特許異議申立
2024-700751
検査ソケットの製造方法
- 審判番号
- 2024-700751
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-519445
- 登録番号
- 7430252
- 請求日
- 2024年08月08日
- 審決日
- 2025年10月29日
- 公報発行日
- 2026年02月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】リーノ インダストリアル インコーポレイテッド
- 【権利者代理人】弁理士法人ITOH
- 【異議申立人】福井 義治
- 審判長/審判官
- 審判長 小島 寛史
- 審判官 谷垣 圭二
- 審判官 柳 重幸
- 分類
- P1652.113-YAA(G01R) / P1652.121-YAA(G01R)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第113条、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7430252号発明「検査ソケットの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7430252号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~15〕、〔16~17〕について訂正することを認める。
特許第7430252号の請求項2、3、5、16に係る特許を維持する。
特許第7430252号の請求項1、4、6、7、14、15、17に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
1 本件特許についての手続の経緯
特許第7430252号(請求項の数17。以下「本件特許」という。)の出願日、優先権主張、特許権の設定登録日及び特許掲載公報の発行日は、次のとおりである。
出願日 令和3年5月18日
優先権主張 令和2年5月22日、韓国
特許権の設定登録日 令和6年2月 1日
特許掲載公報の発行日 同月 9日
2 本件特許異議の申立てについての手続の経緯
令和6年 8月 8日 :特許異議の申立て
(特許異議申立人:福井 義治 請求項1~7、14~17に対して)
同年11月13日付け:取消理由通知書
令和7年 2月17日 :訂正請求書及び意見書の提出(特許権者)
同年 3月 7日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知)
同年 5月15日付け:訂正拒絶理由通知書
同年 7月 9日 :応対記録
同日 :意見書及び手続補正書の提出(特許権者)
同年 8月22日付け:同年7月9日に提出された手続補正書に対
する手続補正指令書(方式)
同年 9月26日 :手続補正書(方式)の提出(特許権者)
なお、令和7年3月7日付けの通知書において、特許異議申立人に対して期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許異議申立人は応答しなかった。
以下、令和7年9月26日に提出された手続補正書(方式)により補正された同年7月9日に提出の手続補正書によって補正された訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書による訂正を「本件訂正」という。
第2 訂正請求に対する補正の適否
令和7年7月9日に提出された手続補正書は、同年2月17日に提出された訂正請求書及びこれに添付した訂正特許請求の範囲を補正するものであるため、当該補正(以下「本件補正」という。)の適否について検討する。
本件補正は、請求項4、6、7、14に対する訂正事項を、請求項4、6、7、14を削除する訂正事項に変更するものである。
当該補正事項は、審理対象の拡張変更を伴わないものであって、訂正請求書の要旨を変更するものではないから、特許法120条の5第9項において準用する同法131条の2第1項の規定に適合するものである。
よって、本件補正は、認められる。
第3 本件訂正について
1 請求の趣旨
(1) 本件訂正の請求の趣旨
本件訂正に係る請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~17について訂正することを求めるものである。
2 本件訂正前の特許請求の範囲の記載
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1~17の記載(登録時における特許請求の範囲の記載)は、次のとおりである。
「【請求項1】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含む
検査ソケットの製造方法。
【請求項2】
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階; 及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項3】
前記第1接着シート及び前記第2接着シートは、硬化型接着剤を含む、請求項2に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項4】
前記第1ベース部材と第2ベース部材は、厚さが互いに異なる、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項5】
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;
前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;
前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;
前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記第1カバーを分離する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項6】
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材の一面に第2陥没部を形成する段階;
前記第2陥没部に樹脂を詰める段階;
前記樹脂の詰められた第2陥没部を第2カバーで覆う段階;
前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記第2カバーを分離する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項7】
前記第1接合ブロック及び前記第2接合ブロックの形成段階は、それぞれ、前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材にそれぞれ前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材をインサート射出する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項8】
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材が形成される面に第1接合溝及び第2接合溝を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項9】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、底に向かって断面積が広くなる、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項10】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項11】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔を取り囲む、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項12】
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、厚さ方向に貫通する第1接合孔及び第2接合孔を含む、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項13】
前記第1接合孔及び第2接合孔は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項12に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項14】
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとの間にギャッププレートを介在させる段階をさらに含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の方法で製造された検査ソケット。
【請求項16】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材に、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔を形成し、前記第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材に前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔を形成し、前記第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1バレル収容孔を通じて前記第1絶縁部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2バレル収容孔を通じて前記第2絶縁部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含む、検査ソケットの製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法で製造された検査ソケット。」
3 本件訂正後の特許請求の範囲の記載
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~17の記載は、次のとおりである。下線は訂正箇所である。
「【請求項1】
(削除)
【請求項2】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。
【請求項3】
前記第1接着シート及び前記第2接着シートは、硬化型接着剤を含む、請求項2に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;
前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;
前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;
前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記第1カバーを分離する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材が形成される面に第1接合溝及び第2接合溝を含む、
検査ソケットの製造方法。
【請求項9】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、底に向かって断面積が広くなる、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項10】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項11】
前記第1接合溝及び前記第2接合溝は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔を取り囲む、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項12】
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、厚さ方向に貫通する第1接合孔及び第2接合孔を含む、請求項8に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項13】
前記第1接合孔及び第2接合孔は、それぞれ、前記第1バレル収容孔及び前記第2バレル収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項12に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
(削除)
【請求項16】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材に、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔を形成し、前記第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材に前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔を形成し、前記第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1バレル収容孔を通じて前記第1絶縁部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2バレル収容孔を通じて前記第2絶縁部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。
【請求項17】
(削除)」
4 本件訂正の内容
本件訂正は、一群の請求項〔1~15〕及び〔16~17〕について特許請求の範囲の記載を訂正するものであって、以下に示す訂正事項1から訂正事項11までからなる。
(1) 一群の請求項〔1~15〕についての訂正事項
ア 訂正事項1(請求項1の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2(請求項2の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項2について、次の(ア)に示す訂正前の記載を、後記(イ)に示す訂正後の記載に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する。)。
(ア) 訂正前の記載
「 前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。」
(イ) 訂正後の記載
「 長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。」
ウ 訂正事項3(請求項4の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
エ 訂正事項4(請求項5の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項5について、次の(ア)に示す訂正前の記載を、後記(イ)に示す訂正後の記載に訂正する。
(ア) 訂正前の記載
「 前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;
前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;
前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;
前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記第1カバーを分離する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。」
(イ) 訂正後の記載
「 長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;
前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;
前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記第1カバーを分離する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。」
オ 訂正事項5(請求項6の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
カ 訂正事項6(請求項7の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
キ 訂正事項7(請求項8の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項8について、次の(ア)に示す訂正前の記載を、後記(イ)に示す訂正後の記載に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9~13も同様に訂正する。)。
(ア) 訂正前の記載
「 前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材が形成される面に第1接合溝及び第2接合溝を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。」
(イ) 訂正後の記載
「 長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1接合ブロックに、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔と、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2接合ブロックに、前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔と、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれ、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材が形成される面に第1接合溝及び第2接合溝を含む、
検査ソケットの製造方法。」
ク 訂正事項8(請求項14の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項14を削除する。
ケ 訂正事項9(請求項15の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項15を削除する。
(2) 一群の請求項〔16~17〕に係る訂正事項
ア 訂正事項10(請求項16の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項16について、次の(ア)に示す訂正前の記載を、後記(イ)に示す訂正後の記載に訂正する。
(ア) 訂正前の記載
