商標取消審判
2023-300572
サンズ
- 審判番号
- 2023-300572
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2010-053007
- 登録番号
- 5485181
- 請求日
- 2023年08月10日
- 審決日
- 2024年12月03日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ザ エスカル インスティチュート オブ アドバンスド テクノロジーズ,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】塚田 美佳子
- 【請求人代理人】山田 薫
- 【請求人代理人】桶川 美和
- 【被請求人】ラスベガス サンズ コープ
- 【被請求人代理人】稲葉 良幸
- 【被請求人代理人】田中 克郎
- 【被請求人代理人】石田 昌彦
- 【被請求人代理人】右馬埜 大地
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Z (X09) / T132 .11 -Z (X09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5485181号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5485181号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5485181号商標(以下「本件商標」という。)は、「サンズ」の文字を標準文字で表してなり、平成22年7月5日に登録出願され、「電子計算機用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を含む第9類、並びに第35類、第39類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同24年4月6日に設定登録され、令和4年1月17日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年8月28日であり、その請求の登録前3年以内の同2年8月28日から同5年8月27日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム及びゲームソフトウェア,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証ないし乙第6号証をみると、「サンズ・ライフスタイル」、「サンズ加盟店」、「マリーナベイ・サンズ」、「サンズリワード・クラブ」等が使用されているにすぎず、「サンズ」の語が単独で指定商品について商標として使用されている事実は見出せない。
被請求人は、欧文字「Sands」が使用された資料を乙第1号証ないし乙第6号証として提出しているが、本件商標からは、「Sandys」、「Suns」、「sons」、「son’s」「suns」等が想起され得るといえ、直ちに「Sands」の観念が生じるとはいえない。よって、「Sands」の使用は、本件商標「サンズ」と社会通念上同一の商標の使用とはいえない。
乙第1号証ないし乙第6号証で使用されている「Las Vegas Sands」、「Marina Bay Sands」等は、全体として一つの商標として出所識別機能を発揮しており、「Sands」部分が単独で独立した商標として使用されている事実は見出せない。
(2)乙第2号証の1ないし4からは、本件商標が「電子計算機用プログラム(ダウンロード可能なスマートフォン用アプリケーションソフトウェア)」について使用されていた事実は読み取れない。乙第3号証の1ないし4からは、本件商標が使用されていた事実は読み取れない。乙第4号証の1ないし4からは、「電子計算機用プログラム(ダウンロード可能なスマートフォン用アプリケーションソフトウェア)」について「サンズ」が識別標識として使用されていることは読み取れない。乙第5号証の1及び2からは、本件商標が「電子計算機用プログラム(ダウンロード可能なスマートフォン用アプリケーションソフトウェア)」について使用されていた事実は読み取れない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 被請求人は、宿泊施設の提供等に関連した情報の提供等のための「電子計算機用プログラム(ダウンロード可能なスマートフォン用アプリケーションソフトウェア)」を提供している。
乙第2号証の1ないし3は、アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)のダウンロードのためのウェブサイトリンクを含むウェブページのアーカイブであり、アップル社のウェブサイト「App Store」及びグーグル社のウェブサイト「Google Play」へのリンクが表示されている。乙第2号証の1ないし3においては、「Sands」の文字が表示されており、乙第2号証の1ないし2においては、「サンズ・ライフスタイル」の文字が表示されており、乙第2号証の3においては、「サンズ加盟店」の文字が表示されている。乙第2号証の4は、「Google Play」における、当該アプリケーションソフトウェアのダウンロード用ページであり、角を丸くした四角形の中央に「Sands」の文字が表示されている。
