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特許無効審判

2024-800076

ランプ

審判番号
2024-800076
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2021-142074外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7227646
請求日
2024年06月11日
審決日
2025年05月08日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P1123.121-Y (F21S) / 標準データ:手続:無効 / 標準データ:123・121-Y (F21S) / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)

事件の表示

上記当事者間の特許第7227646号発明「ランプ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨 1 請求の趣旨 次を結論とする審決を求める。 (1)特許第7227646号の特許請求の範囲の請求項1、2、4~7に係る発明についての特許を無効とする。 (2)審判費用は被請求人の負担とする。 2 答弁の趣旨 次を結論とする審決を求める。 (1)本件特許の無効審判の請求は成り立たない。 (2)審判費用は請求人の負担とする。 第2 手続の経緯 1 本件特許の出願から設定登録までの経緯 本件無効審判の請求に係る特許第7227646号の特許(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、2017年(平成29年)11月17日(優先権主張 平成29年1月13日)を国際出願日とする出願(特願2018-561834号)の一部を令和3年9月1日に新たな特許出願としたものである。 本件特許の請求項1~7に係る発明についての、出願から本件無効審判請求の前までの手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和 3年 9月 1日 :出願(特願2021-142074号) 令和 5年 1月 5日付け:特許査定 同年 2月14日 :設定登録 2 本件無効審判の手続の経緯 本件無効審判における手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和 6年 6月11日 :審判請求書の提出 同年 8月29日 :答弁書の提出 同年11月25日付け:審理事項通知 令和 7年 1月14日 :口頭審理陳述要領書の提出(請求人) 同日 :口頭審理陳述要領書の提出(被請求人) 同年 1月17日 :手続補正書(方式)の提出(請求人) 同月28日差出:証拠説明書の提出(請求人) 同日 :口頭審理 同月30日 :上申書の提出(被請求人) 同年 2月14日 :上申書の提出(請求人) 同月21日 :上申書の提出(被請求人) 第3 本件発明 本件無効審判に係る本件特許の請求項1、2、4~7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」という。)は、それぞれ本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2、4~7に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1、2、4~7の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 光源であるLEDモジュールと、 熱移送手段と、 配光手段としての円筒状リフレクタと、 開口部を有する筐体と、 光透過性カバーとを含み、 前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、 前記円筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され、 前記筐体の内部に、前記LEDモジュールおよび前記円筒状リフレクタが配置され、 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、 前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され、 前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され、前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有することを特徴とする、ランプ。 【請求項2】 前記円筒状リフレクタは、前記LEDモジュールに接続しておらず、一端が前記筐体に接続した支持部材に接続、支持されていることを特徴とする、請求項1記載のランプ。」 「 【請求項4】 前記接続部は、前記ランプ外の配線と接続可能なものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のランプ。 【請求項5】 前記熱移送手段は、熱伝導部材、ヒートパイプ、または、これらを組み合わせたものであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のランプ。 【請求項6】 前記LEDモジュールと、前記熱移送手段との間に介在する熱拡散部材と、 前記LEDモジュールを前記筐体から離隔する離隔部材を有し、 前記離隔部材は、一端が前記筐体に、他端が前記熱拡散部材に接続したものであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のランプ。 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載のランプを備えたことを特徴とする、航空機着陸誘導閃光装置。」 第4 請求人の主張及び証拠方法 1 請求人の主張の概要 請求人は、甲第1号証~甲第4号証を添付した令和6年6月11日付けの審判請求書、令和7年1月17日に提出された手続補正書(方式)により補正された、甲第5号証、甲第6号証を添付した令和7年1月14日付けの口頭審理陳述要領書、同年2月14日付けの上申書を提出し、以下の無効理由1、2により、本件発明1、2、4~7に係る特許は、無効にすべきものであると主張する(以下、甲第1号証~甲第6号証をそれぞれ「甲1」~「甲6」という。)。 (1)無効理由1(本件発明1、2、4~6に対する進歩性の欠如) 本件発明1、2、4~6は、甲1発明及び甲2、甲3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1、2、4~6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2)無効理由2(本件発明7に対する進歩性の欠如) 本件発明7は、甲1発明及び甲2~甲4記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 2 証拠方法 甲1:特開2014-235820号公報 甲2:登録実用新案第3165305号公報 甲3:特開2014-211989号公報 甲4:特開2007-137187号公報 甲5:シチズン電子株式会社ウェブサイト「CITILED High Intensity COB Series Version4 Type-F」の出力物(https://ce.citizen.co.jp/products/led_category/detail/COB_High_Intensity_Type_Version4-Type-F) 甲6:大日本印刷株式会社ウェブサイト「熱を瞬時に伝えるヒートパイプ、その歴史と仕組み」の出力物(https://www.dnp.co.jp/biz/column/detail/20172311_4969.html) 第5 被請求人の主張及び証拠方法 1 被請求人の主張の概要 被請求人は、令和6年8月29日付けの答弁書、令和7年1月14日付けの口頭審理陳述要領書、同月30日付けの上申書、乙第1号証を添付した同年2月21日付けの上申書を提出し、請求人の主張する上記無効理由1、2は、いずれも理由がない旨主張する(以下、乙第1号証を「乙1」という。)