商標取消審判
2023-300680
アペックスカンパニーリミテッド、アペックス、エイペックス、エーペックス、エヌ
- 審判番号
- 2023-300680
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-008323
- 登録番号
- 5741895
- 請求日
- 2023年09月22日
- 審決日
- 2024年04月22日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】飯塚 秋陽
- 【被請求人】株式会社 アペックス
- 【被請求人代理人】羽鳥 亘
- 【被請求人代理人】羽鳥 慎也
- 【被請求人代理人】柿原 希望
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T132 .1 -Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第7号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5741895号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5741895号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成26年1月24日に登録出願、同27年1月14日に登録査定され、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のほか、第20類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品及び指定役務として、同年2月20日に設定登録されたものである。
第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件請求役務」という。)の登録を取り消す、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
2 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件請求役務について、継続して3年以上(2020年10月12日から2023年10月11日まで。以下「要証期間」という。)日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対して、意見を述べていない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第11号証(枝番号あり。以下「乙○」と表記する。)を提出した。
2 答弁の理由
(1)使用商標について
被請求人は、輸入商品の販売を行う会社であり、乙1の1から4に示すようにインターネットで自社オンラインショップを開設し、当該オンラインショップのヘッダーにおいて、本件商標と社会通念上同一である標章を継続的に使用している(以下、「使用商標」という。)。
ここで、本件商標は内部に「N」が記載された四角形の右側に「APEX CO.,LTD.」の文字が記載されており、上下対称にグラデーションで現わされた前述の文字の下半分の影が記載されて構成されている。一方で、使用商標は影がない状態のものを使用している。
商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であり、本件の場合も、上記のように、その表現方法に若干の差異があるとしても、両者からは明確に内部に「N」が記載された四角形と「APEX CO.,LTD.」の文字が認識されており、同一の称呼を生ずるものであり、商標の持つ出所表示機能自体に差異はなく、この程度の変更がなされているとしても、社会通念上同一と認識し得る範囲内の商標の使用と認めて差し支えないものというべきである。したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一である標章を使用している。
上記使用商標を要証期間に本件請求役務に使用していることの証明として、インターネットアーカイブであるウェイバックマシンで調べたところ、上述した自社オンラインショップ内の「meori」ブランドの取り扱い商品一覧において、2023年3月29日(乙2の1)、2022年12月9日(乙2の2)、2022年8月16日(乙2の3)、2021年10月18日(乙2の4)当時においても、継続して一般に公開されていた。
使用商標は、どのページにも記載されるものであり、特定の商品を購入する消費者が必ず認識する状態で使用されているところ、被請求人は「紙類及び文房具類」に属する下記商品の小売を行った。
(2)本件請求役務に関する使用について
ア 「meoriストレージボックスプリントミニサイズネイビードット(商品番号A100304)」(乙1の1)
イ 「meoriストレージボックスプリントミニサイズハート(商品番号A100315)」(乙1の2)
ウ 「meoriストレージボックスソリッドミニサイズスプリンググリーン(商品番号A100085)」(乙1の3)
アからウに係る商品は、文房具が入れられた状態の写真が掲載されるとともに、商品紹介の文章において、使用例の一つとしてデスク上でペンやハサミ、ポストカードなどの所謂文房具の収納、仕分けができることが記載されている。したがって、上記商品は「筆記用具入れ」に該当する商品であり、類似群コード25B01であって(乙3)、この商品に関わる小売は「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属するものである。
被請求人は、ア及びイの商品について、2022年12月10日にオンラインショップにおいて顧客から注文を受け(乙4の1、2)、同月12日に顧客に対して当該商品の発送手続を行った(乙4の3)。なお、当該商品は2017年10月13日に海外から輸入し(乙4の4)、同年8月9日及び同年9月22日に海外送金を行った商品である(乙4の5、6)。
このように、被請求人はオンラインショップのサイトでア及びイの商品を販売する際に、画面の中に上述した使用商標を表示しており、商標法第2条第3項第7号に係る使用を行っている。
さらに、ウの商品は、2020年9月4日に海外から輸入し(乙5の1)、同年8月25日に海外送金を行った商品であり(乙5の2)、輸入後、公式オンラインショップにおいて、販売画面中に使用商標が表示された状態で販売が継続されている(乙1の3)。
このように、ウに係る商品に関しては、要証期間における公式オンラインショップでの販売実績はなかったものの、輸入後から現在に至るまで継続して販売し得る状態に置かれており、商標法第2条第3項第7号に該当する行為を行っている。
エ 「WOUDアーカイブブックエンド(商品番号W150137)」(乙1の4)
