特許異議申立
2025-700134
光照射装置
- 審判番号
- 2025-700134
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-062299
- 登録番号
- 7525434
- 請求日
- 2025年01月29日
- 審決日
- 2025年05月12日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】HOYA株式会社
- 【権利者代理人】荒木 佳幸
- 【異議申立人】清水 真美子
- 審判長/審判官
- 審判長 波多江 進
- 審判官 東松 修太郎
- 審判官 野村 伸雄
- 分類
- P1652.121-Y (G03F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7525434号発明「光照射装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7525434号の請求項1~2、5~7、10~11に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7525434号(以下「本件特許」という。)の請求項1~11に係る特許についての出願は、令和3年3月31日の出願であって、令和6年7月22日にその特許権の設定登録がされ、令和6年7月30日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての主な経緯は、次のとおりである。
令和 7年 1月29日 :特許異議申立人清水真美子(以下「申立
人」という。)による請求項1~2、5~
7、10~11に係る特許に対する特許異
議の申立て
第2 本件発明
本件特許の請求項1~2、5~7、10~11に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」等という。)は、次に示す特許請求の範囲の請求項1~2、5~7、10~11に記載された事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
照射面上に、第1方向に延び、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に所定の線幅を有するライン状の光を照射する光照射装置であって、
前記第1方向と前記第2方向とで規定される基板と、前記基板の表面に前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に配置され、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記光を出射する複数の光源と、を有する光源部と、
前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に立設する複数の放熱フィンを有し、前記基板の裏面側に熱的に結合された放熱部と、
少なくとも前記放熱部を収容すると共に、前記放熱フィンを冷却する冷却風が流れる風洞を形成する筐体と、
前記風洞内に、前記第3方向又は前記第3方向と相反する方向に前記冷却風を生成する冷却ファンと、
を備え、
前記筐体の前記第2方向に対向する側面の少なくとも一方は、前記冷却風が前記複数の放熱フィン間を通って外部に排気される、又は外部から前記複数の放熱フィン間を通って吸気されるように形成された通気口を有し、
前記通気口の開口の総面積をAとし、前記通気口の前記第3方向の高さをhとし、前記複数の放熱フィンの前記第3方向の高さをHとし、前記複数の放熱フィンが形成されている前記第1方向の幅をWとし、前記各放熱フィンの前記第1方向の厚さをtとし、前記複数の放熱フィンの枚数をnとしたときに、以下の条件式(1)、(2)を満たすことを特徴とする光照射装置。
A>H×(W-(t×n)) ・・・ (1)
h>H ・・・ (2)
【請求項2】
前記通気口が、前記第3方向に沿ってz個(zは2以上の整数)、前記第1方向に沿ってx列(xは2以上の整数)の態様で形成された複数の貫通孔によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。」
「【請求項5】
前記複数の貫通孔の少なくとも一部が、前記複数の放熱フィンと対向して配置されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項6】
前記複数の貫通孔の少なくとも一部と対向するように配置され、前記複数の貫通孔から吸気された空気を前記複数の放熱フィンに導く、又は前記複数の放熱フィンから排気された空気を前記複数の貫通孔に導く導風板を備えることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項7】
前記複数の光源の前記第1方向のピッチが、複数の放熱フィンの前記第1方向のピッチ以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光照射装置。」
「【請求項10】
前記通気口を塞ぐように配置され、インキミストを吸着するフィルタを備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項11】
前記光が、紫外線硬化型樹脂に作用する波長を含む光であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光照射装置。」
第3 申立理由の概要
申立人は、主たる証拠として甲第1号証を提出し、さらに、従たる証拠として甲第2~7号証を提出した上で、請求項1~2、5~7、10~11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるため、同法第113条第2号により取り消されるべきである旨主張している(以下、証拠番号を表記する際は「第」及び「号証」を略する。)。
甲1:特開2018-134815号公報
甲2:特開2020-155359号公報
甲3:特開2000-277955号公報
甲4:特開2019-153375号公報
甲5:特開2017-126534号公報
甲6:特開2017-153166号公報
甲7:特開2015―149415号公報
第4 文献の記載
1 甲1に記載された事項及び甲1発明の認定
(1) 甲1に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲1には、以下の事項が記載されている(下線は、当合議体で付与したものである。以下同じ。)。
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光照射装置の光源および周辺機器が1つの筐体内に収められると、たとえば、冷却ファンの空気が流れる方向に駆動部、ヒートシンク、光源が配列されることになって、筐体の長さが大きくなり、小型化の妨げとなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る光照射装置は、光を出射する光源と、光源に接合されたヒートシンクと、光源を駆動する駆動部と、送風可能な送風部と、光源、ヒートシンク、駆動部および送風部を収納し、外気の出入口となる第1通気口および第2通気口を有する筐体と、を備え、ヒートシンクと駆動部とが、光源による光の出射方向と垂直な方向に重なって位置していることを特徴とする。」
「【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態に係る光照射装置によれば、ヒートシンクと駆動部とが、前記光源による光の出射方向と垂直な方向に重なって位置しているため、筐体の高さを小さくすることができるので、光照射装置の小型化を実現することができる。」
「【0012】
以下、本発明の各実施形態に係る光照射装置および印刷装置について、図面を用いて説明する。
<第1実施形態の光照射装置>
図1は、第1実施形態の光照射装置を示す断面図である。なお、以下の説明に用いられる「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を表す用語は、単に説明の明瞭化を目的とするものであり、光照射装置および印刷装置の動作原理を何ら限定するものではない。光照射装置1は、筐体10内に光源20、ヒートシンク30、光源20を駆動する駆動部である駆動基板40および送風可能な送風部である冷却ファン50を収納して構成されている。
