2025-700054
温室効果ガス(CO2等)排出量およびエネルギーデータ算出システム
- 審判番号
- 2025-700054
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-123012外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7515838
- 請求日
- 2025年01月09日
- 審決日
- 2025年08月22日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P1651.121-YAA(G06Q) / P1651.537-YAA(G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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特許第7515838号の請求項1~4に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和5年1月31日に出願した特願2023-12591号の一部を同年7月28日に新たな特許出願として出願され、令和6年6月7日に提出された手続補正書により補正がされ、同年7月5日にその特許権の設定登録がされ、同年7月16日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和7年1月9日に異議申立人 金子巧(以下「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、当審は、同年4月17日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年6月10日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行った。
なお、当審は、令和7年7月3日付けで異議申立人に特許法第120条の5第5項の規定に基づく通知を行ったが、この通知に対し、異議申立人は、その指定期間内に意見書を提出しなかった。
第2 訂正の適否についての判断1 訂正の内容
本件訂正請求における訂正の内容(以下、「訂正事項1」という。)は、以下のとおりである。
(下線は、訂正請求書の記載のとおり。)
特許請求の範囲の請求項1に「企業会計データによりエネルギーデータ量の算出を行うシステムサーバと、前記企業会計データを入力する端末機器と、を有してなり、ネットワーク回線により前記システムサーバと前記端末機器とが接続されたエネルギーデータ量算出システムであって、前記端末機器は、前記企業会計データを、前記システムサーバにアップロードする入力手段、を備え、前記システムサーバは、前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する計算手段と、前記エネルギーデータ量と前記エネルギーデータ総量とを前記端末機器に送信する送信手段と、を備え、前記端末機器は、前記エネルギーデータ量と前記エネルギーデータ総量とを前記システムサーバから受信する受信手段と、前記エネルギーデータ量と前記エネルギーデータ総量とを表示する表示手段と、を備えて、前記計算手段は、企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、を計算する、ことを特徴とするエネルギーデータ量算出システム。」と記載されているのを、「計算基礎データにより温室効果ガス排出総量の算出と、企業会計データによりエネルギーデータ量の算出と、を行うシステムサーバと、前記計算基礎データと前記企業会計データとを入力する端末機器と、を有してなり、ネットワーク回線により前記システムサーバと前記端末機器とが接続されたエネルギーデータ量算出システムであって、前記計算基礎データは、企業の活動に関する活動量と、前記活動量あたりの前記温室効果ガス排出量を示す排出原単位と、を含み、前記端末機器は、前記計算基礎データと前記企業会計データとを、前記システムサーバにアップロードする入力手段、を備え、前記システムサーバは、前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段と、前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する第2計算手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記端末機器に送信する送信手段と、を備え、前記端末機器は、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記システムサーバから受信する受信手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を表示する表示手段と、を備えて、前記第2計算手段は、前記企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、を計算する、ことを特徴とするエネルギーデータ量算出システム。」に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2~4も同様に訂正する。
2 訂正の適否
ア 訂正の目的
(ア)「計算基礎データにより温室効果ガス排出総量の算出と、企業会計データによりエネルギーデータ量の算出と、を行うシステムサーバ」との訂正について
上記訂正は、下線部の限定事項を付加することで、「システムサーバ」で算出する事項を追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)「前記計算基礎データと前記企業会計データとを入力する端末機器」との訂正について
上記訂正は、下線部の限定事項を付加することで、「端末機器」に入力する事項を追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(ウ)「前記計算基礎データは、企業の活動に関する活動量と、前記活動量あたりの前記温室効果ガス排出量を示す排出原単位と、を含み、」との訂正について
上記訂正は、上記(ア)及び(イ)において付加された「計算基礎データ」の内容を特定する事項を追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(エ)「前記端末機器は、前記計算基礎データと前記企業会計データとを、前記システムサーバにアップロードする入力手段、を備え、」との訂正について
上記訂正は、端末機器が備える入力手段がシステムサーバにアップロードするデータとして、計算基礎データを追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(オ)「前記システムサーバは、前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段と、前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する第2計算手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記端末機器に送信する送信手段と、を備え、」との訂正について
上記訂正は、下線部の限定事項を付加することで、「システムサーバ」が備える手段として「・・・第1計算手段」を追加し、当該「第1計算手段」と別の計算手段を「第2計算手段」と特定し、さらに、送信手段が端末機器に送信する事項として「前記温室効果ガス排出量」を追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(カ)「前記端末機器は、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記システムサーバから受信する受信手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を表示する表示手段と、を備えて、」との訂正について
上記訂正は、下線部の限定事項を付加することで、受信手段がシステムサーバから受信する事項、及び、表示手段が表示する事項として、「前記温室効果ガス排出量」と「前記温室効果ガス排出総量」を追加するのであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(キ)「前記第2計算手段は、前記企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、」との訂正について
上記訂正は、上記(オ)における訂正により計算手段が「第1計算手段」と「第2計算手段」であることが特定されたことに伴い、下線部の事項を付加することで、請求項1の記載を明りょうにするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
(ク)小括
上記(ア)~(キ)より、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号および第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記アのとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲(請求項1)を減縮、また、請求項1の記載を明りょうなものとするためのものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。
ウ 新規事項の有無
(ア)システムサーバについて(上記ア(ア)、(オ)~(キ)について)
明細書の段落【0020】、【0022】、図3の記載から、明細書には、計算基礎データにより温室効果ガス排出総量の算出を行うシステムサーバが記載されているといえる。
また、これらの記載から、システムサーバが、「前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する第2計算手段」のほかに「前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段」を備えていることは自明といえる。
(イ)端末機器について(上記ア(イ)及び(エ)について)
明細書の段落【0013】、【図1】の記載から、明細書には、計算基礎データを入力する端末機器が記載されているといえる。
また、段落【0020】、【0022】、図3の記載から、端末機器が「前記計算基礎データと前記企業会計データとを、前記システムサーバにアップロードする入力手段」を備えていることは自明といえる。
(ウ)計算基礎データについて(上記ア(ウ)について)
計算基礎データは、端末機器からアップロードされ、システムサーバによる温室効果ガス排出総量の算定のために用いられるデータであると認められるところ、段落【0022】、【図3】には、温室効果ガス排出量が活動量と排出原単位に関するデータを用いて求められることが記載されている。
そうすると、計算基礎データに、企業の活動に関する活動量と、前記活動量あたりの前記温室効果ガス排出量を示す排出原単位が含まれることは自明といえる。
(エ)小括
上記(ア)~(ウ)より、訂正事項1は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。
3 訂正の適否についてのまとめ
