特許異議申立
2025-700909
情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
- 審判番号
- 2025-700909
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2024-227197
- 登録番号
- 7644945
- 請求日
- 2025年09月19日
- 審決日
- 2025年12月18日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】amptalk株式会社
- 【権利者代理人】谷川 英和
- 【異議申立人】飯村 重樹
- 審判長/審判官
- 審判長 相崎 裕恒
- 審判官 佐藤 智康
- 審判官 小池 堂夫
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q) / 標準データ:手続:異議 / 標準データ:651・121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
特許第7644945号発明「情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7644945号の請求項1~13に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7644945号(以下「本件特許」という。)の請求項1~13に係る特許についての出願は、令和6年12月24日に出願され、令和7年3月5日にその特許権の設定登録がされ、同月19日に特許掲載公報が発行された。
そして、本件特許の請求項1~13に対して、同年9月19日に特許異議申立人 飯村 重樹により、特許異議の申立てがされた。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~13に係る発明(以下「本件特許発明1」などという。)は、本件特許の特許公報における特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置であって、
営業相手先を特定する相手識別情報を含む入力情報を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に基づく前記営業相手先の固有情報を、2以上の各相手識別情報に対応付く固有情報を有する相手先情報を格納する営業管理データベースから取得し、当該固有情報を生成AIに与え、前記生成AIが前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える動作部と、
前記生成AIから前記顧客ペルソナプロンプトに対応する回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を出力する回答出力部とを具備し、
前記入力受付部は、
前記回答出力部が回答を出力した後に、ロールプレイを進める入力である訓練入力をさらに受け付け、
前記動作部は、
前記訓練入力を前記生成AIに与え、
前記回答取得部は、
前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得し、
前記回答出力部は、
前記回答取得部が取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する情報処理装置。
【請求項2】
前記入力受付部は、
前記生成AIを相手として営業のロールプレイを行うユーザのユーザ識別情報に対応付き、前記営業相手先を特定する相手識別情報を有する前記入力情報を受け付け、
前記営業管理データベースは、前記情報処理装置ではないデータ管理装置に存在し、かつユーザ識別情報と対になる1または2以上の各相手識別情報に対応付く固有情報を有する相手先情報を格納しており、
前記動作部は、
前記営業管理データベースから、前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報と前記ユーザ識別情報とに対応付く前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
前記固有情報取得手段が取得した前記固有情報を前記生成AIに与え、かつ前記顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与えるAI動作手段とを具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記固有情報取得手段は、
前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に対応付くURLまたはウェブページを含む前記固有情報を前記営業管理データベースから取得する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記固有情報取得手段は、
前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に対応付く営業相手先氏名、当該営業相手先の組織名、当該営業相手先の役職名、当該営業相手先の所属部署名のうちの1以上の情報を含む前記固有情報を前記営業管理データベースから取得する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入力受付部は、
前記生成AIを相手として営業のロールプレイを行うユーザのユーザ識別情報に対応付く前記入力情報を受け付け、
前記動作部は、
ユーザ識別情報と1または2以上の各相手識別情報に対応付く過去の商談情報を格納する商談管理データベースから、前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報と前記ユーザ識別情報とに対応付く前記商談情報を含む前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、前記固有情報取得手段が取得した前記固有情報を前記生成AIに与え、かつ前記顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与えるAI動作手段とを具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記商談情報は、過去に行われた商談の会話情報、または過去に行われた商談の会話情報の要約である要約情報を含む請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記入力受付部は、
営業対象の資料である営業資料情報を特定する資料識別情報を含む前記入力情報を受け付け、
前記動作部は、
1または2以上の各資料識別情報に対応付く営業資料情報が格納されている1または2以上の資料データベースのうちのいずれかの資料データベースから、前記入力受付部が受け付けた前記資料識別情報に対応付く営業資料情報を取得する営業資料取得手段と、
前記営業資料取得手段が取得した前記営業資料情報を前記生成AIに与え、かつ前記顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与えるAI動作手段とを具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入力受付部は、
前記生成AIを相手として営業のロールプレイを行うユーザのユーザ識別情報に対応付く前記入力情報を受け付け、
前記資料データベースは、前記情報処理装置ではないデータ管理装置に存在し、
前記入力受付部は、
1または2以上の各ユーザ識別情報と対になる資料識別情報が管理される資料管理部を参照し、前記入力情報に対応付く前記ユーザ識別情報と対になる前記資料識別情報を取得し、
前記営業資料取得手段は、
前記入力受付部が取得した前記資料識別情報に対応付く営業資料情報を前記資料データベースから取得する請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記入力受付部が受け付けた前記訓練入力と前記営業資料情報とを用いて、ユーザの営業のロールプレイの評価結果を取得する評価部と、
前記評価部が取得した前記評価結果を出力する評価出力部とをさらに具備する請求項7記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記評価部は、
前記営業資料情報とに基づく、前記訓練入力の正確性に関する評価を示す正確性評価情報、および営業の結果に関する結果評価情報のうちの1または2以上の情報を含む前記評価結果を取得する請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
ユーザ識別情報を含む相手選択指示を受け付ける指示受付部と、
1または2以上の各ユーザ識別情報に対応付けて、営業相手先を特定する1または2以上の相手識別情報が格納される商談相手管理データベースから、前記指示受付部が受け付けた前記相手選択指示が有する前記ユーザ識別情報と対になる1または2以上の相手識別情報を取得する候補取得部と、
前記候補取得部が取得した前記1以上の相手識別情報を出力する候補出力部とをさらに具備し、
前記入力受付部は、
前記1以上の相手識別情報の中のから一の前記相手識別情報を含む入力情報を受け付ける請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11いずれか一項に記載の情報処理装置が行うすべてのステップを具備する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