【0013】
筐体10は、光照射装置1の外囲を構成するものであり、金属やプラスティックなどを用いて形成されている。たとえば、光源20が下向きに出射する場合、上下方向は150mm程度であり、図1の左右方向は100mm程度である。また、奥行き方向は80mm程度である。たとえば、光照射装置1を印字ヘッドの幅が印字媒体の幅分あるラインプリンタのような印刷装置に適用する場合、光照射装置1の奥行き方向の長さを、印刷媒体の幅とほぼ同じ幅に設定してもよい。
【0014】
光源20からの光を外部に出射するための光出射窓18が筐体10の下壁10bに設けられている。光出射窓18はガラスなどの光源20からの光を透過する材料を用いることができる。筐体10の内部の空間は、仕切部11によって第1空間12と第2空間13に分けられている。たとえば、仕切部11は、筐体10の上壁10aから下壁10b側に向かって延びる側板11a、上壁10aと下壁10bとの間の折曲部11bで折曲げられて筐体10の側壁10cに向かって延びる横板11cから構成されている。図1において、側板11aの左側であって、横板11cの上側が第1空間12であり、横板11cの下側および側板11aの右側が第2空間13である。横板11cは、内部通気口11eを開口した開口部11dを備えている。内部通気口11eによって、第1空間12と第2空間13は連通している。このように、仕切部11は、第1空間12と第2空間13との通気を遮る遮蔽部である側板11aおよび横板11cと、第1空間12と第2空間13とを通気可能にする内部通気口11eを備えている。
【0015】
第1空間12の上部において、筐体10の上壁10aから連続して設けられている、傾斜壁10eには、第1通気口14が設けられている。また、第2空間13の上部の筐体10の上壁10aには第2通気口15が設けられている。第1空間12と外部空間とは第1通気口14を介して連通している。また、第2空間13と外部空間とは第2通気口15を介して連通している。すなわち、筐体は、第1通気口14と第2通気口15とを有し、第1空間12は第1通気口14に連続し、第2空間13は第2通気口15に連続し、筐体の仕切部11は、第1空間12と第2空間13とを通気可能に仕切っている。
【0016】
また、第1通気口14および第2通気口15にはフィルタを取付けることができる。たとえば、第1通気口14にはフィルタ17aが取付けられており、第2通気口15にはフィルタ17bが取付けられている。フィルタ17a、17bとしては、スポンジや不織布を用いることができる。フィルタ17a、17bは、外気の塵やほこりの筐体10内への侵入を防ぎ、ヒートシンク30や駆動基板40に塵やほこりが堆積することによって光源20や駆動基板40の放熱性能が低下することを防ぐことができるので、光照射装置1の信頼性を向上させることができる。また、第1通気口14および第2通気口15周辺の外気の空気の流れを緩やかにすることができる。また、冷却ファン50の動作音を吸収して光照射装置1から発生する冷却ファン50の騒音を緩和することができる。
【0017】
さらに、第1通気口14は、光源20による光の出射方向に対して傾斜して配設されている。たとえば、第1通気口14が配設されている筐体10の、傾斜壁10eは、第2通気口15および第2空間13から離れる方向に傾いており、いずれかの通気口から排気された空気が直ちに他方の通気口を通って筐体10内を循環するような流れの発生を抑制することができる。
【0018】
仕切部11の横板11cの開口部11dに開口された内部通気口11e上に送風部である冷却ファン50が載置されて固定されている。冷却ファン50は、内部通気口11e内にあって一体的に構成されてもよい。また、冷却ファン50は、横板11cの開口部11dの下面である内部通気口11eの下に吊り下げられるように設置されていてもよい。このように内部通気口11eと一体的あるは隣接して送風部を設けることによって、送風部を筐体10内に固定するための部品を別途用意することなく、内部通気口11eに冷却ファン50を設置できるので、部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0019】
筐体10内の光出射窓18近傍に光源20が設けられている、光源20としては、たとえば中間部材である光源配設用基板21上に発光ダイオードを縦横に複数個配設したものを用いることができる。光源20に用いる発光ダイオードとしては、たとえば、紫外線を照射する発光ダイオードとしては、たとえば、GaN系の発光ダイオードを用いることができる。また、赤外線を照射する発光ダイオードとしては、たとえば、光源20に赤外線を発するGaAs系の発光ダイオードを用いることができる。このように、光源20の種類は使用される波長によって適宜選択できる。光源配設用基板21としては、たとえば、板状のセラミックに配線パターンを形成したセラミック基板を用いることができる。セラミック基板は、耐熱性があるので、発熱する発光ダイオードが集積された光源20の光源配設用基板21として好適である。
【0020】
駆動部である駆動基板40は、筐体10の側壁10dに沿って、筐体10内の側壁10dと、仕切部11の側板11aとの間の第2空間13に配設されている。すなわち、駆動部は、第2空間13に位置するとともに、第1通気口14と駆動部との間に遮蔽部の少なくとも一部が位置している。駆動基板40上には、光源20に電力を供給するための駆動回路が配設されている。駆動基板40は、コネクタ41によって、光源配設用基板21から延びたケーブル22と接続している。また、駆動基板40上に配設されたコネクタ42にはケーブル43が接続され、駆動基板40への電力の供給および制御信号の授受ができるように構成されている。
【0021】
駆動基板40は、光源配設用基板21に載置された光源20の駆動および制御を行う。また、駆動基板40は、冷却ファン50を駆動する。光源20の発熱状況に応じ、冷却ファン50の回転数を制御しても良い。また、特に高温になりやすいパワートランジスタなどの電子部品にヒートシンクを取付けてもよい。また、駆動基板40の高温になりやすい部分に気流が集中するように、側板11aに溝やフィンなどの構造を有する形状にしてもよい。
【0022】
図2は、光照射装置1に用いられるヒートシンク30、光源配設用基板21および光源20を示す平面図である。図2(a)は、ヒートシンク30の上方から見た平面図であり、図2(b)は、光源20側から見た平面図である。また、図3は、光照射装置1に用いられる冷却ファン50、ヒートシンク30、光源配設用基板21および光源20を示す側面図である。筐体や仕切部は省略されている。光源20と冷却ファン50との間にヒートシンク30が配設されている。ヒートシンク30はアルミニウムや銅等の熱伝導性のよい金属から形成されている。ヒートシンク30としては、アルミニウムや銅等の直方体状の金属ブロックを切削して、多数の溝を設けて表面積を増やしたものや、アルミニウムや銅の金属平板に、多数のアルミニウムや銅の薄板を取付けて、各薄板の間を気流が通過できるようにしたものを用いることができる。
【0023】
たとえば、光照射装置1をラインプリンタ等に用いる場合には、ヒートシンク30の印刷媒体の幅に合わせて幅方向に長い形状となる。冷却ファン50に軸流ファンを用いる場合には、図3に示されるように、複数の冷却ファン50を1つのヒートシンク30上に並べて配置することができる。図2(a)および図3に示されるフィン31の方向は、駆動基板40および横板11cに対して垂直に交わるような方向に形成されており、駆動基板40と、ヒートシンク30との間の流れを妨げないよう配設されている。
【0024】
光源20は、少なくとも1つの中間部材を介してヒートシンク30に接合されている。たとえば、図2(b)に示されるように、光源20は、発光ダイオード等の発光素子を中間部材である光源配設用基板21上に複数個縦横に整列して載置して構成することができる。ヒートシンク30の底面30aは平滑に構成されており、光源20を載置した光源配設用基板21の裏面と接触している。これにより、光源20から発生する熱が光源配設用基板21を介してヒートシンク30に伝導しやすくなる。ヒートシンク30と光源配設用基板21との間にグリス膜などを形成し、ヒートシンク30と光源配設用基板21とを密着させて、互いの密着度を高めるようにしてもよい。ヒートシンク30と光源配設用基板21との密着度を高めることによって、放熱効率を高めることができる。