以上のとおり、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号および第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項の規定によって準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
さらに、訂正前の請求項2~4は、それぞれ訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、上記訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、請求項1~4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
なお、特許異議の申立ては、訂正前の請求項1~4に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
したがって、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
上記第2のとおり本件訂正請求は認められるから、本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1~4に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明4」という。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】計算基礎データにより温室効果ガス排出総量の算出と、企業会計データによりエネルギーデータ量の算出と、を行うシステムサーバと、前記計算基礎データと前記企業会計データとを入力する端末機器と、を有してなり、続きを表示(全37行)ネットワーク回線により前記システムサーバと前記端末機器とが接続されたエネルギーデータ量算出システムであって、前記計算基礎データは、企業の活動に関する活動量と、前記活動量あたりの前記温室効果ガス排出量を示す排出原単位と、を含み、前記端末機器は、前記計算基礎データと前記企業会計データとを、前記システムサーバにアップロードする入力手段、を備え、前記システムサーバは、前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段と、前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する第2計算手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記端末機器に送信する送信手段と、を備え、前記端末機器は、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を前記システムサーバから受信する受信手段と、前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量と、前記エネルギーデータ量と、前記エネルギーデータ総量と、を表示する表示手段と、を備えて、前記第2計算手段は、前記企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、を計算する、ことを特徴とするエネルギーデータ量算出システム。【請求項2】前記企業会計データは、通常の会計データと、クラウド会計データと、デジタル化された領収書・請求書・注文書から取得される数値と、である、請求項1記載のエネルギーデータ量算出システム。【請求項3】前記企業会計データは、ブロックチェーン技術を用いて暗号化される、請求項2記載のエネルギーデータ量算出システム。【請求項4】前記企業会計データは、人工知能の画像認識による画像から読み取られる数値と、カメラにより撮像された画像から読み取られる数値と、である、請求項1記載のエネルギーデータ量算出システム。」
第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
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令和7年1月9日に異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
1 申立理由
(1)理由1(明確性)
請求項1~4に係る発明は、その記載が明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たさないことから、特許を受けることができないものであり、本件特許は、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。
(2)理由2(サポート要件違反)
請求項1~4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさないことから、特許を受けることができないものであり、本件特許は、同法第113条第4号に該当し取り消されるべきものである。
(3)理由3(進歩性)
請求項1~4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証を主引例とし、甲第2号証~甲第6号証を副引例として、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから本件特許は、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。
2 証拠方法
異議申立人が提出した証拠は以下のとおり。
第5 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
当審において令和7年4月17日付けで通知した取消理由(以下「取消理由」という。)の概要は以下のとおりである。
請求項1~4に係る発明は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、本件特許は、当該規定に違反してされたものである。(サポート要件違反)
請求項1~4に係る発明には、エネルギーデータ量に基づいて計算されるエネルギーデータ総量を表示する構成は特定されているものの、温室効果ガス総排出量を表示する構成は特定されていない。
しかしながら、本件明細書等から把握される課題である「温室効果ガス排出総量およびエネルギーデータ総量の削減目標および削減方法を見出す」ためには、温室効果ガス総排出量についても把握できる構成が不可欠のものと認められる。
してみると、請求項1~4に係る発明は、発明の課題を解決するために必要な手段を欠くことになるから、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということはできないし、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということはできない。
2 当審の判断
令和7年6月10日に提出された訂正請求による訂正により、システムサーバが「前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段」を備えること、また、システムサーバの送信手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を端末機器に送信すること、端末機器の受信手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を受信し、端末機器の表示手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を表示することが特定された。
当該訂正により、本件発明1~4において、本件明細書等から把握される「温室効果ガス排出総量およびエネルギーデータ総量の削減目標および削減方法を見出す」との課題を解決するために必要な手段が反映された。
したがって、本件発明1~4は、発明の詳細な説明に記載された発明であると認めることができる。
よって、本件発明1~4は、取消理由通知で通知した取消理由を解消している。
第6 取消理由通知において採用しなかった異議申立理由について
1 申立理由1(明確性)について
(1)異議申立人の主張
異議申立人は、異議申立書において、下のとおり主張している。
「請求項1には、「企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、」と記載されているが、当該記載からは、「エネルギーデータ量」と「自社直接排出量(Scope1排出量)」、「自社間接排出量(Scope2排出量)」及び「他間接排出量(Scope3排出量)」がどのような関係であるかを具体的に把握することができないから、当該記載に係る情報処理を明確に理解することができない。つまり、(明確性a) の解釈: 「エネルギーデータ量」が「排出量」と同じものである関係(明確性b) の解釈: 「エネルギーデータ量」が「排出量」と異なるものである関係このような2つの解釈が可能であるところ、(明確性a)なのか(明確性b)なのかを具体的に把握することができない。また、請求項1を引用する請求項2-4についても同様である。」(異議申立書第9頁)
(2)検討
本件発明1において、エネルギーデータ量は企業会計データに基づいて計算されるものであり、温室効果ガス排出量は計算基礎データに基づいて計算されるものであるから、両者は異なるものであることが明確である。
そうすると、「企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)との記載において、「エネルギーデータ量」は自社直接排出量を算出するためのデータであり、「自社直接排出量」とは異なるものと解される。
また、本件発明1における「前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)」との記載、「前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)」との記載についても同様に、「エネルギーデータ量」は、自社間接排出量や他間接排出量を算出するためのデータであり、自社間接排出量や他間接排出量とは異なるものと解される。
してみると、本件発明1において、「エネルギーデータ量」と「自社直接排出量」、「自社間接排出量」、「他間接排出量」との関係は明確であり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の要件を満たす。
本件発明2~4についても同様である。
したがって、異議申立人のかかる主張は、採用することができない。
2 申立理由2(サポート要件)について
(1)異議申立人の主張
異議申立人は、異議申立書において、以下のとおり主張している。
ア 「本願の課題は、明細書の段落0008-0009の記載より、「WEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末によって企業活動全体の温室効果ガス排出総量およびエネルギーデータ総量を算定・算出・見える化を実現する統合システムの技術を提供することを目的とする」ものである。しかしながら、請求項1には、「温室効果ガス排出総量を算定・算出・見える化を実現する」かについての記載が無く、どのようにして課題を解決できるものと解することが出来ない。請求項2-4についても同様である。よって、本件特許発明1-4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。」(異議申立書第9~10頁)
