特許無効審判
2023-800012
ホルダー
- 審判番号
- 2023-800012
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 特願2020-539957
- 登録番号
- 6849265
- 請求日
- 2023年02月28日
- 審決日
- 2024年03月08日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】朝日木材加工 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人真明センチュリー
- 【被請求人】株式会社 ナカムラ
- 【被請求人代理人】松田 純一
- 【被請求人代理人】西村 公芳
- 【被請求人代理人】野田 薫央
- 【被請求人代理人】保科 拓人
- 【被請求人代理人】高市 惇史
- 【被請求人代理人】清水 善廣
- 【被請求人代理人】殿元 基城
- 【被請求人代理人】小松 悠有子
- 審判長/審判官
- 審判長 五十嵐 努
- 審判官 樫本 剛
- 審判官 千葉 輝久
- 分類
- P1123.113-Y (H04N) / P1123.121-Y (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の特許第6849265号発明「ホルダー」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 請求の趣旨及び答弁の趣旨
1 請求の趣旨
特許第6849265号の特許請求の範囲の請求項1、3、4に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。
2 答弁の趣旨
本件審判の請求は成り立たない。
審判費用は請求人の負担とする。
との審決を求める。
第2 手続の経緯
1 本件特許の手続の経緯の概略
(1)本件特許の出願から設定登録までの経緯
本件無効審判の請求に係る特許第6849265号(以下「本件特許」という。)についての、出願から設定登録までの手続の経緯の概略は、次のとおりである。
平成30年 8月30日 :出願(特願2020-539957号)
令和 3年 2月 2日付け:特許査定
同年 3月 8日 :設定登録
(2)特許異議申立事件の経緯
本件特許についての特許異議申立事件(特許異議申立人朝日木材加工株式会社)における手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和 3年 9月22日 :特許異議の申立て
(異議2021-700918号)
同年11月22日付け:取消理由通知書
4年 1月24日 :訂正請求書、意見書の提出(特許権者)
同年 3月 4日 :意見書の提出(特許異議申立人)
同年 3月24日付け:取消理由通知書(決定の予告)
同年 5月25日 :意見書の提出(特許権者)
同年 6月10日付け:審尋
同年 6月30日 :回答書の提出(特許異議申立人)
同年10月 3日付け:異議の決定(訂正を認める。
請求項1~4に係る特許を維持する。)
(3)本件無効審判の手続の経緯
本件無効審判における手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和 5年 2月28日 :審判請求書の提出
同年 3月24日 :上申書の提出(請求人)
同年 5月26日 :答弁書の提出
同年 7月28日付け:審理事項通知
同年 8月24日 :口頭審理陳述要領書の提出(請求人)
同年 9月14日 :口頭審理陳述要領書の提出(被請求人)
同年10月 5日 :口頭審理
同年10月19日 :上申書の提出(請求人)
第3 本件特許発明
本件特許の請求項1、3及び4に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件発明1」などという。また、これらを総称して「本件発明」という。)は、それぞれ上記異議の決定における「第3 訂正後の本件特許発明」の請求項1、3、4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
〔本件発明1〕
ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーであって、
前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー。
〔本件発明3〕
前記底面部、前記前面部及び前記後面部に通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホルダー。
〔本件発明4〕
前記電子機器は録画装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホルダー。
第4 請求人の主張及び証拠方法
1 請求人の主張の概要
(1)無効理由1(甲第2号証を主引用発明とする新規性欠如)
本件発明1及び本件発明4は、甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
よって、本件発明1及び本件発明4についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(2)無効理由2(甲第2号証を主引用発明とする進歩性欠如)
本件発明1及び本件発明4は、甲第2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
本件発明1は、甲第2号証に記載された発明及び甲第6号証~甲第8号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
本件発明3は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証、甲第4号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
以上から、本件発明1、本件発明3及び本件発明4についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(3)無効理由3(甲第5号証を主引用発明とする進歩性欠如)
本件発明1及び本件発明4は、甲第5号証に記載された発明及び甲第2号証、甲第6号証~甲第8号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
本件発明3は、甲第5号証に記載された発明及び甲第2号証~甲第4号証、甲第6号証~甲第8号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件発明1、本件発明3及び本件発明4についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(4)無効理由4(甲第6号証を主引用発明とする進歩性欠如)
本件発明1及び本件発明4は、甲第6号証に記載された発明及び甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
本件発明3は、甲第6号証に記載された発明及び甲第2号証~甲第5号証、甲第9号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件発明1、本件発明3及び本件発明4についての特許は、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(5)具体的主張(本件発明3及び4については省略)
ア 無効理由1及び無効理由2について
(ア)本件発明1の新規性及び進歩性について
「 甲第2号証(中国特許出願公開第102563310号明細書、平成24年7月11日発行)(以下「甲2」という)には、以下の発明が記載されている(甲2の段落0018,0021、図1~4)。
[図:0001410160000001.jpg]
A ベース(作業台)と、ベースに立設される支柱(固定フレーム1、可動フレーム2、及び取付フレーム3からなる昇降スタンド)と、支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部(フレームA)とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器(DVDやテレビ受像機などのテレビ放送に関連する付属品等)を保持するホルダー(支持フレーム12及び仕切板13)(以下「甲2のホルダー」という)であって、
B 支柱に載置されて電子機器を保持する底面部(仕切板13のうち、取付フレーム3の上端と接する部位B)と、
C 底面部の前縁から上方に延在する前面部(仕切板13の底面部の前縁から上方に延在する部位C)と、
D 底面部の後縁から上方に延在する後面部(仕切板13の底面部の後縁から上方に延在する部位D)と、
E 底面部よりも下方に突出してテレビの背面側で支柱に取り付けられる取付部(支持フレーム12)とを備えるホルダー(甲2のホルダー,下図の青丸で囲んだもの)。
[図:0001410160000002.jpg]
即ち、甲2に記載された発明は、請求項1の構成要件を全て備えているので、請求項1は、甲2に記載された発明であるか、甲2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1は、特許法第29条第1項第3号および同条第2項の規定により特許を受けることができない。」
(審判請求書8頁3行~9頁8行)
「(カ)付記
仮に、「甲2の仕切板支持フレーム12がホルダー(仕切板13側)の一部ではなく、支柱(取付フレーム3側)の一部である」と認定された場合について、即ち「甲2に記載された発明が、請求項1の取付部を備えていない」という、異議の決定(甲1)における相違点1が存在する場合について検討する。
甲2の図1によれば、仕切板支持フレーム12は、ボルト及びナットによって、取付フレーム3及び仕切板13のいずれにも着脱可能に構成されている。そのため、甲2に基づいて、仕切板支持フレーム12をホルダー(仕切板13側)の一部にするか、支柱(取付フレーム3側)の一部にするかは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。即ち、「甲2に記載された発明が、請求項1の取付部を備えていない」という、異議の決定(甲1)における上記の相違点1は設計的事項である。
[図:0001410160000003.jpg]
さらに、「ウ(オ)まとめ」に記載した通り、仕切板支持フレーム12は、テレビ受像機を昇降可能に支持する昇降スタンドの取付フレーム3(支柱の一部)に対し、仕切板13(ホルダーの一部)を載せるために必要となる部材である。よって、かかる仕切板支持フレーム12の機能を考慮すると、仕切板支持フレーム12を甲2のホルダーの一部とする動機付けがある。即ち、「甲2に記載された発明が、請求項1の取付部を備えていない」という、異議の決定(甲1)における上記の相違点1は、当業者であれば甲2から容易に想到し得る。
従って、仮に上記の相違点1が存在したとしても、請求項1は、甲2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、甲第8号証(実願昭59-057793号(実開昭60-169979号)のマイクロフィルム、昭和60年11月11日発行)(以下「甲8」という)には、モニターテレビ(電子機器)を保持する載置台40(底面部を備えるホルダー)を支柱30に載置させる場合に、載置台40の底面部よりも下方に突出する折曲舌片42(取付部)を支柱30に取り付けることが記載されている(甲8の第4頁第3行~第5行,第6頁第5行~第9行、第2図)。
[図:0001410160000004.jpg]
さらに、甲第6号証(中国特許出願公開第102705651号明細書、平成24年10月3日発行)(以下「甲6」という)の図1,6、甲第7号証(中国特許出願公開第102705652号明細書、平成24年10月3日発行)(以下「甲7」という)の図1,6のそれぞれにも、電子機器を保持するホルダーの底面部から、支柱などの相手部材にホルダーを取り付けるための取付部が下方に突出することが記載されている。
[図:0001410160000005.jpg]
そのため、仮に「甲2の仕切板支持フレーム12がホルダー(仕切板13側)の一部ではなく、支柱(取付フレーム3側)の一部である」と認定された場合であっても、甲6~8に基づいて、その仕切板支持フレーム12(取付部)を、甲2のホルダー(仕切板13側)の底面部から下方に突出させて、ホルダーの一部とすることは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
即ち、「甲2に記載された発明が、請求項1の取付部を備えていない」という、異議の決定(甲1)における上記の相違点1は、当業者であれば、甲2に記載された発明に甲6~8の技術を適用することで容易に想到し得る。
よって、仮に上記の相違点1が存在したとしても、請求項1は、甲2,6~8に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
(審判請求書19頁1行~21頁21行)
「本件特許の請求項1の記載によれば、本件発明1の「ベース」は、「ベースに立設される支柱」と特定されているに過ぎず、そもそも「床面に設置されて支柱を支えるもの」との要件はない。
即ち、本件発明1の「ベース」は、甲2発明の「作業台」と同様に、抽象的、仮想的な特定しかされていないので、甲2発明の「作業台」は、本件発明1の「ベース」に相当する。」
(令和5年10月19日付け上申書4頁12~17行)
「本件特許の請求項1には、底面部と取付部とが一体であることを示す要件はない。」
(令和5年10月19日付け上申書6頁9~10行)
「仮に、底面部と取付部とが一体であることが請求項1から読み取れるとしても、別の物同士を一体のものにすることは設計的事項である。」
(令和5年10月19日付け上申書6頁11~12行)
「(7)当該陳述要領書の6(2)「エ「主張6」について」に対する意見
