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特許無効審判

2024-800182

口側端くぼみおよび換気を備えた喫煙物品

審判番号
2024-800182
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2021-167951外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7442485
請求日
2024年12月11日
審決日
2026年01月21日
公報発行日
2026年04月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1123.121-Y (A24D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第44条第1項、特許法第169条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の特許第7442485号発明「口側端くぼみおよび換気を備えた喫煙物品」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 特許第7442485号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。 2 答弁の趣旨 本審判の請求は成り立たない。 審判費用は請求人の負担とする。 との審決を求める。 第2 手続の経緯 1 出願分割の経緯の概略 本件特許に係る出願は、令和3年10月13日にされた特許法第44条第1項の規定による特許出願であって、2016年(平成28年)3月24日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年3月27日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする特願2017-549468号の一部を令和3年2月10日に新たな特許出願とした特願2021-19527号の一部を、さらに令和3年10月13日に新たな特許出願としたものである。 2 本件特許の出願から設定登録までの経緯 本件特許の請求項1~19に係る発明についての、出願から本件無効審判請求の前までの手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和3年10月13日 出願(特願2021-167951号) (優先日:平成27年 3月27日) 同年11月12日 手続補正書の提出 令和4年11月17日付け 拒絶理由通知 令和5年 4月21日 意見書・手続補正書の提出 同年 6月 1日付け 拒絶査定 同年10月 4日 (拒絶査定不服審判)審判請求書の提出 同年10月 4日 手続補正書の提出 同年11月17日 手続補正書の提出 令和6年 1月18日付け (審査前置)特許査定 同年 2月22日 設定登録 3 本件無効審判事件の手続の経緯 本件無効審判事件の手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和6年12月11日 審判請求書の提出 令和7年 3月 6日 手続補正書(方式)の提出 同年 6月25日 審判事件答弁書の提出 同年 9月 8日付け 審理事項通知 同年10月 2日 口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 同年10月24日 口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 同年11月 5日付け 審尋(請求人・被請求人宛) 同年11月21日 口頭審理 第3 本件発明 本件特許の請求項1~19に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は次のとおりである。 「【請求項1】 喫煙物品であって、 たばこロッドと、 前記たばこロッドに接続されたフィルターであって、前記フィルターが、 前記フィルターの口側の端に配置されている中空管セグメントによって形成される中空の口側の端部分と、 前記中空の口側の端部分の上流の濾過部分とを含み、前記濾過部分が1つ以上のフィルターセグメントを含み、 前記中空管セグメントと前記濾過部分との軸方向の整列を維持するように、前記中空管セグメントがラッパーで囲まれ、 前記中空の口側の端部分が、前記フィルターの前記口側の端のくぼみを画定し、前記濾過部分の下流端から前記フィルターの口側の端に延びる非制限的な流路を提供し、 前記中空管セグメントの長さが約30mm未満であり、かつ前記喫煙物品が前記濾過部分の下流端から少なくとも約5mm上流の位置に提供された少なくとも一つの周辺の穿孔の列を含む換気帯域を含み、 前記中空管セグメントの壁厚が、少なくとも約100マイクロメートルである、 喫煙物品。」 第4 請求人・被請求人の主張及び証拠方法 1 請求人の主張の概要 審判請求書、令和7年3月6日付け手続補正書、口頭審理陳述要領書によれば、請求人が主張する無効理由の要旨は、以下のとおりである。 