請求項1から請求項11いずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。」
第3 申立理由の概要
特許異議申立人が、請求項1~13に係る特許に対して申し立てた理由の概要及び証拠方法(甲号証)は以下のとおりである。
1 申立理由及び主張の概要
(1)申立理由1(甲第1号証に基づく進歩性欠如)
本件特許発明1~13に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
又は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証~甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
(2)申立理由2(甲第2号証に基づく進歩性欠如)
本件特許発明1~13に係る発明は、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
又は、甲第2号証に記載された発明及び甲第1号証、甲第3号証~甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
(3)申立理由3(甲第3号証に基づく進歩性欠如)
本件特許発明1~13に係る発明は、甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
又は、甲第3号証に記載された発明及び甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
2 証拠方法
甲第1号証:株式会社PR TIMES,amptalk株式会社,“自社の営業資料を学習したAIと商談ロールプレイング。アンプトーク、AIトレーニングツール『amptalk coach』β版をローンチ”,[online],2024年12月4日,[検索日2025年11月21日],取得先<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000084890.html>
甲第2号証:Oleg Bolotnov,“How to create AI role-plays for sales training [+ examples]”,[online],2024年12月7日,[検索日2025年11月21日],取得先<http://web.archive.org/web/20241207042042/https:/www.pitchmonster.io/blog/how-to-create-ai-role-plays-for-sales-training-examples>
甲第3号証:ゴートマン合同会社,“ChatGPTで営業のロールプレイングを行う方法とプロンプトを解説!”,[online],2023年9月17日,[検索日2025年11月21日],取得先<https://www.goatman.co.jp/media/chatgpt/sales-roleplaying-prompts/>
甲第4号証:米国特許出願公開2023/0351118号明細書
甲第5号証:SecondNature,“Customer-facing teams sell better after AI training with us!”,[online],2024年11月27日,[検索日2025年11月21日],取得先<http://web.archive.org/web/20241127060505/https://secondnature.ai/>
第4 甲号証の記載
特許異議申立の証拠方法として提出された甲第1号証から甲第5号証(以下「甲1」などという。)には、それぞれ以下の事項が記載されている。
1 甲1(自社の営業資料を学習したAIと商談ロールプレイング。アンプトーク、AIトレーニングツール『amptalk coach』β版をローンチ)
(1)甲1の摘記
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1には、次の記載がある。(下線は当審において付与した。下記2から5において同様。)
ア 「キーポイント
・営業組織における課題の1位は「人材育成」(※1)。マネージャーが育成にかける時間は業務の14%(※2)にとどまるとも言われ、上司やマネージャーに委ねられたOJTメインの育成構造は限界に。
・一方、営業企画部や営業推進部がナレッジ浸透のために作成した営業コンテンツは、9割が現場で使われていない。(※3)
・「amptalk coach」は、AIが営業資料や顧客事例等の営業コンテンツを学習し、営業と商談ロールプレイングを行う。AIによる評価とフィードバックに基づき、全ての営業が自立して学習・実践し、知識を効果的に獲得・定着させることが可能に。
[図:0001431173000001.jpg]
」
イ 「「amptalk coach」概要と特徴
AIトレーニングツール「amptalk coach」は、自社の営業資料や顧客事例等の営業コンテンツをアップロード。営業は、想定顧客のペルソナに合わせたAIと商談ロールプレイングを行うことで、効果的に知識を習得し実践的なトーク力・提案力を身につけることができます。」
ウ 「amptalk coachの利用方法
1.営業コンテンツをAIが学習。想定顧客のペルソナを設定し、トレーニングコースを作成。
2.営業がAIと商談ロールプレイングを実施。
3.営業コンテンツに即した説明ができているかを評価・フィードバック。
4.営業企画部・営業推進部はトレーニング結果をダッシュボードで確認。データを見ながら資料のブラッシュアップや追加のトレーニングコースを作成することも可能。」
エ 「
[図:0001431173000002.jpg]
」
(2)甲1記載の技術的事項
上記(1)で摘記した記載によると、甲1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
ア 上記(1)イには、AIトレーニングツール「amptalk coach」の説明として、「営業は、想定顧客のペルソナに合わせたAIと商談ロールプレイングを行うことで、効果的に知識を習得し実践的なトーク力・提案力を身につけることができます。」と記載されており、同ウには「想定顧客のペルソナを設定し、トレーニングコースを作成。」と記載されている。ここで、「想定顧客のペルソナに合わせたAI」とは、生成AIが想定顧客のペルソナとなるためのプロンプトが与えられた当該生成AIであること、「想定顧客のペルソナ」は、当該プロンプトを当該生成AIに与えることによって「設定」されること、「営業」が「商談ロールプレイングを行う」相手は、当該生成AIに対するユーザインタフェースを提供する情報処理装置であることは明らかである。
そうすると、甲1には、生成AIを用いて営業が商談ロールプレイングを行うことで、効果的に知識を習得し実践的なトーク力・提案力を身につけることができる情報処理装置が記載されているといえる。
イ 上記(1)イを参照すると、甲1には、「自社の営業資料や顧客事例等の営業コンテンツをアップロード」できることが記載されている。
ウ 上記(1)アの「AIが営業資料や顧客事例等の営業コンテンツを学習し、」との記載、同ウの「1.営業コンテンツをAIが学習。」との記載を参酌すると、甲1には、営業資料や顧客事例等の営業コンテンツを生成AIに学習させることが記載されている。
エ 上記アのとおり、生成AIが想定顧客のペルソナとなるためのプロンプトが当該生成AIに対して与えられていることは、明らかである。
そうすると、甲1には、生成AIが想定顧客に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客プロンプトを生成AIに与えることが記載されているといえる。
オ 上記(1)エの「AIと対話型のトレーニング」と題したイメージは、上記アの「生成AI」を用いて「営業」が行う「営業ロールプレイング」の例であり、「対話型のトレーニング」における「対話」は、「営業」の発言とその発言に対する生成AIからの回答を含むものである。してみると、上記アの情報処理装置は、営業ロールプレイングである対話型のトレーニングにおける営業の発言を受け付け、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力するものといえる。
(3)甲1発明
上記(2)から、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
生成AIを用いて営業が商談ロールプレイングを行うことで、効果的に知識を習得し実践的なトーク力・提案力を身につけることができる情報処理装置であって、(上記(2)ア)
自社の営業資料や顧客事例等の営業コンテンツをアップロードでき、(上記(2)イ)
営業資料や顧客事例等の営業コンテンツを生成AIに学習させ、(上記(2)ウ)
生成AIが想定顧客に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客プロンプトを生成AIに与え、(上記(2)エ)
営業ロールプレイングである対話型のトレーニングにおける営業の発言を受け付け、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力する(上記(2)オ)、
情報処理装置。
2 甲2(How to create AI role-plays for sales training [+ examples])
(1)甲2の摘記
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲2には、次の記載がある。
ア 「
[図:0001431173000003.jpg]
」
(訳:営業チーム向けAIロールプレイを作成するにはどうすればよいでしょうか?