イ 「明確性において『(明確性b)「エネルギーデータ量」が「排出量」と異なるものである関係』の場合、当初明細書及び図面には、「エネルギーデータ量と異なる自社直接排出量(Scope1排出量)」、「エネルギーデータ量と異なる自社間接排出量(Scope2排出量)」及び「エネルギーデータ量と異なる他間接排出量(Scope3排出量)」についての記載はない。よって、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載したものでない。本件特許発明2ー4についても同様である。なお、「温室効果ガス排出量としての自社直接排出量(Scope1排出量)」「温室効果ガス排出量としての自社間接排出量(Scope2排出量)」及び「温室効果ガス排出量としての他間接排出量(Scope3排出量)」については、段落0021、図2に記載はある。」(異議申立書第10頁)
(2)検討
上記アについて検討する。
本件発明1~4には、システムサーバが「前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段」を備えること、また、システムサーバの送信手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を端末機器に送信すること、端末機器の受信手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を受信し、端末機器の表示手段が「前記温室効果ガス排出量と、前記温室効果ガス排出総量」を表示することが特定されており、これらの構成により「温室効果ガス排出総量を算定・算出・見える化を実現する」ことができるものと認められる。
上記イについて検討する。
上記1(2)のとおり、「エネルギーデータ量」は自社直接排出量、自社間接排出量、他間接排出量を算出するためのデータと解される。
そして、明細書の段落【0002】の「このようなサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を把握する手段として、環境省が公開している「サプライチェーンの排出原単位データベース」があります。企業は、これらを用いることで、仕入れた原材料にもとづき金額当たり換算の温室効果ガス排出量を算出することができます。実際の会計情報仕訳の摘要までが分かればその仕訳とマッピングすることができ、それによって簡易的な温室効果ガスの排出量の算出が可能となります。」との記載や、【図6】の記載から、明細書には、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(自社直接排出量、自社間接排出量、他間接排出量)を把握するために、会計情報が用いられること(換言すると、会計情報は、自社直接排出量、自社間接排出量、他間接排出量を算出するためのデータであること)が記載されているといえる。
そして、エネルギーデータ量は会計データから生成されるものであることを踏まえると、発明の詳細な説明には、「エネルギーデータ量は自社直接排出量、自社間接排出量、他間接排出量を算出するためのデータ」であることが記載されているといえる。
してみると、本件発明は、発明の詳細に記載されたものであり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の要件を満たす。
したがって、異議申立人のかかる主張は、採用することができない。
3 申立理由3(進歩性)について
(1)異議申立人の主張
上記「第4 1(3)」のとおり、異議申立人は、甲第1号証~甲第6号証を提出し、請求項1~4に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1~4に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。
(2)甲各号証
甲第1号証~甲第6号証の記載事項は以下のとおりである。
ア 甲第1号証の記載事項と甲1発明
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(ア)甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は当審にて付与した。以下同じ。)
「【0036】<1.システム構成>図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、企業活動評価システム0は、企業活動評価装置1(サーバ)及び利用者端末装置2(クライアント)を備える。企業活動評価装置1及び利用者端末装置2は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。企業活動評価装置1は、サーバとして動作し、利用者端末装置2は、利用者が操作するスマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。」
「【0041】図2(b)に示すように利用者端末装置2は、演算装置001、主記憶装置002、補助記憶装置003、入力装置004、出力装置005、通信装置006及びバスインタフェースを有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。【0042】演算装置001は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやウェブブラウザ、その他のアプリケーションを実行する。続きを表示(全12行)主記憶装置002は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリを有する。補助記憶装置003は、OS、ウェブブラウザアプリケーション等を記録可能な、HDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。入力装置004は、キーボードなどの入力処理が可能な入力デバイスを有する。出力装置005は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイスを有する。通信装置006は、ネットワークに物理的に接続するためのインタフェースを有し、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。【0043】<1.2.企業活動評価装置の機能構成>図3は、企業活動評価装置1の機能ブロック図である。図3に示すように、企業活動評価装置1は、記憶部10と、受付部11と、境界判定部12と、評価部13と、分析部14と、事例提供部15と、表示処理部16と、データベースDBを有する。・・・(以降省略)」
「【0045】本実施形態では、企業活動評価システム0は、ウェブアプリケーションの態様で利用者に提供され、利用者端末装置2のウェブブラウザを介して利用される。表示処理部16は、利用者がウェブアプリケーションを利用するための提供画面を表示処理し、表示処理結果を利用者端末装置2に対して送信する。また、表示処理部16は、企業活動情報の入力(アップロード)や操作入力を、提供画面を介して受け付ける。そして、企業活動評価装置1による処理を実行した後、処理結果を利用者端末装置2に送信する。・・・(途中省略)・・・【0046】<1.3.受付部>続きを表示(全17行)受付部11は、企業活動情報の入力を受け付け、この後の処理で使用する企業活動情報を記憶部10に格納する。本実施形態では、受付部11は、入力受付部111と、入力整形部112を有する。【0047】入力受付部111は、利用者から企業活動情報の入力を受け付ける。・・・(途中省略)・・・【0048】企業活動情報は、企業活動を示す会計情報を含む。企業活動情報中の1要素(1レコード)は、科目並びに1又は複数の細目と、その費用及び数量を有する。ここで、細目は、少なくとも科目を親とする細目と、その細目を親とする細目を含んだ階層構造をとる。・・・(途中省略)・・・【0049】また、例えば、細目は、科目又は細目と必ずしも親子関係とならないレコードの属性を含んでいて良い。例えば、細目として、企業活動情報が発生あるいは登録された年、月、年月あるいは年月日等を示す日付データ、費用が直接費又は間接費の何れかを示すデータ、費用が変動費又は固定費の何れかを示すデータ、科目・細目を発生させた部門データ(部門名)、レコードに対応する作業・工程の種別を特定可能なプロセスデータ、購入(調達)、製造あるいは販売経路における始点、中継及び終点の何れにおけるレコードかを示す動線フローデータ等を含んでいて良い。【0050】図4は、入力された企業活動情報及び、整形された企業活動情報の一例を示す図である。図4上段に示すデータは入力された企業活動情報(会計情報の生データ)を示し、下段は、整形された企業活動情報の一例を示す。なお、図示された科目名等は、企業活動評価システム0で使用するコードであってもよい。【0051】本実施形態では、入力された企業活情報に含まれた科目コード(図示例上段側の「借方科目コード」)に基づいて、レコードの科目及び細目を決定している。これは、例えば、記憶部10に、主要な会計ソフト等の科目コードと、そのコードに対応する科目及び細目を対応付けて保持することで行われる。また、入力された企業活動情報における科目名(図示例上段側の「借方科目名」)を自然言語処理して、対応する科目及び/又は細目(図示例下段側の「科目名」、「品目」、「品名」等)を決定してもよい。あるいは、会計ソフトに限らず、予算管理や購買管理、生産管理、物流管理システム等から出力される出力データを企業活動情報として、出力データのフォーマットに対応する整形処理が行われてよい。【0052】入力整形部112は、摘要に含まれた文章から、金額や数量、単価等を決定してよい。これは、摘要に含まれた特定のキーワード(例えば、円や¥、m3やkWh)に隣接する文字列などを取得することで決定してもよく、例えば、ルールベースでの方法や統計学的手法、機械学習、自然言語処理によって、細目に対応する情報を抽出してよい。」
「【0055】<1.5.評価部>評価部13は、企業活動情報について評価を行う為の情報処理として、コストを決定する処理及び集計処理を行う。本実施形態では、評価部13は、経済コスト評価部131と、環境コスト評価部132を有する。【0056】続きを表示(全11行)経済コスト評価部131は、企業活動情報の少なくとも一部のレコードについて、費用を示す経済コストを決定する。本実施形態では、企業活動情報中の評価対象とするレコード等に含まれた費用を経済コストとして決定する。企業活動情報が数量を細目として含み、更に、費用が単価を表す場合は、数量及び単価から経済コストを決定する。また、企業活動情報中に含まれた経済コストを集計処理する。【0057】環境コスト評価部132は、係数に基づき、企業活動情報のGHG排出量を示す環境コストを算出し、企業活動情報の各レコードに対応付ける。本実施形態では、企業活動情報中の評価対象(CO2算出の対象)として評価されたレコードに対して、費用に算出係数又はモデル係数を乗算することで、レコード毎の環境コスト(CO2排出量)を算出すると共に、企業活動情報中の評価対象とするレコードに含まれた環境コストを集計する。【0058】算出係数は、例えば、科目又は細目に応じて設定された係数であって、単位がKg-CO2/円等、企業活動情報に含まれる情報(本実施形態では「費用」)に基づいて、CO2排出量を算出する為の係数である。なお、費用に限らず、重量や消費電力等を企業活動情報に含めてもよく、分母が重量や消費電力等の算出係数を記憶部10に格納しておき、環境コスト評価部132は、それらに基づいてCO2等のGHG排出量を算出するようにしてもよい。【0059】集計は、企業活動情報全体について行ってもよいし、科目又は細目毎に行ってもよい。例えば、評価部13は、「旅費交通費」の科目が付されたレコードについて経済コストの集計及び、環境コストの集計を行ってよい。・・・(以降省略)」