「 長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材に、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔を形成し、前記第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材に前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔を形成し、前記第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1バレル収容孔を通じて前記第1絶縁部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2バレル収容孔を通じて前記第2絶縁部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含む、検査ソケットの製造方法。」
(イ) 訂正後の記載
「 長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質の第1ベース部材に、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔を形成し、前記第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して第1接合ブロックを形成する段階;
導電性材質の第2ベース部材に前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔を形成し、前記第2ベース部材と絶縁性材質の第2絶縁部材とを接合して第2接合ブロックを形成する段階;
前記第1バレル収容孔を通じて前記第1絶縁部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
前記第2バレル収容孔を通じて前記第2絶縁部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び
前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階を含み、
前記第1接合ブロックの形成段階は、
前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び
前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、
前記第2接合ブロックの形成段階は、
前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び
前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、
検査ソケットの製造方法。」
イ 訂正事項11(請求項17の記載に係る訂正)
特許請求の範囲の請求項17を削除する。
5 本件訂正の適否についての当合議体の判断
(1) 訂正の目的
ア 一群の請求項〔1~15〕についての訂正事項
(ア) 訂正事項1
訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(イ) 訂正事項2
訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項2について、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。
(ウ) 訂正事項3
訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項4を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(エ) 訂正事項4
訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項5について、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。
(オ) 訂正事項5
訂正事項5に係る訂正は、訂正前の請求項6を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(カ) 訂正事項6
訂正事項6に係る訂正は、訂正前の請求項7を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(キ) 訂正事項7
訂正事項7に係る訂正は、訂正前の請求項8について、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。
(ク) 訂正事項8
訂正事項8に係る訂正は、訂正前の請求項14を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(ケ) 訂正事項9
訂正事項9に係る訂正は、訂正前の請求項15を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
イ 一群の請求項〔16~17〕についての訂正事項
(ア) 訂正事項10
訂正事項10に係る訂正は、訂正前の請求項16の「第1接合ブロックを形成する段階」について、「前記第1接合ブロックの形成段階は、前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含[む]」ことを限定し、「第2接合ブロックを形成する段階」について、「前記第2接合ブロックの形成段階は、前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む」ことを限定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(イ) 訂正事項11
訂正事項11に係る訂正は、訂正前の請求項17を削除する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
(2) 新規事項の追加、特許請求の範囲の実質的拡張・変更
訂正事項1~11の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」、同3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」又は同4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当するから、これらの訂正における新規事項の追加の有無を判断する際の基準となる明細書等は、特許権の設定の登録がされた時点での願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)である。
ア 一群の請求項〔1~15〕についての訂正事項
(ア) 訂正事項1、3、5、6、8、9
訂正事項1、3、5、6、8、9の訂正は、それぞれ訂正前の請求項1、4、6、7、14、15を削除するものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないから、いずれも本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項1、3、5、6、8、9の訂正は、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
(イ) 訂正事項2
訂正事項2の訂正は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項2について独立形式に改めたものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
(ウ) 訂正事項4
訂正事項4の訂正は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項5について独立形式に改めたものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
(エ) 訂正事項7
訂正事項7の訂正は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項8について独立形式に改めたものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項7の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
イ 一群の請求項〔16~17〕についての訂正事項
(ア) 訂正事項10
訂正事項10の訂正は、本件特許明細書等の【0091】の「図24に示すように、第1ベース部材31の上面に接着シート33を用いて第1絶縁部材32を接着させる。同様に、第2ベース部材41の下面に接着シート33を用いて第2絶縁部材42を接着させる。…(中略)…その後、例えば、170℃の雰囲気で約80分間、1kf/cm2の圧力を加えて、第1ベース部材31と第1絶縁部材32、及び第2ベース部材41と第2絶縁部材42を接合し、第1接合ブロック3、及び第2接合ブロック4をそれぞれ形成する。」等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項10の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
(イ) 訂正事項11
訂正事項11の訂正は、訂正前の請求項17を削除するものであって、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
また、訂正事項11の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
(3) 独立特許要件
ア この特許異議の申立てにおいては、請求項1~7、14~17について特許異議の申立てがされているから、本件訂正後における請求項1~7、14~17に記載されている事項により特定される発明について、特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条7項に規定する独立特許要件は課されない。
イ 特許異議の申立てがされていない請求項8~13についての訂正である訂正事項7は、上記(1)ア(キ)のとおり、明瞭でない記載の釈明又は他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることのみを目的とするものであるから、本件訂正後における請求項8~13に記載されている事項により特定される発明について、特許法120条の5第9項において読み替えて準用する同法126条7項に規定する独立特許要件は課されない。
(4) 本件訂正の適否についての当合議体の判断のまとめ
前記(1)~(3)において検討したとおり、訂正事項1~11の訂正は、いずれも、特許法120条の5第2項ただし書1号、3号又は4号に掲げる事項を目的とするものであって同項の規定に適合し、かつ、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するから、本件訂正は適法なものである。
よって、前記結論のとおり、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~15〕、〔16~17〕について訂正することを認める。
第4 本件訂正後の本件発明について
前記第3に示したとおり、本件訂正は認められたから、本件特許の請求項2、3、5、8~13、16に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件発明2」などという。)は、それぞれ、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項2、3、5、8~13、16に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項2、3、5、8~13、16の記載は、前記第3の3に示したとおりである。
第5 先の取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
本件訂正前の請求項16に対して、当審において令和6年11月13日付けで特許権者に通知した取消理由1、2の概要は、次のとおりである。
なお、請求項1、4、7、14、15、17に係る特許についての取消理由については、本件訂正により、請求項1、4、7、14、15、17が削除されたことを踏まえて割愛する。
理由1(新規性の欠如)
請求項16に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において発行された下記の文献に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当するから、請求項16に係る特許は、同法29条1項の規定に違反してされたものである。
理由2(進歩性の欠如)
請求項16に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において発行された下記の文献に記載された発明に基づいて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項16に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
記
甲第1号証:米国特許出願公開第2015/0233973号明細書
2 甲第1号証に記載された事項等及び甲1発明の認定
(1) 甲第1号証に記載された事項
甲第1号証(米国特許出願公開第2015/0233973号明細書)には、以下の事項が記載されている。括弧内に日本語訳を示した。当該日本語訳は、特許異議申立人が提出したものに基づいて当合議体が作成した(以下同様である。)。なお、下線は当合議体が付したものである(以下同様である。)。
ア [0001]
「FIELD OF THE INVENTION
[0001] The present invention relates to the field of testing electrical contacts in electrical and electronic devices, in particular to a method of manufacturing of the test socket body of an impedance-matched test socket used, e.g., in operations of final high speed testing (FHST). More specifically, the invention provides a method for manufacturing the test socket body of an FHST socket that eliminates crosstalk, creates impedance-controlled signals of different values on the same socket, and at the same time makes it possible to manufacture the mentioned sockets less expensively than by traditional CNC (computer numerical control) machining by using printed circuit board technology.」
(技術分野
[0001] 本発明は、電気及び電子機器の電気接点検査の分野に関し、特に、例えば最終高速検査(FHST)の操作において使用されるインピーダンス整合検査ソケットの検査ソケット本体の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、クロストークを排除し、上記ソケット上に異なる値のインピーダンス制御信号を作成し、同時に、プリント回路基板技術を使用することにより、従来のCNC(コンピュータ数値制御)機械加工によるよりも安価に前記ソケットを製造することを可能にする、FHSTソケットの検査ソケット本体の製造方法を提供する。)
イ [0015]
「SUMMARY OF THE INVENTION
[0015] The invention relates to a method for manufacturing a probe retainer used in a coaxial impedance-matched test socket for testing electrical/electronic devices, e.g., integrated circuits. The socket comprises a probe holder that holds a plurality of pogo pins positioned in accordance with the arrangement of contact leads of a specific Integrated circuit. The probes are held in place between an upper probe retainer and a lower probe retainer. An integrated circuit is to be tested is held in a guide plate which is provided with guide holes for the ends of the contact leads of the test circuit in order to maintain them in contact with the upper tips of the pogo pins, while the lower probe retainer is supported by a test board. The latter is connected to a tester and comprises a number of contact pads, connected to respective measurement instruments or in some cases system boards for measuring the electric signals obtained during testing of the integrated circuit.」
(発明の概要
[0015] 本発明は、電気/電子機器、例えば集積回路を検査するための同軸インピーダンス整合検査ソケットに使用されるプローブリテーナの製造方法に関する。ソケットは、特定の集積回路のコンタクトリードの配列に従って配置された複数のポゴピンを保持するプローブホルダから構成される。プローブは上部プローブリテーナと下部プローブリテーナの間に固定される。検査されるべき集積回路は、ポゴピンの上側先端との接触を維持するために検査回路のコンタクトリードの端部のためのガイド孔が設けられたガイドプレート内に保持され、下側プローブリテーナは検査ボードによって支持される。下部プローブリテーナは、テスターに接続され、対応する計測機器、例えば集積回路の検査中に得られる電気信号を測定するシステムボードに接続される多数のコンタクトパッドを備えている。)
ウ [0029]~[0032]、図1~図2
「[0029] Since the method of the invention relates to manufacturing of a test socket body of an impedance-matched test socket having a specific structure shown in FIGS.1 and 2, it will be advantageous first to consider the structure of the test socket body itself.
