審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2024-009997

インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタの制御方法、およびプログラム

審判番号
2024-009997
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-171546外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年06月17日
審決日
2025年03月17日
公報発行日
2025年04月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .4 -WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第39条第2項、特許法第44条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-171546「インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタの制御方法、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 5月13日出願公開、特開2024- 63520、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 24項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和4年10月26日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和6年 1月24日 :手続補正書の提出
令和6年 2月 7日付け:拒絶理由通知
令和6年 4月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 4月19日付け:拒絶査定(原査定)
令和6年 6月17日 :審判請求書の提出
令和6年12月 3日付け:拒絶理由通知(当審拒絶理由)、協議指令
令和7年 2月 7日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和6年4月19日付け)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし10に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2020-137045号公報

2.特開2006-191328号公報

3.特開2020-88412号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審が令和6年12月3日付けで通知した拒絶理由の概要は次のとおりである。

1 理由1(同日出願)

この出願の請求項4及び10に係る発明は、同一出願人が同日出願した下記の出願の請求項1及び13に係る発明と同一と認められるから、この通知書と同日に発送した特許庁長官名による指令書に記載した届出がないときは、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

A.特願2024-71464号(特開2024-102158号)

2 理由2(サポート要件)

この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

本願の発明の詳細な説明から把握できる発明の課題は、「セキュリティが低下する可能性がある」ことであると考えられるが、請求項1-10には「セキュリティの向上」に寄与する構成は記載されていない。

したがって、請求項1-10に係る発明は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものである。

第4 本願発明

本願請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は、令和7年2月7日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
コピー機能とスキャン機能とを少なくとも含む複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタであって、
表示部と、
コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段と、
続きを表示(全28行)
を備え、
前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含み、
前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記第2のホーム画面は、前記コピー機能を示す第1名称と、前記第1名称とは異なり、かつ前記両面コピー機能を示す第2名称を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記電源がオン状態に移行した場合とは、前記インクジェットプリンタがソフトオンされて起動した場合であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記第1のホーム画面はLANボタンを含み、前記第2のホーム画面はLANボタンを含まないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記第1のホーム画面に表示されている領域であり、かつ前記第2のホーム画面を表示するための領域である第1の領域が押下された場合、前記第2のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面に表示されている領域であり、かつ前記第1のホーム画面を表示するための領域である第2の領域が押下された場合、前記第1のホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタに備えられた電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記第2のホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記第1のホーム画面は、前記第1のホーム画面に表示すると予め決められたボタンである、前記コピー機能の実行を指示するためのボタンと、前記スキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記第2のホーム画面は、前記コピー機能の実行を指示するためのボタンと、前記両面コピー機能の実行を指示するためのボタンと、前記コピー機能および前記両面コピー機能以外の機能の実行を指示するためのボタンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
コピー機能とスキャン機能とを少なくとも含む複数の機能を実行可能であり、表示部を備えるインクジェットプリンタの制御方法であって、
コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御ステップを有し、
前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像を含み、
前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタを機能させるためのプログラム。」

第5 同日出願、同日発明、引用文献、引用発明等

1 同日出願A

(1)本願及び同日出願Aの出願日等

本願は、令和4年10月26日の出願である。

また、特願2024-71464号(以下「同日出願A」という。)は、令和4年10月26日の出願である特願2022-171518号の一部を、令和6年4月25日に新たな特許出願としたものであるから、特許法第44条第2項の規定により、同日出願Aに係る出願日は令和4年10月26日であるものとみなされる。