。 2 証拠方法 乙1:西尾実・岩淵悦太郎・水谷静夫編、「岩波 国語辞典」、第5版第3刷、株式会社岩波書店、1997年2月16日、859ページ 第6 当審の判断 1 各甲号証について 1-1 甲1 (1)甲1に記載された事項 甲1には次の事項が記載されている。なお、下線は当審において付与した。 ア 「【0002】 近年、高出力(高ワット)型のLEDを光源に備えた照明器具も広く知られている。LEDを光源に備えた照明器具では、LEDの発熱を効率良く放熱するために、金属や合金等の高熱伝導性材から筐体を形成し、この筐体にLED基板を取り付けることで、LEDの発熱を筐体に伝熱して放熱させた器具もある。この照明器具では、耐電圧試験時などに高電圧が印加された場合に、LED基板への過大な電圧印加を防止するために、筐体とLED基板の間にセラミック板等の電気絶縁材を介在させている(例えば、特許文献1参照)。 ・・・ 【0004】 しかしながら、セラミック板がLED基板と筐体の間に介在することで、LED基板から筐体への熱の伝達が阻害され、放熱性能が低下するという問題がある。 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光源の発光素子から筐体への熱伝達を良好にしつつ、高い耐電圧性能を得ることができる照明器具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記目的を達成するために、本発明は、筐体に、発光素子を実装した発光素子基板を光源に備えた照明器具において、前記発光素子基板が取り付けられ、前記発光素子基板の熱が伝熱される高熱伝導性材から成る基板取付部材を備え、前記筐体には、前記基板取付部材が一部を前記筐体の外に露出した状態で係合する係合孔を設け、前記基板取付部材と前記筐体の係合孔との接触箇所に電気絶縁材を設けたことを特徴とする。 【0006】 また本発明は、上記照明器具において、前記基板取付部材は、前記筐体の外側に前記係合孔から突出し前記発光素子基板の熱を放熱する放熱部を備えることを特徴とする。 ・・・ 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、発光素子基板が取り付けられた基板取付部材が筐体の係合孔に一部を筐体の外に露出した状態で係合する構成としたため、発光素子基板に伝えられた発光素子の熱を外部に露出した箇所から放熱できる。更に、基板取付部材と筐体の係合孔との接触箇所に電気絶縁材が設けられて両者の電気的絶縁が確保されているため、基板取付部材には発光素子基板を電気絶縁材を介在させることなく直接取り付けることが可能となる。これにより、本発明によれば、発光素子から基板取付部材への伝熱を良好にして高い放熱性能が得られ、かつ、基板取付部材と筐体の間の電気的絶縁が確保される、という効果を奏する。」 イ 「【0011】 ・・・ このスポーツ照明器具1は、屋外球技場や屋外競技場を観客席側から照明する照明器具であり、図1、及び図2に示すように、大別して、器具本体2と、取付アーム部4と、電源ボックス6と、背面ガード部材7と、を備えている。 【0012】 器具本体2は、径に対して深さが浅い有底円筒状の筐体10と、この筐体10に設けられる複数(図示例では5個)の光源モジュール12と、前面カバー14と、を備えている。光源モジュール12は、それぞれ発光素子の一例たるLEDを光源に備え、この光源のLEDには、高出力型LEDの一例たるCOB型LED30(図7)が用いられている。 これら複数の光源モジュール12の光出力は、それらの合計の明るさが照明対象の球技場や競技場で行われるスポーツによって求められる明るさ以上となるように設計されている。なお、このスポーツ照明器具1は、球技場や競技場に限らず、その他の屋外スポーツ施設の照明に用いられ得ることは勿論である。」 ウ 「【0019】 次いで、上述の器具本体2の構成について詳述する。 筐体10は、上述の通り、径に対して深さが浅い有底円筒状を成し、正面の開口が出射口23として構成されている。この筐体10は、比重が比較的軽い、いわゆる軽量金属の一種であるアルミニウムから形成されており、電源ボックス6の外付けの構造と併せて、器具本体2の更なる軽量化が図られている。 【0020】 図5は、器具本体2から前面カバー14を取り外した状態を示す斜視図である。 前面カバー14は、筐体10の出射口23を覆う透光性部材であり、軽量化、及び、ボール等の衝突による飛散防止のためにポリカーボネート樹脂から形成されている。この前面カバー14は、出射口23のフランジ23Aにネジ29(図4)でネジ止めされることで、強固に結合されている。 ここで、筐体10は、上記のように、軽量化のためにアルミニウムから形成されていることから、前面カバー14のねじ止め用のネジ孔をフランジ23Aに設けた場合にネジ孔の強度が弱すぎる、という問題がある。 この問題を解決するために、フランジ23Aを厚くしたり、別の部材を重ね合わせる等してネジ孔の強度を補強することが考え得るが、そうすると製造コストが高くなる、という問題がある。」 エ 「【0022】 図6は光源モジュール12の全体構成を示す斜視図、図7は光源モジュール12の分解斜視図、また図8は光源モジュール12の断面図である。 光源モジュール12は、高出力型のLEDの一例たるCOB型LED30を光源に備えたモジュールであり、これらの図に示すように、大別して、COB型LED30(図7)と、このCOB型LED30の基板取付部材たるベースプレート32と、光制御部材としての反射鏡34と、放熱部36と、絶縁パッキン38と、を備えている。 COB型LED30は、図7に示すように、多数のLEDをLED基板31の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部31Aを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイスである。COB型LED30は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量化、及び高輝度化なLED光源となる。 【0023】 ベースプレート32は、COB型LED30が直接的に取り付けられる基板取付部材であり、高熱電導材である、例えば金属であるアルミニウムから形成されている。ベースプレート32は、図7に示すように、略円板状に形成され、その表面32Aの中央にLED収容凹部40が設けられており、このLED収容凹部40に上記COB型LED30のLED基板31が収められ、その上面が透光性シート45で覆われている。 透光性シート45は電気的絶縁性を有した樹脂性シートである。後に詳述するが、ベースプレート32には、COB型LED30が電気絶縁材等を介さずにLED収容凹部40に直接載置される。 絶縁パッキン38は、例えば樹脂材等の電気絶縁材から形成され、少なくともベースプレート32の縁部56の全周を被覆する部材であり、その詳細については後述する。 なお、COB型LED30からLED収容凹部40への伝熱を促進するために、両者の接触面に熱伝導グリス等を塗布したり熱伝導シートを介在させて両者間の熱抵抗を小さくしても良い。 【0024】 ベースプレート32の表面32Aには、LED収容凹部40を囲む環状の反射鏡固定具42がネジ止め固定され、この反射鏡固定具42に反射鏡34が固定される。この反射鏡固定具42は、ベースプレート32へのネジ止め固定に伴い、COB型LED30のLED基板31、及び透光性シート45を上から押さえ付けるように構成されている。これにより、反射鏡固定具42の固定によってCOB型LED30の固定も兼ねられることとなり、ベースプレート32へのCOB型LED30のネジ止め固定等が不要となる。 【0025】 反射鏡34は、回転放物体や回転楕円体などの回転体形状であり、その内面に所定の配光制御に応じて決定された回転放物反射面や回転楕円反射面が形成さ凹面鏡である。この反射鏡34は、樹脂材を母材とし、その表面に反射材をコーティングすることで構成されており、金属材から形成する場合に比べて軽量化が図られている。 また、この反射鏡34は、ねじ込み式で上記反射鏡固定具42に取付固定される。