2 乙第3号証及び乙第4号証は、「App Store」のアーカイブの写しである。乙第3号証の1及び2においては、ウェブサイトの表示画面の左上に「Sands」の文字が表示されており、乙第3号証の1ないし4においては、角を丸くした四角形の枠内中央に、「Sands」の文字が表示されている。乙第4号証の1及び2においては、「マリーナベイ・サンズ/モバイルアプリ」の文字が表示されており、画像内に示されたスマートフォンの表示画面に、「Sands」の文字が表示されている。乙第4号証の4においては、画像内に示されたスマートフォンの表示画面に、「Sands」の文字が表示されている。
3 乙第5号証のウェブサイトには、「App Store」及び「Google Play」へのリンクが表示されており、「サンズリワード・クラブ」の文字が表示されている。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審判長は、令和6年6月10日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標権者が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解を示すとともに、請求人提出の弁駁書に対する回答を求めた。
2 被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第2号証
ア 乙第2号証の1ないし3
乙第2号証の1ないし3は、それぞれ2023年5月6日、同年同月26日、同年8月12日(いずれも協定世界時)においてウェイバックマシンに収集保存された、タイトルが「サンズ・ライフスタイル|マリーナベイ・サンズ」であるホームページの写しであり、いずれにおいても、丸囲い文字の「C」と年号表記に続けて「Marina Bay Sands.ALL Rights Reserved.」との表示があり、著作権者が「Marina Bay Sands」である旨が示されている。
さらに、乙第2号証の1及び2には、「サンズ・ライフスタイル」との記載があり、また、別掲1のとおり、会員証の外観を示す写真において、会員証に使用商標1が表示されている様子が示されている。
乙第2号証の3には、別掲1の使用商標1の写真が掲載されており、さらに、「サンズ加盟店」の記載があるとともに、この記載に続けて、「アップグレードの対象はマリーナベイ・サンズのすべての店舗であり、250軒を超える対象店舗で、お支払い金額の最大20%のリゾートドルが貯まります」との記載がある。
乙第2号証の3には、さらに、「マリーナベイ・サンズ」、「公式アプリ ダウンロード」等の記載とともに、アップル社の「App Store」アイコン及びグーグル社の「Google Play」アイコン等が表示されている。
イ 乙第2号証の4について
乙第2号証の4は、「Google Play」における「Sands Lifestyle」というアプリのページの写しである。アプリの提供者が「Sands China」である旨とともに、別掲2の使用商標2の表示、「サンズライフスタイルアプリ」の記載があり、また、このアプリがマカオ旅行の観光スポットの検索を補助するスマートフォン向けアプリである旨が記載されている。このページの最終更新日は「2022/05/23」とされている。
(2)乙第3号証
ア 乙第3号証の1及び2
乙第3号証の1及び2は、それぞれ2021年7月28日、2022年5月20日(いずれも協定世界時)においてウェイバックマシンに収集保存されたホームページの写しであり、いずれも、日本語ではなく中国語とおぼしき表記によるものである。乙第3号証の1には、著作権者が「Sands Rewards」である旨とおぼしき表示がある。
乙第3号証の1及び2には、いずれも、別掲3及び別掲4に示す使用商標3及び使用商標4が表示されている。
イ 乙第3号証の3及び4
乙第3号証の3及び4は、2022年6月25日(世界協定時)においてウェイバックマシンに収集保存された、「App Store」における「Sands Resorts Macao」というアプリのページの写しである。いずれも、アプリの提供者が「Las Vegas Sands Corp.」であり、本件商標権者である旨が表示されている。さらに、別掲4の使用商標4の表示がある。
(3)乙第4号証
ア 乙第4号証の1及び2
乙第4号証の1及び2は、それぞれ2022年12月5日、2023年3月21日(いずれも協定世界時)においてウェイバックマシンに収集保存された、「マリーナベイ・サンズ公式アプリ」との表示を含むホームページの写しであり、丸囲い文字の「C」と年号表記に続けて「Marina Bay Sands.ALL Rights Reserved.」との表示があり、著作権者が「Marina Bay Sands」である旨が示されている。
乙第4号証の1及び2には、「マリーナベイ・サンズ」、「サンズリワード会員」、「サンズリワード会員アカウント」の記載がある。また、乙第4号証の1及び2には、「モバイルアプリ」、「アプリの特長」、「ダウンロード」等の記載やアップル社の「App Store」アイコン及びグーグル社の「Google Play」アイコン等の表示がある。乙第4号証の1及び2には、別掲5の使用商標5の表示がある。