「【0061】<1.6.境界判定部>境界判定部12は、境界情報及び、企業活動情報に含まれた少なくとも科目又は細目に基づいて、企業活動情報に含まれる各要素が(企業活動情報に含まれる各レコードが)環境経営の評価指標について分析等行う際の評価対象に該当するか判定する。ここで、「環境経営の評価指標」とは、例えば、SDGsやGHG排出、サプライチェーン排出量算定、炭素税などの税制、LCA等、環境経営を推進する為の既存あるいは独自の評価指標である。境界判定部12は、例えば、ルールベースでの方法や統計学的手法、機械学習、自然言語処理によって、境界情報に該当する企業活動情報中のレコードを決定してよい。【0062】境界情報は、評価対象に該当する科目又は細目及び、評価対象に該当しない科目又は細目を列挙した評価対象当否の基準を示す情報である。境界情報は、システムが想定する複数の評価指標毎に、この基準を示す情報を有していてよい。本実施形態では、SDGs、CO2算出(GHG排出)、CO2削減、LCA、サプライチェーン排出量算定(Scope1,2、Scope3)及び炭素税などの税制に関する複数の評価指標について、評価対象に該当するか否かの基準を有しているものとする。また、例えば、細目が、グリーン購入法に適合するか否かを判断する情報等、その他の基準を更に備えていてもよい。」
「【0068】<2.境界判定による環境活動評価の手順>企業活動評価システム0は、入力された企業活動情報に基づいて、利用者に対して環境活動事例の提示を行う。図6は、環境活動事例を提供する際の処理フローチャートである。」
「【0085】<2.4.評価ステップ>ステップS64において、評価部13は、レコード毎に経済コストを決定すると共に、GHG算出の評価対象として当判定がなされたレコード毎にGHG排出量を示す環境コストを決定する。また、モデル係数が設定されたレコードについては、モデル係数に基づいて環境コストを決定する。本実施形態では、レコードに対して算出係数あるいは、モデル係数が付加されているため、評価部13は、ステップS63でレコード毎に設定された係数と費用に基づいて、GHG排出量を決定し、企業活動情報の各レコードに対応付けて格納する。一例では、企業活動情報の一部項目又は項目全部を、データベースDB等の新たなテーブルに複製し、環境コストの項目に対して、決定した環境コストを追加する。【0086】更に、評価部13は、企業活動情報における経済コスト及び環境コストについて科目又は細目毎に集計を行う。科目又は細目毎の集計は、例えば、入力された企業活動情報に含まれた(あるいは、整形後に得られた)科目又は細目毎であってもよいし、利用者から指定を受けた科目又は細目毎であってもよい。科目又は細目の指定方法については後述する。」
「【0092】<3.2.事例提供画面>図9は、事例提供画面の画面表示例である。事例提供部15が、対象科目又は対象細目に基づいて提供すべき事例を決定すると、表示処理部16は、事例提供画面を表示処理する。図9(a)に示すように、事例提供画面W9は、事例表示領域W91、環境コスト表示領域W92、経済コスト表示領域W93、事例選択ボタンW94及び、逆引きボタンW95を備える。【0093】事例表示領域W91には、事例提供部15が決定した環境活動事例情報に基づいて、事例のタイトルが表示される。環境コスト表示領域W92には、この事例に対応付けられた科目又は細目についてのGHG排出量(図示例では、「CO2排出」)が表示される。同様に、経済コスト表示領域W93には、この事例に対応付けられた科目又は細目についての経済コスト(図示例では、「コスト」)が表示される。なお、事例提供部15は、事例に対応するゴール及びターゲット並びに、事例に対応する科目又は細目についての経済コスト及び環境コストの集計結果の少なくとも1つを事例と対応させて表示処理してよい。事例表示領域W91には、環境活動事例情報に対応付けられたゴール若しくは、ゴール及びターゲットが表示されてよい。」
「【図6】[図:0001429025000001.jpg]」
「【図9】[図:0001429025000002.jpg]」
(イ)甲第1号証に記載されているといえる事項
a 段落【0036】の記載によれば、甲第1号証には、「通信ネットワークNWを介して企業活動評価装置1と利用者端末装置2とが通信可能に構成された企業活動評価システム0」が記載されているといえる。
b 段落【0041】~【0042】の記載によれば、甲第1号証には、「利用者端末装置2は、演算装置001、主記憶装置002、補助記憶装置003、キーボードを有する入力装置004、ディスプレイを有する出力装置005、情報の入出力を行う通信装置006及びバスインタフェースを有する」との事項が記載されているといえる。
c 段落【0043】の記載によれば、甲第1号証には、「企業活動評価装置1は、記憶部10と、受付部11と、境界判定部12と、評価部13と、分析部14と、事例提供部15と、表示処理部16と、データベースDBを有する」との事項が記載されているといえる。
d 段落【0046】~【0048】の記載によれば、甲第1号証には、「受付部11は、利用者から企業活動を示す会計情報を含む企業活動情報の入力を受け付ける入力受付部111を有する」との事項が記載されているといえる。
e 段落【0061】~【0062】の記載によれば、甲第1号証には、「境界判定部12は、企業活動情報に含まれる各レコードが環境経営の評価指標(サプライチェーン排出量算定(Scope1~3))について評価対象に該当するか判定する」ことが記載されているといえる。
f 段落【0055】及び【0057】の記載によれば、甲第1号証には、「評価部13は、経済コスト評価部131と、環境コスト評価部132を有し、環境コスト評価部132は、企業活動情報中の評価対象(CO2算出の対象)として評価されたレコードに対して、費用に算出係数又はモデル係数を乗算することで、レコード毎の環境コスト(CO2排出量)を算出すると共に、企業活動情報中の評価対象とするレコードに含まれた環境コストを集計する」ことが記載されている。
g 段落【0045】、【0092】の記載によれば、甲第1号証には、「表示処理部16は、企業活動情報の入力(アップロード)や操作入力を、提供画面を介して受け付け、企業活動評価装置1による処理を実行した後、処理結果を利用者端末装置2に送信し、事例提供画面W9を表示処理する」ことが記載されているといえる。
h 段落【0092】~【0093】の記載によれば、甲第1号証には、「事例提供画面W9は、環境コスト表示領域W92を備え、環境コスト表示領域W92には、事例に対応付けられた科目又は細目についてのGHG排出量が表示される」ことが記載されているといえる。
(ウ) 甲第1号証に記載されている発明
上記(ア)及び(イ)によれば、甲第1号証には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
(引用発明)
「通信ネットワークNWを介して企業活動評価装置1と利用者端末装置2とが通信可能に構成された企業活動評価システム0であって(上記a)、前記利用者端末機器2は、演算装置001、主記憶装置002、補助記憶装置003、キーボードを有する入力装置004、ディスプレイを有する出力装置005、情報の入出力を行う通信装置006及びバスインタフェースを有し(上記b)、前記企業活動評価装置1は、記憶部10と、受付部11と、境界判定部12と、評価部13と、分析部14と、事例提供部15と、表示処理部16と、データベースDBを有し(上記c)、受付部11は、利用者から企業活動を示す会計情報を含む企業活動情報の入力を受け付ける入力受付部111を有し(上記d)、続きを表示(全11行)境界判定部12は、企業活動情報に含まれる各レコードが環境経営の評価指標(サプライチェーン排出量算定(Scope1~3))について評価対象に該当するか判定し(上記e)、 評価部13は、経済コスト評価部131と、環境コスト評価部132を有し、環境コスト評価部132は、企業活動情報中の評価対象(CO2算出の対象)として評価されたレコードに対して、費用に算出係数又はモデル係数を乗算することで、レコード毎の環境コスト(CO2排出量)を算出すると共に、企業活動情報中の評価対象とするレコードに含まれた環境コストを集計し(上記f)、集計は企業活動情報全体について行い(段落【0059】)、表示処理部16は、企業活動情報の入力(アップロード)や操作入力を、提供画面を介して受け付け、企業活動評価装置1による処理を実行した後、処理結果を利用者端末装置2に送信し、事例提供画面W9を表示処理し(上記g)、事例提供画面W9は、環境コスト表示領域W92を備え、環境コスト表示領域W92には、事例に対応付けられた科目又は細目についてのGHG排出量が表示される(上記h)、企業活動評価システム0。」
イ 甲第2号証
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
「【0019】近年、事業者自らの温室効果ガスの排出量(GHG排出量)だけでなく、事業活動に関わる全てのサプライチェーンのGHG排出量を示すサプライチェーン排出量を導出することにより、企業活動全体を把握、管理することが試みられている。サプライチェーン排出量は、事業者の原料調達、製造、物流、販売、廃棄等の一連の流れ全体における組織活動に伴って発生するGHG排出量(千t-CO2)を示す。サプライチェーン排出量は、スコープ1、スコープ2、及びスコープ3から構成される。【0020】スコープ1は、事業者自身により直接的に排出された温室効果ガスの排出量を示す直接排出量を示す。スコープ2は、事業者が電力会社等の他社から電気、熱、蒸気等のエネルギーを購入し、購入したエネルギーを使用することに伴う間接的に排出された温室効果ガスの排出量を示す間接排出量(エネルギー起源の間接排出)を示す。スコープ3は、スコープ1及びスコープ2に含まれない事業者のサプライチェーンにおける活動により排出された温室効果ガスの排出量を示す他の間接排出量を示す。スコープ3は、活動内容によりさらに15のカテゴリに分類される。」
「【0025】最初に、本実施形態におけるGHG排出量算出の流れについて概説する。ユーザは、まず、図1に示されるような、事業者の活動内容及び活動量を含む各種データが記録された会計系システム、業務系システム、人事システム、ERPシステム等のファイルをCSVファイル10に変換したものを準備する。CSVファイル10は、活動量データの一例である。活動量データは、事業者の活動内容及び活動量などの各項目の内容を予め定められた形式で示されるデータであれば、CSVファイル以外の予め定められた形式のファイルでもよい。【0026】GHG排出量導出装置は、ユーザにより指定されたCSVファイルを読み込み、CSVファイルに応じた排出原単位フォーマットを生成するための入力画面を表示させる。図2は、排出原単位フォーマットを生成するための入力画面を示すユーザインタフェース20の一例を示す。ユーザインタフェース20は、少なくとも活動内容21、活動量22、スコープ23、カテゴリ24(スコープ3に該当する場合のみ)、及び排出原単位25の項目を含む。」