具体的には、反射鏡34の基端部35Aの縁部には、反射鏡固定具42に係合する鍔部33が設けられている。反射鏡固定具42には、上記鍔部33が入り込み、反射鏡34の回転に伴って鍔部33が脱落不能に係合する、ねじ込み溝42Aが設けられている。反射鏡34の固定時には、このねじ込み溝42Aに鍔部33をねじ込むことで、別途に工具を用いることなく反射鏡34を固定できる。また、反射鏡34の鍔部33も樹脂材で形成されており、ねじ込み溝42Aと鍔部33の間にバネ力(弾性力)が働き、両者の結合力が高められている。」 オ 「【0029】 前掲図7に戻り、放熱部36は、COB型LED30からベースプレート32に伝えられた熱を放熱する放熱機構である。具体的には、放熱部36は、複数枚の放熱フィン48と、ベースプレート32に伝えられたCOB型LED30の熱を放熱フィン48に伝える複数本のヒートパイプ50とを備えている。 放熱フィン48は、略矩形状の板材であり、熱伝導性に優れ軽量な金属材であるアルミニウム板で形成されている。多数枚の放熱フィン48を上記ヒートパイプ50のそれぞれが貫通し、これらの放熱フィン48が互いに所定間隔をあけるように積層して一体に束ねられている。これら放熱フィン48は、図8に示すように、支持金具49によって、ベースプレート32の裏面32Bから垂直に延びるように配置される。支持金具49は、放熱フィン48とベースプレート32の裏面32Bとの間に所定の隙間δを設けて支持し、この隙間δを通じて裏面32Bと放熱フィン48を空気が流通可能となり、裏面32Bの熱溜まりが抑制される。なお、筐体10から延出する方向の放熱フィン48の長さ、及び枚数については、必要な放熱性能に応じて決定される。 【0030】 ヒートパイプ50は、内部に作動液を封入した管体であり、略コ字状に折り曲げ成形されている。・・・」 カ 「【0031】 図10は筐体10の背面側の構成を背面ガード部材7とともに示す斜視図である。 上記光源モジュール12は、筐体10の中に全体が収められるのではなく、図10に示すように、筐体10の背面15に係合孔54を設け、前掲図4に示すように、ベースプレート32を係合孔54に係合させ、放熱部36を筐体10の外に露出させて取り付けられる。 このとき、前掲図8に示すように、ベースプレート32の縁部56には、その全周を覆う上述した絶縁パッキン38が装着されている。この絶縁パッキン38は、筐体10の背面15とベースプレート32の表面32Aの接触面の全面に介在することで、係合孔54からの浸水が防止されるのに加え、両者の電気的絶縁が確保される。 【0032】 すなわち、COB型LED30を載置したベースプレート32と筐体10との間が絶縁パッキン38によって電気的に絶縁されるので、例えば耐電圧試験時に筐体10に高電圧が印加された場合でも、ベースプレート32を通じてCOB型LED30に過電圧が印加されることがない。これにより、上述のように、放熱性が高い金属材から成るベースプレート32にCOB型LED30を直接取り付けることが可能となり、COB型LED30の発熱を効率良くベースプレート32に伝え、放熱部36から放熱させることができるのである。 また、ベースプレート32を係合孔54に係合させる構成であるため、その裏面32Bが筐体10の外側に露出し、放熱部36が筐体10の外側に配置される。これにより、放熱部36の熱を効率良く外気に放熱することができ、高い冷却性能が得られることとなる。」 キ 「【0037】 すなわち、このスポーツ照明器具1では、互いに別体の(すなわち互いに独立した)反射鏡34の各々を同一寸法形状に形成することで、少なくとも、基端部35Aから先端部35Bまでの高さL(図8)と、先端部35Bの先端開口60の径R(図8)とを各々等しくする。そして、図2(A)に示すように、これらの反射鏡34を、先端開口60が互いに当接するように円Dの円周に沿って等間隔に配列し、その位置で基端部35A(より正確にはベースプレート32)を筐体10に結合して支持する構成としている。 この構成によれば、器具本体2に衝撃が加わり、各々の反射鏡34が基端部35Aを支点に振れたとしても、それぞれがランダムに振れ難くなることから、相互間の位置ズレの発生が抑えられる。」 ク 図1 「 [図:0001424518000001.jpg] 」 ケ 図5 「 [図:0001424518000002.jpg] 」 コ 図7 「 [図:0001424518000003.jpg] 」 サ 図8 「 [図:0001424518000004.jpg] 」 (2)甲1に記載されていると認められる事項 甲1の上記記載事項から、次のことが認められる。 ア 段落【0025】の「反射鏡34は、回転放物体や回転楕円体などの回転体形状であり、」との記載並びに段落【0037】、図7及び図8の記載から、反射鏡34は、先端開口60に向けて拡径する円筒状であり、且つ、その軸方向がCOB型LED30に対し垂直に配置されたものと認められる。 イ 段落【0022】の「COB型LED30は、図7に示すように、多数のLEDをLED基板31の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部31Aを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイスである。」との記載から、COB型LED30は、多数のLEDと、多数のLEDを密集配置するLED基板31とを含むものと認められる。 ウ 図1、5の記載から、反射鏡34は筐体10の内部に配置されていることが看取される。 エ 段落【0023】の記載から、ベースプレート32は、その表面32Aの中央にLED収容凹部40が設けられている。 また、図7では、番号「40」の指示線がベースプレート32の中央にある凹みを指すように記載されているから、LED収容凹部40はベースプレート32の表面32Aの中央に設けられた凹みであると認められる。 また、図8の記載から、筐体10の底面15の外側表面と、ベースプレート32の表面32Aはほぼ同じ高さにあると認められる。 また、図8の記載から、LED収容凹部40が設けられていることが想定されるベースプレート32の中央(図中で、4本のヒートパイプ51の上端が位置している付近。)には、筐体10の底面15の外側表面及び表面32Aよりも上方に突出する構造が設けられていない。 以上を総合すると、ベースプレート32の表面32Aの中央に設けられたLED収容凹部40は、筐体10の外部に配置されていると認められる。 (3)甲1発明 上記(1)、(2)を踏まえると、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、括弧書きは主な参照箇所を示す(以下同様。)。 [甲1発明] 「光源モジュール12と、(段落【0012】) 有底円筒状を成し、正面の開口が出射口23として構成されている筐体10と、(段落【0012】、【0019】) 透光性部材の前面カバー14とを備え、(段落【0012】、【0020】) 前記光源モジュール12は、 LED光源となるCOB型LED30と、(段落【0022】) COB型LED30が直接的に取り付けられる基板取付部材であり、高熱伝導材であり、その裏面32Bが筐体10の外側に露出したベースプレート32と、(段落【0023】、【0032】) 筐体10の外側に配置された、放熱フィン48と、ベースプレート32に伝えられたCOB型LED30の熱を放熱フィン48に伝える複数本のヒートパイプ50と、を備えた放熱部36と、(段落【0029】、【0032】) 光制御部材としての先端開口60に向けて拡径する円筒状の反射鏡34とを備え、(段落【0022】、上記(2)ア) 前記COB型LED30は、多数のLEDと、多数のLEDを密集配置するLED基板31とを含み、(段落【0022】、上記(2)イ) 前記反射鏡34は、その軸方向が前記COB型LED30に対し垂直に配置され、(上記(2)ア) 前記筐体10の内部に、前記反射鏡34が配置され、(上記(2)ウ) 前記ベースプレート32は、その表面32Aの中央にLED収容凹部40が設けられ、前記COB型LED30が電気絶縁材等を介さずに前記LED収容凹部40に直接載置され、(段落【0023】) 前記筐体10の外部に、LED収容凹部40が配置され、(上記(2)エ) 前記筐体10の出射口23を、透光性部材の前面カバー14が覆い、(段落【0020】) 前記筐体10の背面15に係合孔54を設け、前記ベースプレート32を前記係合孔54に係合させてその裏面32Bを筐体10の外側に露出させ、前記放熱部36を前記筐体10の外に露出させて取り付けられ、(段落【0031】、【0032】) 筐体10の背面15とベースプレート32の表面32Aの接触面の全面に介在する絶縁パッキン38により、COB型LED30を載置したベースプレート32と筐体10との間が電気的に絶縁され、(段落【0031】、【0032】) 前記複数本のヒートパイプ50は、ベースプレート32に伝えられたCOB型LED30の熱を放熱フィン48に伝える、(段落【0029】) 器具本体2を備えたスポーツ照明器具1。