特許拒絶査定不服審判
2024-011392
発光装置
- 審判番号
- 2024-011392
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-545609
- 請求日
- 2024年07月10日
- 審決日
- 2026年02月02日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】デンカ株式会社
- 【請求人代理人】速水 進治
- 審判長/審判官
- 審判長 岡田 吉美
- 審判官 吉野 三寛
- 審判官 藤田 年彦
- 分類
- P18 .121-Z (H01L) / P18 .57 -Z (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-545609「発光装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 3月 3日国際公開、WO2022/044762〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2021年(令和3年)8月5日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 令和2年8月26日(以下「優先日」という。))、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和6年 1月 4日付け:拒絶理由通知書
同年 2月 5日 :意見書、手続補正書の提出
同年 3月28日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 4月12日 :意見書、手続補正書の提出
同年 5月24日付け:補正の却下の決定
同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月28日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月10日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和6年7月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年7月10日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和6年7月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年2月5日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1及び2の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前
「【請求項1】
絶縁基板の一面に設けられている回路パターン層と、前記回路パターン層に接合されている複数の発光素子とを有する発光基板を有し、
前記発光基板は、前記絶縁基板の一面側に設けられ、少なくとも1つの発光素子の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層を有し、
前記複数の発光素子は、複数の発光素子が直列に接続された複数の直列体を有し、
前記複数の直列体は、前記発光基板の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されており、
前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されており、
前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っていない、発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体層は、前記回路パターン層における前記発光素子との電気接続部分である電極対を覆っていない、請求項1に記載の発光装置。」
(2) 本件補正後
「【請求項1】
絶縁基板の一面に設けられている回路パターン層と、前記回路パターン層に接合されている複数の発光素子とを有する発光基板を有し、
前記発光基板は、前記絶縁基板の一面側に設けられ、少なくとも1つの発光素子の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層を有し、
前記複数の発光素子は、複数の発光素子が直列に接続された複数の直列体を有し、
前記複数の直列体は、前記発光基板の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されており、
前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されており、
前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っている、発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体層は、前記回路パターン層における前記発光素子との電気接続部分である電極対を覆っておらず、
前記蛍光体層が占める割合は、前記絶縁基板の表面に対して80%以上である、請求項1に記載の発光装置。」
2 本件補正の目的
本件補正のうち請求項1についてする補正(以下「補正事項1」という。)は、本件補正前の請求項1に記載された「前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っていない」を「前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っている」に変更するものであり、当該補正事項1を含む本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものには該当しない。
また、当該補正事項1が、特許法17条の2第5項1号、3号及び4号にそれぞれ掲げる請求項の削除、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでないことも明らかである。
なお、令和6年9月13日提出の手続補正書に記載された請求項1においては、「発光素子を覆っている」と記載され、「発光素子を覆っている」のように補正箇所としての下線が施されておらず、また、審判請求書において、請求人は、蛍光体層が発光素子を覆っていないことを前提にして主張していることに鑑みれば、本件補正後の請求項1に記載されている事項のうち「発光素子を覆っている」との記載は「発光素子を覆っていない」とすべきところの誤記であり、請求人の本来の意図としては、本件補正後の請求項1は本件補正前の請求項1と同一であったと推認されるものの、請求項1を含む特許請求の範囲は本件補正により補正されているから、前記のとおり判断する。
3 本件補正の却下の決定の理由のむすび
前記2のとおり、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないから、本件補正により請求項2についてする補正を検討するまでもなく、同法159条1項において読み替えて適用される同法53条の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定、分説等
(1) 本願発明の認定
本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(2) 本願発明の分説