本件特許の本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証の記載事項及び甲第3号証の記載事項に基いて、優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同発明に係る特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 2 証拠方法 ・甲第1号証 :特許第4745300号公報 ・甲第2号証 :特許第5356386号公報 ・甲第3号証 :特開平8-322538号公報 (以下、それぞれ「甲1」、「甲2」及び「甲3」という。) 3 被請求人の主張の概要 答弁書、口頭審理陳述要領書によれば、被請求人の主張は、以下のとおりである。 本件発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証の記載事項及び甲第3号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、同発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に反するものではなく、同法第123条第1項第2号に該当するものではない。 第5 当審の判断 1 甲1記載事項 甲1には、次の記載事項、図示事項がある。なお、下線は当審において付した。以下同様。 (1)「【0001】 本発明は、喫煙物品用の多成分フィルタに関し、そのような多成分フィルタを含む喫煙物品に関する。 【背景技術】 【0002】 フィルタ付きシガレットは、通常は、巻き紙によって取り囲まれたタバコ切断充填物のロッドと、この巻かれたタバコロッドと端と端を接した関係で整列し、かつ先端紙によってそこに取り付けられた円筒形フィルタとを含んでいる。周方向穿孔形態の通気部が、一般的にフィルタに沿った場所に設けられ、巻かれたタバコロッドの燃焼中に発生した主流煙を周囲の空気と混合する。 従来のフィルタ付きシガレットでは、フィルタは、通常は、多孔質プラグラップの巻かれたセルロースアセテートトウのプラグから成る。しかし、主流煙の粒子状及びガス状成分を除去するための濾過材料の2つ又はそれよりも多くのセグメントを含む多成分フィルタを備えたフィルタ付きシガレットもまた公知である。巻かれたタバコロッドの燃焼中に発生した主流煙の香味を増すために、香味料を含むフィルタを備えたフィルタ付きシガレットを提供することもまた公知である。 【0003】・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 使用中に、主流煙が消費者によってフィルタを通して喫煙可能な材料のロッドから吸引される時に、主流煙に香味強化の改善をもたらすシガレットのような喫煙物品のための多成分フィルタを提供することが望ましいと考えられる。 【課題を解決するための手段】 【0005】・・・ 【0006】 使用時に、主流煙は、多成分フィルタを通して喫煙可能材料のロッドから吸引され、香味は、第2の香味放出セグメント内の香味料によって主流煙中に放出される。主流煙は、フィルタの唇側端部セグメントに向って多成分フィルタを通り第2の香味放出セグメントから下流側に通過するので、第1の香味放出セグメント内の植物の葉から主流煙中に付加的な香味が放出される。本発明による多成分フィルタは、それによってそれを通して吸引された主流煙に二重の香味強化を有利に提供する。 」 (2)「【0009】 好ましくは、唇側端部セグメントは、「ISO 6565:2002」に従って測定して、約20mmWG又はそれよりも低い吸引抵抗を有する。 好ましくは、唇側端部セグメントの長さは、約3mmと約12mmの間であり、より好ましくは、約6mmと約8mmの間である。 唇側端部セグメントが中空チューブ又は凹部を含む場合には、唇側端部セグメントの長さは、好ましくは、約3mmと約4mmの間である。 【0010】 唇側端部セグメントを使用して、多成分フィルタを含む喫煙物品に対して望ましい全体吸引抵抗を達成するために、本発明の多成分フィルタの全体吸引抵抗の均衡がとられる。例えば、唇側端部セグメントが、セルロースアセテートトウのプラグを含む場合、多成分フィルタに対して望ましい全体吸引抵抗を達成するために、フィラメント当たりのデニールとトウの総計デニールを選択することができる。好ましくは、唇側端部セグメントがセルロースアセテートトウのプラグを含む場合、セルロースアセテートトウは、約5又はそれよりも大きいフィラメント当たりのデニールを有する。 【0011】 第1の香味放出セグメントは、多成分フィルタを通して吸引された主流煙中に香味を放出することができるあらゆる植物の葉を含むことができる。 好ましくは、植物の葉は、細断、切断、又はその他の方法でサイズを縮小することができる。より好ましくは、植物の葉は、細かく切断される。最も好ましくは、植物の葉は、約0.4mmの切断幅を有する。 好ましくは、植物の葉は、乾燥させられる。好ましくは、植物の葉の水分含有率は、重量比で約15%又はそれよりも低い。 【0012】 第1の香味放出セグメントは、1つ又はそれよりも多くの植物からの葉を含むことができる。