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特許拒絶査定不服審判

2024-012587

商品仕入れシステム

審判番号
2024-012587
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-529419
請求日
2024年08月01日
審決日
2025年12月25日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】シーエイチイーピー テクノロジー ピーティーワイ リミテッド
  • 【請求人代理人】高岡 亮一
  • 【請求人代理人】小田 直
  • 【請求人代理人】岩堀 明代
  • 【請求人代理人】三好 玲奈
  • 【請求人代理人】延原 愛
審判長/審判官
  • 審判長 小島 寛史
  • 審判官 谷垣 圭二
  • 審判官 柳 重幸
分類
P18 .121-Z (G01G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-529419「商品仕入れシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月 4日国際公開、WO2020/109286、令和 4年 1月18日国内公表、特表2022-507984〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)11月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年11月27日(以下「優先日」という。)、ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年 6月21日 :翻訳文の提出 令和5年 9月26日付け:拒絶理由通知書 令和6年 3月 1日 :意見書、手続補正書の提出 同年 3月22日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 4月 2日 :原査定の謄本の送達) 同年 8月 1日 :審判請求書の提出 2 本願発明について (1) 本願発明の認定 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年3月1日に提出された手続補正書により補正された請求項1に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 少なくとも1つの商品収納区画(12)が設けられる商品棚ユニット(10)と、前記少なくとも1つの商品収納区画(12)の底部(14)に取り外し可能に配置される、少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と、前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)のための外部電源(54、56、58)と、前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)によって生成された信号を評価することができるコントローラ(52)と、前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と前記コントローラ(52)との間のデータリンク(50)とを備える、商品仕入れシステムであって、前記商品仕入れシステムは、あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される、商品仕入れシステム。」 (2) 本願発明の分説 検討の便宜上、本願発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Fまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】を元に部材名を記入したものを掲載する。 <本願発明の分説> A 少なくとも1つの商品収納区画(12)が設けられる商品棚ユニット(10)と、 B 前記少なくとも1つの商品収納区画(12)の底部(14)に取り外し可能に配置される、少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と、 C 前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)のための外部電源(54、56、58)と、 D 前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)によって生成された信号を評価することができるコントローラ(52)と、 E 前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と前記コントローラ(52)との間のデータリンク(50)とを備える、 X 商品仕入れシステムであって、 X 前記商品仕入れシステムは、 F あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される、 X 商品仕入れシステム。 <参考図> [図:0001435656000001.jpg] (3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、特にスーパーマーケットで使用され得るような、商品仕入れシステムに関する。 【背景技術】 【0002】 スーパーマーケットには、様々な商品用のセルフサービスの棚があり、顧客はそこから自分で取ることができる。一例は、ベーカリー売り場の棚ユニットであり、顧客はその区画から所望の数のロールパンを取ることができる。 【0003】 しかしながら、これらの商品棚ユニットを定期的に調べて、すべての区画で十分なパン類が依然として入手可能であるかどうかを確認するために、かなりの人員が必要とされる。 【0004】 本発明の目的は、スタッフによる監視作業を減らす商品仕入れシステムを提供することである。 【0005】 この目的を達成するために、本発明によれば、少なくとも1つの商品収納区画が設けられる商品棚ユニットと、商品収納区画の底部に取り外し可能に配置されるシート状センサ素子と、センサ素子のためのエネルギー供給装置と、センサ素子の信号を評価することができるコントローラと、センサ素子とコントローラとの間のデータリンクとを備える、商品仕入れシステムが提供される。本発明は、センサ素子を使用して自動化された方法で関連する商品収納区画中の商品の在庫水準を検出するという基本的な考え方に基づき、その結果、スーパーマーケットのスタッフは、もはや商品収納区画を定期的に調べなくてもよい。 …(中略)… 【0008】 あるいは、エネルギー供給装置はまた、商品収納区画上の電気接点に導電的に接続される、センサ素子上の電気接点を有する。このようにして、十分な量の電気エネルギーが、長期間にわたってセンサ素子に提供され得、その結果、信号検出および送信中に極力低いエネルギー消費を確保する必要はまったくない。 【0009】 プロセスでは、電気接点は、好ましくは、センサ素子が商品収納区画の底部に配置されると電気的接続が自動的に確立されるように配置される。 【0010】 代替の構成によれば、エネルギー供給装置は、センサ素子に割り当てられたコイル、および商品収納区画に割り当てられたコイルを有し、2つのコイルはともに誘導結合する。