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特許異議申立

2023-700104

制御システムおよび運転計画方法

審判番号
2023-700104
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-096009
登録番号
7161642
請求日
2023年02月01日
審決日
2024年11月14日
公報発行日
2025年02月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
  • 【権利者代理人】松沼 泰史
  • 【権利者代理人】伊藤 英輔
  • 【権利者代理人】橋本 宏之
  • 【権利者代理人】古都 智
  • 【権利者代理人】鎌田 康一郎
  • 【異議申立人】西尾 道子
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 鈴木 充
  • 審判官 正木 裕也
分類
P1652.113-YAA(B66C) / P1652.121-YAA(B66C) / P1652.537-YAA(B66C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第126条第7項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7161642号発明「制御システムおよび運転計画方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7161642号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし4〕及び5について訂正することを認める。 特許第7161642号の請求項1及び5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7161642号の請求項1ないし5に係る特許は、令和4年6月14日に出願され、同年10月18日にその特許権の設定登録がされ、同年10月26日に特許掲載公報が発行されたものである。本件特許異議の申立ての経緯は、以下のとおりである。 令和 5年 2月 1日 :特許異議申立人 西尾道子(以下、「申立人」という。)による請求項1及び5に係る特許に対する特許異議の申立て 同 年 7月27日付け:取消理由通知 同 年 9月29日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 6年 1月10日 :申立人による意見書の提出 同 年 3月25日付け:取消理由通知(決定の予告) 同 年 5月 8日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同 年 7月 3日 :申立人による意見書の提出 同 年 8月22日 :取消理由通知(決定の予告)(以下、「決定の予告」という。) 同 年 9月20日 :特許権者による意見書及び訂正請求書(以下、この訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)の提出 なお、令和5年9月29日に特許権者がした訂正の請求及び令和6年5月8日に特許権者がした訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 第2 本件訂正の適否 1 一群の請求項1ないし4の訂正について (1)訂正の内容 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する、 制御システム。」 と記載されているのを、 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定し、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記動作設定部は、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、 制御システム。」 と訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下、「第2 本件訂正の適否」において同様。)。 (請求項1の記載を引用する請求項3及び4も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に 「請求項2に記載の制御システム。」と記載されているのを、 「請求項1に記載の制御システム。」 と訂正する。 (請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する。) (2)訂正の適否についての判断 ア 訂正事項1について (ア)訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1に、 「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記動作設定部は、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、」 との発明特定事項を直列的に付加して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1は、訂正前の請求項2並びに願書に添付した明細書の段落【0053】、【0055】、【0069】及び【0070】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、発明特定事項を直列的に付加するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 イ 訂正事項2について (ア)訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (エ)独立特許要件 訂正前の請求項2に対して特許異議の申立てはなされていないが、訂正事項2により、訂正前の請求項2が削除され対象がなくなったのであるから、独立特許要件の検討を要しないことが明らかである。 ウ 訂正事項3について (ア)訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項2を引用するものであったのを、訂正事項1により訂正前の請求項2の内容が請求項1に付加され、訂正事項2により請求項2が削除されたことに伴い、請求項1を引用するものとしたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3は、訂正前の請求項3の内容を実質的に変更するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項3は、訂正前の請求項3の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (エ)独立特許要件 訂正前の請求項3に対して特許異議の申立てはなされていないが、訂正事項3は上記(ア)のとおり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正事項3により訂正される請求項3に対して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 (3)一群の請求項について 訂正事項1ないし3に係る訂正前の請求項1ないし4について、請求項2ないし4は、それぞれ請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1ないし4に対応する訂正後の請求項〔1ないし4〕は、一群の請求項であって、訂正事項1ないし3は、一群の請求項ごとに請求されたものである。 2 請求項5の訂正について (1)訂正の内容 ア 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5に 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、 を含む、 運転計画方法。」 と記載されているのを、 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、 を含み、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、 運転計画方法。」 と訂正する。 (2)訂正の適否についての判断 ア 訂正事項4について (ア)訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項5に、 「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、」 との発明特定事項を直列的に付加して限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4は、訂正前の請求項2並びに願書に添付した明細書の段落【0053】、【0055】、【0069】及び【0070】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、発明特定事項を直列的に付加するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 3 明細書に係る訂正 (1)訂正の内容 ア 訂正事項5 明細書の段落【0007】に 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する。」 