したがって、本願及び同日出願Aに係る出願日は、いずれも令和4年10月26日であると認められる。

(2)同日発明

同日出願Aの請求項1ないし16に係る発明(以下、それぞれ「同日発明1」-「同日発明16」という。)は、同日出願Aの令和7年1月20日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1-16に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタであって、
表示部と、
第1のモードのホーム画面と、複数の第2のモードのホーム画面と、を切り替えて前記表示部に表示することが可能な表示制御手段と、
続きを表示(全50行)
を備え、
前記第1のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンとスキャン機能の実行を指示するためのボタンとLANに関するボタンを含み、前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含まず、
前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含み、
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示し、
前記第2のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記第2のモードのホーム画面は、前記コピー機能を示す前記第1画像と、前記第1画像とは異なり、かつ前記両面コピー機能を示す前記第2画像を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む、前記第1のモードのホーム画面に表示されるボタンの数と前記第2のモードのホーム画面に表示されるボタンの数は異なる
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記表示制御手段は、ユーザによって指定された前記コピー機能を示すボタンを前記第2のモードのホーム画面に表示する場合、前記コピー機能を示す名称を含む前記コピー機能を示すボタンを表示し、ユーザによって指定された前記両面コピー機能を示すボタンを前記第2のモードのホーム画面に表示する場合、前記両面コピー機能を示す名称を含む前記両面コピー機能を示すボタンを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記電源がオン状態に移行した場合とは、前記インクジェットプリンタがソフトオンされて起動した場合である
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面に表示されている領域であり、かつ前記第2のモードのホーム画面を表示するための領域である第1の領域が押下された場合、前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のモードのホーム画面に表示されている領域であり、かつ前記第1のモードのホーム画面を表示するための領域である第2の領域が押下された場合、前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタに備えられた電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記電源ボタンが押下されて前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第2のモードのホーム画面に表示された前記コピー機能の実行を指示するためのボタンを、ユーザによって選択された第1の機能の実行を指示するためのボタンに変更した前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面に表示された前記コピー機能の実行を指示するためのボタンを、ユーザによって選択された第1の機能の実行を指示するためのボタンに変更した前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示することが可能でないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面に表示すると予め決められたボタンである、前記コピー機能の実行を指示するためのボタンと、前記スキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む、前記第1のモードのホーム画面を表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記コピー機能の実行を指示するためのボタンと、前記両面コピー機能の実行を指示するためのボタンと、第2の機能の実行を指示するためのボタンの3つのボタンを含む前記第2のモードのホーム画面を表示することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記複数の第2のモードのホーム画面の各ホーム画面に対して認証情報を設定することが可能な設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記複数の第2のモードのホーム画面のうち所定のホーム画面に対して入力された情報が、前記設定手段によって設定された前記所定のホーム画面の認証情報を満たす場合に、前記所定のホーム画面を表示することを特徴とする請求項12に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記複数の第2のモードのホーム画面のうち所定のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合であり、かつ前記所定のホーム画面に対して前記設定手段によって前記認証情報が設定されている場合は、前記所定のホーム画面に対して前記認証情報が設定されていることを示す画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項12に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項15】
複数の機能を実行可能であり、表示部を備えるインクジェットプリンタの制御方法であって、
第1のモードのホーム画面と、複数の第2のモードのホーム画面と、を切り替えて前記表示部に表示することが可能な表示制御ステップと、
を備え、
前記第1のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンとスキャン機能の実行を指示するためのボタンとLANに関するボタンを含み、前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含まず、
前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含み、
前記表示制御ステップは、前記第1のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示し、
前記第2のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタを機能させるためのプログラム。」