例えば、第1の香味放出セグメントは、タバコ又はハーブ植物の葉又はそれらの混合物を含むことができる。好ましくは、第1の香味放出セグメントは、乾燥時に幅が約1cmで長さが約3cmの葉を有する1つ又はそれよりも多くの植物からの葉を含む。 好ましくは、第1の香味放出セグメントは、タバコ、緑茶、ペパーミント、月桂樹、ユーカリ、バシル、セージ、バーベナ、及びタラゴンから成る群から選択された植物の葉を含むことができる。より好ましくは、第1の香味放出セグメントは、タバコ、より好ましくは、東洋タバコを含むことができる。 【0013】 好ましくは、第1の香味放出セグメントの長さは、約6mmと約12mmの間、より好ましくは、約6mmと約10mmの間である。 第1の香味放出セグメントは、例えば、砂糖又は湿潤剤を含む外被が付加された植物の葉を含むことができる。 第2の香味放出セグメントは、多成分フィルタを通して吸引された主流煙中に香味を放出することができるあらゆる香味料を含むことができる。好ましくは、第2の香味放出セグメントは、液体香味料を含む。 【0014】 好ましくは、第2の香味放出セグメントは、繊維状濾過材料と液体香味料、より好ましくは、繊維状セルロース濾過材料と液体香味料、最も好ましくは、セルロースアセテートトウと液体香味料を含む。 香味料は、天然又は合成とすることができ、第2の香味放出セグメントは、1つ又はそれよりも多くの異なる香味料を含むことができる。例えば、第2の香味放出セグメントは、1つ又はそれよりも多くの精油、含油樹脂、無水化合物、果実濃縮物、果実抽出物及び留出物を含むことができる。」 (3)「【0019】 好ましくは、第2の香味放出セグメントは、「ISO 6565:2002」に従って測定して、約40mmWGと約100mmWGの間の吸引抵抗(RTD)、より好ましくは、約70mmWGの吸引抵抗を有する。 好ましくは、第2の香味放出セグメントの長さは、約6mmと約12mmの間、より好ましくは、約6mmと約10mmの間である。 本発明による多成分フィルタは、好ましくは、第2の香味放出セグメントの上流側に濾過材料を含むロッド端部セグメントを更に含み、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、ロッド端部セグメントの吸引抵抗よりも大きい。濾過材料を含むロッド端部セグメントを含めることは、更なる濾過効率をもたらすものである。 【0020】 上述のように、本発明による多成分フィルタの唇側端部セグメントが中空チューブ又は凹部である場合、唇側端部セグメントは、例えば、喫煙物品を形成するために先端紙により多成分フィルタが喫煙可能材料のロッドに取り付けられる時に形成することができる。喫煙物品中に組み込む前に、本発明による多成分フィルタは、従って、植物の葉を含む第1の香味放出セグメントと、第1の香味放出セグメントの上流側の濾過材料及び香味料を含む第2の香味放出セグメントと、第2の香味放出セグメントの上流側の濾過材料を含むロッド端部セグメントとを含むことができ、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、第1の香味放出セグメントの吸引抵抗よりも大きく、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、ロッド端部セグメントの吸引抵抗よりも大きい。」 (4)「【0026】 本発明によれば、喫煙可能材料の巻かれたロッドと、先端紙によって喫煙可能材料のロッドに取り付けられた本発明による多成分フィルタとを含む喫煙物品もまた提供される。 好ましくは、喫煙物品の全長は、約70mmと約128mmの間、より好ましくは、約84mmである。 本発明による喫煙物品は、好ましくは、更に、消費者によって喫煙可能材料のロッドから多成分フィルタを通して吸引された主流煙を通気するために、多成分フィルタに沿った位置に少なくとも1つの周方向列の穿孔を含む。 好ましくは、少なくとも1つの周方向列の穿孔は、多成分フィルタの唇側端部から少なくとも12mmに位置している。」 (5)「【0029】 それぞれ、図1、2、及び3に示す本発明の第1、第2、及び第3の実施形態によるシガレットは、共通するいくつかの成分を有し、これらの成分には、本明細書を通して同一の参照番号が与えられる。 各シガレットは、一般的に、軸線方向に整列した細長い円筒形の多成分フィルタ4に一端で取り付けられた細長い円筒形の巻かれたタバコロッド2を含む。巻かれたタバコロッド2と多成分フィルタ4は、多成分フィルタの全長と巻かれたタバコロッド2の隣接部分とを取り囲む先端紙6によって従来の方法で接合される。巻かれたタバコ4の燃焼中に発生した主流煙を周囲の空気と通気するために、多成分フィルタ4に沿った位置に先端紙6を通して複数の環状穿孔8が提供される。 【0030】 図1に示す本発明の好ましい実施形態によるシガレット10の多成分フィルタ4は、端と端を接した関係で接している4つのセグメントを含む。すなわち、巻かれたタバコロッド2から離れている唇側端部セグメント12、唇側端部セグメント12の上流側に配置された第1の香味放出セグメント14、第1の香味放出セグメント14の上流側に配置された第2の香味放出セグメント16、及び巻かれたタバコロッド2に隣接して接している、第2の香味放出セグメント16の上流側に配置されたロッド端部セグメント18の4つである。 