検討の便宜のため、本願発明を次のとおり構成Xと構成Aから構成Fまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】、【図2】、【図5】及び【図7】を掲載し、対応する図内の番号を、本願発明の分説の欄の構成に括弧書きで記した。
<本願発明の分説>
(構成A) 絶縁基板(32)の一面(31)に設けられている回路パターン層(34)と、前記回路パターン層(34)に接合されている複数の発光素子(20)とを有する発光基板(10)を有し、
(構成B) 前記発光基板(10)は、前記絶縁基板(32)の一面(31)側に設けられ、少なくとも1つの発光素子(20)の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層(36)を有し、
(構成C) 前記複数の発光素子(20)は、複数の発光素子(20)が直列に接続された複数の直列体(21~25)を有し、
(構成D) 前記複数の直列体(21~25)は、前記発光基板(10)の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されており、
(構成E) 前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されており、
(構成F) 前記蛍光体層(36)は、前記発光素子(20)を覆っていない、
(構成X) 発光装置(100)。
【図1】 【図2】
[図:0001433629000001.jpg]
【図5】 【図7】
[図:0001433629000002.jpg]
(3) 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子(LED素子)が搭載された基板を備えるLED照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【[0003]】
【特許文献1】中国特許公開106163113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1のLED照明器具の場合、複数の発光素子を効率的に発光させる照明技術については開示がなく、新たな技術が求められていた。
【0005】
本発明は、絶縁基板及び複数の発光素子を有する発光基板を備える発光装置において、効率的に発光させ、例えば高出力照明装置を実現する技術を提供すること目的とする。
…(中略)…
【発明の効果】
【0007】
絶縁基板及び複数の発光素子を有する発光基板を備える発光装置において、効率的に発光させ、例えば高出力照明装置を実現できる。」
「【0075】
<実施形態の効果>
本実施形態の特徴及び効果について説明する。
(1)発光装置100は、
絶縁基板32の一面(ここでは表面31)に設けられている回路パターン層34と、前記回路パターン層34に接合されている複数の発光素子20を有する発光基板10を有し、
前記発光基板10は、前記絶縁基板32の一面側(すなわち表面31側)に設けられ、少なくとも1つの発光素子20の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層36を有し、
前記複数の発光素子20は、複数の発光素子20が直列に接続された複数の直列体(ここでは第1~第5直列体21~25)を有し、
前記発光基板10の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されており、
前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されている。
すなわち、発光素子20が直列接続した直列体が複数設けられている。そして直列体において、アノード側が、基板面内側(中央側)又は基板面外側(周縁側)のいずれか同じ側に配置されている。上述の実施形態では、アノード側が発光基板10(蛍光体基板30)の上面視において基板外形中央側に、グランド側が基板外形外縁側になるように配置されている。したがって、複数の直列体のアノード側が、基板面内側(中央側)又は基板面外側(周縁側)のいずれかに集約されているので、配線や発光素子20の実装の自由度が向上する。すなわち、直列体に接続されるコネクタ70を基板中央に集約できる。特に、上述の実施形態のように、アノード側を基板面内側(中央側)に、カソード側(グランド側)を基板面外側(周縁側)に配置した場合には上述の効果が顕著になる。すなわち、グランド(GND)は、例えば筐体を複数の直列体で共通のグランド(いわゆるシャーシGND)としたりでき、そもそも設計上の自由度が高い。しかし、アノード側は、駆動制御回路80に接続される必要がある。したがって、直列体のアノード側が、発光基板10の外縁側となると、コネクタ70の配置やコネクタ70から延びるリード線71の配索が複雑になり、結果として、発光素子20の配置の自由度が下がり、高出力の発光装置100の実現が困難になる。しかし、本実施形態によると、上述のように、そのような懸念が無く、発光素子20の配置の効率化や集約化が一層進めることが可能となり、高出力(高輝度)の発光装置100を実現できる。」
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の本願発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
(進歩性の欠如)本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術事項及び引用文献6に例示される周知技術に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.中国実用新案第204901678号明細書(主たる引用文献)
引用文献2.特開2014-143307号公報
引用文献6.特開2014-168036号公報(周知技術を示す文献)
3 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
(1) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定
ア 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である引用文献1(中国実用新案第204901678号明細書)には、次の記載がある(なお、当合議体により、日本語訳を作成し、後記イの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。
[図:0001433629000003.jpg]
(技術領域
[0001]本実用新案はLED照明分野に関し、特に配線が簡単なCOB光源に関するものである。)
[図:0001433629000004.jpg]
(背景技術
[0002]COB内には複数のLEDチップが集積されているため、これらのLEDチップ間を配線で接続する必要があり、その結果、従来のCOBの配線は比較的複雑であり、チップの数が多いほど配線は複雑になる。例えば、中国特許公開番号CN204289444Uに記載の『可調式COB光源及びLED灯具』では、光源は基板を含み、基板上には囲堰用の接着層と複数のLEDチップ群が設けられ、さらにLEDチップ群の数に対応する電極対が設けられている。各電極対は正極パッドと負極パッドを含み、各電極対の正極パッドは一つのLEDチップ群を介して負極パッドと電気的に接続されている。各LEDチップ群同士は相互に導通せず、各LEDチップ群は個別に駆動され、駆動電流が小さく、発熱が少ないため、光源の色温度、色度、輝度及び出力を調整できる。LEDチップ群は複数のLEDチップを直列接続して構成され、全てのLEDチップはアレイ状に配置されている。全ての正極パッドと負極パッドは円環状に配置され、各LEDチップはその円環状配置の内部に設けられ、囲堰用接着層は円環状配置の外側に沿って塗布されている。複雑な配線は一方でCOB封止の難易度を高め、他方で配線間の混乱を招きやすくなる。)
