特許拒絶査定不服審判
2024-012046
サーバシステム、処理方法及びプログラム
- 審判番号
- 2024-012046
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-109129
- 請求日
- 2024年07月22日
- 審決日
- 2025年01月29日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人北斗特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 渋谷 知子
- 審判官 濱本 禎広
- 審判官 三橋 健二
- 分類
- P18 .121-Z (E05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-109129「サーバシステム、処理方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月13日出願公開、特開2022- 6722〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月24日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年10月19日付け:拒絶理由通知
令和6年 2月26日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月24日付け:拒絶査定
(同月30日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月22日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年2月26日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。
なお、後記第5の対比の議論のために、請求項1の記載を便宜上次のように構成A~構成Gに分説する。
「【請求項1】
(構成A)施設の施解錠及び開閉のうち少なくとも一方に対する操作に係る処理を行うサーバシステムであって、
(構成B)前記操作を行うための操作関連情報を出力する施設側出力部と、
(構成C)前記サーバシステムとは異なる外部連携システムから前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報の入力を受け付ける外部システム側入力部と、を備え、
(構成D)前記施設側出力部は、前記認証情報に基づいて得られる情報であって前記操作の正当性に係る情報を前記操作関連情報として出力し、
(構成E)前記外部システム側入力部は、APIを利用して前記認証情報の入力を前記外部連携システムから受け付け、
(構成F)前記APIは、複数の機能を含んでおり、前記外部連携システムにより選択可能に構成されており、
(構成G)前記複数の機能は、前記外部連携システムから前記認証情報の入力を受け付ける機能、前記操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力を受け付ける機能、及び前記操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力を受け付ける機能を含む、
サーバシステム。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明に対する理由4(進歩性の欠如)の概要のうちの1つは、次のとおりである。
(進歩性の欠如) 本願発明は、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特許第6603432号公報(主たる引用例)
引用文献4.特開2018-59317号公報
第4 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
1 引用文献1に記載された事項と引用発明の認定
(1) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された、前記引用文献1(特許第6603432号公報)には、以下の事項が記載されている。下線は、当審において付したものであり、以下同様である。
ア 【0017】~【0032】、【図1】
「【0017】
一実施形態における自動ドア解錠システム1について説明する。自動ドア解錠システム1が、本件開示の技術の一側面に係るオートロック式ドア解錠システムの一例である。なお、以下の説明では、サービスの一例として荷物の配送サービスを想定する。そして、サービスの利用者である荷物の受取人に荷物が配送される場合に、サービスの提供者である荷物の配達員が、自動ドア解錠システム1が導入された施設を訪問し、施設の自動ドアを解錠する場合を想定する。図1Aに示すように、自動ドア解錠システム1は、情報処理端末10、管理サーバ30、応答ロボット60を有する。
【0018】
図1Bに、自動ドア解錠システム1の使用例を模式的に示す。管理サーバ30は、ECサイトにおける注文に関する注文情報を管理する注文情報サーバ40と、注文に係る商品の発送から配達完了までの配送状況に関する配送情報を管理する配送情報サーバ50とそれぞれ接続されている。管理サーバ30は、注文情報サーバ40および配送情報サーバ50と、API(Application Program Interface)による連携によって、以下に説明する情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されている。」
「【図1】
[図:0001421287000001.jpg]
」
「【0019】
ここで、注文情報サーバ40によって管理される注文情報には、注文内容、荷物IDなどの荷物を特定する情報、荷物の配達における配達日時の指定、荷物の置き配の指定の有無、置き配における荷物の配置場所などの置き配の条件、荷物の発送状況など、注文や発送に関する種々の情報が含まれてよい。また、配送情報サーバ50によって管理される配送情報には、荷物IDなどの荷物を特定する情報、荷物の置き配の指定の有無、置き配における荷物の置き場所などの条件、荷物の発送から配達完了にいたるまでの配送状況など、荷物の配送に関する種々の情報が含まれてよい。
【0020】