と記載されているのを、 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定し、前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記動作設定部は、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する。」 と訂正し、 明細書の段落【0008】に 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、を含む。」 と記載されているのを、 「前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、を含み、前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する。」 と訂正する。 (2)訂正の適否についての判断 ア 訂正事項5について (ア)訂正の目的 訂正事項5は、訂正事項1及び訂正事項4に伴い、請求項1及び請求項5に関する発明の詳細な説明の記載を整合させるために訂正するもので、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項5は、訂正事項1及び訂正事項4と同様、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項5は、訂正事項1及び訂正事項4と同様、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (エ)明細書の訂正に係る請求項について 訂正事項5は、一群の請求項である請求項1ないし4及び請求項5と関係するものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項に適合するものである。 4 まとめ 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定並びに同条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に適合する。 よって、訂正後の請求項〔1ないし4〕、5について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項1及び5に係る発明は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部と、 複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部と、 前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部と、 を備え、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記エリア機能設定部は、 第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、 前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定し、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記動作設定部は、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、 制御システム。」 「【請求項5】 被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法であって、 コンピュータに、 前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ、 前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させ、 前記貯留部の設備内容または運用方針に応じて、前記複数のエリア利用方法と前記複数の動作モードとを選択的に組み合わせて前記複数のクレーンの運転計画を導出させる、 ことを含み、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記複数のエリア利用方法は、 第1時間におけるエリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定することと、 前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、 を含み、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、 前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する、 運転計画方法。」 第4 決定の予告における取消理由の概要 (明確性)本件特許は、特許請求の範囲の記載が以下の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 独立形式の請求項である請求項5には、「前記動作設定部は、」との記載がある。しかしながら、請求項5において「動作設定部」との記載は、当該記載以前には存在しないことから、「前記」が何を指し示しているのか明確でない。 よって、請求項5に係る発明は明確でない。 第5 当審の判断 本件訂正により、請求項5の記載は、上記「第3」の「【請求項5】」のとおりとなり、「前記動作設定部は、」との記載はなくなった。 したがって、決定の予告で通知した取消理由は解消した。 第6 決定の予告で採用しなかった特許異議申立ての理由について 申立人が示した特許異議申立て理由は以下のとおりである。 〔理由1〕 本件特許の請求項1及び5に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるから、本件特許の請求項1及び5に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 〔理由2〕 本件特許の請求項1及び5に係る発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1及び5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 〔理由3〕 本件特許の請求項1及び5に係る発明は、甲第3号証に記載された発明並びに甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1及び5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <証拠一覧> 甲第1号証:特開2017-218316号公報(以下、「甲1」という。) 甲第2号証:西原智佳子 他9名,AI技術を活用したごみ焼却施設の安定操炉と省力化の実現,Hitz技報第82巻第1号,日立造船株式会社,2021年12月25日,p2~8(以下、「甲2」という。) 甲第3号証:特開2022-39443号公報(以下、「甲3」という。) 1 甲号証に記載された発明、事項等 (1)甲1 甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。 ア 「【0030】 本発明の一実施形態について図1から図9に基づいて説明する。本発明は、ゴミピット内でゴミを運搬するクレーンの動作を制御するクレーン制御装置等に関するものであるから、ここではまずゴミピットと、ゴミピットを備えるゴミ焼却設備について、図2に基づいて説明する。」 イ 「【0043】 クレーンエージェント61は、クレーン14の動作を決定するソフトウェアエージェントである。クレーン14を複数基設けた場合、各クレーン14について1つのクレーンエージェント61を設けてもよい。詳細は後述するが、クレーンエージェント61は、ゴミ掴み動作を実行すべきゴミ掴みエリアと、ゴミ離し動作を実行すべきゴミ掴みエリアとを動作スケジュール71に従って設定する。そして、他のエージェントからの指示に応じてクレーン14の動作の詳細、すなわちクレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)を決定する。さらに、このようにして決定した作業(クレーンモードとも呼ぶ)と、クレーン14の行き先(座標)をクレーン制御部66に通知する。 【0044】 投入エージェント62は、ホッパー12にゴミを投入する投入作業を管理するソフトウェアエージェントである。具体的には、投入エージェント62は、ホッパー12内のゴミの高さが所定の下限値以下となったことを通知するホッパー高さ通知装置30から、通信部54を介して上記通知を受信した場合に、ホッパー12へのゴミの投入指示があったと検出する。そして、投入エージェント62は、投入指示を検出した場合、詳細は後述するが、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて何れの区画のゴミをホッパー12に投入するか(ゴミ掴み位置を何れの区画とするか)を決定する。なお、上記「区画」の詳細は図4に基づいて後述する。また、ホッパー高さ通知装置30はホッパー12内のゴミの高さを示す情報についても併せて通知するので、投入エージェント62は上記投入作業について、ホッパー高さ通知装置30から通知された高さに応じた緊急度(高さが低いほど高い緊急度)を設定する。 