[0030] A test socket for the manufacture of which the method of the invention is intended is shown in FIG.1, which is an exploded perspective view of the test socket. It can be seen that the test socket, which in general is designated by reference numeral 20, comprises a test socket body 22, which, is described below with reference to FIG.2, and comprises a metallic probe holder 30 sandwiched between two laminated probe retainers, i.e., the upper probe retainer 26 and a lower probe retainer 28. FIG.2 is part of a sectional view through the test socket of the present invention in an assembled state.
[0031] The test socket body 22 has a recess 22a inserted into the upper probe retainer 26 and the lower probe retainer 28. The upper probe retainer 26 comprises a double-sided laminated plate made from a dielectric material 26a coated on both sides with thin metal layers 27a and 27b and provided with through holes, only three of which are shown, i.e., holes 32a, 32b, and 32n. Similarly, the lower probe retainer 28 comprises a double-sided laminated plate made from a dielectric material core 28a coated on both sides with thin metal layers 29a and 29b and provided with through holes, only three of which are shown, i.e., 34a, 34b, and 34n.
[0032] The probe holder 30 is made from a conductive material, e.g., copper, aluminum, brass, etc. The probe holder 30 also has arrays of holes, only three of which, i.e., holes 30a, 30b, and 30n, are shown. The holes 30a, 30b, and 30n are aligned with the holes 32a, 32b, . . . 32n and 34a, 34b, . . . 34n of the upper and lower probe retainers 26a and 28a, respectively, and have the same diameters, except for the holes 30b, which are intended for insertion of the grounding pogo pins that must have electrical contact with the metal probe holder 30 of the grounding system.」(当審注:[0032]における、「holes 30a, 302b, and 30n」との記載は「holes 30a, 30b, and 30n」の誤りであることが明らかであるから、当合議体にて修正した。)
([0029] 本発明の方法は、図1及び図2に示す特定の構造を有するインピーダンス整合検査ソケットの検査ソケット本体の製造に関するものであるため、まず検査ソケット本体の構造自体を検討することが有利であろう。
[0030] 本発明の検査ソケットの製造方法が図1の分解透視図に示されている。検査ソケットは番号20で示されている。検査ソケット20は、図2を参照して後述する検査ソケット本体22を備え、検査ソケット本体22は、2つの積層プローブリテーナ、すなわち上部プローブリテーナ26と下部プローブリテーナ28の間に挟まれた金属プローブホルダ30を備えている。図2は、組み立てられた状態の本発明の検査ソケットの部分縦断面図である。
[0031]検査ソケット本体22は、上部プローブリテーナ26及び下部プローブリテーナ28に挿入される凹部22aを有する。上部プローブリテーナ26は、誘電体材料26aの両面を薄い金属層27a、27bで被覆した両面積層板からなり、貫通孔、すなわち、孔32a、孔32b、孔32nの三つのみが示されている。同様に、下部プローブリテーナ28は、誘電体材料のコア28aの両面を薄い金属層29a、29bで被覆し、貫通孔を設けた両面積層板からなり、そのうちの三つの孔34a、34b、34nのみが示されている。
[0032]プローブホルダ30は、導電性材料、例えば、銅、アルミニウム、真鍮等から作られる。プローブホルダ30はまた、孔の配列を有し、そのうちの三つ、すなわち孔30a、30b及び30nのみが示されている。孔30a、30b及び30nは、それぞれ上部および下部プローブリテーナ26a及び28aの孔32a、32b、…32n及び34a、34b、…34nと位置合わせされ、接地システムの金属プローブホルダ30と電気的に接触しなければならない接地ポゴピンを挿入するための孔30bを除いて、同じ直径を有する。)
「図1
[図:0001432035000001.jpg]
」
「図2
[図:0001432035000002.jpg]
」
エ [0039]
「[0039]As seen in FIG.2, contacts between lead terminals, hereinafter referred to as bumps, 36a, 36b, . . . 36n of the test object, i.e., the integrated-circuit chip 24 (FIG.1), and a test board 40, which is connected to a measurement system (not shown), is carried out through spring probes 38a, 38b, . . . 38n. Such spring probes, which are also known and referred to as pogo pins, are standard devices available in various types and dimensions, and therefore their structure is beyond the scope of the present invention. For example, see, e.g., U.S. Pat. No. 8,062,078 granted to Asai, et. al, on Nov. 22, 2011.」
([0039] 図2に示すように、検査対象物である集積回路チップ24(図1)のリード端子(以下、バンプという)36a,36b,…36nと、測定システム(図示せず)に接続された検査基板40との接触は、スプリングプローブ38a,38b,…38nを介して行われる。そのようなスプリングプローブは、ポゴピンとしても知られており、様々なタイプおよび寸法で利用可能な標準的なデバイスであり、したがって、それらの構造は本発明の範囲を超えている。例えば、米国特許第8,062,078号, Asai, et al, 2011年11月22日参照。)
オ [0058]~[0064]、図3
「[0058] The obtained standard double-sided metal-coated sheet 60, a fraction of which is shown in FIG.3A, is cut to dimensions suitable to fit into the recess 22a of the test socket body 22 (FIG.1). The sheet has a core 60a made from a dielectric material, e.g., polyimide, and metal coatings 60b and 60c, e.g., of copper, on both sides of the core 60a.
[0059] Next, a plurality of holes such as holes 32a, 32b, . . . 32n (FIG. 2) are formed, e.g., by drilling on an NC drilling machine. Since the subsequent treatment of all the holes 32a, 32b, . . . 32n is identical, FIGS.3A through 3F illustrate sequential operations only on one of the holes, e.g., the hole 32 (FIG.3B). The holes 32a, 32b, . . . 32n have diameters and dimensions identical in both double-sided metal-coated probe retainers 26 and 28 (FIG.2). Positions of these holes correspond to positions of the contact leads 36a, 36b, . . . 36n of the object 24 being tested.
[0060] As shown in FIG.4, the used standard metal-coated sheet is not necessarily a double coated and may comprise a dielectric-material laminate coated with a metal layer on one side only (see metal layer 60b in FIG.4).
[0061] At least the inner surfaces of each through holes, such as the hole 32a shown in FIG.3B, is coated with a metal layer 62. This is shown in FIG.3C. The coating 62 may be made, e.g., of copper, and can be applied by different methods such as electroless deposition, precipitation in vacuum, electroplating, or the like. Since the metal coating method may involve placement of the probe retainer into a closed chamber, the coating metal 62 may cover not only the inner walls of the hole 32 but also the flat faces of the probe retainer, i.e., the metal-coating layers 60b and 60c of the standard sheet 60. This is shown by reference numerals 6[2]’ and 6[2]” in FIG.3C.
[0062] The next step of the method is filling of the metal-coated holes with a dielectric material for forming dielectric fillings such as filling 64 shown in FIG.3D. As can be seen from FIG.3D, the filling 64 is shielded from the outside by a metal layer 62.
[0063] Holes are then drilled through the dielectric fillings 64 in those of them which correspond to the positions of bumps 36a, 36b, . . . 36n of the object [2]4 (FIG.2). As shown in FIGS.3E and 3F, depending on the types of the pogo pins for which the aforementioned holes are designated, they may be of two types, i.e., the holes 66 and the hole 68. The holes 66 are formed by leaving a layer 67 over the entire length of the hole 66, while holes 68 are formed by leaving the dielectric material layer 69only in a part of the hole, i.e., on the side of the pogo pin tip when the letter is inserted into its working position shown in FIG.2.