管理サーバ30は、注文情報サーバ40から、発送された荷物を特定する情報や注文時に受取人によって指定される置き配の条件に関連する情報を取得する。また、管理サーバ30は、配送情報サーバ50から、荷物の配送状況を示す情報や荷物の配送中に受取人によって指定される置き配の条件に関連する情報を取得する。ここで、管理サーバ30が配送情報サーバ50からも荷物の置き配に関連する情報を取得することで、例えば、荷物の受取人が、注文時には置き配を指定せず、荷物が発送された後で当該荷物の配達形態を置き配に変更した場合でも、後述する自動ドアを解錠するための処理を実行することができる。
【0021】
また、管理サーバ30および注文情報サーバ40は、それぞれ荷物の受取人が所有する情報処理端末120と通信を行う。なお、管理サーバ30と情報処理端末120との間の情報の送受信や注文情報サーバ40と情報処理端末120との間の情報の送受信の詳細については後述する。
【0022】
図1Bに示すように、本実施形態では、荷物80の配達員100が、施錠状態にある自動ドア110の近くまで荷物80を運搬する。配達員100は、配達員100に割り当てられた情報処理端末10を携行している。情報処理端末10は、配達を行う荷物80を含む複数の荷物の配達状況に応じた業務を行うために配達員100が使用するいわゆる業務端末であってもよく、配達員100が携行する業務端末以外の端末であってもよい。
【0023】
自動ドア110の解錠や施錠、開閉などの種々の動作は、自動ドア制御装置90によって行われる。また、自動ドア制御装置90は、自動ドア110の解錠および施錠や開閉動作など、自動ドア110の駆動を行う図示しない駆動部を有する。自動ドア制御装置90は、施設内に設置されているインターホン70と接続されている。本実施形態では、自動ドア110が設置された施設内に複数の居室が設けられ、各居室にインターホンが設置されているものとする。図1Bには、それらのインターホンを1つのインターホン70に代表させて示す。なお、インターホンが、自動ドア110の解錠を許可する、サービスの利用者の居室に設けられたドアの解錠要求装置の一例である。
【0024】
また、本実施形態では、応答ロボット60と管理サーバ30との間の通信接続があらかじめ構成されており、応答ロボット60は管理サーバ30からの指示に従って動作する。応答ロボット60は、管理サーバ30からの動作指示を受信すると、可動部を駆動する。応答ロボット60は、可動部が駆動したときにインターホン70が備える自動ドア110の解錠ボタン701を押下するように、居室内に設置されている。
【0025】
本実施形態では、荷物80の受取人が、配達員100が荷物80の配達のために施設に到着する前に、荷物80の配達形態として置き配を指定している。また、管理サーバ30は、荷物80の受取人を識別するユーザIDと応答ロボット60との対応関係に関する情報を記憶部に記憶している。ここで、荷物の受取人のユーザIDとは、受取人と配達先の住所との組み合わせを一意に識別する識別情報を意味し、受取人を示す情報と配達先の住所を示す情報とが組み合わされた情報であってもよいし、別途に設定される番号等であってもよい。例えば、荷物80の受取人が情報処理端末120でプログラムを実行することで、荷物80の置き配の指定や、荷物80の受取人のユーザIDと応答ロボット60との対応関係に関する情報の管理サーバ30への送信を行うことができる。なお、ユーザIDと応答ロボット60との対応関係を示す情報が、作動手段情報の一例である。また、管理サーバ30の制御部が、作動手段情報を取得する作動手段情報取得手段の一例である。
【0026】
本実施形態では、受取人は、情報処理端末120を操作して、ECサイトにおける商品の注文時に、当該注文に係る荷物の置き配を指定し、自動ドア110の解錠を許可する(図の丸数字1)。そして、注文された商品が荷物80として発送され、注文情報サーバ40から、受取人のユーザIDと荷物80に固有の識別番号である荷物ID80aとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信される(図の丸数字2)。管理サーバ30は、受信した荷物ID80aを基に、配送情報サーバ50に荷物80の配送状況を随時問い合わせる(図の丸数字3)。
【0027】
配達員100は、荷物80とともに施設に到着すると、自動ドア110の近くで情報処理端末10を操作して、荷物80に貼付されている配達伝票に記載された荷物ID80aを情報処理端末10で取得する(図の丸数字4)。例えば、配達員100は、情報処理端末10に搭載されているカメラで荷物80の荷物ID80aを撮像し、情報処理端末10に撮像した画像から荷物80の荷物ID80aを認識する処理を実行させることで、情報処理端末10に荷物80の荷物ID80aを取得させる。そして、配達員100は、情報処理端末10を操作して、取得した荷物ID80aを用いた自動ドア110の解錠要求を情報処理端末10から管理サーバ30に送信する(図の丸数字5)。
【0028】
管理サーバ30は、情報処理端末10から受信した荷物ID80aを用いて、荷物80の配送状況や荷物80の配達に対する自動ドア110の解錠の許可の有無を確認する。管理サーバ30は、荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合に、情報処理端末10に、情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示を送信する(図の丸数字6)。
【0029】
情報処理端末10は、管理サーバ30から送信された上記の指示を受信すると、表示部に、自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する。配達員100は、情報処理端末10の表示部に解錠ボタンが表示されていることを確認した後、施設に設置されている居室呼び出し用のインターホン20を操作して、荷物80の配達先である居室を呼び出す(図の丸数字7)。これにより、呼び出し先の居室のインターホン70が作動し、インターホン70の自動ドア110の解錠ボタン701は、解錠ボタン701の押下によって自動ドア110の解錠が可能な状態になる。
【0030】
続いて、配達員100は、情報処理端末10の表示部に表示されている実行ボタンを押して自動ドア110の解錠を指示する。情報処理端末10は、実行ボタンが押されて自動ドア110の解錠が指示されたことの通知を管理サーバ30に送信する(図の丸数字8)。管理サーバ30は、情報処理端末10から当該通知を受信すると、応答ロボット60に動作指示を送信する(図の丸数字9)。
【0031】