2 引用文献1、引用発明

(1)引用文献1

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。

ア 「【0018】
(2)画像処理装置の構成
画像処理装置10は、例えばスキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクス機能などの、複数の機能を備えている。スキャン機能は、原稿の画像を読み取ってその読み取った画像の画像データを生成する機能である。印刷機能は、シート状の記録用紙へ画像を印刷する機能である。コピー機能は、スキャン機能により読み取った画像を印刷機能により印刷する機能である。ファクス機能は、ファクシミリデータの送受信を行うである。
【0019】
図1に示すように、画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、読取部15と、印刷部16と、近距離無線通信部17と、第1通信部18と、第2通信部19とを備え、これらがバス5を介して相互に接続されている。」
イ 「【0029】
印刷部16は、インクジェット技術や電子写真技術の印刷機構を有し、シート状の記録用紙に画像を印刷することが可能である。
近距離無線通信部17は、画像処理装置10の近傍に存在している他の無線通信装置と特定の無線通信方式にて無線通信を行う。特定の無線通信方式はどのような無線通信方式であってもよく、本実施形態では例えばNFCの通信規格に基づく無線通信方式である。NFCは、Near Field Communicationの略称である。」
ウ 「【0040】
(4)待機画面の説明
次に、画像処理装置10の表示部13に表示される各種画面のうち特に待機画面40について、図2を参照して説明する。画像処理装置10の制御部11は、起動すると、所定の初期処理を行った後、図2に示す待機画面40を表示部13に表示する。
【0041】
待機画面40は、1つ又は複数のタブを有するタブ形式の画面である。待機画面40に表示されるタブの数や種類は、後述するユーザモードに応じて、或いはログインユーザに応じて、異なり得る。図2は、ユーザモードが一般モードに設定されている場合の待機画面40の一例を示している。また、図2は、複数のタブのうち、第1タブ31、第2タブ32、第3タブ33及び第4タブ34が表示されている例を示している。
【0042】
複数のタブの各々には、個別のタブ画面が対応付けられている。待機画面40には、表示されているタブのうち選択状態にされている1つのタブに対応したタブ画面が表示される。選択状態にされているタブは、他のタブとは異なる態様で表示される。」
エ 「【0047】
現在選択状態にされているタブのタブ画面から、他のタブのタブ画面に切り替えたい場合は、例えば、切り替え先のタブを選択操作すればよい。現在選択状態のタブ以外のタブを選択操作すると、その選択操作したタブが選択状態にされて、待機画面40には、その新たに選択状態にされたタブに対応したタブ画面が表示される。例えば図2の左に示すように第1タブ31が選択状態にされている場合に、第3タブ33を選択操作すると、図2の右に示すように、第3タブ33が選択状態にされて、待機画面40には、第3タブ33に対応した第3タブ画面60が表示される。逆に、図2の右に示す待機画面40において、第1タブ31を選択操作ると、図2の左に示すように、第1タブ31が選択状態にされて、待機画面40には、第1タブ31に対応した第1タブ画面50が表示される。」
オ 「【0050】
即ち、図2の左に示すように、第1タブ31に対応した第1タブ画面50には、第1タブ31に登録されている第1アイコン51~第8アイコン58が配置される。図2の右に示すように、第3タブ33に対応した第3タブ画面60には、第3タブ33に登録されている第17アイコン61~第24アイコン68が配置される。各アイコンには、アイコンの名称が含まれる。各アイコンの具体的種類は変更することができる。
【0051】
各アイコンには、それぞれ、特定の機能が対応付けられている。ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行される。
【0052】
図2の左に例示する第1タブ画面50においては、例えば、第1アイコン51にはファクス機能における特定の機能が対応付けられており、第2アイコン52にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第3アイコン53にはスキャン機能における特定の機能が対応付けられている。第4アイコン54及び第8アイコン58は、特定の機能が対応付けられていない未登録アイコンである。ユーザは、これらの未登録アイコンに特定の機能を登録することによりその特定の機能を対応付けることができる。第5アイコン55~第7アイコン57については説明を省略する。
【0053】
図2の右に例示する第3タブ画面60においては、例えば、第17アイコン61にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第18アイコン62及び第19アイコン63にはファクス機能における特定の機能が対応付けられており、第20アイコン64及び第21アイコン65にはスキャン機能における特定の機能が対応付けられている。第22アイコン66~第24アイコン68は未登録アイコンである。」
カ 「【図2】
[図:0001421257000001.jpg]
」