当該陳述要領書の上記部分には、「甲2発明の仕切板支持フレーム12を、甲8の折曲舌片42等に置換すると、長尺の仕切板13を小片の折曲舌片42で支えられるはずもなく、強度的な問題が生じやすい甲8の折曲舌片42等を採用することは考え難いから、上記置換は容易ではない」と記載されている。
しかしながら、構成の置換に伴う強度設計の見直しは、当業者による通常の行為(設計的事項等)である。よって、上記主張は失当であり、甲2発明の仕切板支持フレーム12を、甲8の折曲舌片42等に置換することは容易に想到し得る。
そもそも、甲2発明の仕切板支持フレーム12は、取付フレーム3の上端に仕切板13が載置された状態で、取付フレーム3に対し仕切板13を支持するものであるので、仕切板13の荷重が仕切板支持フレーム12に集中し難く、仕切板支持フレーム12に強度的な問題は生じ難い。
甲8においても同様に、折曲舌片42は、支柱30の上端に載置台40が載置された状態で、支柱30に載置台40を支持するものであるので、折曲舌片42に強度的な問題は生じ難い。
これらは、本件特許の明細書の段落0009に「また、取付部は底面部よりも下方に突出しているので、底面部を支持台の支柱に載置した状態での取付けに供し、このとき、ホルダー及び電子機器の荷重が取付部に集中せず支柱に分散するので、取付部の構造を簡易にすることが可能となる。」と記載されている通り、被請求人も理解しているものと考えられる。
よって、甲2発明の仕切板支持フレーム12を、甲8の折曲舌片42等に置換する場合、強度的な問題は生じやすいとは言えず、被請求人による上記主張は失当である。
従って、甲2発明の仕切板支持フレーム12を、甲8の折曲舌片42等に置換することは、容易に想到し得る。」
(令和5年10月19日付け上申書6頁17行~7頁19行)
イ 無効理由3について
(ア)本件発明1の進歩性について
「 甲第5号証(米国特許第8251322号明細書、平成24年8月28日発行)(以下「甲5」という)には、サスペンションアーム530、モニターキャディ550及び変換ブラケット560を介してコマンドポスト510にフラットパネルモニタを取り付け、CPUを保持するためのCPUホルダー520をコマンドポスト510の上に結合することが記載されている(甲5の第2欄第40行、第5欄第49行~67行、図5,6)。
甲5のCPUホルダー520は、コマンドポスト510に載置される底面部と、その底面部の前縁および後縁の各々から上方へ延在する前面部および後面部とを備える。甲5のフラットパネルモニタは、テレビと実質的に同一のものである。また、甲5のCPUは電子機器である。
[図:0001410160000006.jpg]
よって、甲5には以下の発明が記載されている。
A 支柱(コマンドポスト510)と、支柱の上部に設けられてテレビ(フラットパネルモニタ)を支持する支持部(サスペンションアーム530、モニターキャディ550及び変換ブラケット560)とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器(CPU)を保持するホルダー(CPUホルダー520)(以下「甲5のホルダー」という)であって、
B 支柱に載置されて電子機器を保持する底面部(CPUホルダー520のうち、コマンドポスト510の上端と接する部位)と、
C 底面部の前縁から上方に延在する前面部(CPUホルダー520の底面部の前縁から上方に延在する部位)と、
D 底面部の後縁から上方に延在する後面部(CPUホルダー520の底面部の後縁から上方に延在する部位)とを備え、
E テレビの背面側で支柱に取り付けられるホルダー(甲5のホルダー)。
即ち、甲5のホルダーは、以下の相違点2,3で請求項1と相違し、その余の点で請求項1と一致する。
(相違点2)
請求項1では、ベースに支柱が立設されるのに対し、甲5のコマンドポスト510がベースに立設されているかが不明である点。
(相違点3)
請求項1では、ホルダーが、底面部よりも下方に突出して支持部または支柱に取り付けられる取付部を備えているのに対し、甲5のCPUホルダー520は、CPUホルダー520の底面部よりも下方に突出して支持部または支柱に取り付けられる取付部を備えているかが不明である点。
(相違点2について)
甲5には、コマンドポスト510(支柱)の下部に関する記載はないが、実際には甲5のコマンドポスト510(支柱)がベースに立設されている蓋然性が高い。
また、甲2の段落0018や、甲6の図1(下左図)、甲7の図1(下右図)等に示す通り、支持部を介してテレビが支持される支柱を、ベースに立設させることは周知技術である。
[図:0001410160000007.jpg]
そのため、上記の周知技術に基づいて、甲5のコマンドポスト510(支柱)をベースに立設させること(相違点2)は、当業者であれば容易に想到し得る。
(相違点3について)
甲2の図1~4や、甲6の図1,6、甲7の図1,6、甲8の図1,2等に示す通り、電子機器を保持するためのホルダーの底面部よりも下方に突出した取付部によって、ホルダーを支柱に取り付けることは周知技術である。
甲5には、コマンドポスト510(支柱)の上端にCPUホルダー520(甲5のホルダー)を取り付けるための具体的な構成は記載されていないが、上記の周知技術を甲5のCPUホルダー520に適用し、甲5のCPUホルダー520の底面部よりも下方に突出した取付部を支柱に取り付けるようにすること(相違点3)は、当業者であれば容易に想到し得る。
[図:0001410160000008.jpg]
以上の通り、相違点2,3は甲2,6~8に記載の周知技術の適用によって容易に想到し得るため、請求項1は、甲2,5~8に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。よって、請求項1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
(審判請求書22頁4行~26頁6行)
ウ 無効理由4について
(ア)本件発明1の進歩性について
「 甲6の段落0021,0026~0028を参照すると、甲6には、以下の発明が記載されている。
[図:0001410160000009.jpg]
A ベース(ベース15)と、そのベースに立設される支柱(収納ボックス12)と、その支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部(固定機構2)とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器(カメラ)を保持するホルダー(載置台3)(以下「甲6のホルダー」という)であって、
B 支柱の上方に配置されて電子機器を保持する底面部(支持部31の屈曲部312、及び、載置部32のうち屈曲部312と接する部位)と、
D 底面部の後縁から上方に延在する後面部(載置部32の底面部の後縁から上方に延在する部位)と、
E 底面部よりも下方に突出してテレビの背面側で支柱に取り付けられる取付部(支持部31のロッド部311)とを備えるホルダー(甲6のホルダー)。
即ち、甲6のホルダーは、以下の相違点4,5で請求項1と相違し、その余の点で請求項1と一致する。
(相違点4)
請求項1では、ホルダーの底面部が支柱に載置されるのに対し、甲6の載置台3の底面部が、支柱に載置されるか否かは不明である点。
(相違点5)
請求項1では、ホルダーが、底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えるのに対し、甲6の載置台3は、載置部32の前縁から上方に延在する前面部を備えていない点。
(相違点4について)
甲6の段落0027,0028には、フレーム本体1(ベース及び支柱)に対し載置台3(ホルダー)の高さを調整できることが記載されている。
そのため、甲6の載置台3(ホルダー)に保持させたカメラを使用しない場合や、カメラ以外の電子機器を載置台3(ホルダー)に保持させる場合に、載置台3(ホルダー)の高さを最も低くすることで、載置台3の底面部は、フレーム本体1の収納ボックス12(支柱)の上端に載置される。
即ち、甲6のホルダーには、載置台3の底面部が支柱に載置されるものが含まれる。よって、相違点4は存在しない。
仮に、相違点4が存在する場合について検討する。
甲2の図3や、甲5の図5,6等に示す通り、電子機器を保持するホルダーの底面部を、支柱に載置することは周知技術である。
この周知技術を甲6に適用することによって、載置台3の底面部を支柱に載置すること(相違点4)は、当業者であれば容易に想到し得るものである。
[図:0001410160000010.jpg]
(相違点5について)
甲3には、電子機器を保持する容器53(ホルダー)が、底面部と、底面部の前縁および後縁の各々から上方に延在する前面部および後面部とを備えることが記載されている(図23~26)。
また、甲第9号証(特開2007-088626号公報、平成19年4月5日発行)(以下「甲9」という)には、ビデオカメラ等の電子機器を保持するトレイ16,56(ホルダー)が、底壁1602,5602(底面部)と、底壁1602,5602の前縁および後縁の各々から上方に延在する側壁1604,5604(前面部および後面部)とを備えることが記載されている(図3,4,7、段落0008,0011,0017)。
[図:0001410160000011.jpg]
甲3,9に記載されている通り、電子機器(特に甲9では甲6と同じくカメラ)を保持するホルダーにおいて、底面部の前縁および後縁の各々から上方に延在する前面部および後面部を設けることは周知技術である。また、この周知技術は甲2や甲5等にも記載されている。
よって、底面部および後面部を備える甲6の載置台3に、上記の周知技術を適用して、更に前面部を設けること(相違点5)は、当業者であれば容易に想到し得るものである。
以上の通り、相違点4は存在せず、相違点5は甲3,9等に記載の周知技術の適用によって容易に想到し得るため、請求項1は、甲3,6,9に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。よって、請求項1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
(審判請求書29頁4行~33頁6行)
「甲第2,3,5,9号証等における「前面部」を、甲6発明の載置台3に適用するにあたり、カメラによる撮影を阻害しないように「前面部」を載置台3に設ければ良いだけであり、そのようにし得ない特段の事情はない。」
(口頭審理陳述要領書28頁17~20行)
「 カメラが載置されるホルダーに「前面部」を設けることが、甲第9号証に記載されているにもかかわらず、甲6発明の載置台3(ホルダー)に載置されるものがカメラであるという理由に基づき、載置台3に「前面部」を適用し得ないとする、被請求人の主張12は合理性がない。」
(口頭審理陳述要領書29頁1~4行)
2 証拠方法
甲第1号証:特許決定公報(異議2021-700918号、異議の決定)
甲第2号証:中国特許出願公開第102563310号明細書
甲第3号証:米国特許出願公開第2011/0108688号明細書
甲第4号証:Lumi Legend Corporation社
製品カタログ、2017-2018/Edition26、
FULL CATALOG、p.J12
甲第5号証:米国特許第8251322号明細書
甲第6号証:中国特許出願公開第102705651号明細書
甲第7号証:中国特許出願公開第102705652号明細書
甲第8号証:実願昭59-57793号(実開昭60-169979号)
のマイクロフィルム
甲第9号証:特開2007-88626号公報
甲第10号証:特許第6865495号公報
第5 被請求人の主張及び証拠方法
1 被請求人の主張の概要(本件発明3及び4については省略)
(1)無効理由1、無効理由2について
「異議の決定(甲1)は、甲2に次の甲2発明(異議の決定(甲1)では「甲13発明」)が記載されていると認定する。
〔甲2発明〕
テレビ受像機キャビネット内に設置され、作業台に固定的に取り付け可能な固定フレーム1、固定フレーム1に鉛直方向に昇降可能に挿設される可動フレーム2、及び、可動フレーム2に鉛直方向に昇降可能に挿設され、テレビ受像機が取り付けられる取付フレーム3を含むテレビ受像機昇降フレームにおける、取付フレーム3の先端に固定的に連結設置される、テレビ受像機昇降フレームに含まれる仕切板支持フレーム12に固定的に連結設置され、DVD、テレビ受像機などのようなテレビ放送関連の付属品又はその他の機器を載置することができる仕切板13であって、
取付フレーム3には、2本の水平方向のフレームが固定され、当該水平方向のフレームのうち上側のフレームには、2本の垂直方向のフレームが固定され、
仕切板13における上面視でテレビ取付面に平行な2辺からそれぞれ上方に延在する複数の離間した面部を備えており、
仕切板支持フレーム12が、仕切板13の下方かつテレビ受像機の背面側で取付フレーム3に取り付けられており、仕切板13の下面は、取付フレーム3の上端と接している
仕切板13。
本件発明1を甲2発明と対比すると、甲2に記載の昇降スタンド(テレビ受像機昇降フレーム)は、テレビ台(テレビ受像機キャビネット)内に配置されて電動駆動機構により可動フレーム2及び取付フレーム3が昇降し、テレビを見ないときにはテレビ(テレビ受像機)をテレビ台の中に格納し、テレビを見るときにはテレビをテレビ台の外に露出させるもので、本件発明1の構成要件A((1)参照)における「ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台」とは相違する。
したがって、本件発明1のホルダーと甲2発明の仕切板13との間には、少なくとも次の相違点1乃至相違点3がある(なお、甲2において、仕切板13は、昇降スタンドが備える仕切板支持フレーム12に固定的に連結設置されるものであり(甲2の段落0021)、仕切板支持フレーム12とともに昇降スタンドを構成するから、このことからも、本件発明1のホルダーと甲2発明の仕切板13との間には、相違点1乃至相違点3があるといえる。)。
〔相違点1〕