「【0028】図3は、活動量データに排出原単位フォーマットを適用した後、GHG排出量を算出した結果画面を示すユーザインタフェース30の一例を示す。図2に示す入力画面のユーザインタフェース20のOKボタン26が押されると、GHG排出量導出装置は、各活動内容の活動量に各活動内容の排出原単位を乗じて各活動内容のGHG排出量を算出し、ユーザインタフェース30を出力する。【0029】図4は、GHG排出量導出装置を具現化したアプリケーションにおける排出原単位フォーマットを作成するための作成画面を示すユーザインタフェース40の一例である。作成画面40の領域41に示される[項目名1]及び[項目名2]が活動内容を表わすデータに相当する。ここでは[項目名1]にCSVファイル内の列番号「5」が、[項目名2]にCSVファイル内の列番号「4」が指定されている。ユーザインタフェース40の領域42に示される[活動量]が活動量を表わすデータに相当する。ここでは[活動量]にCSVファイル内の列番号「6」が指定されている。図2に示すユーザインタフェース20ではわかりやすさのため、1レコード内に活動内容の列が1つ含まれている。しかしながら、活動内容を表わす列の数は1つに限定されず、2つ以上でもよい。活動内容を表わす列の数は、例えば3つでよい。」
「【0033】図6は、図4及び図5においてCSVファイルを排出原単位フォーマットへ割り当てを済ませ、CSVファイルをGHG排出量導出装置に読み込んだ後のユーザインタフェース60の一例を示す。ユーザインタフェース60では、活動内容を表わすデータを[項目名1]及び[項目名2]として2つ含めているので、[項目名1]ガソリン+[項目名2]取引先A、[項目名1]ガソリン+[項目名2]取引先Bのように表示されている。このようにすることで、GHG排出量導出装置は、同じガソリンであっても取引先ごとに活動内容を区別して、それぞれのGHG排出量を算出できる。活動内容を表わす列を複数含めることにより、活動内容を表わすデータをより細かく設定して、GHG排出量を算出できる。ユーザインタフェース60の領域61には、CSVファイルをGHG排出量導出装置に取り込んだときの表示名が表示されている。ユーザインタフェース60の領域61において、活動内容として複数の項目を指定した場合に、それらの項目のうち、表示名として表示させる項目が指定される。ここでは、項目名1で指定した列番号と同じ列番号「5」が指定されている。ユーザはCSVファイルが正しく読み込まれていることを確認したら、[承認する]ボタン62を押す。すると、GHG排出量導出装置は、活動量に排出原単位を乗じてGHG排出量を算出する。」
「【0043】取得部104は、GHG排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す第1活動量データを取得する。第1活動量データは、活動内容及び活動内容ごとの活動量を含む。活動量データは、例えば、会計系システム等のファイルをGHG排出量導出装置100に読み込み可能な形式に変換したファイル(例えば、CSVファイル)であってよい。活動内容は、GHGの排出に直接的または間接的に関与する事業者の活動を示す。活動内容は、例えば、「従業員による出張」であってよい。例えば、導出の仕方として、従業員数から出張によるGHG排出量を導出することとした場合、活動量は例えば「500人(従業員数)」であってよい。」
「【0060】取得部104は、GHG排出量の導出対象である活動内容及び活動内容ごとの活動量を示す新たな活動量データを取得する。取得部104は、ユーザにより指定されたファイル名に対応する活動量データを記憶部112から取得してよい。取得部104は、電子メールなどに添付されて他の装置から送信された新たな活動量データを、ネットワーク150を介して取得してよい。抽出部118は、新たな活動量データを参照して、作成元のアプリケーションの種別を特定し、記憶部112を参照して、ユーザ識別情報に対応するユーザの業種を特定することで、新たな活動量データの種別を特定してよい。抽出部118は、新たな活動量データの種別に対応する既存の排出原単位フォーマットから、新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対応する、他の間接排出量に関する少なくとも1つのカテゴリ及び少なくとも1つの排出原単位の少なくとも1つのセットを抽出する。次に、生成部102は、少なくとも1つのセットの中から、ユーザの指示に応じて、新たな活動量データに示されるそれぞれの活動内容に対する1つのセットをそれぞれ特定することで、新たな活動量データに対する新たな排出原単位フォーマットを生成する。」
「【0088】上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1300上またはコンピュータ1300近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1300に提供する。」
ウ 甲第3号証
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
「【0011】以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1について説明する。本実施形態の情報処理装置1は、事業者が取得した固定資産に係る二酸化炭素(CO2)の排出量を計算しようとするものである。情報処理装置1は、資産の全ての上流(cradle-to-gate)排出量を算出する。なお、二酸化炭素に限らず、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N20)、フルオロカーボン類等の温室効果ガスや、それ以外の窒素酸化物(NOx)、硫化物(SOx)などの環境負荷物質について広く適用することができる。」
「【0013】会計データ取得部211は、会計データを取得する。会計データ取得部211は、例えば、外部の会計システム(不図示)にアクセスして会計データを取得することができる。本実施形態では、会計データ取得部211は、会計データの中でも固定資産台帳に管理される固定資産に関するデータ(以下、固定資産台帳データという。)を取得するものとする。会計データ取得部211は、取得した固定資産台帳データを固定資産台帳記憶部231に登録することができる。」
「【0017】排出量算出部212は、固定資産台帳データと排出係数とに基づいて環境負荷物質の排出量を計算する。排出量算出部212は、固定資産台帳データのうち、資産名及び資産区分に対応するカテゴリごとに環境負荷物質の排出量を計算することができる。本実施形態では、排出量算出部212は、GHGプロトコルのスコープ3に規定される資本財(カテゴリー2)及びリース資産(カテゴリー8)に対応する資産について排出量を計算する。具体的には、排出量算出部212は、資本財(カテゴリー2)及びリース資産(カテゴリー8)に対応する固定資産データを抽出し、抽出した固定資産データの資産名及び資産区分に対応する排出係数と、帳簿価格とを乗じることにより、排出量を算出することができる。なお、排出量算出部212は、当該会計年度に取得された資産のみを計算対象とすることができる。」
「【0022】排出量算出部212は、上記のようにして算出した排出量を合計するとともに(S306)、排出量を出力する(S307)。なお、カテゴリごとの排出量と、合計値との少なくともいずれかを出力することができる。」
「【0025】例えば、本実施形態では、固定資産台帳データに基づいて固定資産に関する環境負荷物質の排出量を算出するものとしたが、固定資産台帳データに限らず、広く会計データ全般を用いて環境負荷物質の排出量を算出するようにすることができる。会計データは、例えば、会計パッケージソフトウェアや会計クラウドサービスにより管理されるデータであってもよいし、表計算ソフトウェアなどにより、例えば、事業者の経理担当者が管理しているデータであってもよい。【0026】また、本実施形態では、GHGプロトコルのスコープ3(事業者のバリューチェーン)に係る資本財(カテゴリー2)及びリース資産(カテゴリー8)に対応する固定資産台帳データに基づいて、当該固定資産に関する環境負荷物質の排出量を算出するものとしたが、これに限らず、GHGプロトコルのスコープ1及びスコープ2に関しての排出量を算出することもできる。また、スコープ3についても、カテゴリー2及び8以外のカテゴリーについも排出量を算出することができる。」
エ 甲第4号証
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
「[0049] Further, most companies and others that report their energy usage and GHG emissions get their base information from the monthly energy billing data from utilities and other energy providers meter readings that are sent to the finance department. The finance department then manually enters the billing information (cost, consumption, dates, etc.) into their financial reporting system (Oracle, etc.) for each meter and site.[0050] However, it's important to note that the energy bills from the energy providers (electric utility, diesel fuel supplier, etc.) do not provide the equivalent energy use (GJ, etc.) or the GHG emissions that are attributed to the energy consumed, so there is no standard energy usage or equivalent GHG data entered into the financial reporting system. Therefore, the equivalent energy use (GJ, etc.) and GHG emissions that result from say consuming 100,000 MWh (electricity) or 10,000,000 m3 of natural gas data that appears on the energy bills must be calculated by a qualified energy person on staff. These conversion calculations are usually made in an EXCEL or a similar spreadsheet software program. Some energy professionals use the Higher Heating Value of the fuels while others use the Lower Heating Value of the fuels to get the equivalent energy values (MWh, GJ, etc.) for reporting.