【0045】 受入エージェント63は、ゴミピット1に搬入されるゴミを受け入れるエリアである受け入れエリアから、ゴミを撹拌する撹拌エリアにゴミを積み替える積み替え作業を管理するソフトウェアエージェントである。詳細は後述するが、受入エージェント63は、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて積み替え作業におけるゴミ掴み位置(受け入れエリア内の位置)とゴミ離し位置(撹拌エリア内の位置)を何れの区画とするかを決定する。 【0046】 撹拌エージェント64は、撹拌エリア内でゴミを掴み、掴んだゴミを同エリア内で離す作業である撹拌作業を管理するソフトウェアエージェントである。詳細は後述するが、撹拌エージェント64は、マスエージェント65が算出する指標値に基づいて撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置を何れの区画とするかを決定する。」 ウ 「【0048】 クレーン制御部66は、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモード(撹拌、積み替え、または投入)の作業をクレーン14に実行させる。また、この作業におけるクレーン14の行き先(ゴミ掴み位置とゴミ離し位置)は、クレーンエージェント61からの指示に従って決定する。」 エ 「【0056】 〔エリア設定〕 ゴミピット1のゴミ貯留部11は、複数のエリアに分けて管理されている。ここではゴミ貯留部11のエリア設定について図5に基づいて説明する。図5は、エリア設定の例を示す図である。同図の(a)の例では、上面視で長方形状のゴミ貯留部11内に、撹拌エリアと、受け入れエリアと、非撹拌エリア(×印を記載したエリア)を設定している。なお、受け入れエリアは、搬入用扉11a側に設けられたエリアであり、ゴミ収集車Pが搬入したゴミはこのエリアに投下される(図3参照)ので、このエリアは、少なくともゴミの搬入が行われる時間帯には非撹拌エリアとして扱われる。受け入れエリアと撹拌エリアとは土手等で仕切られていてもよい。」 オ 「【0059】 動作スケジュール71では、このような各エリアの何れをゴミ掴みエリアとし、何れをゴミ離しエリアとするかが規定されている。よって、動作スケジュール71に従ってクレーン14を動作させることにより、所定のエリア間でのクレーン14の動作が保証される。例えば、同図の(c)のエリア設定がなされている場合には、動作スケジュール71において、撹拌エリア1をゴミ掴みエリアとし、撹拌エリア2をゴミ離しエリアとすることを規定することができる。よって、この動作スケジュール71に従ってクレーン14を動作させることにより、撹拌エリア1のゴミを撹拌エリア2に確実に積み替えさせることができる。」 カ 「【0071】 具体的には、ゴミの受け入れのための積み替え(受け入れエリアから撹拌エリアへの積み替え)を完了させる時刻である6:00の時点では、左側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、このエリア内の各区画には「+」の記号が表示されている。また、右側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されており、このエリア内の各区画には「-」の記号が表示されている。これにより、6:00以降は、左側の撹拌エリアでゴミを掴み、右側の撹拌エリアでそのゴミを離す撹拌作業が行われる。」 【0072】 また、ゴミの搬入が開始される9:00の時点では、受け入れエリアの全体がゴミ掴みエリアに設定されており、撹拌エリアの全体がゴミ離しエリアに設定されている。つまり、この動作スケジュールによれば、9:00になるとゴミ掴みエリアおよびゴミ離しエリアの位置および範囲が変更される。これにより、9:00以降は、受け入れエリアでゴミを掴み、撹拌エリアでそのゴミを離す積み替え作業が行われる。なお、この時点におけるゴミ掴みエリアは受け入れエリアであるから、ゴミ掴み位置とする区画およびゴミ離し位置とする区画は受入エージェント63が決定する。 【0073】 そして、ゴミの搬入が終了する17:00の時点では、受け入れエリアの全体と右側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、左側の撹拌エリアがゴミ離しエリアに設定されている。これにより、17:00以降は、受け入れエリアでゴミを掴み、左側の撹拌エリアでそのゴミを離す積み替え作業が行われると共に、右側の撹拌エリアでゴミを掴み、左側の撹拌エリアでそのゴミを離す撹拌作業が行われる。なお、積み替え作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置は受入エージェント63が決定し、撹拌作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置は撹拌エージェント64が決定する。」 キ 「【0083】 一方、投入エージェント62がゴミ掴み位置を決定する場合には、十分に撹拌された高さの高い区画のゴミをホッパー12に投入することが好ましいことから、マスエージェント65は、下記の数式(3)により、指標値FPを算出する。この指標値FPが大きい区画を選ぶことにより、高さが高く、撹拌回数が多い区画、すなわちホッパー12への投入に適した区画をゴミ掴み位置とすることができる。 FP={H×wH+G×wG}・・・(3) 〔動作スケジュール実行時の処理の流れ〕 次に、クレーン制御装置50が動作スケジュール実行時に実行する処理(クレーン制御装置の制御方法)の流れを図8に基づいて説明する。図8は、クレーン制御装置50が動作スケジュールに従ってゴミの撹拌または積み替えを行う際の処理の一例を示すフローチャートである。 【0084】 まず、クレーンエージェント61は、記憶部52から動作スケジュール71を読み出し(S1)、読み出した動作スケジュール71に従って各エリアに符号(図7に示したような「+」または「-」の記号)を設定する(S2)。言い換えれば、ゴミ掴みエリア(「+」の符号が設定された区画から成るエリア)と、ゴミ離しエリア(「-」の符号が設定された区画から成るエリア)を設定する。そして、クレーンエージェント61は、設定した符号を受入エージェント63と撹拌エージェント64に通知する。 【0085】 次に、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかが、「+」および「-」の何れかの符号が設定されたエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる(S3)。 【0086】 具体的には、受け入れエリアがゴミ掴みエリアに設定されていた場合、受入エージェント63が、受け入れエリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。また、受入エージェント63は、ゴミ離しエリアに設定された各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。 【0087】 一方、撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されていた場合、撹拌エージェント64が、ゴミ掴みエリア内の各区画に対応するマスエージェント65と、エリア内の各区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる。なお、撹拌エリアと受け入れエリアの両方がゴミ掴みエリアに設定されていた場合、撹拌エージェント64と受入エージェント63の両方がそれぞれ指標値を算出させる。 【0088】 続いて、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかが、クレーン14のゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定する(S4、決定ステップ)。S4で受入エージェント63がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、受入エージェント63は、決定したゴミ掴み位置とゴミ離し位置、および積み替え作業の実行指示をクレーンエージェント61に送信する。また、緊急度を設定した場合には、設定した緊急度も通知する。 【0089】 一方、撹拌エージェント64がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、撹拌エージェント64は、決定したゴミ掴み位置とゴミ離し位置、および撹拌作業の実行指示をクレーンエージェント61に送信する。なお、受入エージェント63と撹拌エージェント64の両方がゴミ掴み位置とゴミ離し位置を決定した場合、両方から作業(積み替えと撹拌)の実行指示と該作業におけるゴミ掴み位置とゴミ離し位置がクレーンエージェント61に送信される。 【0090】 次に、クレーンエージェント61は、受入エージェント63と撹拌エージェント64の少なくとも何れかから送信される上述の各情報に従って、クレーン14の動作を決定する。そして、クレーン制御部66にクレーンモードとクレーン14の行き先を通知して、クレーン14を動作させる(S5、クレーン制御ステップ)。具体的には、クレーンエージェント61は、受入エージェント63から積み替え作業の実行指示を受信した場合には、積み替え作業を実行することを決定し、クレーン制御部66にクレーンモード(積み替え)と行き先(ゴミの掴み位置と離し位置)を通知する。