特許訂正審判
2025-390109
軌道のためのビークルダイナミクスに対する制限の修正
- 審判番号
- 2025-390109
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-508472
- 登録番号
- 7701000
- 請求日
- 2025年08月05日
- 審決日
- 2026年03月26日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ズークス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 八木 誠
- 審判官 河端 賢
- 審判官 西山 智宏
- 分類
- P141 .832-Y (B60W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7701000号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7701000号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7701000号(以下、「本件特許」という。)は、2020年(令和2年)8月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年(令和元年)8月13日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日として出願され、令和7年6月23日にその特許権の設定登録がなされ、その後、令和7年8月5日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
本件訂正審判の請求以降の手続の経緯は、次のとおりである。
令和7年 8月 5日 :訂正審判請求書の提出
令和7年 9月30日付け:手続補正指令書(方式)(発送日:同年10月
3日)
令和7年10月16日 :手続補正書(方式)の提出
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7701000号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
そして、その訂正の内容は、次の1ないし3の訂正事項1ないし3からなるものである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「コンピュータシステムが前記自律車両の前記サブシステムの動作ステータスに関連付けられた信号を受信することであって、」
と記載されているのを
「前記コンピュータシステムが前記自律車両の前記サブシステムの動作ステータスに関連付けられた信号を受信することであって、」
に訂正し、請求項1の記載を引用する請求項2ないし8も同様に訂正することを請求する(下線は、審判請求書において特許権者が記載したとおりである。以下同様。)。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項9に
「自律車両のセンサからの入力を受信することであって、」
と記載されているのを
「前記自律車両のセンサからの入力を受信することであって、」
に訂正し、
「前記入力が、前記自律車両のサブシステムの低減した動作ステータスを示し、」
と記載されているのを
「前記入力が、前記自律車両の前記サブシステムの低減した動作ステータスを示し、」
に訂正し、請求項9の記載を引用する請求項10ないし13も同様に訂正することを請求する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記サブシステムの前記低減された動作ステータスと前記更新前の動作状態との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、」
と記載されているのを
「前記サブシステムの前記低減された動作ステータスと前記更新前の動作ステータスとの間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、」
に訂正し、請求項3の記載を引用する請求項4ないし8も同様に訂正することを請求する。
第3 当合議体の判断
1 訂正事項1について
(1) 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る特許発明の「コンピュータシステムが前記自律車両の前記サブシステムの動作ステータスに関連付けられた信号を受信することであって、」における「コンピュータ」と、これより前に記載された「コンピュータシステムが自律車両が走行するための軌道を受信することであって、」における「コンピュータ」の関係が明確でないものであったのを、訂正後の請求項1に係る特許発明の「前記コンピュータシステムが前記自律車両の前記サブシステムの動作ステータスに関連付けられた信号を受信することであって、」とすることにより、その関係を明確にするものである。
同様に、訂正後の請求項2ないし8に係る特許発明は、訂正後の請求項1に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項2ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
a 本件明細書の段落【0039】には「二次計算ユニット204は、システムモニタ220、軌道マネージャプロセス(「TMP」)222、及び安全/無知覚コリドーチェッカ224を実行する。」と記載されている。
b 上記aからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載したこれらの各事項に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
同様に、訂正後の請求項2ないし8に係る特許発明は、訂正後の請求項1に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項2ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
上記(1)のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1及び請求項1を引用する請求項2ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正前の請求項1及び請求項1を引用する請求項2ないし8に係る訂正事項1において、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
2 訂正事項2について
(1) 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項9に係る特許発明の「自律車両のセンサからの入力を受信することであって、」における「自律車両」と、これより前に記載された「自律車両が走行するための軌道を受信することであって、前記軌道は前記自律車両のサブシステムが更新前の動作ステータスで動作している場合の前記自律車両の前記サブシステムに関連付けられた能力制限に基づいて生成されたものであり、」における「自律車両」の関係が明確でないものであったのを、訂正後の請求項9に係る特許発明の「前記自律車両のセンサからの入力を受信することであって、」とすることにより、その関係を明確にするものである。
また、訂正事項2は、訂正前の請求項9に係る特許発明の「前記入力が、前記自律車両のサブシステムの低減した動作ステータスを示し、」における「サブシステム」と、これより前に記載された「自律車両が走行するための軌道を受信することであって、前記軌道は前記自律車両のサブシステムが更新前の動作ステータスで動作している場合の前記自律車両の前記サブシステムに関連付けられた能力制限に基づいて生成されたものであり、」における「サブシステム」の関係が明確でないものであったのを、訂正後の請求項9に係る特許発明の「前記入力が、前記自律車両の前記サブシステムの低減した動作ステータスを示し、」とすることにより、その関係を明確にするものである。
同様に、訂正後の請求項10ないし13に係る特許発明は、訂正後の請求項9に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項10ないし13に係る特許発明の内容を明確にするものである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
a 本件明細書の段落【0075】には「システムモニタ220は、動作606において、図4を参照して上述した1つ以上のシステムからのもの、またはそれに関連付けられているものなどの、車両のシステムまたはサブシステムの1つ以上のステータス更新を受信し得る。」及び「ステータス更新はまた、システムが低減した容量で動作しているかどうか、故障しているかどうか、及び/または、車両の動作に関連する他の情報を示し得る。」と記載されている。
b 上記aからみて、訂正事項2は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載したこれらの各事項に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項9に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
同様に、訂正後の請求項10ないし13に係る特許発明は、訂正後の請求項9に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項10ないし13に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
上記(1)のとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項9及び請求項9を引用する請求項10ないし13に係る特許発明の内容を明確にするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正前の請求項9及び請求項9を引用する請求項10ないし13に係る訂正事項2において、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
3 訂正事項3について
(1) 訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項3に係る特許発明の「前記サブシステムの前記低減された動作ステータスと前記更新前の動作状態との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、」における「前記更新前の動作状態」と、訂正前の請求項3が引用する訂正前の請求項1に記載された「前記軌道は前記自律車両のサブシステムが更新前の動作ステータスで動作している場合」における「更新前の動作ステータス」の関係が明確でないものであったのを、訂正後の請求項3に係る特許発明の「前記サブシステムの前記低減された動作ステータスと前記更新前の動作ステータスとの間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される、」とすることにより、その関係を明確にするものである。
同様に、訂正後の請求項4ないし8に係る特許発明は、訂正後の請求項3に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項4ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものである。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
a 本件明細書の段落【0076】には「これらのステータス更新に基づいて、システムモニタ220は、動作608において、車両の既存の実現可能性または能力制限のセットを決定または更新し」と記載され、同段落【0151】には「サブシステムが100%の容量で動作していないという指示などから、動作ステータスまたはステータス更新が導出され得る。」と記載されている。
b 上記aからみて、訂正事項3は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載したこれらの各事項に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)のとおり、訂正事項3は、訂正前の請求項3に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
同様に、訂正後の請求項4ないし8に係る特許発明は、訂正後の請求項3に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項4ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
上記(1)のとおり、訂正事項3は、訂正前の請求項3及び請求項3を引用する請求項4ないし8に係る特許発明の内容を明確にするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正前の請求項3及び請求項3を引用する請求項4ないし8に係る訂正事項3において、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
4 小括
上記のとおり、訂正事項1ないし3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定並びに同法第126条第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-390109