(段落【0011】、【0012】)」 1-2 甲2 (1)甲2に記載された事項 甲2には次の事項が記載されていると認められる。 ア 「【要約】 【課題】白熱ランプの固定構造に対してLEDランプを取り付けと共にその放熱を可能とする発光モジュールのハウジングを提供する。 【解決手段】LEDを配置した発光モジュール1を固定して搭載する板体23を備え、該板体23は、ランプシェードとなるハウジング2両側にまたがって固定するための第一延伸支部231及び第二延伸支部232を備え、それぞれ第一固定部品21及び第二固定部品22を介してハウジングの両側に固定する。これら第一固定部品21及び第二固定部品22とハウジング2側面との間には導熱体4を介してヒートパイプ24,25を設け、発光モジュール1が発生した熱をハウジング2に伝えて放熱させ、これにより放熱効果を大幅に高める効果を達成する。」 イ 「【請求項1】 片面に発光モジュールを搭載した板体及び該板体を収容するハウジングからなり、 該板体両側に該ハウジングを跨いでその両側壁に固定するための延長部である第一延伸支部及び第二延伸支部をそれぞれ少なくとも1つづつ設けて、それらの第一延伸端及び第二延伸端を、第一固定部品の第一固定部、および第二固定部品の第二固定部によりそれぞれハウジング両側壁に固定した、 ことを特徴とする放熱構造を具えた発光モジュールのハウジング。 ・・・ 【請求項10】 前記第一固定部と該ハウジングとの間には、第一ヒートパイプの一端を通して設置し、 該第一ヒートパイプの反対端は、該板体と該ハウジングとの間に通して設置したことを特徴とする請求項1に記載の放熱構造を具えた発光モジュールのハウジング。 【請求項11】 前記第一固定部と該ハウジングとの間には、第二ヒートパイプの一端を通して設置し、 該第二ヒートパイプの反対端は、該板体と該ハウジングとの間に通して設置したことを特徴とする請求項1に記載の放熱構造を具えた発光モジュールのハウジング。」 ウ 「【0002】 環境保護、省エネ、二酸化炭素排出削減の要求及び課題に対応するため、現在、街路灯設備の発光部材は、ハロゲンランプ、白熱灯ランプから、発光ダイオードに徐々に換えられるようになっている。」 エ 「【0004】 しかし、従来のハロゲンランプ、白熱灯ランプの街路灯を全面的にLED型の街路灯に換えるのは容易なことではない。 なぜなら、伝統的なハロゲン、白熱灯ランプのランプ台とLEDのランプ台とは、電源が全く異なり、しかもランプ等の固定構造も異なるため、簡単にそのまま交換することができず、LED型街路灯に交換しようとする場合、街路灯全体をまとめて交換しなければならないため、コストパフォーマンスが劣るからである。 【0005】 一方、LEDは節電及び輝度向上の特性を備えてはいるが、高輝度LEDは伝統的なハロゲン、白熱灯ランプよりも高い熱を発生する。 そのため、放熱部材を組み合わせ放熱を行う必要があるが、伝統的なハロゲン、白熱灯ランプの街路灯は、発生する熱が比較的低いため、基本的には放熱の必要がなく、構造上放熱面の設計が考慮されていない。 しかし、LED街路灯は放熱要求が比較的高いため、伝統的なハロゲン、白熱灯ランプの外殼等の主体部品を直接用いることができず、完全に新しく設計し、外殼等対応する部品の金型を新たに製造し、安全試験もすべて新たに行う必要がある。 これでは、投入するコストが高過ぎ、開発サイクルも長くなりすぎる。 【0006】 上記したように、従来の技術には以下の欠点がある。 1. コストが高すぎる。 2. 開発サイクルが長すぎる。 3. 直接置換できない。 本考案は、従来の街路灯構造の上記した欠点に鑑みてなされたものである。」 オ 「【0008】 本考案が解決しようとする課題は、白熱灯ランプをLEDランプにそのまま置換できる放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングで、LEDランプ光源からの熱を照明具に伝えて放熱することにより放熱性能を高めることができる放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングを提供することである。 【0009】 上記課題を解決するため、本考案は下記の放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングを提供する。 放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングは、発光モジュールをハウジング内に固定して設置するものであって、 第一固定部品、第二固定部品、板体を具え、 該第一固定部品は、第一固定部を備え、該ハウジング内の片側に接着して設置し、 該第二固定部品は、第二固定部を備え、該ハウジングの該第一固定部品に相対する反対側に接着して設置し、 該板体は、少なくとも1個の第一延伸支部及び少なくとも1個の第二延伸支部を備え、 該第一延伸支部は、第一延伸端を備え、該第一固定部品に対応して接続し、該第二延伸支部は、第二延伸端を備え、該第二固定部品に対応して接続し、 該発光モジュールは、該板体の片側平面に固定して設置し、 該第一ヒートパイプ一端は、該第一固定部と該ハウジングとの間に通して設置し、該第一ヒートパイプ反対端は、該板体と該ハウジングとの間に通して設置し、 該第二ヒートパイプ一端は、該第二固定部と該ハウジングとの間に通して設置し、該第二ヒートパイプ反対端は、該板体と該ハウジングとの間に通して設置する。 【発明の効果】 【0010】 本考案の放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングの構造を通して、伝統的な街路灯或いは照明具中の伝統的な白熱灯ランプを、LEDランプにそのまま交換して使用することができるため、ランプ台構造を交換するためにランプシェードを交換しなければならないということがなくなる。 さらに、発生した熱をランプシェードに伝え放熱するため、コストを節減し、さらに放熱性能を向上させ、使用寿命を延長することもできる。」 カ 「【0013】 図1、2に示すように、放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングは、発光モジュール1をハウジング2内に固定して設置するために用いる。 【0014】 該ハウジング2は、ランプシェードであって、第一固定部品21、第二固定部品22、板体23、第一ヒートパイプ24、第二ヒートパイプ25を具える。 【0015】 該第一固定部品21は、第一固定部211を備え、該ハウジング2内片側に接着して設置する。 【0016】 該第二固定部品22は、第二固定部221を備え、該ハウジング2の該第一固定部品21に相対する反対側に接着して設置する。 【0017】 該板体23は、熱伝導性を備え、該第一固定部品21に対応して接続するための、少なくとも1個の第一延伸支部231及び該第二固定部品22に対応して接続するための、少なくとも1個の第二延伸支部232を備える。 【0018】 以上により、該第一延伸支部231は、第一延伸端2311を備え、該第一固定部品21に対応して接続し、該第二延伸支部232は、第二延伸端2321を備え、該第二固定部品22に対応して接続する。 【0019】 該発光モジュール1は、LED発光モジュールであって、少なくとも1個の固定部材3により、該板体23の片面に固定して設置する。 