AIロールプレイを作成するということは、ペタバイト単位の通話データを収集したり機械学習を使用したりする必要があるということではありません。
プロセスははるかに簡単です。
バイヤーペルソナを演じて特定の販売ケースに取り組むAIツールにアップロードできるプロンプト(ガイドの後半で概要を説明します)を使って始める必要があります。
作成方法を1つずつ説明しましょう。)
「
[図:0001431173000004.jpg]
」
(訳:ステップ1:Alバイヤーペルソナを準備する
トレーニングを最大限に活用するため、Alバイヤーペルソナを実際のICP(理想的な顧客プロファイル)と一致させてください。
これにより、営業担当者は実践で習得したスキルを見込み客との会話に活かすことができるようになります。
プロンプトには、名前、役職、ペルソナの背景、性格特性を含める必要があります。以下の例を参考にしてください。
「
[図:0001431173000005.jpg]
」
(訳:B2B向けの例
氏名:デイビッド
役職:マーケティング担当副社長
経歴:デイビッドは10年の経験を持つマーケティング専門家で、コンテンツマーケティング部門をゼロから構築し、現職に就いて2年になります。
性格:返答が厳しく、数字や事実を好み、ユーモアを交え、コールドコールによるオファーには概して懐疑的です。
オフライン商品を販売する人の例
名前: トーマス
職種:工場作業員
経歴:トーマスは工場での勤務を終えたばかりです。住宅ローンと車のローンを抱えています。トーマスは家族思いで、2人の子供がいます。
性格:温厚で家族思いです。時々、突拍子もないユーモアを言うこともあります。)
イ 「
[図:0001431173000006.jpg]
」
(訳:最近のOpenAIのアップデートにより、GPTを構築して営業チームとAlロールプレイを練習できるようになりました。以下の手順で、用意されているプロンプトを使って練習スペースを作成することができます。)
「
[図:0001431173000007.jpg]
」
(訳:1) chat.openai.com/gpts/editorにアクセスしてAlロールプレイGPTを作成し、「作成」タブから開始します。)
「
[図:0001431173000008.jpg]
」
(訳:2)先ほど作成したプロンプトを挿入します。必要な構造は次のとおりです。
営業会話の練習をしましょう。
あなたの役割は顧客{氏名}で、あなたは{Alペルソナのプロフィールを記入}です。
ユーザーは{会社名を記入}の営業担当者となり、目標は{ロールプレイの目標を記入}です。
会話の背景は{ロールプレイの背景を記入}です。
目標を達成するために営業担当者は次の手順を完了する必要があります。
{成功の基準を記入}
さらに、会話中に以下の反論を述べます。
{リストを記入}
ユーザーは自己紹介で会話を開始します。それに対して、あなたは{Alバイヤー向けの最初の文章を記入}で応答する必要があります。)
「
[図:0001431173000009.jpg]
」
(訳:完全なプロンプトの例を次に示します。)
「
[図:0001431173000010.jpg]
」
(訳:プロンプトを送信すると、GPTはシナリオを構築し、次のような応答を返します。)
「
[図:0001431173000011.jpg]
」
(訳:3) 「設定」タブに移動し、GPTに名前を付けて写真を追加します。DALL・Eを使用することも、カスタム画像をアップロードすることもできます。)
「
[図:0001431173000012.jpg]
」
(訳:4)準備完了です!GPTでチームとAlロールプレイを行う準備ができました。「保存」をクリックし、「リンクを知っている人のみ」を選択してください。ただし、競合他社や他の人にロールプレイをしてほしくない場合は除きます。)
「
[図:0001431173000013.jpg]
」
(訳:チームとリンクを共有し、Alペルソナを使用して実践に取り組んでもらいます。)
ウ 「
[図:0001431173000014.jpg]
」
(訳:Pitch Monsterは、Alを使用してロールプレイを効率化し、コーチングの基準に合わせたフィードバックを提供するセールストレーニングプラットフォームです。
これにより、コールドコール、ディスカバリー、デモミーティング、カスタムバイヤーペルソナを使用した厳しい質問など、あらゆるセールスコールをシミュレートできます。
・理想的なバイヤーペルソナをAlロールプレイにアップロードし、背景情報を追加して堅牢なディスカバリーを実施し、ロールプレイを成功させるための基準を設定します。個人に送信するか、チーム全員のAlコーチングをカバーします。
Alによって生成されたアバターは、実際の顧客を再現し、トレーニングに没入型の体験を生み出します。)
エ 「
[図:0001431173000015.jpg]
」
(訳:Alセールスのオンボーディングとロールプレイによるトレーニングのガイド要約
要約すると、営業チームや顧客対応チーム向けのAlロールプレイを設計するには、次の手順に従ってください。
1. Alバイヤーペルソナを準備します。名前、役職、経歴、性格特性などを追加します。
2. 担当者が到達しなければならないロールプレイの望ましい最終段階について考えます。
3. ロールプレイの背景を定義します。買い手側の会社で現在何が起こっているか、あるいは電話会議の前にどのような出来事があったか。
4. 目標を達成するための条件を設定します。
5. 異論のリストと、担当者がそれらを理想的にどのように処理すべきかを追加します。
6. AIロールプレイプロンプトをカスタムGPTにアップロードするか、
PitchMonster.ioテクノロジーを活用します。
7. チームを指導して、より多くの取引を獲得しましょう。)
(2)甲2記載の技術的事項
上記(1)で摘記した記載によると、甲2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
ア 上記(1)ウには「Pitch Monsterは、Alを使用してロールプレイを効率化し、コーチングの基準に合わせたフィードバックを提供するセールストレーニングプラットフォームです。」と記載されている。ここで、当該プラットフォームが生成AIを用いること、情報処理装置により提供されることは明らかである。
そうすると、甲2には、生成AIを用いてロールプレイを効率化し、コーチングの基準に合わせたフィードバックを提供するセールストレーニングプラットフォームを提供する情報処理装置が記載されているといえる。
イ 上記(1)イには、「2)」として生成AIがAIバイヤーペルソナとなるためのプロンプトが、
上記(1)ウには、
「・理想的なバイヤーペルソナをAlロールプレイにアップロードし、背景情報を追加して堅牢なディスカバリーを実施し、ロールプレイを成功させるための基準を設定します。」と、
上記(1)エには、
「6. AIロールプレイプロンプトをカスタムGPTにアップロードするか、
PitchMonster.ioテクノロジーを活用します。」と記載されている。
また、上記(1)アには、「トレーニングを最大限に活用するため、Alバイヤーペルソナを実際のICP(理想的な顧客プロファイル)と一致」させる旨が記載されている。
これらの記載によれば、甲2には、生成AIが理想的な顧客プロファイルと一致させられるAIバイヤーペルソナとなるためのAIロールプレイプロンプトをアップロードする手段が記載されているといえる。
ウ 上記(1)イから、営業チームのメンバーとAIバイヤーペルソナが会話しロールプレイに取り組む様子が見て取れる。ここから、甲2は、ロールプレイを進めるための営業の発言を受け付けて生成AIに与え、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力するものと認められる。
(3)甲2発明
上記(2)から、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
生成AIを用いてロールプレイを効率化し、コーチングの基準に合わせたフィードバックを提供するセールストレーニングプラットフォームを提供する情報処理装置であって、(上記(2)ア)
生成AIがAIバイヤーペルソナとなるためのAIロールプレイプロンプトをアップロードする手段を具備し、(上記(2)イ)
ロールプレイを進めるための営業の発言を受け付けて生成AIに与え、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力する(上記(2)ウ)
情報処理装置
3 甲3(ChatGPTで営業のロールプレイングを行う方法とプロンプトを解説!)