[0051] The energy values are then used with different GHG conversion factors from several sources (EPA, IPCC, etc.) by the various energy professionals to arrive at an equivalent GHG value for electricity and fuels consumed.[0052] FIG. 10 is an exemplary method for obtaining calculations 1006 for the GHG emission (such as GHG equivalent 1002) and energy calculation (such as energy equivalent 1004). Further, values associated with electrical use 1008 (in MWh), which may be (for instance) provided by a financial software 1012, may be multiplied with a GHG conversion factor 1010 (in tonnes CO2e/MWh from eGRID default value 1014) in order to obtain the GHG equivalent 1002. Further, values associated with electrical use 1016 (in MWh), which may be (for instance) provided by a financial software 1020, may be multiplied with a energy conversion factor 1018 (in tonnes GJ/MWh from IPCC default value 1022) in order to obtain the energy equivalent 1004.[0053] FIG. 11 is an exemplary method for obtaining calculations 1106 for the GHG emission (such as GHG equivalent 1102) and energy calculation (such as energy equivalent 1104). Further, values associated with natural gas use 1112 (in meter cube), which may be (for instance) provided by a financial software 1114, may be multiplied with a energy conversion factor 1110 (in GJ/meter cube, from IPCC default value 1116). Resultant may further be multiplied with a GHG conversion factor 1108 (for e.g. 0.0497 tCO2e/GJ) in order to obtain the GHG equivalent 1102.[0054] Once the energy and GHG calculations are completed as shown in FIG. 10 and FIG. 11, there is typically an internal review to make sure that the numbers look correct. Some companies will also hire an assurance company as part of the internal review team to also review the numbers, but this requires additional costs, resources and time.」
(当審訳)
【0049】さらに、エネルギー使用量とGHG排出量を報告するほとんどの企業などは、財務部門に送られる電力会社や他のエネルギー提供者の毎月のエネルギー請求データから基本情報を得ている。その後、財務部門は、各メータやサイトの請求情報(コスト、消費量、日付など)を財務報告システム(オラクルなど)に手作業で入力する。
【0050】しかし、注意しなければならないのは、エネルギー供給者(電気事業者、軽油供給者等)からのエネルギー請求書には、消費したエネルギーに起因する等価エネルギー使用量(GJ等)やGHG排出量は記載されていないため、財務報告システムに入力される標準的なエネルギー使用量や等価GHGデータは存在しない。したがって、エネルギー請求書に記載されている、例えば100,000MWh(電力)または10,000,000m3の天然ガスを消費した場合の等価エネルギー使用量(GJ等)およびGHG排出量は、有資格のエネルギー担当者が計算しなければならない。これらの換算計算は、通常、EXCELまたは類似のスプレッドシート・ソフトウェア・プログラムで行われる。エネルギー専門家の中には、燃料の高位発熱量を使用する者もいれば、報告用の等価エネルギー値(MWh、GJ等)を得るために燃料の低位発熱量を使用する者もいる。
【0051】このエネルギー値を、さまざまなエネルギー専門家が、複数の情報源(EPA、IPCCなど)から得たさまざまなGHG換算係数を用いて、消費された電気と燃料の同等のGHG値を算出する。
【0052】図10は、GHG排出量(GHG換算値1002など)およびエネルギー計算(エネルギー換算値1004など)の計算値1006を得るための例示的な方法である。さらに、(例えば)金融ソフトウェア1012によって提供され得る電気使用1008(MWh単位)に関連する値は、GHG換算1002を得るために、GHG換算係数1010(eGRIDデフォルト値1014からのトンC02e/MWh単位)と乗算され得る。さらに、(例えば)金融ソフトウェア1020によって提供される電気使用1016(MWh単位)に関連する値は、エネルギー換算係数1018(IPCCデフォルト値1022からのトンGJ/MWh単位)を乗じてエネルギー換算値1004を得ることができる。
【0053】図11は、GHG排出量(GHG換算値1102など)およびエネルギー計算(エネルギー換算値1104など)の計算値1106を得るための例示的な方法である。さらに、(例えば)金融ソフトウェア1114によって提供され得る天然ガス使用1112(メーターキューブ単位)に関連する値は、エネルギー換算係数1110(GJ/メーターキューブ単位、IPCCのデフォルト値1116から)と乗算されてもよい。その結果には、さらに温室効果ガス換算係数1108(例えば0.0497tC02e/GJ)を乗じて、温室効果ガス換算値1102を得ることができる。
【0054】図10と図11に示すように、エネルギーとGHGの計算が完了すると、通常、数字が正しいかどうかを確認するための社内レビューが行われる。企業によっては、社内レビューチームの一部として保証会社を雇い、数値のレビューも行っているが、これには追加のコスト、リソース、時間が必要となる。
「[0111] FIG. 2 is a system 200 of facilitating provisioning of audit data related to energy consumption, water consumption, water quality, greenhouse gas emissions, and air emissions using blockchain, in accordance with some embodiments. Accordingly, in the case of energy consumption and greenhouse gas (GHG) emissions, the system 200 may include a communication device 202 configured for receiving a sensory data from at least one measuring device associated with at least one energy consuming entity. Further, the at least one energy consuming entity, in an instance, may be any facility that may be consuming energy in one or more forms (e.g. electrical energy, heat energy, fuel energy, and so on). For instance, the at least one energy consuming entity may include a building, household, company/organization, factory etc. that may be consuming energy. Further, in some embodiments, the sensory data may include billing data. Further, the billing data may include at least one of an power consumption in kWh, water and fuel volume consumption in gallons (and/or in cubic meters, liters, etc.), a location associated with the at least one measuring device (for e.g. longitudinal and latitudinal coordinates), an ID associated with the at least one measuring device (for e.g. a unique identity number), a type associated with the at least one measuring device (for e.g. a power meter, a water meter, a natural gas meter, and so on), date, time and value. Further, in some embodiments, the sensory data may include data related to at least one of an air quality and air emissions. Further, the air quality and air emissions correspond to emission of at least one of carbon monoxide, carbon dioxide, methane, nitrous