[0064] On the side of the pogo pin tip each hole has a tapered shape designated by reference numeral 66a for the hole 66 and 68a for the hole 68, respectively. The final opening of each hole is formed as a cylindrical pilot opening 66a’ and 68a’, respectively for insertion of the tip of the respective pogo pin (FIG.2) and thus for guiding and stabilizing the latter. If the holes 66 and 68 are drilled, then the tapered areas 66a and 68a are formed by countersinking, and the pilot openings 66a’ and 68a’ are drilled or pierced.」(当審注:[0061]における最終文において、「60’ and 60”」との記載は「62’ and 62”」の誤りであることが明らかであるから、合議体にて修正した。また、[0063]の第1文において、「object 34」との記載は「object 24」の誤りであることが明らかであるから、合議体にて修正した。)
([0058] 得られた標準の両面金属被覆シート60(その一部が図3Aに示されている)は、検査ソケット本体22(図1)の凹部22aに嵌合するのに適した寸法に切断される。このシートは、誘電体材料、例えばポリイミドから作られたコア60aと、コア60aの両面にある例えば銅のような金属層60b、60cとを有する。
[0059] 次に、孔32a、32b、…32n(図2)などの複数の孔を、例えばNCボール盤による穴あけ加工によって形成する。全ての孔32a、32b、…32nのその後の処理は同じであるため、図3Aから図3Fは、孔のうちの1つ、例えば孔32(図3B)についてのみ順次の処理を示している。孔32a、32b、…32nは、両面金属被覆プローブリテーナ26、28(図2)の両方で直径と寸法が同一である。これらの孔の位置は、検査対象物24のコンタクトリード36a、36b、…36nの位置に対応している。
[0060] 図4に示すように、使用される標準的な金属被覆シートは、必ずしも二重被覆である必要はなく、片面のみに金属層が被覆された誘電体材料積層体から構成されていてもよい(図4の金属層60bを参照)。
[0061] 図3Bに示す孔32aのような各貫通孔の少なくとも内面は、金属層62で被覆される。これを図3Cに示す。被覆62は、例えば銅製であってよく、無電解析出法、真空中での析出法、電気メッキ法などの様々な方法によって適用することができる。金属被覆法は、プローブリテーナを密閉チャンバー内に配置することを含むことがあるので、被覆金属62は、孔32の内壁だけでなく、プローブリテーナの平坦面、すなわち、標準シート60の金属被覆層60b及び60cも覆うことができる。これは、図3Cにおいて参照番号62’及び62”で示されている。
[0062] 本方法の次のステップは、図3Dに示す充填物64のような誘電体充填物を形成するために、金属被覆された孔を誘電体材料で充填することである。図3Dから分かるように、充填物64は金属層62によって外部から遮蔽されている。
[0063] 次に、物体24(図2)のバンプ36a、36b、…36nの位置に対応する誘電体充填物64内に、誘電体充填物64を貫通する孔が開けられる。図3E及び図3Fに示すように、指定されるポゴピンの種類によって、孔66及び孔68の2種類であってもよい。孔66は、孔66の全長にわたって層67を残すことによって形成され、孔68は、孔の一部、すなわち、図2に示す使用位置に挿入されたときのポゴピン先端側にのみ誘電体材料層69を残すことによって形成される。
[0064] ポゴピン先端の側において、各孔は、孔66については参照番号66aで、孔68については参照番号68aでそれぞれ指定されるテーパ形状を有する。各孔の最終位置の開口は、それぞれのポゴピン(図2)の先端を挿入するための、したがってポゴピンの先端を案内し安定させるための、それぞれ円筒形のパイロット開口66a’及び68a’として形成される。孔66および68が穿孔される場合、テーパ領域66aおよび68aは皿穴加工によって形成され、パイロット開口部66a’、68a’は穿孔または貫通される。)
「図3
[図:0001432035000003.jpg]
」
(当審注:[0058]等の記載から、Fig.3a中の「60c」は「60a」の誤りであり、「60a」は「60c」として下面の金属層を指すべきことが明らかであるから、当合議体にて図中にその旨を付記した。)
カ [0065]~[0066]、図4
「[0065] FIG.4 is a sectional view of a part of a finished probe retainer, e.g., of the upper probe retainer 26. Only one of the finished probe retainers is shown as the manufacturing process is substantially the same for both.
[0066] The lower probe retainer 28 (FIG.2) may be manufacture simultaneously with the upper one as an identical copy thereof or the only difference may be that the lower probe retainer may not have the dielectric filling material 62’ (FIG.3C) on the flat end face of the metal-coated standard plate 60 but be limited by coating only the inner walls of the of the metal coated holes.」(当審注:[0065]において、「the upper probe retainer 26a」との記載は「the upper probe retainer 26」の誤りであることが明らかであるから、合議体にて修正した。)
([0065] 図4は、完成したプローブリテーナ、例えば上部プローブリテーナ26の一部の断面図である。製造工程は両方とも実質的に同じであるため、完成したプローブリテーナの一方のみが示されている。
[0066] 下部プローブリテーナ28(図2)は、上部プローブリテーナと同一コピーとして同時に製造してもよく、又は、唯一の相違点は、下部プローブリテーナが、金属被覆標準板60の平坦な端面上に誘電体充填材62’(図3C)を有さず、金属被覆孔の内壁のみを被覆することによって限定されてもよい。)
「図4
[図:0001432035000004.jpg]
」
キ [0069]~[0071]
「[0069] For assembling of the test socket body 22 of the invention (FIGS.1 and 2), the finished lower probe retainer 28 is placed into the recess 22a (FIG.1), the bottom of which retains a preliminary placed conductive supports 40 with the contact pads 40a, 40b, . . . 40n. The pogo pins 38a, 38b, . . . 38n are inserted into the pogo pin pilot openings, such as an opening 68a’ (FIG.3F) of the isolation inserts 34b’ of the lower probe retainer 28. The opening 68a’ for the grounding pogo pins 38b should have a press fit or sliding fit with the grounding pogo pins. The lower tips of the pogo pins come into contact with the contact pads 40a, 40b, . . . 40n.
[0070] Being inserted into the openings 68a’, the upper ends of the pogo pins 38b protrude upward. Then the upper probe retainer 26 is placed from the top onto the metal probe holder 30 so that its pilot openings, such as the opening 70a, are fit onto the upper tips of the pogo pins 38a, 38b, . . . 38n that protrude upward from the probe holder.
[0071] This operation completes assembling of the test socket body 22.」
([0069] 本発明の検査ソケット本体22(図1及び図2)を組み立てるために、完成した下部プローブリテーナ28を凹部22a(図1)に配置し、その底部は、コンタクトパッド40a、40b、…40nを有する予め配置された導電性支持部40が保持されている。ポゴピン38a、38b、…38nは、下部プローブリテーナ28の絶縁インサート34b’の開口部68a’(図3F)のようなパイロット開口に挿入される。接地用ポゴピン38bの開口部68a’は、圧入または摺動嵌合する必要がある。ポゴピンの下部先端は、コンタクトパッド40a、40b、…40nに接触する。
[0070] 開口68a’に挿入されると、ポゴピン38bの上端が上方に突出する。次に、上部プローブリテーナ26は、開口部70aのようなパイロット開口部が、プローブリテーナから上方に突出するポゴピン38a、38b、…38nの上部先端に嵌合するように、上から金属プローブホルダ30上に配置される。