【0025】
また、図1に示されるように、ヒートシンク30は、駆動基板40の左方に位置している。すなわち、ヒートシンク30と駆動部とが光源20による光の出射方向と垂直な方向に重なって位置している。そのため、筐体10の上下方向の高さを小さくすることができ、筐体10を小さくすることができるので、光照射装置1の小型化を実現することができる。
【0026】
ヒートシンク30の側面に対向する筐体10の側壁10cには、第3通気口16が設けられている。このように、筐体10いる光源20に対して第1通気口14および第2通気口15よりも近い部位に外気の出入口となる第3通気口16を有していることによって、冷却ファン50を動作させたときに、ヒートシンク30内の空気の流れを円滑にすることができる。なお、第3通気口16を設けずに、第1通気口14、第2通気口15によって、筐体10内に外部の空気を流通させて光源20および駆動基板40を冷却する構成とすることもできる。
【0027】
さらに、ヒートシンク30のうち、駆動基板40とは反対側の部位に対向して位置するように側壁10cに第3通気口16を設けて、通気することによって、駆動基板40に遠い側のヒートシンク30近傍の空気が流通し、駆動基板40に遠い側のヒートシンク30が過熱することを低減することができ、光照射装置1の放熱性能を改善することができる。第3通気口16には第1通気口14および第2通気口15と同様にフィルタを設けることができる。
【0028】
図4は、筐体10内の空気の流れを示す説明図であり、第1通気口14から排気し、第2通気口から吸気する場合を示す。ヒートシンク30から第1通気口14に向かって、筐体10内の空気が動くように、冷却ファン50を動作させる。すると、第2通気口15および第3通気口16から空気が流入する。第2通気口15から流入した空気は、第2空間13を下向きに流れて、駆動基板40表面を通過して駆動基板40を冷却する。その後、ヒートシンク30を通過する。また、第3通気口16からも外部の空気が流入し、ヒートシンク30において第2通気口15から流入した空気と合流する。空気はヒートシンク30と熱交換する。その後、空気は、冷却ファン50を通過して第1空間12を上向きに流れて、第1通気口14より筐体10の外部に放出される。
【0029】
第1空間12においては、空気は上方向に流れ、第2空間13においては、空気は下方向に流れるので、第1空間12と第2空間13とでは空気の流れる方向が互いに逆向きである。また、第1通気口14は第2通気口15から離れる方向に傾けられて配設されているので、第1通気口14から排出される暖かい空気は第2通気口15から離れる方向に排出される。そのため、暖かい排気が第2通気口15から吸入されにくくなるので、光照射装置1を効率よく冷却することができる。
・・・(中略)・・・
【0032】
図4に示されるように、第2通気口15から空気を吸入し、第1通気口14から空気を流出させる場合には、駆動基板40を冷却したあとの空気がヒートシンク30を冷却することになので、駆動基板40の冷却効率を向上させることができる。また、図5に示されるように第1通気口14から空気を吸入し、第2通気口15から空気を流出させる場合には、駆動基板40を冷却する前にヒートシンク30と熱交換してヒートシンク30を冷却するので、ヒートシンク30の冷却効率を向上させることができる。なお、第1通気口14、第2通気口15および第3通気口16は、筐体10内への外気の吸気または筐体10からの排気ができるものであり、それらの中には吸気および排気の両方ができるものも含まれる。
【0033】
図4および図5において、送風部である冷却ファン50は、第1空間12および第2空間13において流れている空気の方向が互いに異なる向きとなるように配設されている。たとえば、冷却ファン50が第1空間12と第2空間13とに流れる空気の方向が互いに逆向きになるように配設されているので、空気が筐体10内をU字状に移動する。そのため、小型の筐体であっても筐体10内の空気の流路長を長くできるので、筐体10を小さくして光照射装置1の小型化を実現することができる。」
図1~図4は、以下のとおりである。
「【図1】
[図:0001423535000001.jpg]
【図2】
[図:0001423535000002.jpg]
【図3】
[図:0001423535000003.jpg]
【図4】
[図:0001423535000004.jpg]
」
(2) 当業者が甲1の図2及び図3から把握できる事項
ア 図2(b)から、当業者は、光源20の外形及び光源配設用基板21は、長方形であることが、把握できる。
イ 図2(a)及び図2(b)から、当業者は、複数のフィン31は、光源20及び光源配設用基板21の長辺方向に所定の間隔で配置されていることが、把握できる。
ウ 図3から、当業者は、複数のフィン31は、ヒートシンク30に接することが、把握できる。
(3) 甲1発明の認定
上記(1)の甲1に記載された事項及び上記(2)の当業者が甲1の図2及び図3から把握できる事項から、甲1には、第1実施形態の光照射装置について次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(なお、括弧内は認定の根拠とした段落番号などを参考までに示す。以下同じ。)。
<甲1発明>
「光照射装置1であって、(【0012】)
光照射装置1は、筐体10内に光源20、ヒートシンク30、光源20を駆動する駆動部である駆動基板40および送風可能な送風部である冷却ファン50を収納して構成されており、(【0012】)
筐体10は、光照射装置1の外囲を構成するものであり、光源20が下向きに出射し、(【0013】)
光源20からの光を外部に出射するための光出射窓18が筐体10の下壁10bに設けられ、筐体10の内部の空間は、仕切部11によって第1空間12と第2空間13に分けられ、仕切部11は、筐体10の上壁10aから下壁10b側に向かって延びる側板11a、上壁10aと下壁10bとの間の折曲部11bで折曲げられて筐体10の側壁10cに向かって延びる横板11cから構成され、横板11cは、内部通気口11eを開口した開口部11dを備え、内部通気口11eによって、第1空間12と第2空間13は連通し、(【0014】)
筐体は、第1通気口14と第2通気口15とを有し、第1空間12は第1通気口14に連続し、第2空間13は第2通気口15に連続し、筐体の仕切部11は、第1空間12と第2空間13とを通気可能に仕切っており、(【0015】)
仕切部11の横板11cの開口部11dに開口された内部通気口11e上に送風部である冷却ファン50が載置されて固定され、(【0018】)
筐体10内の光出射窓18近傍に光源20が設けられ、光源20としては、中間部材である光源配設用基板21上に発光ダイオードを縦横に複数個配設したものを用いることができ、(【0019】)
光源20の外形及び光源配設用基板21は、長方形であり、(前記(2)ア)
駆動部である駆動基板40は、筐体10の側壁10dに沿って、筐体10内の側壁10dと、仕切部11の側板11aとの間の第2空間13に配設され、(【0020】)
光源20と冷却ファン50との間にヒートシンク30が配設され、(【0022】)
複数のフィン31は、光源20及び光源配設用基板21の長辺方向に所定の間隔で配置され、(前記(2)イ)
複数のフィン31は、ヒートシンク30に接し、(前記(2)ウ)
フィン31の方向は、駆動基板40および横板11cに対して垂直に交わるような方向に形成されており、駆動基板40と、ヒートシンク30との間の流れを妨げないよう配設され、(【0023】)
光源20は、少なくとも1つの中間部材を介してヒートシンク30に接合され、光源20は、発光ダイオード等の発光素子を中間部材である光源配設用基板21上に複数個縦横に整列して載置して構成し、(【0024】)