キ 上記カから、第17アイコン61に関連する画像と、第18アイコン62に関連する画像とは異なることが見て取れる。

(2)引用発明

上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「スキャン機能、コピー機能などの、複数の機能を備えた画像処理装置10であって、
制御部11と、表示部13と、印刷部16とを備え、
印刷部16は、インクジェット技術の印刷機構を有し、
制御部11は、起動すると、所定の初期処理を行った後、待機画面40を表示部13に表示し、
続きを表示(全13行)
待機画面40は、複数のタブを有するタブ形式の画面であり、
待機画面40には、表示されているタブのうち選択状態にされている1つのタブに対応したタブ画面が表示され、
切り替え先のタブを選択操作すると、現在選択状態にされているタブのタブ画面から、他のタブのタブ画面に切り替わり、
第1タブ31に対応した第1タブ画面50には、第1タブ31に登録されている第1アイコン51~第8アイコン58が配置され、第3タブ33に対応した第3タブ画面60には、第3タブ33に登録されている第17アイコン61~第24アイコン68が配置され、
ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行され、
第2アイコン52にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第3アイコン53にはスキャン機能における特定の機能が対応付けられており、
第17アイコン61にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第18アイコン62にはファクス機能における特定の機能が対応付けられており、
第17アイコン61に関連する画像と、第18アイコン62に関連する画像とは異なる、
画像処理装置10。」

3 引用文献2

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0044】
また、図5に示した状態で、画面切替キー36を押下すると、液晶タッチパネル31は図6のような表示に切り替わる。この図6に示した液晶タッチパネル31は、簡易表示画面の一例を示すものである。この例では、元がコピー処理用の画面表示であるため、切り替えた画面もコピー処理用の簡易表示画面になっている。
【0045】
この液晶タッチパネル31の表示状態は、電源切断または省エネ状態に移行する場合、それまでの表示状態がたとえばHDD68などに記憶され、電源投入時または省エネ状態解除時に記憶された状態で再現されるようになっている。
【0046】
図7は、電源投入時または省エネ状態解除時の液晶タッチパネル31の表示処理を説明するためのフローチャートである。まず、電源投入または省エネ状態が解除されると(ステップS701)、電源切断または省エネ状態に移行前の液晶タッチパネル31が簡易表示画面であったか否かを検出する(ステップS702)。ここで、簡易表示画面であった場合(ステップS702:Yes)は、液晶タッチパネル31には簡易表示画面が表示される(ステップS703)。一方、簡易表示画面でなかった場合(ステップS702:No)は、液晶タッチパネル31には通常表示画面が表示される(ステップS704)。」
「【図5】
[図:0001421257000002.jpg]
」
「【図6】
[図:0001421257000003.jpg]
」