本件発明1のホルダーは、テレビ台に取り付けられるものであるのに対し、甲2発明の仕切板13は、テレビ台に取り付けられるものではない点
〔相違点2〕
本件発明1のホルダーは、底面部がテレビ台の支柱に載置されるのに対し、甲2発明の仕切板13は、テレビ台の支柱に載置されない点
〔相違点3〕
本件発明1のホルダーは、底面部よりも下方に突出してテレビの背面側でテレビ台の支持部又は支柱に取り付けられる取付部を備えるのに対し、甲2発明の仕切板13は、そのような取付部を備えていない点
よって、本件発明1は、甲2に記載された発明ではなく、また、甲2に接した当業者が、本件発明1の相違点1乃至相違点3に係る構成に容易に想到することはないから、本件発明1は、甲2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。」
(審判事件答弁書7頁30行~9頁14行)
「甲2のテレビ受像機昇降フレームは、テレビ受像機キャビネット等のテレビ受像機の設置環境において専らその高さ調整に供するもので、例えば「ベース」を備えず自立してテレビ受像機を支えられないのに、なぜそれが本件発明1の「ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台」と相違しないといえるのか、理解することができない」
(口頭審理陳述要領書6頁20~26行)
「請求人は、「甲2発明の「作業台」、「固定フレーム1、可動フレーム2及び取付フレーム3」、「2本の水平方向のフレーム」及び「2本の垂直方向のフレーム」を備えた構成は、本件発明1の「ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台」に相当するといえる。」との見解を述べるが(口頭審理陳述要領書12頁3~7行目)、テレビ受像機の設置環境ごとに異なる抽象的、仮想的な「作業台」を「テレビ受像機昇降フレーム」に組み合わせて「テレビ台」の「ベース」に充当する上記見解は、甚だ不合理というほかない。」
(口頭審理陳述要領書6頁33行~7頁4行)
(2)無効理由3について
「甲5は変換ブラケットの発明に関するもので、甲5には、変換ブラケット560を支持するコマンドポスト510の上部にCPUホルダー520が設けられることが記載されているにすぎず、CPUホルダー520は、そもそもテレビ台に取り付けられて電子機器を保持するホルダーとはいえない。
一応、本件発明1を甲5のCPUホルダー520とあえて対比するなら、両者の間には、少なくとも次の相違点がある。
〔相違点4〕
本件発明1のホルダーは、ベースと、ベースに立設される支柱と、支柱の上部に設けられてテレビを支持するテレビ台に取り付けられるものであるのに対し、甲5のCPUホルダー520は、そのようなテレビ台に取り付けられるものではない点
〔相違点5〕
本件発明1のホルダーは、底面部がテレビ台の支柱に載置されるのに対し、甲5のCPUホルダー520は、テレビ台の支柱に載置されない点
〔相違点6〕
本件発明1のホルダーは、底面部よりも下方に突出してテレビの背面側でテレビ台の支持部又は支柱に取り付けられる取付部を備えるのに対し、甲5のCPUホルダー520は、そのような取付部を備えていない点
そして、甲5に接した当業者が、本件発明1の相違点4乃至相違点6に係る構成に容易に想到することはなく、例えば、当業者が、甲2の仕切板支持フレーム12や甲6の支持部31、甲7の支持部41、甲8の折曲舌片42を甲5のCPUホルダー520に適用し、本件発明1の相違点6に係る構成に想到することなど考えられない。請求人は、「甲2の図1~4や、甲6の図1,6、甲7の図1,6、甲8の図1,2等に示す通り、電子機器を保持するためのホルダーの底面部よりも下方に突出した取付部によって、ホルダーを支柱に取り付けることは周知技術である。」と主張するが、甲2の仕切板支持フレーム12は昇降スタンドを構成するもの、甲6の支持部31はフレーム本体1に固定されるもの、甲7の支持部41は固定フレーム3に固定されるもの、甲8の折曲舌片42はモニターテレビなどの機材が載置される載置台40を構成するもので(この「載置台40」は、本件発明1の「ホルダー」ではなく「支持部」の機能を有する。)、いずれも「電子機器を保持するためのホルダーの底面部よりも下方に突出した取付部」に該当しない。
よって、本件発明1は、甲2、甲5乃至甲8に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。」
(審判事件答弁書12頁18行~13頁21行)
(3)無効理由4について
「甲6の載置台3は、甲6の段落0021に「本発明の実施形態のテレビ台は、フレーム本体1と、フレーム本体1に取り付けられてテレビ(図示せず)を保持する固定機構2と、フレーム本体1に取り付けられてカメラ(図示せず)を保持する載置台3と、フレーム本体1の背面に固定されてセットトップボックス(図示せず)を保持する固定フレーム4とから構成されている。」と記載され、段落0027に「載置台3は、載置台3の高さを調整するためにフレーム本体1に固定された支持部31と、支持部31に固定され、カメラを載置するためにフレーム本体1の上方に位置する載置部32とから構成されている。」と記載されているように、カメラを高さ調整可能に載置するためにテレビ台の一部としてフレーム本体1に固定的に設けられたもので、そもそもテレビ台に取り付けられて電子機器を保持するホルダーとはいえない。
一応、本件発明1を甲6の載置台3とあえて対比するなら、両者の間には、少なくとも次の相違点がある。
〔相違点7〕
本件発明1のホルダーは、底面部がテレビ台の支柱に載置されるのに対し、甲6の載置台3は、テレビ台の支柱に載置されない点
〔相違点8〕
本件発明1のホルダーは、底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えるのに対し、甲6の載置台3は、そのような前面部を備えていない点
そして、甲6に接した当業者が、本件発明1の相違点7及び相違点8に係る構成に容易に想到することはなく、例えば、当業者が、甲6の載置台3を高さ調整機能を犠牲にしてフレーム本体1に載置することなど考え難いし、仮に載置台3をフレーム本体1に載置するのであれば、高さ調整用の支持部31を廃して載置部32をフレーム本体1に載置するはずであるから、載置台3は、底面部よりも下方に突出してテレビの背面側でテレビ台の支持部又は支柱に取り付けられる取付部を備えていない点で、本件発明1と相違することになる。請求人は、「甲6の載置台3(ホルダー)に保持させたカメラを使用しない場合や、カメラ以外の電子機器を載置台3(ホルダー)に保持させる場合に、載置台3(ホルダー)の高さを最も低くすることで、載置台3の底面部は、フレーム本体1の収納ボックス12(支柱)の上端に載置される。」、「甲2の図3や、甲5の図5,6等に示す通り、電子機器を保持するホルダーの底面部を、支柱に載置することは周知技術である。」などと主張するが、前者については、載置台3の高さを最も低くすると載置台3の底面部がフレーム本体1の収納ボックス12の上端に載置される旨の記載は甲6に一切なく、後者については、当業者がカメラ用の載置台3に代えて甲2の仕切板13や甲5のCPUホルダー520を甲6の収納ボックス12に載置し、高さ調整機能をなくすことは考えられない。
また、当業者が、カメラを載置するための載置台3に、審判請求書32頁に「前面部」と付された甲3に記載の構成や甲9の側壁1604を適用して、カメラによる撮影を阻害することも考えられない。
よって、本件発明1は、甲3、甲6、甲9に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。」
(審判事件答弁書14頁13行~15頁28行)
第6 当審の判断
1 甲号証
(1)甲第2号証
ア 記載事項
甲第2号証には次のとおり記載されている。なお、各記載における下線部の翻訳を末尾括弧内に示した。
「
[図:0001410160000012.jpg]
」
(下線部の翻訳: 図1は、本発明のテレビ受像機昇降フレームの構造の分解概略図である。
図2は、本発明のテレビ受像機昇降フレームの使用状態1の背面図である。
図3は、図2のA-A方向視の図である。
図4は、本発明のテレビ受像機昇降フレームの使用状態2の全体構造概略図1である。
図5は、本発明のテレビ受像機昇降フレームの使用状態2の全体構造概略図2である。)
「
[図:0001410160000013.jpg]
」
(下線部の翻訳:テレビ受像機昇降フレームであって、この昇降フレームは、作業台に固定的に取り付け可能な固定フレーム1、固定フレーム1に鉛直方向に昇降可能に挿設される可動フレーム2、及び可動フレーム2に鉛直方向に昇降可能に挿設される取付フレーム3を含み、テレビ受像機は取付フレーム3に取り付けて設置され、)
「
[図:0001410160000014.jpg]
」
(下線部の翻訳:昇降フレームは、取付フレーム3の先端に固定的に連結設置される仕切板支持フレーム12をさらに含み、仕切板支持フレーム12に仕切板13が固定的に連結設置され、仕切板13にはDVD、テレビ受信機などのようなテレビ放送関連の付属品又はその他の機器を載置することができる。)
「
[図:0001410160000015.jpg]
」
「
[図:0001410160000016.jpg]
」
「
[図:0001410160000017.jpg]
」
「
[図:0001410160000018.jpg]
」
「
[図:0001410160000019.jpg]
」
イ 図面に記載された技術事項
[0014]の記載によれば、図1~5はテレビ受像機昇降フレームの図とされており、これらの図には次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)取付フレーム3には、2本の水平方向のフレームが固定され、当該水平方向のフレームのうち上側のフレームには、2本の垂直方向のフレームが固定されている。
(イ)テレビ受像機昇降フレームは、仕切板13を含む。
(ウ)仕切板13には、仕切板13における前縁及び後縁からそれぞれ上方に延在する複数の離間した面部が設けられている。
(エ)仕切板13の下面は、取付フレーム3の上端と接している。
ウ 仕切板支持フレーム12に仕切板13を固定的に連結設置することに関して図面から看取される事項
(ア)図1(以下拡大図参照。色は当審において付されたものである。)及び図3(以下拡大図参照。色は当審において付されたものである。)から、仕切板支持フレーム12の両端部の支持部材の前端部と後端部が上方に突出している部分(図1及び図3の各拡大図における緑色部分。以下、「上方突出部分」という。)があること。
[図:0001410160000020.jpg]
(図1における仕切板支持フレーム12の拡大図)
[図:0001410160000021.jpg]
(図3における要部拡大図)
(イ)図3~5の取り付け時に、左右及び前後の計4つの上方突出部分が、仕切板13よりも上方に突き抜けていること。(特に、図4(以下拡大図参照。色は当審において付されたものである。)、図5からは、上方突出部分が、仕切板13に設置された面部を両端に有する板片の間から上方に突き抜けていることが看取される。なお、図2において、上方に延在する面部は視認できるものの、上方突出部分は視認できない。)
[図:0001410160000022.jpg]
(図4における要部拡大図)
(ウ)図1(以下拡大図参照。色は当審において付されたものである。)において、仕切板13の左右両端部の前記上方突出部分に対応する位置に線が図示されていること。
[図:0001410160000023.jpg]
(図1における仕切板13の拡大図)
(エ)上記(ア)~(ウ)から、仕切板支持フレーム12に仕切板13を固定的に連結設置することは、仕切板支持フレーム12の上方突出部分を、仕切板13の左右両端部に存在する切れ目に嵌入させることによりなされていると認められる。
エ 甲2発明
上記アの記載事項並びにイ及びウの技術事項から、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているといえる。
〔甲2発明〕
DVD、テレビ受信機などのようなテレビ放送関連の付属品又はその他の機器を載置することができる仕切板13であって、
テレビ受像機昇降フレームが、作業台に固定的に取り付け可能な固定フレーム1、固定フレーム1に鉛直方向に昇降可能に挿設される可動フレーム2、及び可動フレーム2に鉛直方向に昇降可能に挿設され、テレビ受像機が取り付けられる取付フレーム3を含み、
テレビ受像機昇降フレームが、取付フレーム3の先端に固定的に連結設置される仕切板支持フレーム12をさらに含み、仕切板支持フレーム12に仕切板13が固定的に連結設置され、
仕切板支持フレーム12に仕切板13を固定的に連結設置することは、仕切板支持フレーム12の上方突出部分を、仕切板13の左右両端部に存在する切れ目に嵌入させることによりなされており、
テレビ受像機昇降フレームが、仕切板13を含み、
取付フレーム3には、2本の水平方向のフレームが固定され、当該水平方向のフレームのうち上側のフレームには、2本の垂直方向のフレームが固定されており、
仕切板13には、仕切板13における前縁及び後縁からそれぞれ上方に延在する複数の離間した面部が設けられており、
仕切板13の下面が、取付フレーム3の上端と接している
仕切板13。
(2)甲第3号証
ア 記載事項
甲第3号証には次のとおり記載されている。なお、各記載における下線部の翻訳を末尾括弧内に示した。