ヒートシンク30と駆動部とが光源20による光の出射方向と垂直な方向に重なって位置し、そのため、筐体10の上下方向の高さを小さくすることができ、筐体10を小さくすることができるので、光照射装置1の小型化を実現することができ、(【0025】)
ヒートシンク30の側面に対向する筐体10の側壁10cには、第3通気口16が設けられ、(【0026】)
ヒートシンク30から第1通気口14に向かって、筐体10内の空気が動くように、冷却ファン50を動作させ、第2通気口15および第3通気口16からから空気が流入し、第2通気口15から流入した空気は、第2空間13を下向きに流れて、駆動基板40表面を通過して駆動基板40を冷却し、その後、ヒートシンク30を通過し、また、第3通気口16からも外部の空気が流入し、ヒートシンク30において第2通気口15から流入した空気と合流し、空気はヒートシンク30と熱交換し、その後、空気は、冷却ファン50を通過して第1空間12を上向きに流れて、第1通気口14より筐体10の外部に放出される(【0028】)
光照射装置1。」
2 甲2に記載された事項及び甲2技術的事項の認定
(1) 甲2に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲2には、以下の事項が記載されている。
「【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の光照射装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
【0036】
図1は、光照射装置1の一実施形態の模式的な上方斜視図である。図2は、光照射装置1の一実施形態を、図1とは異なる方向から見たときの模式的な全体斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態における光照射装置1は、角筒状の筐体10と、通流路11と、給気口12と、ヒートシンク13と、送風装置14と、光源部16と、排気口17(後述する図3参照)を備える。
【0037】
給気口12は、筐体10の一の側面に設けられ、冷却風W1を筐体10の内側に取り込む機能を有する。筐体10の内部には給気口12から取り込まれた冷却風W1が通流する通流路11が構成されている。
【0038】
ヒートシンク13は、筐体10の内部に配置されており、通流路11の一部分を構成している。より詳細には、ヒートシンク13は、光源部16を基準として、筐体10の一の側面である面15(以下、「第一面15」と呼ぶことがある。)とは反対側の位置に、光源部16と熱的に接続されるように配置されている。また、筐体10の、給気口12が設けられた側面とは反対側の面に、送風装置14が配置されている。
【0039】
また、図2に示すように、光源部16は、筐体10内の領域に、第一面15に沿って複数のLED素子16aが筐体10の外側に向かって光を出射可能に配列されている。
【0040】
ここで、本実施形態の説明において、給気口12から送風装置14に向かう方向をX方向とし、X方向に直交する面をYZ平面とする。また、ヒートシンク13が配置されている筐体10の第一面15と平行な面をXY平面とする。
【0041】
図3は、光照射装置1の一実施形態であって、送風装置14を取り外した状態で図1とは異なる方向から見たときの模式的な全体斜視図である。図3に示すように、給気口12とは反対側であって、図1に示されている送風装置14が設置されている面に排気口17が設けられている。
【0042】
図4は、光照射装置1の一実施形態であって、筐体10と送風装置14を取り外した状態で図1と同じ方向から見たときの模式的な全体斜視図である。光照射装置1の筐体10の内部には、第一面15全体にわたってヒートシンク13が配置され、ヒートシンク13の一部を覆うように遮風部材20が配置されている。なお、図5は、図1の光照射装置1の模式的なXZ平面の断面図であり、図6は、図1の光照射装置1の模式的なYZ平面の断面図である。以下、図4~図6の各図を参照して説明する。
【0043】
図4~図6に示すように、遮風部材20は、遮風板20aとカバー部材20bとを含み、カバー部材20bは、遮風板20aが配置されている位置よりも下流側(排気口17に近い側)において、通流路11の流路断面積が小さくなるように配置されている。
【0044】
遮風部材20の一部を構成する遮風板20aは、開口領域である通流口20cを備え、YZ平面上に配置され、第一面15に近い位置に設けられた通流口20c以外の領域において、+X方向に進行する冷却風W1の通流を遮風する機能を有する遮風面30を構成する。給気口12から筐体10内に取り込まれた冷却風W1のうち、第一面15よりも+Z側に離れた領域を通流した冷却風W1は、+X方向に進行して遮風板20aに衝突した後、第一面15側に設けられた通流口20cを介してヒートシンク13の近傍を通流しながら、遮風板20aの下流側に流入する。また、給気口12から筐体10内に取り込まれた冷却風W1のうち、第一面15に近い位置、すなわちヒートシンク13の近傍を通流した冷却風W1は、そのまま通流口20cを介してヒートシンク13の近傍を通流しながら、遮風板20aの下流側に流入する。
【0045】
以下において、筐体10に取り込まれた冷却風W1が通流する通流路11のうち、遮風板20aよりも上流側、すなわち給気口12側に位置する通流領域を「第一通流領域21」と呼び、遮風板20aよりも下流側、すなわち排気口17側に位置する通流領域を「第二通流領域22」と呼ぶ。
【0046】
遮風部材20の一部を構成するカバー部材20bは、第二通流領域22内に設けられている。このカバー部材20bは、ヒートシンク13の+Z側の領域を覆うように配置され、導風面31を構成する。これにより、第二通流領域22は、第一通流領域21よりも流路断面積が小さくなるように構成され、ヒートシンク13は、第一通流領域21と第二通流領域22に跨るように配置された構成となる。
【0047】
図5に示すように、給気口12から取り込まれた冷却風W1は、X正方向に向かって第一通流領域21と第二通流領域22を通流し、排気口17から送風装置14を介して排気される。図5に示す例では、第二通流領域22のX方向に係る長さが、第一通流領域21のX方向に係る長さよりも長くなるように構成されている。
【0048】
上述したように、第一通流領域21内を通流した冷却風W1は、遮風板20aにもうけられた通流口20cに導かれる。そして、通流口20cを通過した冷却風W1は、第一通流領域21よりも流路断面積が小さい第二通流領域22を通流する。そのため、第二通流領域22を通流する冷却風W1は、ベルヌーイの定理により、第一通流領域21を流れる冷却風W1よりも流速が速くなる。
【0049】
上述したように、通流路11の下流側である第二通流領域22を流れる冷却風W1は、第一通流領域21を流れる冷却風W1よりも流速が速くなるため、従来構成よりも、下流側におけるヒートシンク13の排熱効率が向上される。そのため、本実施形態の光照射装置1は、ヒートシンク13の大型化や形状の変更をすることなく、上流側から下流側にかけて排熱効率の均一性が向上され、光源部16全体の温度差を小さくすることができる。従って、光照射装置1全体を大型化することなく、光源部16に配置されている各LED素子16aから出射される光強度の均一性を向上することができる。」
図1~図5は、以下のとおりである。
「【図1】
[図:0001423535000005.jpg]
【図2】
[図:0001423535000006.jpg]
【図3】
[図:0001423535000007.jpg]
【図4】
[図:0001423535000008.jpg]
【図5】
[図:0001423535000009.jpg]
」
(2) 当業者が甲2の図1、図2、図4及び図5から把握できる事項
ア 図1、図2及び図4から、当業者は、ヒートシンク13は複数の板状部材がY方向に並べられて構成されていることが把握できる。
イ 図1、図2及び図5から、当業者は、給気口12のZ方向の長さは、ヒートシンク13のZ方向の長さよりも長いことが把握できる。
ウ 図1及び図2から、当業者は、給気口12の総面積が、複数の板状部材同士の離間領域で形成される、ヒートシンク13の通流可能領域の面積よりも大きいことが、把握できる。
(3) 甲2技術的事項の認定