【0031】 唇側端部セグメント12は、低濾過効率のセルロースアセテートトウのプラグを含む。 第1の香味放出セグメント14は、高密度の巻かれた細刻みのタバコを含む。 第2の香味放出セグメント16は、高濾過効率のセルロースアセテートトウのプラグと、シガレット10の縦方向軸に平行なセルロースアセテートトウのプラグを通して軸線方向に延びる液体香味料を充填した中央の綿糸20とを含む。 ロッド端部セグメント18は、活性炭を充填した中から低濾過効率のセルロースアセテートトウのプラグを含む。 【0032】 シガレット10の喫煙中に、主流煙は、消費者により、巻かれたタバコロッドの着火端部から下流側で多成分フィルタ4を通って吸引される。主流煙が多成分フィルタ4に入ると、主流煙は、多成分フィルタ4のロッド端部セグメント18を通過し、そこで中から低濾過効率のセルロースアセテートトウが煙の粒子相成分を部分的に濾過し、セルロースアセテートトウの間に分布された活性炭が煙の気相成分を濾過する。主流煙は、次に、第2の香味放出セグメント16の下流側を通過し、そこで高濾過効率セルロースアセテートトウがまた、煙の粒子相成分を部分的に濾過して綿糸20に充填された香味料から主流煙中に香味が放出される。第2の香味放出セグメント16を通過した後に、主流煙は、第1の香味放出セグメント14に入り、そこで高密度の巻かれた細刻みのタバコから煙中に更に別の香味が放出される。煙は、最後に、多成分フィルタ4の唇側端部セグメント12を通過して消費者の口中に入る。 【0033】 多成分フィルタ4の中の4つのセグメントで最も高い吸引抵抗を有する第2の香味放出セグメント16のセルロースアセテートトウの高濾過効率は、主流煙の粒子相成分の濾過を最大にし、一方で、ロッド端部セグメント18のセルロースアセテートトウに分布された活性炭は、主流煙の気相成分の濾過を最大にする。同時に、多成分フィルタ4の第1の香味放出セグメント14と第2の香味放出セグメント16はまた、主流煙に対して二重の香味強化を提供し、一方で、唇側端部セグメント12は、多成分フィルタ4、従って、シガレット10の全吸引抵抗を均衡させる。」 (6)「【図1】 [図:0001433832000001.jpg] 」 2 上記1から認められる事項 (1)記載事項(5)から、シガレット10は、タバコロッド2と、多成分フィルタ4とを含み、多成分フィルタ4は、先端紙6によってタバコロッド2と接合されるものといえる。 (2)記載事項(5)から、多成分フィルタ4は、唇側端部セグメント12、唇側端部セグメント12の上流側に配置された第1の香味放出セグメント14、第1の香味放出セグメント14の上流側に配置された第2の香味放出セグメント16、第2の香味放出セグメント16の上流側に配置されたロッド端部セグメント18の4つのセグメントを含むものである。 そして、記載事項(2)から、唇側端部セグメント12は、中空チューブ又は凹部を含み、約3mmと約4mmの間の長さであるといえ、図示事項(6)から、多成分フィルタ4の口側の端に配置されていることが看取できる。 また、記載事項(2)、(3)及び(5)から、唇側端部セグメント12の上流に位置する第2の香味放出セグメント16及びロッド端部セグメント18は、濾過機能を奏する部分であるといえる。 (3)先端紙6は、図示事項(6)から、唇側端部セグメント12に含まれる中空チューブ又は凹部と、第2の香味放出セグメント16及びロッド端部セグメント18とを、取り囲むものであることが看取できる。 3 甲1発明 上記1及び2を踏まえると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。 〔甲1発明〕 「シガレット10であって、 タバコロッド2と、 前記タバコロッド2に接続された多成分フィルタ4であって、前記多成分フィルタ4が、 前記多成分フィルタ4の口側の端に配置されている中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12と、 前記唇側端部セグメント12の上流側に配置された第1の香味放出セグメント14と、 第1の香味放出セグメント14の上流側に配置された濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16と、 第2の香味放出セグメント16の上流側に配置された濾過機能を奏するロッド端部セグメント18とを含み、 前記中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12と前記濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16及びロッド端部セグメント18とを、先端紙6が取り囲み、 前記唇側端部セグメント12が約3mmと約4mmの間の長さであり、かつ前記シガレット10の先端紙6には、多成分フィルタ4の唇側端部から少なくとも12mmに位置する環状穿孔8が提供された、 シガレット10。」 4 甲2記載事項 甲2には、次の記載事項、図示事項がある。 (1)「【0001】 本発明は、喫煙物品のための多成分フィルタ、及びそのような多成分フィルタを含む喫煙物品に関する。」 (2)「【0036】 図1から9に示すフィルタ付きシガレットは、いくつかの共通構成要素を有し、これらの構成要素には、同じ参照番号を提供している。側面図の各々では、多成分フィルタの内部詳細を示すために一部が切り取られている。 各フィルタ付きシガレットは、一般的に、軸線方向に整列した細長い円筒形多成分フィルタ4に一端で取り付けられた細長い円筒形の包装タバコロッド2を含む。包装タバコロッド2及び多成分フィルタ4は、多成分フィルタの全長及び包装されたロッド2の隣接部分に外接する先端紙6によって従来の方法で接合される。包装タバコロッド4の外気との燃焼中に生成された主流煙を通気するために、多成分フィルタ4に沿った位置に先端紙6を通して複数の環状穿孔8が設けられる。」 (3)「【図1】 [図:0001433832000002.jpg] 」 5 甲2記載技術事項 上記4を踏まえると、甲2には、次の技術事項(以下「甲2記載技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 〔甲2記載技術事項〕 「包装タバコロッド4の外気との燃焼中に生成された主流煙を通気するために、多成分フィルタ4に沿った位置に先端紙6を通して複数の環状穿孔8を設けること。」 6 甲3記載事項 甲3には、次の記載事項、図示事項がある。 (1)「【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、喫煙時、シガレットからの吸入煙を濾過するシガレット用フィルタに関する。」 (2)「【0018】 フィルタ6の外被6f内にはフィルタ素材8が配置されており、このフィルタ素材8はディスク状をなし、シガレット2内の刻みたばこTに密着している。更に、外被6f内には中空の円筒形状をなしたスリーブ10が挿入されており、フィルタ素材8は刻みたばこTとスリーブ10との間に挟持された状態で保持されている。ここで、スリーブ10は、巻紙4よりも厚い紙を円筒状に形成するか又は合成樹脂製のチューブから得ることができる。」 (3)「【0045】 更に、図13及び図14を参照すれば、そのフィルタ6の外周面には空気口42がそれぞれ形成されている。これら空気口42はフィルタ6の周方向に間隔を存して配置され、その空間12内に連通しているが、その連通位置は互いに異なっている。即ち、図13のフィルタ6の場合、空気口42は、フィルタ素材8よりも外側に位置付けられているのに対し、図14のフィルタ6の場合、その空気口42はシガレット2とフィルタ素材8との間に位置付けられている。これら図13,14のフィルタ6によれば、喫煙時、シガレット2からの吸入煙が空気口42から流入する空気によって希釈されるので、軽い喫味を味わうことができる。」 (4)「【図14】 [図:0001433832000003.jpg] 」 7 甲3記載技術事項 上記6を踏まえると、甲3には、次の技術事項(以下「甲3記載技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 〔甲3記載技術事項〕 「フィルタ6の外被6f内に、ディスク状のフィルタ素材8を配置するとともに、巻紙4よりも厚い紙を円筒状に形成するか又は合成樹脂製のチューブから得たスリーブ10を挿入し、フィルタ素材8を刻みたばこTとスリーブ10との間に挟持された状態で保持し、フィルタ6の外周面に形成した空気口42について、空気口42を、シガレット2とフィルタ素材8との間に形成すること。」 8 本件発明と甲1発明との対比 本件発明と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「シガレット10」、「タバコロッド2」及び「多成分フィルタ4」は、それぞれ、本件発明の「喫煙物品」、「たばこロッド」及び「フィルター」に相当する。 また、甲1発明の「中空チューブ又は凹部を含む」ことは、中空チューブが、中空の管状のセグメントを含むものといえるから、本件発明の「中空管セグメントによって形成される」ことと、「中空管セグメントを含む」ことである限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「唇側端部セグメント12」は、本件発明の「中空の口側の端部分」に相当する。 そうすると、甲1発明の「中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12」は、本件発明の「中空管セグメントによって形成される中空の口側の端部分」と、「中空管セグメントを含む中空の口側の端部分」の限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16」及び「濾過機能を奏するロッド端部セグメント18」は、本件発明の「濾過部分」に相当し、1つ以上のフィルターセグメントといえるから、甲1発明の「第1の香味放出セグメント14の上流側に配置された濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16と、第2の香味放出セグメント16の上流側に配置された濾過機能を奏するロッド端部セグメント18とを含」むことは、本件発明の「濾過部分とを含み、前記濾過部分が1つ以上のフィルターセグメントを含」むことに相当する。 