[0071] この操作で検査ソケット本体22の組み立てが完了する。)
(2) 甲第1号証から読み取れる事項
ポゴピンの大径部がバレルであることが技術常識であることを踏まえると、甲第1号証の[0064]、図2及び図3d~3fから、次の事項が読み取れる(以下「甲1認定事項」という。)。
[甲1認定事項]
「誘電体充填物64内に開けられる誘電体充填物64を貫通する孔における、テーパ形状の領域及びポゴピンの先端を案内し安定させるための円筒形のパイロット開口以外の領域に、ポゴピンのバレルの一部が配置されること。」
(3) 甲1発明の認定
前記(1)において摘記した事項及び前記(2)において認定した事項から、甲第1号証には次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。また、甲第1号証における認定の根拠となった箇所等を括弧内に示す。)。
<甲1発明>
「 インピーダンス整合検査ソケットの検査ソケット本体の製造に関する方法であって、([0029])
検査ソケット20が備える、検査ソケット本体22は、上部プローブリテーナ26と下部プローブリテーナ28の間に挟まれた金属プローブホルダ30を備え、([0030])
ポゴピンとしても知られているスプリングプローブは上部プローブリテーナと下部プローブリテーナの間に固定され、([0015]、[0039])
検査ソケット本体22は、上部プローブリテーナ26及び下部プローブリテーナ28に挿入される凹部22aを有し、([0031])
上部プローブリテーナ26は、誘電体材料26aの両面を薄い金属層27a、27bで被覆した両面積層板からなり、孔32a、孔32b、孔32n等の貫通孔を含み、([0031])
下部プローブリテーナ28は、誘電体材料のコア28aの両面を薄い金属層29a、29bで被覆し、孔34a、34b、34n等の貫通孔を設けた両面積層板からなり、([0031])
プローブホルダ30は、導電性材料から作られ、孔30a、30b及び30n等の孔の配列を有し、([0031])
両面金属被覆シート60は、検査ソケット本体22の凹部22aに嵌合するのに適した寸法に切断され、このシートは、誘電体材料、例えばポリイミドから作られたコア60aと、コア60aの両面にある例えば銅のような金属層60b、60cとを有し、([0058])
次に、孔32a、32b、…32nなどの複数の孔を、例えばNCボール盤による穴あけ加工によって形成し、([0059])
孔32aのような各貫通孔の少なくとも内面は、金属層62で被覆され、被覆62は、例えば銅製であってよく、孔32の内壁だけでなく、プローブリテーナの平坦面、すなわち、標準シート60の金属被覆層60b及び60cも覆うことができ、([0061])
次のステップは、充填物64のような誘電体充填物を形成するために、金属被覆された孔を誘電体材料で充填することであり、([0062])
次に、物体24のバンプ36a、36b、…36nの位置に対応する誘電体充填物64内に、誘電体充填物64を貫通する孔が開けられ、指定されるポゴピンの種類によって、孔66及び孔68の2種類であってもよく、孔66は、孔66の全長にわたって層67を残すことによって形成され、孔68は、孔の一部、すなわち、使用位置に挿入されたときのポゴピン先端側にのみ誘電体材料層69を残すことによって形成され、([0063])
ポゴピン先端の側において、各孔は、テーパ形状を有し、各孔の最終位置の開口は、それぞれのポゴピンの先端を挿入するための、したがってポゴピンの先端を案内し安定させるための、それぞれ円筒形のパイロット開口66a’及び68a’として形成され、([0064])
完成した上部プローブリテーナ26と同一コピーとして同時に下部プローブリテーナ28を製造してもよく、([0065]~[0066])
検査ソケット本体22を組み立てるために、完成した下部プローブリテーナ28を凹部22aに配置し、ポゴピン38a、38b、…38nは、下部プローブリテーナ28の絶縁インサート34b’の開口部68a’のようなパイロット開口に挿入され、開口68a’に挿入されると、ポゴピン38bの上端が上方に突出し、次に、上部プローブリテーナ26は、開口部70aのようなパイロット開口部が、プローブ保持器から上方に突出するポゴピン38a、38b、…38nの上部先端に嵌合するように、上から金属プローブホルダ30上に配置され、([0069]~[0070])
この操作で検査ソケット本体22の組み立てが完了し、([0071])
誘電体充填物64内に開けられる誘電体充填物64を貫通する孔における、テーパ形状の領域及びポゴピンの先端を案内し安定させるための円筒形のパイロット開口以外の領域に、ポゴピンのバレルの一部が配置される、(甲1認定事項)
方法。」
3 当審の判断
(1) 対比分析
本件発明16と甲1発明を対比する。
ア 甲1発明の「ポゴピンとしても知られているスプリングプローブ」は、本件発明16の「長さ方向に伸縮可能なプローブ」に相当する。
イ 甲1発明の「下部プローブリテーナ28を凹部22aに配置し、ポゴピン38a、38b、…38nは、下部プローブリテーナ28の絶縁インサート34b’の開口部68a’のようなパイロット開口に挿入され、開口68a’に挿入されると、ポゴピン38bの上端が上方に突出し、次に、上部プローブリテーナ26は、開口部70aのようなパイロット開口部が、プローブ保持器から上方に突出するポゴピン38a、38b、…38nの上部先端に嵌合するように、上から金属プローブホルダ30上に配置され[て]」「組み立てが完了[する]」「検査ソケット本体22」における「下部プローブリテーナ28」、「金属プローブホルダ30」及び「上部プローブリテーナ26」を含む構成は、「ポゴピン」を支持する構成であることが明らかであるから、前記アを踏まえると、甲1発明は、本件発明16の「長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケット」に相当する構成を備えるといえる。
ウ 甲1発明の「孔32の内壁だけでなく」「金属被覆層60b及び60cも」「銅製」の「金属層62で被覆され」た「標準シート60」であって、「下部プローブリテーナ28」の「製造」に係るものは、本件発明16の「導電性材質の第1ベース部材」に相当し、「上部プローブリテーナ26」の「製造」に係るものは、「導電性材質の第2ベース部材」に相当する。
エ(ア) 前記2(1)オの図3のc及びfに、バレルを収容する孔に相当する領域を示す破線を付した図である下記参考図を参酌すると、甲1発明において、「両面金属被覆シート60」に「孔32a、32b、…32nなどの複数の孔を、例えばNCボール盤による穴あけ加工によって形成し」、「孔32aのような各貫通孔の少なくとも内面は、金属層62で被覆され」ること(下記参考図の図3cを参照)によって、「孔32の内壁だけでなく」「金属被覆層60b及び60cも」「銅製」の「金属層62で被覆され」た「標準シート60」(本件発明16の「導電性材質の第1ベース部材」又は「導電性材質の第2ベース部材」に相当する。)において、バレルを収容する孔(下記参考図の破線部分を参照。本件発明16の「プローブの一部を収容する第1バレル収容孔」又は「プローブの他部を収容する前記第2バレル収容孔」に相当する。)が形成されることは明らかである。
<参考図>
[図:0001432035000005.jpg]
(イ) ここで、前記(ア)で検討した事項に関し、甲1発明は、開口68となる孔32nを形成した後、「孔32n」の「内面」を「金属層62で被覆」することによってバレルを収容する孔を形成するものであるところ、本件特許の請求項16の記載からは、本件発明16の「バレル収容孔を形成し」との構成には、孔を形成し、当該孔に金属層を被覆することによりバレル収容孔を形成する態様も含むと解するのが相当である。
(ウ) 前記(ア)及び(イ)から、甲1発明は、本件発明16の「導電性材質の第1ベース部材に、前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔を形成し」及び「導電性材質の第2ベース部材に前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔を形成し」に相当する構成を備えるといえる。
オ 甲1発明の「金属被覆された孔を誘電体材料で充填」された「標準シート60」であって、「下部プローブリテーナ28」の「製造」に係るものは、前記ウ及びエも踏まえると、本件発明16の「第1ベース部材と絶縁性材質の第1絶縁部材とを接合して」「形成する」「第1接合ブロック」に相当し、「上部プローブリテーナ26」の「製造」に係るものは、「第2ベース部材と絶縁性材質の第2縁部材とを接合して」「形成する」「第2接合ブロック」に相当する。
カ 甲1発明の「誘電体充填物64内に」「開けられ[る]」「誘電体充填物64を貫通する孔」における「テーパ形状」の領域及び「ポゴピンの先端を案内し安定させるための」「円筒形のパイロット開口」であって、「下部プローブリテーナ28」の「製造」に係るものは、前記エにおける検討事項に加えて、「誘電体充填物64」が前記オの「充填[された]」「誘電体材料」であることも踏まえると、本件発明16の「第1絶縁部材に」「第1バレル収容孔を通じて形成[された]」「プローブの一端部を支持する第1支持孔」に相当し、「上部プローブリテーナ26」の「製造」に係るものは、「第2絶縁部材に」「第2バレル収容孔を通じて形成[された]」「プローブの他端部を支持する第1支持孔」に相当する。
キ 甲1発明の「下部プローブリテーナ28を凹部22aに配置し、ポゴピン38a、38b、…38nは、下部プローブリテーナ28の絶縁インサート34b’の開口部68a’のようなパイロット開口に挿入され、開口68a’に挿入されると、ポゴピン38bの上端が上方に突出し、次に、上部プローブリテーナ26は、開口部70aのようなパイロット開口部が、プローブ保持器から上方に突出するポゴピン38a、38b、…38nの上部先端に嵌合するように、上から金属プローブホルダ30上に配置され[る]」ことは、これにより「金属プローブホルダ30」が「上部プローブリテーナ26と下部プローブリテーナ28の間に挟まれた」状態になるから、前記エ~カも踏まえると、本件発明16の「前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階;及び前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階」に相当する。