oxide, ozone, particulate pollution, and Sulphur dioxide. Further, in some embodiments, the sensory data may include data related to at least one of a water quality and water emissions. Further, the water quality and water emissions correspond to metrics such as at least one of Dissolved oxygen, pH, Water temperature, Turbidity, Phosphorus, Total nitrogen, and Pathogen indicators. Further, in some embodiments, the sensory data for water may include (but not limited to) consumption, re-use, recycling, reclaim, evaporation, rain water, contained in product, process, discharge, blowdown, heating, cooling, steam, treatment, storage, etc. necessary to provide a complete water balance. Further, in some embodiments, the sensory data may include a multimedia content. Further, the multimedia content may be in at least one of a textual form, a visual form, an audio form, and an audiovisual form. For instance, the multimedia content may include an image (e.g. a photo 1602 with meter readings as shown in FIG. 16, and a photo 1702 with another meter reading as shown in FIG. 17), which may be captured by a content capturing device (such as but not limited to a camera). Further, the content capturing device, in an instance, may include one or more sensors that may be configured to sense any physical, chemical and/or biological variable. For instance, the one or more sensors may include (but not limited to) camera sensors, microphones, temperature sensors, pressure sensors etc. In some embodiments, the at least one measuring device may be based on at least one of an optical technology, an advanced metering infrastructure (AMI), an automated meter reading (AMR), and an Information of Things (IoT) technology. Further, the at least one measuring device may include a billing meter. Further, the billing meter may include at least one of an analog meter and/or a digital meter. Further, in some embodiments, the at least one measuring device may include at least one of an air quality meter, and a water quality meter configured for generating one or more sensory readings. In some embodiments, the at least one energy consuming entity may include at least one electrical appliance. For instance, the at least one electrical appliance may include (but not limited to) a CNC machine, an air conditioner, electric pumps, and so on.[0112] Further, the system 200 may include a processing device 204 configured for analyzing the sensory data.[0113] Further, the processing device 204 may be configured for generating the audit data based on the analyzing. In some embodiments, the audit data may include at least one of an energy usage data, a carbon emission data, a water usage data, an air emissions data, and a water quality data.[0114] Further, the system 200 may include a storage device 206 configured for storing the audit data on blockchain. Further, the audit data may be used for at least one of monitoring purposes, reporting purposes, and analytical purposes. For instance, a client may use the audit data for real time monitoring, reporting, and analytical purposes.」
(当審訳)
【0111】 図2は、いくつかの実施形態に従って、プロックチェーンを使用して、エネルギー消費、水消費、水質、温室効果ガス排出、および大気排出に関連する会計データの提供を容易にするシステム200である。したがって、エネルギー消費および温室効果ガス(GHG)排出の場合、システム200は、少なくとも1つのエネルギー消費エンティティに関連付けられた少なくとも1つの測定デバイスから感覚データを受信するように構成された通信デバイス202を含み得る。さらに、少なくとも1つのエネルギー消費主体は、一例では、1つまたは複数の形態(例えば、電気工ネルギー、熱エネルギー燃料エネルギーなど)でエネルギーを消費している可能性がある任意の施設であってもよい。例えば、少なくとも1つのエネルギー消費主体は、エネルギーを消費している可能性のある建物、家庭、企業/組織、工場などを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態において、感覚データは、課金データを含み得る。さらに、課金データは、kWh単位の電力消費量、ガロン単位(および/または立方メートル、リットルなど)の水および燃料の体積消費量、少なくとも1つの測定デバイスに関連付けられた位置(例えば、縦方向および緯度方向の座標)、少なくとも1つの測定デパイスに関連付けられたID(例えば、固有のID番号)、少なくとも1つの測定デバイスに関連付けられたタイプ(例えば、電力メータ、水道メータ、天然ガスメータなど)日付、時刻、および値のうちの少なくとも1つを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、官能データは、大気質および大気排出の少なくとも1つに関連するデータを含むことができる。さらに、大気の質および大気の排出は、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、オゾン、粒子状物質汚染、および二酸化硫黄のうちの少なくとも1つの排出に対応する。さらに、いくつかの実施形態において、官能データは、水質および水の排出量の少なくとも1つに関連するデータを含み得る。さらに、水質および水排出量は、溶存酸素、pH、水温、濁度、リン、全窒素、および病原体指標のうちの少なくとも1つなどの指標に対応する。さらに、いくつかの実施形態において、官能データは、マルチメディアコンテンツを含むことができる。さらに、マルチメディアコンテンツは、テキスト形式、視覚形式、音声形式、および視聴覚形式のうちの少なくとも1つであってもよい。例えば、マルチメディアコンテンツは、画像(例えば、図16に示すようなメータ読み取り値を有する写真1602、および図17に示すような別のメータ読み取り値を有する写真1702)を含んでもよく、これは、コンテンツキャプチャデパイス(カメラなどであるが、これに限定されない)によってキャプチャされてもよい。さらに、コンテンツ捕捉装置は、一例として、任意の物理的、化学的および/または生物学的変数を感知するように構成され得る1つまたは複数のセンサを含み得る。例えば、1つ以上のセンサは、カメラセンサ、マイクロフォン、温度センサ、圧力センサ等を含むことができる(ただし、これらに限定されない)。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの測定装置は、光学技術、高度計量インフラ(AMI)、自動検針(AMR)、およびモノ情報(TOT)技術のうちの少なくとも1つに基づいてもよい。さらに、少なくとも1つの測定装置は、課金メータを含んでもよい。さらに、課金メータは、アナログメータおよび/またはデジタルメータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。さらにいくつかの実施形態において、少なくとも1つの測定デパイスは、1つまたは複数の感覚測定値を生成するように構成された空気品質計、および水質計のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのエネルギー消費エンティティは、少なくとも1つの電気器具を含み得る。例えば、少なくとも1つの電気機器は、CNCマシン、エアコン、電動ポンプなどを含むことができる(ただし、これらに限定されない)。
【0112】 さらに、システム200は、感覚データを分析するよう構成された処理装置204を含むことができる。