応答ロボット60は、管理サーバ30から動作指示を受信すると、可動部を駆動する。この結果、応答ロボット60の可動部によってインターホン70の解錠ボタンが押下される(図の丸数字10)。そして、インターホン70から自動ドア制御装置90に自動ドア110の解錠要求が送信される(図の丸数字11)。自動ドア制御装置90は、解錠要求を受信すると、自動ドア110を解錠して開く。そして、配達員100は、荷物80とともに自動ドア110を通って施設内に入り、置き配による荷物80の配達を完了する。
【0032】
自動ドア解錠システム1では、荷物80の荷物ID80aを基に自動ドア110が解錠されるため、荷物80の配達員100が別の配達員100’に変更された場合でも、変更後の配達員は、自身が携行する、情報処理端末10とは別の情報処理端末10’を使用して自動ドア110を解錠することができる。また、情報処理端末10が盗難などにより配達員100以外の第三者によって使用される場合でも、第三者には荷物80の荷物ID80aは不明である以上、第三者は情報処理端末10を用いて自動ドア110を解錠することはできない。また、荷物80の配送に対して自動ドア110が解錠されるのは、受取人によってあらかじめ荷物80の配送に対して自動ドア110の解錠が許可されていること、応答ロボット60が設置された居室を配達先とする荷物80が配送中に、配達員がインターホン20によって居室に対する呼び出しをすること、さらに呼び出しによって居室内のインターホン70が作動中に応答ロボット60も作動することが必要となり、これら以外の場合は自動ドア110の解錠は行われないため、従来の自動ドア解錠システムよりも堅牢性が高まることが期待できる。以上が、自動ドア解錠システム1の使用例についての説明である。なお、自動ドア解錠システム1において実行される処理の詳細については後述する。」
イ 【0036】、【0037】、【図2】
「【0036】
ここで、管理サーバ30の構成について説明する。管理サーバ30は、注文情報401を記憶する注文情報サーバ40、配送情報501を記憶する配送情報サーバ50とそれぞれ通信する。管理サーバ30は、制御部301、記憶部302、通信部303を有する。
【0037】
制御部301は、管理サーバ30内の各部の動作を制御する。また、制御部301は、管理サーバ30で実行される処理を制御する。制御部301は、例えばCPUによって実現される。記憶部302は、荷物の受取人のユーザIDと荷物IDとの対応関係を示すリスト302aを記憶する。また、記憶部302は、荷物の受取人のユーザIDと応答ロボット60との対応関係を示す情報を記憶する。また、記憶部302は、管理サーバ30で実行される処理に使用されるプログラムや注文情報サーバ40や配送情報サーバ50から受信する情報を記憶する。記憶部302は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)によって実現される。通信部303は、情報処理端末10、120、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50、応答ロボット60との通信を行う。通信部303は、例えば通信インターフェイスによって実現される。なお、注文情報サーバ40と配送情報サーバ50は、管理サーバ30と同様の構成を有し、管理サーバ30から受信する要求に応じた処理を実行する。また、情報処理端末120も、情報処理端末10と同様の構成を有する。情報処理端末120は、管理サーバ30および注文情報サーバ40と通信する。」
「【図2】
[図:0001421287000002.jpg]
」
(2) 引用発明の認定
前記(1)の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明の認定に用いた記載箇所を参考までに括弧内に付してある。以下同様である。)。
<引用発明>
「施設の自動ドアを解錠する自動ドア解錠システム1の管理サーバ30であって、(【0017】)
管理サーバ30は、制御部301、記憶部302、通信部303を有し、(【0036】)
記憶部302は、荷物の受取人のユーザIDと荷物IDとの対応関係を示すリスト302aを記憶し、通信部303は、情報処理端末10、120、注文情報サーバ40、配送情報サーバ50、応答ロボット60との通信を行い、通信部303は、例えば通信インターフェイスによって実現され、(【0037】)
管理サーバ30は、ECサイトにおける注文に関する注文情報を管理する注文情報サーバ40と、注文に係る商品の発送から配達完了までの配送状況に関する配送情報を管理する配送情報サーバ50とそれぞれ接続されており、管理サーバ30は、注文情報サーバ40および配送情報サーバ50と、API(Application Program Interface)による連携によって、情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されており、(【0018】)
荷物80の受取人は、情報処理端末120を操作して、ECサイトにおける商品の注文時に、当該注文に係る荷物の置き配を指定し、自動ドア110の解錠を許可し、注文された商品が荷物80として発送され、注文情報サーバ40から、受取人のユーザIDと荷物80に固有の識別番号である荷物ID80aとの対応関係を示す情報が管理サーバ30に送信され、記憶部302は、注文情報サーバ40や配送情報サーバ50から受信する情報を記憶し、管理サーバ30は、受信した荷物ID80aを基に、配送情報サーバ50に荷物80の配送状況を随時問い合わせ、(【0025】、【0026】、【0037】)
配達員100は、荷物80とともに施設に到着すると、自動ドア110の近くで情報処理端末10を操作して、荷物80に貼付されている配達伝票に記載された荷物ID80aを情報処理端末10で取得し、配達員100は、情報処理端末10を操作して、取得した荷物ID80aを用いた自動ドア110の解錠要求を情報処理端末10から管理サーバ30に送信し、(【0027】)
管理サーバ30は、情報処理端末10から受信した荷物ID80aを用いて、荷物80の配送状況や荷物80の配達に対する自動ドア110の解錠の許可の有無を確認し、管理サーバ30は、荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合に、情報処理端末10に、情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示を送信し、(【0028】)
