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特許異議申立

2025-700934

ゆで卵の処理装置

審判番号
2025-700934
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-085100
登録番号
7666990
請求日
2025年09月29日
審決日
2026年02月17日
公報発行日
2026年04月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】山崎製パン株式会社
  • 【権利者代理人】山本 修
  • 【権利者代理人】中村 充利
  • 【権利者】株式会社サンデリカ
  • 【権利者代理人】山本 修
  • 【権利者代理人】中村 充利
  • 【異議申立人】有限会社 和田技研
  • 【異議申立人代理人】佐藤 英世
審判長/審判官
  • 審判長 刈間 宏信
  • 審判官 藤江 大望
  • 審判官 田々井 正吾
分類
P1652.112-Y (B26D) / P1652.121-Y (B26D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第2号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7666990号発明「ゆで卵の処理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7666990号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7666990号の請求項1~18に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年5月20日の出願である特願2021-85100であって、令和7年4月14日にその特許権の設定登録がされ、同月22日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許のうち請求項1~6に係る特許に対し、令和7年9月29日に特許異議申立人有限会社和田技研(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行い、同年12月10日に特許異議申立書を補正する旨の手続補正書(方式)を提出した。(以下、補正された特許異議申立書を「特許異議申立書」といい、特許異議申立書の記載箇所は、手続補正書(方式)のページ数で表すこととする。) 第2 本件特許発明 本件特許のうち特許異議の申立てがされた請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」~「本件特許発明6」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 第1のゆで卵収容部と第2のゆで卵収容部を少なくとも有する、多段式のゆで卵供給装置であって、 第1のゆで卵収容部は、第2のゆで卵収容部へ複数のゆで卵を移送するための第1の開口と第1の移送部を備え、第2のゆで卵収容部は、ゆで卵を第2のゆで卵収容部から外部へ1個ずつ移送するための第2の開口と第2の移送部を備えており、 第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサーを有し、該センサーでゆで卵が無いと検知した場合、第1のゆで卵収容部に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部へ移送するように動作し、ゆで卵が有ると検知した場合は動作しないように第1の移送部を制御する制御部を有する、多段式のゆで卵供給装置。 【請求項2】 第1のゆで卵収容部と第2のゆで卵収容部との間には第1の段差と第1の開口とが設けられ、第1の移送部は、ゆで卵を第1の段差を乗り越えさせることにより、第1の開口を介して第2のゆで卵収容部へと移送し、 第2のゆで卵収容部の第2の開口には第2の段差が設けられ、第2の移送部は、ゆで卵を第2の段差を乗り越えさせて第2の開口から外部へ移送する、請求項1に記載の多段式のゆで卵供給装置。 【請求項3】 第1のゆで卵収容部は、収容したゆで卵が第1の段差付近に集まるようにその底面に傾斜部を有し、 第2のゆで卵収容部は、収容したゆで卵が第2の段差付近に集まるようにその底面に傾斜部を有する、請求項2に記載の多段式のゆで卵供給装置。 【請求項4】 第1の移送部と第2の移送部とは、段差付近の底面に、傾斜部により集まってきたゆで卵が載置される、進行方向に向けて下降する傾斜を有するヘッド部と、該ヘッド部を昇降動作させる昇降駆動部とを各々備える、請求項3に記載の多段式のゆで卵供給装置。 【請求項5】 第2の移送部のヘッド部へとゆで卵を導くため、第2のゆで卵収容部内の該ヘッド部の上流側の底面に上下に駆動する複数のピンをさらに備える、請求項4に記載の多段式のゆで卵供給装置。 【請求項6】 請求項1~5のいずれかに記載の多段式のゆで卵供給装置と、 第2のゆで卵収容部の開口から外部へ移送されたゆで卵を一時的に保持する待機部材と、 待機部材を介して移送された1個のゆで卵を切断するゆで卵切断部と、 を備えるゆで卵切断機。」 第3 申立ての理由 1 特許異議申立書における申立ての理由の概要 (新規性)請求項1~6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明であって、特許法第29条第1項第2号に該当するから、請求項1~6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 2 証拠方法 申立人が特許異議申立書に添付して提出した証拠は、次の(1)~(17)のとおりである。 (1)甲第1号証: 申立人が出荷した多段式ゆで卵供給装置とゆで卵切断装置のメンテナンス時に撮られたビデオ、[DVD]、[映像]、令和6年4月18日(作成日)、有限会社和田技研(作成者) (2)甲第2号証の1: 多段式ゆで卵供給装置とゆで卵切断装置を株式会社チルディーに納品した際の「売上表」、平成29年6月26日、有限会社和田技研(作成者) (3)甲第2号証の2: 多段式ゆで卵供給装置とゆで卵切断装置を株式会社チルディーに納品した際の「物品受領書」、平成29年6月26日、株式会社チルディー(作成者) (4)甲第3号証: 甲第1号証のビデオの再生開始51秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (5)甲第4号証: 甲第1号証のビデオの再生開始4秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (6)甲第5号証: 甲第1号証のビデオの再生開始8秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (7)甲第6号証: 甲第1号証のビデオの再生開始9秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (8)甲第7号証: 甲第1号証のビデオの再生開始10秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (9)甲第8号証: 甲第1号証のビデオの再生開始22秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (10)甲第9号証: 甲第1号証のビデオの再生開始5秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (11)甲第10号証: 甲第1号証のビデオの再生開始9秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (12)甲第11号証: 甲第1号証のビデオの再生開始4秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (13)甲第12号証: 甲第1号証のビデオの再生開始16秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (14)甲第13号証: 甲第1号証のビデオの再生開始8秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (15)甲第14号証: 甲第1号証のビデオの再生開始18秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (16)甲第15号証: 甲第1号証のビデオの再生開始16秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) (17)甲第16号証: 甲第1号証のビデオの再生開始8秒後の静止画(スクリーンショットのハードコピー)、令和6年4月18日(甲第1号証の作成日)、有限会社和田技研(作成者) なお、第3の3で認定するとおり、当審では、甲第1号証で、この甲第16号証に係る静止画に該当する内容を確認することができなかった。 以下、甲第1号証、甲第3号証~甲第16号証をそれぞれ「甲1」、「甲3」~「甲16」、甲第2号証の1~2をそれぞれ「甲2の1」~「甲2の2」という。 第4 証拠の記載について 1 甲1 甲1は、甲1の再生開始51秒後の内容からみて、「製造年月:2017.05」「製造番号:29-1091G」と表記された多段式ゆで卵供給装置及びゆで卵切断機を、令和6年4月18日にメンテナンスを行う際に、申立人が撮影した動画である。 [図:0001434185000001.jpg] (1)甲1の映像の内容の整理(K1-1′~K1-6′の符号は、各甲号証に付されたものを引用した。) ア 甲1の再生開始4秒後あるいは甲4の内容からみて、甲1のビデオには、多段式のゆで卵供給装置が記録され、この多段式のゆで卵供給装置は、第1のゆで卵収容部K1-1′と第2のゆで卵収容部K1-2′を少なくとも有することが把握される。 [図:0001434185000002.jpg] イ 甲1の再生開始約4~5秒後あるいは甲4、甲9の内容からみて、上記アの第1のゆで卵収容部K1-1′は、第2のゆで卵収容部K1-2′へ複数のゆで卵を移送するための第1の開口K1-3′と第1の移送部K1-4′を備えることが把握される。 [図:0001434185000003.jpg] [図:0001434185000004.jpg] そして、甲1の再生開始約8~9秒後あるいは甲5、甲13、甲10の内容からみて、上記アの第2のゆで卵収容部K1-2′は、ゆで卵を第2のゆで卵収容部K1-2′から外部へ1個ずつ移送するための第2の開口K1-5′と第2の移送部K1-6′を備えることが把握される。 [図:0001434185000005.jpg] [図:0001434185000006.jpg] [図:0001434185000007.jpg] ウ 甲1の再生開始約4~5秒後あるいは甲4、甲11,甲9の内容、甲1の再生開始約18~22秒後あるいは甲14、甲8の内容からみて、甲1発明の多段式のゆで卵供給装置は、第1の移送部K1-4′の動作の時間間隔が一定ではないことから、第1のゆで卵収容部K1-1′に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部K1-2′へ移送するように動作するように第1の移送部K1-4′に対して何らかの制御をするものであることが把握される。 [図:0001434185000008.jpg] [図:0001434185000009.jpg] [図:0001434185000010.jpg] [図:0001434185000011.jpg] [図:0001434185000012.jpg] (2)甲1の映像の発明 甲1のビデオには、次の発明(以下「甲1発明」という。)が映像として記録されている 「 第1のゆで卵収容部K1-1′と第2のゆで卵収容部K1-2′を少なくとも有する、多段式のゆで卵供給装置であって、 第1のゆで卵収容部K1-1′は、第2のゆで卵収容部K1-2′へ複数のゆで卵を移送するための第1の開口K1-3′と第1の移送部K1-4′を備え、第2のゆで卵収容部K1-2′は、ゆで卵を第2のゆで卵収容部K1-2′から外部へ1個ずつ移送するための第2の開口K1-5′と第2の移送部K1-6′を備えており、 第1のゆで卵収容部K1-1′に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部K1-2′へ移送するように動作するように第1の移送部K1-4′を制御する、多段式のゆで卵供給装置。」 2 甲2 (1)甲2の1の内容 甲2の1は、申立人より株式会社チルディーに売上があったことを示す申立人の売上表であり、平成29年6月26日に、「新ユデ卵スライサーたまたろう」(工番1091、金額760,000円)及び「卵自動供給機たまごろう」(工番1091、金額1,790,000円)を売り上げたことが記載されている。 (2)甲2の2の内容 甲2の2は、上記(1)の甲2の1の売上表の「新ユデ卵スライサーたまたろう」及び「卵自動供給機たまごろう」に対する株式会社チルディの物品受領書であり、2017年(平成29年)6月26日の日付が記載されている。 3 甲3~甲16 甲3~甲16は、いずれも甲1のビデオのスクリーンショットのハードコピーであって、ビデオのどの部分の内容であるかは、第3の2(4)~(17)に記載したとおりである。なお、甲16の画像は、甲1のいずれの再生時間にも現れていないものと認める。 第4 当審の判断 1 本件特許発明1と甲1発明の対比 (1)甲1発明の「第1のゆで卵収容部K1-1′」は本件特許発明1の「第1のゆで卵収容部」に相当し、同様に「第2のゆで卵収容部K1-2′」は本件特許発明1の「第2のゆで卵収容部」に相当する。 (2)甲1発明の「第1の開口K1-3′」は本件特許発明1の「第1の開口」に相当し、以下同様に「第1の移送部K1-4′」は「第1の移送部」に、「第2の開口K1-5′」は「第2の開口」に、「第2の移送部K1-6′」は「第2の移送部」に、それぞれ相当する。 (3)甲1発明の「第1のゆで卵収容部K1-1′に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部K1-2′へ移送するように動作するように第1の移送部K1-4′を制御する」と、本件特許発明1の「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサーを有し、該センサーでゆで卵が無いと検知した場合、第1のゆで卵収容部に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部へ移送するように動作し、ゆで卵が有ると検知した場合は動作しないように第1の移送部を制御する制御部を有する」とを対比すると、甲1の装置が制御するための制御部を有することは自明な事項であるから、両者は「第1のゆで卵収容部に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部へ移送するように動作するように第1の移送部を制御する制御部を有する」という点に限り一致する。 2 本件特許発明1と甲1発明の一致点及び相違点 上記1より、本件特許発明1と甲1発明は、次の(1)の一致点で一致し、(2)の相違点で相違する。 (1)一致点 第1のゆで卵収容部と第2のゆで卵収容部を少なくとも有する、多段式のゆで卵供給装置であって、 第1のゆで卵収容部は、第2のゆで卵収容部へ複数のゆで卵を移送するための第1の開口と第1の移送部を備え、第2のゆで卵収容部は、ゆで卵を第2のゆで卵収容部から外部へ1個ずつ移送するための第2の開口と第2の移送部を備えており、 第1のゆで卵収容部に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部へ移送するように動作するように第1の移送部を制御する制御部を有する、多段式のゆで卵供給装置。 (2)相違点 制御部に関し、本件特許発明1が、「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサーを有し、該センサーでゆで卵が無いと検知した場合、第1のゆで卵収容部に収容されているゆで卵を、第2のゆで卵収容部へ移送するように動作し、ゆで卵が有ると検知した場合は動作しないように第1の移送部を制御する」のに対して、甲1発明は、第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサーがなく、本件特許発明1のように第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無に応じてゆで卵の移送を行うものではない点。 