以上を踏まえると、甲1発明の「シガレット10であって、タバコロッド2と、前記タバコロッド2に接続された多成分フィルタ4であって、前記多成分フィルタ4が、前記多成分フィルタ4の口側の端に配置されている中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12と、前記唇側端部セグメント12の上流側に配置された第1の香味放出セグメント14と、第1の香味放出セグメント14の上流側に配置された濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16と、第2の香味放出セグメント16の上流側に配置された濾過機能を奏するロッド端部セグメント18とを含」むことは、本件発明の「喫煙物品であって、たばこロッドと、前記たばこロッドに接続されたフィルターであって、前記フィルターが、前記フィルターの口側の端に配置されている中空管セグメントによって形成される中空の口側の端部分と、前記中空の口側の端部分の上流の濾過部分とを含み、前記濾過部分が1つ以上のフィルターセグメントを含」むことと、「喫煙物品であって、たばこロッドと、前記たばこロッドに接続されたフィルターであって、前記フィルターが、前記フィルターの口側の端に配置されている中空管セグメントを含む中空の口側の端部分と、前記中空の口側の端部分の上流の濾過部分とを含み、前記濾過部分が1つ以上のフィルターセグメントを含」むことの限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「先端紙6」は、本件発明の「ラッパー」に相当し、甲1発明の「前記中空チューブ又は凹部と前記濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16及びロッド端部セグメント18とを、先端紙6が取り囲」むことは、「先端紙6が取り囲」むことで「前記中空チューブ又は凹部と前記濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16及びロッド端部セグメント18」との軸方向の整列を維持するものといえるから、本件発明の「前記中空管セグメントと前記濾過部分との軸方向の整列を維持するように、前記中空管セグメントがラッパーで囲まれ」ることに相当する。 また、甲1発明の「唇側端部セグメント12」は、図示事項(6)から、口側の端にあることが看取される。また、「唇側端部セグメント12」は、「中空チューブ又は凹部を含む」ものであり、口側の端においてくぼみを画定されるものといえる。 そうすると、甲1発明の「唇側端部セグメント12」が「中空チューブ又は凹部を含む」ことは、本件発明の「前記中空の口側の端部分が、前記フィルターの前記口側の端のくぼみを画定」することに相当する。 また、甲1発明の「前記唇側端部セグメント12の長さが約3mmと約4mmの間の長さであ」ることは、「唇側端部セグメント12」に含まれる「中空チューブ又は凹部」の長さが最大でも約4mmであることを意味するから、本件発明の「前記中空管セグメントの長さが約30mm未満であ」ることに包含される。 してみると、本件発明と、甲1発明とは、以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「 喫煙物品であって、 たばこロッドと、 前記たばこロッドに接続されたフィルターであって、前記フィルターが、 前記フィルターの口側の端に配置されている中空管セグメントを含む中空の口側の端部分と、 前記中空の口側の端部分の上流の濾過部分とを含み、前記濾過部分が1つ以上のフィルターセグメントを含み、 前記中空管セグメントと前記濾過部分との軸方向の整列を維持するように、前記中空管セグメントがラッパーで囲まれ、 前記中空の口側の端部分が、前記フィルターの前記口側の端のくぼみを画定し、 前記中空管セグメントの長さが約30mm未満である 喫煙物品。」 〔相違点1〕 「中空管セグメントを含む中空の口側の端部分」について、本件発明では、「中空管セグメントによって形成される中空の口側の端部分」であるのに対して、甲1発明では、「中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12」である点。 〔相違点2〕 本件発明では、「中空の口側の端部分」が「前記濾過部分の下流端から前記フィルターの口側の端に延びる非制限的な流路を提供」するのに対して、甲1発明は、かかる事項を備えるか不明である点。 〔相違点3〕 本件発明では、「喫煙物品が前記濾過部分の下流端から少なくとも約5mm上流の位置に提供された少なくとも一つの周辺の穿孔の列を含む換気帯域を含」むのに対して、甲1発明では、「シガレット10の先端紙6には、多成分フィルタ4の唇側端部から少なくとも12mmに位置する環状穿孔8が提供され」ている点。 〔相違点4〕 本件発明では、「中空管セグメントの壁厚が、少なくとも約100マイクロメートルである」のに対して、甲1発明では、「中空チューブ又は凹部」の壁厚が不明である点。 