上記(1)の甲2に記載された事項及び上記(2)の当業者が甲2の図1、図2、図4及び図5から把握できる事項から、甲2には、次の技術的事項(以下「甲2技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
<甲2技術的事項>
「光照射装置1は、角筒状の筐体10と、通流路11と、給気口12と、ヒートシンク13と、送風装置14と、光源部16と、排気口17を備え、(【0036】)
光源部16は、筐体10内の領域に、第一面15に沿って複数のLED素子16aが筐体10の外側に向かって光を出射可能に配列され、(【0039】)
ヒートシンク13は複数の板状部材がY方向に並べられて構成され、(上記(2)ア)
給気口12のZ方向の長さは、ヒートシンク13のZ方向の長さよりも長く、(上記(2)イ)
給気口12の総面積が、複数の板状部材同士の離間領域で形成される、ヒートシンク13の通流可能領域の面積よりも大きく、(上記(2)ウ)
光照射装置1の筐体10の内部には、第一面15全体にわたってヒートシンク13が配置され、ヒートシンク13の一部を覆うように遮風部材20が配置され、(【0042】)
遮風部材20は、遮風板20aとカバー部材20bとを含み、カバー部材20bは、遮風板20aが配置されている位置よりも下流側(排気口17に近い側)において、通流路11の流路断面積が小さくなるように配置され、(【0043】)
筐体10に取り込まれた冷却風W1が通流する通流路11のうち、遮風板20aよりも上流側、すなわち給気口12側に位置する通流領域を「第一通流領域21」と呼び、遮風板20aよりも下流側、すなわち排気口17側に位置する通流領域を「第二通流領域22」と呼び、(【0045】)
遮風部材20の一部を構成するカバー部材20bは、第二通流領域22内に設けられ、このカバー部材20bは、ヒートシンク13の+Z側の領域を覆うように配置され、導風面31を構成し、これにより、第二通流領域22は、第一通流領域21よりも流路断面積が小さくなるように構成され、ヒートシンク13は、第一通流領域21と第二通流領域22に跨るように配置された構成となり、(【0046】)
第一通流領域21内を通流した冷却風W1は、遮風板20aにもうけられた通流口20cに導かれ、通流口20cを通過した冷却風W1は、第一通流領域21よりも流路断面積が小さい第二通流領域22を通流し、第二通流領域22を通流する冷却風W1は、ベルヌーイの定理により、第一通流領域21を流れる冷却風W1よりも流速が速くなり、(【0048】)
通流路11の下流側である第二通流領域22を流れる冷却風W1は、第一通流領域21を流れる冷却風W1よりも流速が速くなるため、従来構成よりも、下流側におけるヒートシンク13の排熱効率が向上され、そのため、光照射装置1は、ヒートシンク13の大型化や形状の変更をすることなく、上流側から下流側にかけて排熱効率の均一性が向上され、光源部16全体の温度差を小さくすることができ、従って、光照射装置1全体を大型化することなく、光源部16に配置されている各LED素子16aから出射される光強度の均一性を向上することができること(【0049】)」
3 甲3に記載された事項及び甲3技術的事項の認定
(1) 甲3に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲3には、以下の事項が記載されている。
「【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0028】図1~図4に於いて本発明の実施の形態を説明する。
【0029】尚、図1~図4中、図5~図9中と同等のものには同符号を付してある。
【0030】本発明の電子機器の冷却構造の一例として、増幅回路を有する送信共通増幅ユニット1の場合について説明する。
【0031】該送信共通増幅ユニット1はユニットケース2と正面パネル3と電子回路基板6を搭載するヒートシンク4と導風カバー22とから構成されている。
【0032】前記ユニットケース2に正面パネル3が取付けられている。該正面パネル3は幅及び高さが前記ユニットケース2の幅及び高さよりも大きく、外面に取手7を有する。
【0033】前記ユニットケース2の一面を形成する様に前記ヒートシンク4が固定されている。該ヒートシンク4はベース部10と放熱用のフィン8とから構成されている。該ヒートシンク4のベース部10の前記ユニットケース2内部側の面に、発熱性電子部品5が所要数直に取付けられる。該発熱性電子部品5が貫通する電子回路基板6が、前記ヒートシンク4に実装されている。
【0034】前記フィン8は正面パネル3と平行に配列され、先端は前記正面パネル3の端線よりも低い位置にある。
【0035】該フィン8の先端に前記導風カバー22が固定されている。該導風カバー22の幅両端部は、所要の幅で前記フィン8先端から離反する方向へ、2段に折曲げられている。該折曲げ部23はガルウイング形状を為している。
【0036】該導風カバー22の各折曲げ部23の高さは、前記正面パネル3の上端と略同じ高さになっている。該各折曲げ部23の各端部と、前記ユニットケース2両側板18の上端部とで、冷却用空気入口24、空気出口25が形成される。
【0037】該各冷却用空気入口24、空気出口25は、前記ユニットケース2の側板18の略全長に亘って開口されている。前記送信共通増幅ユニット1の専用ラック等への装着状態では、下側が空気入口24となり、上側が空気出口25となる。前記導風カバー22と前記各フィン8間の全部のフィン溝17とにより、冷却用空気の冷却用流路26が形成される。
【0038】前記送信共通増幅ユニット1はセクタとして、専用のラックに複数収納され、該各送信共通増幅ユニット1,1’の隙間19は、ラック20により塞がれる。該各送信共通増幅ユニット1,1’は、内蔵されるヒートシンク4のフィン8が鉛直方向に向く様、相互に隣接して配置される。前記各送信共通増幅ユニット1,1’の下方に、吸気用のファン14が配設されている。
【0039】以下、作用について説明する。
【0040】送信共通増幅装置13が駆動されると、該送信共通増幅装置13内に収納された各送信共通増幅ユニット1,1’の各発熱性電子部品5から発熱される。該発熱性電子部品5からの熱はヒートシンク4のベース部10に伝達されて吸収される。該ベース部10に吸収された熱は、前記ヒートシンク4内で熱伝導により多数のフィン8に伝達される。
【0041】前記送信共通増幅装置13の駆動と同時に、ファン14がファンモータ(図示せず)により回転され、該ファン14によって空気が送出される。
【0042】該送出された空気は、各送信共通増幅ユニット1,1’の下側の空気入口24から流入され、前記折曲げ部23で絞られ、冷却用流路26即ち各フィン溝17のみを通って、前記送信共通増幅ユニット1,1’の上側の空気出口25から排出される。前記冷却用流路26は、前記各フィン8と、前記導風カバー22とにより形成されるので、該冷却用流路26は各フィン溝17部と同じになる。
【0043】この間、前記フィン8の表面は冷却空気により抜熱される。該暖められた空気には浮力が加えられ、空気出口25より流出する。
【0044】従って、前記送信共通増幅ユニット1,1’の前記空気入口24から前記ファン14により供給された空気は、前記ヒートシンク4のフィン8と熱交換しながら、前記冷却用流路26内を上昇し、前記空気出口25から流出する。
【0045】更に、前記空気入口24の開口面積は、前記各フィン8表面と前記導風カバー22とにより形成される前記冷却用流路26の総断面積よりも大きい。従って、前記空気入口24に取込まれた冷却用空気は、前記折曲げ部23で絞られ、前記冷却用流路26に押込められる。
【0046】従って、前記冷却用流路26の冷却用空気の流量及び流速は増大され、該フィン8の冷却効率も飛躍的に向上される。
【0047】而して、冷却用空気を前記冷却用流路26に押込む効果、即ちラムエアー効果により放熱効果が著しく向上される。前記ヒートシンク4上の熱に弱い発熱性電子部品5は、効率よく且つ確実に冷却されることとなる。
【0048】本空気冷却ユニット21により発熱性電子部品5の冷却能力が向上される為、上述の送信共通増幅ユニット1の性能は長期間安定して発揮され、装置の信頼性が向上し、且つ故障も少なくなり、装置寿命も長くなる。
