商標取消審判
2023-300514
ジグザグ
- 審判番号
- 2023-300514
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-097699
- 登録番号
- 6269426
- 請求日
- 2023年07月20日
- 審決日
- 2024年07月03日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】日置 綾子
- 【被請求人】株式会社 イクシス
- 【被請求人代理人】右田 俊介
- 【被請求人代理人】川條 英明
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T132 .1 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6269426号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6269426号商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6269426号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZigZag」の文字を標準文字で書してなり、令和元年7月17日に登録出願、第9類「測定機械器具,建築・土木構造物の測定機械器具,遠隔測定制御機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同2年7月14日に設定登録がされた。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年8月7日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2020年(令和2年)8月7日~2023年(令和5年)8月6日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム」(以下「取消請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)商標は、自他商品を識別することをその本質的機能としているから、現実の使用においても、自他商品の識別標識としての機能が発揮される態様で使用されるべきであり、登録商標と形式的に同一の表示が商品に使用されていても、当該表示が、その商品について自他商品の識別標識として機能していると認められない場合は、当該登録商標を使用しているものということはできないと解すべきである(取消2001-31035)。
(2)乙第1号証によれば、被請求人が製造及び販売する商品(以下「被請求人商品」という。)は、全方位に車輪の方向を回転させることが可能な四輪独立ステアリング機構による全方位移動台車(製品名「iWs12」)と、最大5m垂直に伸延する垂直伸延アームからなる「Hardware:機械、装置、設備」としてのロボット(プラットフォーム)である。
また、乙第1号証によれば、前記アームは、先端に目視点検用カメラや過流探傷装置などの各種検査機器を搭載することが可能であるものの、デフォルトの仕様ではこれらの機器が搭載されていないのであるから、一義的に「点検」(用)ロボットということはできず、単に垂直・水平方向に移動可能なロボット(機械)とみるのが相当である。
なお、被請求人は、「当該台車型ロボットの遠隔操縦に用いる専用のソフトウェアを含む」旨述べているが、当該ソフトウェアは被請求人商品であるロボットを作動させるための専用ソフトウェアであるとみるのが相当であって、家電や自動車等にアプリケーションソフトウェアを使用することは普通に行われていることであり、商品がアプリケーションソフトウェアを使用して作動することをもって直ちに当該商品が電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とし、取消請求商品の範ちゅうに属する商品であることにはならない。
また、被請求人は、当該ソフトウェアが独立して商取引の対象となり得る点について立証していない。
以上より、被請求人商品は、その用途、内容等を特定することができないものの、第7類「産業用ロボット」や「工業用ロボット」(甲3)の範ちゅうに属する商品であると認められる。
(3)乙第2号証に掲載の写真は著しく不鮮明であり、乙第1号証に掲載されている被請求人商品の態様との同一性を確認できない。
そして、仮に、乙第1号証と乙第2号証に掲載されている被請求人商品の態様が実質的に同一であるとしても、乙第2号証の記載及び写真によれば、被請求人商品は、全方位に車輪の方向を回転させられる四輪独立ステアリング機構を備えた台車と、最大5mの高さにまで伸縮可能な三角柱型のアームからなる全方位移動ロボットである。
(4)乙第3号証の記載及び写真によれば、被請求人商品は、全方位に車輪の方向を回転させられる四輪独立ステアリング機構を備えた全方位移動台車と、最大5m垂直に伸延するアームからなるロボットである。