4 引用文献3

原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0036】
<ホーム画面401>
図4を用いて、ディスプレイ120に表示されるホーム画面401について説明する。本実施例におけるホーム画面401は特に断りがない限り、画面表示制御部301によって表示されるものとする。
【0037】
続きを表示(全11行)
ホーム画面401は、画像処理装置101が有する各種機能を実行するためのソフトキーを表示するメイン領域402と、履歴ボタンを表示するタイムライン404を有する。メイン領域402は、横方向のフリック操作によって別のメイン領域402に切り替えることを実現し、タイムライン404は、縦方向のフリック操作によって図4で非表示の履歴ボタンを表示状態に切り替えることができる。しかし、各領域における画面の切り替え方法について特に問わず、例えばタイムライン404において横方向のフリック操作によって、非表示の履歴ボタンを表示可能としたり、または別の表示画面に切り替えるようにしてもよい。また、各画面において検知可能なユーザ操作についてもフリック操作やドラッグ操作であってもよく、本実施例で例示するユーザ操作に限定されない。
【0038】
ソフトキーの一例であるコピーボタン406は、コピーのアプリケーションを呼び出すためのソフトキーであり、入力制御部115でユーザ操作によるタッチ操作を検知すると、表示制御部116はホーム画面401をコピーの設定画面(図8(b))に遷移させる。コピーボタン406を押下することによって表示される設定画面には、デフォルトの設定内容が反映されている。コピーの設定画面では、コピーのアプリケーションを実行する際の実行条件(印刷部数、カラー指定、用紙サイズ等)を設定できるものとする。
【0039】
コピー共有ボタン408とマイ送信ボタン409は、画像処理装置101にログイン中のユーザ(例えば、ユーザ1)、または管理者によって作成されたソフトキーである。カスタマイズボタンの作成者によって、該当のカスタマイズボタンをホーム画面401に定常的に表示させるかどうかが決定される。例えば、コピー共有ボタン408は、画像処理装置101の管理者が作成したカスタムボタンであり、定常的にホーム画面401に表示される。一方のマイ送信ボタン409は、画像処理装置101にログイン中のユーザ(ユーザ1)が作成したカスタムボタンであって、ログイン中のユーザが別のユーザに切り替わると表示されなくなる。
【0040】
コピー共有ボタン408が押下されると、文書データを2in1かつ両面でコピーすることができる。マイ送信ボタン409が押下されると、文書データをPDFで、かつ300dpiで送信することができる。尚、コピー共有ボタン408またはマイ送信ボタン409が押下された後の動作は設定画面(例えば、図8(b))を表示させてもよく、設定画面を表示させることなくコピー共有ボタン408またはマイ送信ボタン409に該当する処理を実行させてもよい。また、各種ボタン408、409を押下した後の処理は、各種ボタンの登録方法(履歴ボタンからのホーム画面への登録、または設定画面からのホーム画面への登録等)によって差別化してもよい。」
「【図4】
[図:0001421257000004.jpg]
」

第6 当審拒絶理由について

1 理由1(同日出願)について

(1)本願発明4

本願発明4は、独立形式で記載すると以下の通りになる。

「コピー機能とスキャン機能とを少なくとも含む複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタであって、
表示部と、
コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段と、
を備え、
前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含み、
前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示し、
前記第1のホーム画面はLANボタンを含み、前記第2のホーム画面はLANボタンを含まないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。」

ア 対比・判断

本願発明4を先願、同日発明1を後願と仮定し、本願発明4と同日発明1とを対比すると、次のことがいえる。

(ア)本願発明4の「複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタ」は、同日発明1の「複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタ」に相当する。

(イ)本願発明4の「表示部」は、同日発明1の「表示部」に相当する。

(ウ)本願発明4の「第1のホーム画面」は、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含」み、「LANボタンを含」むものであるから、「コピー機能の実行を指示するためのボタン」、「スキャン機能の実行を指示するためのボタン」及び「LANボタン」のいずれかを選択し得るモードにあるといえる。よって、本願発明4の「第1のホーム画面」は、同日発明1の「第1のモードのホーム画面」に相当する。

また、本願発明4の「第2のホーム画面」は、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む」ものであるから、「コピー機能の実行を指示するためのボタン」、「両面コピー機能の実行を指示するためのボタン」のいずれかを選択し得るモードにあるといえる。よって、本願発明4の「第2のホーム画面」は、同日発明1の「第2のモードのホーム画面」に相当する。

本願発明4では「第1のホーム画面を前記表示部に表示し」、「第2のホーム画面を前記表示部に表示」しているから、上記(イ)を踏まえると、本願発明4の「第1のホーム画面と、」「第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段」と、同日発明1の「第1のモードのホーム画面と、複数の第2のモードのホーム画面と、を切り替えて前記表示部に表示することが可能な表示制御手段」とは、「第1のモードのホーム画面と、第2のモードのホーム画面と、を切り替えて前記表示部に表示することが可能な表示制御手段」である点で共通する。