イ 乙第4号証の3及び4
乙第4号証の3及び4は、「App Store」における「Marina Bay Sands Singapore」というアプリのページの写しである。アプリの提供者が「Marina Bay Sands Pte Ltd」であり本件商標権者である旨が示されている。乙第4号証の3及び4には、使用商標とおぼしき表示は見当たらない。
(4)乙第5号証
乙第5号証の1及び2は、それぞれ2021年10月20日、2022年1月6日(いずれも協定世界時)においてウェイバックマシンに収集保存された、「マリーナベイ・サンズ公式アプリ」との表示を含むホームページの写しであり、丸囲い文字の「C」と年号表記に続けて「Marina Bay Sands.ALL Rights Reserved.」との表示があり、著作権者が「Marina Bay Sands」である旨が示されている。
また、乙第5号証の1及び2には、「サンズポイント」、「サンズドル」、「サンズリワード・クラブ」、「サンズリワード・カウンター」等の記載があり、また、別掲6の使用商標6の表示がある。
(5)その他の証拠について
乙第1号証と乙第6号証は、本件商標の使用の事実を示すものとして提出されたものでない。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。以下同じ。)の使用について
ア 「Sands」の欧文字の使用について
本件商標は、「サンズ」の片仮名であるところ、使用商標1~使用商標6は、いずれも、「Sands」の欧文字を含むものであり、「サンズ」の片仮名を含むものではない。そして、「サンズ」の片仮名は、「Sands」の欧文字のみならず「sons」「Suns」の欧文字が示す観念をも惹起し得ることから、「Sands」の欧文字は、「サンズ」の片仮名と観念が同一であるとはいえない。
よって、使用商標1ないし使用商標6は、いずれも本件商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下同様。)の使用に該当しない。
イ 「サンズ・ライフスタイル」(1(1)ア)、「マリーナベイ・サンズ」(1(1)ア、1(3)ア)、「サンズライフスタイルアプリ」(1(1)イ)、「サンズリワード会員」(1(3)ア)、「サンズリワード会員アカウント」(1(3)ア)、「サンズポイント」、「サンズドル」、「サンズリワード・クラブ」、「サンズリワード・カウンター」(1(4))について
これらは、構成中に「サンズ」の文字を有するものの、いずれも「サンズ」とその前後の文字は文字種を同じくし、殊更「サンズ」の文字部分を抽出し、着目されるという事情も見いだせないから、不可分一体のものとして使用しているものであると認められる。
よって、これらは、本件商標の使用に該当しない。
ウ 「サンズ加盟店」(1(1)ア)について
「サンズ加盟店」の文字は、「サンズ」と「加盟店」の文字種が異なり、外観上不可分一体のものとして表されているものとはいえず、互いに観念的なつながりがあるものでもないから、「サンズ」の文字が単独で出所識別機能を果たすものといえる。
よって、「サンズ加盟店」の使用は、本件商標の使用に該当する。
(2)使用商品についての使用について
上記1(1)イから、2022年5月23日に「Google Play」において「サンズライフスタイルアプリ」(上記(1)イ)としてマカオ旅行の観光スポットの検索を補助するスマートフォン向けアプリがダウンロード可能な状態にあったという意味で配信されたといえる。
しかしながら、上記(1)ウの「サンズ加盟店」は、上記1(1)アに示したとおり、「アップグレードの対象はマリーナベイ・サンズのすべての店舗であり、250軒を超える対象店舗で、お支払い金額の最大20%のリゾートドルが貯まります。」との記載とともに表示されており、「サンズ加盟店」における「サンズ」は、ホテル及びホテル内の対象店舗の総称である「マリーナベイ・サンズ」を示しており、アプリの配信について使用されたものでないことが明らかである。
よって、「サンズ加盟店」は、請求に係る指定商品について使用されたものとは認められない。
(4)小括
3 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、本件商標の使用を証明するものでないか、又は請求に係る指定商品についての使用を証明するものでなく、他に本件商標権者、通常使用権者又は専用使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを証明するものはない。
よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによるその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用を証明したということはできない。
また、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中、結論掲記の指定商品について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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