【0049】尚、本発明の空気冷却ユニットは、上述の実施の形態に於ける送信共通増幅ユニットに限定されるものではなく、電源ユニット、送信ユニット等発熱性電子部品を有する回路基板ユニットに応用してもよい。又、多数の同種又は異種の空気冷却ユニットを専用のラックに収納し、複数のファンモータが実装されたファンユニットにより、強制空冷する様にしてもよい。」
図4は、以下のとおりである。
「
[図:0001423535000010.jpg]
」
(2) 当業者が甲3の図4から把握できる事項
甲3の図4から、当業者は、空気流入口24の高さは、フィン8の高さよりも高いことが、把握できる。
(3) 甲3技術的事項の認定
上記(1)の甲3に記載された事項及び上記(2)の当業者が甲3の図4から把握できる事項から、甲3には、次の技術的事項(以下「甲3技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
<甲3技術事項>
「送信共通増幅ユニット1はユニットケース2と正面パネル3と電子回路基板6を搭載するヒートシンク4と導風カバー22とから構成され、(【0031】)
該ヒートシンク4はベース部10と放熱用のフィン8とから構成され、(【0033】)
該フィン8の先端に前記導風カバー22が固定され、該導風カバー22の幅両端部は、所要の幅で前記フィン8先端から離反する方向へ、2段に折曲げられ、(【0035】)
該各折曲げ部23の各端部と、前記ユニットケース2両側板18の上端部とで、冷却用空気入口24、空気出口25が形成され、(【0036】)
前記導風カバー22と前記各フィン8間の全部のフィン溝17とにより、冷却用空気の冷却用流路26が形成され、(【0037】)
ファン14によって空気が送出され、(【0041】)
該送出された空気は、空気入口24から流入され、前記折曲げ部23で絞られ、冷却用流路26即ち各フィン溝17のみを通って、空気出口25から排出され、(【0042】)
空気流入口24の高さは、フィン8の高さよりも高く、(上記(2))
前記空気入口24の開口面積は、前記各フィン8表面と前記導風カバー22とにより形成される前記冷却用流路26の総断面積よりも大きく、前記空気入口24に取込まれた冷却用空気は、前記折曲げ部23で絞られ、前記冷却用流路26に押込められ、(【0045】)
前記冷却用流路26の冷却用空気の流量及び流速は増大され、該フィン8の冷却効率も飛躍的に向上されること(【0046】)」
4 甲4~7に記載された事項の認定
(1) 甲4に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲4には、以下の事項が記載されている。
「光源装置100において、(【0021】)
光源装置100は、紫外光等の光を照射し、例えばインクの乾燥等を行う。光源装置100は、筐体10、LED基板30、ヒートシンク50、軸流ファン70、遮蔽偏向板80及びドライバ基板90を備え、(【0021】)
筐体10は、前側の端面である前端面(一端面)10a、後側の端面である後端面(他端面)10b、前端面10aと後端面10bとの間における上側の側面である上面(一側面)10c、及び、前端面10aと後端面10bとの間における下側の側面である下面(他側面)10dを有し、(【0023】)
筐体10の上面10cには、筐体10内から外部へエアを排出する排気口13が設けられ、(【0025】)
排気口13は、上面10cにおけるヒートシンク50に対向する領域に少なくとも形成され、(【0026】)
光源装置100では、排気口13は、上面10cに形成された孔であって、上面10cにハニカム状に配列され、これにより、排気口13を多孔とする場合において、高い剛性を維持しつつ高い開口率を得ることができ、(【0051】)
上面10cにおける排気口13の周辺から筐体10内の前側に向かって延びる整流板15を備えること(【0055】)」
(2) 甲5に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲5には、以下の事項が記載されている。
「光照射装置1は、内部に光源ユニット200A、200B等を収容する薄い箱形のケース100(筐体)を備え、ケース100は、正面に紫外光が出射されるガラス製の窓部105を備え、ケース100の上面パネル102には、外部からケース100内に空気を取り込む複数の吸気口102a(開口)が形成され、下面パネル103の内側にはドライバ回路300A、300Bが取付けられ、また、ケース100の背面側(Z軸方向と相反する方向の端面側)には、外部からケース100内に空気を取り込み、ケース100内に気流を生成すると共に、ケース100内の空気を排気するファン400A、400Bが取付けられ、(【0026】)
複数の吸気口102aは、ケース100の上面パネル102において複数行及び複数列に配置されていること(図1)」
(3) 甲6に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲6には、以下の事項が記載されている。
「電力変換装置盤として適用可能な盤1において、
盤1内が盤正面部11,盤背面部12,盤側面部13a,13b,盤天井部14,盤底部15によって囲繞された構成となっており、盤1内においては、当該盤1内の中央部において水平方向に延在している上下段仕切壁16によって、上段部2と下段部3とに仕切られ、(【0027】)
上段部2の盤正面部11側には、発熱性電子部品41や通風機42を具備している空冷式機器4と、非発熱性の電子部品を具備している電気機器5aと、を収納する上段部収納室20が形成され、(【0028】)
空冷式機器4は、機器ケース43,発熱性電子部品41,通風機42,ヒートシンク44,通風ガイド45等を主として備え、発熱性電子部品41から発熱した熱がヒートシンク44に熱伝達し、そのヒートシンク44に通風機42の吹出空気が吹き付けられて冷却される構成となっており、(【0035】)
通風機42は、吹出口42aが機器ケース43内を介して盤背面部側開口43bと対向する配置姿勢となるように、盤正面部側開口43aに設けられ、(【0038】)
通風機42の吹出口42aのうち特に盤天井部14側から吹出される吹出空気が、ヒートシンク44の表面(放熱フィン44a間等)に沿って機器ケース43内を通過し、当該吹出口42aのうち特に盤底部15側から吹出される吹出空気が、通風ガイド45の表面に沿って機器ケース43内を通過すること(【0042】)」
(4) 甲7に記載された事項
本件特許の出願前に発行された甲7には、以下の事項が記載されている。
「紫外線照射ヘッド11とコントローラ12とを備えている紫外線照射装置10において、(【0015】)
紫外線照射ヘッド11は、光源として多数の紫外線LED素子20が直線状に配列されたライン型にて構成され、具体的には、照射ヘッド11のケース21は、LED素子20の並設方向に長い長方形箱状にて形成され、【0016】
長方形板状のベースプレート23がケース21に対して固定され、(【0017】)
ベースプレート23における基板24とは反対側の面には、放熱性の高い金属材料にて構成されたヒートシンク25が固定され、(【0019】)
ヒートシンク25は、ベース部25aとフィン部25bとを有し、ベース部25aは、基板24と同等の面積を有する長方形板状をなし、最も広い面を以てベースプレート23に対して面当接し、ベース部25aのその固定面とは反対側の面には、多数枚のフィン25cが立設されてなるフィン部25bが構成され、各フィン25cは、それぞれ照射ヘッド11の幅方向(短手方向)及び奥行方向に長方形薄板状に延びる形状をなし、LED素子20の個数と同じかそれ以上の枚数が長手方向に等間隔に配置されていること(【0020】)」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1) 本件発明1と甲1発明の対比
ア 基本的な相当関係について
甲1発明の「光照射装置1」は、本件発明1の「光照射装置」に、
甲1発明の「光源配設用基板21」は、本件発明1の「基板」に、
甲1発明の「複数個配設した」「発光ダイオード」は、本件発明1の「複数の光源」に、
甲1発明の「光源20」は、本件発明1の「光源部」に、