配達員100は、情報処理端末10の表示部に解錠ボタンが表示されていることを確認した後、施設に設置されている居室呼び出し用のインターホン20を操作して、荷物80の配達先である居室を呼び出し、これにより、呼び出し先の居室のインターホン70が作動し、インターホン70の自動ドア110の解錠ボタン701は、解錠ボタン701の押下によって自動ドア110の解錠が可能な状態になり、(【0029】)
続いて、配達員100は、情報処理端末10の表示部に表示されている実行ボタンを押して自動ドア110の解錠を指示し、情報処理端末10は、実行ボタンが押されて自動ドア110の解錠が指示されたことの通知を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30は、情報処理端末10から当該通知を受信すると、応答ロボット60に動作指示を送信し、(【0030】)
応答ロボット60は、管理サーバ30から動作指示を受信すると、可動部を駆動し、この結果、応答ロボット60の可動部によってインターホン70の解錠ボタンが押下され、インターホン70から、自動ドア110の解錠や施錠、開閉などの種々の動作を行う自動ドア制御装置90に自動ドア110の解錠要求が送信され、自動ドア制御装置90は、解錠要求を受信すると、自動ドア110を解錠して開く、(【0023】、【0031】)
管理サーバ30。」
2 引用文献4技術事項の認定
(1) 引用文献4に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された、前記引用文献4(特開2018-59317号公報)には、以下の事項が記載されている。
ア 【0019】~【0027】、【図1】
「【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る概念を示すブロック図である。
図1に示すように、電気錠制御装置100は、暗証番号生成手段110、暗証番号格納部120、暗証番号認証手段130、電気錠制御手段140、ログ情報格納部150、および通知手段160を備えている。」
「【図1】
[図:0001421287000003.jpg]
」
「【0020】
暗証番号生成手段110は、図示しない通行扉200に備えられた電気錠210を解錠するための暗証番号を定期的に生成するものであり、暗証番号格納部120および通知手段160に接続されている。
暗証番号生成手段110が暗証番号を生成すると、生成された暗証番号は暗証番号格納部120に格納され、暗証番号の生成が完了した信号が通知手段160に伝えられる。
【0021】
暗証番号認証手段130は、図示しない暗証番号入力手段300から入力された入力番号と暗証番号とを照合し、入力番号と暗証番号とが完全に一致するか否かを判断するものであり、暗証番号格納部120、電気錠制御手段140、ログ情報格納部150、および暗証番号入力手段300に接続されている。
【0022】
暗証番号入力手段300は例えばテンキーであって、暗証番号入力手段300から入力された入力番号が暗証番号認証手段130に伝わると、入力番号と暗証番号格納部120に格納された暗証番号とを照合し、入力番号と暗証番号とが完全に一致するか否かを判断する。
【0023】
入力番号と暗証番号とが完全に一致した場合は、電気錠制御手段140に信号を伝え、一致しなかった場合は図示しない暗証番号入力手段300にエラー表示などを表示させる信号を伝える。また、暗証番号認証手段130が判断した結果は、ログ情報格納部150に記録される。
【0024】
電気錠制御手段140は、図示しない通行扉200に備えられた電気錠210の施解錠を制御するためのものであり、暗証番号認証手段130、ログ情報格納部150、および電気錠210に接続されている。
【0025】
入力番号と暗証番号とが完全に一致した信号が電気錠制御手段140に伝わると、電気錠制御手段140は電気錠210の解錠を行い、解錠を行った情報をログ情報格納部150に記録する。
【0026】
次に解錠された通行扉200は開扉され利用者が通過する。その後、通行扉200が閉扉すると電気錠制御手段140は電気錠210の施錠を行い、施錠を行った情報をログ情報格納部150に記録する。
【0027】
通知手段160は、生成された暗証番号およびログ情報を利用者に通知するためのものであり、暗証番号生成手段110、暗証番号格納部120、ログ情報格納部150、および図示しないネットワーク400を介してインターネット500に接続されている。」
イ 【0036】~【0047】、【図3】
「【0036】
図3は、通知手段の詳細を示すブロック図である。
図3に示すように、通知手段160は、通知指示部161、送信内容生成部162、送信先格納部163、送信部164、およびログ情報通知周期格納部165を備えている。」
「【図3】
[図:0001421287000004.jpg]
」
「【0037】
通知指示部161は、暗証番号の通知を指示するためのものであり、送信内容生成部162、ログ情報通知周期格納部165、および暗証番号生成手段110が備える暗証番号生成部113が接続されている。
【0038】
通知指示部161は、暗証番号生成部113から暗証番号の生成が完了した信号が伝わると、利用者に例えばメールで暗証番号を通知するための送信内容を生成する指示を送信内容生成部162に伝える。
【0039】
またログ情報通知周期格納部165に格納されたログ情報を通知する周期を参照し、通知周期に従って送信内容生成部162にログ情報を通知する指示を、通知指示部161が送信内容生成部162に伝える。
【0040】
またログ情報の通知指示は、ログ情報通知周期格納部165に格納された変更周期だけでなく、暗証番号入力手段300などの外部機器から通知指示部161を介して送信内容生成部162に通知指示を行うこともできる。
ログ情報通知周期格納部165は、暗証番号入力手段300や図示しない外部端末を接続して任意の周期を設定することができる。
【0041】
また電気錠制御装置100にウェブサーバ機能を持たせ、ネットワーク400を介してログ情報の通知する指示を行うためのウェブページを提供し、ウェブサーバから供給されたウェブページを接続した端末機器上でログ情報の通知指示を行うこともできる。
なお電気錠制御装置100に接点入力部を持たせ、接点入力部から接続したスイッチボタンなどからログ情報の通知指示を行うこともできる。
【0042】
送信内容生成部162は、暗証番号またはログ情報を通知するための送信内容を生成するためのものであり、通知指示部161、送信先格納部163、送信部164、暗証番号格納部120、およびログ情報格納部150に接続されている。
【0043】