(5)乙第5号証によれば、「件名:天井墨出し・開口ロボット開発費」とあり、品名には「1.ロボット本体開発費」として「○1昇降ロボットVAN-BO昇降機」(「○1」は「1」の丸囲み。以下同様に、「○数字」は「数字」の丸囲みである。以下同じ。)及び「○2全方位台車ZigZag(中型)」とあるところ、ロボット本体が○1と○2のそれぞれ独立した製品からなるのか、○1と○2が組み合わさって一体となった製品であるのか等、ロボット本体の実態が不明である。特に、「○2全方位台車ZigZag(中型)」の表示からすれば、当該製品は乙第1号証ないし乙第3号証に記載のアーム部分は含まれず、「○1昇降ロボットVAN-BO昇降機」がその機能を担う構成とも解される。
いずれにしろ、乙第5号証に記載のロボット(本体)は「天井墨出し・開口ロボット」であって、被請求人が主張する点検や監視を目的とした乙第1号証ないし乙第3号証に記載のロボットとは相容れない。すなわち、「墨出し」とは、建築工事において壁や床、天井などに工事の基準となる線・形や寸法を墨やインクで記す作業を指し(甲4、甲5)、また、「開口」とは、「天井墨出し・開口ロボット」の表示からすれば、当該墨出しによって記された線・形や寸法に沿って、天井(ボード)に穴開けを行う作業を指すものであり(甲6)、第7類「土木用ロボット」や「建設用ロボット機械」(甲7)の範ちゅうに属する商品である。
さらに、乙第5号証には「2.ソフトウェア開発費」なる項目が存在するが、ここではソフトウェアの開発やカスタマイズに関するサービスが記載されているのみで、これは第9類ではなく、第42類に属するサービスである。
(6)以上のとおり、被請求人の主張する商標の使用は、あくまでロボットプラットフォームに対するものというべきであり、被請求人は「ソフトウェアを含む」とするが、各証拠から認識されるソフトウェアは商品本体の単なる一部品又は一要素にすぎず、商標がソフトウェアについて自他商品の出所識別標識として機能しているとはいえない。
(7)また、インターネット記事(乙2)は、第三者のウェブサイト(ロボット+テクノロジー専門ニュースサイト「RoboTimes」)におけるニュース記事であって、商標法第2条第3項第8号のいわゆる広告的使用に該当しない。
(8)さらに、乙第4号証の日付は、Googleのシステムが複数の要素を確認して、ページが公開された時点や大幅に更新された時点の最も正確と考えられる日付を推定するものであり(甲8)、必ずしも当該日付に公開されたことを証明するものではない。また、仮に当該日付が公開日であるとしても、乙第4号証は、要証期間に当該ウェブページが公開されていたことを証明するものではない。
(9)加えて、乙第5号証の「全方位台車ZigZag」との記載のみによっては、被請求人商品の実態が不明であることから、乙第5号証は要証期間における使用の事実を証明するものということはできない。乙第6号証の注文請書についても同様である。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)概要
商標権者は、自己が製造及び販売するロボット等(被請求人商品)の商品名として、本件商標を使用している。
被請求人商品は、商標権者が提供する遠隔操縦可能な点検ロボットプラットフォームであり、全方位に移動可能な台車型ロボット及び当該台車型ロボットの遠隔操縦に用いる専用のソフトウェアを含むことが、商標権者が過去に配布していたカタログから確認できる(乙1)。
(2)本件商標の使用の事実
ア 使用の事実1
商標権者の前身である株式会社イクシスリサーチが、乙第1号証に掲載されている態様の被請求人商品を、2011年7月に開催された「ROBOTECH2011」に出展した旨が、同年7月17日のインターネット記事に紹介されている(乙2)。
イ 使用の事実2
商標権者が、自己のウェブサイトで、本件商標と社会通念上同一の商標「ZIGZAG」を用いて被請求人商品を紹介しており(乙3)、Google社が提供する検索ブラウザの日付表示機能によれば、その公開日が2012年3月7日であることが確認できる(乙4)。なお、当該ウェブサイトに掲載されている画像が示す被請求人商品の態様は、乙第1号証及び乙第2号証に掲載されている画像が示す被請求人商品の態様とは相違するものの、いずれも商標権者が提供する遠隔操縦可能な点検ロボットプラットフォームであって、その商品名として本件商標を使用している。
ウ 使用の事実3
商標権者が2020年10月19日に発行した見積書(乙5)の一項目として「全方位台車ZigZag」との、本件商標を含む記載が確認できる。また、商標権者が発行した注文請書(乙6)において、当該見積書(乙5)と同じ件名、同じ見積番号、同じ金額のロボット開発の注文を2020年12月11日ないし2021年3月31日を工期として受注した旨が確認でき、その取引先が発行した検収書(乙7)において、商標権者が同年4月7日に、その開発費用の一部を受領した旨が確認できる。
(3)本件商標の使用の立証
上記(2)の各使用の事実は、商標権者である株式会社イクシス(又は、その前身である株式会社イクシスリサーチ)が、日本国内において行ったものである。
いずれの事実においても、使用された商標は本件商標と同一又は社会通念上同一であり、その商標が使用された被請求人商品は、取消請求商品の範ちゅうである。