(エ)本願発明4の「コピー機能の実行を指示するためのボタン」、「スキャン機能の実行を指示するためのボタン」、「LANボタン」は、それぞれ、同日発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタン」、「スキャン機能の実行を指示するためのボタン」、「LANに関するボタン」に相当する。したがって、上記(ウ)を踏まえると、本願発明4の「第1のホーム画面」が「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含」み、「LANボタンを含」むことは、引用発明1の「前記第1のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンとスキャン機能の実行を指示するためのボタンとLANに関するボタンを含」むことに相当する。

(オ)本願発明4の「両面コピー機能の実行を指示するためのボタン」は、同日発明1の「両面コピー機能の実行を指示するためのボタン」に相当する。したがって、上記(ウ)、(エ)を踏まえると、本願発明4の「第2のホーム画面」が「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含」み、「LANボタンを含まないこと」と、同日発明1の「前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含ま」ないこととは、「前記第2のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含ま」ない点で共通する。

(カ)上記(ウ)、(オ)を踏まえると、本願発明4の「前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」むことと、同日発明1の「前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」むこととは、「前記第2のモードのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」む点で共通する。

(キ)上記(ウ)を踏まえると、本願発明4の「表示制御手段」は「第1のホーム画面」を「表示することが可能」であり、「前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示」することは、同日発明1の「前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示」することに相当する。

(ク)上記(ウ)を踏まえると、「前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示」することは、同日発明1の「前記第2のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示する」ことに相当する。

(ケ)上記(イ)、(ウ)を踏まえると、本願発明4の「表示部と、」「表示制御手段と、を備え」た「インクジェットプリンタ」は、同日発明1の「表示部と、」「表示制御手段と、を備え」た「インクジェットプリンタ」に相当する。

したがって、本願発明4と同日発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタであって、
表示部と、
第1のモードのホーム画面と、第2のモードのホーム画面と、を切り替えて前記表示部に表示することが可能な表示制御手段と、
を備え、
前記第1のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンとスキャン機能の実行を指示するためのボタンとLANに関するボタンを含み、前記第2のモードのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含まず、
前記第2のモードのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含み、
前記表示制御手段は、前記第1のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のモードのホーム画面を前記表示部に表示し、
前記第2のモードのホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のモードのホーム画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。」

(相違点A)

同日発明1では「複数の第2のモードのホーム画面」を「切り替えて前記表示部に表示することが可能」であり、「前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、コピー機能の実行を指示するためのボタンと両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含み、かつLANに関するボタンを含まず、」「前記複数の第2のモードのホーム画面のうち少なくとも1つのホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」まないものであるのに対し、本願発明4の「第2のホーム画面」はそのように特定されていない点。

イ 相違点についての判断

上記相違点Aは、課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえず、実質的なものである。

したがって、本願発明4を後願とし、同日発明1を先願とした場合について検討するまでもなく、本願発明4と同日発明1とは同一の発明ではない。

(2)本願発明10について

本願発明10は本願発明4を引用するプログラムの発明であり、同日発明16は同日発明1を引用するプログラムの発明である。同日発明16は同日発明1の上記相違点Aに係る構成に対応する構成を有するものであるから、本願発明10とは同日発明16とは同一の発明ではない。

(3)小括

上記(1)及び(2)で説示したとおり、当審拒絶理由通知における同日出願の拒絶の理由は解消した。

2 理由2(サポート要件)について

令和7年2月7日提出の手続補正書による補正の結果、本願発明1、9は「前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のモードのホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示する」構成を含むものとなった。

他者がインクジェットプリンタを使用したことを容易に認識することにより「セキュリティの向上」という目的を達成することが可能であるから、本願発明1-10は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲内のものであるといえる。

したがって、当審拒絶理由通知におけるサポート要件違反の拒絶の理由は解消した。

第7 原査定について

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「画像処理装置10」は、「インクジェット技術の印刷機構を有」する「印刷部16」「を備え」たものであるから、インクジェットプリンタと称することができるものである。また、引用発明の「スキャン機能、コピー機能などの、複数の機能を備えた画像処理装置10」が、「スキャン機能」及び「コピー機能」を実行可能であることは自明である。したがって、引用発明の「インクジェット技術の印刷機構を有」する「印刷部16」「を備え」、「スキャン機能、コピー機能などの、複数の機能を備えた画像処理装置10」は、本願発明1の「コピー機能とスキャン機能とを少なくとも含む複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタ」に相当する。