[図:0001433629000005.jpg]
(発明内容
[0003]本実用新案が解決しようとする技術的課題は、配線が簡単なCOB光源を提供することである。
[0004]上記の技術的課題を解決するために、本実用新案の技術的手段は次のとおりである。配線が簡単なCOB光源であり、基板、基板上に設けられた回路層及びLEDチップを含む。基板上にはダイボンディング領域が設けられ、その周囲にはダイボンディング領域を囲む囲堰が設けられ、LEDチップはダイボンディング領域内に配置される。回路層は絶縁層、複数の内部配線、外部配線、パッド、正極及び負極を含み、内部配線の一端は集約されて中間ノードを形成し、この中間ノードはダイボンディング領域の中心に位置する。内部配線の他端は外側に放射状に延びて囲堰の外に引き出される。パッドは内部配線上に分布する。外部配線は囲堰の周囲に設けられ、内部配線の一端は外部配線に接続され、外部配線の一端は正極に接続される。中間ノードと負極の間は負極配線で接続される。本実用新案では、LEDチップを直列及び並列に組み合わせる配線方式を採用し、必要に応じてLEDチップの直並列数を柔軟に変更でき、COBの駆動要件を満たすことができる。また、LEDの配置形状に応じて、中心に集約された放射型配線を採用することで、全体の配線が簡潔で、明確かつ整理された構造となる。)
[0005]改良として、LEDチップを駆動するための駆動回路を基板上に設けることで、駆動回路を一体化したCOB光源は、より便利に使用できる。
[0006]改良として、ダイボンディング領域は円形である。
[0007]改良として、内部配線は円周上に均等に配置される。
[0008]改良として、囲堰の内部には蛍光樹脂が設けられる。
[0009]本実用新案が従来技術と比較してもたらす有益な効果は次のとおりである。
[0010]本実用新案では、LEDチップを直列及び並列に組み合わせる配線方式を採用し、必要に応じてLEDチップの直並列数を柔軟に変更でき、COBの駆動要件を満たすことができる。また、LEDの配置形状に応じて、中心に集約された放射型配線を採用することで、全体の配線が簡潔で、明確かつ整理された構造となる。)
[図:0001433629000006.jpg]
(図面の説明
[0011]図1は本実用新案COBの配線図。)
[図:0001433629000007.jpg]
(具体的な実施形態
[0012]以下、添付図面を参照しながら本実用新案について更に詳細に説明する。
[0013]図1に示すように、配線が簡単なCOB光源は、基板1、基板1上に設けられた回路層及びLEDチップ2を含む。基板1上には円形のダイボンディング領域が設けられ、その周囲にはダイボンディング領域を囲む囲堰6が設けられ、LEDチップ2はダイボンディング領域内に配置される。LEDチップ2は異なる直径の円周上に分布し、同一円周上のLEDチップ2は均等に配置される。囲堰6内にはLEDチップ2を覆う蛍光樹脂が設けられる。回路層は絶縁層、複数の内部配線3、1本の外部配線4、パッド(図示せず)、正極及び負極を含む。内部配線3は円周上に均等に配置され、その一端は集約されて中間ノード5を形成し、中間ノード5はダイボンディング領域の中心に位置する。内部配線3の他端は外側に放射状に延びて囲堰6の外に引き出される。パッドは内部配線3上に分布し、LEDチップ2はパッド上に実装され、同一内部配線3上のLEDチップ2は直列接続される。外部配線4は囲堰6の周囲に設けられ、内部配線3の一端と接続され、外部配線4の一端は正極に接続される。中間ノード5と負極は負極配線で接続される。これにより、隣接する内部配線3上のLEDチップ2の直列回路が並列接続される。さらに、LEDチップ2を駆動するための駆動回路は基板1上に設けられ、駆動回路を集成したCOB光源はより便利に使用できる。
[0014]本実用新案では、LEDチップ2を直列及び並列に組み合わせる配線方式を採用し、必要に応じてLEDチップ2の直並列数を柔軟に変更でき、COBの駆動要件を満たすことができる。また、LEDの配置形状に応じて、中心に集約された放射型配線を採用することで、全体の配線が簡潔で、明確かつ整理された構造となる。)
[図:0001433629000008.jpg]
図1
イ 引用発明の認定
前記アに摘記した引用文献1の記載事項から、引用文献1には、実施形態(図1)に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、以下の検討において参照する際の便宜のため(構成a)等に分説する。
<引用発明>
「(構成x) 配線が簡単なCOB光源であって、
(構成a) 基板1、基板1上に設けられた回路層及びLEDチップ2を含み、
(構成b) 基板1上には円形のダイボンディング領域が設けられ、その周囲にはダイボンディング領域を囲む囲堰6が設けられ、LEDチップ2はダイボンディング領域内に配置され、
(構成c) LEDチップ2は異なる直径の円周上に分布し、同一円周上のLEDチップ2は均等に配置され、
(構成d) 囲堰6内にはLEDチップ2を覆う蛍光樹脂が設けられ、
(構成e) 回路層は絶縁層、複数の内部配線3、1本の外部配線4、パッド、正極及び負極を含み、
(構成f) 内部配線3は円周上に均等に配置され、その一端は集約されて中間ノード5を形成し、中間ノード5はダイボンディング領域の中心に位置し、
(構成g) 内部配線3の他端は外側に放射状に延びて囲堰6の外に引き出され、
(構成h) パッドは内部配線3上に分布し、LEDチップ2はパッド上に実装され、同一内部配線3上のLEDチップ2は直列接続され、
(構成i) 外部配線4は囲堰6の周囲に設けられ、内部配線3の一端と接続され、外部配線4の一端は正極に接続され、
(構成j) 中間ノード5と負極は負極配線で接続され、
(構成k) 隣接する内部配線3上のLEDチップ2の直列回路が並列接続される、
(構成x) 配線が簡単なCOB光源。」
(2) 引用文献2の記載事項及び引用文献2技術事項の認定
ア 引用文献2に記載された事項
原査定の理由に引用された、優先日前に発行された文献である引用文献2(特開2014-143307号公報)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。
「【0016】
<<実施の形態1>>
…(中略)…
【0018】
図1に示すように、LEDモジュール1は、基板10と、各々が長尺状をした複数(本実施の形態では8本)の発光部13と、基板10上に設けられた第1電極11および第2電極12と、を備える。
(基板)
基板10は、例えば、セラミックスや熱伝導樹脂のような絶縁材料からなり、長方形の板状の部材である。基板10の構成は、全体が絶縁材料からなる構成に限らず、絶縁層と金属層との多層構造の構成としてもよい。金属層は、例えば、アルミニウムで構成すればよい。また、基板10は、正方形状の発光領域10aを有する。発光領域10aの一辺は、例えば、13mm~15mmである。
【図1】
[図:0001433629000009.jpg]
…(中略)…
【0020】
(発光部)
基板10上の発光領域10aには、8本の発光部13が、互いの長手方向が平行になるように並設されている。…(後略)」
「【0048】
<<実施の形態3>>
実施の形態1では、複数の発光部が、その長手方向が沿うように並設されていた。しかしながら、これに限らず、例えば、複数の発光部を放射状に配置してもよい。
