願昭58-63190号(実開昭60-47459号)のマイクロフィルムの切り溝5参照。)である。 そして、引用発明は、汚れた最外周部分を巻回状態から、引き出し、切断除去して、きれいなクリーニングロールとして継続して使用するもの(【0002】)であるから、当該周知の事項を適用することで、相違点1に係る本願発明の事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 <相違点2について> 粘着材料に殺菌剤を添加することは、周知(例えば、当審拒絶理由で引用した登録実用新案第3018407号公報(以下「周知例1」という。)の【0001】、【0012】等、同じく特開平8-24206号公報(以下「周知例2」という。)の【請求項1】、【0003】、【0006】参照。)である。 そして、引用発明においても、粘着層に菌が生きたまま付着した状態が問題であるといった周知の課題が存在することは明らかであるから、当該課題を解決するために、当該周知の事項を適用することは、当業者が容易に想到し得たことである。 ここで、請求人は、平成29年6月20日の意見書で、周知例1及び周知例2が粘着材料に殺菌剤を添加するものでない旨主張する。 しかし、周知例1には、【0001】に「【産業上の利用分野】 本考案は、消臭、殺菌、放香効果を有するローラー状ごみ取り具であり、衣服、じゅうたん、寝具などの清掃に使用するものである。」、【0012】に「【考案の効果】・・・、さらに粘着剤に添加した消臭・吸着剤により被清掃体の異臭を消去し、ハッカなどの薬味を添加した香料を添加したものであれば殺菌やダニなどの害虫を駆除(忌避効果)し、使用者に爽快感を与えるなどの効果が得られる。」と記載されており、周知例2には、【請求項1】に「粘着ローラーを有してなる粘着クリーナーであって、少なくとも粘着ローラー表面の粘着剤層に抗菌剤が含まれることを特徴とする粘着クリーナー。」、【0006】に「本明細書において抗菌剤とは、有害生物の繁殖を阻止する抗菌作用を有する抗菌剤はもちろん、有害生物を死滅させることのできる殺菌、殺虫作用を有する抗菌剤をも包含する。」、【0024】に「粘着剤層に含まれる抗菌剤は、使用する粘着剤に溶解あるいは均一に分散するものであれば、特に限定されず、例えば天然物では、孟宗竹抽出物、ヒノキチオール、ニンニクエキス、カンゾウ等の漢方成分が挙げられる。また、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、金等の無機抗菌剤が挙げられ、必要に応じてこれら無機抗菌剤の担体としてゼオライト、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、シリカゲル、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ポリシロキサン化合物、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、イオン交換体、酸化亜鉛等が使用できる。合成物では、2-ピリジンチオール-1-オキサイド、p-クロロ-m-クレゾール、ポリヘキサメチレンヒグアナイド、ハイドロクロライド、塩化ベンゼトニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンズイソチアゾリン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2,2’-ジチオ-ビス-(ピリジン-1-オキサイド)等が挙げられる。中でも、抗菌力、溶解性の点から、2-ピリジンチオール-1-オキサイド、ベンズイソチアゾリンが好ましい。また、これらを2種以上混合して用いても良い。抗菌剤は、溶解あるいは均一に分散させて粘着剤層に含有させる。」と記載されている。 そして、少なくとも周知例1の「ハッカ」(例えば、特開平2-17120号公報の3頁右上欄18~末行、特開平5-345026号公報の【0009】参照。)、周知例2の「2-ピリジンチオール-1-オキサイド」や「塩化ベンゼトニウム」(例えば、特開平11-140491号公報の【0014】参照。)は一般に殺菌剤として知られているものであるから、請求人の主張は採用できない。 <相違点3について> 引用例1には、非シリコーン系樹脂層にポリプロピレンを用いることが示唆されている(【0007】)。 ここで、分子量約150 - 270 kg mol-1のポリプロピレンは、周知(例えば、当審拒絶理由で引用した特開平6-256539号公報の【0038】、【0040】、【0042】、同じく特開2001-348539号公報(以下「周知例3」という。)の【0054】参照。)である。さらに、周知例3は、粘着シートに係るものである。 また、粘着シートにおいて、廃棄処理や環境汚染対策として、生分解性の材料を用いることは周知(例えば、当審拒絶理由で引用した特表2007-507346号公報の【0007】、同じく特開2001-139896号公報の【0016】、同じく特開2000-60788号公報の【0020】参照。)であるところ、生分解性のポリプロピレンについても、周知(例えば、当審拒絶理由で引用した特開2004-43727号公報の【0015】、同じく国際公開2006/75553号の【0028】、特開2000-319532号公報の【0009】~【0012】、特開2008-100209号公報の【0008】、特開2000-312638号公報の【0003】参照。)である。 そして、引用発明のクリーニングテープにおいても廃棄処理や環境汚染対策を考慮することは当然の課題であるから、引用発明のポリプロピレンから形成したクリーニングテープについて、上記周知の事項に基づいて、具体的に、粘着シートとして周知である分子量約150 - 270 kg mol-1のものとし、あわせて、周知である生分解性のものとする程度のことは、当業者が容易に想到し得たことである。 <本願発明の効果について> そして、本願発明の奏する効果は、引用発明、引用例1に記載された事項及び周知の事項から、予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 4 むすび したがって、本願発明は、引用発明、引用例1に記載された事項、及び周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第3 まとめ 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定より特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-006217

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