商標拒絶査定不服審判
2024-003731
オイシーグループ、オイシー、オオアイシイ、オイク、オイシイ
- 審判番号
- 2024-003731
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-027082
- 請求日
- 2024年03月04日
- 審決日
- 2024年12月19日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社OICグループ
- 【請求人代理人】田中 尚文
- 【請求人代理人】渡部 彩
- 【請求人代理人】江島 絢子
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W354043) / T18 .262-Z (W354043) / T18 .263-Z (W354043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-27082拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年3月14日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和5年 9月 4日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年11月21日付け:拒絶査定
令和6年 3月 4日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類、第40類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第35類、第40類及び第43類に属する別掲2に記載のとおりの指定役務に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5314503号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「OiC」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなる商標
登録出願日:平成21年8月17日
設定登録日:平成22年4月9日
指定商品:第30類「菓子,パン,調味料,穀物の加工品」
2 登録第5942862号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「OIC」(標準文字)
登録出願日:平成25年12月26日
設定登録日:平成29年4月28日
指定商品及び指定役務:第3類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類、第28類、第29類、第32類、第39類、第41類、第43類及び第45類に属する別掲3に記載のとおりの商品及び役務
3 登録第6310662号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「OIC」(標準文字)
登録出願日:令和元年11月26日
設定登録日:令和2年10月30日
指定商品:第22類「テント(登山用又はキャンプ用のものを除く。),雨覆い,天幕,登山用又はキャンプ用のテント,ザイル,船舶用オーニング,ターポリン,帆」
4 登録第6542640号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「OIC」(標準文字)
登録出願日:令和3年6月7日
設定登録日:令和4年4月8日
指定商品及び指定役務:第9類、第35類及び第42類に属する別掲4に記載のとおりの商品及び役務
5 登録第6650974号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「OIC」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなる商標
登録出願日:令和4年3月29日
設定登録日:令和4年12月12日
指定商品:第5類「サプリメント」
以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「oic」の文字と「オイシーグループ」の文字を黒色で(ただし「i」の文字の一部は赤色で表されている。)二段書きしてなり、その右上方に直線及び曲線からなる赤色の図形を配してなるものである。
本願商標の構成中、文字部分と図形部分とは、いずれも重なること無く間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、構成中の図形部分は、直ちに特定の事物を想起させるものではなく、文字部分との観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、文字部分と図形部分とが、それぞれ自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
また、文字部分についてみると、「oic」の文字部分と、「オイシーグループ」の文字部分は、異なる大きさで、段を異にして、異なる文字種で表され、視覚的に分離して観察されるものである。
そして、「oic」の文字は、「光集積回路、(先天性)骨形成不全症、(アメリカの)国際文化局、イスラム諸国会議機構」(「略語大辞典第2版」丸善出版株式会社)等の意味を有する略語であるものの、本願商標の指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難く、また、「オイシーグループ」の文字は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、その指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、いずれも造語として看取され、これらに観念上のつながりもない。
そうすると、本願商標の「oic」の文字部分と「オイシーグループ」の文字部分は、それぞれ自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、その構成中、大きく顕著に表された「oic」の文字部分が強く印象付けられ、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断できるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「oic」の文字に相応して、「オオアイシイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「OiC」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、これは上記(1)と同様に、「光集積回路、(先天性)骨形成不全症、(アメリカの)国際文化局、イスラム諸国会議機構」(「略語大辞典第2版」丸善出版株式会社)等の意味を有する略語であるものの、引用商標1の指定商品との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難いものである。
したがって、引用商標1は、「オオアイシイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2ないし4について
引用商標2ないし4は、「OIC」の文字を標準文字で表してなるところ、これは上記(1)と同様に、「光集積回路、(先天性)骨形成不全症、(アメリカの)国際文化局、イスラム諸国会議機構」等の意味を有する略語であるものの、引用商標2ないし4の指定商品及び指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難いものである。
したがって、引用商標2ないし4は、「オオアイシイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
ウ 引用商標5について
引用商標5は、「OIC」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、これは上記(1)と同様に、「光集積回路、(先天性)骨形成不全症、(アメリカの)国際文化局、イスラム諸国会議機構」等の意味を有する略語であるものの、引用商標5の指定商品との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難いものである。
したがって、引用商標5は、「オオアイシイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び上記(2)アないしウのとおりの構成からなるところ、本願商標の構成中、その要部である「oic」の文字部分と、引用商標とを比較すると、外観においては、そのつづりを同じくするから、大文字と小文字の差異や彩色の有無の差異等があるとしても、両者は、外観上近似した印象を与えるというのが相当である。
そして、称呼においては、両者は、「オオアイシイ」の称呼を共通にするものである。
また、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にするものであるから、それらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両者は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,ビジネスコンサルティング,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」は、引用商標4の指定商品及び指定役務中、第35類「事業に関する指導及び助言,事業に関する情報の提供」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「職業のあっせん」は、引用商標4の指定商品及び指定役務中、第35類「人材の紹介及び人材募集」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「コンピュータデータベースの情報編集」は、引用商標4の指定商品及び指定役務中、第42類「ウェブサイト経由によるコンピュータ技術及びコンピュータプログラミングに関する情報の提供」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品、第30類「菓子,パン,調味料,穀物の加工品」、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第29類「乳製品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」、並びに引用商標5の指定商品、第5類「サプリメント」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理器・流し台」を除く。)」及び第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第16類「印刷物」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「紙及び文房具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第16類「文房具類」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウィンドサーフィン用シューズ」を除く。)」及び第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」、並びに引用商標3の指定商品中、第22類「登山用又はキャンプ用のテント,ザイル」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第35類「おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具」と類似の役務である。
本願商標の指定役務中、第43類「飲食物のメニュー・レシピ又は食材に関する情報の提供,飲食物の提供」は、引用商標2の指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標からはその上段の要素が分離されることはなく、仮に分離されたとしてもこれより「oic」の欧文字が容易に把握されることもなく、更には、本願商標にあっては、「オイシーグループ」の文字が請求人のハウスマークとして強い自他役務識別機能を発揮することから、当該上段の要素のみをもって取引に資されるとは考えられず、更には、本願商標と各引用商標は外観上明確に区別できることから、両者は観念において類似しないのはもちろんのこと、称呼及び外観においても相紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標を構成する文字部分と図形部分とは、視覚的に分離して観察されることに加え、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。
また、文字部分については、「oic」の文字部分と、「オイシーグループ」の文字部分は、異なる大きさで、段を異にして、異なる文字種で表され、視覚的に分離して観察されるとともに、いずれも造語として看取され、これらに観念上のつながりもないから、それぞれ自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、その構成中、大きく顕著に表された「oic」の文字部分が強く印象付けられ、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断できるというべきである。
加えて、請求人が述べる取引の実情についても、それを裏付ける証拠の提出はなく、需要者がそのことを常に念頭において取引にあたるとはいい難いから、本願商標と引用商標の類否について、上記1(3)においてした判断が左右されることはない。
(2)請求人は、他の登録例、審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例、審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例、審決例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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