エの商品は、ブックエンドやペーパーウェイトとして使用できるものであり、この商品に関わる小売は「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範疇に属するものである。
また、エの商品は2022年3月7日に海外から輸入し(乙6の1)、2021年12月22日に海外送金を行った商品であり(乙6の2)、輸入後、公式オンラインショップにおいて、販売画面中に使用商標が表示された状態で販売が継続されている(乙1の4)。
このように、エに係る商品に関しては、要証期間における公式オンラインショップでの販売実績はなかったものの、輸入後から現在に至るまで継続して販売し得る状態に置かれており、商標法第2条第3項第7号に該当する行為を行っている。
オ 「meoriストレージボックスミニサイズDIYカラージャングル(商品番号A100703)」
カ 「meoriストレージボックスミニサイズDIYカラーオーシャン(商品番号A100704)」
請求人は、オ及びカに係る商品について、2020年11月2日にオンラインショップにおいて顧客から注文を受け(乙7の1、2)、同月6日に顧客に対して発送手続を行った(乙7の3)。なお、これら商品は乙8の1、2に示すものであり(証拠資料は他社のサイトであるものの、商品及び商品番号は同じである)、デスク上で文房具を入れるために使用することができるものである。したがって、上記商品は「筆記用具入れ」に該当する商品であり、この商品に関わる小売は「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範疇に属するものである。なお、この商品は2019年7月26日に海外から輸入し(乙9の1)、同年6月6日に海外送金を行った商品である(乙9の2)。
このように、被請求人はオンラインショップのサイトでオ及びカの商品を販売する際に、画面の中に上述した使用商標を表示しており、商標法第2条第3項第7号に係る使用を行っている。
(3)要証期間における本件商標と同一の標章の使用について
付随して、本件審判請求の予告登録日以前から本件商標と同一の標章が使用されていた事実として、乙10の1から5のメールを提出する。2020年11月6日付けのメール2通、同月9日のメール1通、2022年12月14日、15日、16日のメール各1通によれば、メールの署名欄に本件商標と同一の標章が使用されていたことが分かる。
このように、取引書類に標章を付して使用しており、商標法第2条第3項第8号に係る使用を行っている。
これらのメールは本件審判請求の予告登録日である令和5年10月12日から遡って3年以内のものであるから、本件商標が、要証期間において使用されていたことは明らかである。
また、インターネット百科事典のウィキペディアにおいても本件商標と同一の標章が使用されており(乙11の1)、ウェイバックマシンで調べたところ、2015年11月から現在に至るまで、継続して掲載されていることが確認された(乙11の2)。そのため、被請求人は継続して登録商標の使用を行っている。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、商品の輸入、販売を主な事業とする商社である(乙11の1)。
(2)ア 本件商標権者が運営する「アペックスオンラインストア」のウェブサイト(2023年12月4日印刷)は、左上部に別掲2のとおりの構成からなる、正方形枠内に「N」字状の曲線を配置してなる図形と、「APEX CO., LTD.」の文字を横並びで配置してなる商標(以下「本件使用商標」という。)を表示しているところ、「meori ストレージボックス プリント ミニサイズ ネイビードット」(商品コード:A100304)(以下「本件商品」という。)の商品紹介の項には、収納箱(青色)の商品写真や価格、「カートに入れる」の表示とともに、「このミニサイズの収納ボックスは、デスクでは、ペンやハサミ、ポストカードの収納、仕分けに。」の記載がある(乙1の1)。
イ 本件商標権者が上記オンラインストアの注文者に宛てたメール(2022年12月10日付け)には、本件商品(商品コード:A100304)を含む注文内容が記載されている(乙4の1)。
ウ 本件商標権者が顧客に宛てた納品書兼領収書(2022年12月12日付け)には、本件商品(A100304)を含む取引記録が記載されている(乙4の3)。
エ 「wayBack machine」における「アペックスオンラインストア」(2023年3月29日時点)の記録には、左上部に本件使用商標が表示され、「meori」の見出しの下、「meori ストレージボックス プリント ミニサイズ ラブ」の名称の商品が、本件商品と同様の形状の収納箱(赤色)の商品写真とともに掲載されている(乙2の1)。
2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標権者は、自身が運営する「アペックスオンラインストア」において、本件使用商標を表示しつつ、「事務用文具収納箱」として使用できる本件商品を小売販売しているから、本件請求役務「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうの役務を提供しているといえる。
(2)上記オンラインストアでは、要証期間である2022年12月頃において本件商品の取引実績があるから、同時期に本件商品は注文可能な状態で掲載され、上記役務が提供されていたと考えられる。
加えて、当該オンラインストアは、要証期間である2023年3月29日時点において、本件商品とは色違いの同種商品を掲載した状態で、左上部に本件使用商標を表示していたことが確認できる。
(3)本件商標は、別掲1のとおり、正方形枠内に「N」字状の曲線を配置してなる図形と、「APEX CO., LTD.」の文字を横並びで配置してなり、それぞれの下部には各図形及び文字が反射した影のような装飾を表してなる。
そして、本件使用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、本件商標とは、図形部分の構成態様及び構成文字を共通にするから、影のような装飾の有無に差違があるものの、それぞれ書体のみに変更を加えた同一の文字からなるもので、また、外観において同視される図形からなる商標といえるから、両商標は社会通念上同一の商標と認められる。
(4)以上を踏まえると、本件商標権者は、要証期間において、本件請求役務の範ちゅうの役務に関する広告を内容とする情報(オンラインストアのウェブサイト)に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標を付して、電磁的方法により提供していた(商標法第2条第3項第8号)と推認できる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者が、本件請求役務の範ちゅうの役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-300680