通知指示部161から通知指示が伝わると、送信内容生成部162は暗証番号格納部120またはログ情報格納部150を参照して、例えばメールの本文に暗証番号またはログ情報が記載された送信内容を生成する。
【0044】
送信先格納部163には、暗証番号およびログ情報の通知する内容ごとに送信する送信先の情報が格納されている。例えば通知媒体がメールの場合、暗証番号の送信先は通行扉200を利用する利用者のメールアドレス、ログ情報の送信先は管理者のメールアドレスが格納されている。
【0045】
このように通知する内容によって通知する送信先だけを送信先格納部163で管理者が管理すればよいので、例えば退職者のような通行扉200を利用させたくない人が発生した場合、退職者の送信先を管理者が送信先格納部163から削除するだけで暗証番号が通知されなくなる。
【0046】
生成された送信内容は、送信部164によって送信される。例えば通知媒体がメールの場合は、ネットワーク400を介してインターネット500に接続された送信部164がメールサーバを利用してメールを送信する。
【0047】
送信されたメールは、利用者の端末機器が受信し、更新された暗証番号またはログ情報を確認することができる。
また、送信部164は図示しない暗号化手段を備え、暗号化手段が送信するメールを暗号化し、その暗号化されたメールを送信部164が送信することでセキュリティ機能を更に向上することができる。」
(2) 引用文献4技術事項の認定
前記(1)の記載事項を総合すると、引用文献4には、次の技術事項(以下「引用文献4技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
<引用文献4技術事項>
「暗証番号認証手段130、電気錠制御手段140、ログ情報格納部150、および通知手段160を備える電気錠制御装置100であって、(【0019】)
暗証番号認証手段130は、暗証番号入力手段300から入力された入力番号と暗証番号格納部120に格納された暗証番号とを照合し、入力番号と暗証番号とが完全に一致するか否かを判断するものであり、(【0021】、【0022】)
暗証番号認証手段130が判断した結果は、ログ情報格納部150に記録され、(【0023】)
入力番号と暗証番号とが完全に一致した信号が電気錠制御手段140に伝わると、電気錠制御手段140は電気錠210の解錠を行い、解錠を行った情報をログ情報格納部150に記録し、(【0025】)
通知手段160は、ログ情報を利用者に通知するためのものであり、ネットワーク400を介してインターネット500に接続されており、(【0027】)
通知手段160は、通知指示部161、送信内容生成部162、送信部164、およびログ情報通知周期格納部165を備えており、(【0036】)
電気錠制御装置100にウェブサーバ機能を持たせ、ネットワーク400を介してログ情報の通知する指示を行うためのウェブページを提供し、ウェブサーバから供給されたウェブページを接続した端末機器上でログ情報の通知指示を行うこともでき、(【0041】)
通知指示部161から通知指示が伝わると、送信内容生成部162はログ情報格納部150を参照して、例えばメールの本文にログ情報が記載された送信内容を生成し、(【0043】)
生成された送信内容は、送信部164によって送信され、例えば通知媒体がメールの場合は、ネットワーク400を介してインターネット500に接続された送信部164がメールサーバを利用してメールを送信し、(【0046】)
送信されたメールは、利用者の端末機器が受信し、ログ情報を確認することができる、(【0047】)
電気錠制御装置100。」
第5 対比
1 対比分析
本願発明と引用発明を対比する。
(1) 構成Aについて
ア 引用発明の「施設の自動ドアを解錠する自動ドア解錠システム1の管理サーバ30」は、本願発明の「サーバシステム」に相当する。
イ(ア) 引用発明の「管理サーバ30」は、「荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合に、情報処理端末10に、情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示を送信[する]」ものである。
(イ) そして、引用発明においては、「情報処理端末10の表示部に表示されている実行ボタンを押して自動ドア110の解錠を指示し、情報処理端末10は、実行ボタンが押されて自動ドア110の解錠が指示されたことの通知を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30は、情報処理端末10から当該通知を受信すると、応答ロボット60に動作指示を送信し」、「応答ロボット60は、管理サーバ30から動作指示を受信すると、可動部を駆動し、この結果、応答ロボット60の可動部によってインターホン70の解錠ボタンが押下され、インターホン70から、自動ドア110の解錠や施錠、開閉などの種々の動作を行う自動ドア制御装置90に自動ドア110の解錠要求が送信され、自動ドア制御装置90は、解錠要求を受信すると、自動ドア110を解錠して開く」ものである。
(ウ) 前記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用発明の「管理サーバ30」が「情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示を送信[する]」処理は、「自動ドア110を解錠して開く」操作に係る処理であるといえるから、本願発明の「施設の施解錠及び開閉のうち少なくとも一方に対する操作に係る処理」に相当する。
ウ したがって、本願発明と引用発明は、「施設の施解錠及び開閉のうち少なくとも一方に対する操作に係る処理を行うサーバシステム」の発明である点において一致する。
(2) 構成Cについて
事案に鑑み、構成Cについて先に検討する。
ア(ア) 本願発明の「外部連携システム」について、本願明細書には次の記載がある。
「【0030】
本実施形態の外部連携システム2は、サーバシステム1とは別のシステムであって、例えば、システムの運用主体(管理主体)がサーバシステム1とは別である。つまり、サーバシステム1の運用をA社が行う場合、外部連携システム2はB社の運用に係るシステムである。外部連携システム2は、ネットワークNT1に接続されている。この場合、サーバシステム1は、外部連携システム2から送信された指示に従って、特定動作をサーバシステム1は実行する。」