使用の事実1及び使用の事実2は、商標法第2条第3項第8号に係る使用に該当し、使用の事実3は、商標法第2条第3項第2号に係る使用に該当する。
使用の事実1及び使用の事実2によれば、商標権者が、少なくとも2011年7月頃から本件商標の使用を開始し、現在に至るまで使用を継続していることが認められ、使用の事実3によれば、商標権者が、本件商標を付した被請求人商品を、要証期間において販売したことは明らかである。
2 合議体の暫定的な見解及び弁駁に対する意見
合議体は、令和6年2月28日付けで審尋を通知し、相当の期間を指定して、合議体の暫定的な見解及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)ロボット「ZigZag」及びロボット「ZIGZAG」について(乙1~乙4)
ア カタログ(乙1)
乙第1号証は、被請求人が作成したカタログであるところ、その1葉目に「iXs」、「Solution Catalog」の記載があり、36葉目に「株式会社イクシス」の記載がある。
そして、カタログ(乙1)の4葉目には、「点検ロボット・取得データのAI解析サービスの一連の流れ」の標題下に、「ロボット選定」、「現場に最適なロボット/IoT機器を選定」と記載され、21葉目には、「車輪型遠隔操縦点検ロボットプラットフォーム iWs12/ZigZag」の標題下で、「Hardware:機械、装置、設備」のタイトル下に、「ZigZag」の表示とともに、ロボットと思われる画像が掲載され、当該画像には、引き出し線で、「垂直伸延アーム/最大5m 垂直に伸延するアームで、先端に目視点検用カメラや、過流探傷装置などの各種検査機器を搭載することが可能。・・・」及び「台車 iWs12-8L-Pb-3G/・・・ZigZagでは、φ700mm(Lサイズ)、8輪(うち4輪は従輪)、鉛蓄電池、FOMA搭載の台車を使用。」との記載がある。さらに、当該「ZigZag」の表示の下に表が掲載され、その表内に、「台車部 iWs12独立四輪全方位移動型ロボットプラットフォーム」、「ソフトウェア 専用遠隔操縦ソフト(Windowsアプリ)」などの記載がある。
他方、カタログ(乙1)には、その発行日等を確認できるような記載は見当たらない。
イ ロボット+テクノロジー専門ニュースサイトの出力物(乙2)
乙第2号証は、ロボット+テクノロジー専門ニュースサイトの出力物であるところ、「ニュース記事2011年07月17日-c」の記載下に、「【ROBOTECH2011】イクシスリサーチの新製品は5mの高所を点検できる全方位移動ロボット「ZigZag」/株式会社イクシスリサーチがROBOTECHで出展したのは、同社が4月に開発した高所狭隘部点検用の全方位移動ロボット「ZigZag」だ。現在、実証試験中である。・・・」と記載されている。
ウ ウェブサイトの出力物(乙3、乙4)
乙第3号証は、被請求人のウェブサイトの出力物であるところ、「超遠隔地監視ロボット/ZIGZAG」の標題下に、「価格 オープンプライス/立ち入ることが困難な場所での画像監視ロボットです。・・・ロボットは四輪独立ステアリング機構のiWs12プラットフォームを利用し、伸縮昇降装置の先端にPan/Tiltカメラを搭載することで、地上高最大5mの監視が可能です。」と記載されている。
他方、乙第3号証には、その出力日を確認できるような記載は見当たらない。
乙第4号証は、グーグルの検索画面上で「イクシス zigzag」と検索した結果を出力した出力物であるところ、「株式会社イクシス」、「https://www.ixs.co.jp>product」、「ZIGZAG 超遠隔地監視ロボット」及び「2012/03/07-最大5m垂直に伸延するアームで、先端に目視点検用カメラや、過流探傷装置などの各種検査機器を搭載することが可能。・・・」の記載が確認できる。
(2)「天井墨出し・開口ロボット」について(乙5~乙7)
ア 見積書(乙5)
乙第5号証は、被請求人が顧客(顧客は墨消し。)に宛てて送付した2020年10月19日付け見積書であるところ、「件名:天井墨出し・開口ロボット開発費(概算)」、「34,925,000円(税抜き)」、「No 2020101903」の記載とともに、「品名」「数量」「単位」「価格」「小計」を項目とする表内において、「1.ロボット本体開発費」の下に、「品名」として、「○1昇降ロボットVAN-BO昇降機」、「○2全方位台車ZigZag(中型)」の記載があり、さらにその下に、「2.ソフトウェア開発費」の下、「品名」として、「○1切削機(・・・製)接続連携対応ソフトウェア開発」、「○2障害物回避ソフトウェアカスタマイズ費用」、「○3自己位置検知、BIM連携ソフトウェアカスタマイズ開発」の記載がある。
イ 注文請書(乙6)及び検収書(乙7)
乙第6号証は、被請求人が顧客に宛てて送付した注文請書であり、「見積番号」が「2020101903」で、「件名」が「天井墨出し・開口ロボット開発費」である注文を、被請求人が、2020年12月25日に受注し、同年12月11日から2021年3月31日が工期である旨が示されている。
乙第7号証は、顧客が被請求人に宛てて送付した2021年4月7日付け検収書であり、「天井墨出し・開口ロボット開発費用(1回目分)」、「下記の通り、検収致しました。」、「納期:4月7日」、「支払条件:現金振込」、「合計金額:17,462,500円(税抜き)」などの記載とともに、検収印が押印されている。