「[0046] FIG. 1 (prior art) is an illustration of the video flat panel display device 10 attached to a flat panel display wall mount 12. The flat panel display wall mount 12 is attached to a wall, and the video flat panel display device 10 is attached to the flat panel display wall mount 12. This allows the video flat panel display device 10 to be suspended to a wall or surface. The flat panel accessory device 11 rests on a drawer, a separate surface not attached to the flat panel display wall mount 12. A flat panel accessory device 11 may be a set-top box or any similar device that is used in concert with the video flat panel display device 10. Some examples of an accessory device 11 include video output devices (such as Blue-Ray DVD players, DVD players, VCRs, Apple TV, IPTV box, Ruku box, Hulu.com box or similar devices) or video game consoles (such as Xbox, PlayStation 3, Wii or similar devices). After the user attaches the video flat panel display device 10 to a wall using the flat panel display wall mount 12, the user then finds a location to place the flat panel accessory device 11. The flat panel accessory device 11 must be situated such that the connection cables can connect between the flat panel accessory device 11 and the video flat panel display device 10 (connection cables are not depicted in the drawing). If they are located too far apart, then the connection cables may not reach the distance between the two devices.」
(下線部の翻訳:付属装置11は、フラットパネルディスプレイ10と協働して使用されるセットトップボックス又は任意の同様の装置である。付属装置11のいくつかの例には、ビデオ出力装置(Blue-Rayプレーヤ、DVDプレーヤ、VCR、AppleTV、IPTVボックス、Rukuボックス、Hulu.comボックス又は同様の装置など)又はビデオゲーム(Xbox、PlayStation3、Wii又は同様の装置など)が含まれる。)
「[0065] FIG. 23 is a diagram of another embodiment where the flat panel display wall mount supports a video flat panel device 10, a flat panel accessory device 11 and a remote control device 52. The display 10 attaches to the flat panel display wall mount 51, through the display attachment member 55. A trough 53, integrally formed on the wall mount 51, supports an accessory device 11 which may be inserted by the user into the trough 53. The trough 53 also contains a remote control retaining portion 54 which supports a remote control device 52. The remote control retaining portion 54 allows the user to store the remote control 52 in a location that is easily accessible, after they are finished using the device. The wall mount 51 attaches to a wall through the surface attachment member 57. Screws pass through holes 58 on the surface attachment member 57, and screw into the desired surface. FIG. 24 is an exploded perspective of the installed assembly. Four fasteners 56 pass through the four holes 61 located on the display attachment member 55, and screw into the four threaded holes 28 on the back of the flat panel display 10. Because the accessory device 11, as it is supported behind the display 10, is hidden from view, an IR repeater or similar mechanism can be used to operate the device with the remote control 52 (as in the embodiments described in FIG. 21 and FIG. 22).」
(下線部の翻訳:フラットパネルディスプレイ用壁掛けは、フラットパネルディスプレイ10、付属装置11及びリモートコントロール装置52を支持する。ディスプレイ10は、取付部材55を介して壁掛け台51に取り付けられる。壁掛け台51に形成された容器53は、ユーザーが容器53に挿入することができる付属装置11を支持する。)
「[0066] FIG. 25 and FIG. 26 are diagrams of an expanded back and top perspective of the trough 53, respectively. A user is able to insert the accessory device 11 into the trough 53 which supports the device. A remote control retaining portion 54 is formed on the trough 53 and supports a remote control 52. A user can store the remote control 52 and easily access it whenever the user requires it. Trough 53 also comprises a plurality of openings 59 which help reduce overall weight of the assembly by reducing the overall material weight. The plurality of openings 59 also provide for more air circulation around the surface of the accessory device 11 helping to cool the device during operation. Furthermore, the plurality of openings 59 allow the user to easily connect power cables and connection cables to the accessory device 11, as cables can easily pass through the openings 59 if necessary. Power cables and connection cables are not depicted in the figures.」
(下線部の翻訳:図25及び図26は、それぞれ容器53を拡大した背面図及び上面図である。ユーザーは、デバイスを支持する容器53に付属装置11を挿入することができる・・・容器53はまた、複数の開口部59を備えている・・・複数の開口部59は、付属装置11の表面の周囲で多くの空気を循環させ、動作中の装置の冷却に役立つ。)
「
[図:0001410160000024.jpg]
」
「
[図:0001410160000025.jpg]
」
「
[図:0001410160000026.jpg]
」
「
[図:0001410160000027.jpg]
」
イ 図面に記載された技術事項
図23~26には次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)容器53は、底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部とを備えている。
ウ 甲第3号証に記載された技術
上記アの記載事項及びイの技術事項から、甲第3号証には、次の技術が記載されているといえる。
フラットパネルディスプレイ10、付属装置11等を支持するフラットパネルディスプレイ用壁掛けにおける容器53であって、
壁掛け台51に形成されて、ユーザーが容器53に挿入することができる付属装置11を支持するものであり、
ここで、付属装置11は、フラットパネルディスプレイ10と協働して使用されるセットトップボックス又は任意の同様の装置であり、
底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部とを備えており、
付属装置11の表面の周囲で多くの空気を循環させ、動作中の装置の冷却に役立つ複数の開口部59を備えている
容器53。
(3)甲第4号証
ア 記載事項
甲第4号証には次のとおり記載されている。
「
[図:0001410160000028.jpg]
」
イ 甲第4号証に記載された技術
上記アの記載事項から、甲第4号証には、次の技術が記載されているといえる。
AV装置の載置台であって、テレビの背面に取り付けられるものであり、載置面の後縁から上方に延在する前面部と、載置面よりも下方に突出する取付部とを備え、載置面に通気口を備えた載置台。
(4)甲第5号証
ア 記載事項
甲第5号証には次のとおり記載されている。なお、各記載における下線部の翻訳を末尾括弧内に示した。
「 FIG. 1 depicts a prior art implementation of a mounting solution for a computer system having a CRT monitor. This particular mounting solution is manufactured by Ergotron, Inc. The mounting solution comprises a post 110, a CPU holder 120, a suspension arm 130, a keyboard holder 140, and a monitor caddy 150. The CPU holder 120 and suspension arm 130 are coupled to the command post 110. The monitor caddy 150 is coupled to the suspension arm 130. The keyboard holder 140 is coupled to the monitor caddy 150. The monitor caddy 150 is designed to hold a CRT monitor 155. Similarly, the CPU holder 120 is deigned(当審注:「designed」の誤記と認めた。) to hold a CPU tower and the keyboard holder 140 is designed to hold a keyboard.」(2欄30~41行)
(下線部の翻訳:CPUホルダー120は、CPUタワーを保持するように設計され、)
「 FIG. 5 depicts a mounting solution having a conversion bracket for use with a flat panel monitor. The system comprises command post 510, CPU holder 520, suspension arm 530, keyboard holder 540, monitor caddy 550, and conversion bracket 560. The command post 510 is coupled to CPU holder 520 and suspension arm 530. The suspension arm 530 is coupled to monitor caddy 550. The monitor caddy 550 is coupled to keyboard holder 540 and conversion bracket 560.