図13は、実施の形態3に係るLEDモジュールの模式図である。
図13に示すように、LEDモジュール500において、発光部513は、円形状の発光領域110a内に、発光領域110aの中心点から放射状になるように配置されている。すなわち、発光部513が1つの円環状に配置されている。第1電極11から延びた配線511aおよび第2電極12から延びた配線512aは、円環状に形成されている。基板10には貫通孔10bが設けられており、貫通孔10bを介して第2電極12と基板10の裏面から引き回された給電用のリード線(不図示)とが接続される。LEDモジュール500では、発光領域110aにおいて全ての発光部513aが、色温度が異なる発光部513bに隣り合っている。そのため、発光部513aから出射される光の多くが、発光部513bから出射される光と重なって見えることとなる。これにより、発光部513aからの出射光が、色温度が異なる発光部513bからの出射光と混ざりやすい。そのため、さらに出射光の色むらを抑制したLEDモジュール500を提供できる。
【図13】
[図:0001433629000010.jpg]
」
イ 引用文献2技術事項の認定
前記アに摘記した引用文献2の記載事項より、引用文献2には次の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2技術事項>
「基板10の円形状の発光領域110a内に、発光領域110aの中心点から放射状になるように配置されている発光部513を備えるLEDモジュール500において、基板10が、例えば、セラミックスや熱伝導樹脂のような絶縁材料からなること。」
(3) 引用文献6~9に記載された事項及び周知技術Aの認定
ア 引用文献6に記載された事項
原査定の理由に引用された、優先日前に発行された文献である引用文献6(特開2014-168036号公報)には、次の記載がある。
「【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオード装置(以下、LED装置と略記する。)や電子装置などを含む半導体装置は、まず、基板に複数の半導体素子(発光ダイオード素子(以下、LEDと略記する。)や電子素子などを含む)を実装し、次いで、複数の半導体素子を被覆するように封止層を設け、その後、各半導体素子に個片化することにより、製造されることが知られている。
【0003】
とりわけ、半導体素子がLEDであり、半導体装置がLED装置である場合には、複数のLEDの間において、発光波長や発光効率にバラツキを生じるため、そのようなLEDが実装されたLED装置では、複数のLEDの間において発光にバラツキを生じる不具合がある。
【0004】
かかる不具合を解消すべく、例えば、複数のLEDを蛍光体層で被覆して蛍光体層被覆LEDを作製し、その後、蛍光体層被覆LEDを発光波長や発光効率に応じて選別した後、基板に実装することが検討されている。
【0005】
例えば、石英基板の上に、粘着シートを介してチップを貼り付け、次いで、チップの上から樹脂を塗布して、樹脂で被覆されたチップからなる疑似ウエーハを作製し、その後、疑似ウエーハを、石英基板および粘着シートから剥離した後、疑似ウエーハを、チップ単位でダイシングして個片化することにより得られるチップ部品が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1のチップ部品は、その後、基板に実装されて、半導体装置が得られる。
【0006】
また、粘着シートの上にLEDを配置し、次いで、蛍光体が分散混入されたセラミックインクを塗布して、加熱することにより、セラミックインクを仮硬化させた後、LEDに対応してセラミックインクをダイシングし、その後、セラミックインクを本硬化させてガラス化させることにより得られるLEDが提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。特許文献2のLEDは、その後、基板に実装されて、LED装置が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-308116号公報
【特許文献2】特開2012-39013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の方法では、疑似ウエーハをダイシングするときには、疑似ウエーハがすでに石英基板および粘着シートから剥離されているので、それらは疑似ウエーハを支持していない。そのため、疑似ウエーハを優れた精度でダイシングすることができず、その結果、得られるチップ部品の寸法安定性が低いという不具合がある。
【0009】
一方、特許文献2に記載の方法では、セラミックインクをダイシングした後、セラミックインクを本硬化するので、ダイシング後において、セラミックインクにおいて本硬化で生じる収縮に起因する寸法誤差を生じ、そのため、得られるLEDの寸法安定性が低いという不具合がある。
【0010】
本発明の目的は、優れた寸法安定性で封止層被覆半導体素子を得ることのできる、封止層被覆半導体素子の製造方法、それにより得られる封止層被覆半導体素子、および、それを備える半導体装置を提供することにある。」
「【図14】図14は、本発明の封止層被覆半導体素子の製造方法の第10実施形態を示す工程図であり、(a)は、支持シートを用意する用意工程、(b)は、LEDを支持シートの上に配置するLED配置工程、(c)は、蛍光体シートによってLEDの側面を被覆するシート配置工程、(d)は、蛍光体シートを硬化させる硬化工程、および、蛍光体シートを切断する切断工程、(e)は、蛍光体シート被覆LEDを支持シートから剥離するLED剥離工程、(f)は、蛍光体シート被覆LEDを基板に実装する実装工程を示す。」
「【0095】
[実装工程]
その後、蛍光体シート被覆LED10を発光波長や発光効率に応じて選別した後、図1(f)に示すように、選別された蛍光体シート被覆LED10を基板9に実装する。これによって、半導体装置としてのLED装置15を得る。
【0096】
具体的には、蛍光体シート被覆LED10を、LED4のバンプ(図示せず)が基板9の上面に設けられる端子(図示せず)と対向するように、基板9と対向配置させる。つまり、蛍光体シート被覆LED10のLED4を基板9にフリップチップ実装する。
【0097】
これにより、基板9と、基板9に実装される蛍光体シート被覆LED10とを備えるLED装置15を得る。
【0098】
その後、必要により、図1(f)の仮想線で示すように、LED装置15に、蛍光体シート被覆LED10を封止する封止保護層20(蛍光体シート5とは異なる封止層)を設ける。これによって、LED装置15の信頼性を向上させることができる。」
[図:0001433629000011.jpg]
「【0268】
<第10実施形態>
図14は、本発明の封止層被覆半導体素子の製造方法の第10実施形態を示す工程図を示す。
…(中略)…
【0270】
第1実施形態において、図1(c)に示すように、シート配置工程において、LED4を側面および上面を蛍光体シート5によって被覆する埋設工程を実施しているが、例えば、埋設工程に代えて、図14(c)に示すように、LED4の側面のみを蛍光体シート5によって被覆する被覆工程を実施することもできる。また、封止工程に代えて、硬化工程を実施することもできる。
[シート配置工程]