この構成では、センサ素子を商品収納区画中に置くと、コイルは互いの近くに配置されると自動的にともに誘導結合するため、電気接点が互いに係合することを確保する必要はない。商品収納区画内でのセンサ素子のわずかな位置決め公差は、したがって、エネルギー伝達を著しく損なうことはない。 【0011】 コントローラは、好ましくは、それにより商品の要求信号を送ることができる信号出力を有する。この要求信号は、例えば、関連する商品収納区画が補充されるように、スーパーマーケットのスタッフに直接転送され得る。 【0012】 信号出力はまた、表示装置に接続され得、その結果、例えば、補充が必要な商品収納区画がディスプレイ上に表示される。 【0013】 信号出力が在庫管理システムに接続されることも可能であり、その結果、供給量が特定の水準よりも下がるとすぐに、ある商品が自動化された方法で再発注され得る。 【0014】 信号出力が、例えばオーブンのような、商品加工装置に接続されることも可能であり、その結果、供給水準が特定の量よりも下がると、より多くの関連商品が製造される。」 3 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明に対する理由2(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特表2016-511392号公報(主たる引用文献) 引用文献4.特開平2-36810号公報(周知技術を示す文献) 引用文献5.特表2009-516833号公報(周知技術を示す文献) 引用文献6.特開平2-44216号公報(周知技術を示す文献) 引用文献7.特開2015-142413号公報(周知技術を示す文献) 4 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 (1) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特表2016-511392号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記(3)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 ア 請求項1 「【請求項1】 在庫コントロールのためのシステムであって、 外側の表面と内側の表面とを有し、第1のラミネートシートの前記内側の表面に添付された複数の第1の接触を有する第1のラミネートシートと、外側の表面と内側の表面とを有し、第2のラミネートシートの前記内側の表面に添付された複数の第2の接触を有する第2のラミネートシートと、複数の隙間を有する、前記第1のラミネートシートと前記第2のラミネートシートとの間に配置されたスペーサーレイヤと、複数の隆起した環状バイアス領域とを含む、重量センサと、前記重量センサに置かれたオブジェクトの存在を決定するようプログラミングされた、前記複数の対立する接触対と通信する、プロセッサとを備え、前記複数の第2の接触のそれぞれ1つは、複数の対立する接触対を形成するように前記複数の第1の接触のうちの1つと整列され、前記複数の隙間のそれぞれ1つは、前記複数の対立する接触対のうちの1つと整列され、前記複数の隆起した環状バイアス領域は、前記複数の対立する接触対のうちの1つと整列され、前記対立する接触対の第1および第2の接触は、予め定められた重量が前記第1のラミネートシートの外側の表面に適用されるときに、互いにかみ合う状態に動き、前記複数の対立する接触対はグループで配置される、システム。」 イ 段落【0001】~【0007】 「【技術分野】 【0001】 本出願は、2013年1月11日に出願された米国仮特許出願61/751,649号の出願日の利益を請求し、且つこの出願をここにそっくりそのまま組み込んでいる。 本発明は、一般的に、小売製品の在庫コントロールに対するシステムおよび装置に関する。本開示は、特に、小売業者の棚にある小売製品の在庫を測定するために重量センサを使用し、小売製品の購入を追跡し、在庫の逓減率を捕捉し、アラートを発出し、在庫を効率的に管理するための予測アルゴリズムを適用するシステムおよび装置を対象とする。 【背景技術】 【0002】 世界中の小売業者の間で長年課題とされているのは、効率的な在庫管理である。小売業者は売上損失または顧客のロイヤルティー低下の形でこの課題の結果を負っているが、サプライチェーン全体に影響が及ぶ。小売業者の棚にある製品の補充に失敗すること、店舗における不適切な容量コントロール、需要予想の不良、流通の物流業者の問題、および製造センターの混乱が原因で、小売業者の棚にある製品が在庫切れになることがある。 …(中略)… 【0004】 大半の小売店舗では、製品の在庫がもはや棚にないことを店舗の従業員が視覚的に識別したときにのみ、在庫切れが検出される。その後、従業員は必要とされる製品を記録し、店舗の保管エリアまたは倉庫エリアで製品を探し、製品を再度仕入れなければならない。このプロセスは時間がかかり、費用が高く、非効率的である。最後の製品が棚から取り除かれ、店舗の従業員が製品の在庫切れを識別するまでに多大な量の時間が経過してしまうかもしれないことから、プロセスは特に非効率的である。 …(中略)… 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 このため、小売在庫コントロールの分野では、小売製品の在庫コントロールおよび管理を改善するための新しいシステムまたは装置を実現するという確固たる要望がある。特に、小売製品の棚にある在庫を最適化し、いつ製品が在庫切れになるかもしれないのか予測し、在庫の置き違いを識別し、および、先に識別した在庫切れに関係付けられた問題を回避するのに十分な時間をもって小売業者に知らせることが可能なシステムまたは装置に対する需要が小売業者の間にある。」 ウ 段落【0025】~【0027】、【図1】 「【0025】 本開示は、小売製品の在庫コントロールのためのシステムおよび装置を対象にする。小売の棚に配置されるように構成されている重量センサは、制御装置に動作可能に接続され、制御装置は、棚において感知された製品の重量に基づいて、小売製品の在庫を監視する。 【0026】 図1は、小売製品のための在庫コントロールの1つの例の正面図である。図1は、製品が仕入れられる棚から顧客が都合よく任意の選択した製品を取り除くことができる方法で、多様な製品を仕入れ、顧客に見せるための小売店舗により典型的に使用されるタイプの棚Sのバンクを示す。例示した実施形態では、各棚Sには、電子棚ラベル10と結合された電気通信および配電システムが装備されており、電子棚ラベル10は、各棚Sの前端に沿って広がっているレール11上に搭載され、結合コイルは各棚Sの後端に沿って広がっているレール12の内部に搭載されている。」 「【図1】 [図:0001435656000002.jpg] 」 「【0027】 棚Sに沿って上方向に広がっている導体の対21および22は、電力源27と制御装置28の双方を、導体21および22の長さに沿ってスペースが空けられた複数の接続器29に接続する。接続器29の対は、電力および通信信号の双方を、棚Sの後端と前端とにそれぞれ沿って広がっているループの対23aおよび24aに運ぶために、各棚Sに提供される。これらのループ23aおよび24aは、各棚Sの、前端および後端に沿ってそれぞれ広がったそれぞれのレール12およびレール11の長さに沿ってスペースが空けられた、複数の二次巻線23bおよび24bに電磁気的に結合された一次巻線の対として機能する。