The conversion bracket 560 is positioned between the front opening of the monitor caddy such that the conversion bracket 560 is parallel to the command post 510. The conversion bracket 560 may be secured to the top surface of the monitor caddy 550 by inserting prongs of the conversion bracket 560 into through holes of the monitor caddy 550. The conversion bracket 560 may be secured to the bottom surface of the monitor caddy 550 by bolting a flange of the conversion bracket 560 to the bottom surface. A flat panel monitor may be attached to the mounting solution by screwing the flat panel monitor to the conversion bracket 560.」(5欄49~67行)
(下線部の翻訳:図5は、フラットパネルモニタで使用するための変換ブラケットを有するマウントシステムを示す。そのシステムは、コマンドポスト510、CPUホルダー520、サスペンションアーム530、キーボードホルダー540、モニターキャディ550、変換ブラケット560で構成される。コマンドポスト510は、CPUホルダー520及びサスペンションアーム530に結合される。サスペンションアーム530は、モニターキャディ550に結合される。モニターキャディ550は、キーボードホルダー540及び変換ブラケット560に結合される。・・・フラットパネルモニタは、フラットパネルモニタを変換ブラケット560にネジ止めすることにより、マウントシステムに取り付けることができる。)
「
[図:0001410160000029.jpg]
」
「
[図:0001410160000030.jpg]
」
イ 図面に記載された技術事項
図5、6には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)コマンドポスト510は、垂直柱状である。
(イ)サスペンションアーム530は、コマンドポスト510の上部に結合されている。
(ウ)CPUホルダー520は、フラットパネルの背面側のコマンドポスト510の上端に結合されている。
(エ)CPUホルダー520は、底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部を備えている。
ウ 甲5発明
上記アには「CPUホルダー120」はCPUタワーを保持するように設計されることが従来技術として記載されているが、甲第5号証において「CPUホルダー120」と「CPUホルダー520」の差異について何ら記載されていないから、「CPUホルダー520」も「CPUホルダー120」と同様にCPUタワーを保持するように設計されるものと認められる。
上記アの記載事項、イの技術事項及び前記認定事項から、甲第5号証には、次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されているといえる。
〔甲5発明〕
フラットパネルモニタで使用するための変換ブラケットを有するマウントシステムにおけるCPUホルダー520であって、
マウントシステムが、コマンドポスト510、CPUホルダー520、サスペンションアーム530、キーボードホルダー540、モニターキャディ550、変換ブラケット560で構成され、
コマンドポスト510は、垂直柱状であり、フラットパネルの背面側のコマンドポスト510の上端においてCPUホルダー520に、コマンドポスト510の上部においてサスペンションアーム530に結合され、
CPUホルダー520は、CPUタワーを保持するように設計され、
CPUホルダー520は、底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部を備えており、
サスペンションアーム530は、モニターキャディ550に結合され、
モニターキャディ550は、キーボードホルダー540及び変換ブラケット560に結合され、
フラットパネルモニタは、フラットパネルモニタを変換ブラケット560にネジ止めすることにより、マウントシステムに取り付けることができる
CPUホルダー520。
(5)甲第6号証
ア 記載事項
甲第6号証には次のとおり記載されている。なお、各記載における下線部の翻訳を末尾括弧内に示した。
「
[図:0001410160000031.jpg]
」
(下線部の翻訳:本発明の実施形態のテレビ台は、フレーム本体1と、フレーム本体1に取り付けられてテレビ(図示せず)を保持する固定機構2と、フレーム本体1に取り付けられてカメラ(図示せず)を保持する載置台3と、フレーム本体1の背面に固定されてセットトップボックス(図示せず)を保持する固定フレーム4とから構成されている。)
「
[図:0001410160000032.jpg]
」
(下線部の翻訳:フレーム本体1は、ベース15と、ベース15に底面が固定された、テレビ接続ケーブルを収納するための収納ボックス12とを備える。)
「
[図:0001410160000033.jpg]
」
(下線部の翻訳:載置台3は、載置台3の高さを調整するためにフレーム本体1に固定された支持部31と、支持部31に固定され、カメラを載置するためにフレーム本体1の上方に位置する載置部32とから構成されている。)
「
[図:0001410160000034.jpg]
」
(下線部の翻訳:支持部31は、収容部11に収容されて載置台1の高さを調整するロッド部311と、ロッド部311の一端から屈曲して延出して載置部32を固定する屈曲部312とを含む。前記ロッド部312(合議体注:ロッド部311の誤記)は、ロッド部311の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定される係止部313を有し、係止部313には、支持部31の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定されるネジ(図示せず)が設けられており、調節可能な支持部31の高さは、ネジを介して係止部313の位置を選択することによって決定される。上記フレーム本体1は、フレーム本体1側にも貫通して備えられ、上記収容部11と取付口16とを連通しているので、この取付口によるネジの取付が容易である。屈曲部312と載置部32とは、屈曲部312に複数の固定孔(図示せず)を設けることにより固定される。載置部32上のカメラが動かないようにするために、載置部32には、カメラを固定するためのカメラ固定穴321が複数設けられている。)
「
[図:0001410160000035.jpg]
」
「
[図:0001410160000036.jpg]
」
「
[図:0001410160000037.jpg]
」
イ 図面に記載された技術事項
図1、2、6には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)固定機構2は収納ボックス12の上部に取り付けられている。
(イ)載置部32には、載置部32における後縁から上方に延在する面部が設けられている。
(ウ)支持部31は、載置部32の下方中央部に固定されている。
(エ)支持部31は、テレビ受像機の背面側で収納ボックス12に固定されている。
ウ 甲6発明
上記アの記載事項及びイの技術事項から、甲第6号証には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されているといえる。
〔甲6発明〕
載置台3であって、
テレビ台が、フレーム本体1と、フレーム本体1に取り付けられてテレビを保持する固定機構2と、フレーム本体1に取り付けられてカメラを保持する載置台3と、フレーム本体1の背面に固定されてセットトップボックスを保持する固定フレーム4とから構成されており、
フレーム本体1が、ベース15と、ベース15に底面が固定された、テレビ接続ケーブルを収納するための収納ボックス12とを備え、
固定機構2が収納ボックス12の上部に取り付けられており、
載置台3が、載置台3の高さを調整するためにフレーム本体1に固定された支持部31と、支持部31に固定され、カメラを載置するためにフレーム本体1の上方に位置する載置部32とから構成されており、
載置部32には、載置部32における後縁から上方に延在する面部が設けられており、
支持部31が、載置部32の下方中央部に固定されており、かつ、テレビ受像機の背面側で収納ボックス12に固定されており、
支持部31が、収容部11に収容されて載置台1の高さを調整するロッド部311と、ロッド部311の一端から屈曲して延出して載置部32を固定する屈曲部312とを含み、前記ロッド部311は、ロッド部311の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定される係止部313を有し、係止部313には、支持部31の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定されるネジが設けられており、調節可能な支持部31の高さは、ネジを介して係止部313の位置を選択することによって決定され、
載置部32上のカメラが動かないようにするために、載置部32には、カメラを固定するためのカメラ固定穴321が複数設けられている
載置台3。
(6)甲第7号証
ア 記載事項
甲第7号証には次のとおり記載されている。なお、各記載における下線部の翻訳を末尾括弧内に示した。
「
[図:0001410160000038.jpg]
」
(下線部の翻訳:本発明の実施形態のテレビ台10は、フレーム1と、フレーム1に取り付けられたテレビ(図示せず)を固定するための固定機構2と、フレーム1の背面に固定された固定フレーム3と、固定フレーム3に取り付けられたカメラ(図示せず)を載せるための載置台4と、フレーム1を固定するためのベース5とを備えている。)
「
[図:0001410160000039.jpg]
」
(下線部の翻訳:載置台4は、固定フレーム3に固定された、載置台4の高さを調整するための支持部41と、支持部41に固定され、フレーム1の上方に位置する、カメラを載置するための載置部42とから構成される。)
「
[図:0001410160000040.jpg]
」
「
[図:0001410160000041.jpg]
」
イ 図面に記載された技術事項
図1及び図6には次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)固定機構2はフレーム1の上部に取り付けられている。
(イ)載置部42には、載置部42における後縁から上方に延在する面部が設けられている。
(ウ)支持部41は、載置部42の下方中央部に固定されている。
(エ)支持部41は、テレビの背面側で固定フレーム3に取り付けられている。
ウ 甲第7号証に記載された技術
上記アの記載事項及びイの技術事項から、甲第7号証には、次の技術が記載されているといえる。
テレビ台10における載置台4であって、
テレビ台10が、フレーム1と、フレーム1に取り付けられたテレビを固定するための固定機構2と、フレーム1の背面に固定された固定フレーム3と、固定フレーム3に取り付けられたカメラを載せるための載置台4と、フレーム1を固定するためのベース5とを備えており、
固定機構2がフレーム1の上部に取り付けられており、
載置台4は、固定フレーム3に固定された、載置台4の高さを調整するための支持部41と、支持部41に固定され、フレーム1の上方に位置する、カメラを載置するための載置部42とから構成され、
載置部42には、載置部42における後縁から上方に延在する面部が設けられており、
支持部41は、載置部42の下方中央部に固定されており、かつ、テレビの背面側で固定フレーム3に取り付けられている
載置台4。
(7)甲第8号証
ア 記載事項
甲第8号証には次のとおり記載されている。
「この考案はモニターテレビ、オシロスコープなどの各種測定器などを載置する高さ調整機構付きのスタンド装置に関する。」(1頁15~17行)
「スタンド装置(1)は台車(10)と、この台車(10)に取り付けられた固定支柱(20)と、この固定支柱(20)に挿着されると共に、その高さが調整できるようになされた高さ調整支柱(30)と、この高さ調整用支柱(30)に取付け固定された載置台(架台)(40)とで構成され、載置台(40)上にはモニターテレビなどの機材が載置される。」(3頁19行~4頁5行)
「載置台(40)は平板状をなし、そのほぼ中央部には取付用の角孔(41)が設けられると共に、折曲舌片(42)と高さ調整用支柱(30)の先端部との間が、ビス(44)によって締付け固定されることにより、載置台(40)が高さ調整用支柱(30)に載置固定される。」(6頁5~9行)
「
[図:0001410160000042.jpg]
」
イ 甲第8号証に記載された技術
上記アの記載事項から、甲第8号証には、次の技術が記載されているといえる。
モニターテレビ、オシロスコープなどの各種測定器などを載置する高さ調整機構付きのスタンド装置における載置台(40)であって、
スタンド装置(1)が、台車(10)と、この台車(10)に取り付けられた固定支柱(20)と、この固定支柱(20)に挿着されると共に、その高さが調整できるようになされた高さ調整支柱(30)と、この高さ調整用支柱(30)に取付け固定された載置台(架台)(40)とで構成され、載置台(40)上にはモニターテレビなどの機材が載置され、
