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特許拒絶査定不服審判

2024-014962

電子書籍表示システムおよび電子書籍表示プログラム

審判番号
2024-014962
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-134450
請求日
2024年09月19日
審決日
2024年11月08日
公報発行日
2024年12月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】末次 功憲
  • 【請求人代理人】原口 貴志
審判長/審判官
  • 審判長 山澤 宏
  • 審判官 村松 貴士
  • 審判官 富澤 哲生
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-134450「電子書籍表示システムおよび電子書籍表示プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 2月26日出願公開、特開2024- 25780、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年8月10日(以下、「原出願日」という。)の出願である特願2022-127657号の一部を、令和5年8月22日に新たな特許出願(特願2023-134450号)としたものであって、その後の手続の概要は以下のとおりである。 令和5年 8月22日 :手続補正書の提出 令和5年12月20日付け:拒絶理由通知 令和6年 6月26日付け:拒絶査定(原査定) 令和6年 9月19日 :審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和6年6月26日付け)の概要は次のとおりである。 本願の請求項1ないし3及び9に係る発明は、以下の引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、本願の請求項4ないし6に係る発明は、以下の引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.米国特許出願公開第2016/0004397号明細書 2.分散協調メディアシリーズ2 ヒューマンマシンインタフェースのデザイン,初版,共立出版株式会社,1997年10月01日,p.153,157 3.3Dホログラムとは?特徴や三次元映像が出現するしくみ,[online],2020年04月07日,[2023年12月20日検索], インターネット<URL: https://droots.inc/blog/archives/1> 4.特開2013-29942号公報 第3 本願発明 本願の請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、令和5年8月22日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 書籍の立体的な像として電子書籍を再生するためのホログラムを生成するホログラム生成部と、 前記ホログラム生成部によって生成された前記ホログラムをSLMに表示させる表示制御部と を備え、 前記ホログラム生成部は、前記SLMに対する第1の視点から前記書籍のページの表示内容が見える場合に、前記SLMに対する第2の視点から前記書籍の表紙のうち、前記第1の視点からは見えない部分の少なくとも一部が見える前記ホログラムを生成可能であることを特徴とする電子書籍表示システム。」 なお、本願発明2-9の概要は以下のとおりである。 本願発明2-8は、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明9は、本願発明1に対応するプログラムの発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1、引用発明 (1)引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。訳文は当審が作成した。)。 ア 「[0008] Recently, a mobile terminal is increasingly used as a device for appreciating e-book contents. When an e-book content is activated in a mobile terminal, it is advantageous in reading a book more stereoscopically than reading a conventional paper book. For instance, a user can appreciate various images and music materials in association with a book content through such a file attached to an e-book content as a music file, a video file and the like. [0009] Thus, since an e-book content can be utilized together with image and/or music materials, it is increasingly utilized for children's education. Yet, since a child has low concentration on reading a book, the child has difficulty in reading a book for a long time, parental guidance or direction is frequently required. [0010] Therefore, the present invention intends to disclose a mobile terminal for monitoring a book reading activity of a child when a parent is located in a remote place.」 (当審訳:[0008] 最近、電子書籍コンテンツを鑑賞するための装置として携帯端末がますます利用されている。携帯端末で電子書籍コンテンツを起動すると、従来の紙の書籍を読むよりも立体的に書籍を読むことができるという利点がある。例えば、電子書籍コンテンツに音楽ファイルやビデオファイルなどのファイルが添付されているため、書籍コンテンツと関連した様々な画像や音楽素材を鑑賞することができる。 [0009] このように、電子書籍コンテンツは画像や音楽素材と一緒に利用できるため、子供の教育にますます利用されている。しかし、子供は読書に集中力が低いため、長時間本を読むことが難しく、親の指導や指示が必要になることが多い。 [0010] そこで、本発明は、親が遠隔地にいる場合に子供の読書活動を監視できる携帯端末を開示することを目的とする。) イ 「[0080] In some embodiments, the display unit 151 may be implemented as a stereoscopic display unit for displaying stereoscopic images. A typical stereoscopic display unit may employ a stereoscopic display scheme such as a stereoscopic scheme (a glass scheme), an auto-stereoscopic scheme (glassless scheme), a projection scheme (holographic scheme), or the like.」 (当審訳:[0080] いくつかの実施形態では、表示部151は、立体画像を表示するための立体表示部として実装されてもよい。典型的な立体表示部は、立体方式(グラス方式)、自動立体方式(グラスレス方式)、投影方式(ホログラフィック方式)などの立体表示方式を採用することができる。) ウ 「[0098] Referring now to FIGS. 1B and 1C, the mobile terminal 100 is described with reference to a bar-type terminal body. However, the mobile terminal 100 may alternatively be implemented in any of a variety of different configurations. Examples of such configurations include watch-type, clip-type, glasses-type, or as a folder-type, flip-type, slide-type, swing-type, and swivel-type in which two and more bodies are combined with each other in a relatively movable manner, and combinations thereof. Discussion herein will often relate to a particular type of mobile terminal (for example, bar-type, watch-type, glasses-type, and the like). However, such teachings with regard to a particular type of mobile terminal will generally apply to other types of mobile terminals as well. [0099] The mobile terminal 100 will generally include a case (for example, frame, housing, cover, and the like) forming the appearance of the terminal. In this embodiment, the case is formed using a front case 101 and a rear case 102. Various electronic components are incorporated into a space formed between the front case 101 and the rear case 102. At least one middle case may be additionally positioned between the front case 101 and the rear case 102. [0100] The display unit 151 is shown located on the front side of the terminal body to output information. As illustrated, a window 151aof the display unit 151 may be mounted to the front case 101 to form the front surface of the terminal body together with the front case 101.」 (当審訳:[0098] 図1Bおよび図1Cを参照すると、携帯端末100は、バータイプの端末本体を参照して説明されている。しかし、携帯端末100は、様々な異なる構成のいずれかで代替的に実装されてもよい。そのような構成の例には、時計型、クリップ型、メガネ型、または2つ以上の本体が相対的に移動可能な方法で互いに組み合わされたフォルダ型、フリップ型、スライド型、スイング型、およびスイベル型、およびそれらの組み合わせが含まれる。本明細書の説明は、多くの場合、特定のタイプの携帯端末(例えば、バー型、時計型、メガネ型など)に関連する。しかし、特定のタイプの携帯端末に関するそのような教示は、一般に、他のタイプの携帯端末にも適用される。 [0099] 携帯端末100は、一般に、端末の外観を形成するケース(例えば、フレーム、ハウジング、カバーなど)を含む。この実施形態では、ケースは、フロントケース101とリアケース102とを用いて形成される。フロントケース101とリアケース102との間に形成される空間には、各種の電子部品が組み込まれる。フロントケース101とリアケース102との間には、少なくとも1つの中間ケースがさらに配置されてもよい。 [0100] 表示部151は、情報を出力するために、端末本体の前面に配置されるように示されている。図示のように、表示部151の窓151aは、フロントケース101に取り付けられ、フロントケース101とともに端末本体の前面を形成してもよい。) エ 「[0107] The display unit 151 outputs information processed in the mobile terminal 100. The display unit 151 may be implemented using one or more suitable display devices. Examples of such suitable display devices include a liquid crystal display (LCD), a thin film transistor-liquid crystal display (TFT-LCD), an organic light emitting diode (OLED), a flexible display, a 3-dimensional (3D) display, an e-ink display, and combinations thereof.」 (当審訳:[0107] 表示部151は、携帯端末100で処理された情報を出力する。表示部151は、1つ以上の適切な表示装置を用いて実現することができる。