商標拒絶査定不服審判
2023-650012
チブモルビオル、ティブモルビオル、チブモルバイオル、ティブモルバイオル、テイアイビイモルビオル、テイアイビイモルバイオル、チブ、ティブ、モルビオル、モルバイオル、テイアイビイ
- 審判番号
- 2023-650012
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1317641
- 請求日
- 2023年02月22日
- 審決日
- 2023年09月19日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】TIB MOLBIOL Syntheselabor GmbH
- 【請求人代理人】新保 斉
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W0142) / T18 .262-Z (W0142) / T18 .263-Z (W0142) / T18 .264-Z (W0142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第27条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
2021年(令和3年)5月7日に事後指定が記録された国際登録第1317641号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、2021年(令和3年)5月7日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2022年(令和4年) 3月 8日付け:暫定拒絶通報
2022年(令和4年) 6月24日 :意見書、手続補正書の提出
2022年(令和4年)11月14日付け:拒絶査定
2023年(令和5年) 2月22日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、日本国を指定する国際登録において指定された第1類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、国際商標登録出願(事後指定)されたものである。
本願の指定商品及び指定役務は、原審における上記1の手続補正書により、第1類「Reagents for molecular biology procedures, in particular polymerase chain reaction (PCR).」及び第42類「Development of genetic tests; biological sample analysis.」とされたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第979387号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2007年9月10日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)3月10日に国際商標登録出願、別掲3のとおりの商品を指定商品として、平成22年3月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、黒地の円に「TIB」の文字を白抜きで表し、その下に「MOLBIOL」の文字を横書きしてなるものであって、その構成中の「TIB」の文字部分と「MOLBIOL」の文字部分とは、明らかに分離して配置されているものであり、また、文字の色彩も異なるほか、「TIB」の文字は「MOLBIOL」の文字の4倍程度の大きさで表されているものであるから、これらは視覚上分離して看取されるものである。
そして、「TIB」及び「MOLBIOL」の文字は、一般的な辞書類に掲載されているものではなく、いずれも造語というべきものであり、したがって、両語に観念的なつながりがあるともいえない。
また、欧文字3文字からなる造語については、1文字ずつ区切って発音することが珍しくないことから、「TIB」の文字よりは「ティーアイビー」の称呼が生じるといえ、他方、「MOLBIOL」の文字よりは「モルビオル」の称呼が生じるものといえるところ、本願商標全体より生じる「ティーアイビーモルビオル」の称呼は11音とやや冗長である。
そうすると、本願商標の構成中の「TIB」の文字部分と「MOLBIOL」の文字部分は、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、「TIB」の文字部分(以下「本願要部」という。)をもって取引の用に供されることもあるというべきである。
したがって、本願商標よりは、その構成文字全体に相応した「ティーアイビーモルビオル」の称呼のほか、本願要部に相応した「ティーアイビー」の称呼も生じるといえ、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「TIB」の文字を横書きしてなるものであるところ、上記アと同様に、これよりは「ティーアイビー」の称呼が生じるものであって、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては相違するものであるが、本願要部と引用商標とは、文字の表し方が相違するものの、セリフ体(ブラケットセリフ)で書された「TIB」の欧文字からなる点を共通にするものであって、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「ティーアイビー」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできず、全体の外観においては相違があるものの、本願要部と引用商標との対比においては外観上近似した印象を与えるものであり、称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品である第1類「Reagents for molecular biology procedures, in particular polymerase chain reaction (PCR).」(参考訳「分子生物学的手順、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための試薬」)は、試薬の一種と考えられるものであるところ、別掲4の情報にあるように、試薬を取り扱う者は様々な用途の試薬を取り扱っていることが少なくなく、また、試薬以外の工業用化学品(工業薬品)も広く扱っている実情が認められる。そうすると、当該指定商品と、引用商標の指定商品中、第1類「Chemical products for industrial use」(参考訳「工業用化学品」)とは、その生産部門、販売部門、需要者の範囲を一定程度共通にするというのが相当である。
また、本願の指定商品は、「in particular(特に)」として「polymerase chain reaction (PCR)」のための商品を含むものであると明記されてはいるものの、それ以外の用途の「Reagents for molecular biology procedures」が含まれないことは明記されておらず、そして、本願に適用される「商品・サービス国際分類表(第10-2016版)」において、第1類の商品について「第1類には、主として、工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造に用いられるものを含む。)を含む。」との記載があることを踏まえて考えると、本願の指定商品には「工業用、科学用及び農業用」の「Reagents for molecular biology procedures」が含まれ得るというのが相当であり、そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中、第1類「Chemical products for industrial use」と、その内容及び範囲が一部重複するともいえるものである、
以上のことからすれば、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中、第1類「Chemical products for industrial use」と同一又は類似するものというのが相当である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「MOLBIOL」の文字は、請求人の名称であり、30年間以上も事業展開をしており注目されているものであって、また、同文字は分子生物学を意味する「Molecular biology」を由来としているため、本願商標の指定商品又は指定役務との親和性も高い文字であるから、これを除外して商標の比較判断をすべきではない旨主張し、証拠方法として、資料1ないし資料5を提出している。
しかしながら、提出された資料は、いずれも英語で記載されており、翻訳文の提出もないことから、その意味内容を正確に把握することが困難である上、本願商標又は「MOLBIOL」の文字が、請求人の事業に係る商品又は役務について、我が国においてどの程度使用され、広告宣伝されているかといった事実を読み取ることはできず、したがって、提出された資料をもってしては、「MOLBIOL」の文字が、請求人の名称として、又は、分子生物学を意味する「Molecular biology」を由来としているものであることについて、我が国の取引者、需要者に広く知られているということはできない。
イ 請求人は、本願の指定商品はもともと臨床用、診断用試薬といったものであるから、もっぱら工業用の商品である引用商標の指定商品とは非類似のものである旨主張する。
しかしながら、指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならない(商標法第27条第2項)ものであるところ、本願の指定商品は、第1類に属するものとして指定されているものであり、本願に適用される「商品・サービス国際分類表(第10-2016版)」において、第1類の商品について「第1類には、主として、工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造に用いられるものを含む。)を含む。」との記載があること、及び、「この類には、特に、次の商品を含まない」として「医学用化学品(第5類)」との記載があることを踏まえて考えれば、本願の指定商品が「臨床用、診断用」の試薬であるということは適切とはいえず、あくまで「工業用、科学用又は農業用」の商品と捉えるのが相当であって、そうすれば、上記(1)エのとおり、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるといえる。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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