載置台(40)は平板状をなし、そのほぼ中央部には取付用の角孔(41)が設けられると共に、折曲舌片(42)と高さ調整用支柱(30)の先端部との間が、ビス(44)によって締付け固定されることにより、載置台(40)が高さ調整用支柱(30)に載置固定される
載置台(40)。
(8)甲第9号証
ア 記載事項
甲第9号証には次のとおり記載されている。なお、下線は強調のために付されたものである。
「【0008】
トレイ16は、表示面2002が位置する表示パネル20の前面とは反対側に位置する筐体22の後面で表示パネル20の上端を覆う筐体22部分に設けられている。すなわちトレイ16は表示パネル20の後面の上端に設けられている。そして、上述の複数のコネクタ28は、トレイ16の下方でトレイ16の近傍箇所に位置している。
本実施の形態では、トレイ16は、バックカバー26の上端にバックカバー26と一体に設けられている。
トレイ16は、ディスプレイ装置12(又は筐体22)の前後方向の厚さよりも小さい寸法の奥行きを有して表示パネル20の幅方向の全長にわたって延在し、左右に横長の矩形状を呈し、載置スペースを確保している。
図3に示すように、トレイ16は底壁1602と、底壁1602の周囲から起立された側壁1604とを備え、トレイ16の前端で左右に延在する側壁1604部分は、表示パネル20の後面を覆うバックカバー26部分を兼ねている。
底壁1602は、表示パネル20の上端を覆う筐体22部分の上縁よりも下方の箇所に位置し、より詳細には、表示パネル20の上端面を覆うフロントカバー24の上端面よりも下方の箇所に位置し、底壁1602の上面は水平面上を延在している。
また、側壁1604の上端は、表示パネル20の上端を覆う筐体22部分の上縁と同じ高さに位置し、あるいは、表示パネル20の上端を覆う筐体22部分の上縁よりも下方の箇所に位置している。より詳細には、側壁1604の上端は、表示パネル20の上端面を覆うフロントカバー24の上端面と同じ高さに位置し、あるいは、表示パネル20の上端面を覆うフロントカバー24の上端面よりも下方の箇所に位置している。
本実施の形態では、底壁1602の上面全域に、摩擦係数の大きな材料からなるシート材1606が取着され、トレイ16に置かれた物の安定性が図られている。」
「【0011】
次に、効果について説明する。
薄板状の表示パネル20を備えるテレビジョン装置10が使用される場合、その占有スペースSは、図2(A)に示すように、平面視した場合、載置用板部1402の前縁を通り左右方向に延在する仮想線L5と、載置用板部1402の後縁を通り左右方向に延在する仮想線L2と、ディスプレイ装置12の左右両端を通り前後方向に延在する2本の仮想線L3、L4とで囲まれたスペースである。
本実施の形態では、前記占有スペースSのうち、表示パネル20の上端を覆う筐体22部分の後面の後方のスペースのみを利用しこの占有スペースS内に収まるようにトレイ16が設けられているので、薄板状の表示パネル20を備えたテレビジョン装置10の省スペース化という長所を損なうことなく、また、正面から見たテレビジョン装置10のデザイン性を損なうことなくトレイ16を配置できる。
したがって、テレビジョン装置10の商品価値を何ら低下させることなくテレビジョン装置10の上部を、ポータブル機器や、リモートコントロール装置、小物類の載置スペースとして利用することができるようになり、テレビジョン装置10の商品価値や実用的価値を格段と高めることが可能となる。
例えば、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどのようなポータブル機器をテレビジョン装置10に接続する場合、それらポータブル機器をトレイ16に載置でき、複数本の接続用ケーブルをディスプレイ装置12の後面に取り回せるので、従来のように、テレビジョン装置の近傍箇所にポータブル機器が置かれテレビジョン装置の周りに複数本の接続用ケーブルが取り回されるなど、テレビジョン装置の周囲が煩雑となる不具合を解消できる。
特に、本実施の形態では、外部装置との間で映像信号や音声信号などをやり取りするための入出力用の複数のコネクタ28が、トレイ16の下方でトレイ16の近傍箇所に位置しているので、それらポータブル機器との電気的な接続も簡単になされ、また、接続用ケーブルをディスプレイ装置12の後面に取り回す上でも有利となる。」
「【0017】
トレイ56は、ディスプレイ装置52の後面の上部に配置され、言い換えると、トレイ56は表示パネル60の後面上端の後方に配置されている。
トレイ56は、ディスプレイ装置52の前後方向の厚さよりも大きい寸法の奥行きを有して表示パネル60の幅方向の全長にわたって延在し、左右に横長の矩形状を呈し、載置スペースを確保している。
トレイ56は底壁5602と、底壁5602の周囲から起立された側壁5604とを備え、トレイ16の前端で左右に延在する側壁5604部分は、表示パネル60の後面を覆うバックカバー66部分に近接している。
また、トレイ56の後部で左右方向に延在する側壁5604部分の後面に電源コンセント6410が設けられ、電源コンセント6410がトレイ56の後方に臨んでおり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどのようなポータブル機器をテレビジョン装置50に接続して使用する際の作業の簡単化が図られている。」
「
[図:0001410160000043.jpg]
」
「
[図:0001410160000044.jpg]
」
「
[図:0001410160000045.jpg]
」
イ 甲第9号証に記載された技術
上記アの記載事項から、甲第9号証には、次の技術が記載されているといえる。
ディスプレイ装置の後面の上部に配置されたトレイであって、
底壁と、底壁の周囲から起立された側壁とを備え、
ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどのようなポータブル機器をテレビジョン装置に接続する場合、それらポータブル機器をトレイに載置できる
トレイ。
2 無効理由1(甲第2号証を主引用発明とする新規性欠如)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明を対比する。
(ア)テレビ台について
テレビ台におけるベースとは、ベースという用語の一般的意味に基づけば、テレビを含む上部を支える土台となる部分を指すものと解される。
甲2発明の「作業台」は、固定フレーム1が固定的に取り付けられる対象であり、固定フレーム1が固定的に取り付けられることで、テレビ台におけるベース(テレビを含む上部を支える土台となる部分)としての役割を果たすものといえるから、本件発明1の「ベース」に相当するものである。
被請求人は、口頭審理陳述要領書1~4行において、「テレビ受像機の設置環境ごとに異なる抽象的、仮想的な「作業台」を「テレビ受像機昇降フレーム」に組み合わせて「テレビ台」の「ベース」に充当する上記見解は、甚だ不合理というほかない。」と主張しているが、上記のとおりベースという用語の一般的意味に基づけば、甲2発明の「作業台」が本件発明1の「ベース」に相当するものといえるから、被請求人の当該主張は採用することができない。
甲2発明の「作業台に固定的に取り付け可能な固定フレーム1、固定フレーム1に鉛直方向に昇降可能に挿設される可動フレーム2、及び可動フレーム2に鉛直方向に昇降可能に挿設され、テレビ受像機が取り付けられる取付フレーム3」及び「テレビ受像機」は、本件発明1の「前記ベースに立設される支柱」及び「テレビ」にそれぞれ相当する。
甲2発明は、可動フレーム2が固定フレーム1に鉛直方向に昇降可能に挿設され、取付フレーム3が可動フレーム2に鉛直方向に昇降可能に挿設されるものであるから、前記取付フレーム3はテレビ受像機昇降フレームの上部に位置するものである。
そして、取付フレーム3におけるテレビ受像機の取り付けが、取付フレーム3に固定される「2本の水平方向のフレーム」及び当該水平方向のフレームのうち上側のフレームに固定される「2本の垂直方向のフレーム」を介して行われることは、当業者にとって明らかであるから、前記「2本の水平方向のフレーム」及び「2本の垂直方向のフレーム」は、本件発明1の「前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部」に相当する。
甲2発明の上記「作業台」、「固定フレーム1」、「可動フレーム2」、「取付フレーム3」、「2本の水平方向のフレーム」及び「2本の垂直方向のフレーム」を含む構成は、本件発明1の「ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台」に相当する。
(イ)ホルダーについて
a 甲2発明の「仕切板13」は、取付フレーム3の先端に固定的に連結設置される仕切板支持フレーム12に、固定的に連結設置され、DVD、テレビ受信機などのようなテレビ放送関連の付属品又はその他の機器を載置することができるものであるから、本件発明1の(ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備える)「テレビ台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダー」に相当する。
請求人は、審判請求書9頁1~2行等において、甲2発明の「仕切板支持フレーム12」が、本件発明1のホルダーが備える「取付部」に相当し、甲2発明の「仕切板支持フレーム12」及び「仕切板13」が、本件発明1の「ホルダー」に相当すると主張している。
しかしながら、甲2発明において、テレビ受像機昇降フレームは、図2~5に示されるように固定フレーム1、可動フレーム2、取付フレーム3、仕切板支持フレーム12及び仕切板13等により構成されるものであり、また、分解すると図1に示されるように各々別個に存在するものである。
そうすると、仕切板13及び仕切板支持フレーム12は、テレビ受像機昇降フレームの構成要素の一つとして各々別個に存在しているにすぎず、両者で一体的な構成を形成しているものとは観念できない。
よって、甲2発明の「仕切板支持フレーム12」が、本件発明1のホルダーが備える「取付部」に相当するものとはいえず、甲2発明の「仕切板支持フレーム12」及び「仕切板13」が、本件発明1の「ホルダー」に相当するものともいえない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
また、請求人は、令和5年10月19日付け上申書6頁9~10行において、「本件特許の請求項1には、底面部と取付部とが一体であることを示す要件はない。」と主張しているが、本件発明1において、「前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー。」と記載されており、本件発明1は、ホルダーとして一体的な構成が特定されているといえるから、請求人の上記主張は採用することができない。
b 甲2発明の「仕切板13」は、下面が取付フレーム3の上端と接しており、仕切板13における前縁及び後縁からそれぞれ上方に延在する複数の離間した面部を備えているから、「前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部」を備える点で、本件発明1と一致する。
甲2発明の「仕切板13」は、「取付フレーム3の先端に固定的に連結設置される仕切板支持フレーム12」に固定的に連結設置されるものであり、仕切板支持フレーム12に仕切板13を固定的に連結設置することは、仕切板支持フレーム12の上方突出部分を、仕切板13の左右両端部に存在する切れ目に嵌入させることによりなされているから、本件発明1の「取付部」に相当する構成を備えているといえる。
しかしながら、当該取付部について、本件発明1では「取付部」が「前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる」ものであるのに対し、甲2発明では「仕切板13」の取付部は仕切板支持フレーム12に取り付けられるものであって、2本の水平方向のフレーム及び2本の垂直方向のフレーム(支持部)や取付フレーム3(支柱)に取り付けられるものではなく、かつ、前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で取り付けられる構成を備えていない点で、両者は相違する。
c 以上から、本件発明1と甲2発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーであって、
前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
取付部とを備えることを特徴とするホルダー。
〔相違点1〕
当該取付部が、本件発明1では「前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる」ものであるのに対し、甲2発明では仕切板支持フレーム12に取り付けられるものであって、2本の水平方向のフレーム及び2本の垂直方向のフレーム(支持部)や取付フレーム3(支柱)に取り付けられるものではなく、かつ、前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で取り付けられる構成を備えていない点。
イ 小括
以上のとおり、本件発明1と甲2発明は相違点を有するから、本件発明1は新規性を有する。
(2)本件発明4について
本件発明4は、本件発明1の構成を備えるものであり、本件発明1と同様に新規性を有する。
3 無効理由2(甲第2号証を主引用発明とする進歩性欠如)について
(1)甲2発明に基づく進歩性欠如について
上記相違点1について、まず、甲2発明に基づいて進歩性を検討する。
ア 本件発明1について
甲2発明の仕切板13における取付部は、仕切板13を仕切板支持フレーム12に取り付けられるためのものであるところ、当該取付部を前記支持部又は前記支柱に取り付けられるものに変更しようとする動機は存在しないから、甲2発明の仕切板13における取付部を「前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる」ものとすることは、当業者が容易に想到しうることではない。