これらの一次巻線および二次巻線は、後ループ23aと重量センサ30との間の電力と通信信号の双方を棚Sの上部表面に結合し、前ループ24aと電子棚ラベル10との間の電力と通信信号の双方を棚Sの前端にあるレール11に結合する、複数の変換器を形成する。これらの変換器は「伝導結合」または「伝導結合された接続」と呼ばれる。」 エ 段落【0028】~【0033】、【図2】、【図3】 「【0028】 図2を参照すると、後ループ23aは、後レール12の内部に沿ってスペースが空けられたマルチターンコイル23bに結合されてもよい。後レール12中のコイル23aのそれぞれは、ジャック26を受け取るためのレール12中の隣接したソケットに結合されてもよく、ジャック26は、さらに、棚Sの上部表面の隣接したエリアにある1以上の重量センサ30から電気リードを受け取る接続器25に取り付けられている。例示的な実施形態では、接続器25は4本のリードを受け取り、2本は隣接した棚エリアの後領域33aにある第1のセンサ30aから、2本は隣接した棚エリアの前領域33bにある第2のセンサ30bからのものである。以下で詳細に論じるように、4本のリードを使用して電力をセンサ30aおよび30bに供給し、さらに、それぞれのセンサ30aおよび30bによりカバーされている棚のエリアがその上に製品を有しているときに検出するための、各センサを通じて流れている電流を監視してもよい。本開示は、領域間の様々な物理的および電気的接続ならびに/あるいは分離を使用して確立できる、異なるサイズおよび次元の複数の領域を有するセンサを有してもよい。別の実施形態では、プログラム可能なプロセッサにより単一のセンサを選択的に領域に分割してもよい。」 「【図2】 [図:0001435656000003.jpg] 」 「【0029】 後レール12は、その棚Sにおいて使用されている重量センサ30を一意的に識別するUPCラベル23cを含んでもよい。このUPCラベル23cは、重量センサ30上に仕入れられた特定の製品Pと重量センサ30をリンクさせるのに使用できる。制御装置28または類似のコンピュータプロセッサは、UPCラベル23cにプリントされた一意的な重量センサ30の識別子、および、その上に仕入れられた製品Pのデータベースを維持する。 【0030】 図3を参照すると、前ループ24bは前レール11上の電子棚ラベル10の後側にあるマルチターンニ次巻線24bに結合されてもよい。各電子棚ラベル10は、そのラベルに、コイル24bにより電源を入れられるディスプレイを含んでもよく、棚Sの隣接した部分にある製品Pに関連する価格および他の情報を表示するために、コイル24bを通じて受信した通信信号により制御されてもよい。図2および図3では、例として、コーンの缶として製品Pを示した。」 「【図3】 [図:0001435656000004.jpg] 」 「【0031】 各重量センサ30は、アルミニウムのような導伝材料のパターンにプリントされたプラスチックまたは布のシートのような、2つのフレキシブルなシート31および32のラミネートを含んでもよい。2つのシート31および32は、接着剤32aまたは他の固定手段により共に結合されてもよい。導伝パターンは、2つのシート31および32の反対側の表面において、上側のシート31の下側の表面と、下側のシート32の反対側の表面とに位置付けられてもよく、それにより、これらは互いに直接向かい合う。図2および図3において見られるように、2つのシート31および32の双方における導伝パターンは、複数の対の対立する接触を形成するように互いに協働する、複数の列の相互接続されたディスク型の接触33および34をそれぞれ形成する。これらの接触は通常はオープンであるが、互いにかみ合うように接触をもたらすために、シート31および32の1つまたは双方を曲げることによりクローズできる。センサ上に置かれることになる製品のサイズおよび重量の関数として、異なるサイズおよび形の導伝パターンを使用してもよく、および、選択することができ、導伝材料が埋め込まれるシートとともに曲げられる限り、導伝材料として異なる材料が選択されてもよい。 【0032】 ディスク型の接触33および34はフレキシブルなシート31および32上で列として構成される。各列は接続器25に接続された電気的リードに接続される。接触の列は領域に分割される:第1の接触の後領域33a、第1の接触の前領域33b、第2の接触の後領域34aおよび第2の接触の前領域34b。 【0033】 図3に示すように、重量センサ30の各領域は一意的な対の電気的リードを有する。後領域33a、34aは電気的リード36aおよび37aにそれぞれ接続される。前領域33b、34bは電気的リード36bおよび37bにそれぞれ接続される。」 オ 段落【0034】~【0035】、【図4】 「【0034】 図4を参照すると、いくつかの実施形態では、プラスチックフォームとして形成された第3のレイヤ35は、シート31および32が通常の曲がっていない状態にあるときに対立する導伝接触間のスペースを維持する。図4~図6において見られるように、第3のレイヤ35は、これらの接触が互いにかみ合うように、および、かみ合わないように動くことが可能になるよう、接触33および34と整列した複数の隙間を有する。スペーサー材料が接触の動作と干渉しない限り、他の適切なタイプ、サイズおよび形のスペーサー材料を使用してもよい。」 「【図4】 [図:0001435656000005.jpg] 」 「【0035】 下側のシート32の下は、棚Sの上部表面にある底部シート40である。底部シート40は、その上側の表面上に、複数の隆起した環状のバイアス領域41を形成し、各環状のバイアス領域41は、製品がセンサ上に置かれているときに、下側のシート32における伝導接触34のうちの少なくとも1つと協働して、上側のシート31における伝導接触33に向かって下側シート32上の伝導接触34をバイアスする。バイアス領域は、センサの感度を増加させ、重量のわずかな差(約1オンスの10分の1)のみを有する製品を区別することが可能である。バイアス領域のサイズおよび形は、伝導接触のサイズおよび形、スペーサー材料、トップシートおよびボトムシートの材料ならびにセンサの所望の感度の関数として選択されてもよい。」 カ 段落【0036】~【0039】、【図5】、【図6】 「【0036】 図5は、この特定の対の接触上に製品Pがなく、そのため、センサに下向きに圧力を加える重量がないときの、接触33および34のポジションと環状のバイアス領域41とを示す。接触33および34は互いから離れてスペースが空けられており、これにより、製品が存在しないときにこの特定の対の接触にわたって電流が流れないことが理解できる。」 「【図5】 [図:0001435656000006.jpg] 」 「【0037】 図6は、製品Pが、この特定の対の接触のロケーションにあるラミネートの上側の表面にあるときに生じる変化を示す。ラミネートにかかる製品Pの重量は、底部シート40の隆起した環状のバイアス領域41に対してシート31および32を下向きに押し、これにより、シート32を上向きに曲げさせ、それにより下側の接触34を上側の接触33とかみ合うように隆起させ、電気的パスを形成することが理解できる。これは、接触33および34により形成される「スイッチ」をクローズするため、電流がこの接触の対を通って流れ、この特定の棚Sのこの領域に製品Pが存在することを示す。」 