【0020】 該第一、二固定部211、221と該ハウジング3との間には、導熱体4を設置し、該導熱体4は、熱伝導性フィルム或いは導熱シリコンの内のいずれかである。 【0021】 該第一延伸端2311及び該第一固定部品21及び該第二延伸端2321及び該第二固定部品22は、固定部材3を介して該ハウジングに固定される。 【0022】 該第一ヒートパイプ24一端は、該第一固定部211と該ハウジング2との間に通して設置され、反対端は、該板体23と該ハウジング2との間に通して設置される。 【0023】 該第二ヒートパイプ25一端は、該第二固定部221と該ハウジング2との間に通して設置され、反対端は、該板体23と該ハウジング2との間に通して設置される。 【0024】 本考案放熱構造を具えた発光モジュールのハウジングの設計により、従来の街路灯或いは照明具中の白熱灯ランプを、そのままLEDランプと交換して使用することができるため、ランプ台構造の交換が必要で、ランプシェード構造全体を交換する必要はない。 さらに、発生した熱をランプシェードに伝えて放熱することができ、これにより放熱の目的を達成することができる。 こうして、コストを節減し、放熱性能を向上させ、使用寿命を延長することもできる。」 キ 【図1】 「 [図:0001424518000005.jpg] 」 ク 【図2】 「 [図:0001424518000006.jpg] 」 (2)甲2に記載されていると認められる事項 ア 第一固定部品21、第二固定部品22及び板体23について 甲2の段落【0009】、【0014】から、甲2に記載されたハウジングは、第一固定部品21、第二固定部品22、板体23、第一ヒートパイプ24、第二ヒートパイプ25を備えており、また、段落【0015】~【0019】及び図1、2から、当該第一固定部品21、第二固定部品22及び板体23は次の構成を有していると認められる。 (ア)第一固定部品21は、ハウジング2内の片側の側壁に接着して設置され、第二固定部品22は、ハウジング2の該第一固定部品21に相対する反対側の側壁に接着して設置されていること。 (イ)板体23は、熱伝導性を備え、第一固定部品21に対応して接続するための、少なくとも1個の第一延伸支部231、及び、第二固定部品22に対応して接続するための、少なくとも1個の第二延伸支部232を備えていること。 (ウ)該第一延伸支部231は、該第一固定部品21に対応して接続し、該第二延伸支部232は、該第二固定部品22に対応して接続していること。 (エ)発光モジュール1は、LED発光モジュールであって、該板体23の片面中央部に固定して設置されていること。 (オ)そして、上記(イ)、(エ)で示すように、LED発光モジュールが設置された板体23が熱伝導性を備えたものであることや、甲2の【請求項1】に「片面に発光モジュールを搭載した板体及び該板体を収容するハウジングからなり、/(当審注:「/」は改行を示す。以下同様。)該板体両側に該ハウジングを跨いでその両側壁に固定するための延長部である第一延伸支部及び第二延伸支部をそれぞれ少なくとも1つづつ設けて、それらの第一延伸端及び第二延伸端を、第一固定部品の第一固定部、および第二固定部品の第二固定部によりそれぞれハウジング両側壁に固定した、/ことを特徴とする放熱構造」と、上記(ア)~(エ)と同様の構成が記載され、ヒートパイプを含まないこれらの構成が「放熱構造」と記載されていることから、段落【0008】~【0010】の記載も併せて踏まえれば、上記第一固定部品21、第二固定部品22及びハウジング2の片側の側壁と反対側の側壁とに跨いで設置される板体23は、ハウジング2が備える放熱構造であって、LED発光モジュールからの熱を、板体23の第一延伸支部231及び第二延伸支部232から、第一固定部品21、第二固定部品22を介してハウジング2の両側壁に伝えて放熱することにより放熱性能を高めることができるものと認められる。 イ 第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25について 甲2の段落【0022】、【0023】には、第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25に関して、次の構成が記載されていると認められる。 (ア)第一ヒートパイプ24の一端は、第一固定部品21と該ハウジング2との間に通して設置され、反対端は、板体23と該ハウジング2との間に通して設置されること。 (イ)第二ヒートパイプ25の一端は、第二固定部品22と該ハウジング2との間に通して設置され、反対端は、板体23と該ハウジング2との間に通して設置されること。 しかしながら、甲2の【請求項10】及び【請求項11】には、第一ヒートパイプ(24)と第二ヒートパイプ(25)の両者が共に、一端が、第一固定部(211。第一固定部品(21)の構成。)とハウジング(2)との間に、反対端が、板体(23)とハウジング(2)との間に設置することが記載されている。 さらに、同図1において、第二ヒートパイプ25と第二固定部品22とが対応していないこともさることながら、当該第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25と板体23及びハウジング2との構造上の関係が十分に記載されていない。具体的には、第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25の「反対端」なるものが、段落【0022】、【0023】の記載では「該板体23と該ハウジング2との間に通して設置される」としながら、その具体的な位置についてそれ以上説明も図示もされていないし、当該「反対端」なるものが、板体23と接触しているのか、それとも、ハウジング2と接触しているのかも記載されていない。 そのため、上記第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25は、これが接続された部材間の一方から他方に熱を移送するものであることは想定されるものの、LED発光モジュールからの熱をどのようにハウジング2に伝え放熱するのか、具体的に特定できない。 ウ 甲2に記載されていると認められる事項 上記ア、イを踏まえると、上記第一ヒートパイプ24及び第二ヒートパイプ25の接続構造は不明であるものの、甲2には、少なくとも以下の事項が記載されていると認められる。 [甲2記載事項] 「片面に発光モジュールを搭載した板体及び該板体を収容するハウジングにおいて(【請求項1】)、 第一固定部品21、第二固定部品22、板体23、第一ヒートパイプ24、第二ヒートパイプ25を具え(段落【0014】)、 第一固定部品21は、ハウジング2内の片側の側壁に設置され、第二固定部品22は、ハウジング2の該第一固定部品21に相対する反対側の側壁に設置され(上記ア(ア))、 板体23は、熱伝導性を備え、第一固定部品21に対応して接続するための、少なくとも1個の第一延伸支部231、及び、第二固定部品22に対応して接続するための、少なくとも1個の第二延伸支部232を備え(上記ア(イ))、 該第一延伸支部231は、該第一固定部品21に対応して接続し、該第二延伸支部232は、該第二固定部品22に対応して接続し(上記ア(ウ))、 発光モジュール1は、LED発光モジュールであって、該板体23の片面中央部に固定して設置されており(上記ア(エ))、 上記第一固定部品21、第二固定部品22及びハウジング2の片側の側壁と反対側の側壁とに跨いで設置される板体23は、ハウジング2が備える放熱構造であって、該LED発光モジュールからの熱を、板体23の第一延伸支部231及び第二延伸支部232から、第一固定部品21、第二固定部品22を介してハウジング2の両側壁に伝えて放熱をすることにより放熱性能を高めることができること(上記ア(オ))。」 1-3 甲3 甲3には次の事項が記載されている。 (1)「【0022】 また、駆動装置10は、図3~図5に示すように、回路基板11及び取付部13と、内部コネクタ部14と外部コネクタ部15とが一体的に設けられていてもよい。この内部コネクタ部14及び外部コネクタ部15は、例えばモールド成形によって取付部13と一体的に設けることができる。」 (2)「【0024】 内部コネクタ部14は、回路基板11とLED21との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された内部端子18を有している。よって、内部コネクタ部14は、出力側コネクタ部と言い換えることができる。この内部コネクタ部14は、内部端子18を囲うように設けられており、内部配線30のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、内部端子18は、内部コネクタ部14で囲まれた空間に露出している。」 (3)「【0026】 外部コネクタ部15は、回路基板11と、カバー61,62の外部に設けられた外部機器との電気的な接続を行うための部位であり、回路基板11と電気的に接続された外部端子19を有している。よって、外部コネクタ部15は、入力側コネクタ部と言い換えることができる。この外部コネクタ部15は、外部端子19を囲うように設けられており、外部配線31のコネクタ(図示省略)が取り付け可能な形状を有している。つまり、外部端子19は、外部コネクタ部15で囲まれた空間に露出している。なお、外部機器とは、図示や省略するが、回路基板11に対して電源を供給するバッテリや、回路基板11に対して点灯の指示をする制御装置などである。」 (4)「【0030】 上述の内部配線30は、回路基板11とLED21とを電気的に接続するための配線である。図2に示すように、内部配線30は、灯具内空間S10に配置される。この内部配線30は、一方の端部が内部コネクタ部14の内部端子18と電気的に接続され、他方の端部が後ほど説明する光源部20に設けられたLEDコネクタ部22と電気的に接続される。」 (5)「【0033】 ・・・つまり、回路基板11及び内部コネクタ部14は、灯具内空間S10に配置される。一方、外部コネクタ15は、灯具外空間に配置される。・・・」 1-4 甲4 甲4には次の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 飛行機を滑走路に誘導するために継続点灯する進入灯と、前記飛行機を前記滑走路に誘導するために点滅する閃光灯と、を含む航空灯火システムにおいて、 前記進入灯と前記閃光灯は、同一形状のLEDモジュールであることを特徴とする航空灯火システム。」 2 無効理由1(本件発明1、2、4~7に対する進歩性の欠如)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア) 甲1発明の「出射口23」は本件発明1の「開口部」に相当する。以下同様に、「筐体10」は「筐体」に、「透光性部材の前面カバー14」は「光透過性カバー」に、「LED光源」は「光源」に、「COB型LED30」は「LEDモジュール」に、「光制御部材」は「配光手段」に、「先端開口60に向けて拡径する円筒状の反射鏡34」は「円筒状リフレクタ」に、「多数のLED」は「複数のLED」に、「LED基板31」は「LED基板」に、「スポーツ照明器具1」は「ランプ」に、それぞれ相当する。 以上の相当関係から、以下のことがいえる。 (イ) 甲1発明のスポーツ照明器具1の器具本体2が「COB型LED30」を備えた光源モジュール12を備えたことは、本件発明1のランプが「LEDモジュール」を含むことに相当する。 また、甲1発明のスポーツ照明器具1の器具本体2が、「ベースプレート32」と、「ヒートパイプ50」を備えた放熱部36とを備えた光源モジュール12を備えたことは、本件発明1のランプが「熱移送手段」を含むことに相当する。 また、甲1発明のスポーツ照明器具1の器具本体2が、「先端開口60に向けて拡径する円筒状の反射鏡34」を備えた光源モジュール12と、「筐体10」と、「前面カバー14」とを備えたことは、本件発明1のランプが「円筒状リフレクタ」と、「筐体」と、「光透過性カバー」とを含むことに相当する。 (ウ) 甲1発明の「ベースプレート32」はCOB型LED30が直接的に取り付けられる高熱伝導材であり、「ヒートパイプ50」は当該ベースプレート32に伝えられたCOB型LED30の熱を放熱フィン48に伝えるものであるから、「ベースプレート32」及び「ヒートパイプ50」は、放熱フィン48に熱を移送する目的を有するものである。 したがって、甲1発明の「ベースプレート32」及び「ヒートパイプ50」は、本件発明1の「熱移送手段」に相当する。 (エ) 甲1発明の筐体10が「有底円筒状を成し、正面の開口が出射口23として構成されている」ことは、本件発明1の筐体が「開口部を有する」ことに相当する。 (オ) 甲1発明において、LED基板31に密集配置された多数のLEDが、当該LED基板31の実装面に実装されていることは明らかであるから、甲1発明のLED基板31が「多数のLEDを密集配置する」ことは、本件発明1のLED基板が「前記複数のLEDを実装する実装面を有する」ことに相当する。 (カ) 甲1発明の反射鏡34が「その軸方向が前記COB型LED30に対し垂直に配置され」ていることは、本件発明1の円筒状リフレクタが「その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され」ていることに相当する。 (キ) 甲1発明の筐体10の内部に「前記反射鏡34が配置され」ていることは、本件発明1の筐体の内部に「前記LEDモジュールおよび前記円筒状リフレクタが配置され」ていることと、「前記円筒状リフレクタが配置され」ていることで共通する。 (ク) 甲1発明において、「前記筐体10の出射口23を、透光性部材の前面カバー14が覆」うことは、本件発明1において、「前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され」ていることに相当する。 (ケ) 甲1発明において、ベースプレート32が「COB型LED30が直接的に取り付けられる基板取付部材であり、高熱伝導材であり、」且つ、複数本のヒートパイプ50が「ベースプレート32に伝えられたCOB型LED30の熱を放熱フィン48に伝える」ことは、本件発明1において、「前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され」ていることと、「前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置され」ていることで共通する。 (コ) 以上の相当関係から、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 [一致点] 「光源であるLEDモジュールと、 熱移送手段と、 配光手段としての円筒状リフレクタと、 開口部を有する筐体と、 光透過性カバーとを含み、 前記LEDモジュールは、複数のLEDと、前記複数のLEDを実装する実装面を有するLED基板とを含み、 前記円筒状リフレクタは、その軸方向が前記LEDモジュールに対し垂直に配置され、 前記筐体の内部に、前記円筒状リフレクタが配置され、 前記筐体の開口に、前記光透過性カバーが配置され、 前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を放熱できるように配置されている、ランプ。」 [相違点1] 本件発明1が、筐体の内部に「前記LEDモジュール」が配置され、さらに、「前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され」ており、その上で、熱移送手段がLEDモジュールの熱を「前記筐体に」放熱できるように配置されているのに対して、甲1発明は、筐体10の内部に「COB型LED30」(LEDモジュール)が配置されていないから、前記COB型LED30は前記筐体10内で前記筐体10と離れて配置もされておらず、その上、ベースプレート32及びヒートパイプ50(熱移送手段)がCOB型LED30の熱を「放熱フィン48に」伝えるように配置されている点。 [相違点2] 本件発明1が、「前記筐体は、前記LEDモジュールと配線で接続される接続部を有する」のに対して、甲1発明は、そのような構成が特定されていない点。 イ 判断 (ア) 甲1発明への甲2記載事項の適用について 甲1発明の照明器具は放熱を必要とするものである一方、甲2には、甲2記載事項の放熱構造が「放熱性能を高める」ものとして記載されていることに鑑み、甲1発明をより放熱の良好なものにするために、甲1発明に甲2記載事項を適用して相違点1に係る本件発明1の構成とすることが当業者にとって容易であるかについて検討する。 