また、請求人は審判請求書19頁1~13行において、「(カ)付記」として、「甲2の図1によれば、仕切板支持フレーム12は、ボルト及びナットによって、取付フレーム3及び仕切板13のいずれにも着脱可能に構成されている。そのため、甲2に基づいて、仕切板支持フレーム12をホルダー(仕切板13側)の一部にするか、支柱(取付フレーム3側)の一部にするかは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。即ち、「甲2に記載された発明が、請求項1の取付部を備えていない」という、異議の決定(甲1)における上記の相違点1は設計的事項である。」と主張し、また令和5年10月19日付け上申書6頁11~12行において「別の物同士を一体のものにすることは設計的事項である。」と主張している。
しかしながら、上記2(1)に示したとおり、甲2発明は、図1のように、仕切板13及び仕切板支持フレーム12が、テレビ受像機昇降フレームの構成要素の一つとして各々存在しているのであり、この状態から、仕切板支持フレーム12が取付フレーム3に固定的に連結設置され、仕切板13が仕切板支持フレーム12に固定的に連結設置されるなどしてテレビ受像機昇降フレームが構成されるものであり、このようなテレビ受像機昇降フレームの構成において、あえて、仕切板13及び仕切板支持フレーム12で一体的な構成を形成したうえで、当該一体的構成を取付フレーム3に固定的に連結設置するものに変更しようとする動機は存在しない。
よって、仕切板13(ホルダー)の取付部を「前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる」ものとすることは、設計的事項といえるものではないから、請求人の上記主張は採用することができない。
以上から、本件発明1は、甲2発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明3及び本件発明4について
上記アのとおり、本件発明1は甲2発明に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本件発明1の構成を備える本件発明3及び本件発明4も、甲2発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
(2)甲2発明及び甲第6号証~甲第8号証に基づく進歩性欠如について
次に、甲2発明及び甲第6号証~甲第8号証に基づいて進歩性を検討する。
ア 本件発明1について
甲2発明の仕切板13を固定的に連結設置する仕切板支持フレーム12は、具体的構成として図1等に示される、テレビ取付け面に向かって左右両側の辺の内側底面と、前記両辺の中央をつなぐ線分の底面からなるH型の部分で仕切板13を支持する構成を備えている。
また、仕切板支持フレーム12と取付フレーム3との固定的な連結設置の具体的態様は、図1及び3によれば、取付フレーム3の先端に、ボルトとナットを介して行われているものと認められる。
他方、甲第6号証、甲第7号証には、載置部の下方中央部に固定された支持部によりフレームに取り付けられる技術が記載されており、甲第8号証には、載置台の中央部に取付用の角孔が設けられると共に、折曲舌片と支柱の先端部との間が、ビスによって締付け固定されることにより、載置台が支柱に載置固定される技術が記載されている。
上記甲第6号証~甲第8号証のいずれの技術も、取付手段が載置台の底面部中央にフレームや支柱に対応して設けられるものであり、甲2発明の仕切板支持フレーム12による取付構成を上記技術のものに置き換えることは、支持強度や支持安定性が低下することになること、及び、仕切板13が(切れ目を介して)仕切板支持フレーム12に固定的に連結設置され、仕切板支持フレーム12が取付フレーム3に固定的に連結設置される構成とは、仕切板13と取付フレーム3との関係として、間接的に接続されるもの(甲2発明)と、直接的に接続されるもの(上記甲第6号証~甲第8号証の技術)という相互の関係が異なるものであることから、当該技術を甲2発明に適用しようとする動機は存在しない。
請求人は、令和5年10月19日付け上申書の6頁17行~7頁19行において、「構成の置換に伴う強度設計の見直しは、当業者による通常の行為(設計的事項等)である。」と主張するが、甲2発明の、横方向に長い仕切板13を仕切板支持フレーム12のH型の部分で支持する構成において、強度設計を見直してまで上記甲第6号証~甲第8号証の構成に置換しようとする動機は存在しないから、請求人の上記主張は採用することができない。
また、請求人は、同上申書において、「そもそも、甲2発明の仕切板支持フレーム12は、取付フレーム3の上端に仕切板13が載置された状態で、取付フレーム3に対し仕切板13を支持するものであるので、仕切板13の荷重が仕切板支持フレーム12に集中し難く、仕切板支持フレーム12に強度的な問題は生じ難い。」と主張するが、上記事情が認められる場合であっても、甲2発明の、仕切板13を仕切板支持フレーム12のH型の部分で支持する構成において、上記甲第6号証~甲第8号証の取付手段が載置台の底面部中央にフレームや支柱に対応して設けられた構成に置換すると、中央部より外側の部分の支持強度が低下することになるから、甲2発明の上記支持構成を上記甲第6号証~甲第8号証の構成に置換しようとする動機は存在しない。
よって、請求人の上記主張は採用することができない。
したがって、本件発明1は、甲2発明及び甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明3及び本件発明4について
上記アのとおり、本件発明1は甲2発明及び甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本件発明1の構成を備える本件発明3及び本件発明4も、甲2発明及び甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
4 無効理由3(甲第5号証を主引用発明とする進歩性欠如)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲5発明を対比する。
(ア)テレビ台について
甲5発明の「コマンドポスト510」は、垂直柱状であり、サスペンションアーム530、モニターキャディ550及び変換ブラケット560を用いてフラットパネルモニタを支えるものであるから、本件発明1の「支柱」に相当する。
本件発明1の「テレビ」と甲5発明の「フラットパネルモニタ」は、表示装置である点で共通する。
甲5発明の「サスペンションアーム530」、「モニターキャディ550」及び「変換ブラケット560」は、フラットパネルモニタを支持するものであり、前記サスペンションアーム530がコマンドポスト510の上部において結合されているから、「前記支柱の上部に設けられて表示装置を支持する支持部」である点で、本件発明1の「支持部」と共通する。
しかしながら、上記表示装置が、本件発明1ではテレビであるのに対し、甲5発明ではフラットパネルモニタである点で、両者は相違する。
本件発明1の「テレビ台」と甲5発明の「マウントシステム」は、「支柱と、前記支柱の上部に設けられて表示装置を支持する支持部とを備える構成」である点で共通する。
しかしながら、上記構成が、本件発明1では、ベースを備え、支柱が前記ベースに立設されるテレビ台であるのに対し、甲5発明では、ベース、及び、支柱とベースの関係が特定されていないマウントシステムである点で、両者は相違する。
(イ)ホルダーについて
甲5発明の「CPUタワー」は、本件発明1の「電子機器」に相当する。
甲5発明の「CPUホルダー520」は、コマンドポスト510に結合され、CPUタワーを保持するものであるから、「支柱と、前記支柱の上部に設けられて表示装置を支持する支持部とを備える構成に取り付けられ、電子機器を保持するホルダー」である点で、本件発明1の「ホルダー」と共通する。
甲5発明の「CPUホルダー520」は、底面部と、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、前記底面部の後縁から上方に延在する後面部を備えている。また、「CPUホルダー520」は、フラットパネルの背面側のコマンドポスト510の上端に結合されているから、CPUホルダーの底面部が前記フラットパネルモニタの背面側で前記コマンドポスト510に取り付けられる取付部を備え、かつ、前記コマンドポスト510に載置されているといえる。
そうすると、本件発明1の「ホルダー」と甲5発明の「CPUホルダー520」は、
「前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
前記表示装置の背面側で前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー」
である点で共通する。
しかしながら、前記表示装置の背面側で前記支柱に取り付けられる取付部が、本件発明1では底面部よりも下方に突出したものであるのに対し、甲5発明では当該構成が特定されていない点で、両者は相違する。
以上から、本件発明1と甲5発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
支柱と、前記支柱の上部に設けられて表示装置を支持する支持部とを備える構成に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーであって、
前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の前縁から上方に延在する前面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
前記表示装置の背面側で前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー。
〔相違点2〕
本件発明1は、上記表示装置がテレビであり、上記構成がベースを備え、支柱が前記ベースに立設されるテレビ台であるのに対し、甲5発明は、上記表示装置が、フラットパネルモニタであり、上記構成がベース、及び、支柱とベースの関係が特定されていないマウントシステムである点。
〔相違点3〕
前記テレビの背面側で前記支柱に取り付けられる取付部が、本件発明1では底面部よりも下方に突出したものであるのに対し、甲5発明では当該構成が特定されていない点。
イ 判断
上記相違点2及び相違点3について検討する。
(ア)相違点2について
甲5発明におけるマウントシステムは、フラットパネルモニタ、CPUタワー、キーボードを搭載(マウント)するものであり、これらの搭載物は、CPUによる情報処理の実行を目的とするものである。
一方、テレビ台は、テレビと録画装置等の関連装置を支持するものであり、キーボードやCPUタワー等のように一般のテレビに必要とされない装置を搭載対象とするマウントシステムにおいて、テレビ台に置換しようとする動機は存在しない。
そうすると、ベース、及び支柱とベースの関係について検討するまでもなく、相違点2に係る本件発明1の構成は、甲5発明に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(イ)相違点3について
甲5発明のコマンドポスト510は、どのような断面形状や上端の形状を備えているのか図5や図6等の記載を参照しても明確に特定することができないものである。
甲第2号証、甲第6号証~甲第8号証に記載のホルダーの取付手段は、取付先の形状に応じて採用されうるものであり、甲第5号証のコマンドポスト510の断面形状や上端の形状が特定されない状態では、下方に突出する取付部の具体的構成を設けようとする動機は生じえない。
また、甲2発明は、上記2のとおり仕切板(ホルダー)において下方に突出した構成は存在しないから、相違点3に係る本件発明1の構成に対応したものではない。
甲第6号証、甲第7号証は、載置台の高さを調整するために載置台の支持部がフレームに固定されるものであり、載置部がフレームに載置された状態で取り付けられる構成ではないから、甲5発明のCPUホルダー520とコマンドポスト510上端との結合に当該構成を適用しようとする動機は存在しない。
甲第8号証に記載された構成は、支柱の上端部の断面がロ字形状であり、当該上端部に対応して、載置台に取付用の角孔が設けられて、折曲舌片が断面ロ字形状の支柱内面にビスによって締め付け固定されるものである。当該構成を甲5発明におけるCPUホルダー520とコマンドポスト510上端との結合手段として採用する動機は、コマンドポスト510上端の形状が特定されない状態では生じえない。
以上から、相違点3に係る本件発明1の構成は、甲5発明及び甲第2号証、甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)のとおり相違点2及び相違点3に係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到しうるものではないから、本件発明1は、甲5発明及び甲第2号証、甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明3及び本件発明4について
上記(1)のとおり、本件発明1は甲5発明及び甲第2号証、甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本件発明1の構成を備える本件発明3及び本件発明4も、甲5発明及び甲第2号証~甲第4号証、甲第6号証~甲第8号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
5 無効理由4(甲第6号証を主引用発明とする進歩性欠如)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲6発明を対比する。
(ア)テレビ台について
甲6発明のフレーム本体1における「ベース15」は、本件発明1の「ベース」に相当する。