なお、本件特許明細書等の【0035】の「第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間には、複数のプローブ5,6,7の位置を整列するためのギャッププレート8を含むことができる。」等の記載を踏まえると、本件発明16の「前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる」ことは、第1接合ブロックと第2接合ブロックとの間に何らかの部材が挟まれる場合も含むと解するのが相当である。
ク 前記ア~キの点を総合すると、本件発明16と甲1発明は、次の点で相違し、その余の点で一致する。
<相違点1>
第1接合ブロックを形成する段階及び第2接合ブロックを形成する段階について、
本件発明16においては、「前記第1接合ブロックの形成段階は、前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、前記第2接合ブロックの形成段階は、前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む」のに対して、
甲1発明においては、そのような段階を含むことの特定がない点。
(2) 相違点1についての判断
甲1発明において、本件発明16における「第1接合ブロック」及び「第2接合ブロック」に相当する構成である「金属被覆された孔を誘電体材料で充填」された「標準シート60」を形成するに際して、前記相違点1に係る本件発明16の構成を採用することは、甲第1号証に記載も示唆もされていない。
また、前記相違点1に係る本件発明16の構成は、本件特許異議の申立てに際して提出された甲第1号証以外の全ての証拠である甲第2号証~甲第5号証を参照したとしても、そのいずれにも記載されておらず、さらに、当該構成が周知技術であると認めるに足りる証拠もない。
したがって、本件発明16は、甲第2号証~甲第5号証の記載を勘案したとしても、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 取消理由通知で採用しなかった異議申立理由の概要
申立人は、取消理由通知で採用しなかった異議申立理由(以下「申立理由」という。)として、以下の旨を申し立てている。
なお、請求項1、4、6、7、14、15、17に係る特許についての申立理由については、本件訂正により、請求項1、4、6、7、14、15、17が削除されたことを踏まえて割愛する。
(1) 本件発明2、3は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に対して、甲第3号証に記載された技術を適用することによって当業者が容易に想到できたものであり、請求項2、3に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2) 本件発明5は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に対して、甲第4号証に記載された技術を適用することによって当業者が容易に想到できたものであり、請求項5に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
(3) 本件発明16は、甲第2号証に記載されているか、甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到できたものであり、請求項16に係る特許は、特許法29条1項3号に該当し、29条2項の規定に違反してされたものであるから、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
2 甲号証の記載事項及び甲2発明等の認定
(1) 甲第1号証に記載された事項及び甲1発明の認定
甲第1号証に記載された事項等及び甲1発明は、前記第5の2(1)及び(3)において示したとおりである。
(2) 甲第2号証に記載された事項及び甲2発明の認定
ア 甲第2号証に記載された事項
甲第2号証(中国特許出願公開第110726918号明細書)には、次の事項が記載されている。
(ア) [0001]
「
[図:0001432035000006.jpg]
」
(技術分野
[0001]本発明は、チップ検査ソケットの分野に関し、具体的にはインピーダンス整合構造を有する半導体チップ検査用同軸ソケット及びその製造方法に関する。)
(イ) [0018]~[0019]
「
[図:0001432035000007.jpg]
」
([0018] 上記本発明の技術的解決手段を採用する有益な効果は以下のとおりである:
[0019] 本発明は導電性金属を利用して検査ソケット本体、検査ソケットカバープレートとし、且つプローブとの間に50Ωシングルエンド又は100Ω差動のインピーダンス整合を行い、優れた信号伝送及び熱量の伝導を達成し、導電性金属検査ソケットは接地された遮蔽構造であり、チャネルとチャネルとの間のクロストークを効果的に遮蔽し、同時にテストにより発生した熱量を迅速に伝導することができる;該テストソケットは-1dB/40GHzの挿入損失及び-10dB/40GHzの反射損失に達することができ、チャネルとチャネルとの間の分離度は-40dB/20GHzより高い。)
(ウ) [0026]~[0028]、図1~図3
「
[図:0001432035000008.jpg]
」
([0026] 図1~3に示すように、本実施形態の半導体チップ検査用同軸ソケットは、インピーダンス整合構造を有し、検査ソケット位置決め用基板1と、検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3及び検査プローブ4を含む。検査ソケット位置決め用基板1内には、チップを位置決めして配置するためのスロットが設けられている。検査ソケット位置決め用基板1、検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3が上から下へ順に配置されている。検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3内には、第1ポリマー溝と第2ポリマー溝がそれぞれ設けられている。第1ポリマー溝及び第2ポリマー溝内には、それぞれ、第1ポリマー5と第2ポリマー6が固定的に取り付けられている。第1ポリマー5及び第2ポリマー6内には、第1プローブ溝及び第2プローブ溝がそれぞれ設けられている。検査プローブ4は、第1プローブ溝及び第2プローブ溝に挿入される。検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3の材質は金属である。検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3は、固定ネジによって検査ソケット位置決め用基板1に固定される。
[0027] 第1ポリマー溝の内壁の中央部に中心に向かって突出した第1抜け止め段部 7が設けられている。第2ポリマー溝の外端部の内壁には、内側に突出する第2抜け止め段部8が設けられている。第1抜け止め段部7及び第2抜け止め段部8は、それぞれ、第1ポリマー5及び第2ポリマー6を固定し、脱落を防止する。
[0028] 第1プローブ溝の内壁の外端には、中心に向かって突出した第3抜け止め段部9が設けられている。第2プローブ溝の内壁の外端には、中心に向かって突出した第4抜け止め段部10が設けられている。第3抜け止め段部9及び第4抜け止め段部10は、検査プローブ4の固定に使用され、プローブの脱落を防止する。)
「図1
[図:0001432035000009.jpg]
」
「図2
[図:0001432035000010.jpg]
」
「図3
[図:0001432035000011.jpg]
」
(エ) [0029]~[0036]
「
[図:0001432035000012.jpg]
[図:0001432035000013.jpg]
」
([0029] 上述したインピーダンス整合構造の半導体チップ検査用同軸ソケットの製造方法は、以下のステップを含む:
[0030] (1)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に対して信号用孔及び電源用孔を加工する;
[0031] (2)真空環境下で、ポリマーをローラープレスによって検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3の信号用孔に充填する;
[0032] (3)ポリマーが充填された検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3をオーブンに入れ、120℃で30分、155℃で30分、190℃で60分焼成し、ポリマーを検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3上で硬化させる;
[0033] (4)ポリマー硬化後の検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に対して表面処理を行う;
[0034] (5)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に信号用孔、電源用孔及び接地用孔を加工する;
[0035] (6)プローブを検査ソケット本体2に挿入し、検査ソケットカバー3でカバーする;
[0036] (7)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3を検査ソケット位置決め用基板1にネジで取り付ける。)
イ 甲第2号証から読み取れる事項
(ア) 甲第2号証の段落[0026]、[0028]及び図3から、次の事項が読み取れる(以下「甲2認定事項1」という。)。
[甲2認定事項1]
「第1ポリマー5が固定的に取り付けられた検査ソケット本体2において、第3抜け止め段部9に隣接して検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域が設けられており、第2ポリマー6が固定的に取り付けられた検査ソケットカバー3において、第4抜け止め段部10に隣接して検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域が設けられていること。」
(イ) 甲第2号証の段落[0026]及び図3から、次の事項が読み取れる(以下「甲2認定事項2」という。)。
[甲2認定事項2]
「検査ソケット本体2の厚みは検査ソケットカバー3の厚みよりも厚いこと。」
ウ 甲2発明の認定
前記アにおいて摘記した事項及び前記イにおいて認定した事項から、甲第2号証には次の発明が記載されていると認められる(以下「甲2発明」という。また、甲第2号証における認定の根拠となった箇所等を括弧内に示す。)。
<甲2発明>
「 半導体チップ検査用同軸ソケットの製造方法であって、([0026]、[0029])