(3)上記(1)、(2)から以下の事実が認められる。
ア 被請求人の前身である株式会社イクシスリサーチが、2011年頃に全方位移動ロボット「ZigZag」(以下「ロボット「ZigZag」」という。)を開発し、ROBOTECH2011に出展した(乙2)。
また、被請求人は、2012年頃に超遠隔地監視ロボット「ZIGZAG」(以下「ロボット「ZIGZAG」」という。)を発売し、被請求人のウェブサイトに掲載した(乙3、乙4)。
そして、当該ロボット「ZigZag」及びロボット「ZIGZAG」は、いずれも垂直伸延アーム及び台車を備え、専用ソフトウェアで制御されるロボット(ロボットプラットフォーム)であり、ロボットとして取引されるものである(乙1~乙4)。
イ 被請求人は、顧客からの「天井墨出し・開口ロボット」開発の依頼に対して、2020年10月頃に顧客宛に、ロボット本体開発費とソフトウェア開発費を含む、「天井墨出し・開口ロボット」の開発費の概算を記載した見積書(乙5)を送付し、同年12月頃に受注し(乙6)、2021年4月頃にその代金の一部を検収した(乙7)。
そして、当該「天井墨出し・開口ロボット」は、ロボット本体に「昇降ロボットVAN-BO昇降機」と「全方位台車ZigZag(中型)」を備え、「ソフトウェア」として「接続連携対応ソフトウェア」、「障害物回避ソフトウェア」及び「自己位置検知、BIM連携ソフトウェア」を備えるものである(乙5)。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)ロボット「ZigZag」及びロボット「ZIGZAG」について(乙1~乙4)
被請求人の提出した証拠(乙1~乙4)から、被請求人又は被請求人の前身である株式会社イクシスリサーチが、2011年頃及び2012年頃に、ロボット「ZigZag」及びロボット「ZIGZAG」(以下、それぞれ「使用商品1」及び「使用商品2」という。)を開発し展示会に出展したことや、広告のために被請求人のウェブサイトに掲載したことはうかがえる。
しかしながら、使用商品1及び使用商品2についての証拠はいずれも要証期間におけるものではないから、いずれの証拠によっても、被請求人が要証期間において、使用商品1及び使用商品2を製造販売していたことや、広告したことは確認できない。
さらに、仮に、使用商品1及び使用商品2が要証期間においても製造販売等されていたとしても、使用商品1及び使用商品2は、いずれも垂直伸延アーム及び台車を備え、専用ソフトウェアで制御されるロボット(ロボットプラットフォーム)であり、ロボットとして取引されるものであるから、取消請求商品の範ちゅうに属する商品ではない。
したがって、被請求人が提出した、ロボット「ZigZag」及びロボット「ZIGZAG」(使用商品1及び使用商品2)についての証拠(乙1~乙4)からは、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。
(2)「天井墨出し・開口ロボット」について(乙5~乙7)
被請求人の提出した証拠(乙5~乙7)から、被請求人は、要証期間である2020年10月頃、顧客から「天井墨出し・開口ロボット」(以下「使用商品3」という。)開発の依頼を受けて、顧客宛に、ロボット本体開発費とソフトウェア開発費を含む、使用商品3の開発費の概算を記載した見積書(乙5)を送付したこと、及び当該見積書(乙5)の「品名」「数量」「単位」「価格」「小計」を項目とする表内に、「1.ロボット本体開発費」について、「品名」として「○2全方位台車ZigZag(中型)」と記載したことは、認められる。
しかしながら、まず見積書(乙5)における「○2全方位台車ZigZag(中型)」の表示は、物品の名称にすぎないものであって、当該表示中の「ZigZag」の文字が自他商品識別標識として機能しているとはいえない。
さらに、被請求人が顧客と取引した上記使用商品3は、ロボット本体に「昇降ロボットVAN-BO昇降機」と「全方位台車ZigZag(中型)」を備え、「ソフトウェア」として「接続連携対応ソフトウェア」、「障害物回避ソフトウェア」及び「自己位置検知、BIM連携ソフトウェア」を備えるものであり(乙5)、ロボットとして取引されるものであるから(乙5~乙7)、取消請求商品の範ちゅうに属する商品ではない。
したがって、被請求人が提出した、「天井墨出し・開口ロボット」(使用商品3)についての証拠(乙5~乙7)からは、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用したと認めることはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る取消請求商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の取消請求商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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