図14(b)に示すように、用意した蛍光体シート5の厚みを、LED4の厚みより薄く設定し、LED4の厚みに対して、例えば、95%以下、好ましくは、90%以下に、また、例えば、10%以上に設定する。蛍光体シート5の厚みを、具体的には、例えば、1000μm以下、好ましくは、800μm以下に、また、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上に設定する。
【0271】
被覆工程では、図14(c)に示すように、プレスによって、離型シート13と、離型シート13の下面に積層される蛍光体シート5とからなる積層体(図14(b)の上側図参照)を、離型シート13の下面が各LED4の上面に接触するように、LED4を含む支持シート1に圧入する。
【0272】
また、複数のLED4に対して圧入された蛍光体シート5は、その上面が、各LED4の上面と面一に形成される。また、蛍光体シート5の下面も、各LED4の下面と面一に形成される。つまり、複数のLED4が圧入された蛍光体シート5の厚みと、各LED4の厚みとが、同一になる。
【0273】
また、LED4の下面の一部を形成するバンプと、LED4の上面とが、ともに露出する一方、LED4の側面が、蛍光体シート5によって被覆されている。
[硬化工程]
硬化工程では、蛍光体シート5を硬化させる。硬化工程の条件は、上記した封止工程のそれと同様である。
[切断工程]
図14(d)の破線で示すように、上側から、LED4の位置を確認しながら、蛍光体シート5を切断する。具体的には、蛍光体シート5を、例えば、カメラなどによって、LED4を上側から視認しながら、LED4の位置を確認する。また、図6の破線が参照されるように、平面視において、LED4を囲む領域を区画する切り目8が形成されるように、蛍光体シート5を切断する。
【0274】
なお、LED4を視認しながら、さらに、基準マーク18(図2参照)を基準として、蛍光体シート5を切断することもできる。
[LED剥離工程]
図14(e)において、LED剥離工程では、蛍光体シート被覆LED10を粘着層3の上面から剥離する。つまり、蛍光体シート5およびLED4と、粘着層3との間の界面剥離が起こるように、蛍光体シート被覆LED10を支持板2および粘着層3から剥離する。」
[図:0001433629000012.jpg]
<認定事項6>
引用文献6の前記記載により、引用文献6には、発光基板(基板9)において、発光素子(LED4)を覆っていない蛍光体層(蛍光体シート5)を有することが記載されているものと認められる(以下「認定事項6」という。)。
イ 引用文献7に記載された事項
本審決において新たに引用する、優先日前に発行された文献である国際公開2019/093339号(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。
「[0030」[第一の実施形態]
図1には、本発明の第一の実施形態に係る照明装置10を模式的に示す。図1は照明装置10の断面図である。なお各図面はわかりやすさのために特徴と厚さ方向の大きさを極端に誇張して描いていることに留意されたい。この照明装置10は、複数個の導電部14を有する基板12を有しており、この複数個の導電部14の各々に対して複数個の表面実装型LED素子16が接続するように実装されている。複数個の導電部14のそれぞれには導線を含んだ実装パターン(不図示)がつながっており、表面実装型LED素子16の各々に給電できるようになっている。表面実装型LED素子16のそれぞれは封止材(不図示)で個別に封止されていてもよいが、複数個がまとめて一体的に封止されることはない(すなわち、COBタイプでは無い)。なお図1では表面実装型LED素子16と導電部14の個数がそれぞれ三個であるが、これはあくまで例示であって、当然ながらこれより多いか少ない個数であってもよい。また、表面実装型LED素子16の個数が、導電部14の個数より少ない(すなわち、導電部が余って使われない)ような実施形態があってもよい。
[図:0001433629000013.jpg]
[0031」上述した封止材としては当該技術分野で知られる任意の材料を使用できるが、例えばシリコーン樹脂が透光性・耐熱性の面で好ましく使用できる。別の実施形態ではそのような封止材を使わなくてもよい。さらに別の実施形態では表面実装型LED素子16のうちの一部だけが封止され、残りは封止されていなくてもよい。
[0032」或る実施形態では、上述した封止材がさらに、蛍光体層18に含まれる蛍光体(第一の蛍光体)とは別に、第二の蛍光体を含んでいてもよい。第二の蛍光体は第一の蛍光体と同じ物質であってもよいし、別の物質であってもよい。このように封止材にも蛍光体を含めることで、さらに発光効率の向上や色度調整を図ることが可能となる。」
「[0038]表面実装型LED素子16の発光色・色度には照明器具に使用できる任意のものを選択でき、蛍光体層18の発光色・色度と組み合わせた照明器具全体としての発光色を適宜調節することができる。照明器具としての色度調整を適切に行うことができるように、表面実装型LED素子16の発光波長により、励起発光する蛍光体を蛍光体層18が含むことがより好ましい。例えば或る実施形態では、表面実装型LED素子16の発光と、蛍光体層18の発光とが、同じCIE値を有するようにしてもよいし、またはそれらのCIE色度座標におけるx値とy値の差がそれぞれ0.1以下となるようにしてもよい。
[0039]或る実施形態においては、表面実装型LED素子16と蛍光体層 18の発光がともに白色または擬似白色(黄色と青色の組み合わせによるものなど)になるように構成できる。別の実施形態では、表面実装型LED素子16に、赤色もしくは緑色の単色発光をする第一の表面実装型LED素子と、青色単色発光をする第二の表面実装型LED素子とが含まれていてもよく、蛍光体層18に含まれる蛍光体が、その第一の表面実装型LED素子の発光もしくは第二の表面実装型LED素子の発光のいずれかで励起発光するようにしてもよい。蛍光体層18が含む蛍光体の発光色は例えば赤色や緑色や青色とすることができる。またこのような構成を取った結果として、LED素子の発光色と蛍光体の発光色の組み合わせを適宜調整することにより、照明器具全体としては白色または擬似白色の発光をするようにすることもできる。」
「[0045][第二の実施形態]
図2には、本発明の第二の実施形態に係る照明装置20の断面図を模式的に示す。照明装置20は、第一の実施形態に係る照明装置10と同様に、複数個の導電部24を有する基板22を有しており、この複数個の導電部24の各々に対して複数個の表面実装型LED素子26が接続するように実装されている。
[図:0001433629000014.jpg]
[0046]導電部24は実装パターン(不図示)につながっており、導電部24と実装パターンがともに蛍光体層28の上に位置していることが照明装置10と異なっている。すなわちこの第二の実施形態では、基板22上に蛍光体層28を設けてから、さらにその上に実装パターンを設けているということである。このような構成とすることで、導電部24を避けるように穴開きの状態で蛍光体層28を設ける必要が無く、製造時の作業性が良いという効果が得られる。照明装置20のその他の特徴については第一の実施形態に関して上述したものと同様に構成可能である。
[0047][第三の実施形態]
図3には、本発明の第三の実施形態に係る照明装置30の断面図を模式的に示す。照明装置30は、第一の実施形態に係る照明装置10と同様に、複数個の導電部34を有する基板32を有しており、この複数個の導電部34の各々に対して複数個の表面実装型LED素子36が接続するように実装されている。
[図:0001433629000015.jpg]