3 相違点の検討 (1)上記2(2)のとおり、本件特許発明1と甲1発明には相違点があることから、本件特許発明1は甲1発明と同一ではない。したがって、甲1発明について、本件特許発明1に係る出願前にその内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施をされたかどうかを検討するまでもなく、本件特許発明1は、その特許出願前に公然実施をされた発明とはいえない。 (2)これに対して、申立人は、甲1の再生開始約9~10秒後あるいは甲6~8の内容から、甲1発明について、第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサーを備えていることが明らかである旨(特許異議申立書12ページの4(4)イ(カ)「甲第6号証」)、及び当該収容センサーによる制御が行われている旨(同(キ)「甲第7号証」及び(ク)「甲第8号証」)を、申立の理由において説明するため、この観点から上記2(2)の相違点について検討する。 [図:0001434185000013.jpg] [図:0001434185000014.jpg] [図:0001434185000015.jpg] (3)映像において、上記甲1の再生開始約9秒後あるいは甲6の内容をみると、申立人が甲6で「ゆで卵の有無確認センサー」と説明する部材は、第2のゆで卵収容部K1-2’よりも外側に位置するゆで卵(第2の開口部K1-5’を通過したゆで卵)に対して、レーザー光(以下「甲1映像のレーザー光」という。)を照射をしていると認められるから、本件特許発明1の「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサー」に対応するセンサーの存在を確認することができないし、当然に、センサーによる制御の存在も確認することができない。 (4)そして、甲1映像のレーザー光は、本件明細書に記載された第2実施例(本件明細書の段落【0051】~【0069】、図4、6,8記載)における切断用のロータ37のホールド部4bに対応する部位に存在するゆで卵に照射されているレーザー光に相当するというべきであるから、申立人が甲6で説明する部材は、上記本件明細書の第2実施例の「切断前ホールドセンサー14」に相当するセンサーであり、申立人の上記(2)に係る説明は、失当である。 ※本件の図4(第2実施例) 【図4】 [図:0001434185000016.jpg] 4 本件特許発明1の新規性についての結論 したがって、甲1発明について、上記相違点に係る本件特許発明1の「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサー」の有無を改めて検討しても、これを備えることはなく、上記相違点は実質的な相違点となるから、本件特許発明1は甲1発明と同一でなく、新規性が欠如するものではない。 5 本件特許発明1の進歩性について この特許異議申立ての根拠の条文は特許法第29条第1項第2号(新規性)のみであって、同法第29条第2項(進歩性)は含まれていないが、上記2(2)の相違点に関し、一応、進歩性についても検討する。 本件特許発明1は、本件明細書の段落【0007】に記載した「切断対象であるゆで卵を自動的かつ連続的に供給し、ゆで卵を効率的にスライスする技術を提供すること」を課題とし、同じく段落【0010】記載のように「所定の収容部へ複数のゆで卵をまとめて供給し、一定数のゆで卵を収容させておくだけで、自動的に、連続して、順次、1つずつ、ゆで卵を、所定の位置(ホールド部)に載置することができる」ものであって、「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサー」は、所定の収容部である第2のゆで卵収容部へ、円滑に複数のゆで卵をまとめて供給し、上記課題の解決に寄与する本件特許発明1の主要な構成であるから、具体的な証拠がない限りは設計的事項といえない。 そして、相違点に係る本件特許発明1の「第2のゆで卵収容部の特定位置に収容されているゆで卵の有無を検知する収容センサー」を設けることに関する具体的な証拠が、他に申立人より示されているものでもない。 したがって、本件特許発明1について、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 6 小括 上記1~5より、本件特許発明1は、甲1発明とは相違し、日本国内又は外国において公然実施をされた発明ではない。 そして、進歩性について一応検討しても、本件特許発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、本件特許発明2~6は、いずれも本件特許発明1を引用する発明であって、それぞれ、本件特許発明1に対してさらに発明特定事項を追加したものであるから、本件特許発明1と同様に甲1発明とは相違するものであって、日本国内又は外国において公然実施をされた発明ではなく、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許のうち特許異議の申立てがされた請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許のうち特許異議の申立てがされた請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700934

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