【0113】 さらに、処理装置204は、分析に基づいて会計データを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、会計データは、エネルギー使用データ、炭素排出量データ、水使用データ、大気排出量データ、および水質データのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0114】 さらに、システム200は、ブロックチェーン上に会計データを格納するように構成される記憶装置206を含むことができる。さらに、会計データは、監視目的、報告目的、および分析目的のうちの少なくとも1つのために使用されてもよい。例えば、クライアントは、リアルタイムの監視、報告、および分析目的のための会計データを使用することができる。
したがって、甲第4号証には、以下の技術事項(以下、「甲4記載の技術事項」という。)が記載されているといえる。
(甲4記載の技術事項)
「各メータやサイトの請求情報(コスト、消費量、日付など)を財務報告システムに手作業で入力し、エネルギー請求書に記載されている、電力や天然ガスの量を消費した場合の等価エネルギー使用量およびGHG排出量を、複数の情報源(EPA、IPCCなど)から得たさまざまなGHG換算係数を用いて算出すること」
オ 甲第5号証
甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
[図:0001429025000003.jpg]
(当審訳)
【0014】 よく見たように、前記先行技術1ないし先行技術2は、それぞれ簡便に事業場の会計をリアルタイムで管理することができるシステム、そして、ブロックチェーン技術を利用して、二つの人の使用者の間の両方向取り引きを行う方法及びシステムに関することで、本発明と技術分野は類似するが、人工知能技術及びブロックチェーン技術を利用して会計情報を管理しようとする本発明の技術的思想とは差がある。
【0015】 さらに詳細に、本発明は、人工知能技術を利用して、会計を管理する手段から作成、記録される会計情報を自動で仕訳して、ブロックチェーン技術を利用して、ブロックチェーンに結合されるデータで変換して、暗号化するが、使用者が時によって、容易にブロックチェーンに結合されたデータをリーディング、整列することができるようにすることで、会計管理システムの使用容易性及び会計情報の管理の正確性、客観性及び透明性、信頼性が強化されるようにするシステムを提供することを目的としている。
[図:0001429025000004.jpg]
(当審訳)
【0031】 会計情報を作成、管理するブロックチェーン技術基盤の会計管理システムに人工知能技術を加えて、会計管理システムの使用容易性及び会計情報の正確性はもちろん、会計情報の管理の客観性及び透明性を強化して、経済的指標としての信頼性を極大化させる。
【0032】 さらに具体的には、銀行及びカードによる取り引き情報または作成者が会計管理手段に作成、入力する会計情報から会計情報を自動で憤慨して、自動で分大になった会計情報がプロックチェーンに記録されるようにする。
【O033】 また、人工知能データ処理手段によるプロックチェーンデータ生成手段によって会計情報が加工、暗号化されて、会計プロックチェーン記録手段によって加工、暗号化された会計青報がプロックチェーンで結合、登録されるので、ハッキングが不可能である。
カ 甲第6号証
甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
「【0032】また、ウェブスクレイピングではなく、領収書等をカメラで撮影してウェブサーバ110に送信することによって、ウェブ明細データを取得してもよい。この際、スマートフォン、タブレット等の携帯端末用のアプリとして実装すれば、領収書等をアプリに読み込むと、自動的にユーザーのアカウントに取り込まれるようにすることができる。また、領収書等の電子データを電子メールで受信する場合があるが、この場合に、受信アドレスにユーザーのアカウントと関連づけられたアカウントが含まれるようにすれば、領収書等の電子データを解析してウェブ明細データとして取り込むこともできる。電子データとしては、PDFや画像ファイルが挙げられる。また、ウェブサーバ110が受信するのではなく、メールサーバ(図示せず)で受信・解析を行い、得られたウェブ明細データをウェブサーバ110に送信してもよい。また、領収書の他、請求書をカメラで撮影してウェブサーバ110に送信することによって、負債が発生したことの記録も可能である。たとえば、請求書を受け取った時点で、それをカメラ撮影及びOCRにより電子化し、負債として仕訳して登録しておくことで、実際に支払を行わなければならないことのリマインダーとなるし、実際に支払を行ったときには、どの支払予定に対して支払を行ったのかを銀行明細と支払予定との間でマッチングを行うことで管理することができる。このような支払予定(買掛金、未払金等)の消し込みを簡単に行うことや、発生主義にも対応することへのニーズもあり、領収書の画像取り込みも有益な機能である。加えて、このような領収書、請求書等の画像取り込みは、それぞれの仕訳への画像データの紐付けを可能とし、証憑管理を容易にする。」
(3)判断
ア 本件発明1について
本件発明1と引用発明を対比すると、本件発明1においては、「システムサーバ」に関して「「前記活動量と前記排出原単位とに基づいて前記温室効果ガス排出量を計算して、前記温室効果ガス排出量に基づいて前記温室効果ガス排出総量を計算する第1計算手段と、前記企業会計データに基づいて前記エネルギーデータ量を計算して、前記エネルギーデータ量に基づいてエネルギーデータ総量を計算する第2計算手段」を備え、また、「前記第2計算手段」は、「前記企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、を計算する」ものであるとの構成が特定されているのに対し、引用発明においては、本件発明1の「第2計算手段」に対応する構成が特定されていない」点で、両発明は少なくとも相違している。
しかしながら、異議申立人の提出した甲第2号証~甲第6号証のいずれにも、上記相違点に係る構成に関する事項は記載されておらず、また、出願時の技術常識でもない。
そして、本件発明1は、システムサーバが、温室効果ガス総排出量を計算する第1計算手段と、エネルギーデータ総量を計算する第2計算手段を備え、第2計算手段が自社直接排出量、自社間接排出量、他間接排出量を算出することで、「企業活動全体の温室効果ガス排出総量およびエネルギーデータ総量を算定・算出・見える化を実現する統合システムの技術を提供する」ことに特徴があるから、当該相違点に係る構成は単なる設計事項とはいえない。
したがって、本件発明1は、上記引用発明および甲第2号証~甲第6号証に記載された事項から当業者が容易になし得るものではない。
また、異議申立人は、異議申立書において、以下の点を主張している。
a「図5におけるScope1,2対象における経済コスト」は「自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量」、「自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルキーデータ量」、「自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量」に相当する。(異議申立書第18~19頁)
b「なお、予備的に「エネルギーデータ量」が「経済コスト」に相当しない他のものである場合、例えば、会計データから活動量(事業者の活動の規模に関する量)であるエネルギー使用量を計算する場合、この点については、甲第4号証に「システム200において、財務部門が、財務報告システムに公益事業および他のエネルギ一提供者からの毎月のエネルギー請求データを入力し、財務報告システムに入力された請求データに基づき、エネルギー収支の値に、エネルギー変換係数を乗算し、等価エネルギー使用量(GJなど)を算出」することが記載されている。
甲第1号証と甲第4号証とは、環境負荷物質の排出量の算出システムという同一技術分野に属し、会計データに基づき、環境負荷物質の排出量を算出するという同一の機能を有している。よって、甲第1号証において、甲第4号証に記載の構成を採用し、財務部門の端末から入力される会計データを取得し、会計データに基づき、GHGプロトコルのスコープ1、スコープ2及びスコープ3に関しての環境負荷物質の排出量を算出するために、スコープごとのエネルギー使用量を算出し、算出したエネルギー使用量を合計した合計値を算出し、スコープごとのエネルギー使用量及びスコープ1、スコープ2及びスコープ3のエネルギー使用量の合計値も出力するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることであると思料する。」(異議申立書第19頁)
aについて検討する。
引用文献1の段落【0056】には、「経済コスト評価部131は、企業活動情報の少なくとも一部のレコードについて、費用を示す経済コストを決定する。本実施形態では、企業活動情報中の評価対象とするレコード等に含まれた費用を経済コストとして決定する。企業活動情報が数量を細目として含み、更に、費用が単価を表す場合は、数量及び単価から経済コストを決定する。また、企業活動情報中に含まれた経済コストを集計処理する。」と記載されており、【図5】の記載からも、引用文献1の「経済コスト」は、費用に関するものであると解されるから、本件発明1の「エネルギーデータ量」に相当するものでないことは明らかである。
bについて検討する。
甲第4号証には、上記(2)エのとおりの技術事項が記載されている。
しかしながら、甲第4号証には、本件発明1の「前記企業における自社の所有設備と事業活動とにより直接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社直接排出量(Scope1排出量)と、前記自社の前記所有設備と前記事業活動とで使用されるエネルギーの供給により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての自社間接排出量(Scope2排出量)と、前記自社の前記事業活動に関連する事業者と前記自社の製品の使用者との活動により間接的に排出される前記エネルギーデータ量としての他間接排出量(Scope3排出量)と、を計算する手段」に対応する構成が記載されていないことは明らかである。
よって、甲4記載の技術事項を引用発明に適用したとしても、上記相違点に係る構成は当業者が容易になし得たものとはいえない。
したがって、異議申立人の主張は、採用することができない。
イ 本件発明2~4について
本件発明2~4は、上記アで検討した相違点に係る構成を有するから、本件発明1と同様の理由により、甲第1号証~甲第6号証を勘案しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)小括
以上のとおりであるから、異議申立人の主張する特許法第29条第2項の規定に違反する旨の異議申立理由は理由がない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求は認められるものであり、また、取消理由通知に記載した取消理由及び異議申立書に記載した異議申立理由によっては、請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700054