[0048]導電部34は、基板32上に形成された実装パターン35に接続している。実装パターン35の上には蛍光体層38が設けられている。導電部34は蛍光体層38の上に顔を出すような構成を取っている。このような構成とすることで、実装パターン35の厚みを大きく取ることができ、通電により発生する熱を効率よく放熱できるという効果を奏することができる。また、導電部34が蛍光体層38の上に出ているので、表面実装型LED素子36の実装も容易になるという効果も得られる。照明装置30のその他の特徴については第一の実施形態に関して上述したものと同様に構成可能である。
[0049][第四の実施形態]
図4は、本発明の第四の実施形態に係る照明装置40であって、特殊構成を取るフリップチップ素子を用いたものを描いた模式図である。図4は図1~3とは異なり、複数の表面実装型LED素子46のうちのひとつだけの周辺のみを極端に拡大した図になっていることを理解されたい。
[図:0001433629000016.jpg]
[0050] 照明装置40は基板42を有し、基板42の上に蛍光体層48を有する。フリップチップ素子である表面実装型LED素子46は、それ自身のパッケージの基板(サファイヤ基板など)47と、発光部・結晶層49と、p電極44aおよびn電極44bとを有している。このp電極 44a およびn電極44bが基板42の導電部(不図示)を介して実装パターン(不図示)に接続している。フリップチップ素子46は、従来技術においては下層反射膜を基板に実装する側の面に有するのであるが、本実施形態ではそのような反射膜を有さない。これは、通常のフリップチップ素子であれば発光部が下面(実装される側の面)の近傍(一般的には基板面から数μmの距離)にあるため、光取り出しのためにそのような反射膜が必要になってしまうのに対し、本実施形態では蛍光体層48がその光取り出しの役割を担うことができるため、反射膜が不要になるのである。このような構成により、製造工程を大幅に簡易化できるという顕著な効果が奏される。なお別の実施形態においては、フリップチップ素子に従来のような下層反射膜を設けることも可能ではある。」
<認定事項7>
引用文献7の前記記載より、引用文献7には、発光基板(基板12、22、32)において、発光素子(LED素子16、26、36、46)を覆っていない蛍光体層(18、28、38、48)を有することが記載されているものと認められる(以下「認定事項7」という。)。
ウ 引用文献8に記載された事項
本審決において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2018-41806号公報(以下「引用文献8」という。)には、次の記載がある。
「【0013】
(実施の形態1)
[発光装置の構成]
まず、実施の形態1に係る発光装置の構成について図面を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る発光装置の外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る発光装置の平面図である。図3は、実施の形態1に係る発光装置の内部構造を示す平面図である。図4は、図2のIV-IV線における模式断面図である。
【図1】
[図:0001433629000017.jpg]
【図2】
[図:0001433629000018.jpg]
【図3】
[図:0001433629000019.jpg]
【図4】
[図:0001433629000020.jpg]
【0014】
なお、上記の図3は、図2において封止部材13及びダム材15を取り除き、LEDチップ12の配列及び配線パターンなどの内部の構造を示した平面図である。
…(中略)…
【0023】
基板11上には、複数のLEDチップ12からなる発光素子列が複数配置されている。図3に示されるように、基板11上には、X軸方向に並んだ複数のLEDチップ12からなる発光素子列が4つ配置されている。各発光素子列において、複数のLEDチップ12は直列接続されている。4つの発光素子列は、Y軸方向に並んで配置される。4つの発光素子列は並列接続され、電極16aと電極16bとの間に電力が供給されることにより発光する。」
「【0030】
封止部材13は、黄色蛍光体14を含有する。また、図示されないが、封止部材13は、シリカなどのフィラーが含まれてもよい。なお、封止部材13は、黄色蛍光体14などの蛍光体を含まなくてもよく、LEDチップ12及びワイヤ17等の保護を主な目的として配置されてもよい。」
「【0059】
蛍光体層20bは、基材20aの表面を覆う層である。蛍光体層20bは、上記図7に示された構造を有し、LEDチップ12の発する光で励起されて発光する黄色蛍光体を含む。つまり、蛍光体層20bは、LEDチップ12が発する光の波長変換機能を有する。
【図7】
[図:0001433629000021.jpg]
【0060】
このような構造部材20は、例えば、金型を用いて成形される。
【0061】
このように、構造部材20の表面にのみ蛍光体層20b(蛍光体)が配置されれば、構造部材19に比べて構造部材20における黄色蛍光体の使用量を低減することができる。また、蛍光体層20bに含まれる黄色蛍光体が励起されることにより発生する熱を基材20aに放熱することができる。」
[図:0001433629000022.jpg]
<認定事項8>
上記記載により、引用文献8には、発光基板(基板11)において、発光素子(LEDチップ12)を覆っていない蛍光体層(20b)を有することが記載されているものと認められる(以下「認定事項8」という。)。
エ 引用文献9に記載された事項
本審決において新たに引用する、優先日前に発行された文献である国際公開2020/137762号(以下「引用文献9」という。)には、次の記載がある。
「[0028」<複数の発光素子>
複数の発光素子20は、それぞれ、一例として、フリップチップLED22(以下、LED22という。)が組み込まれたCSP(Chip Scale Package)とされている(図1C参照)。CSPとして、図1Cに示すように、LED22の底面を除く全周囲(5面)が蛍光体封止層24により覆われていることが好ましい。蛍光体封止層24には蛍光体が含まれ、LED22の光は蛍光体封止層24の蛍光体により色変換されて外部に出射する。複数の発光素子20は、図1Aに示されるように、蛍光体基板30の表面31(一面の一例)に、表面31の全体に亘って規則的に並べられた状態で、蛍光体基板30に搭載されている。」
[図:0001433629000023.jpg]
「[0036]〔蛍光体層〕
本実施形態の蛍光体層36は、図2Bに示されるように、一例として、絶縁層32及び電極層34の表面31における、複数の電極対34A以外の部分に配置されている。すなわち、蛍光体層36は、電極層34における複数の電極対34A以外の領域に配置されている。別言すると、蛍光体層36の少なくとも一部は、表面31における、各接合部34A1以外の部分である各接合面34A1の周囲に配置されている(図1C及び図2B参照)。さらに、別の見方をすると、蛍光体層36の少なくとも一部は、表面31側から見て、各接合面34A1の周りを全周に亘って囲むように配置されており、結果的には、蛍光体層36の各開口部により複数の接合部34A1が設定されている。そして、本実施形態では、絶縁層32の表面31における蛍光体層36が配置されている領域は、一例として、絶縁層32の表面31における80%以上の領域とされている。」
[図:0001433629000024.jpg]
「[0052」≪本実施形態の発光基板の発光動作≫
次に、本実施形態の発光基板10の発光動作について図4を参照しながら説明する。ここで、図4は、本実施形態の発光基板10の発光動作を説明するための図である。