(イ) 前記(ア)の記載を踏まえると、本願発明において、「外部連携システム」の「外部」とは、「運用主体(管理主体)が別である」ことを意味するものと解釈される。
イ(ア) 引用発明の「注文情報サーバ40」は、「ECサイトにおける注文に関する注文情報を管理する」ものであり、「配送情報サーバ50」は、「注文に係る商品の発送から配達完了までの配送状況に関する配送情報を管理する」ものであり、「管理サーバ30」は、「施設の自動ドアを解錠する自動ドア解錠システム1」に含まれるから、引用発明の「注文情報サーバ40」及び「配送情報サーバ50」は、「管理サーバ30」とは、運用主体(管理主体)が別であると認められる。
(イ) また、引用発明の「注文情報サーバ40」及び「配送情報サーバ50」は、「管理サーバ30」と「API(Application Program Interface)による連携によって」、「情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されている」ものである。
(ウ) 前記ア、(ア)及び(イ)の検討を踏まえると、引用発明の「注文情報サーバ40」及び「配送情報サーバ50」は、本願発明の「前記サーバシステムとは異なる外部連携システム」に相当する。
ウ 引用発明の「注文情報サーバ40から」「管理サーバ30に送信され」、「管理サーバ30」の「記憶部302」が「記憶し[た]」「荷物80に固有の識別番号である荷物ID80a」は、「荷物80の受取人」が「荷物の置き配を指定し、自動ドア110の解錠を許可し[た]」ときに「管理サーバ30」に送信されるものであり、これによって、「情報処理端末10から受信した荷物ID80a」を用いて、「荷物80の配達に対する自動ドア110の解錠の許可の有無を確認[する]」ものであるから、本願発明の「前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報」に相当する。
エ 前記イ及びウを踏まえると、引用発明の「管理サーバ30」の「注文情報サーバ40」「との通信を行[う]」「通信部303」は、本願発明の「前記サーバシステムとは異なる外部連携システムから前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報の入力を受け付ける外部システム側入力部」に相当する。
オ したがって、本願発明と引用発明は、「前記サーバシステムとは異なる外部連携システムから前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報の入力を受け付ける外部システム側入力部」を備える点において一致する。
(3) 構成B、Dについて
事案に鑑み、構成B、Dをまとめて検討する。
ア(ア) 本願発明の「操作関連情報」について、本願明細書には次の記載がある。
「【0040】
施設側入力部111は、共用扉E11の施解錠の操作に対する正当性の認証を行うための操作側認証情報の入力を集合施設5に設けられたロビーインターホン11から通信部101を介して受け付ける。具体的には、施設側入力部111は、操作側認証情報、集合施設5に対応する識別子、ロビー番号を含む入力情報を、ロビーインターホン11から通信部101を介して受け付ける。
【0041】
施設側出力部112は、共用扉E11の施解錠の操作を行うための操作関連情報を出力する。具体的には、施設側出力部112は、認証情報に基づいて得られる情報であって上記操作の正当性に係る情報を操作関連情報として出力する。例えば、施設側出力部112は、外部システム側入力部113によって入力された認証情報が記憶部102に存在する場合に、上記操作の正当性に係る情報を操作関連情報として出力する。より詳細には、施設側出力部112は、認証結果を、ロビーインターホン11に通信部101を介して送信する。例えば、施設側出力部112は、外部システム側入力部113から出力された(当審注:「入力された」の誤記。)認証情報が記憶部102に存在する場合において、施設側入力部111が操作側認証情報を受け付けると、認証情報と操作側認証情報とを用いた上記操作に対する正当性の認証の結果を含む操作関連情報を出力する。」
(イ) 前記(ア)の記載を踏まえると、本願発明において、「操作関連情報」とは、「例えば、(外部連携システムから入力された)認証情報が(サーバーシステムの)記憶部102に存在する場合において、施設側入力部111が操作側認証情報を受け付けると施設側出力部112から出力される、認証情報と操作側認証情報とを用いた、(共用扉E11の施解錠の)操作に対する正当性の認証の結果を含む」情報を意味するものと解釈される。
イ 前記アを踏まえると、引用発明において、「管理サーバ30」が「情報処理端末10」に送信する、「情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示」は、「情報処理端末10から受信した荷物ID80aを用いて、荷物80の配送状況や荷物80の配達に対する自動ドア110の解錠の許可の有無を確認し」、「荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合」に送信されるものであり、すなわち、入力された荷物ID80aが、自動ドア110を解錠する正当性を有していることを認証した結果として送信されるものであるから、本願発明の「(操作の正当性に係る情報としての)操作関連情報」に相当する。
ウ そして、引用発明の「管理サーバ30」の「情報処理端末10」「との通信を行[う]」「通信部303」は、「情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示」を出力する出力部であり、「配達員100は、情報処理端末10の表示部に表示されている実行ボタンを押して自動ドア110の解錠を指示し、情報処理端末10は、実行ボタンが押されて自動ドア110の解錠が指示されたことの通知を管理サーバ30に送信し、管理サーバ30は、情報処理端末10から当該通知を受信すると、応答ロボット60に動作指示を送信し」、「応答ロボット60は、管理サーバ30から動作指示を受信すると、可動部を駆動し、この結果、応答ロボット60の可動部によってインターホン70の解錠ボタンが押下され、インターホン70から、自動ドア110の解錠や施錠、開閉などの種々の動作を行う自動ドア制御装置90に自動ドア110の解錠要求が送信され、自動ドア制御装置90は、解錠要求を受信すると、自動ドア110を解錠して開く」ものであることを踏まえると、本願発明の「(操作を行うための操作関連情報を出力する)施設側出力部」に相当する。