甲1発明の「複数のフィン31」は、本件発明1の「複数の放熱フィン」に、
甲1発明の「複数のフィン31」及び「ヒートシンク30」は、本件発明1の「放熱部」に、
甲1発明の「筐体10」は、本件発明1の「筐体」に、
甲1発明の「第1空間12と第2空間13」は、本件発明1の「風洞」に、
甲1発明の「冷却ファン50」は、本件発明1の「冷却ファン」に、
甲1発明の「第3通気口16」は、本件発明1の「通気口」に、
それぞれ相当する。
イ 本件発明1の「照射面上に、第1方向に延び、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に所定の線幅を有するライン状の光を照射する光照射装置であって、」の特定事項について
甲1発明は、「光源20の外形及び光源配設用基板21は、長方形であ[る]」ことから、当該「長方形」の短辺方向に所定の線幅を有し、当該「長方形」の長辺方向にライン状の光を照射するものといえる。そして、甲1発明の前記「長方形」の長辺方向が、本願発明1の「第1方向」に相当し、甲1発明の前記「長方形」の短辺方向が、本願発明1の「第2方向」に相当する。そうすると、甲1発明の「光照射装置1」は、本件発明1でいう「照射面上に、第1方向に延び、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に所定の線幅を有するライン状の光を照射する」ものであるといえる。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
ウ 本件発明1の「前記第1方向と前記第2方向とで規定される基板と、前記基板の表面に前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に配置され、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記光を出射する複数の光源と、を有する光源部と、」「を備え、」の特定事項について
甲1発明は、「光源配設用基板21は、長方形であ[る]」ことから、当該「長方形」の長辺方向と短辺方向とで規定される基板であるといえる。次に、甲1発明は、「筐体10内の光出射窓18近傍に光源20が設けられ、光源20としては、中間部材である光源配設用基板21上に発光ダイオードを縦横に複数個配設したものを用いることができ[る]」ものであることから、「光源20」は、「光源配設用基板21」と、「複数個の発光ダイオード」とを有するものである。そして、甲1発明は、「光源20は、発光ダイオード等の発光素子を中間部材である光源配設用基板21上に複数個縦横に整列して載置して構成[する]」ものであることから、複数個の「発光ダイオード」を「光源配設用基板21」の長辺方向に沿って所定のピッチ毎に配設したものであることが理解できる。また、「光源配設用基板21上の」複数の「発光ダイオード」は、「光源20が下向きに出射[する]」ものであるから、光を「光源配設用基板21」の前記「長方形」の長辺方向及び短辺方向に対して直交する方向に出射するものといえ、この光を出射する方向が、本件発明1の「第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向」に相当する。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
エ 本件発明1の「前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に立設する複数の放熱フィンを有し、前記基板の裏面側に熱的に結合された放熱部と、」「を備え、」の特定事項について
甲1発明の「複数のフィン31」は、「ヒートシンク30に接し、光源20及び光源配設用基板21の長辺方向に所定の間隔で配置され[る]」から、本件補正発明でいう「前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に立設する」ものである。そして、甲1発明は、「光源20は、少なくとも1つの中間部材を介してヒートシンク30に接合され」ており、「中間部材である光源配設用基板21上に発光ダイオードを縦横に複数個配設したもの」であるところ、ヒートシンク及びフィンは、熱を吸収して空気中に放出する部品であることは、技術常識であることから、甲1発明の「ヒートシンク30」及び「複数のフィン31」は、「光源配設用基板21」の「発光ダイオード」が配設された面とは反対の面に「光源配設用基板21」の熱を吸収して空気中に放出するために接合されているといえ、本件補正発明でいう「前記基板の裏面側に熱的に結合された」ものであるといえる。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
オ 本件発明1の「少なくとも前記放熱部を収容すると共に、前記放熱フィンを冷却する冷却風が流れる風洞を形成する筐体と、」「を備え、」の特定事項について
甲1発明は、「筐体10内に」、「ヒートシンク30」を「収納」し、「複数のフィン31は、ヒートシンク30に接し[ている]」ことから、「筐体10内に」「ヒートシンク30」及び「複数のフィン31」を収納していることが理解できる。
また、甲1発明の「空気」は、「ヒートシンク30と熱交換し」、「冷却ファン50を通過[する]」ものであるから、「複数のフィン31は、ヒートシンク30に接し、」「光源20及び光源配設用基板21の長辺方向に所定の間隔で配置され[る]」ることも勘案すれば、本件発明1の「放熱フィンを冷却する冷却風」に相当する。
そして、甲1発明は、「ヒートシンク30から第1通気口14に向かって、筐体10内の空気が動くように、冷却ファン50を動作させ、第2通気口15および第3通気口16から空気が流入し、第2通気口15から流入した空気は、第2空間13を下向きに流れて、駆動基板40表面を通過して駆動基板40を冷却し、その後、ヒートシンク30を通過し、また、第3通気口16からも外部の空気が流入し、ヒートシンク30において第2通気口15から流入した空気と合流し、空気はヒートシンク30と熱交換し、その後、空気は、冷却ファン50を通過して第1空間12を上向きに流れて、第1通気口14より筐体10の外部に放出される」ものであるから、「筐体10内」の「第2空間13」及び「第1空間12」、すなわち、本件発明1でいう「筐体」が形成する「空洞」(前記ア参照)を空気が流れるものといえる。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
カ 本件発明1の「前記風洞内に、前記第3方向又は前記第3方向と相反する方向に前記冷却風を生成する冷却ファンと、を備え、」の特定事項について
甲1発明は、「空気は、冷却ファン50を通過して第1空間12を上向きに流れて、第1通気口14より筐体10の外部に放出される」ものであるから、「空気」は、第1空間12内を、光を出射する方向である下向きと相反する方向に流れるものである。そして、甲1発明は、「ヒートシンク30から第1通気口14に向かって、筐体10内の空気が動くように、冷却ファン50を動作させ[る]」ものであることも踏まえれば、甲1発明の「冷却ファン50」は、第1空間12内に、光を出射する方向と相反する方向に空気を生成するものであるといえる。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
キ 本件発明1の「前記筐体の前記第2方向に対向する側面の少なくとも一方は、前記冷却風が前記複数の放熱フィン間を通って外部に排気される、又は外部から前記複数の放熱フィン間を通って吸気されるように形成された通気口を有する光照射装置。」の特定事項について
甲1発明は、「複数のフィン31は、光源20及び光源配設用基板21の長辺方向に所定の間隔で配置され[る]」ものであることから、「複数のフィン31」は、「光源配設用基板21」の短辺方向から、空気が流入するものであることが理解できる。そして、甲1発明の「第3通気口16」は、「ヒートシンク30の側面に対向する筐体10の側壁10c」に設けられ、「冷却ファン50を動作させ[る]」と「空気が流入する」ものであるから、甲1発明は、「筐体10」の「光源配設用基板2」の短辺方向に対向する側面に「第3通気口16」を有するといえる。