…(中略)…
[0054]各発光素子20から出射された光Lの一部は、蛍光体層36に入射することなく外部に出射される。この場合、光Lの波長は、各発光素子20から出射された際の光Lの波長と同じままである。
[0055]また、各発光素子20から出射された光Lの一部分の中のLED22自身の光は、蛍光体層36に入射する。ここで、前述の「光Lの一部分の中のLED22自身の光」とは、出射された光Lのうち各発光素子20(CSP自身)の蛍光体(蛍光体封止層24)により色変換されていない光、すなわち、LED22自身の光(一例として青色(波長が470nm近傍)の光)を意味する。そして、LED22自身の光Lが蛍光体層36に分散されている蛍光体に衝突すると、蛍光体が励起して励起光を発する。」
[図:0001433629000025.jpg]
「[0056」以上のとおり、各発光素子20が出射した光L(各発光素子20が放射状に出射した光L)は、それぞれ、上記のような複数の光路を経由して上記励起光とともに外部に照射される。そのため、蛍光体層36に含まれる蛍光体の発光波長と、発光素子20(CSP)におけるLED22を封止した(又は覆う)蛍光体(蛍光体封止層24)の発光波長とが異なる場合、本実施形態の発光基板10は、各発光素子20が出射した際の光Lの束を、各発光素子20が出射した際の光Lの波長と異なる波長の光Lを含む光Lの束として上記励起光とともに照射する。例えば、本実施形態の発光基板10は、発光素子20が出射した光(波長)と蛍光体層36より出射された光(波長)との合成光を照射する。
これに対して、蛍光体層36に含まれる蛍光体の発光波長と、発光素子20(CSP)におけるLED22を封止した(又は覆う)蛍光体(蛍光体封止層24)の発光波長とが同じ場合(同じ相関色温度の場合)、本実施形態の発光基板10は、各発光素子20が出射した際の光Lの束を、各発光素子20が出射した際の光Lの波長と同じ波長の光Lを含む光Lの束として上記励起光とともに照射する。」
<認定事項9>
前記[0028」の「LED22の底面を除く全周囲(5面)が蛍光体封止層24により覆われていることが好ましい」との記載は、LED22の底面を除く全周囲(5面)が蛍光体封止層24により覆われていないことも許容するものである。そうすると、引用文献9には、発光基板(蛍光体基板30)において、発光素子(LED22)を覆っていない蛍光体層(36)を有することが記載されているものと認められる(以下「認定事項9」という。)。
オ 周知技術Aの認定
前記ア~エに示した引用文献6~9の記載事項(認定事項6~9)に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術A」という。)。
<周知技術A>
「発光基板において、発光素子を覆っていない蛍光体層を有すること。」
4 本願発明と引用発明の対比
(1) 対比分析
本願発明と引用発明を対比する。
ア 構成Xについて
構成Xは、「発光装置」の発明であることを特定するものである。
「発光装置」の発明である本願発明と「COB光源」の発明である引用発明は、「発光装置」の発明である点において一致する。
イ 構成Aについて
(ア) 構成Aは「絶縁基板の一面に設けられている回路パターン層と、前記回路パターン層に接合されている複数の発光素子とを有する発光基板を有[する]」ことである。
(イ)a 引用発明における「基板1」と本願発明における「絶縁基板」は、基板である点において共通する。
b 引用発明における「回路層」は、本願発明における「回路パターン層」に相当する。
c そうすると、本願発明における「絶縁基板の一面に設けられている回路パターン層」と、引用発明における「基板1上に設けられた回路層」(構成a参照)とは、「基板の一面に設けられている回路パターン層」である点において共通する。
(ウ)a 引用発明における「LEDチップ2」は、本願発明における「発光素子」に相当する。
b そして、引用発明においては、「LEDチップ2は異なる直径の円周上に分布し、同一円周上のLEDチップ2は均等に配置され[る]」(構成c参照)から、「LEDチップ2」は複数ある。
c 引用発明において、「LEDチップ2」は、「回路層」に含まれる「内部配線3上に分布[する]」「パッド上に実装され[る]」(構成e及び構成h参照)から、回路層に接合されているものといえ、このことは、本願発明でいう「前記回路パターン層に接合されている」ことに相当する。
(エ) 引用発明における「基板1、基板1上に設けられた回路層及びLEDチップ2」は全体として、本願発明における「発光基板」に相当する。
(オ) 以上の検討結果をまとめると、本願発明と引用発明との構成Aの観点における一致点及び相違点は、それぞれ次のa及びbに示すとおりである。
a 構成Aの観点における一致点
「A’基板の一面に設けられている回路パターン層と、前記回路パターン層に接合されている複数の発光素子とを有する発光基板を有[する]」点。
b 構成Aの観点における相違点
「基板」が、
本願発明においては、「絶縁基板」であるのに対して、
引用発明においては、絶縁基板かどうか不明である点。
ウ 構成Bについて
(ア) 構成Bは、「前記発光基板は、前記絶縁基板の一面側に設けられ、少なくとも1つの発光素子の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層を有[する]」ことである。
(イ) 引用発明における「蛍光樹脂」は、本願発明における「蛍光体を含む蛍光体層」に相当する。
(ウ) 引用発明において、「囲堰6」は、「基板1上」の「円形のダイボンディング領域の周囲を囲む」ものである(構成b参照)ことを踏まえると、引用発明において「囲堰6内にLEDチップ2を覆う蛍光樹脂が設けられ[る]」(構成d参照)ことは、前記イ(ウ)の検討結果(「基板1、基板1上に設けられた回路層及びLEDチップ2」は全体として本願発明における「発光基板」に相当すること)も踏まえると、本願発明における「発光基板が、基板1の一面側に設けられる、蛍光体を含む蛍光体層を有すること」に相当するといえる。
(エ) また、引用発明における「蛍光樹脂」は、「LEDチップ2を覆う」(構成d参照)ものであり、これをCOB光源とするには、技術常識からして、LEDチップ2の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含まなければならないことは、明らかである。
(オ) 以上の検討結果をまとめると、本願発明と引用発明との構成Bの観点における一致点及び相違点は、それぞれ次のa及びbに示すとおりである。なお、構成Bの観点における相違点は構成Aの観点における相違点と共通する。
a 構成Bの観点における一致点
「B’前記発光基板は、前記基板の一面側に設けられ、少なくとも1つの発光素子の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層を有[する]」点。
b 構成Bの観点における一致点
「基板」が、
本願発明においては「絶縁基板」であるのに対して、
引用発明においては、絶縁基板かどうか不明である点。
エ 構成C及び構成Dについて
(ア)a 構成Cは、「前記複数の発光素子は、複数の発光素子が直列に接続された複数の直列体を有[する]」ことである。
b 構成Dは、「前記複数の直列体は、前記発光基板の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されて[いる]」ことである。
(イ)a 引用発明は、次の構成f、g、h及びkを有する。
「(構成f) 内部配線3は円周上に均等に配置され、その一端は集約されて中間ノード5を形成し、中間ノード5はダイボンディング領域の中心に位置し」