このような適切な表示装置の例としては、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、3次元(3D)ディスプレイ、電子インクディスプレイ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。) オ 「[0136] For clarity and convenience of the following description, assume that a mobile terminal mentioned in the following description includes at least one of the components shown in FIGS. 1A to 1C. For instance, assume that a mobile terminal according to the present invention includes the wireless communication unit 110, the camera 121, the microphone 122, the display unit 151, the audio output unit 152, the memory 170 and the controller 180. [0137] After one mobile terminal has selected an e-book (electronic-book) content to be consumed by a different terminal, if the e-book content is activated in the different terminal, the present invention relates to interaction with the different terminal in which the e-book content is activated. [0138] For clarity of the descriptions of the following embodiments, two mobile terminals shall be named a first terminal and a second terminal, respectively. Moreover, in order to avoid confusion, ‘first’ shall be prefixed to each component of the first terminal, while ‘second’ shall be prefixed to each component of the second terminal.」 (当審訳:[0136] 以下の説明の明確さと便宜上、以下の説明で言及される携帯端末は、図1A~1Cに示されるコンポーネントの少なくとも1つを含むものと仮定する。例えば、本発明の携帯端末は、無線通信部110、カメラ121、マイク122、表示部151、音声出力部152、メモリ170、およびコントローラ180を含むものと仮定する。 [0137] 1つの携帯端末が、別の端末で消費される電子書籍(電子ブック)コンテンツを選択した後、その電子書籍コンテンツが別の端末でアクティブ化される場合、本発明は、電子書籍コンテンツがアクティブ化される別の端末とのインタラクションに関する。 [0138] 以下の実施形態の説明の明確さのために、2つの携帯端末をそれぞれ第1の端末および第2の端末と命名する。さらに、混乱を避けるために、第1の端末の各コンポーネントには「第1」を接頭辞として付け、第2の端末の各コンポーネントには「第2」を接頭辞として付ける。) カ 「[0178] FIGS. 6A and 6B are diagrams for one example of a user interface outputting the same page of a second terminal. [0179] Referring to FIGS. 6A and 6B, if an information on a page currently outputted by the second terminal is received from the external server, like the example shown in FIG. 6A, the first controller activates an e-book content and is able to control a page identical to the page currently outputted by the second terminal to be displayed through a full region of the first display unit 151.」 (当審訳:[0178] 図6A及び図6Bは、第2端末の同一ページを出力するユーザインターフェースの一例を示す図である。 [0179] 図6A及び図6Bを参照すると、図6Aに示した例のように、外部サーバから第2端末が現在出力しているページに関する情報を受信すると、第1コントローラは電子書籍コンテンツを起動し、第2端末が現在出力しているページと同一のページを第1表示部151の全領域に表示するように制御することができる。) キ 「 [図:0001417571000001.jpg] 」 (2)引用発明 上記(1)から引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「表示部151は、立体画像を表示するための立体表示部として実装され、 立体表示部は、ホログラフィック方式を採用し、 表示部151は、情報を出力するために、端末本体の前面に配置され、 携帯端末は、表示部151、およびコントローラ180を含み、 コントローラは電子書籍コンテンツを起動し、ページを表示部151の全領域に表示するように制御することができる、 携帯端末。」 2 引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「(3) ホログラフィ 基本原理は以下の通りである。レーザ光を物体に照射し,その物休光とレーザ光(参照光)との干渉縞をホログラム記録材(感光材)に記録する。記録されたホログラム記録材にレーザ光を照射すると,干渉縞により尤が特定の方向に回折する。この回折光が物体光として働き,実像を再生することができる。ホログラフィの特長としては,実像を再現するため,両眼視差方式の問題点である眼のピント調節(スクリーン面に固定) と輻輳(両眼が一点を見るための両眼視線)の不一致を解消し,さらに,視点に応じた画像を見ることができる。」(p.157第5~12行) 3 引用文献3 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「3Dホログラムとは、物体が目の前にあるかのように、「立体的な映像を映し出す」技術のことです。3D映像を何もない空間に投影し、まるで本物が目の前にあるかのように見せます。一般的な3D映像では、「正面」からしか映像が立体的に見えませんが、3Dホログラムでは「側面や背面」からも、本物同様に立体的な映像を見ることが可能です。3Dメガネは不要で、誰でも肉眼で立体映像が見られます。」(「3Dホログラムとは?特徴や三次元映像が出現するしくみ」の欄) イ 「 [図:0001417571000002.jpg] 」(「3Dホログラムとは?特徴や三次元映像が出現するしくみ」の欄) 4 引用文献4 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0020】 また、タッチパネル32は、3次元オブジェクトを表示できる。3次元オブジェクトは、視差を利用して立体的に見えるように作成された画像や形状等の表示物である。