甲6発明のフレーム本体1における「収納ボックス12」は、ベース15に底面が固定され、上部にテレビを保持する固定機構2が取り付けられるものであるから、本件発明1の「前記ベースに立設される支柱」に相当するものといえる。
また、甲6発明の「固定機構2」は、本件発明1の「前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部」に相当する。
甲6発明の上記「ベース15」、「収納ボックス12」及び「固定機構2」を含む構成は、本件発明1の「ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台」に相当する。
(イ)ホルダーについて
甲6発明の「載置台3」は、支持部31においてフレーム本体1に固定されるとともに、フレーム本体1の上方に位置する載置部32においてカメラを載置するから、(ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備える)「テレビ台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダー」に相当する。
甲6発明の載置台3における「載置部32」は、載置部32における後縁から上方に延在する面部が設けられており、載置部32におけるカメラを載置する面、及び、後縁から上方に延在する面部は、それぞれ「前記電子機器を保持する底面部」及び「前記底面部の後縁から上方に延在する後面部」に相当するものといえる。
甲6発明の載置台3における「支持部31」は、載置部32の下方中央部に固定されたものであり、テレビ受像機の背面側で収納ボックス12に固定されているから、「前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支柱に取り付けられる取付部」に相当する。
しかしながら、本件発明1のホルダーの底面部が、前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部であるのに対し、甲6発明の載置台3の載置部32におけるカメラを載置する面が、前記収納ボックス12に載置されて前記カメラを保持するものではない点で、両者は相違する。
また、本件発明1のホルダーは、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えるのに対し、甲6発明の載置台3は、底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えていない点で、両者は相違する。
以上から、本件発明1と甲6発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
〔一致点〕
ベースと、前記ベースに立設される支柱と、前記支柱の上部に設けられてテレビを支持する支持部とを備えるテレビ台に取り付けられ、電子機器を保持するホルダーであって、
前記電子機器を保持する底面部と、
前記底面部の後縁から上方に延在する後面部と、
前記底面部よりも下方に突出して前記テレビの背面側で前記支持部又は前記支柱に取り付けられる取付部とを備えることを特徴とするホルダー。
〔相違点4〕
本件発明1のホルダーの底面部が、前記支柱に載置されて前記電子機器を保持する底面部であるのに対し、甲6発明の載置台3の載置部32におけるカメラを載置する面が、前記収納ボックス12に載置されて前記カメラを保持するものではない点。
〔相違点5〕
本件発明1のホルダーは、前記底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えるのに対し、甲6発明の載置台3は、底面部の前縁から上方に延在する前面部を備えていない点。
イ 判断
上記相違点4及び相違点5について検討する。
(ア)相違点4について
a 甲6発明に基づく進歩性欠如について
上記相違点4について、まず、甲6発明に基づいて進歩性を検討する。
最初に、本件発明における「支柱に載置される」の技術的意味について検討する。
まず、「載置」の一般的な意味は、実用日本語表現辞典(https://www.weblio.jp/content/%E8%BC%89%E7%BD%AE、検索日令和6年2月13日)に記載のとおり「物を台などに載せる形で置くこと」と認められる。
そして、本件明細書における【0009】の「・・・底面部を支持台の支柱に載置した状態での取付けに供し、このとき、ホルダー及び電子機器の荷重が取付部に集中せず支柱に分散する・・・」及び【0066】の「・・・底面部61をテレビ台10の支柱30,30(上部支柱32,32の上面32g,32g)に載置した状態での取付けを可能としているので、ホルダー60及び電子機器Hの荷重が取付片66に集中せず支柱30,30に分散し、・・・」との記載を参酌すると、本件発明1における「支柱に載置される」とは、支柱の上に載せる形で、荷重が支柱にも付加されるように置かれることを意味する。
甲6発明は、支持部31が、収容部11に収容されて載置台1の高さを調整するロッド部311と、ロッド部311の一端から屈曲して延出して載置部32を固定する屈曲部312とを含み、前記ロッド部311は、ロッド部311の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定される係止部313を有し、係止部313には、支持部31の上下動を防止するためにフレーム本体1に固定されるネジが設けられており、調節可能な支持部31の高さは、ネジを介して係止部313の位置を選択することによって決定されるものであり、カメラを保持する載置台3の高さを調整する構成を備えるものである。
しかしながら、そもそも甲6発明には、「載置台3」の「支持部31の高さ」が「調節可能」との記載はあるものの、載置台3が収納ボックス12の上に載せる形で(荷重が収納ボックス12にも付加されるように)置かれる(載置される)ことは記載されておらず、その示唆もない。
また、甲第6号証の[0021]、[0027]に記載されているように、甲6発明において、載置台3は、もっぱらカメラを載せて固定するために使用される一方、固定フレーム4は、セットトップボックスを保持するために使用されており、載置台3に、カメラ以外のものを載置することは想定されていないものといえる。
そして、図1及び図2によれば、カメラを保持する載置台3は、固定機構2に保持されるテレビよりも背面側に位置しており、カメラを撮影可能な状態にするには、カメラを保持する載置台3の高さを当該テレビの上端よりも上方の位置に調整する必要があることは明らかであり、甲6発明は、固定機構2に相応するサイズのテレビの使用を前提としているところ、載置台3がカメラを保持している状態では、載置台3の位置は、カメラが当該テレビの上方に位置する状態で固定されるものであるから、収納ボックス12の上に載せて置かれる位置で固定されることはない。
したがって、相違点4に係る本件発明1の構成は、甲6発明に基づいて容易に想到しうるものではない。
請求人は、審判請求書30頁14~23行において、
「 甲6の段落0027,0028には、フレーム本体1(ベース及び支柱)に対し載置台3(ホルダー)の高さを調整できることが記載されている。
そのため、甲6の載置台3(ホルダー)に保持させたカメラを使用しない場合や、カメラ以外の電子機器を載置台3(ホルダー)に保持させる場合に、載置台3(ホルダー)の高さを最も低くすることで、載置台3の底面部は、フレーム本体1の収納ボックス12(支柱)の上端に載置される。
即ち、甲6のホルダーには、載置台3の底面部が支柱に載置されるものが含まれる。よって、相違点4は存在しない。」
と主張している。
しかしながら、上記のとおり、甲6発明において、載置台3は、もっぱらカメラを保持するものとして設けられており、カメラ以外の電子機器を載置台3に保持することは想定されていない。また、載置台3にカメラが保持されているときは、上記のとおり、カメラによる撮影を前提としているのであるから、収納ボックス12の上に載せて置かれる位置で固定されることはない。
以上の理由から、請求人の上記主張は採用することができない。
b 甲6発明並びに甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証及び甲第9号証に基づく進歩性欠如について
次に、上記相違点4について、甲6発明並びに甲第2号証及び甲第5号証に基づいて進歩性を検討する。
甲第2号証には、仕切板13の下面が取付フレーム3の上端と接していることが記載されており、甲第5号証には、CPUホルダー520はコマンドポスト510の上端に載置されていることが記載されている。
しかしながら、上記(ア)のとおり、甲6発明において、載置台3がカメラを保持している状態では、載置台3の位置は、収納ボックス12の上に載せて置かれる位置で固定されることはないから、載置台の底面に支柱が接する構成が周知技術といえるものであっても、甲6発明のカメラを保持する載置台3の高さを調整する構成に当該技術を適用しようとする動機は存在しない。
したがって、相違点4に係る本件発明1の構成は、甲6発明並びに甲第2号証及び甲第5号証に基づいて容易に想到しうるものではない。
請求人は、審判請求書31頁1~6行において、
「 仮に、相違点4が存在する場合について検討する。
甲2の図3や、甲5の図5,6等に示す通り、電子機器を保持するホルダーの底面部を、支柱に載置することは周知技術である。
この周知技術を甲6に適用することによって、載置台3の底面部を支柱に載置すること(相違点4)は、当業者であれば容易に想到し得るものである。」
と主張しているが、上記のとおり、甲6発明のカメラを保持する載置台3の高さを調整する構成に上記甲第2号証及び甲第5号証の高さ調整機能がない構成を適用しようとする動機は存在しないから、請求人の上記主張は採用することができない。
(イ)相違点5について
表示装置の背面側に設けられて関連装置を保持する手段において、底面部の前縁及び後縁の各々から上方に延在する前面部及び後面部を備えることは、甲第2号証(図1等)、甲第3号証(図23等)、甲第5号証(図6等)及び甲第9号証(図4等)に記載されているように周知技術と認められる。
しかしながら、甲6発明の載置部32は、カメラを固定するためのカメラ固定穴321が複数設けられて、載置部32上のカメラが動かないようにする構成が備わっており、前端に上方に延在する前面部が備わっていない載置部32において、上記周知技術が存在していても、前面部をあえて設けようとする動機は存在しない。
さらに、上記構成の載置部32において、前縁から上方に延在する前面部を設けると、例えば、カメラ前部が前縁からはみ出るサイズのカメラを載置する場合や、撮影部がカメラの下端近辺まで存在するカメラを載置する場合に、カメラの載置や撮影に支障が生じる可能性があるから、甲6発明に上記周知技術の構成を適用することには阻害要因があるといえる。
なお、請求人は、口頭審理陳述要領書28頁17~20行において「甲第2,3,5,9号証等における「前面部」を、甲6発明の載置台3に適用するにあたり、カメラによる撮影を阻害しないように「前面部」を載置台3に設ければ良いだけであり、そのようにし得ない特段の事情はない」と主張しているが、前面部がカメラによる撮影を阻害しないものであっても、上記のとおり、そもそも前面部をあえて設けようとする動機は存在しないから、請求人の上記主張は採用できない。
また、請求人は、口頭審理陳述要領書29頁1~4行において「カメラが載置されるホルダーに「前面部」を設けることが、甲第9号証に記載されているにもかかわらず、甲6発明の載置台3(ホルダー)に載置されるものがカメラであるという理由に基づき、載置台3に「前面部」を適用し得ないとする、被請求人の主張12は合理性がない。」と主張しているが、上記のとおり、そもそも甲6発明におけるカメラを固定するためのカメラ固定穴321が複数設けられた載置部32において、前面部をあえて設けようとする動機は存在しないし、逆に前面部を設けることで支障が生じる可能性があるという阻害要因が存在するから、上記請求人の主張は採用することができない。
以上から、相違点5に係る本件発明1の構成は、甲6発明並びに甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証及び甲第9号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に想到しうるものではない。
ウ 小括
上記ア及びイのとおり相違点4及び相違点5に係る本件発明1の構成は、甲6発明並びに甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証及び甲第9号証に記載された技術に基づいて容易に想到しうるものではないから、本件発明1は、甲6発明並びに甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証及び甲第9号証に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
イ 本件発明3及び本件発明4について
上記アのとおり、本件発明1は甲6発明及び甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第9号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本件発明1の構成を備える本件発明3及び本件発明4も、甲6発明及び甲第2号証~甲第5号証、甲第9号証に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、無効理由1~4はいずれも理由がないものであり、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件発明1、3、4についての特許は、無効理由1~4によっては、無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。
よって結論のとおり審決する。
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2023-800012