半導体チップ検査用同軸ソケットは、検査ソケット位置決め用基板1と、検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3及び検査プローブ4を含み、([0026])
検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3内には、第1ポリマー溝と第2ポリマー溝がそれぞれ設けられており、第1ポリマー溝及び第2ポリマー溝内には、それぞれ、第1ポリマー5と第2ポリマー6が固定的に取り付けられており、第1ポリマー5及び第2ポリマー6内には、第1プローブ溝及び第2プローブ溝がそれぞれ設けられており、([0026])
検査プローブ4は、第1プローブ溝及び第2プローブ溝に挿入され、([0026])
検査ソケット本体2の厚みは検査ソケットカバー3の厚みよりも厚く、(甲2認定事項2)
検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3の材質は金属であり、([0026])
検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3は、固定ネジによって検査ソケット位置決め用基板1に固定され、([0026])
第1ポリマー溝の内壁の中央部に中心に向かって突出した第1抜け止め段部 7が設けられており、第2ポリマー溝の外端部の内壁には、内側に突出する第2抜け止め段部8が設けられており、第1抜け止め段部7及び第2抜け止め段部8は、それぞれ、第1ポリマー5及び第2ポリマー6を固定し、脱落を防止し、([0027])
第1プローブ溝の内壁の外端には、中心に向かって突出した第3抜け止め段部9が設けられており、第2プローブ溝の内壁の外端には、中心に向かって突出した第4抜け止め段部10が設けられており、第3抜け止め段部9及び第4抜け止め段部10は、検査プローブ4の固定に使用され、プローブの脱落を防止し、([0028])
第1ポリマー5が固定的に取り付けられた検査ソケット本体2において、第3抜け止め段部9に隣接して検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域が設けられており、第2ポリマー6が固定的に取り付けられた検査ソケットカバー3において、第4抜け止め段部10に隣接して検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域が設けられているものであって、(甲2認定事項1)
(1)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に対して信号用孔及び電源用孔を加工するステップ、([0030])
(2)真空環境下で、ポリマーをローラープレスによって検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3の信号用孔に充填するステップ、([0031])
(3)ポリマーが充填された検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3をオーブンに入れ、120℃で30分、155℃で30分、190℃で60分焼成し、ポリマーを検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3上で硬化させるステップ、([0032])
(4)ポリマー硬化後の検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に対して表面処理を行うステップ、([0033])
(5)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3に信号用孔、電源用孔及び接地用孔を加工するステップ、([0034])
(6)プローブを検査ソケット本体2に挿入し、検査ソケットカバー3でカバーするステップ、([0035])
(7)検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3を検査ソケット位置決め用基板1にネジで取り付けるステップ、([0036])
を含む製造方法。」
(3) 甲第3号証に記載された事項
甲第3号証(特許第4431780号公報)には、以下の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性接触子のホルダの製造方法に係り、より詳しくは、半導体ウエハ、半導体チップ、液晶ディスプレイ基板、プリント配線基板等の被検査体に対して電気的検査を行うプローブユニット等における導電性接触子のホルダの製造方法に関する。」
「【0026】
(実施の形態1)
図1~図4は、本発明の実施の形態1におけるホルダ21の製造工程を示す。この実施の形態におけるホルダ21は、図4に示す2つのプレート22及び23が接着剤29によって接着されることにより製造されるものである。それぞれのプレート22、23は、平板状の絶縁材料により形成されている。絶縁材料としては、樹脂、セラミックス、ガラス材料、シリコン材料、非導電性金属或いは金属に絶縁性コーティングを施した材料等を適宜選択して用いることができる。この実施の形態では、絶縁材料として樹脂を用いるものである。」
「【0032】
接着剤29としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル等の熱可塑性接着剤を使用することができる。また、感圧性接着剤及び熱圧着性接着剤を用いることもできる。さらに、プレート22、23が金属の場合には、半田等のロウ材を用いることができる。ロウ材が導電性を有している場合には、その表面に酸化被膜を形成して絶縁性を付与した後、プレート22、23を接着する。」
「
[図:0001432035000014.jpg]
」
(4) 甲第4号証に記載された事項
甲第4号証(特表2018-529932号公報)には、以下の事項が記載されている。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、テストソケット、その製造方法、およびソケット製造用アセンブリーに関するものであって、さらに詳細には、半導体パッケージの製造工程を通じて製造される半導体機器が出荷する前に電気的特性を検査するテストソケット、およびその製造方法に関するものである。」
「【0033】
図3a、図3b、および図3cを参照すると、治具アセンブリー(Zig Assy)を組み立てる。
【0034】
まず、PCB110の上面にはその縁にPCB110を露出させるスペース130が装着される。その後、スペース130上にはPCB110を露出させるベース140を装着する。最後にベース140上にはPCB110をカバーする治具150を設置する。スペース130、ベース140、および治具150の各角には治具アセンブリーを上下に整列させるアライメントホール(図示されず)が備えられ得る。治具150には一定の規則を有して多数のコーンホール152が形成される。
【0035】
このように治具アセンブリー(Zig Assy)は、後述する液状シリコーンゴム160の注入のための金型(mold)として用いられる。広い意味で治具アセンブリーは、底に配置されるPCB110を含み、その上面に装着されるスペース130、スペース130の上面に装着されるベース140、およびベース140上に装着される治具150を含んで構成される。この時、スペース130とベース140は、ウインドウがある四角のフレームであって、ウインドウを通じてボンディングパッド102が露出する。その反面、治具150はボンディングパッド102をカバーする。
【0036】
治具150には、その中心に後述するシリコーンを注入するシリコーン注入口154が含まれる。治具アセンブリー(Zig Assy)は、テストソケットの製造工程が完了した後、ベース140を除いてスペース130と治具150はいずれも除去される。
【0037】
図4aおよび図4bを参照すると、治具アセンブリー(Zig Assy)に液状シリコーンゴムを注入する。
【0038】
本発明の治具アセンブリーは、PCB110が底に位置し、シリコーン注入口154が備えられる治具150が最上部に位置することによって、治具150を通じて液状シリコーンゴム160を注入する。シリコーン注入口154を治具150に設置するのは、治具150には多数のコーンホール152が形成されているためである。
【0039】
液状シリコーンゴム160の注入時に導電ワイヤー120が変形しないように注意する。シリコーンの硬度と導電ワイヤー120の材質や厚さに応じてシリコーンの注入圧力を調節しなければならない。特に治具150の上面には多数のコーンホール152が形成されるので、液状シリコーンゴム160の注入圧力を調節できないとシリコーンがオーバーフローする可能性がある。
【0040】
図5aおよび図5bを参照すると、上部の治具を脱去する。
【0041】
治具150を除去する時、液状シリコーンゴム160が絶縁シリコーンゴム162に十分に硬化しないことがある。この時、追加して硬化工程をさらに経てもよい。」
「
[図:0001432035000015.jpg]
」
「
[図:0001432035000016.jpg]
」
3 当審の判断
(1) 甲1発明を主引用発明とした場合
ア 本件発明2、3について
(ア) 対比分析
前記第5の3(1)における対比分析を踏まえると、本件発明2、3と甲1発明は、少なくとも前記第5の3(1)クに示した相違点1と同様の相違点(以下「相違点1’」という。)で相違する。
(イ) 相違点1’についての判断
甲1発明における「金属被覆された孔を誘電体材料で充填」された「標準シート60」(「誘電体材料」は、本件発明2、3における「第1絶縁部材」又は「第2絶縁部材」に相当し、「標準シート60」は、本件発明2、3における「第1ベース部材」又は「第2ベース部材」に相当する。)について、「標準シート60」と「誘電体材料」の接合の形態は、「標準シート60」に形成した「孔」内に対する「誘電体材料」の充填により実現されるものであり、2つのプレートを接合させることを前提とした甲第3号証に記載された技術事項とは、その形態が大きく異なるから、甲1発明において甲第3号証に記載された技術事項を採用することは動機付けられない。また、そもそも甲第3号証には、本件発明2、3の接合ブロックについての前記相違点1’に係る構成が記載されているとは認められないから、仮に甲1発明において甲第3号証に記載された技術事項を採用することができたとしても、前記相違点1’に係る本件発明2、3の構成は得られない。
したがって、本件発明2、3は、当業者が甲1発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本件発明5について