(1)甲3の摘記
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲3には、次の記載がある。
「ChatGPTで営業のロールプレイングを行う方法とプロンプトを解説!
・・・
1.ChatGPTに顧客役を演じてもらうロープレ(BtoC編)
このプロンプトは、自分が営業役、ChatGPTが顧客役となり、初対面の顧客との商談でクロージングを目指して提案を行うロールプレイングを行うプロンプトです。
・・・
【 】の箇所を、それぞれご自身に合った内容に変えることで、自分に合ったロープレを行えます。
▼ロープレを作成するプロンプト
以下の内容を忠実に守って、営業のロールプレイングを行ってください。
#私の役割
・【ワンルームマンションの不動産投資】の営業マン。以下「営業マン」という。
#あなたの役割
・営業マンから営業を受ける顧客。営業マンとは初対面。以下「顧客」という。
#顧客の設定
・名前:【高橋敏行】
・年齢:【44】歳
・性別:【男】性
・家族構成:【妻と子供2人】
・性格:【まじめで慎重な性格。保守的。】
・職業:【地方公務員】
・役職:【課長】
・その他:【不動産投資の営業マンには悪い評判も聞くので警戒しています。 】
#営業する商材
・【不動産投資用のワンルームマンション】
#商談の目的
・【ワンルームマンション投資を提案して、購入申込書の記入・捺印をしてもらう】。
#制約条件
・・・
・私が「スタート」と指示してから、あなたは上記の役割を演じてください。
・私が「エンド」と指示するまで、あなたは上記の役割を演じ続けてください。
なお、情報セキュリティの観点で、プロンプトに実際の顧客情報を入力するのは控えましょう。
▼ChatGPTとのロープレのやり取りの結果がこちらです。
[図:0001431173000016.jpg]
・・・」
(2)甲3記載の技術的事項
上記(1)で摘記した記載によると、甲3には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
ア 甲3に記載された「ChatGPTで営業のロールプレイングを行う方法」は、人が情報処理装置(例えば「パソコン」。)に情報を入力し、当該情報処理装置からChatGPTを用いて行うことで実現されるものである。
してみれば、甲3には、ChatGPTで営業のロールプレイングを行う情報処理装置が記載されている。
イ 甲3には、【 】の箇所を、それぞれご自身に合った内容に変えることで、自分が営業役、ChatGPTが顧客役となり、初対面の顧客との商談でクロージングを目指して提案を行うロールプレイングを行うプロンプトが記載されている。また、上記アの情報処理装置が当該プロンプトをChatGPTに与えることは明らかである。
ウ 甲3には、ChatGPTとのロープレのやり取りの結果として、ロールプレイを進めるための自分の発言をChatGPTに与え、当該発言に対応するChatGPTからの回答が出力されることが記載されている。
(3)甲3発明
上記(2)から、甲3には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
ChatGPTで営業のロールプレイングを行う情報処理装置であって、(上記(2)ア)
【 】の箇所を、それぞれご自身に合った内容に変えることで、自分が営業役、ChatGPTが顧客役となり、初対面の顧客との商談でクロージングを目指して提案を行うロールプレイングを行うプロンプトをChatGPTに与え、(上記(2)イ)
ロールプレイを進めるための自分の発言をChatGPTに与え、当該発言に対応するChatGPTからの回答が出力される(上記(2)ウ)
情報処理装置。
4 甲4(米国特許出願公開2023/0351118号明細書)
(1)甲4の摘記
本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲4には、次の記載がある。
「[0029] The platform may include integration interfaces, such as application programming interfaces (APIs), allowing external applications to use the AI character model. The AI character models generated by the platform can be used in game applications, virtual events and conversations, corporate training, and so on.」
(当審訳:プラットフォームは、外部アプリケーションがAIキャラクタモデルを利用することを可能にするアプリケーションプログラミングインターフェース(API)などの統合インターフェースを含むことができる。プラットフォームによって生成されたAIキャラクタモデルは、ゲームアプリケーション、バーチャルイベントおよび会話、企業研修などに使用することができる。)
「[0031] In an example embodiment, the language model may include a LLM. The LLMs utilized by the AI character model in conversations with the users for generation of responses to messages of the user usually do not take into consideration the context associated with the conversation. The systems and methods of the present disclosure add context to parameters used by the LLMs for analyzing and generating conversations. The context may include additional data related to the conversation, such as an intent of a dialog, an emotional state of the user, a change of an emotional state of the user, an emotional state of the AI character model, parameters of a scene associated with the AI character model, and so forth. In an example embodiment, the context can be determined based on third party data. For example, if participants of the conversation talk about the weather, the weather data can be pulled to the LLM from a third-party weather service. In an example embodiment, the context may be provided in the form of a natural language description of the conversation, e.g., “This is a conversation between Darth Vader and Luke Skywalker.” In another example embodiment, if a conversation is a conversation between a customer and an AI agent that intends to sell a product to the customer, this context (i.e., the fact that the AI agent intends to sell the product) may be added to the parameters used by the LLMs for analyzing and generating conversations. For example, the context may be as follows: “an agent wants to sell product X to customers.”」