一方、撹拌エージェント64から撹拌作業の実行指示を受信した場合には、クレーン制御部66にクレーンモード(撹拌)と行き先(ゴミの掴み位置と離し位置)を通知する。」 ク 「【0098】 〔投入指示検出時の処理の流れ〕 次に、ホッパー12へのゴミの投入指示が検出されたときに実行される処理の流れを図9に基づいて説明する。図9は、投入指示の検出時にクレーン制御装置50が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 【0099】 投入エージェント62は、ホッパー高さ通知装置30からの通知によりホッパー12へのゴミの投入指示を検出すると、非撹拌エリアに設定されている区画などの対象外の区画を除いた全ての区画に対応するマスエージェント65に指標値を算出させる(S10)。なお、ホッパー12に投入するゴミは、十分に撹拌されていることが好ましく、またゴミの高さが高い方がクレーン14にて掴み取り易いので、指標値は上記数式(3)で算出させる。 【0100】 次に、投入エージェント62は、算出された指標値に基づいて、ホッパー12に投入するゴミの掴み位置を決定する(S11)。例えば、投入エージェント62は、指標値が最大の区画を掴み位置と決定してもよい。そして、投入エージェント62は、決定した掴み位置をクレーンエージェント61に通知すると共に、ホッパー12へのゴミの投入作業を実行するように指示する。また、投入エージェント62は、ホッパー高さ通知装置30から通知された高さに応じた緊急度を設定し、設定した緊急度をクレーンエージェント61に通知する。 【0101】 投入作業の実行指示を受信したクレーンエージェント61は、クレーン14が実行中の作業があるか否かを判定する(S12)。作業がなければ(S12でNO)、処理はS16に進み、作業があれば(S12でYES)、処理はS13に進む。そして、S13では、クレーンエージェント61は、通知された緊急度から緊急投入が必要であるか否かを判定する。なお、緊急度がどのような値である場合に、緊急投入が必要と判定するかは、予め定めておく。 【0102】 S13で緊急投入が必要と判定した場合(S13でYES)、クレーンエージェント61は、クレーン制御部66に指示して実行中の作業を中断させ(S14)、S16の処理に進む。一方、緊急投入は不要と判定した場合(S13でNO)、クレーンエージェント61は、実行中の作業が終了するまで待機してその作業を終了させ(S15)、S16の処理に進む。なお、S14とS15の何れの処理を行うかは、実行中の作業の緊急度と投入作業の緊急度に応じて決定してもよい。例えば、緊急度の高い積み替え作業を実行中である場合に、投入作業の緊急度がそれよりも低ければS15の処理を行い、高ければS14の処理を行ってもよい。 【0103】 S16では、クレーンエージェント61は、クレーン制御部66にクレーンモード(投入)と行き先(ゴミの掴み位置)を通知して、ホッパー12へのゴミの投入を行わせる。そして、クレーン制御部66がクレーン14を動作させた後、少なくともこの動作に関連するマスエージェント65は、保持する状態、すなわちゴミの高さと撹拌回数を更新する(S17)。状態の更新は、図8のS6と同様にして行うことができる。なお、ホッパー12にゴミを投入する際には、撹拌や積み替えでは行うことのない、ゴミのかさの調整等を行うので、撹拌や積み替えとは異なるモデルにて状態を更新してもよい。」 ケ 「【図7】 [図:0001419303000001.jpg] 」 コ 「【図8】 [図:0001419303000002.jpg] 」 サ 「【図9】 [図:0001419303000003.jpg] 」 シ 上記イ及びウ(段落【0043】及び【0048】の記載)から、複数基のクレーン14に対してクレーンモードをそれぞれ設定しているといえる。 ス 上記イ及びウ(段落【0044】ないし【0046】及び【0048】の記載)から、クレーンモードには、受け入れエリアからゴミを撹拌する撹拌エリアにゴミを積み替える積み替えモード、ホッパー12にゴミを投入する投入モード及び撹拌エリア内でゴミを掴み、掴んだゴミを同エリア内で離す攪拌モードがあるといえる。 セ 上記イ及びウ(段落【0043】及び【0048】の記載)から、クレーン制御部66は、作動スケジュール71により設定される時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアと組み合わせに基づき、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモードの作業をクレーン14に実行させるものといえる。 上記によれば、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明A」及び「甲1発明B」という。)及び事項(以下、「甲1記載事項」という。)が記載されている。 〔甲1発明A〕 「ゴミピット1のゴミ貯留部11内の複数のエリアに対して、時間帯ごとのゴミ掴みエリアと、ゴミ離しエリアとを設定した動作スケジュール71と、 複数のクレーン14に対して、クレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)であるクレーンモードを決定する、クレーンエージェント61と、 作動スケジュール71により設定される時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアと組み合わせに基づき、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモードの作業をクレーン14に実行させるクレーン制御部66と、を備え、 動作スケジュール71において、6:00から9:00の間は、左側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、右側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されており、17:00から6:00の間は、右側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、左側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されている、 クレーン制御装置。」 〔甲1発明B〕 「ゴミピット1内で運転される複数のクレーン14のクレーン制御装置の制御方法であって、 動作スケジュール71には、ゴミピット1のゴミ貯留部11に対して、時間帯ごとのゴミ掴みエリアと、ゴミ離しエリアとが設定されており、 クレーンエージェント61は、複数のクレーン14に対して、クレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)であるクレーンモードを決定し、 クレーン制御部66は、前記作動スケジュール71により設定される時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアと組み合わせに基づき、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモードの作業をクレーン14に実行させることを含み、 動作スケジュール71において、6:00から9:00の間は、ゴミピット1の左側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、右側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されており、17:00から6:00の間は、右側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、左側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されている、 クレーン制御装置の制御方法。」 〔甲1記載事項〕 「ゴミピット1内でゴミを運搬するクレーン14を複数基設け、前記複数基のクレーン14に対してクレーンモードをそれぞれ設定し、前記クレーンモードには、受け入れエリアから、ゴミを撹拌する撹拌エリアにゴミを積み替える積み替えモード及びホッパー12にゴミを投入する投入モードがあること。」 (2)甲2 甲2には、以下の事項が記載されている。 ア 「 [図:0001419303000004.jpg] [図:0001419303000005.jpg] 」(3ページ左欄25行~右欄11行) イ 「 [図:0001419303000006.jpg] 」(3ページ右欄) 上記によれば、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明A」及び「甲2発明B」という。)が記載されている。 〔甲2発明A〕 「ごみバンカの投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える、 ごみバンカ&ごみクレーン3Dシステム。」 〔甲2発明B〕 「AI自動運転時のごみバンカ運用方法であって、ごみバンカの投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える、 ごみバンカ運用方法。」 (3)甲3 甲3には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0031】 貯留ピット26は、廃棄物27を一時的に貯留するピットである。