(ア) 対比分析
前記第5の3(1)における対比分析を踏まえると、本件発明5と甲1発明は、少なくとも下記相違点2で相違する。
<相違点2>
第1接合ブロックを形成する段階について、
本件発明5においては、「前記第1接合ブロックの形成段階は、前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;前記樹脂を硬化させる段階;及び前記第1カバーを分離する段階を含む」のに対して、
甲1発明においては、そのような段階を含むことの特定がない点。
(イ) 相違点2についての判断
甲1発明は、「標準シート60」に形成された貫通穴である「孔」に対して「誘電体材料」を「充填」することを前提とした発明であり、金型としての有底の空間にシリコーンゴムを注入する甲第4号証に記載された技術事項とは、その形態が大きく異なるから、甲1発明において甲第4号証に記載された技術事項を採用することは動機付けられない。また、そもそも甲第4号証には、本件発明5の接合ブロックについての前記相違点2に係る構成が記載されているとは認められないから、仮に甲1発明において甲第4号証に記載された技術事項を採用することができたとしても、前記相違点2に係る本件発明5の構成は得られない。
したがって、本件発明5は、当業者が甲1発明及び甲第4号証に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2) 甲2発明を主引用発明とした場合
ア 本件発明2について
(ア) 対比分析
a 「半導体チップ検査」に用いられるプローブは通常伸縮可能なものであるから、甲2発明の「検査プローブ4」が、本件発明2の「長さ方向に伸縮可能なプローブ」に相当することは明らかである。
b 甲2発明の「検査ソケット位置決め用基板1と、検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3及び検査プローブ4を含[む]」「半導体チップ検査用同軸ソケット」は、「検査プローブ4」を支持する構成であることが明らかであるから、本件発明2の「長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケット」に相当する。
c 甲2発明の「金属であ[る]」「検査ソケット本体2」は、本件発明2、3の「導電性材質の第1ベース部材」に相当し、甲2発明の「金属であ[る]」「検査ソケットカバー3」は、本件発明2の「導電性材質の第2ベース部材」に相当する。
d 甲2発明において、「第1ポリマー5及び第2ポリマー6」は、検査プローブ4同士の短絡を避けるために絶縁性材質であることは明らかであるから、甲2発明の「第1ポリマー5」、「第2ポリマー6」は、それぞれ本件発明2における「絶縁性材質の第1絶縁部材」、「絶縁性材質の第2絶縁部材」に相当する。
そして、甲2発明の「第1ポリマー5が固定的に取り付けられた検査ソケット本体2」は、前記cも踏まえると、本件発明2の「第1接合ブロック」に相当し、甲2発明の「第2ポリマー6が固定的に取り付けられてた検査ソケットカバー3」は、本件発明2の「第2接合ブロック」に相当する。
e 甲2発明の「検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3内に」「固定的に取り付けられて[いる]」「第1ポリマー5及び第2ポリマー6内に」「設けられて[いる]」「第3抜け止め段部9及び第4抜け止め段部10」は、「検査プローブ4の固定に使用され、プローブの脱落を防止」するものであるから、前記dも踏まえると、甲2発明が本件発明2の「第1接合ブロックに」「形成[された]」「前記プローブの一端部を支持する第1支持孔」及び「第2接合ブロックに」「形成[された]」「前記プローブの他端部を支持する第2支持孔」に相当する構成を備えることは明らかである。
f 甲2発明の「第1ポリマー5が固定的に取り付けられた検査ソケット本体2において」「設けられて[いる]」「検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域」は、「検査プローブ4の大径部」がバレルであることは明らかであるから、前記dも踏まえると、本件発明2の「第1接合ブロックに」「形成[された]」「前記プローブの一部を収容する第1バレル収容孔」に相当し、「第2ポリマー6が固定的に取り付けられた検査ソケットカバー3において」「設けられて[いる]」「検査プローブ4の大径部の一部が配置される領域」は、「第2接合ブロックに」「形成[された]」「前記プローブの他部を収容する第2バレル収容孔」に相当する。
g 甲2発明の「プローブを検査ソケット本体2に挿入し、検査ソケットカバー3でカバーするステップ」は、前記e及びfも踏まえると、本件発明2の「前記プローブの一端を前記第1バレル収容孔に挿入して前記第1支持孔に支持し、前記プローブの他端を前記第2バレル収容孔に挿入して前記第2支持孔に支持する段階」に相当する。
h 甲2発明の「プローブを検査ソケット本体2に挿入し、検査ソケットカバー3でカバーするステップ」及び「検査ソケット本体2、検査ソケットカバー3を検査ソケット位置決め用基板1にネジで取り付けるステップ」は、本件発明2の「前記第1接合ブロックと前記第2接合ブロックとを結合させる段階」に相当する。
i 前記a~hの対比分析を総合すると、本件発明2と甲2発明は、次の点で相違し、その余の点で一致する。
<相違点3>
第1接合ブロックを形成する段階及び第2接合ブロックを形成する段階について、
本件発明2においては、「前記第1接合ブロックの形成段階は、前記第1ベース部材と第1絶縁部材との間に第1接着シートを配列する段階;及び前記第1接着シートを加熱及び加圧する段階を含み、前記第2接合ブロックの形成段階は、前記第2ベース部材と第2絶縁部材との間に第2接着シートを配列する段階;及び前記第2接着シートを加熱及び加圧する段階を含む」のに対して、
甲2発明においては、そのような段階を含むことの特定がない点。
(イ) 相違点3についての判断
甲2発明においては、「検査ソケット本体2及び検査ソケットカバー3内には、第1ポリマー溝と第2ポリマー溝がそれぞれ設けられており、第1ポリマー溝及び第2ポリマー溝内には、それぞれ、第1ポリマー5と第2ポリマー6が固定的に取り付けられ」ている(「検査ソケット本体2」、「検査ソケットカバー3」は、それぞれ本件発明2における「第1ベース部材」、「第2ベース部材」に相当し、「第1ポリマー5」、「第2ポリマー6」は、それぞれ本件発明2における「第1絶縁部材」、「第2絶縁部材」に相当する。)。そして、「検査ソケット本体2」、「検査ソケットカバー3」と「第1ポリマー5」、「第2ポリマー6」の接合の形態は、「検査ソケット本体2」、「検査ソケットカバー3」に形成した「溝内」への「第1ポリマー5」、「第2ポリマー6」の「取り付け」により実現されるものであり、2つのプレートを接合させることを前提とした甲第3号証に記載された技術事項とは、その形態が大きく異なるから、甲2発明において、甲第3号証に記載された技術事項を採用することは動機付けられない。また、そもそも甲第3号証に、本件発明2の接合ブロックについての前記相違点3に係る構成が記載されているとは認められないから、仮に甲2発明において甲第3号証に記載された技術事項を採用することができたとしても、前記相違点3に係る本件発明2の構成は得られない。
したがって、本件発明2は、当業者が甲2発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本件発明3について
本件発明3は、少なくとも前記相違点3に係る本件発明2と同一の構成を備えるから、前記ア(イ)において検討したのと同様の理由により、甲2発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件発明5について
(ア) 対比分析
前記ア(ア) における対比分析を踏まえると、本件発明5と甲2発明は、少なくとも下記相違点4で相違する。
<相違点4>
第1接合ブロックを形成する段階について、
本件発明5においては、「前記第1接合ブロックの形成段階は、前記第1ベース部材の一面に第1陥没部を形成する段階;前記第1陥没部に樹脂を詰める段階;前記樹脂の詰められた第1陥没部を第1カバーで覆う段階;前記樹脂を硬化させる段階;及び前記第1カバーを分離する段階を含む」のに対して、
甲2発明においては、そのような段階を含むことの特定がない点。
(イ) 相違点4についての判断
甲2発明は、「検査ソケット本体2」、「検査ソケットカバー3」に形成された貫通穴である「溝内」に「第1ポリマー5」、「第2ポリマー6」を「取り付け」ることを前提とした発明であり、金型としての有底の空間にシリコーンゴムを注入する甲第4号証に記載された技術事項とは、その形態が大きく異なるから、甲2発明において甲第4号証に記載された技術事項を採用することは動機付けられない。また、そもそも甲第4号証に、本件発明5の接合ブロックについての前記相違点4に係る構成が記載されているとは認められないから、仮に甲2発明において甲第4号証に記載された技術事項を採用することができたとしても、前記相違点4に係る本件発明5の構成は得られない。
したがって、本件発明5は、当業者が甲2発明及び甲第4号証に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
エ 本件発明16について
本件発明16と甲2発明は、少なくとも前記ア(ア)において示した前記相違点3と同様の相違点で相違し、当該相違点についての判断は、前記ア(イ)において説示したとおりである。
したがって、本件発明16は、甲2発明ではなく、当業者が甲2発明に基づいて容易に発明をすることができたものともいえない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知で通知した取消理由及び特許異議申立書で申し立てられた特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項2、3、5、16に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件特許の請求項2、3、5、16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件特許の請求項1、4、6、7、14、15、17は、前記第3のとおり、本件訂正により削除されたことにより、申立ての対象が存在しないものとなったため、請求項1、4、6、7、14、15、17に係る特許異議の申立てについては、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-700751