「(構成g) 内部配線3の他端は外側に放射状に延びて囲堰6の外に引き出され」
「(構成h) パッドは内部配線3上に分布し、LEDチップ2はパッド上に実装され、同一内部配線3上のLEDチップ2は直列接続され」
「(構成k) 隣接する内部配線3上のLEDチップ2の直列回路が並列接続される」
b 引用発明の前記構成f、g、h及びk、並びに、前記イ(ウ)の検討結果(「基板1、基板1上に設けられた回路層及びLEDチップ2」は全体として本願発明における「発光基板」に相当すること)も踏まえると、引用発明は、「複数のLEDチップ2が直列に接続されて放射状に延びる複数の直列回路(直列体)」を有し、「前記複数の直列体は、前記発光基板の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されて[いる]ものであるといえる。
(ウ) したがって、引用発明は、本願発明の構成C及び構成Dに相当する構成を備えるといえる。
オ 構成Eについて
(ア) 構成Eは、「前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されて[いる]」ことである。
(イ) 引用発明においては、「外部配線4は囲堰6の周囲に設けられ、内部配線3の一端と接続され、外部配線4の一端は正極に接続され[る]」(構成i参照)ことから、複数のLEDチップ2が直列に接続されて放射状に延びる複数の直列回路(直列体)の正極(アノード)側は、「基板1上」の「円形のダイボンディング領域」「の周囲に」「設けられ」た「ダイボンディング領域を囲む囲堰6」(構成a参照)の周囲の外部配線4(基板面外側)に配置されているものといえる。
(ウ)したがって、引用発明は、本願発明の構成Eに相当する構成を備えるといえる。
カ 構成Fについて
(ア) 構成Fは、「F 前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っていない」ことである。
(イ) 本願発明においては、「前記蛍光体層は、前記発光素子を覆っていない」のに対して、
引用発明においては、「蛍光樹脂」は、「LEDチップ2を覆う」((d)参照)ものである点において相違する。
(2) 一致点及び相違点
前記(1)の対比分析の結果をまとめると、本願発明の引用発明との一致点及び相違点は、それぞれ次のア及びイに示すとおりである。
ア 一致点
「(構成A’)基板の一面に設けられている回路パターン層と、前記回路パターン層に接合されている複数の発光素子とを有する発光基板を有し、
(構成B’)前記発光基板は、前記基板の一面側に設けられ、少なくとも1つの発光素子の発光を励起光としたときの発光ピーク波長が可視光領域にある蛍光体を含む蛍光体層を有し、
(構成C) 前記複数の発光素子は、複数の発光素子が直列に接続された複数の直列体を有し、
(構成D) 前記複数の直列体は、前記発光基板の基板面を上面視したときに基板面内側から基板面外側に向かって並列に配置されており、
(構成E) 前記複数の直列体のアノード側は、前記基板面内側又は前記基板面外側のいずれか一方の同じ側に配置されている、
(構成X) 発光装置」の発明である点。
イ 相違点
<相違点1>(構成A、Bの観点におけるの相違点)
基板が、
本願発明においては、「絶縁基板」であるのに対して、
引用発明いおいては、絶縁基板かどうか不明である点。
<相違点2>(構成Fの観点におけるの相違点)
本願発明においては、「蛍光体層は、前記発光素子を覆っていない」のに対して、
引用発明においては、「蛍光樹脂」(「蛍光体層」に相当する。)は、「LEDチップ2を覆う」ものである点。
5 判断
(1) 相違点1について
ア 引用文献1には、次の「引用文献2技術事項」が記載されている(前記3(2)イ参照)。
「基板10の円形状の発光領域110a内に、発光領域110aの中心点から放射状になるように配置されている発光部513を備えるLEDモジュール500において、基板10が、例えば、セラミックスや熱伝導樹脂のような絶縁材料からなること。」
イ このように、引用発明と共通する「基板の円形状の発光領域内に、発光領域の中心点から放射状になるように配置されている発光部を備えるLEDモジュール」の「基板」として、「セラミックスや熱伝導樹脂のような絶縁材料からなること」は自明の選択肢である。
ウ してみれば、引用発明における基板の具体化手段として、引用文献2技術事項を選択して、「基板1」を絶縁材料からなる絶縁基板とし、本願発明の相違点1に係る構成を備えるようにすることは、当業者にとっては自明の設計事項であり、当業者が容易に想到し得たことである。
(2) 相違点2について
ア 前記3(3)オにおいて「周知技術A」として認定したように、「発光基板において、発光素子を覆っていない蛍光体層を有すること」は、周知技術であって、蛍光体層の設け方として自明の選択肢である。
イ してみれば、発光素子を蛍光体層で覆って発光素子から出た全ての方向について発光素子が発した光(の一部)を蛍光体層により別の波長に変換するか、それとも、発光素子を蛍光体層で覆わないで発光素子が発した光のうち一部の方向の光のみを蛍光体により別の波長に変換するかは、目的の色やスペクトルに応じて適宜選択し得る設計的事項であって、引用発明に周知技術Aを適用して、本願発明の相違点2に係る構成を備えるようにすることは、当業者にとっては自明の設計変更にすぎず、当業者が容易に想到し得たことである。
(3) 総合評価
前記(1)及び(2)において検討したとおり、引用発明において、前記相違点1及び2係る本願発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術Aに基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び周知技術Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4) 請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書において、次の(ア)及び(イ)の点を主張する。
(ア) LEDチップ2から発光される光の多くは、LEDチップ2の上面から放射され、そして、引用文献1において、蛍光接着剤がLED2を覆わないようにすると、LEDチップ2から放射される光の多くが波長変換されない状態で放射されることになり、このため、引用発明において蛍光接着剤がLED2を覆わないようにすることには阻害要因がある。
(イ) このため、引用文献6の図14(f)で示された蛍光体シート被覆LED10、すなわち、LED4およびその側面に蛍光体シート5を設け上面が覆われていない蛍光体シート被覆LED10を、引用文献1に適用したとしても、引用文献1のLEDチップ2の代わりに引用文献6の蛍光体シート被覆LED10を基板1に実装したうえで、蛍光体シート被覆LED10の上に引用文献1に記載の蛍光接着層を設けることになり、したがって、引用文献1に引用文献6を組み合わせた場合でも、相違点2は依然として残った状態となる。
イ 前記(2)において検討したとおり、「発光基板において、発光素子を覆っていない蛍光体層を有すること」は周知技術であり、発光素子が発した光について、全ての方向で波長変換するかそれとも一部の方向のみを波長変換するかは、目的の色やスペクトルに応じて適宜選択し得る設計的事項にすぎないから、請求人の主張は前記(3)の結論を左右するものではない。
第4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-011392