「【図6】 [図:0001435656000007.jpg] 」 「【0038】 製品Pが、棚上の、任意の所定の重量センサ(例えば、重量センサ30a)によりカバーされるエリア内のどこかにある限り、電流はそのセンサ中の少なくとも1対の接触33および34を通って伝導するであろう。例えば、リードを通した各センサへの電圧が3.3ボルトのとき、200kオームのプルアップ抵抗器を通る電流は17μアンペアであり、各センサを通るこの電流は、導体21および22を通じて伝導ループ23に接続された制御装置28により別々に監視できる。任意の所定のセンサにおける電流の存在は、そのセンサによりカバーされる棚エリアが在庫切れではないことを示す。 【0039】 その棚エリアにある全ての接触対33、34がオープンであるときに、制御装置28はその重量センサ30を通る電流を検出せず、これは、棚エリアが在庫切れであることを示し、制御装置28は、在庫切れ状態を示すアラート信号を発生させることができる。このアラート信号は、例えば、図5に示すように、その電子棚ラベル10を「空」と表示させるために、または、別の適切なメッセージを表示させるために、この特定の棚のロケーションに対応する電子棚ラベル10に送信されてもよい。いくつかの実施形態では、電子棚ラベル10は、製品が在庫切れであることを示すアラート信号を受信したときに励磁する少なくとも1つのインジケータライトを含む。さらに、在庫切れの状態がこの特定の棚のロケーションに存在することを、中央ロケーションにいる店舗の担当者にアラートするために、中央制御装置またはコンピュータにアラート信号を送信できる。eメール、テキストメッセージ、電話でも通話およびコンピュータでの通知を使用して、アラート信号を実現できる。いくつかの実施形態では、アラート信号は、店舗の棚にある小売製品の在庫が予め定められた数を下回ったときに通知を提供し、それにより、店舗の従業員は棚の製品が在庫切れになる前に製品を再度仕入れることができる。」 キ 段落【0041】、【図7】 「【0041】 図7は、前レール111の内部の長さに沿って終わりとなる、前部導体ループ124aのみを必要とする代替的な構成を示す。このループ124aは、結合器129により電源127および制御装置128に結合され、垂直導体の対121および122に結合される。センサの対130aおよび130bは、例示した棚エリアのそれぞれの前部および後部をカバーするが、これら2つのセンサに対するリードは棚Sの前端に位置し、ここで、これらのリードは、電子棚ラベル110の背部にあるジャック110aに差し込まれる。この構成は棚の後レールに対する必要性をなくす。その理由は、センサ130a、130bおよび電子棚ラベル110への全ての電力および通信信号と、センサ130a、130bおよび電子棚ラベル110からの全ての電力および通信信号が、ループ124aにより形成される単一の一次巻線および電子棚ラベル110の背部にある二次巻線を通じて送信されるためである。 」 「【図7】 [図:0001435656000008.jpg] 」 ク 段落【0060】 「【0060】 いくつかの実施形態では、開示したシステムは、製品注文システムとさらに一体化される。制御装置28は、注文交換を簡略化するためのこのような製品注文システムに自動的にインポートできる在庫切れ報告を生成できる。追加報告はこのような一体化を通して達成可能である。例えば、報告は、もしあれば、小売店舗の棚に在庫のあるどの製品がリコールまたは廃止されることになったかを示してもよい。」 (2) 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定 ア 段落【0026】の記載を踏まえて図1をみると、「小売製品の在庫コントロールのためのシステムが、製品が仕入れられる棚から顧客が都合よく任意の選択した製品を取り除くことができる方法で、多様な製品を仕入れ、顧客に見せるための小売店舗により使用されるタイプの棚Sの列を備えること」(以下「認定事項1」という。)が看取できる。 イ 段落【0028】に記載された「マルチターンコイル23b」は、同一の部材番号が付されている、段落【0027】に記載された「二次巻線23b」と同じ部材であると認められる(以下「認定事項2」という。)。 ウ 段落【0028】に記載された「コイル23a」は、同一の部材番号が付されている、段落【0027】に記載された「後ループ23a」と同じ部材であると認められる(以下「認定事項3」という。)。 (3) 引用発明の認定 前記(2)において認定した事項及び前記(1)に摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、【図1】~【図6】に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「小売製品の在庫コントロールのためのシステムが製品注文システムと一体化されたシステムであって、(【0025】、【0060】) 小売製品の在庫コントロールのためのシステムは、 製品が仕入れられる棚から顧客が都合よく任意の選択した製品を取り除くことができる方法で、多様な製品を仕入れ、顧客に見せるための小売店舗により使用されるタイプの棚Sの列を備え、(認定事項1) 棚Sに沿って上方向に広がっている導体の対21および22が、電力源27と制御装置28の双方を、導体21および22の長さに沿ってスペースが空けられた複数の接続器29に接続し、(【0027】) 接続器29の対は、電力および通信信号の双方を、棚Sの後端と前端とにそれぞれ沿って広がっているループの対23aおよび24aに運ぶために、各棚Sに提供され、(【0027】) これらのループ23aおよび24aは、各棚Sの、前端および後端に沿ってそれぞれ広がったそれぞれのレール12およびレール11の長さに沿ってスペースが空けられた、複数の二次巻線23bおよび24bに電磁気的に結合された一次巻線の対として機能し、(【0027】) これらの一次巻線および二次巻線は、後ループ23aと重量センサ30との間の電力と通信信号の双方を棚Sの上部表面に結合し、前ループ24aと電子棚ラベル10との間の電力と通信信号の双方を棚Sの前端にあるレール11に結合する、複数の変換器を形成するものであり、(【0027】) 後ループ23aは、後レール12の内部に沿ってスペースが空けられた二次巻線23bに結合され、(【0028】、認定事項2) 後レール12中の後ループ23aは、ジャック26を受け取るためのレール12中の隣接したソケットに結合され、ジャック26は、さらに、棚Sの上部表面の隣接したエリアにある1以上の重量センサ30から電気リードを受け取る接続器25に取り付けられており、(【0028】、認定事項3) 接続器25は4本のリードを受け取り、2本は隣接した棚エリアの後領域33aにある第1のセンサ30aから、2本は隣接した棚エリアの前領域33bにある第2のセンサ30bからのものであり、(【0028】) 4本のリードを使用して電力をセンサ30aおよび30bに供給し、さらに、それぞれのセンサ30aおよび30bによりカバーされている棚のエリアがその上に製品を有しているときに検出するための、各センサを通じて流れている電流を監視し、(【0028】) 各重量センサ30は、アルミニウムのような導伝材料のパターンにプリントされたプラスチックまたは布のシートのような、2つのフレキシブルなシート31および32のラミネートを含んでおり、(【0031】) 導伝パターンは、互いに直接向かい合い、(【0031】) 