(当審訳:一実施形態において、言語モデルはLLMを含むことができる。ユーザのメッセージに対する応答を生成するためにAIキャラクタモデルがユーザとの会話において利用するLLMは、通常、会話に関連するコンテキストを考慮しない。本開示のシステムおよび方法は、会話を分析し生成するためにLLMが使用するパラメータにコンテキストを追加する。コンテキストは、対話の意図、ユーザの感情状態、ユーザの感情状態の変化、AIキャラクタモデルの感情状態、AIキャラクタモデルに関連するシーンのパラメータなど、会話に関連する追加データを含むことができる。一実施形態において、コンテキストは第三者データに基づいて決定することができる。例えば、会話の参加者が天気について話している場合、天気データは第三者の天気サービスからLLMに取り込むことができる。一実施形態において、コンテキストは「これはダース・ベイダーとルーク・スカイウォーカーの間の会話である」など、会話の自然言語記述の形で提供することができる。別の実施形態において、会話が顧客と製品を販売する意図を持つAIエージェントとの間の会話である場合、このコンテキスト(すなわち、AIエージェントが製品を販売する意図を持つという事実)は、会話を分析し生成するためにLLMが使用するパラメータに追加することができる。例えば、コンテキストは「エージェントは製品Xを顧客に販売したいと考えている」となることができる。)
「[0032] In the system of the present disclosure, the context is considered by the LLM in generation of responses at each step of the conversation. The context may include a plurality of events that may be happening in the virtual environment in parallel to the conversation and a plurality of parameters associated with the virtual environment that may change during the conversation. Specifically, the LLM can be biased towards particular outcomes by controlling the statistical likelihood of the outcomes, which can be basically performed by controlling inputs. Therefore, the system of the present disclosure generates context data and feeds the context data to the LLM at each step of the conversation to make the LLM and, therefore, the conversation, goal-driven and context-aware.」
(当審訳:本開示のシステムにおいて、コンテキストは会話の各ステップにおける応答生成においてLLMによって考慮される。コンテキストは、会話と並行して仮想環境で発生し得る複数のイベントおよび会話中に変化し得る仮想環境に関連する複数のパラメータを含むことができる。具体的には、LLMは入力を制御することによって結果の統計的な発生可能性を制御し、特定の結果にバイアスをかけることができる。したがって、本開示のシステムはコンテキストデータを生成し、会話の各ステップでそのコンテキストデータをLLMに供給することによって、LLMおよびしたがって会話を目的指向かつコンテキスト認識にする。)
「[0050] The language model 304 can be based on a LLM. The LLM is a machine learning algorithm that can recognize, predict, and generate human languages on the basis of very large text-based data sets. The language model 304 may form a request for the LLM, receive a response from the LLM, and process the response from the LLM to form a response to voice messages of the user. The request for the LLM can include classification and adjustment of the text requests from the integration interface 206, according to the current scene, environmental parameters, an emotional state of the AI character, an emotional state of the user, and current context of the conversation with the user. Processing of the response from the LLM may include filtering of the response to exclude unwanted words, verifying relevancy of the response, changing the words in the response, and adding fillers to phrases according to the personality of AI characters. In other embodiments, the language model 304 may also retrieve data from available sources, such as Wikipedia(R) or Game Wikipedia(R), to generate the response.」
(当審訳:言語モデル304はLLMに基づくことができる。LLMは、非常に大規模なテキストベースのデータセットに基づいて人間の言語を認識、予測、および生成することができる機械学習アルゴリズムである。言語モデル304は、LLMへの要求を形成し、LLMからの応答を受信し、LLMからの応答を処理してユーザの音声メッセージへの応答を形成することができる。LLMへの要求は、現在のシーン、環境パラメータ、AIキャラクタの感情状態、ユーザの感情状態、およびユーザとの会話の現在のコンテキストに従って、統合インターフェース206からのテキスト要求の分類および調整を含むことができる。LLMからの応答の処理は、不要な単語を除外するための応答のフィルタリング、応答の関連性の検証、応答内の単語の変更、およびAIキャラクタの個性に従ったフレーズへのフィラーの追加を含むことができる。他の実施形態において、言語モデル304は、Wikipedia(R)やGame Wikipedia(R)などの利用可能な情報源からデータを取得して応答を生成することもできる。)
(2)甲4記載の技術的事項
上記(1)で摘記した記載によると、甲2には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
会話の各ステップでそのコンテキストデータをLLMに供給することによって、LLMおよびしたがって会話を目的指向かつコンテキスト認識にすることができ、([0032])
コンテキストは、「エージェントは製品Xを顧客に販売したいと考えている」や、「これはダース・ベイダーとルーク・スカイウォーカーの間の会話である」などでよく、([0031])
言語モデルは、Wikipedia(R)やGame Wikipedia(R)などの利用可能な情報源からデータを取得して応答を生成することもできる([0050])
情報処理装置。
5 甲5(Customer-facing teams sell better after AI training with us!)