なお、3次元オブジェクトを表示する方式は、眼鏡等の器具を用いて立体視を実現する方式であってもよいし、裸眼で立体視を実現する方式であってもよい。」 イ 「【0027】 図3は、オブジェクトデータ24bに格納される情報の一例を示す図である。図3に示す例は、本として表示される3次元オブジェクトに関する情報の例である。図3に示すように、本として表示される3次元オブジェクトは、表表紙、裏表紙、背表紙、および複数のページという複数の3次元オブジェクトを含む。すなわち、本として表示される3次元オブジェクトは、3次元オブジェクトの集合体である。なお、以下の説明では、説明の便宜のために、本として表示される3次元オブジェクトを単に「本」ということがある。同様に、表表紙、裏表紙、背表紙、およびページに相当する3次元オブジェクトを、それぞれ、単に「表表紙」、「裏表紙」、「背表紙」、および「ページ」ということがある。」 ウ 「【0038】 図5に示す処理手順は、例えば、本の閲覧機能の起動を指示する所定の操作がタッチパネル32によって検出された場合に、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。図5に示すように、本の閲覧機能を実現するため、制御部22は、まず、ステップS101として、タッチパネル32に本を3次元表示させる。表示される本の外観および内容は、オブジェクトデータ24bに基づいて決定される。 エ 「【0072】 図10は、閉じた本の一例を示す図である。図10において、携帯電話端末1は、タッチパネル32に本50を立体的に表示させている。この例において、本50は、閉じている。本50の外観は、オブジェクトデータ24bに基づいて決定される。なお、オブジェクトデータ24bに忠実に本50を表示すると本50の厚みが所定の値よりも小さい場合、携帯電話端末1は、本50の厚みが所定の値以上になるようにページの厚さを補正してもよい。本50の厚みを増すことにより、利用者が本50に対する操作を行い易くなる。」 オ 「 [図:0001417571000003.jpg] 」 カ 「 [図:0001417571000004.jpg] 」 キ 「 [図:0001417571000005.jpg] 」 ク 「 [図:0001417571000006.jpg] 」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「電子書籍コンテンツ」は、本願発明1の「電子書籍」に相当する。 イ 引用発明の「コントローラ」は、「電子書籍コンテンツを起動し、ページを」、「ホログラフィック方式を採用する」「立体表示部として実装され」た「表示部151」「に表示するように制御する」ものであるから、上記アを踏まえると、本願発明1の「書籍の立体的な像として電子書籍を再生するためのホログラムを生成するホログラム生成部」としての機能を有することは自明である。 ウ 引用発明の「立体表示部」と、本願発明1の「SLM」とは、「表示部」である点で共通する。 エ 引用発明の「コントローラ」は、「電子書籍コンテンツを起動し、ページを」、「ホログラフィック方式を採用する」「立体表示部として実装され」た「表示部151」「に表示するように制御する」ものであるから、上記ア、イを踏まえると、本願発明1の「前記ホログラム生成部によって生成された前記ホログラムを」「表示させる表示制御部」としての機能を有することは自明である。 オ 上記ウを踏まえると、引用発明の「コントローラ」における上記エの機能を有する部分と、本願発明1の「前記ホログラム生成部によって生成された前記ホログラムをSLMに表示させる表示制御部」とは、「前記ホログラム生成部によって生成された前記ホログラムを表示部に表示させる表示制御部」である点で共通する。 カ 引用発明の「電子書籍コンテンツを起動し、ページを表示部151」「に表示する」「コントローラ」「を含」む「携帯端末」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「電子書籍表示システム」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「書籍の立体的な像として電子書籍を再生するためのホログラムを生成するホログラム生成部と、 前記ホログラム生成部によって生成された前記ホログラムを表示部に表示させる表示制御部と を備える電子書籍表示システム。」 (相違点) (相違点1) 本願発明1では、「ホログラムをSLMに表示させ」ているのに対し、引用発明では、「ホログラフィック方式を採用」した「立体表示部」の種別が不明である点。 (相違点2) 本願発明1では、「前記ホログラム生成部は、前記SLMに対する第1の視点から前記書籍のページの表示内容が見える場合に、前記SLMに対する第2の視点から前記書籍の表紙のうち、前記第1の視点からは見えない部分の少なくとも一部が見える前記ホログラムを生成可能である」のに対し、引用発明はそのように特定されるものではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、まず上記相違点2について検討する。 引用文献4には、表表紙、裏表紙、背表紙、および複数のページという複数の3次元オブジェクトを含む3次元オブジェクトが本として表示される技術事項が記載されている。 しかし、引用文献4には、第1の視点から書籍のページの表示内容が見える場合に、第2の視点から前記書籍の表紙のうち、前記第1の視点からは見えない部分の少なくとも一部が見えるホログラムを生成することが開示されているとまではいえないから、引用発明に引用文献4に記載された技術事項を適用しても、上記相違点2に係る構成には至らない。 また、本願発明1の上記相違点2に係る構成は、引用文献2及び3にも記載されておらず、原出願日前における周知技術であるともいえないから、当業者にとって容易に想到し得たとすることはできない。 よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2ないし4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2-8について 本願発明2-8は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1の上記相違点2に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2ないし4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本願発明9について 本願発明9は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1の上記相違点2に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2ないし4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 原査定について 上記第5で説示したとおり、本願発明1ないし3及び9は、引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本願発明4ないし6は、当業者が引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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