エ 前記イに示したとおり、引用発明の「情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示」は、「荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合」に送信されるものであり、前記(2)ウに示したとおり、前記確認は、「注文情報サーバ40から」「管理サーバ30に送信され」、「管理サーバ30」の「記憶部302」が「記憶し[た]」「荷物80に固有の識別番号である荷物ID80a」に基づいて行われる。
オ 前記エを踏まえると、引用発明の「注文情報サーバ40から」「管理サーバ30に送信され[た]」「荷物80に固有の識別番号である荷物ID80a」に基づいて、「荷物80が現在配送中であり、荷物80の配達に対して自動ドア110の解錠が許可されていることを確認した場合」に送信される、「情報処理端末10の表示部に自動ドア110の解錠を実行するための実行ボタンを表示する指示」は、本願発明の「前記認証情報に基づいて得られる情報であって前記操作の正当性に係る情報」としての「操作関連情報」に相当する。
カ したがって、本願発明と引用発明は、「前記操作を行うための操作関連情報を出力する施設側出力部」を備え、「前記施設側出力部は、前記認証情報に基づいて得られる情報であって前記操作の正当性に係る情報を前記操作関連情報として出力[する]」点において一致する。
(4) 構成Eについて
ア 前記(2)エに示したとおり、引用発明の「管理サーバ30」の「注文情報サーバ40」「との通信を行[う]」「通信部303」は、本願発明の「前記サーバシステムとは異なる外部連携システムから前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報の入力を受け付ける外部システム側入力部」に相当する。
イ そして、前記(2)イ(イ)に示したとおり、引用発明の「注文情報サーバ40」は、「管理サーバ30」と「API(Application Program Interface)による連携によって」、「情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されている」ものである。
ウ したがって、本願発明と引用発明は、「前記外部システム側入力部は、APIを利用して前記認証情報の入力を前記外部連携システムから受け付け[る]」点において一致する。
(5) 構成F、Gについて
本願発明と引用発明は、構成F、Gに関して、次に示す点において相違する。
本願発明においては、
(構成F)「前記APIは、複数の機能を含んでおり、前記外部連携システムにより選択可能に構成されており」、
(構成G)「前記複数の機能は、前記外部連携システムから前記認証情報の入力を受け付ける機能、前記操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力を受け付ける機能、及び前記操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力を受け付ける機能を含む」のに対して、
引用発明においては、
管理サーバ30は、注文情報サーバ40および配送情報サーバ50と、API(Application Program Interface)による連携によって、情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されているものの、
前記APIが、複数の機能を含んでいるのか不明であり、当該複数の機能に、操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力を受け付ける機能、及び前記操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力を受け付ける機能が含まれているのか、不明である点。
2 一致点及び相違点
上記1を総合すると、本願発明と引用発明は、以下の一致点において一致し、以下の相違点において相違する。
(1) 一致点
(構成A)施設の施解錠及び開閉のうち少なくとも一方に対する操作に係る処理を行うサーバシステムであって、
(構成B)前記操作を行うための操作関連情報を出力する施設側出力部と、
(構成C)前記サーバシステムとは異なる外部連携システムから前記操作に対する正当性の認証に用いられる認証情報の入力を受け付ける外部システム側入力部と、を備え、
(構成D)前記施設側出力部は、前記認証情報に基づいて得られる情報であって前記操作の正当性に係る情報を前記操作関連情報として出力し、
(構成E)前記外部システム側入力部は、APIを利用して前記認証情報の入力を前記外部連携システムから受け付ける、
サーバシステム、である点。
(2) 相違点
本願発明においては、
(構成F)「前記APIは、複数の機能を含んでおり、前記外部連携システムにより選択可能に構成されており」、
(構成G)「前記複数の機能は、前記外部連携システムから前記認証情報の入力を受け付ける機能、前記操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力を受け付ける機能、及び前記操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力を受け付ける機能を含む」のに対して、
引用発明においては、
管理サーバ30は、注文情報サーバ40および配送情報サーバ50と、API(Application Program Interface)による連携によって、情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成されているものの、
前記APIが、複数の機能を含んでいるのか不明であり、当該複数の機能に、操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力を受け付ける機能、及び前記操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力を受け付ける機能が含まれているのか、不明である点。
第6 当審の判断
1 相違点についての判断
(1) 前記第4の2(2)において引用文献4技術事項として示したとおり、引用文献4には、次の事項が記載されている。
「暗証番号認証手段130、電気錠制御手段140、ログ情報格納部150、および通知手段160を備える電気錠制御装置100であって、(【0019】)
