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特許異議申立

2024-700206

低アレルゲン性の乳児用調製乳及びそれを調製する方法

審判番号
2024-700206
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-536624
登録番号
7339261
請求日
2024年03月05日
審決日
2024年11月18日
公報発行日
2025年03月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ
  • 【権利者代理人】弁理士法人浅村特許事務所
  • 【異議申立人】アルラ フーズ アンバ
  • 【異議申立人代理人】青木 篤
  • 【異議申立人代理人】三橋 真二
  • 【異議申立人代理人】鶴田 準一
  • 【異議申立人代理人】南山 知広
  • 【異議申立人代理人】渡辺 陽一
  • 【異議申立人代理人】中村 和広
  • 【異議申立人代理人】中島 勝
審判長/審判官
  • 審判長 淺野 美奈
  • 審判官 加藤 友也
  • 審判官 植前 充司
分類
P1651.113-XA (A23C) / P1651.121-XA (A23C) / P1651.536-XA (A23C) / P1651.537-XA (A23C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7339261号発明「低アレルゲン性の乳児用調製乳及びそれを調製する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7339261号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕及び〔15-18〕について訂正することを認める。 特許第7339261号の請求項1ないし18に係る特許に対する特許異議申立を却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7339261号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2019年(平成31年)1月15日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2018年1月16日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、令和5年8月28日にその特許権の設定登録(請求項の数18)がされ、同年9月5日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対し、令和6年3月5日に特許異議申立人 アルラ フーズ アンバ(以下、「特許異議申立人」という。)より特許異議の申立て(対象となる請求項:全請求項)がされ、同年8月19日付けで取消理由が通知され、同年11月5日に特許権者 フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ(以下、「特許権者」という。)より訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされるとともに意見書の提出がされたものである。 なお、本件訂正請求は、後の第2に示すとおり、全ての請求項を削除するものであり、特許異議申立人に意見を聴くまでもないことが明らかであるから、特許異議申立人に意見書を提出する機会は与えないものとする。 第2 訂正の適否についての判断 1 請求の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、「特許第7339261号の特許請求の範囲を本請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める。」というものである。 2 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (10) 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 (11) 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11を削除する。 (12) 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12を削除する。 (13) 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項13を削除する。 (14) 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項14を削除する。 (15) 訂正事項15 特許請求の範囲の請求項15を削除する。 (16) 訂正事項16 特許請求の範囲の請求項16を削除する。 (17) 訂正事項17 特許請求の範囲の請求項17を削除する。 (18) 訂正事項18 特許請求の範囲の請求項18を削除する。 (19) 一群の請求項について 訂正前の請求項1ないし14について、請求項2ないし14は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであるから、訂正前の請求項1ないし14に対応する訂正後の請求項1ないし14は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 また、訂正前の請求項15ないし18について、請求項16ないし18は、請求項15を直接又は間接的に引用して特定するものであるから、訂正前の請求項15ないし18に対応する訂正後の請求項15ないし18は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1ないし14について 訂正事項1ないし14に係る請求項1ないし14の訂正は、請求項1ないし14を削除するというものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1ないし14に係る請求項1ないし14の訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 (2) 訂正事項15ないし18について 訂正事項15ないし18に係る請求項15ないし18の訂正は、請求項15ないし18を削除するというものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項15ないし18に係る請求項15ないし18の訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 4 訂正についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕及び〔15-18〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕及び〔15-18〕について訂正することを認めるので、本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、令和6年11月5日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 (削除) 【請求項11】 (削除) 【請求項12】 (削除) 【請求項13】 (削除) 【請求項14】 (削除) 【請求項15】 (削除) 【請求項16】 (削除) 【請求項17】 (削除) 【請求項18】 (削除)」 第4 特許異議申立理由の要旨 特許異議申立人が申し立てた請求項1ないし18に係る特許に対する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。 1 申立理由1-1(甲第1号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 2 申立理由1-2(甲第2号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 3 申立理由1-3(甲第3号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 4 申立理由1-4(甲第4号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第4号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 5 申立理由2-1(甲第1号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 6 申立理由2-2(甲第2号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 7 申立理由2-3(甲第3号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第3号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 8 申立理由2-4(甲第4号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第4号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 9 申立理由2-5(甲第5号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第5号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 10 申立理由3(実施可能要件) 本件特許の請求項1ないし18に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 申立理由3の具体的理由は概ね次のとおりである。 (1) 申立理由3-1 本件特許の請求項1及び15は、加水分解度(DH)が5~20%の乳タンパク質の部分的加水分解物を準備することを要件とする。 しかし、本件特許明細書には、種々の加水分解度(DH)を有する乳タンパク質の加水分解物から、「加水分解度(DH)5~20%」の「部分的加水分解物」を特定又は識別するための信頼できる方法を開示していない。 具体的に、本件特許明細書の実施例1には、加水分解度約9.2の牛乳清タンパク質濃縮物(WPC)S8x、S6-50、及びS375から得られた噴霧乾燥部分加水分解物、並びに、加水分解度約15%のWPC S100から得られた噴霧乾燥広範囲加水分解物が記載されている。しかし、本実施例1では、乳タンパク質の部分的加水分解物の加水分解度をどのように測定するかについては全く触れられていない。 本件特許明細書の実施例4には、部分加水分解物を調製して低アレルギー性(HA)乳児用調製粉牛乳を製造する一般的なプロセスが記載されている。しかし、本実施例4でも、乳タンパク質の部分的加水分解物の加水分解度をどのように測定するかについては全く触れられていない。 そこで、本件特許明細書の実施例以外の記載を参照すると、部分的加水分解物の加水分解度を決定する方法として記載されているのは、段落【0019】における「ホルマール滴定(formal titration)又はAN/TN」のみである。「ホルマール滴定(formal titration)」も「AN/TN」も通常使用される用語ではなく、どのような手法を指しているのか不明であるものの、前者はホルモル滴定(formol titration)の誤記であると考えられる。 しかし、ホルモル滴定は正確な測定法ではなく、結果がばらつくことがあるのは、当業者には技術常識である。このことは、例えば本件特許出願日前(平成5(1993)年3月18日)に公開された加水分解度の測定法の総説である甲第7号証(Rutherford et al., AOAC International, 2010, 93, pp.1515)の第1519頁表1に明記されている通りである。斯かる甲第7号証の記載を考慮すれば、ホルモル滴定による加水分解度の決定は、加水分解度5~20%の部分的加水分解物を特定又は識別するには適切でないことが分かる。よって、仮に本件特許明細書の実施例においてホルモル滴定により加水分解度を決定したと仮定した場合、その結果は信頼できないことが明らかである。 このことは、本件特許の特許請求の範囲と実施例との不整合からも裏付けられる。即ち、本件特許の請求項1及び15では加水分解度(DH)5~20%の乳タンパク質の加水分解物を「部分的加水分解物」と定義しており、ここから、「広範囲加水分解物」の加水分解度は少なくとも20%超であることが含意されるのに対し、実施例1では加水分解度約15%のWPCから得られた加水分解物を「広範囲加水分解物」と定義しており、両者は明らかに矛盾している。 従って、本件特許明細書の記載に接した当業者は、「加水分解度(DH)5~20%」の乳タンパク質の「部分的加水分解物」の外延を明確に把握することが出来ず、発明を実施できないこと、課題が解決できることが理解できないこと、更には発明を明確に理解できないことは明らかである。 本件特許の請求項2~14及び16~18は、本件特許の請求項1又は15に従属することから、同様の瑕疵を有することは明らかである。 (2) 申立理由3-2 本件特許の請求項1及び15の方法は、加水分解度(DH)が5~20%の乳タンパク質の部分的加水分解物を準備することを要件とする。 しかし、本件特許明細書には、種々の加水分解度(DH)を有する乳タンパク質の加水分解物から、「加水分解度(DH)5~20%」の「部分的加水分解物」を特定又は識別するための信頼できる方法を開示していない。 具体的に、本件特許明細書に記載の実施例のうち、乳タンパク質の加水分解物を調製する手順を記載しているのは実施例4のみである。しかし、実施例4の記載は極めて曖昧であり、少なくとも下記8つのパラメータが具体的に特定されておらず、複数の選択肢又は数値範囲により規定されている。 ア 牛乳タンパク質源(牛乳清タンパク質濃縮物(WPC)又はカゼイン) イ 最終タンパク質濃度(10~15%w/w) ウ 水に溶解する温度(50~60℃) エ タンパク質溶液のpH(pH6~8) オ 塩基(KOH又はNaOH) カ 酵素/基質比(1:50~1:500) キ 反応温度(50~60℃) ク 反応時間(4~24時間) また、実施例4は、得られる加水分解度をどのように測定するかについても、一切触れていない。 本実施例の記載に接した当業者は、5~20%という加水分解度(DH)の部分的加水分解物を達成する方法を見つけるために、上記の8つのパラメータを種々探索し、更には加水分解度の測定方法についても種々検討の上で、試行錯誤をしなければならない。斯かる作業は極めて困難であり、当業者に過度の負担を強いるものである。 したがって、本件特許明細書の記載に接した当業者は、加水分解度(DH)5~20%の乳タンパク質の部分的加水分解物を取得するために過度の試行錯誤や複雑高度な実験を強いられることとなり、発明を実施できないこと、課題が解決できることが理解できないことは明らかである。 本件特許の請求項2~14及び16~18は、本件特許の請求項1又は15に従属することから、同様の瑕疵を有することは明らかである。 11 申立理由4(サポート要件) 本件特許の請求項1ないし18に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 なお、申立理由4の具体的理由は、上記11(1)及び(2)と同旨である。 12 申立理由5(明確性要件) 本件特許の請求項1ないし18に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 なお、申立理由5の具体的理由は、上記11(1)と同旨である。 13 証拠方法 ・甲第1号証:国際公開第93/04593号 ・甲第2号証:特表昭63-502003号公報 ・甲第3号証:特表2001-516204号公報 ・甲第4号証:特開平7-23717号公報 ・甲第5号証:国際公開第2012/009426号 ・甲第6号証:Monaci et al.,“Milk allergens, their characteristics and their detection in food: A review”, European Food Research and Technology, 2006, Vol.223, No.2, p.149,p.179 ・甲第7号証:Shane M.Rutherfurd,“Methodology for Determining Degree of Hydrolysis of Proteins in Hydrolysates: A Review”, Journal of AOAC international, 2010, Vol.93, No.5, pp.1515-1522 なお、証拠の表記については、おおむね特許異議申立書における記載にしたがった。 第5 令和6年8月19日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨 請求項1ないし18に係る特許に対して、当審が令和6年8月19日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 1 取消理由1-1(甲第1号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし9及び11ないし17に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 2 取消理由1-2(甲第2号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 3 取消理由1-3(甲第3号証を主たる証拠とする新規性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第3号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 4 取消理由2-1(甲第1号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし9及び11ないし17に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 5 取消理由2-2(甲第2号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 6 取消理由2-3(甲第3号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし18に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第3号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 第6 当審の判断 上記第2のとおり、本件訂正請求により、本件特許の請求項1ないし18に係る発明は削除されたため、取消理由及び異議申立理由の対象は存在しない。 第7 結語 上記第6のとおり、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項1ないし18に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700206

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