貯留ピット26内の廃棄物27は、把持部25によって把持されて、廃棄物焼却施設30の焼却炉33に供給され、焼却される。」 イ 「【0036】 (状態評価装置) 図4は、図1における状態評価装置10の詳細を示す。図4に示す情報処理装置としての状態評価装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、および出力部15を備える。制御部11および通信部13はそれぞれ、物理的には上述した制御部21および通信部22と同様である。 【0037】 記憶部12は、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、およびリムーバブルメディアなどから選ばれた記憶媒体から構成される。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、または、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、またはBD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体である。また、外部から装着可能なメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いて記憶部12を構成してもよい。 【0038】 記憶部12には、状態評価装置10の動作を実行するための、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベースなどが記憶可能である。これらの各種プログラムは、ハードディスク、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することで、所定の目的に合致した機能を実現できる。【0039】 図4に示すように、本実施形態においては、制御部11がロードした各種プログラムの実行によって、領域区分部111、貯留量判定部112、積替判定部113、ごみ種判定部114、攪拌度判定部115、およびクレーン制御部116の機能が実行される。また、各種プログラムには、本実施形態による処理を実現可能な人工知能や学習済みモデルを実現するプログラムも含まれる。 【0040】 領域区分部111は、貯留ピット26に貯留された廃棄物27に対して、複数の領域を設定する。貯留ピット26において区分される領域は、少なくとも搬入領域、積替領域、および投入領域の3通りの領域である。これらの搬入領域、積替領域、および投入領域はそれぞれ、2つ以上の複数の領域に区分される場合もある。なお、搬入がないときには、搬入領域が設定されない場合もある。同様に、投入がないときには、投入領域が設定されない場合もある。搬入領域は、塵芥収集車(パッカー車とも言う)からごみが搬入されるエリア(以下、搬入エリア)である。積替領域は、貯留ピット26に設けられたクレーンによって、搬入領域からごみの積み替えが行われるエリア(以下、積替エリア)である。投入領域は、焼却炉33に投入されるごみが存在するエリア(以下、投入エリア)である。領域区分部111により設定された搬入エリア、積替エリア、および投入エリアに関する情報は、作業領域に関する作業領域情報として、記憶部12に格納される。なお、作業領域情報が、破砕領域(破砕エリア)などにおける破砕ごみなどの、工場特有の特殊ごみを貯留するための領域の情報を含んでいてもよい。 【0041】 貯留量判定部112は、撮像部23およびセンサ部24から供給された撮像情報や検出データなどの廃棄物27に関する情報に基づいて、貯留ピット26内の廃棄物27の貯留量を算出したり判定したりする。積替判定部113は、クレーン252によって廃棄物27が積み替えられた際に、カメラ231から供給された撮像情報、およびセンサ部24から供給されたセンサ情報に基づいて、積み替えられた後の廃棄物27の状態、すなわち廃棄物27の高さや積み替え後の混合状態を判定する。ごみ種判定部114は、搬入エリアに搬入された廃棄物27のごみ種別を判定する。攪拌度判定部115は、クレーン252によって廃棄物27が攪拌された際に、カメラ231から供給された撮像情報に基づいて、攪拌後の廃棄物27の状態、すなわち廃棄物27の高さや攪拌状態を判定する。クレーン制御部116は、クレーン252を3軸駆動させて所望の位置の廃棄物27を把持したり、把持した廃棄物27をばら撒いたりする指示信号を制御部21に送信する。なお、クレーン制御部116によって直接的にクレーン252を制御してもよい。」 ウ 「【0052】 図5に示すように、まず、ステップST1において、作業者は、状態評価装置10の入力部14から評価範囲の入力を行う。なお、評価範囲の入力は、制御部11が所定のプログラムに沿って自動で行ってもよい。ここで、図6は、本実施形態による状態評価システムの貯留ピット26における各エリアでの搬入評価値および混合評価値を説明するための表である。図7は、貯留ピット26を、搬入エリア、積替エリア、および投入エリアに区分した例を示す平面図である。図7に示すように、貯留ピット26は、例えば、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けされる。なお、区分けの方法はこの方法に限定されず、4区分以上に区分けすることも可能である。また、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定することが可能であり、搬入エリアA1と、積替エリアA2と、投入エリアA3とを適宜入れ替えて設定することも可能である。さらに、複数の領域としての、搬入エリア、積替エリア、および投入エリアを平面的に区分けする場合に限定されず、高さ方向にも区分けして、エリアを3次元的に区分けしてもよい。この場合、底ごみなどの貯留ピット26の下部の廃棄物27をエリアから除外したり、別のエリアとして設定したりすることが可能である。」 エ 「【0068】 ステップST6において制御部11は、導出した総合評価値を出力部15に出力する。これにより、作業者はクレーン252の動作に伴う処理の評価を認識できる。また、ステップST6において制御部11は、総合評価値の情報を、出力部15に出力するとともにクレーン制御部116に出力してもよい。この場合、クレーン制御部116は、総合評価値の情報に基づいてクレーン252の動作を制御することができる。さらに、総合評価値を向上可能である場合には、スケジュールを新たに作成し、搬入フェーズ、混合フェーズ、または搬入準備フェーズにおけるスケジュールを新たなスケジュールに置換してもよい。さらに、クレーン制御部116に入力された情報に含まれる評価値が所定条件を満たす場合に、クレーン252の動作を停止させたり特定の動作に切り替えたりすることができる。」 オ 「【0079】 また、上述のように把持部25の動作に対応して得られた搬入評価値、混合評価値、および総合評価値などのスコアを報酬として用いた、強化学習または深層強化学習などの機械学習によって、把持部25のクレーン252の作業動作のスケジュールを設定する人工知能を構築することもできる。」 カ 「【図4】 [図:0001419303000007.jpg] 」 キ 「【図7】 [図:0001419303000008.jpg] 」 ク 上記イから、クレーン制御部116は、クレーン252の動作を制御するものといえる。 ケ 上記イ及び図4から、情報処理装置としての状態評価装置10は、領域区分部111とクレーン制御部116とを含むこと、及び、コンピュータに状態評価装置10の動作を実行させていることがわかる。 上記アないしケによれば、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明A」及び「甲3発明B」という。)が記載されている。 〔甲3発明A〕 「廃棄物27を一時的に貯留する貯留ピット26を、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けし、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定することが可能な領域区分部111と、 クレーン252の動作を制御するクレーン制御部116と、 を備える、 情報処理装置。」 〔甲3発明B〕 「コンピュータに、 領域区分部111及びクレーン制御部116を含む状態評価装置10の動作を実行させることを含み、 前記領域区分部111は、廃棄物27を一時的に貯留する貯留ピット26に対して、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けし、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定し、 前記クレーン制御部116は、クレーン252の作業動作を制御する、 方法。」 2 理由3についての当審の判断 事案に鑑み、理由3から検討する。 (1)本件発明1について 本件発明1と甲3発明Aとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲3発明Aの「廃棄物27」は、本件発明1における「被焼却物」に相当し、以下同様に、「廃棄物27を一時的に貯留する貯留ピット26」は「被焼却物が堆積されるピット」に、「クレーン252」は「クレーン」に、「焼却炉33」は「焼却炉」に、「投入ホッパ321」は「ホッパ」に、「クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3」は「ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリア」に、「情報処理装置」は「制御システム」に、それぞれ相当する。 