(1)甲5の摘記
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲5には、次の記載がある。
ア 「
[図:0001431173000017.jpg]
」
(訳:弊社のAlトレーニングを受けた顧客対応チームの売上は向上します。
Alを活用したリアルな営業トレーニングで、あらゆる会話をロールプレイできます。売上を伸ばし、トレーニングの効果を高め、生産性を向上させます。)
イ 「
[図:0001431173000018.jpg]
」
(訳:パーソナライズされたAlロールプレイを簡単に構築するには、テンプレートライブラリを使用するか、独自のものをカスタマイズします。
販売テンプレート サーピステンプレート 人事テンプレート
学習テンプレート マーケティングテンブレート 自分だけのカスタマイズ)
ウ 「
[図:0001431173000019.jpg]
」
(訳:無料のAIロールプレイを試す
B2Bディスカバリーコール
この簡単にパーソナライズできるシミュレーションで、あなたのソリューションを販売するトレーニングをしましょう。
もっと体験する
さまざまな体験を試してみましょう。所要時間はわずか3分です。)
エ 「
[図:0001431173000020.jpg]
」
(訳:あらゆる種類のコンテンツを簡単にロードして、カスタマイズされたセールスAlロールプレイを生成します。
あらゆるチームにあらゆる会話を練習させ、あらゆるテーマについてトレーニングさせ、ガイドラインに一致するフィードバックをもらいます。
Webサイト セールスデッキ
録音された通話 セールスプレイブック
トレーニングビデオ ヘルプマニュアル
パワーポイント ナレッジ記事)
オ 「
[図:0001431173000021.jpg]
」
(訳:AIトレーニングアバターの紹介
営業チームのトレーニングにだれを参加させたいかを選択するか、独自のチームを作成してください。)
カ 「
[図:0001431173000022.jpg]
」
(訳:SecondNatureの営業トレーニングソフトウェアで、営業トレーニングをスケールアップしましょう。会話型Alを活用した「パーチャルピッチパートナー」が、営業担当者と実際に話し合い、スコアリングを行い、営業担当者が自主的にスキルアップできるようサポートします。これにより、営業担当者はあらゆる営業コールで成功できるようになります。)
(2)甲5記載の技術的事項
上記(1)で摘記した記載によると、甲5には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
ア 上記(1)アには、
「Alを活用したリアルな営業トレーニングで、あらゆる会話をロールプレイできます。」と、
同カには、
「SecondNatureの営業トレーニングソフトウェアで、営業トレーニングをスケールアップしましょう。会話型Alを活用した「パーチャルピッチパートナー」が、・・・営業担当者が自主的にスキルアップできるようサポートします。」
と記載されている。ここで、当該ソフトウェアが生成AIを用いること、情報処理装置により提供されることは明らかである。
そうすると、甲5には、生成AIを用いてリアルな営業トレーニングであらゆる会話をロールプレイでき、営業担当者が自主的にスキルアップできるようサポートする情報処理装置が記載されているといえる。
イ 上記(1)エには、
「あらゆる種類のコンテンツを簡単にロードして、カスタマイズされたセールスAlロールプレイを生成します。」
と記載されており、コンテンツの具体例として「セールスデッキ」等が記載されている。
してみれば、甲5には、セールスデッキ等をロードして、カスタマイズされたセールスAlロールプレイを生成することが記載されている。
ウ 上記(1)アには、
「Alを活用したリアルな営業トレーニングで、あらゆる会話をロールプレイできます。」と、
同カには、
「会話型Alを活用した「パーチャルピッチパートナー」が、営業担当者と実際に話し合い、・・・」と記載されている。
これらの記載から、甲5は、ロールプレイを進めるための営業担当者の発言を受け付けて生成AIに与え、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力するものと認められる。
(3)甲5発明
上記(2)から、甲5には、次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
生成AIを用いてリアルな営業トレーニングであらゆる会話をロールプレイでき、営業担当者が自主的にスキルアップできるようサポートする情報処理装置であって、(上記(2)ア)
セールスデッキ等をロードして、カスタマイズされたセールスAlロールプレイを生成し、(上記(2)イ)
ロールプレイを進めるための営業担当者の発言を受け付けて生成AIに与え、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力する(上記(2)ウ)
情報処理装置
第5 当審における判断
1 申立理由1(甲1に基づく進歩性欠如)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
(ア)本件特許発明1と甲1とを対比する。
a 「生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置」について
甲1発明の「商談ロールプレイング」は、本件特許発明1の「ロールプレイ」に相当する。
甲1発明は、「営業が商談ロールプレイングを行うことで、効果的に知識を習得し実践的なトーク力・提案力を身につけることができる」ものであって、営業のロールプレイを支援するものといえるから、本件特許発明1と甲1発明は、「生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置」である点で共通する。
b 「動作部」について
(a)甲1発明の「自社の営業資料や顧客事例等の営業コンテンツ」における、自社の顧客は、本件特許発明1の「営業相手先」に相当する。また、甲1発明の、自社の顧客事例等には、顧客固有の情報を含んでいるのは明らかであるから、「営業相手先の固有情報」に相当する。
また、甲1発明は、「営業資料や顧客事例等の営業コンテンツを生成AIに学習させ」るものであって、学習にあたっては、顧客事例等の営業コンテンツ(営業相手先の固有情報)を生成AIに与えるといえる。そうすると、本件特許発明1と、甲1発明は、営業相手先の固有情報を、生成AIに与える手段を具備する点で共通する。
(b)甲1発明の「想定顧客」は、営業の相手先であるから、「営業相手先」と称し得るものである。
してみれば、甲1発明の「生成AIが想定顧客に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客プロンプトを生成AIに与え」るとの構成に関し、本件特許発明1と甲1発明は、「前記生成AIが営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段」を具備する点で共通する。
(c)以上のことから、本件特許発明1と甲1発明は、
営業相手先の固有情報を生成AIに与える手段と、
前記生成AIが営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段と、を具備する
点で共通し、下記相違点1-2及び相違点1-3において相違する。
c 「前記入力受付部は、・・・対応する前記回答を出力する」について
甲1発明の「営業ロールプレイングである対話型のトレーニングにおける営業の発言」は、本件特許発明1の「ロールプレイを進める入力である訓練入力」に相当する。また、甲1発明の「当該発言に対応する生成AIからの回答」は、本件特許発明1の「前記訓練入力に対応する回答」に相当する。
そして、甲1発明において、「営業ロールプレイングである対話型のトレーニングにおける営業の発言を受け付け、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力する」との機能を実現するにあたり、
1)ロールプレイを進める入力である訓練入力を受け付ける手段(すなわち「入力受付部」)、
2)前記訓練入力を生成AIに与える手段、
3)前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得する手段(すなわち「回答取得部」)、
4)取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する手段(すなわち「回答出力部」)
が必要なのは明らかである。
以上のことから、本件特許発明1と甲1発明は、
入力情報を受け付ける入力受付部と、