イ 引用発明の「表示部13」は、本願発明1の「表示部」に相当する。

ウ 引用発明の「アイコン」は、本願発明1の「ボタン」に相当する。引用発明では「ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行され」ているから、引用発明の「コピー機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第2アイコン52」、「スキャン機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第3アイコン53」は、それぞれ、本願発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタン」、「スキャン機能の実行を指示するためのボタン」に相当する。

引用発明では「第1タブ31に対応した第1タブ画面50には、第1タブ31に登録されている第1アイコン51~第8アイコン58が配置され、」「ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行され」ているから、引用発明の「第1タブ画面50」は、「第1アイコン51~第8アイコン58」「に対応付けられている特定の機能」を実行するためのホーム画面であるといえる。

したがって、引用発明の「コピー機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第2アイコン52」、「スキャン機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第3アイコン53」「が配置され」る「第1タブ画面50」は、本願発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面」に相当する。

エ 引用発明では「ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行され」ているから、引用発明の「コピー機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第17アイコン61」は、本願発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタン」に相当する。また、引用発明の「ファクス機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第18アイコン62」と、本願発明1の「両面コピー機能の実行を指示するためのボタン」とは、「所定の機能の実行を指示するためのボタン」である点で共通する。

引用発明では「第3タブ33に対応した第3タブ画面60には、第3タブ33に登録されている第17アイコン61~第24アイコン68が配置され、」「ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行され」ているから、引用発明の「第3タブ画面60」は、「第17アイコン61~第24アイコン68」「に対応付けられている特定の機能」を実行するためのホーム画面であるといえる。

したがって、引用発明の「コピー機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第17アイコン61」、「ファクス機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第18アイコン62」「が配置され」る「第3タブ画面60」と、本願発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面」とは、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび所定の機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面」である点で共通する。

オ 引用発明では「制御部11は、起動すると、所定の初期処理を行った後、待機画面40を表示部13に表示し、待機画面40は、複数のタブを有するタブ形式の画面であり、待機画面40には、表示されているタブのうち選択状態にされている1つのタブに対応したタブ画面が表示され、切り替え先のタブを選択操作すると、現在選択状態にされているタブのタブ画面から、他のタブのタブ画面に切り替わ」るから、引用発明の「制御部11」が、「待機画面40」の「第1タブ画面50」と「第3タブ画面60」とを「切り替え」る表示の制御をしていることは自明である。したがって、上記ウ、エを踏まえると、引用発明の「第1タブ画面50」と「第3タブ画面60」とを「切り替え」る表示の制御をする「制御部11」と、本願発明1の「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段」とは、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび所定の機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段」である点で共通する。

カ 上記エを踏まえると、引用発明の「コピー機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第17アイコン61に関連する画像」は、本願発明1の「前記コピー機能に関連する第1画像」に相当する。また、引用発明では「第17アイコン61に関連する画像と、第18アイコン62に関連する画像とは異なる」から、引用発明の「ファクス機能における特定の機能が対応付けられて」いる「第18アイコン62に関連する画像」と、本願発明1の「前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像」とは、「前記所定の機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像」である点で共通する。したがって、引用発明の「第3タブ画面60には、第3タブ33に登録されている」「第17アイコン61」及び「第18アイコン62」「が配置され」ることと、本願発明1の「前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」むこととは、「前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記所定の機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」む点で共通する。