暗証番号認証手段130は、暗証番号入力手段300から入力された入力番号と暗証番号格納部120に格納された暗証番号とを照合し、入力番号と暗証番号とが完全に一致するか否かを判断するものであり、(【0021】、【0022】)
暗証番号認証手段130が判断した結果は、ログ情報格納部150に記録され、(【0023】)
入力番号と暗証番号とが完全に一致した信号が電気錠制御手段140に伝わると、電気錠制御手段140は電気錠210の解錠を行い、解錠を行った情報をログ情報格納部150に記録し、(【0025】)
通知手段160は、ログ情報を利用者に通知するためのものであり、ネットワーク400を介してインターネット500に接続されており、(【0027】)
通知手段160は、通知指示部161、送信内容生成部162、送信部164、およびログ情報通知周期格納部165を備えており、(【0036】)
電気錠制御装置100にウェブサーバ機能を持たせ、ネットワーク400を介してログ情報の通知する指示を行うためのウェブページを提供し、ウェブサーバから供給されたウェブページを接続した端末機器上でログ情報の通知指示を行うこともでき、(【0041】)
通知指示部161から通知指示が伝わると、送信内容生成部162はログ情報格納部150を参照して、例えばメールの本文にログ情報が記載された送信内容を生成し、(【0043】)
生成された送信内容は、送信部164によって送信され、例えば通知媒体がメールの場合は、ネットワーク400を介してインターネット500に接続された送信部164がメールサーバを利用してメールを送信し、(【0046】)
送信されたメールは、利用者の端末機器が受信し、ログ情報を確認することができる、(【0047】)
電気錠制御装置100。」
(2)ア 引用発明及び引用文献4技術事項は、いずれも、(記憶又は格納された)認証情報(荷物ID又は暗証番号)により、入力された荷物ID又は暗証番号)の認証を行ってドアの解錠を行う制御装置に関するものであり、引用発明において、配達員100の所属する配達会社または荷物の受取人が、配達員100の情報処理端末10による配達完了の操作(引用文献1の【0056】参照)に加え、より確実に配達が行われたことを確認する目的で、あるいは、解錠が許可されなかったこと(引用文献1の【0052】参照)を把握する目的で、「配送情報サーバ50」を介して認証及び解錠のログ情報を取得する課題は存在すると認められるから、当該課題を解決するために、引用発明の「注文情報サーバ40」及び「配送情報サーバ50」と「API(Application Program Interface)による連携によって、情報のやり取りを行うようにあらかじめ構成され[る]」「管理サーバ30」に、引用文献4技術事項を適用し、前記APIに、注文情報サーバ40から送信される荷物ID80aの入力を受け付ける機能に加えて、(配達会社または荷物の受取人の要求に基づき行われる、)配送情報サーバ50からの認証及び解錠のログ情報の通知指示を受け付ける機能を追加することは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ そして、複数のログ情報をデータベース化してまとめて格納して、ログ情報を取得する際は、個々のログ情報毎に区別して取得し得るようにすることは、データベースの機能として、例示するまでもなく技術常識であるところ、上記引用文献4技術事項には、「入力番号と暗証番号とが完全に一致するか否か」を「暗証番号認証手段130が判断した結果」(「認証ログ情報」に相当)と、「解錠を行った情報」(「操作ログ情報」に相当)とを、それぞれ「ログ情報格納部150」に記録することが開示されているから、認証及び解錠のログ情報を個別に取得するために、前記APIに、認証のログ情報の通知指示を受け付ける機能と、解錠のログ情報の通知指示を受け付ける機能を持たせるようにすることに格別の困難性があるものでもない。
ウ また、前記APIに複数の機能が含まれる場合に、これらの機能が選択可能に構成されることは当然考慮されることにすぎない。
(3) そして、引用発明に引用文献4技術事項を適用した構成において、「注文情報サーバ40から荷物ID80aの入力」、「解錠のログ情報の通知指示」及び「認証のログ情報の通知指示」が、それぞれ本願発明の「認証情報の入力」、「操作に係る操作ログ情報の出力を実行するための情報として定義された操作ログ出力情報の入力」及び「操作の正当性の認証に係る認証ログ情報の出力を実行するための情報として定義された認証ログ出力情報の入力」に相当する。
(4) したがって、引用発明において引用文献4技術事項を適用して、前記相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本願発明の奏する作用効果についてみても、当業者にとって予測・発見困難であるとはいえず、かつ、格別顕著なものであるとも認めることができない。
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 請求人の主張について
(1) 請求人の主張の内容
請求人は、審判請求の理由において、「(c)拒絶理由が解消される理由」として、概略次の主張をしている。
引用文献4には、暗証番号認証手段130が判断した結果であるログ情報と、施錠/解錠を行ったログ情報とを明確に区別して記憶することについての記載及び示唆はない。そのため、外部機器から通知指示部161を介して通知指示を送信内容生成部162は受け取ると、暗証番号認証手段130が判断した結果であるログ情報と、施錠/解錠を行ったログ情報との双方を送信すると解釈することが妥当である。
すなわち、引用文献4技術事項では、一つの通知指示で、二種類のログ情報の双方を送信している。一方、本願発明では、外部システム側入力部は、操作ログ出力情報の入力と認証ログ出力情報の入力とを個別に受け付けることが可能となる。その結果、操作ログ出力情報と認証ログ出力情報とを分けて出力することができる。
また、引用文献1にも、上記構成についての記載及び示唆はない。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献4技術事項と比較して進歩性を有している。
(2) 請求人の主張についての検討
前記主張について検討する。
請求人が主張する、操作ログ出力情報と認証ログ出力情報とを分けて出力する構成は、前記1(2)に示したとおり、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、請求人の前記主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-012046