2つのシート31および32の双方における導伝パターンは、複数の対の対立する接触を形成するように互いに協働する、複数の列の相互接続されたディスク型の接触33および34をそれぞれ形成し、(【0031】) プラスチックフォームとして形成された第3のレイヤ35は、シート31および32が通常の曲がっていない状態にあるときに対立する導伝接触間のスペースを維持し、(【0034】) 下側のシート32の下は、棚Sの上部表面にある底部シート40であり、(【0035】) 底部シート40は、その上側の表面上に、複数の隆起した環状のバイアス領域41を形成し、各環状のバイアス領域41は、製品がセンサ上に置かれているときに、下側のシート32における伝導接触34のうちの少なくとも1つと協働して、上側のシート31における伝導接触33に向かって下側シート32上の伝導接触34をバイアスし、(【0035】) バイアス領域は、センサの感度を増加させ、重量のわずかな差(約1オンスの10分の1)のみを有する製品を区別することが可能であり、(【0035】) 特定の対の接触上に製品Pがなく、そのため、センサに下向きに圧力を加える重量がないときは、接触33および34は互いから離れてスペースが空けられており、これにより、製品が存在しないときにこの特定の対の接触にわたって電流が流れず、(【0036】) 製品Pが、この特定の対の接触のロケーションにあるラミネートの上側の表面にあるときに、ラミネートにかかる製品Pの重量は、底部シート40の隆起した環状のバイアス領域41に対してシート31および32を下向きに押し、これにより、シート32を上向きに曲げさせ、それにより下側の接触34を上側の接触33とかみ合うように隆起させ、電気的パスを形成し、これは、接触33および34により形成される「スイッチ」をクローズするため、電流がこの接触の対を通って流れ、この特定の棚Sのこの領域に製品Pが存在することを示し、(【0037】) 製品Pが、棚上の、例えば、重量センサ30aによりカバーされるエリア内のどこかにある限り、電流はそのセンサ中の少なくとも1対の接触33および34を通って伝導し、センサを通るこの電流は、導体21および22を通じて伝導ループ23に接続された制御装置28により監視でき、(【0038】) 棚エリアにある全ての接触対33、34がオープンであるときに、制御装置28はその重量センサ30を通る電流を検出せず、これは、棚エリアが在庫切れであることを示し、制御装置28は、在庫切れ状態を示すアラート信号を発生させることができる、(【0039】) システム。」 5 引用文献5、6、8の記載事項及び周知技術1の認定 (1) 引用文献5に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特表2009-516833号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 「【実施例】 【0043】 図示している秤量装置1には、重量力を検知するために設けられている秤量セル2がある。秤量セル2は上部範囲に力伝達範囲7となる荷重検知部3を有しており、その範囲を介して秤量セルに検知するべき重量力がかけられる。荷重検知部3に直角な方向な仮想の力伝達軸Zの方向で、重量負荷を行うのが代表的である。」 「【図1】 [図:0001435656000009.jpg] 」 「【0044】 さらに秤量装置1には搬送装置5がある。この搬送装置5がコンベアベルト6を使って商品Gを搬送し、その重量を秤量セル2が量ることになる。 【0045】 商品Gの重量力を秤量セル2の荷重検知部3に伝達するために、搬送装置5と秤量セル2の間に収納部4を設けている。収納部4は、詳細には図示していない駆動ユニットを収容するためのものであり、その駆動ユニットを使って搬送装置5のコンベアベルト6を駆動する。 【0046】 この配設により重量力のフローは、駆動ユニットを収容する収納部4をとおって、秤量セル2ないしその荷重検知部3に導かれるという利点がある。 」 「【0030】 本発明により利点のある別の実施形態では、秤量セルに収納部を搭載する又はそこから収納部を取り外すことにより、電気的な接続を自動的に行う又は切り離しできるようにしている。この実施形態は、余分なソケットまたはケーブル接続を行う必要がなしで、接続を秤量セルに収納部を嵌め込むことのみにより達成できるように、前記の電気的なソケット接続を形成する。逆に、別の分解作業または接続切り離し作業を行う必要なしで、秤量セルから収納部を離すことにより収納部の完全な電気的な分離を達成できる。」 (2) 引用文献6に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である特開平2-44216号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。 ア 2ページ左下欄6行~20行 「第1図における秤の斜視的な全体図では、ケーシング3、秤皿20、表示器19及びコントロールキー21が示されている。秤皿20は、磁気攪拌部材のための駆動手段を受容するために、通常の秤の秤皿よりも幾らか高く形成されている。上記の駆動手段は例えば、永久磁石を上方端部で支持する垂直な軸を備えた、平らな電動モータから形成されてもよく、又は複数のコイルから形成されてもよい。交流がこれらのコイルを貫流し、それにより秤皿の上方に回転磁界が生じる。本来の攪拌部材は永久磁石29から形成されており、永久磁石29は容器30又はフイルターセルの底部に配置されており、かつ、容器が秤皿上に載置されるとすぐに回転磁界により連行駆動される。」 イ 2ページ右下欄9~12行、第2図 「第2図では秤の主要な機械的部分の縦断面図と電子工学的なブロツク回路図とが示されており、ケーシング3はただ部分的に示されているに過ぎない。」 「第2図 [図:0001435656000010.jpg] 」 ウ 3ページ右上欄3~12行 「さらに、秤皿20/22の内部には3のコイル24,25,26が配置されており、コイル24,25,26は軟磁性の帰路部材23上に固定されている。これらのコイル24,25,26には導線27と27’とを介して交流が供給されており、コイル24,25,26の上方の秤皿20上に回転磁界が生じるように、上記の交流の位相が互いに選択されている。攪拌磁石が上記の回転磁界によって秤皿20上の容器30内で連行駆動される。」 エ 3ページ左下欄6行~右下欄2行 「ケーシング3に固定された導線27,27’が可視性の接続部32を介して、絶縁作用を有するゴムクツシヨン13内の電流リード線33と接続されている。上記の可視性の接続部32は、計量システムに対する力の逆作用を防止するために必要である。電流リード線33は、ゴムクツシヨン13の上側の接触プレートで終わっている。対向部材31は下側に適当な形式で接触プレートを保持しており、この接触プレートにはコイル24,25,26へのリード線が接続されている。供電部材のこのような構成により、秤皿20/22は取外し可能で、例えば清掃可能であり、この秤皿20/22が再びゴムクツション13上に載置されるさいに、コイル24,25,26への電気的接続が再び自動的に行われる。」 (3) 引用文献8に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2007-18210号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の記載がある。 