キ 上記ア、イ、オを踏まえると、引用発明の「表示部13」と、「制御部11」「とを備え」た「画像処理装置10」は、後述する相違点を除き、「表示部と、」「表示制御手段と、を備え」た「インクジェットプリンタ」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「コピー機能とスキャン機能とを少なくとも含む複数の機能を実行可能であるインクジェットプリンタであって、
表示部と、
コピー機能の実行を指示するためのボタンおよびスキャン機能の実行を指示するためのボタンを含む第1のホーム画面と、コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび所定の機能の実行を指示するためのボタンを含む第2のホーム画面と、を切り替えて表示することが可能な表示制御手段と、
を備え、
前記第2のホーム画面は、さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記所定の機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含む、
インクジェットプリンタ。」

(相違点1)

本願発明1の「第2のホーム画面」は、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含」み、「さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」むのに対し、引用発明の「第3タブ画面60」は、両面コピー機能が対応付けられているアイコンが配置されておらず、両面コピー機能に関連する画像であってコピー機能に関連する画像と異なる画像を含んでいない点。

(相違点2)

本願発明1では「前記第1のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第1のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第1のホーム画面を前記表示部に表示し、前記第2のホーム画面が前記表示部に表示された状態で前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態に移行し、その後、前記インクジェットプリンタの電源がオン状態に移行した場合、前記インクジェットプリンタの電源がオフ状態へ移行時に前記第2のホーム画面が表示されていたことに基づいて前記第2のホーム画面を前記表示部に表示する」のに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(2)相違点についての判断

まず、相違点1について検討する。

「第2のホーム画面」が、「コピー機能の実行を指示するためのボタンおよび両面コピー機能の実行を指示するためのボタンを含」み、「さらに、前記コピー機能に関連する第1画像と、前記両面コピー機能に関連する画像であって前記第1画像とは異なる第2画像とを含」む点について、引用文献2-3には記載されておらず、また、本願の出願日前における周知技術であったとも認められない。

したがって、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術事項に基づいて、当業者が本願発明1の上記相違点1に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。

よって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2-8について

本願発明2-8は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1の相違点1に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明9について

本願発明9は、本願発明1に対応する方法の発明である。したがって、本願発明1の相違点1に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明10について

本願発明10は、本願発明1-8のいずれかを引用するプログラムの発明である。したがって、本願発明1の相違点1に係る構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 小括

上記1ないし4で説示したとおり、本願発明1-10は、引用文献1及び2に記載された発明及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。

したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-009997

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決458件(キヤノン株式会社)
  • 2025-006402拒絶査定不服審判 / 2026-08-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)セラミックス物品の製造方法、およびセラミックス物品
    同じ当事者: キヤノン株式会社
  • 2025-007924拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)コネクタユニット、画像形成装置及びシート処理装置
    同じ当事者: キヤノン株式会社
  • 2025-008882拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、認証器、それら方法およびプログラム
    同じ当事者: キヤノン株式会社
  • 2025-006569拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)画像形成装置
    同じ当事者: キヤノン株式会社
  • 2025-003408拒絶査定不服審判 / 2026-07-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)多元数演算装置及び医用画像診断装置
    同じ当事者: キヤノン株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,791件(121・G06F、4・G06F、537・G06F)
  • 2017-011111拒絶査定不服審判 / 2018-12-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンピューティングデバイス、コンピューティングシステム、方法、データ処理システム…
    共通の審決分類: 121・G06F、4・G06F、537・G06F
  • 2016-018942拒絶査定不服審判 / 2018-01-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)システムインターフェースへダイレクトアクセスするメモリマネージメントユニット
    共通の審決分類: 121・G06F、4・G06F、537・G06F
  • 2015-020126拒絶査定不服審判 / 2017-03-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)システム
    共通の審決分類: 121・G06F、4・G06F、537・G06F
  • 2025-005007拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)共有レコードのクライアント更新にルールの適用によるシステム生成更新のトリガ
    共通の審決分類: 121・G06F、537・G06F
  • 2024-009005拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)モジュール式空気冷却および分配システムおよび方法
    共通の審決分類: 121・G06F、537・G06F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存