2024-800064
車両誘導システム
- 審判番号
- 2024-800064
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2016-075107外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6159845
- 請求日
- 2024年05月08日
- 審決日
- 2025年02月21日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中日本高速道路 株式会社
- 【請求人代理人】宮部 岳志
- 【請求人代理人】前田 泰志
- 【被請求人】有限会社 PXZ
- 分類
- P1113.55 -Y (G07B) / 標準データ:手続:無効 / 標準データ:113・55-Y (G07B) / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第44条第1項、特許法第123条第1項第1号、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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1 特許第6159845号(以下「本件特許」という。)は、平成28年4月4日にされた特許法第44条第1項の規定による特許出願であって、平成16年9月13日に出願した特願2004-300749号を最初の原出願とする、いわゆる第7世代の分割出願であり、平成29年6月16日にその発明について特許権の設定登録がなされたものである。
出願から設定登録に至るまでの経緯は、以下のとおりである。
平成28年 4月 4日 出願
平成29年 1月20日付け 拒絶理由通知書
平成29年 2月10日 意見書、手続補正書の提出
平成29年 6月 1日付け 特許査定
平成29年 6月16日 設定登録
2 本件特許出願の最初の原出願からの分割の経緯は、以下のとおりである。なお、括弧内はそれぞれの出願の出願日を示す。
3 本件無効審判に係る手続の経緯の概要は、以下のとおりである。
令和6年 5月 8日 本件無効審判の請求
令和6年 6月27日差出 (被請求人)上申書の提出
令和6年 7月29日 審判事件答弁書の提出
令和6年 9月17日 (請求人)請求取下書の提出
令和6年 9月30日付け 手続補正指令書
令和6年11月22日付け 手続却下の決定
第2 本件発明
本件無効審判請求に係る本件特許の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」、「本件特許発明2」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
1 本件特許発明1
「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第2の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。」
2 本件特許発明2
「請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。」
第3 請求人の主張、証拠方法
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1 請求人の主張
請求人は、「本件特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、概略、以下の無効理由を主張している。また、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件特許発明1及び2の発明特定事項の一部は、分割の元となる特願2004-300749号(以下「原出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載されていない新たな事項であるから、平成28年4月4日の出願時における明細書及び特許請求の範囲になされた補正は、原出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものではなく、本件特許の請求項1及び2に係る特許は、特許法第17条の2第3項に規定にする要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであるから、同法第123条第1項第1号に該当し、無効とすべきである。
2 証拠方法
甲第1号証 特開2006-79580号公報(原出願の公開公報)
第4 被請求人の主張
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被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、概略、以下のように主張している。
本件特許発明1及び2の発明特定事項は、原出願の当初明細書等に記載されている。
請求人は、本件特許出願についてした補正が特許法第17条の2第3項の規定に違反していることを理由に、本件特許は特許法第123条第1項第1号に該当するから本件特許は無効であると主張しているが、特許法第17条の2第3項は一の特許出願における補正の制限を規定しているのであるから、かかる規定を根拠に本件特許を無効とすることはできない。
第5 当審の判断
1 補正が新規事項を追加するものであるか否かの判断手法
補正が新規事項を追加するものであるか否かは、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるか否かにより判断されるべきものである。
2 本件特許出願について特許法第17条の2第3項の規定に違反する補正がなされたかについて
上記1の「当初明細書等」は、判断対象とする特許出願の当初明細書等を指しているから、本件特許出願についてなされた補正が新規事項を追加するものであるか否かは、本件特許出願の当初明細書等を基準として判断されるものである。
これに対して、本件特許出願については、平成29年2月10日に特許請求の範囲の補正がなされているが、その内容は実質的なものではなく、上記1に照らして当該補正が新規事項を追加するものではないことは明らかである。
請求人は、平成28年4月4日の出願時における「補正」について、原出願の当初明細書等を基準に新規事項の追加を主張しているようであるが、本件特許出願の出願時においては補正はなされていない上、原出願の当初明細書等は上記1とは無関係であるから、請求人の主張は当を得ていない。
3 小括
よって、本件特許出願について特許法第17条の2第3項の規定に違反する補正がなされたものとは認められない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する無効理由によっては、本件特許の請求項1及び2に係る特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。
よって、結論のとおり審決する。
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