甲3発明Aの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」に関して、甲3の段落【0052】の「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けされる」との記載から、搬入エリアA1からの積み替えは、専ら積替エリアA2で行われ、投入ホッパ321への廃棄物27の投入は、専ら投入エリアA3で行われると解するのが自然であるから、積替エリアA2では、投入ホッパ321への廃棄物27の投入は抑制されているといえる。そうすると、甲3発明Aの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」は、本件発明1の「焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリア」に相当する。 甲3発明Aの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」及び「クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3」を備えることは、本件発明1の「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する。 甲3発明Aの「貯留ピット26を、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けし、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定すること」は、本件発明1の「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定する」機能、及び、「第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する」機能を備えているということができる。 そうすると、甲3発明Aの「廃棄物27を一時的に貯留する貯留ピット26を、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けし、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定することが可能な領域区分部111」は、機能ブロックとして、本件発明1の「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部」及び「前記エリア機能設定部は、第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する」こと、に相当する。 甲3発明Aの「クレーン252の動作を制御するクレーン制御部116」と、本件発明1の「前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部」とは、「クレーンを制御する制御部」という限りにおいて一致する。 よって、本件発明1と甲3発明Aとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部と、 クレーンを制御する制御部と、 を備え、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記エリア機能設定部は、 第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、 前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する、 制御システム。」 〔相違点1〕 本件発明1においては、「複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部」を備え、「複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記動作設定部は、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」のに対して、甲3発明Aにおいては、かかる事項を備えていない点。 〔相違点2〕 「クレーンを制御する制御部」に関して、本件発明1においては、「前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部」であるのに対して、甲3発明Aにおいては、「クレーン252の動作を制御するクレーン制御部116」である点。 上記相違点1について検討する。 甲1においては、上記1(1)キ及びクの摘記事項並びにコ及びサの図示事項によれば、クレーン制御装置50は、動作スケジュールに従って図8のフローチャートに示されるゴミの攪拌または積み替え作業を行い、この間、クレーンは専らゴミの攪拌または積み替え作業を行っており、ホッパー12へのゴミの投入指示が検出されたときに、クレーンは、図9のフローチャートに示されるゴミの投入作業を行うことが記載されているが、クレーンのゴミの攪拌または積み替え作業と投入作業とを時間帯によって切り替えることは記載されておらず、その示唆もない。 甲2に記載された事項は、上記1(2)のとおりであって、クレーンによるゴミの受け入れ作業と投入作業とを、時間帯によって切り替える旨の記載はなく示唆もない。 そうすると、甲3発明Aにおいて、甲1及び甲2に記載された事項を参照しても、上記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項は得られない。 そして、本件発明1は、複数のクレーンの運転自動化を容易に行うことができるという、明細書の段落【0009】等に記載の作用効果を奏する。 したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明A並びに甲1及び甲2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることできたものではない。 (2)本件発明5について 本件発明5と甲3発明Bとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲3発明Bの「廃棄物27」は、本件発明5における「被焼却物」に相当し、以下同様に、「廃棄物27を一時的に貯留する貯留ピット26」は「被焼却物の貯留部」に、「クレーン252」は「クレーン」に、「焼却炉33」は「焼却炉」に、「投入ホッパ321」は「ホッパ」に、「クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3」は「前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリア」に、それぞれ相当する。 甲3発明Bの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」に関して、甲3の段落【0052】の「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けされる」との記載から、搬入エリアA1からの積み替えは、専ら積替エリアA2で行われ、投入ホッパ321への廃棄物27の投入は、専ら投入エリアA3で行われると解するのが自然であるから、積替エリアA2では、投入ホッパ321への廃棄物27の投入は抑制されているといえる。そうすると、甲3発明Bの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」は、本件発明5の「焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリア」に相当する。 甲3発明Bの「クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2」及び「クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3」を備えることは、本件発明5の「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する。 甲3発明Bの「貯留ピット26を、塵芥収集車から廃棄物27が搬入される搬入エリアA1、クレーン252によって搬入エリアA1から積み替えが行われる積替エリアA2、クレーン252によって焼却炉33の投入ホッパ321に廃棄物27が投入される投入エリアA3に区分けし、積替エリアA2と投入エリアA3とは、適宜入れ替えて設定」することは、本件発明5の「前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ」ること、及び、「第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定すること」に相当する。 甲3発明Bの「方法」と、本件発明5の「運転計画方法」とは、「方法」という限りで一致している。 よって、本件発明5と甲3発明Bとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「コンピュータに、 被焼却物の貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記複数のエリア利用方法は、 第1時間におけるエリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定することと、 前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、 を含む、 方法。」 