a 甲1発明の要旨等 まず前提として、甲1発明は、段落【0002】、【0004】、【0005】、【0009】の記載を参酌すれば、要するに、 「耐電圧試験時などに高電圧が印加された場合に、LED基板への過大な電圧印加を防止するために、筐体とLED基板の間にセラミック板等の電気絶縁材を介在」させると、「LED基板から筐体への熱の伝達が阻害され、放熱性能が低下するという問題」があったことに鑑み、発光素子基板と筐体との間の電気的絶縁は確保しつつ、基板取付部材に発光素子基板を直接取り付け、基板取付部材の一部を筐体の係合孔から外に露出させ、その露出した箇所から放熱することで、発光素子基板から放熱する箇所までの間に、熱の伝達を阻害する電気絶縁材を介在させない放熱経路を設けて高い放熱性能を得る(以下「甲1発明の要旨」という。) ものであるといえる。 そして、甲1の段落【0006】の「また本発明は、上記照明器具において、前記基板取付部材は、前記筐体の外側に前記係合孔から突出し前記発光素子基板の熱を放熱する放熱部を備えることを特徴とする。」との記載及び段落【0029】の「なお、筐体10から延出する方向の放熱フィン48の長さ、及び枚数については、必要な放熱性能に応じて決定される。」との記載を踏まえると、甲1発明は、より高い放熱性能が必要な場合には、放熱フィンの面積や枚数を増加させるとの方策により放熱性能を向上させるものであって、かかる方策を採用することにより、甲1発明の要旨を逸脱することなく放熱性能を高めることが可能なものである。 b 甲2記載事項において想定し得る具体的な放熱構造 甲2記載事項の第一、二ヒートパイプ24、25は、上記1-2(2)イで示すように、LED発光モジュールからの熱をどのようにハウジング2に伝え放熱するものであるのか、具体的に特定できない。 しかしながら、上記第一固定部品21、第二固定部品22及びハウジング2の片側の側壁と反対側の側壁とに跨いで設置される板体23が、放熱構造として、LED発光モジュールからの熱をハウジング2の両側壁に伝えて放熱をすることにより放熱性能を高める役割を有していることに鑑みれば、第一、二ヒートパイプ24、25は、第一固定部品21、第二固定部品22及び板体23による放熱をさらに促進させる役割を有するとも考えられる。 そうすると、甲2記載事項の第一、二ヒートパイプ24、25は、その一方の端部(図1における24、25で示されるヒートパイプの中央)がLED発光モジュールの設置された板体23の中央部の裏面側と接触しており、当該一方の端部が板体23から受けた熱を、その他方の端部(図1における24、25で示されるヒートパイプの端)からハウジング2の両側壁に伝えることにより、第一固定部品21、第二固定部品22及び板体23による放熱をさらに促進させているとも想定し得る。 c 検討 上記aで示したように、甲1発明は、発光素子基板と筐体との間の電気的絶縁の確保を前提とするものである。 そのため、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を追加する際にも、筐体10とLED基板31との間で電気絶縁材を介在させて電気的絶縁を確保すべきことは明らかである。 そして、ヒートパイプが、一般に「金属で作られた管(パイプ)の中に液体(作動液)が封入され」(甲6参照)た構造を有することは技術常識であるところ、金属は電気を伝えるものであることに鑑みれば、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を追加した際には、例えば、第一、二固定部品21、22とハウジング2との間に設置した導熱体4(甲2の段落【0020】参照)を電気絶縁材とするなど、甲1発明のLED基板31と筐体10との間の放熱経路のどこかに電気絶縁材を介在させる必要がある。 しかしながら、かかるLED基板31と筐体10との間に介在される電気絶縁材は、まさしく、甲1において問題とされた「熱の伝達を阻害」し、「放熱性能が低下する」一因となるものであるから、当業者にとって、かかる構造を追加することに動機が働くとはいえない。他方、上記aで示すように、甲1発明は、放熱性能をより良好なものとするのであれば、放熱フィンの面積や枚数を増加させることで、甲1発明の要旨を逸脱することなく放熱性能を高めることが可能なものである。 以上を踏まえると、甲2記載事項の放熱構造を追加する必要なく放熱性能を高めることが可能な甲1発明において、あえて甲1発明において問題とされた甲2記載事項の放熱構造を追加することには、阻害要因があるというべきである。 また、甲2記載事項の放熱構造は、片面に発光モジュールを搭載した板体がハウジングに収容されたものにおいて、発光モジュールで発生した熱をハウジングに伝えて放熱するものである。 そのため、甲1発明に甲2記載事項の上記bで示す放熱構造を追加する場合、甲1発明の「ベースプレート32」が甲2記載事項の「板体23」に対応することとなり、ベースプレート32を筐体10内に収容した上で、第一、二ヒートパイプ24、25は一方の端部が甲1発明の筐体10に収容されたベースプレート32で接触し、他方の端部が筐体10に設置されたものとなる。 しかしながら、甲1発明は、COB型LED30を取り付けたベースプレート32を筐体10の係合孔54に係合してその裏面32Bを筐体10の外側に露出させ、その露出した箇所から放熱することに技術的意義を有するものであるところ(上記a参照)、当該ベースプレート32が筐体10内に収容されると、その技術的意義を失するものとなるから、かかる適用には阻害要因がある。 よって、甲1発明において、甲2記載事項を適用することにより、相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 また、甲3の記載を踏まえても、甲1発明において、相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 (イ)追加的検討 甲1発明のベースプレート32は、その一部が筐体10の外側に露出しており、係合孔54に係合することによって筐体10内外の空間を隔てているから、筐体10とベースプレート32を合わせたものが本件発明1の「筐体」に相当するものであるとの見方も可能である。このような場合についても、追加的に検討する。 この場合、甲1発明のCOB型LED30は、ベースプレート32のLED収容凹部40に直接載置されるものであるから、筐体10及びベースプレート32からなる「筐体」の内部に配置されるものといえる。 してみれば、本件発明1と甲1発明とは、相違点2のほか、本件発明1が、「前記LEDモジュールは、前記筐体内において、前記筐体と離れて配置され」ており、「前記熱移送手段は、前記LEDモジュールの熱を前記筐体に放熱できるように配置され」ているのに対して、甲1発明は、COB型LED30がベースプレート32に「直接載置され」ており、COB型LED30の熱をベースプレート32及び筐体10に放熱できるように配置された熱移送手段が存在しない点(以下「相違点3」という。)で相違するものといえる。 相違点3について検討する。 甲2記載事項において、上記1-2(2)ウで示すように、LED発光モジュールはハウジング2の片側の側壁と反対側の側壁とに跨いで設置される板体23の片面中央部に固定されており、ハウジング2からは離れて位置している。そして、このようにハウジング2から離れたLED発光モジュールからの熱をハウジング2に放熱するため、板体23は、第一固定部品21、22を介して第一、二延伸支部231、232によってハウジング2内の両側壁に接続し、その上で、上記(ア)bで検討したように、第一、二ヒートパイプ24、25の一方の端部を板体23の中央部の裏面側と接触させて、当該一方の端部が板体23から受けた熱を、他方の端部からハウジング2の両側壁に伝えて放熱するものと想定される。 