前記生成AIから回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を出力する回答出力部とを具備し、
前記入力受付部は、
ロールプレイを進める入力である訓練入力を受け付け、
前記顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段は、
前記訓練入力を前記生成AIに与え、
前記回答取得部は、
前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得し、
前記回答出力部は、
前記回答取得部が取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する点で共通し、下記相違点1-1~1-4において相違する。
(イ)以上のことから、本件特許発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置であって、
入力情報を受け付ける入力受付部と、
営業相手先の固有情報を生成AIに与える手段と、前記生成AIが営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段と、
前記生成AIから回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を出力する回答出力部とを具備し、
前記入力受付部は、
ロールプレイを進める入力である訓練入力を受け付け、
前記顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段は、
前記訓練入力を前記生成AIに与え、
前記回答取得部は、
前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得し、
前記回答出力部は、
前記回答取得部が取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する情報処理装置。
<相違点1-1>
「入力受付部」に関し、本件特許発明1においては「営業相手先を特定する相手識別情報を含む入力情報」を受け付けるのに対し、甲1発明は、入力情報を受け付けるものの、当該入力情報は「営業相手先を特定する相手識別情報を含む」ものではない点。
<相違点1-2>
「動作部」に関し、本件特許発明1は、「前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に基づく前記営業相手先の固有情報を、2以上の各相手識別情報に対応付く固有情報を有する相手先情報を格納する営業管理データベースから取得」するのに対し、甲1発明は、そのようなものではない点。
<相違点1-3>
「動作部」に関し、本件特許発明1は、「当該固有情報を生成AIに与え、前記生成AIが前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える」のに対し、
甲1発明は、
「固有情報を生成AIに与える手段」と、
「前記生成AIが営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える手段」を備えるものの、
甲1発明における「固有情報を生成AIに与える手段」は、生成AIの学習のためのものであって、本件特許発明1のような、特定の営業相手先に対応する固有情報(当該固有情報)と顧客ペルソナプロンプト(前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプト)を生成AIに与えるためのものではなく、また、生成AIが与えられたプロンプトに応じたペルソナになるための手段でないもの(生成AIの学習のための手段)を含み、1つの「動作部」とはいえない点。
<相違点1-4>
本件特許発明1の「回答取得部」は、「前記顧客ペルソナプロンプトに対応する回答を取得する」するものでもあり、「入力受付部」は、当該「回答を出力した後に、ロールプレイを進める入力である訓練入力をさらに受け付け」るものであるのに対し、甲1発明がそのようなものか否か不明な点。
イ 判断
(ア)事案に鑑み、上記相違点1-1及び相違点1-3について検討する。
上記甲1~甲5には、上記第4の1~5のとおりの事項が記載されているものの、少なくとも、生成AIを特定の営業相手先に対応させること、具体的には、「入力受付部」が「営業相手先を特定する相手識別情報を含む入力情報を受け付け」る点(相違点1-1)、及び、「動作部」が「前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に基づく前記営業相手先の固有情報」を生成AIに与えるとともに、「前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える」点(相違点1-3)については、甲1~甲5のいずれにも記載されておらず、甲1発明及び甲2~甲5記載の事項に基づいてそのような構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
特に、上記相違点1-3について、甲1発明は「固有情報を生成AIに与える手段」を具備するものであって、本件特許発明1の「当該固有情報を生成AIに与え、前記生成AIが前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える動作部」を備える必要がないから、甲1発明を、相違点1-3に係る構成とすることは、動機付けを欠くといわざるを得ない。
そして、上記相違点に係る構成とすることで、「データ管理装置から取得した営業相手先の固有情報を生成AIに与えることにより、実際の営業体験に近い営業ロールプレイを実現できる」(【0006】)との格別顕著な作用効果を奏するものである。
(イ)なお、特許異議申立人は、特許異議申立書(51頁~52頁)において、本件特許発明1と甲1発明~甲3発明とを対比すると、本件特許発明1は「2以上の各相手識別情報に対応付く固有情報を有する相手先情報を格納する営業管理データベースから取得」するのに対して、甲1発明~甲3発明のいずれにおいてもどのように取得されるのか不明である点で相違するものの、当該構成は設計的事項、又は、甲4発明若しくは甲5発明を組み合わせることで容易に想到し得る旨主張している。
しかしながら、当該構成について検討するまでもなく、上記(ア)で検討したとおり、甲1発明及び甲2~甲5記載の事項に基づいて本件特許発明1の構成とすることは当業者が容易に想到し得たものではないから、特許異議申立人の主張は採用できない。
ウ 小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件特許発明2~13について
請求項2~13は請求項1を引用するから、本件特許発明2~13は、いずれも上記(1)ア(イ)に示した相違点に係る構成を有する。したがって、上記(1)に示したのと同様の理由により、本件特許発明2~13は、甲1発明及び甲2~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由1についてのまとめ
以上のとおり、本件特許発明1~13は、甲1発明及び甲2~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。
2 申立理由2(甲2に基づく進歩性欠如)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
(ア)本件特許発明1と甲2とを対比する。
a 「生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置」について
甲2発明の「ロールプレイ」は、本件特許発明1の「ロールプレイ」に相当する。
甲2発明は、「生成AIを用いてロールプレイを効率化し、コーチングの基準に合わせたフィードバックを提供するセールストレーニングプラットフォームを提供する」ものであって、営業のロールプレイを支援するものといえるから、本件特許発明1と甲2発明は、「生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置」である点で共通する。
b 「動作部」について
甲2発明の「AIバイヤーペルソナとなるためのAIロールプレイプロンプト」は、AIを想定される顧客とするためのものといえるから、本件特許発明1の「顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプト」に相当する。
甲2発明において「プロンプトをアップロードする」ことにより、プロンプトを生成AIに与えていることは明らかである。