さらに、甲1発明は、「第3通気口16からも外部の空気が流入し、ヒートシンク30において第2通気口15から流入した空気と合流し、空気はヒートシンク30と熱交換し」、「複数のフィン31は、ヒートシンク30に接し[ている]」ことから、「第3通気口16」は、本件発明1でいう「外部から前記複数の放熱フィンの間をって給気されるように形成された」ものである。
したがって、甲1発明は、上記特定事項を備える。
(2) 一致点及び相違点
上記(1)から、本件発明1と甲1発明は以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
ア 一致点
「照射面上に、第1方向に延び、かつ、前記第1方向と直交する第2方向に所定の線幅を有するライン状の光を照射する光照射装置であって、
前記第1方向と前記第2方向とで規定される基板と、前記基板の表面に前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に配置され、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に前記光を出射する複数の光源と、を有する光源部と、
前記第1方向に沿って所定のピッチ毎に立設する複数の放熱フィンを有し、前記基板の裏面側に熱的に結合された放熱部と、
少なくとも前記放熱部を収容すると共に、前記放熱フィンを冷却する冷却風が流れる風洞を形成する筐体と、
前記風洞内に、前記第3方向又は前記第3方向と相反する方向に前記冷却風を生成する冷却ファンと、を備え、
前記筐体の前記第2方向に対向する側面の少なくとも一方は、前記冷却風が前記複数の放熱フィン間を通って外部に排気される、又は外部から前記複数の放熱フィン間を通って吸気されるように形成された通気口を有する光照射装置」である点。
イ 相違点
本件発明1は、通気口の開口の総面積をAとし、通気口の第3方向の高さをhとし、複数の放熱フィンの前記第3方向の高さをHとし、前記複数の放熱フィンが形成されている第1方向の幅をWとし、前記各放熱フィンの前記第1方向の厚さをtとし、前記複数の放熱フィンの枚数をnとしたときに、以下の条件式A>H×(W-(t×n))(1)、条件式h>H(2)を満たすのに対して、甲1発明は、そのようなものか明らかでない点。
(3) 判断
ア 上記相違点について検討する。
(ア) 以下で検討するとおり、甲1発明において、第3通気口16の光を出射する方向の高さが、複数の放熱フィン31の高さより大きく、第3通気口16の開口の総面積が、複数の放熱フィン31同士の離間領域で形成される、空気が通過する領域の面積よりも大きくすること、すなわち、相違点に係る本件発明1の構成とすることは、甲1に記載された発明及び甲2~7技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
(イ) まず、甲1発明が解決しようとする課題は、光照射装置の光源及び周辺機器が筐体内に収められると、筐体の長さが大きくなり、小型化の妨げとなること(【0006】)であり、甲1発明は、「筐体10の上下方向の高さを小さくすることができ、筐体10を小さくすることができるので、光照射装置1の小型化を実現することができ[る]」ものとして、当該課題を解決している。
ここで、仮に甲1発明の「第3通気口16」に対して、甲2技術的事項の「給気口12のZ方向の長さは、ヒートシンク13のZ方向の長さよりも長[い]」こと又は甲3技術的事項の「空気流入口24の高さは、フィン8の高さよりも高[い]」ことを適用して、第3通気口16の光を出射する方向の高さを、複数の放熱フィン31の高さより高くすると、第3通気口16の光を出射する方向の高さが大きくなることに伴って、筐体10の側壁10cに向かって延びる横板11c及び横板11cの内部通気口11e上に載置されて固定された冷却ファン50を筐体10の上壁10a側に移動させる必要が生じ、このとき、同一の大きさの第1空間12を確保しようとすれば、筐体10の高さが高くなり、この結果、光照射装置1は、大型化することとなる。そうすると、第3通気口16の光を出射する方向の高さを、複数の放熱フィン31の高さより大きくすること、すなわち、相違点に係る本件発明1の構成とすることには、当該課題の解決を妨げる阻害要因があるといえるから、甲1発明が解決しようとする課題を認識している当業者が、甲1発明に甲2、3技術的事項を適用することはない。
(ウ) さらに、仮に筐体の大きさが大きくなることをおくとしても、以下のように、当業者が甲1発明に甲2、3技術的事項を適用することはない。
甲2、甲3技術的事項は、要するに、ヒートシンク13の複数の板状部材又はフィン8を通過する冷却風又は冷却用空気の流速を速くするために、ヒートシンク13の+Z側の領域又はフィン8の先端に、カバー部材20b又は導風カバー22を設けるものである。
そして、甲2技術的事項又は甲3技術的事項を甲1発明に適用すると、複数のフィン31の先端を覆うようにカバー部材20b又は導風カバー22を設ける構成となる。
しかしながら、甲1発明は、「空気はヒートシンク30と熱交換し、その後、空気は、冷却ファン50を通過して第1空間12を上向きに流れて、第1通気口14より筐体10の外部に放出される」ものであって、「仕切部11の横板11cの開口部11dに開口された内部通気口11e上に送風部である冷却ファン50が載置されて固定され[る]」ことから、複数のフィン31の先端を覆うようにカバー部材20b又は導風カバー22を設ける前記構成では、カバー部材20b又は導風カバー22によって空気が冷却ファン50を通過することができなくなるため、複数のフィン31の先端を覆うようにカバー部材20b又は導風カバー22を設けることはできない。
したがって、当業者が、甲1発明に甲2、3技術的事項を適用することはない。
(エ) 前記(イ)、(ウ)で検討したとおり、甲1発明において、甲2、3技術的事項に基づいて、相違点に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、甲1に記載されたいずれの発明を引用発明として認定しても、上記判断を左右するものはないし、甲1~7の全記載をみても、上記判断を左右するものはない。
イ 小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲1~7に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4) 申立人の主張について
申立人は、甲2及び甲3には、筐体内に空気を取り込んで、ヒートシンクを冷却するに際し、筐体に設けられるフィンの高さよりも高くすること、及び、通気口の開口総面積をフィン同士の離間部分の総面積(流路断面積)よりも大きくすることが記載され、上記の構成を採用することで、空気の流速が高まり、冷却能力が高まることも記載されているので、甲1に記載された発明に、甲2及び甲3の技術的事項を採用して、第3通気口16から取り込まれる空気の流速を高めてヒートシンク30の冷却能力を向上すべく、第3通気口16の開口面積を、複数のフィン31の高さを離間部分の総面積(流路断面積)よりも大きくすることは、当業者が容易に想到できたことである旨主張している。
しかしながら、当業者が、甲1発明に甲2、3技術的事項を適用することはないことは、前記(3)ア(イ)及び(ウ)で説示したとおりである。
したがって、申立人の上記主張は、採用することができない。
2 本件発明2、5~7、10~11について
本件発明2、5~7、10~11は、本件発明1に従属するものであり、さらに請求項2、5~7、10~11のそれぞれの記載により特定される発明特定事項を追加したものであるから、前記1に示した理由と同様の理由により、本件発明2、5~7、10~11に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲1~7に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1~2、5~7、10~11に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に、本件発明1~2、5~7、10~11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-700134