〔相違点3〕 「方法」に関して、本件発明5においては、「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法であって」、コンピュータに、「前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させ、前記貯留部の設備内容または運用方針に応じて、前記複数のエリア利用方法と前記複数の動作モードとを選択的に組み合わせて前記複数のクレーンの運転計画を導出させる、ことを含」むのものであるに対して、甲3発明Bにおいては、かかる事項を備えていない点。 〔相違点4〕 本件発明5においては、「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」ものであるのに対して、甲3発明Bにおいては、かかる事項を備えていない点。 事案に鑑み上記相違点4について検討する。 上記相違点4は、上記相違点1と実質的に同じものであるから、上記相違点1についての検討において述べたのと同様の理由により、当業者が容易に想到できたものではない。 したがって、上記相違点3について検討するまでもなく、本件発明5は、甲3発明B並びに甲1及び甲2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることできたものではない。 3 理由1及び2についての当審の判断 (1)本件発明1について ア 甲1発明Aを主発明とした場合 本件発明1と甲1発明Aとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲1発明Aの「ゴミピット1のゴミ貯留部11」は、本件発明1における「被焼却物が堆積されるピット」に相当する。 甲1発明Aの「時間帯ごとのゴミ掴みエリアと、ゴミ離しエリアとを設定」することは、「時間帯」は「所定時間」に相当するものであり、「ゴミ掴みエリア」とするか「ゴミ離しエリア」とするかは、エリアの利用方法に関わるものであるから、本件発明1の「所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定」することに相当する。 そうすると、甲1発明Aの「ゴミピット1のゴミ貯留部11内の複数のエリアに対して、時間帯ごとのゴミ掴みエリアと、ゴミ離しエリアとを設定した動作スケジュール71」は、本件発明1の「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部」に相当する。 甲1発明Aの「複数のクレーン14に対して、クレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)であるクレーンモードを決定する、クレーンエージェント61」は、本件発明1の「複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部」に相当する。 甲1発明Aの「前記作動スケジュール71により設定される時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアと組み合わせに基づき、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモードの作業をクレーン14に実行させるクレーン制御部66」は、本件発明1の「前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部」に相当する。 甲1発明Aにおいて「複数のエリア」を有することは、本件発明1の「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する。 甲1発明Aにおいて「複数のクレーン14」を有することは、本件発明1の「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含」むことに相当する。 甲1発明Aの「クレーン制御装置」は、本件発明1の「制御システム」に相当する。 よって、本件発明1と甲1発明Aとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部と、 複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部と、 前記設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部と、 を備え、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含む、 制御システム。」 〔相違点5〕 本件発明1においては、「エリア機能設定部は、第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定」するのに対して、甲1発明Aにおいては、「動作スケジュール71において、6:00から9:00の間は、左側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、右側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されており、17:00から6:00の間は、右側の撹拌エリアがゴミ掴みエリアに設定されており、左側の撹拌エリアはゴミ離しエリアに設定されて」いる点。 〔相違点6〕 本件発明1においては、「動作設定部は、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」のに対して、甲1発明Aは、かかる事項を備えていない点。 事案に鑑み上記相違点6について検討する。 上記相違点6は、実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲1発明Aではない。 また、上記相違点6に係る本件発明1の発明特定事項は、甲2及び甲3には記載も示唆もされていない。 したがって、上記相違点5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明A並びに甲2及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲2発明Aを主発明とした場合 本件発明1と甲2発明Aとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲2発明Aの「ゴミバンカ」は、本件発明1における「被焼却物が堆積されるピット」に相当する。 甲2発明Aの「ゴミバンカの投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことに関して、「投入エリア」、「攪拌・積み替えエリア」は、エリアの利用方法に関するものであり、「一日毎」の「一日」は所定時間であるから、本件発明1の「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定する」ことに相当する。 甲2発明Aは、エリアを二分するものであるから、本件発明1における「複数のエリア」及び「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する事項を備えている。 甲2発明Aの「投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことに関して、「一日毎」の1日目は第1時間、2日目は第2時間といえるから、甲2発明Aにおいて、「投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことは、本件発明1における「第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定」することに相当する。 甲2発明Aの「ごみバンカ&ごみクレーン3Dシステム」は、本件発明1の「クレーン制御装置」に相当する。 よって、本件発明1と甲2発明Aとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法がそれぞれ設定され、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 第1時間におけるエリア利用方法として、被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する、制御システム。」 〔相違点7〕 本件発明1は「エリア機能設定部と、複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部と、前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部と、を備え」るの対して、甲2発明Aは、そのような事項を備えていない点。 〔相違点8〕 本件発明1は、「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記動作設定部は、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」のに対して、甲2発明Aは、そのような事項を備えていない点。 事案に鑑み上記相違点8について検討する。 