してみれば、甲2発明の「生成AIがAIバイヤーペルソナとなるためのAIロールプレイプロンプトをアップロードする手段」との構成に関し、本件特許発明1と甲2発明は、「前記生成AIが顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える動作部」を具備する点で共通し、下記相違点において相違する。
c 「前記入力受付部は、・・・対応する前記回答を出力する」について
甲2発明の「ロールプレイを進めるための営業の発言」は、本件特許発明1の「ロールプレイを進める入力である訓練入力」に相当する。また、甲2発明の「当該発言に対応する生成AIからの回答」は、本件特許発明1の「前記訓練入力に対応する回答」に相当する。
そして、甲2発明において、「ロールプレイを進めるための営業の発言を受け付けて生成AIに与え、当該発言に対応する生成AIからの回答を出力する」との機能を実現するにあたり、
1)ロールプレイを進める入力である訓練入力を受け付ける手段(すなわち「入力受付部」)、
2)前記訓練入力を生成AIに与える手段(すなわち「動作部」)、
3)前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得する手段(すなわち「回答取得部」)、
4)取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する手段(すなわち「回答出力部」)
が必要なのは明らかである。
以上のことから、本件特許発明1と甲2発明は、
入力情報を受け付ける入力受付部と、
前記生成AIから回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を出力する回答出力部とを具備し、
前記入力受付部は、
ロールプレイを進める入力である訓練入力を受け付け、
前記動作部は、
前記訓練入力を前記生成AIに与え、
前記回答取得部は、
前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得し、
前記回答出力部は、
前記回答取得部が取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する点で共通し、下記相違点において相違する。
(イ)以上のことから、本件特許発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
生成AIを用いて営業のロールプレイを支援する情報処理装置であって、
入力情報を受け付ける入力受付部と、
前記生成AIが顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える動作部と、
前記生成AIから回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を出力する回答出力部とを具備し、
前記入力受付部は、
ロールプレイを進める入力である訓練入力をさらに受け付け、
前記動作部は、
前記訓練入力を前記生成AIに与え、
前記回答取得部は、
前記生成AIから前記訓練入力に対応する回答を取得し、
前記回答出力部は、
前記回答取得部が取得した前記訓練入力に対応する前記回答を出力する情報処理装置。
<相違点2-1>
「入力受付部」に関し、本件特許発明1においては「営業相手先を特定する相手識別情報を含む入力情報」を受け付けるのに対し、甲2発明は、入力情報を受け付けるものの、当該入力情報は「営業相手先を特定する相手識別情報を含む」ものではない点。
<相違点2-2>
「動作部」に関し、本件特許発明1は、「前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に基づく前記営業相手先の固有情報を、2以上の各相手識別情報に対応付く固有情報を有する相手先情報を格納する営業管理データベースから取得」するのに対し、甲2発明は、そのようなものではない点。
<相違点2-3>
「動作部」に関し、本件特許発明1は、「当該固有情報を生成AIに与え、前記生成AIが前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える」のに対し、甲2発明は、「顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える」ものの、当該「顧客ペルソナ」は、「前記営業相手先に対応するペルソナ」ではなく、「当該固有情報を生成AIに与え」るものではない点。
<相違点2-4>
本件特許発明1の「回答取得部」は、「前記顧客ペルソナプロンプトに対応する回答を取得する」するものでもあり、「入力受付部」は、当該「回答を出力した後に、ロールプレイを進める入力である訓練入力をさらに受け付け」るものであるのに対し、甲1発明がそのようなものか否か不明な点。
イ 判断
事案に鑑み、上記相違点2-1及び相違点2-3について検討する。
甲2発明における顧客ペルソナは、「理想的な顧客プロファイル」と一致させられるペルソナであり、いうなれば、「コールドコール、ディスカバリー、デモミーティング、カスタムバイヤーペルソナを使用した厳しい質問など」の「あらゆるセールスコール」の「シミュレート」によるトレーニングに適した架空の顧客であることを要する。このことを踏まえれば、甲2発明のペルソナを実在する営業相手先のペルソナとすることが動機付けられるとはいえない。
さらに、上記甲1~5には、上記第4の1~5のとおりの事項が記載されているものの、少なくとも、生成AIを特定の営業相手先に対応させること、具体的には、「入力受付部」が「営業相手先を特定する相手識別情報を含む入力情報を受け付け」る点(相違点2-1)、及び、「動作部」が「前記入力受付部が受け付けた前記相手識別情報に基づく前記営業相手先の固有情報」を生成AIに与えるとともに、「前記営業相手先に対応するペルソナである顧客ペルソナとなるためのプロンプトである顧客ペルソナプロンプトを前記生成AIに与える」点(相違点2-3)については、甲1~甲5のいずれにも記載されていない。
してみると、相違点2-1及び相違点2-3を克服する動機付けがなく、副引例となる証拠もないことから、甲2発明及び甲1、甲3~甲5記載の事項に基づいてそのような構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
そして、上記相違点に係る構成とすることで、「データ管理装置から取得した営業相手先の固有情報を生成AIに与えることにより、実際の営業体験に近い営業ロールプレイを実現できる」(【0006】)との格別顕著な作用効果を奏するものである。
ウ 小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲2発明及び甲1、甲3~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件特許発明2~13について
請求項2~13は請求項1を引用するから、本件特許発明2~13は、いずれも上記(1)ア(イ)に示した相違点に係る構成を有する。したがって、上記(1)に示したのと同様の理由により、本件特許発明2~13は、甲2発明及び甲1、甲3~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由2についてのまとめ
以上のとおり、本件特許発明1~13は、甲2発明及び甲1、甲3~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。
3 申立理由3(甲3に基づく進歩性欠如)について
(1)本件特許発明1と甲3発明を対比すると、少なくとも、上記(1)ア(イ)の相違点1-1及び相違点1-3において相違する。
そして、甲3発明のペルソナを実在する営業相手先のペルソナとすることが動機付けられるとはいえないし、甲1、甲2、甲4、甲5には、上記第4のとおりの事項が記載されているものの、上記相違点1-1及び相違点1-3に関する構成については記載されていないから、甲1~甲5記載事項に基づいて当該相違点1-1及び相違点1-3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。
また、当該相違点1-1及び相違点1-3の構成とすることで、上記1(1)イで検討したとおり、格別顕著な作用効果を奏するものである。
(2)また、請求項2~13は請求項1を引用するから、本件特許発明2~13も同様の理由により、甲1~甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)したがって、本件特許発明1~13は、甲3発明及び甲1、甲2、甲4、甲5に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び特許異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700909