9 相違点の判断 事案に鑑み上記相違点2及び相違点4について検討する。 (1)相違点2について まず、甲1発明が、相違点2に係る本件発明の「中空の口側の端部分」が「前記濾過部分の下流端から前記フィルターの口側の端に延びる非制限的な流路を提供」するという構成を備えているか否かを検討し、その後、甲1発明において当該構成を備えるようにすることが容易になし得た事項であるかを検討する。 ア 「中空の口側の端部分」が「前記濾過部分の下流端から前記フィルターの口側の端に延びる非制限的な流路を提供」するという構成を備えているか否かについて 上記8で説示したとおり、甲1発明の「濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16」及び「濾過機能を奏するロッド端部セグメント18」が、本件発明の「濾過部分」に相当するといえる。 そうすると、「濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16」の下流端が、本件発明の「前記濾過部分の下流端」に相当するといえる。そして、甲1発明の「濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16」の下流端から、「多成分フィルター4」の口側の端との間には、「第1の香味放出セグメント14」が存在する。 そして、「第1の香味放出セグメント14」は、「高密度の巻かれた細刻み」の「香味を放出することができるあらゆる植物の葉」が、「高密度」に充填されているセグメントといえるから、本件発明の「非制限的な流路を提供」するものとはいえない。 したがって、甲1発明は、相違点2に係る本件発明の「中空の口側の端部分」が「前記濾過部分の下流端から前記フィルターの口側の端に延びる非制限的な流路を提供」するという構成を備えていない。 イ 甲1発明において当該構成を備えるようにすることが容易になし得た事項であるかについて 甲1発明から「第1の香味放出セグメント14」を省いた場合には、本件発明の「前記濾過部分の下流端」に相当する「濾過機能を奏する第2の香味放出セグメント16」の下流端と、「多成分フィルタ4」の「唇側端部セグメント12」との間に部材が存在しないものとなる。 しかしながら、甲1発明における「第1の香味放出セグメント14」は、甲1の記載事項(1)の段落【0004】、【0006】、記載事項(5)の段落【0032】、【0033】によれば、香味を放出するための必須の構成であるから、甲1の記載に接した当業者が、これらの構成を、例えば構成の簡易化のために省くということは、阻害要因があるものといえる。 また、甲2及び甲3にも、甲1発明から、「第1の香味放出セグメント14」を省いて、相違点2に係る本件発明の構成を得ることの記載又は示唆があるものとはいえない。 したがって、甲1発明から、又は、甲1発明と、甲2記載技術事項、甲3記載技術事項とから、相違点2に係る本件発明の構成を得ることが、当業者にとって容易であるということはできない。 (2)相違点4について 甲1発明の「中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12」において、「中空チューブ」が選択された場合に、この「中空チューブ」を、相違点4に係る本件発明の「中空管セグメントの壁厚が、少なくとも約100マイクロメートルである」構成とすることについて検討する。 「中空チューブ」であれば必ず壁厚を有するものであるとしても、壁厚を少なくとも約100マイクロメートルであるものとすることは、請求人が示したいずれの証拠にも記載も示唆もなく、請求人が示した証拠から技術常識であるということもできない。 また、本件発明は、「一般的なプラグラップは、口側端くぼみの長さが増大した時に、十分な強度を提供しないことがある。したがって、くぼみの長さが増大するにつれて、こうした口側端くぼみの変形のリスクがある。」(本件発明の詳細な説明の段落【0004】)及び「したがって、変形を受けにくい、長さの増大した口側端くぼみを持つフィルター付きの喫煙物品を提供することが望ましい。」(同段落【0005】)という課題に基づき壁厚の数値範囲の好適化をはかったものといえるところ、甲1において、そのような課題が認識されていたものということはできない。 そうすると、甲1発明の「中空チューブ」の壁厚が何らかの厚さを有するものであったとしても、その壁厚が必ず「少なくとも約100マイクロメートルである」ものに該当するということはできないし、さらに、「少なくとも約100マイクロメートルである」壁厚とすることが設計的事項にすぎないということはできない。 したがって、甲1発明から、又は、甲1発明と、甲2記載技術事項、甲3記載技術事項とから、相違点4に係る本件発明の構成を得ることが、当業者にとって容易であるということはできない。 10 請求人の主張 請求人は、口頭審理陳述要領書の「6.陳述の要領」の第2の1(P.2)及び第2の5(P.3)において、それぞれ、以下の3点の主張をしている。 (1)「甲1号証には、甲1発明に係るシガレット10の多成分フィルタ4は、端と端を接した関係で接している4つのセグメント(唇側端部セグメント12、第1の香味放出セグメント14、第2の香味放出セグメント16、ロッド端部セグメント18)を含むことが記載されています(例えば、甲1号証段落0030)が、これは甲1発明の好ましい実施形態であり、必ずしも全て含まなければならないものでは無いと考えられます。例えば、構成の簡易化のために第1の香味放出セグメント14、第2の香味放出セグメント16を省くことは、容易であるといえます。特に、第2の香味放出セグメント16は吸引抵抗がロッド端部セグメントや第1の香味放出セグメント14よりも大きいため(甲1の段落0020)、吸引抵抗の低減のためにこれを省略する理由はあるし、空気の流路を確保するために、吸引抵抗が高い部材を取り除くことで、唇側端部セグメント12の端部まで延びる非制限な流路を形成することは当業者にとって特段の困難性を伴うものではないといえます。」 (2)「なお、多成分フィルタ4のうち、第1の香味放出セグメント14は、植物の葉を含み、第2の香味放出セグメント16は濾過材料及び香味料を含むことから、ともに「フィルタ」として通過する煙の気相成分を濾過する機能は有していると解されます。また、「多成分フィルタ4」の構成の一部とされていることからも、フィルタ機能を有するものと考えられます。従って、いずれにしても多成分フィルタ4では第1の香味放出セグメント14の下流端(濾過部分の下流端)から唇側端部セグメント12の端部まで延びる非制限な流路が形成されているといえます。」 (3)「被請求人は、本件発明における中空管セグメントの壁厚が少なくとも約100マイクロメートルであると規定されており、これは所定の硬度を有することで、本件発明の課題を解決できるとする一方で、甲1発明には唇側端部セグメント12については、先端紙によって形成される通常の壁厚であると考えられ、これを通常より厚くするような開示及び示唆は一切ないと主張しています。ここで、約100マイクロメートルという厚さは、紙幣や一般のコピー用紙の厚さと大差がなく、ごくありふれた紙の厚さであるといえるので、甲1発明の中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12に対してこれを適用することは当業者にとって設計事項といえます。」 そこで、上記主張について検討する。 まず、(1)の主張について検討する。 上記9(1)で説示したとおり、甲1発明における「第1の香味放出セグメント14」は、香味を放出するための必須の構成であるから、甲1の記載に接した当業者が、「第1の香味放出セグメント14」を、例えば構成の簡易化のために省くということは、阻害要因があるものといえる。 よって、(1)の主張を採用することはできない。 次に、(2)の主張について検討する。 甲1発明の「第1の香味放出セグメント14」は、上記1の記載事項(2)の段落【0011】から、「第1の香味放出セグメントは、多成分フィルタを通して吸引された主流煙中に香味を放出することができるあらゆる植物の葉を含むことができる」ものであり、上記1の記載事項(5)の段落【0032】から、「高密度の巻かれた細刻み」のものであるといえる。 しかしながら、甲1には、「高密度の巻かれた細刻み」の「香味を放出することができるあらゆる植物の葉」が、気相成分の濾過機能を奏することについては、何ら記載されていない。また、請求人の提出した証拠から、「高密度の巻かれた細刻み」の「香味を放出することができるあらゆる植物の葉」が、気相成分の濾過機能を奏することが技術常識であるということもできない。 そうすると、「第1の香味放出セグメント14」は、「多成分フィルタ4」の一部であっても、気相成分の濾過機能を奏するフィルターということはできず、本件発明の「濾過部分」に相当する構成ということはできない。 よって、(2)の主張を採用することはできない。 次に、(3)の主張について検討する。 紙幣や一般のコピー用紙は、喫煙物品とは、技術分野が関連するものということはできない。また、請求人の提出した証拠から、紙幣や一般のコピー用紙の厚さを、甲1発明の「中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12」の壁厚に適用することの動機があったものともいうこともできない。 したがって、紙幣や一般のコピー用紙の厚さを根拠として、約100マイクロメートルという厚さ自体が、ごくありふれた紙の厚さであるといえても、甲1発明の中空チューブ又は凹部を含む唇側端部セグメント12に対して、その壁厚について、少なくとも約100マイクロメートルの厚さとすることが当業者にとって設計事項ということはできない。 よって、(3)の主張を採用することはできない。 11 小括 したがって、本件発明は、甲1発明、甲2記載技術事項及び甲3記載技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、請求人が主張する無効理由には理由がないものであり、本件発明についての特許は、無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-800182

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