上記相違点8は、実質的な相違点である。 よって、本件発明1は、甲2発明Aではない。 また、上記相違点8に係る本件発明1の発明特定事項は、甲1及び甲3には記載も示唆もされていない。 したがって、上記相違点7について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明A並びに甲1及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明5について ア 甲1発明Bを主発明とした場合 本件発明5と甲1発明Bとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲1発明Bの「ゴミピット1内」及び「ゴミピット1のゴミ貯留部11」は、本件発明5の「被焼却物の貯留部」に相当する。そうすると、甲1発明Bの「ゴミピット1内で運転される複数のクレーン14のクレーン制御装置の制御方法」と、本件発明5の「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法」とは、「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転に関する方法」という限りにおいて一致している。 甲1発明Bの「動作スケジュール71には、ゴミピット1のゴミ貯留部11に対して、時間帯ごとのゴミ掴みエリアと、ゴミ離しエリアとが設定されて」いることは、甲1の段落【0027】の「本発明の各態様に係るクレーン制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、」との記載を踏まえれば、本件発明5の「コンピュータに、前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ」ることに相当する。 甲1発明Bの「クレーンエージェント61は、複数のクレーン14に対して、クレーン14を移動させる位置とクレーン14に実行させる作業(撹拌/積み替え/投入)であるクレーンモードを決定」することは、「前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させ」ることに相当する。 甲1発明Bには「左側の攪拌エリア」、「右側の攪拌エリア」とあるから、本件発明5の「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する事項を備えている。 甲1発明Bには「複数のクレーン」とあるから、本件発明5の「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含」むことに相当する事項を備えている。 よって、本件発明5と甲1発明Bとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンに関する方法であって、 コンピュータに、 前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ、 前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させる、 ことを含み、 前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、 方法。」 〔相違点9〕 本件発明5は、「運転計画方法」であって「前記貯留部の設備内容または運用方針に応じて、前記複数のエリア利用方法と前記複数の動作モードとを選択的に組み合わせて前記複数のクレーンの運転計画を導出させる」ものであるのに対して、甲1発明Bは、「クレーン制御装置の制御方法」であって「クレーン制御部66は、前記作動スケジュール71により設定される時間帯ごとのゴミ掴みエリアとゴミ離しエリアと組み合わせに基づき、クレーンエージェント61から通知されるクレーンモードの作業をクレーン14に実行させることを含」む点。 〔相違点10〕 本件発明5は、「前記複数のエリア利用方法は、第1時間におけるエリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定することと、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、を含」むものであるのに対して、甲1発明Bは、そのような事項を備えていない点。 〔相違点11〕 本件発明5は、「前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」ものであるのに対して、甲1発明Bは、そのような事項を備えていない点。 事案に鑑み相違点11について検討する。 上記相違点11は、実質的な相違点である。 よって、本件発明5は、甲1発明Bではない。 また、上記相違点11に係る本件発明5の発明特定事項は、甲2及び甲3には記載も示唆もされていない。 したがって、上記相違点9及び10について検討するまでもなく、本件発明5は、甲1発明B並びに甲2及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲2発明Bを主発明とした場合 本件発明5と甲2発明Bとを、その機能、構成又は技術的意義を考慮して対比する。 甲2発明Bの「AI自動運転時のごみバンカ運用方法」と、本件発明5の「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法」とは、「方法」という限りにおいて一致している。 甲2発明Bの「ゴミバンカ」は、本件発明5における「被焼却物の貯留部」に相当する。 甲2発明Bの「ゴミバンカの投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことに関して、「投入エリア」、「攪拌・積み替えエリア」は、エリアの利用方法に関するものであり、「一日毎」の「一日」は所定時間であるから、本件発明5の「被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定する」ことに相当する。 甲2発明Bは、エリアを二分するものであるから、本件発明5における「複数のエリア」及び「前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含」むことに相当する事項を備えている。 甲2発明Bの「投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことに関して、「一日毎」の1日目は第1時間、2日目は第2時間といえる。そうすると、甲2発明Bにおいて、「投入ホッパ側のエリアを二分して、投入エリアと攪拌・積み替えエリアをそれぞれ一日毎に切り替える」ことは、本件発明5における「第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定」することに相当する。 よって、本件発明5と甲2発明Bとは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。 〔一致点〕 「方法であって、 複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、 前記複数のエリア利用方法は、 第1時間におけるエリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定することと、 前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、 を含む、 方法。」 〔相違点12〕 本件発明5は「被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法であって、 コンピュータに、 前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ、 前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させ、 前記貯留部の設備内容または運用方針に応じて、前記複数のエリア利用方法と前記複数の動作モードとを選択的に組み合わせて前記複数のクレーンの運転計画を導出させる、 ことを含」むものであるのに対して、甲2発明Bは、かかる事項を備えていない点。 〔相違点13〕 本件発明5は、「前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを第2クレーンに設定する」のに対して、甲2発明Bは、そのような事項を備えていない点。 事案に鑑み上記相違点13について検討する。 上記相違点13は、実質的な相違点である。 よって、本件発明5は、甲2発明Bではない。 また、上記相違点13に係る本件発明5の発明特定事項は、甲1及び甲3には記載も示唆もされていない。 したがって、上記相違点12について検討するまでもなく、本件発明5は、甲2発明B並びに甲1及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、請求項1及び5に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議の申立ての理由によっては、取り消すことはできない。 また、他に、請求項1及び5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700104

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