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商標取消審判

2024-300074

デジカ

審判番号
2024-300074
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2010-060813
登録番号
5387623
請求日
2024年02月05日
審決日
2025年02月17日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 明倫国際経済研究所
  • 【請求人代理人】田中 雅敏
  • 【請求人代理人】原 慎一郎
  • 【請求人代理人】山腰 健一
  • 【被請求人】株式会社 バンダイ
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 山田 啓之
分類
T132 .1 -Z (X0916)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の商標登録第5387623号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5387623号商標の指定商品中、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像,ダウンロード可能なキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像,新聞・雑誌・書籍・地図・図面・写真の画像及び文字を記憶させた記憶媒体,ダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」及び第16類「写真,写真立て」についての登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5387623号商標(以下「本件商標」という。)は、「デジカ」の文字を標準文字で書してなり、平成22年8月2日に登録出願、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像,ダウンロード可能なキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像,新聞・雑誌・書籍・地図・図面・写真の画像及び文字を記憶させた記憶媒体,ダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」及び第16類「写真,写真立て」を含む、第9類、第16類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同23年1月28日に設定登録され、令和2年12月23日に存続期間の更新登録がされたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年2月28日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2021年(令和3年)2月28日~2024年(令和6年)2月27日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その請求の理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べた。また、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像,ダウンロード可能なキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像,新聞・雑誌・書籍・地図・図面・写真の画像及び文字を記憶させた記憶媒体,ダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」及び第16類「写真,写真立て」(以下「取消請求商品」という。)について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁の理由 (1)はじめに 乙第1号証の投稿日は2023年3月28日であり、乙第2号証の投稿日が2024年1月25日であるから、2020年2月から本件商標の使用を開始したことについては確認できない。もっとも、いずれの日付も要証期間であることから、被請求人の答弁は少なくとも各投稿日において表示行為があったことを主張する趣旨であると解した上で、請求人は以下のとおり弁駁する。 (2)本件における表示行為は「ダウンロード可能な映像」についての使用には当たらないこと ア 商標法第50条にいう「商品」としての「ダウンロード可能な映像」には該当しないこと 電子情報財が流通するのは、ダウンロード等により顧客に電子情報財そのものが送信され、顧客がハードディスクに記録し、継続して管理及び支配できる場合である。一方、電子情報財の提供形式はダウンロードに限られず、ASP(Application Service Provider)型で電子情報財の機能を提供する場合や、一般的なストリーミングのような場合もあるが、これらは電子情報財の機能の提供であり、電子情報財自体が流通しているとはいえない(甲4)。 したがって、被請求人が本件商標を使用したと主張するYouTube Premiumの特典としてモバイルデバイスやパソコンに一時保存される動画は、いずれもそれ自体が独立して商取引の対象として流通に供される物でなければ、商標法第50条にいう「商品」としての「ダウンロード可能な映像」には該当しない。 イ 本件における動画は独立して商取引の対象として流通に供される物ではないこと (ア)動画の一時保存とオフライン再生 オフライン再生のための一時保存とは、動画をファイルとしてデバイスにダウンロードするのではなく、YouTubeアプリやブラウザの一時記憶領域内に動画のデータを保存するものにすぎない。このため、例えばiPhone版YouTubeアプリではオフライン再生用動画の保存先を指定することはできず、パソコンのブラウザからYouTubeサイトにアクセスする場合も当該パソコンのストレージ内に動画ファイルが保存されることはない(甲5)。また、Android版YouTubeアプリではオフライン再生用の動画データをSDカードに保存できる仕様となっているが、これについてもYouTube動画をファイルとして保存するものではなく、データを保存するに当たってSDカードの容量を利用できることを意味しているにすぎない(甲5)。 このようにYouTube Premiumにおける動画の一時保存は、ダウンロード等によって顧客に電子情報財そのものが送信されるものではなく、顧客がハードディスクやその他のストレージに電子ファイルとして記録するものでもない。 (イ)継続的な管理及び支配 一時保存されたオフライン再生用の動画データは、YouTubeアプリがなければ再生不能であって、オフライン再生のためには定期的にインターネットからYouTubeサイトへアクセスして保存データを更新する必要がある(甲5)。いうまでもなく、当該動画に係る情報のみを保存領域から取り出して第三者へ譲渡等するなどして自由に支配及び利用することはできない。YouTube Premiumの契約終了後にメンバーシップが無効となると、ユーザーは一時保存した動画であってもオフライン再生できなくなり、動画を一時保存していたとしても元の動画データが削除され、非公開となった場合にはオフライン再生はできなくなる(甲6)。 したがって、YouTube Premiumによって一時保存された動画は、全てが元の動画との連携の枠内にあって独立した取引対象ではなく、ユーザー側で継続的に管理及び支配されるものではない。 (ウ)出所表示機能を保護する必要性 YouTube Premiumにおいては、動画の一時保存とそのオフライン再生は全てYouTubeアプリ内で完結されることに加え、一時保存されたオフライン再生用の動画データを保存領域から取り出して第三者へ譲渡等することもできないことから、当該動画データはサービスを離れて第三者への流通を前提とした物とはいえず、単体での出所表示機能を保護する必要性はない。 (エ)小括 以上のとおり、YouTube Premiumにおける動画の一時保存は、ダウンロード等により顧客に電子情報財そのものが送信されて、顧客がハードディスクに記録し、継続して管理及び支配できるものではないから、本件における動画は独立して商取引の対象として流通に供される物には当たらない。 (3)本件における表示行為は本件商標の使用には当たらないこと 被請求人は、本件における表示行為に関して、使用されている商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標「デジカ」であり、いずれも本件商標と社会通念上同一であると述べている。 しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証に表示されている番組名は「FUN!デジカ」であり、チャンネルアイコンとして表示されているのは外縁部から中央部にかけて薄紫色のグラデーションで着色された円図形を背景にしてその略中央域に配置した紺色又は青色の装飾文字をもって横書きされた文字列「デジカ」と、当該文字列の外形に沿うように紺色で描かれた多角形の枠線からなる結合商標であるロゴマークであり(甲7)、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではない。 よって、本件における表示行為は本件商標の使用には当たらない。 第3 被請求人の主張 1 答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、答弁書において、要旨以下のとおり述べるとともに、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。ただし、乙第3号証(乙第3号証の1、乙第3号証の2)などの、枝番号を含む証拠については、まとめて「乙第3号証」などという場合がある。)を提出した。 (1)答弁の概要 商標権者である株式会社バンダイは、本件商標「デジカ」を国内において2020年2月よりYouTube配信のチャンネル「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」の中で公式番組タイトルとして使用している。またチャンネルアイコンや動画内に「デジカ」の表示をしている。YouTubeには映像をダウンロードする機能があるため、取消請求商品中の「ダウンロード可能な映像」の使用に当たり、本件審判請求は成り立たない。 本件商標の使用について、各要件を満たしていることを以下に述べる。 (2)使用時期 2020年2月よりYouTubeで配信されている公式チャンネル「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」の公式番組名、チャンネルアイコン、及び動画内に「デジカ」が表示されている(乙1、乙2)。 2024年4月現在でも高頻度で動画が配信されており、要証期間にも使用されている(乙2)。 (3)使用されている場所 日本国内で視聴及びダウンロードが可能なYouTube番組「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」において番組名、チャンネルアイコン、及び動画内に「デジカ」が表示されている(乙1、乙2)。なお動画を再生する際も「デジカ」のアイコンが再生画面に表示される(乙2)。 (4)商標を使用している者 「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」は、商標権者である株式会社バンダイが運営しており、同社が製造及び販売する「デジモンカードゲーム」(乙3)の公式番組であることや、同社のホームページから当該チャンネルがリンクされていることからも明らかである。例えば、株式会社バンダイの運営するサイト「カードダスドットコム」→「デジモンカードゲーム」→「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」とリンクされている(乙4~乙6)。また、一部の動画では「BANDAI」ロゴが表示されている(乙7)。 (5)使用されている商品 「デジカ」が表示されている箇所は「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」内の各所、及び当該チャンネルで配信される動画内である。 次に、YouTube上で配信された動画は各デバイスにダウンロードし、オフラインで視聴することができる(乙8)。 これは取消請求商品中の「ダウンロード可能な映像」に含まれる。 (6)使用されている商標 使用されている商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる「デジカ」であり、本件商標と社会通念上同一である(乙9)。 (7)使用方法 「デジカ」の表示は、「ダウンロード可能な映像」である動画の番組名、チャンネルアイコン、及び動画内に表示されており、これらの表示行為は商標法第2条第3項各号に定める使用である(乙1、乙2)。 (8)結び 上記のとおり、商標権者は要証期間に本件商標と社会通念上同一の商標を、取消請求商品中の「ダウンロード可能な映像」について使用している。 