「【0009】 上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)の非接触型タグ10は、所定の無線呼出信号を受信する受信回路13と、前記呼出信号に含まれるIDコードと自己が保持するIDコードとを比較する比較回路15と、前記比較回路の比較一致出力を保持する保持回路16と、前記保持回路の出力により光又は音による応答信号を出力する出力回路17と、外部給電手段41からの電磁誘導によりコイル19に発生した誘起電圧を整流して前記各回路に給電する受電回路18と、を備えるものである。」 「【図1】 [図:0001435656000011.jpg] 」 「【0010】 本発明(1)の非接触型タグ10は、外部給電手段(給電線)41の近傍に置かれるだけで内部回路に給電開始され、稼働(呼出待機)状態になる。この状態で、外部の端末30から自己宛の無線呼出信号を受信すると、該信号に含まれるIDコードと自己が保持するIDコードとが一致し、その一致出力で駆動回路16を駆動する。該駆動回路16は一致出力により出力回路17を駆動し、光又は音による応答信号を出力すると共に、該一致出力を保持する。従って、ユーザに発見されるまで応答信号を出し続ける。そして、非接触型タグ10を発見したユーザが当該タグ10又は物品60を取り出すと、受電回路18への電磁誘導給電が遮断され、応答信号は停止する。」 「【0018】 以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図1は実施の形態による物品管理システムのブロック図で、端末30が物品管理データベースを備える基本的な場合を示している。図において、51は、好ましくは既設の物品収納棚、42は棚51の上に敷設した給電シート、41は給電シート42に埋設した給電線、40は給電線41に交番電流iを供給する給電部、60は棚51の上に置かれた管理対象の物品、10は物品60における前記給電シート42の近傍にセット(両面テープで貼り付け、磁石で吸着、物品ケースのポケットに収納等)した非接触型タグ(以下、単にIDタグとも呼ぶ)である。」 「【0039】 図7は棚51毎の給電シート42に供給する電源をその元で個別にON/OFF可能に構成した場合を示している。図において、給電部40からは給電バス43,44が各棚に伸びており、そのうちの給電バス44に関しては、棚51毎にスイッチ52A~52Cが設けられ、これにより給電電流をON/OFF可能になっている。 【0040】 棚51Aにおいて、この例の給電シート42は架50の裏面側に設けられており、その周囲を囲むように交番磁界Hが発生している。架50の、少なくとも交番磁界Hと鎖交する部分は、好ましくは、交番磁界Hによる誘導電流(渦電流)が流れにくい様に、非金属材料(木材合板等)により構成されている。給電シート42の上に直接物品を置かないので、給電シートの補強を簡略化できる利点がある。」 「【図7】 [図:0001435656000012.jpg] 」 (4) 周知技術1の認定 前記(1)~(3)に摘記した引用文献5、6、8の記載事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知技術であったと認められる。(以下「周知技術1」という。) <周知技術1> 「給電対象部材を所定箇所に載置することで電源との電気的接続が自動的に確立されるようにすること。」 6 本願発明と引用発明の対比 (1) 対比分析 本願発明と引用発明を対比する。 ア 構成Xの観点 (ア) 構成Xは、「商品仕入れシステム」の発明であることである。 (イ) 引用発明における「製品注文」は、「製品が仕入れられる棚」へ「多様な製品を仕入れ[る]」ために行われるといえるから、本願発明における「商品仕入れ」に相当する。 (ウ) 引用発明の「小売製品の在庫コントロールのためのシステムが製品注文システムと一体化されたシステム」は、「製品注文システム」を含むことから、前記(イ)を踏まえると、本願発明の「商品仕入れシステム」に相当する。 (エ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「商品仕入れシステム」の発明である点。 イ 構成Aの観点 (ア) 構成Aは、「少なくとも1つの商品収納区画(12)が設けられる商品棚ユニット(10)」を備えることである。 (イ) 引用発明における「棚Sの列」からなる構成は、本願発明における「商品棚ユニット(10)」に相当し、同様にして、「棚Sの列」からなる構成における「棚S」は、「商品棚ユニット(10)」に「設けられ[た]」「商品収納区画(12)」に相当する。 (ウ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「少なくとも1つの商品収納区画が設けられる商品棚ユニット」を備える点。 ウ 構成Bの観点 (ア) 構成Bは、「前記少なくとも1つの商品収納区画(12)の底部(14)に取り外し可能に配置される、少なくとも1つのシート状センサ素子(16)」を備えることである。 (イ) 引用発明における「棚Sの上部表面」と、本願発明における「前記少なくとも1つの商品収納区画(12)の底部(14)」とは、いずれも商品を置くことができる部位であることは明らかであるから、「前記少なくとも1つの商品収納区画の商品を置くことができる部位」である点で共通する。 (ウ)a 引用発明における「重量センサ30」が「含んで[いる]」「2つのフレキシブルなシート31および32」、「シート31および32が通常の曲がっていない状態にあるときに対立する導伝接触間のスペースを維持[する]」「第3のレイヤ35」、及び、「下側のシート32の下」に配置され「その上側の表面上に、複数の隆起した環状のバイアス領域41を形成し[た]」「底部シート40」からなる構成(以下「重量センサ構成」という。)は、「重量センサ30」が「底部シート40」を含むか否かが明らかでないものの、引用発明における下記(a)の構成、及び、引用文献1における下記(b)の記載を踏まえると、全体として重量センサとして機能すると解するのが相当であるから、本願発明における「センサ素子」に相当する。 (a) 引用発明における構成 「底部シート40は、その上側の表面上に、複数の隆起した環状のバイアス領域41を形成し、各環状のバイアス領域41は、製品がセンサ上に置かれているときに、下側のシート32における伝導接触34のうちの少なくとも1つと協働して、上側のシート31における伝導接触33に向かって下側シート32上の伝導接触34をバイアスし、バイアス領域は、センサの感度を増加させ、重量のわずかな差(約1オンスの10分の1)のみを有する製品を区別することが可能であ[る]」 (b) 引用文献1における請求項1の記載(前記(1)ア参照) 「第1のラミネートシートと、」「第2のラミネートシートと、」「前記第1のラミネートシートと前記第2のラミネートシートとの間に配置されたスペーサーレイヤと、複数の隆起した環状バイアス領域とを含む、重量センサ」 b 引用発明における重量センサ構成は、構成要素である「シート31および32」並びに「底部シート40」がいずれも「シート」であるから、全体として、本願発明における「シート状」に相当する構成を備えるといえる。 c 前記a及びbから、引用発明における重量センサ構成は、本願発明における「シート状センサ素子」に相当する。 (エ) 引用発明における重量センサ構成は、「底部シート40」が「棚Sの上部表面にある」から、棚Sの上部表面に配置されるものであるといえ、このことは、前記(イ)も踏まえると、本願発明において「前記少なくとも1つの商品収納区画(12)の底部(14)に取り外し可能に配置される」ことと、「前記少なくとも1つの商品収納区画の商品を置くことができる部位に配置される」点で共通する。 (オ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明の構成Bの観点における一致点及び相違点は、次のa及びbのとおりである。 a 構成Bの観点における一致点 「前記少なくとも1つの商品収納区画の商品を置くことができる部位に配置される、少なくとも1つのシート状センサ素子」を備える点。 b 構成Bの観点における相違点 (a) 「商品収納区画」における商品を置くことができる部位について、 本願発明においては、「底部」であるのに対して、 引用発明においては、「底部」といえるかどうかが明らかでない点。 (b) 「シート状センサ素子」が「配置される」態様について、 本願発明においては、「取り外し可能」であるのに対して、 引用発明においては、「取り外し可能」といえるかどうかが明らかでない点。 エ 構成Cの観点 (ア) 構成Cは、「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)のための外部電源(54、56、58)」を備えることである。 (イ) 引用発明は、「導体の対21および22が、電力源27」「を」「接続器29に接続し、」「接続器29」「は、電力」「を、棚Sの後端」「に」「沿って広がっているループ」「23a」「に運ぶために、各棚Sに提供され、」「ループ23a」「は、」「二次巻線23b」「に電磁気的に結合された一次巻線」「として機能し、」「これらの一次巻線および二次巻線は、後ループ23aと重量センサ30との間の電力」「を棚Sの上部表面に結合[する]」「複数の変換器を形成する」との構成を備える。 (ウ) 前記(イ)を踏まえると、引用発明における「電力源27」は、「重量センサ30」に「電力」を供給する電源であるといえるから、本願発明における「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)のための外部電源(54、56、58)」と、「前記少なくとも1つのシート状センサ素子のための電源」である点で共通する。 (エ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明の構成Cの観点における一致点及び相違点は、次のa及びbのとおりである。 a 構成Cの観点における一致点 「前記少なくとも1つのシート状センサ素子のための電源」を備える点。 b 構成Cの観点における相違点 電源について、 本願発明においては、「外部電源」であるのに対して、 引用発明においては、「外部電源」といえるかどうかが明らかでない点。 オ 構成Dの観点 (ア) 構成Dは、「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)によって生成された信号を評価することができるコントローラ(52)」を備えることである。 (イ) 引用発明における「制御装置28」は、本願発明における「コントローラ(52)」に相当する。 (ウ) 引用発明において「そのセンサ中の少なくとも1対の接触33および34を通って伝導[する]」「電流」は、「1対の接触33および34」により「電気的パス」が「形成[される]」ことによって生じ、当該「電気的パス」が「形成[された]」ことを示す情報としての側面を有するから、生成された信号であるといえ、また、「そのセンサ」が「重量センサ30a」を指すことが明らかであるから、前記ウ(ウ)も踏まえると、本願発明における「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)によって生成された信号」に相当する。 (エ) 引用発明における「制御装置28」は、「棚Sのこの領域に製品Pが存在することを示し」「1対の接触33および34を通って伝導[する]」「電流」を「監視」して、「電流を検出」しないときに「在庫切れ状態を示すアラート信号を発生させる」ものであるから、前記(ウ)も踏まえると、本願発明における「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)によって生成された信号を評価することができる」ことに相当する構成を備えることは明らかである。 (オ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記少なくとも1つのシート状センサ素子によって生成された信号を評価することができるコントローラ」を備える点。 カ 構成Eの観点 (ア) 構成Eは、「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と前記コントローラ(52)との間のデータリンク(50)」を備えることである。 (イ) 引用発明は、「導体の対21および22が、」「制御装置28」「を」「接続器29に接続し、」「接続器29」「は、」「通信信号」「を、棚Sの後端」「に」「沿って広がっているループ」「23a」「に運ぶために、各棚Sに提供され、」「ループ23a」「は、」「複数の二次巻線23b」「に電磁気的に結合された一次巻線」「として機能し、」「これらの一次巻線および二次巻線は、後ループ23aと重量センサ30との間の」「通信信号」「を棚Sの上部表面に結合」「する、複数の変換器を形成する」との構成を備える。 (ウ) 前記(イ)に加えて、前記オ(エ)も踏まえると、引用発明における「導体の対21および22」、「接続器29」、「ループ」「23a」及び「二次巻線23b」からなる構成は、「1対の接触33および34を通って伝導[する]」「電流」の信号を「制御装置28」に通信する際の経路として機能しているといえるから、本願発明における「前記少なくとも1つのシート状センサ素子(16)と前記コントローラ(52)との間のデータリンク(50)」に相当する。 (エ) したがって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記少なくとも1つのシート状センサ素子と前記コントローラとの間のデータリンク」を備える点。 キ 構成Fの観点 (ア) 構成Fは、「あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される」ことである。 (イ) 前記エ(イ)から、引用発明において、電力源27と重量センサ構成との間に電気的な接続が確立されていることは明らかであり、前記エ(ウ)も踏まえると、このことは、本願発明において「あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される」ことと、「前記電源と各シート状センサ素子との間の電気的接続が確立される」点で共通する。 (ウ) 以上の検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明の構成Fの観点における一致点及び相違点は、次のa及びbのとおりである。 a 構成Fの観点における一致点 「前記電源と各シート状センサ素子との間の電気的接続が確立される」点。 b 構成Fの観点における相違点 本願発明においては、電源が「外部電源」であって、「あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される」のに対して、 引用発明においては、電源が「外部電源」といえるかどうかが明らかでなく、重量センサ構成の配置と電力源27に対する電気的接続の関係について、本願発明における上記構成に相当する構成を備えない点。 (2) 一致点及び相違点 前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明は、次のアに示す一致点において一致し、後記イに示す相違点において相違すると認められる。 ア 一致点 「少なくとも1つの商品収納区画が設けられる商品棚ユニットと、 前記少なくとも1つの商品収納区画の商品を置くことができる部位に配置される、少なくとも1つのシート状センサ素子と、 前記少なくとも1つのシート状センサ素子のための電源と、 前記少なくとも1つのシート状センサ素子によって生成された信号を評価することができるコントローラと、 前記少なくとも1つのシート状センサ素子と前記コントローラとの間のデータリンクとを備える、 商品仕入れシステムであって、 前記電源と各シート状センサ素子との間の電気的接続が確立される、商品仕入れシステム」の発明である点。 イ 相違点 本願発明においては、 i 「商品収納区画」における商品を置くことができる部位が、「底部」であって、 ii 電源が「外部電源」であって、 iii 「シート状センサ素子」が「配置される」態様が、「取り外し可能」であって、「あるシート状センサ素子(16)がある商品収納区画(12)の底部に配置されるときに、前記外部電源(54、56、58)と各シート状センサ素子(16)との間の電気的接続が自動的に確立されるように配置される」のに対して、 引用発明においては、 i 棚Sにおける商品を置くことができる部位が、「底部」といえるかどうかが明らかでなく、 ii 電力源27が「外部電源」といえるかどうかが明らかでなく、 iii 重量センサ構成が配置される態様が、「取り外し可能」であるかどうかが明らかでなく、重量センサ構成の配置と電力源27に対する電気的接続の関係について、本願発明における上記構成に相当する構成を備えない点。 7 判断 (1) 相違点について ア iの構成について 店舗において商品を陳列するに際して、底部が観念できるような構造の棚を用いて当該底部に商品を置くようにすることは、例を挙げるまでもなく常套手段にすぎないから、引用発明においてそのような構成を採用することで、前記相違点に係る本願発明のiの構成を備えるようにすることは、当業者にとって自明な設計事項にすぎない。 イ iiの構成について (ア) 「外部電源」の解釈 a 本願明細書の発明の詳細な説明における記載 本願明細書の発明の詳細な説明において、「外部電源」に関して次の記載がある(下線は当合議体が付したものである。)。 「【0035】 エネルギー供給装置は、所望の信号が生成され得るようにセンサ素子に電気エネルギーを適切に供給するために、センサ素子16の各々に設けられる。 【0036】 エネルギー供給装置は、特定の動作期間に必要な電気エネルギーを提供するために、各センサ素子16に統合される電池として実装され得る。 【0037】 エネルギーはまた、外部から供給され得る。図1に示す例示的実施形態では、エネルギー供給装置は、センサ素子16上の電気接点54、および商品棚ユニット10に強固に取り付けられる電気接点56を含む。この場合、接点56は、ケーブル58によって電源(ここではより詳細には示されない)に接続される。 【0038】 電気接点54、56の代わりに、コイルをセンサ素子16および商品棚ユニット10に設けることもでき、前述のコイルはともに誘導結合し、その結果、エネルギーが商品収納棚ユニットからセンサ素子に伝達され得る。」 b 解釈 前記aにおいて摘記した事項を踏まえると、本願発明における「外部電源」とは、「電池等の形態でセンサ素子の各々に統合されて実装されておらず、各センサ素子と独立して設けられた電源」を意味すると解するのが相当である。 (イ) 前記(ア)bの解釈に基づく検討 前記6(1)エにおける検討事項を踏まえると、引用発明における「電力源27」は、重力センサ構成の各々に統合されて実装されたものではなく、各重力センサ構成と独立して設けられたものであることが明らかであるから、前記(ア)bの解釈を踏まえると、本願発明における「外部電源」に相当するといえる。 したがって、前記iiの構成についての相違点が、実質的な相違点であるとは認められない。 また、仮に前記iiの構成についての相違点を実質的な相違点とすべきとしても、引用発明においてそのような相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすること、例えばケーブルによって商用電源に接続することなどは、当業者にとって自明な設計事項にすぎない。 ウ iiiの構成について (ア) 前記5(4)において周知技術1として認定したとおり、次の事項は周知技術である。 「給電対象部材を所定箇所に載置することで電源との電気的接続が自動的に確立されるようにすること。」 (イ)a 故障した際の点検・検査のしやすさや、故障や劣化、汚れ等に対するメンテナンスのしやすさ等を考慮して、装置を、取り外し可能な複数の要素を接続したものとすることは、電気製品全般において極めて普通に用いられる設計思想にすぎない。 b ここで、電気製品である引用発明における重量センサ構成について、他の構成要素から取り外せた方が、点検・検査やメンテナンスのしやすさの観点で好ましいことは明らかであるから、当業者にとって、前記aの設計思想を採用して、他の構成要素に対して取り外し可能に接続できるようにする契機は存在するといえる。 (ウ) そして、引用発明において、前記ア及びイにおいて検討した構成を採用しつつ、前記(イ)bの契機に基づいて重量センサ構成を他の構成要素に対して取り外し可能に接続できるようにするに際して、重量センサ構成に対する給電構造をどのようにするかは当業者が適宜決定すべき事項にすぎないところ、前記周知技術1を採用することで、前記相違点に係る本願発明のiiiの構成を備えるようにすることは、当業者にとって自明な設計事項にすぎない。 (2) 総合評価 前記(1)において検討したとおり、引用発明において、前記相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 8 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、引用発明において、重量センサが他の構成要素から不可分に実装されていることが明白である上、全体として有線接続を前提とする引用発明に取り外し可能な重量センサをどのように適用するのかが明らかでないから、本願発明は引用発明及び他の周知技術に対して進歩性を有する旨を主張している。 しかしながら、仮に引用発明において重量センサ構成が他の構成要素から不可分に実装されているとしても、引用発明における重量センサ構成について前記7(1)ウ(イ)aに説示した設計思想を採用することが妨げられるとはいえず、有線接続されていることと取り外し可能であることとは両立できる構成である上、そもそも引用発明において必ず有線接続を採用しなければならないとする事情も見当たらないから、請求人の上記主張は、前記7(2)の結論を左右するものではない。 9 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-012587

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