このような甲2記載事項の放熱構造の構成を踏まえた上で、甲1発明に対して甲2記載事項の放熱構造を追加すると、甲1発明のCOB型LED30を甲2記載事項の板体23に搭載して、当該板体23を第一、二延伸支部231、232によって筐体10内の両側壁に接続し(すなわち、COB型LED30がベースプレート32と離れて配置されるようにし)、その上で、第一、二ヒートパイプ24、25の一方の端部を板体23の中央部の裏面側と接触させ、当該一方の端部が板体23から受けた熱を、他方の端部からベースプレート32又は筐体10に伝えて放熱するものとなる。 しかしながら、甲1発明は、COB型LED30がベースプレート32に「直接載置され」、COB型LED30からベースプレート32への放熱が良好な構成となっているところ、そもそも、その両者をあえて「離れて配置」した構成にする必要がないし、「直接載置され」る構成に代えて「離れて配置」すれば放熱が阻害されることは明らかであるから、わざわざ「離れて配置」して放熱性能を低下させた上で、甲2記載事項の放熱構造を追加する必要は全くない。 したがって、甲1発明において、COB型LED30がベースプレート32に「直接載置され」た構成から、「離れて配置され」た構成となるような甲2記載事項の放熱構造の追加には、阻害要因があるというべきである。 したがって、甲1発明において、甲2記載事項を適用することにより、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 また、甲3の記載を踏まえても、甲1発明において、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 ウ 請求人の主張について (ア) 適用の動機付けについて 請求人は、令和7年1月17日に提出された手続補正書(方式)により補正された同月14日付け口頭審理陳述要領書において、「甲2記載事項の板体23は、図1、2から明らかなとおり、発光モジュール1(LEDランプ)を設置するものである。そして甲2記載事項は、ハウジング2と離れて配置されている発光モジュール1からの熱をハウジング2に伝えて放熱する目的で、ヒートパイプ24を用いて板体23からハウジング2へ熱を伝える構造であるから、筐体(ハウジングに相当)とLEDモジュール(発光モジュールに相当)が離れて配置された甲1発明に適当することは、当業者にとって容易であることは明らかである。」(第6ページ参照)と主張する。 しかしながら、仮に、甲1発明及び甲2記載事項に上記主張のような観点で共通性が認められるとしても、上記イの(ア)及び(イ)で示したように、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を追加することには阻害要因があるから、甲1発明に甲2記載事項を適用することは当業者にとって容易になし得たことではない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 また、請求人は、令和7年2月14日付け上申書において、「甲1発明は、スポーツ照明に用いられるような、「高出力型」のLEDを用いた際の放熱を課題としていることから、発光素子基板の熱をヒートパイプにより放熱フィンに伝えるという放熱手段を有していてもなお、更に発光素子基板の熱を放熱するという動機を有する。 そのため、発熱部と筐体とが接していない甲1発明において、甲2号証の「発光モジュールの熱をヒートパイプを使用してハウジングに放熱する」という記載に接した当業者が、発光素子基板の熱をヒートパイプにより筐体に熱を逃がすことは、容易に想到するものである。」(第3ページ参照)と主張する。 しかしながら、甲1発明は、更にCOB型LED30の放熱性能を向上させるのであれば、上記イ(ア)aで示したとおり、放熱フィンの面積や枚数を増加させるとの方策を採用するものであって、甲1発明において問題とされた甲2記載事項の放熱構造を追加する必要性は全くないし、上記イの(ア)及び(イ)で示したように、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を追加することには阻害要因があるから、甲1発明に甲2記載事項を適用することは当業者にとって容易になし得たことではない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 (イ) 甲2記載事項の放熱構造について 請求人は、上記口頭審理陳述要領書において、「ウ 以上の記載事項と上記「ア」のヒートパイプに関する説明とから、熱源は板体23に設置されたLEDモジュールの直下部分と理解される。甲2には、ヒートパイプの反対端は、板体23とハウジング2との間に通して配置される、と記載があることから、板体23とヒートパイプとが接触していることが明確に記載されていないものの、ヒートパイプの機能からみて、ヒートパイプの反対端は当該熱源、即ち板体23と接触していると理解することが自然である。」(第5ページ参照)と主張する。 しかしながら、上記イ(ア)cで示したように、仮に、甲2記載事項を、第一、二ヒートパイプ24、25の一方の端部(図1における24、25で示されるヒートパイプの中央)が板体23と接触しているものと理解したとしても、甲1発明に甲2記載事項を適用することは当業者にとって容易になし得たことではない。 したがって、請求人の上記主張は、採用できない。 (ウ) 甲1発明に甲2記載事項を適用することの阻害要因について 請求人は、上記口頭審理陳述要領書において、「・・・甲1の段落【0004】記載のとおり、甲1発明は「筐体への熱伝達を良好にしつつ、高い対伝達性能(当審注:「高い耐電圧性能」の誤記と認める。)を得ること」を目的とするものであるから、筐体への熱伝達(放熱)があることが前提となっている。そして、当然のことながら、甲1において、COB型LEDの熱を筐体に放熱しないとの記載は存在しない。したがって、甲2においても筐体への放熱を前提としていることから、原告の主張する放熱方式の違いは、甲1発明と甲2を組み合わせる阻害要因とはならない。」(第7ページ参照)と主張する。 しかしながら、上記イの(ア)及び(イ)で示したように、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を追加することには阻害要因があるから、甲1発明に甲2記載事項を適用することは当業者にとって容易になし得たことではない。 したがって、請求人の上記主張は、採用できない。 エ 本件発明1についてのまとめ 上記イの(ア)及び(イ)で示すとおり、甲1発明に甲2記載事項の放熱構造を適用することは当業者が容易になし得たこととはいえない。 よって、相違点2については検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2、甲3記載事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (2)本件発明2、4~6について 本件発明2、4~6は、本件発明1の構成を全て有し、さらに限定したものであるから、本件発明1について上記(1)に示したのと同じ理由により、本件発明2、4~6は、甲1発明及び甲2、甲3記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 3 無効理由2(本件発明7に対する進歩性の欠如)について 本件発明7は、本件発明1の構成を全て有し、さらに限定したものであり、甲4の記載を踏まえても、上記2(1)イの(ア)及び(イ)で示すとおり、甲1発明において、相違点1又は相違点3に係る本件発明1及び2、4~7の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 そうすると、本件発明1について上記2(1)に示したのと同じ理由により、本件発明7は、甲1発明及び甲2~甲4記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、無効理由1、2はいずれも理由がないものであり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明1、2、4~7についての特許は、無効とすることはできない。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-800076

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