2 合議体の暫定的見解及び弁駁に対する応答 合議体は、令和6年9月4日付けで審尋を通知し、相当の期間を指定して、合議体の暫定的見解及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」(乙1、乙2、乙6、乙7) 乙第1号証は、YouTube上の「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」において、2023年3月28日に投稿された「デジモンカードゲーム公式番組「FUN!デジカ」♯171」の画面及び動画内の映像を出力した出力物であり、画面上に「YouTubeJP」、「ログイン」、「デジモンカードゲーム公式番組「FUN!デジカ」♯171」、「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」、「9,329回視聴 2023/03/28」、「「デジモンカードゲーム」の公式配信番組です。」、「↓公式ホームページはこちら」の記載とともに、別掲のとおり、円形の輪郭の内部に「デジカ」と表示されたアイコン(以下「「デジカ」のアイコン」という。)が付されていることは確認できる。また、動画内の映像に、「公式/デジモンカードゲーム/FUN!デジカ」の表示が確認できる。 乙第2号証は、YouTube上の「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」において、2024年1月25日に投稿された「【木曜20時】デジモンカードバトル♯157」の画面及び動画内の映像を出力した出力物であり、画面上に「YouTubeJP」、「ログイン」、「【木曜20時】デジモンカードバトル♯157」、「【公式】デジモンカードゲーム・・・」、「11,020回視聴 2024/01/25」、「↓公式ホームページはこちら」、「↓公式X(旧Twitter)はこちら」、「↓アプリ『BANDAI TCG+』のダウンロードはこちら」の記載とともに、「デジカ」のアイコンが付されていることが確認できる。また、動画内の映像にも、「デジカ」のアイコンが映っている。 乙第6号証及び乙第7号証は、YouTube上の「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」の画面及び動画内の映像を出力した出力物であるところ、画面上に「デジカ」のアイコンが付されていることが確認できる。また、乙第7号証には、動画内の映像に、「BANDAI/CARD GAMES」及び「BANDAI」の表示が映っている。 他方、乙第6号証及び乙第7号証には、出力日や、動画の投稿日についての記載は確認できない。 (2)デジモンカードゲームのウェブサイト(乙3) 乙第3号証は、デジモンカードゲームのウェブサイトの出力物であるところ、その1葉目(乙3の1)に「DIGIMON/CARD GAME/デジモンカードゲーム」、「PRODUCTS」、「拡張パック/デジモンカードゲーム/エクストラブースター デジモンリベレイター【EX-07】」、「カードリスト」、「発売日/2024年5月31日(金)」の記載があり、その2葉目(乙3の2)に「BANDAI」の表示が確認できる。 (3)上記(1)及び(2)から以下の事実が認められる。 ア 被請求人は、YouTube上で、「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」を開設しており、要証期間である2023年3月28日に、同チャンネルに「デジカ」のアイコンを付して、その映像中に「FUN!デジカ」の表示のある動画を投稿した(乙1)。 また、被請求人は、要証期間である2024年1月25日にも、「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」に「デジカ」のアイコンを付して、デジモンカードバトルに関する動画を投稿した(乙2)。 イ 被請求人は、デジモンカードゲームのカードを販売しており、ウェブサイト(乙3)及びYouTube上の「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」(乙1、乙2、乙6、乙7)において、デジモンカードゲームのカードを宣伝していることは推認できる。 2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。 (1)使用商品について 被請求人の提出した証拠方法により、被請求人である商標権者が、要証期間である2023年3月28日及び2024年1月25日に、「デジカ」のアイコン及び「FUN!デジカ」の表示を付してYouTube上に動画を投稿し、デジモンカードゲームのカード(以下「使用商品」という。)を宣伝したことは推認できる。 しかしながら、使用商品は、その用途等に照らし、第28類に属する商品であって、取消請求商品(第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像,ダウンロード可能なキャラクター等の静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像,新聞・雑誌・書籍・地図・図面・写真の画像及び文字を記憶させた記憶媒体,ダウンロード可能な電子出版物,電子出版物」及び第16類「写真,写真立て」)に属する商品であると認めることはできない。 したがって、被請求人が、「デジカ」のアイコン又は「FUN!デジカ」の表示を取消請求商品に属する商品に使用したことは認めることができない。 なお、被請求人は、YouTube上の「【公式】デジモンカードゲームチャンネル」に投稿した動画が商品であり、YouTubeには映像をダウンロードする機能があるため、取消請求商品中の「ダウンロード可能な映像」について本件商標を使用している旨を主張しているが、被請求人が投稿したYouTube上の動画(乙1、乙2)は、YouTubeのサービス内容からすれば無料で閲覧可能なものであるし、使用商品(デジモンカードゲームのカード)を宣伝するためのものであって、特定の顧客に商品として販売されたものとはいえないから、当該動画を、市場において独立して商取引の対象とされた商品として認めることはできない。 (2)小括 したがって、被請求人提出の証拠方法により、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間内に日本国内において、取消請求商品について、本件商標の使用をしていたものと認めることはできない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中、取消請求商品についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-300074

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