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商標取消審判

2023-300295

アンゼン

審判番号
2023-300295
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2018-039692
登録番号
6113000
請求日
2023年05月10日
審決日
2023年12月11日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アンゼン テクノロジーズ インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】安原 正義
  • 【請求人代理人】大西 育子
  • 【被請求人】株式会社 東北安全ガラス
  • 【被請求人代理人】齋藤 昭彦
  • 【被請求人代理人】齋藤 博子
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T132 .1 -Y (W36)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第5号、商標法第50条第1項、商標法第2条、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6113000号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6113000号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年3月29日に登録出願、同年12月17日に登録査定され、第36類「生命保険契約の締結の媒介,損害保険契約の締結の代理,中古自動車の評価」のほか、第35類及び第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同31年1月11日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 1 請求の趣旨 請求人は、本件商標の指定役務中、第36類「生命保険契約の締結の媒介,損害保険契約の締結の代理」(以下「本件請求役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番号あり。以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。 2 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、本件請求役務について継続して3年以上(2020年5月31日から2023年5月30日まで。以下「要証期間」という。)、日本国内において本件商標権者、通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。 第3 被請求人の主張 1 答弁の趣旨 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙40(枝番号あり。)を提出した。 2 答弁の理由 (1)被請求人について ア 被請求人の概要 被請求人は、昭和55年に設立され、平成13年から秋田県秋田市八橋新川向に本社を置いている(乙1)。被請求人は、令和2(2020)年度の地域未来牽引企業に選出され、秋田県のみならず、東北地方における地域経済の牽引役である(乙2、乙3)。 被請求人は、主に、自動車ガラスの販売及び取付修理、カーフィルム施工、ガラスリペア(飛石キズ等)、タイヤ、ホイール、バッテリその他カー用品の販売、カーメンテナンス事業、損害保険・生命保険代理店を営んでいる(乙1~乙3)。 イ 保険事業部 被請求人は、保険代理店業務を行う保険事業部を有している。保険事業部の事務所は、本社から徒歩1~2分の秋田県秋田市八橋新川向にある(乙4~乙7)。 保険事業部の社員は、K氏とF氏の2名である(乙8~乙10)。保険事業部では、オリックス生命保険株式会社、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、損害保険ジャパン株式会社の商品を取り扱っている(乙9、乙11、乙12)。 乙11は、平成25年11月7日に締結された被請求人と損害保険ジャパン株式会社との代理店契約書である。乙12は、損害保険ジャパン株式会社のパンフレットであり、裏面のお問い合わせ先欄には、保険事業部の住所、名称、電話番号及びFAX番号のゴム印が押印されている。なお、一部に二重取り消し線が引かれた住所は、令和2年11月頃に移転する前の保険事業部の住所である。 (2)本件商標の使用について ア 本社の看板 乙13から乙16及び乙36に示すとおり、本社の建物や敷地内には、本件商標を付した複数の巨大な看板が掲示されている。本社の看板には、本件商標に加えて、被請求人の名称が表記されている。 乙13及び乙14は、Googleが令和4年(2022年)10月に撮影したものである。乙15、乙16及び乙36は、令和5年7月現在で撮影したものである。本社が面している新国道(県道56号)は、片側2車線で秋田県内において最も交通量が多い道路の一つである。乙13から乙16及び乙36を見れば分かるように、本社の看板は、自動車で走行中であっても容易に視認可能であり、広告として機能している。 特に、秋田県は車社会であり、保険事業部の取引相手や顧客の多くは自動車免許を有し、自家用車を有している。また、保険事業部は、新国道(県道56号)から本社横の脇道を通る経路が最もアクセスが良い。そうすると、保険事業部の取引相手や顧客は、保険事業部の事務所を訪問する際、自らが自家用車を運転するか、又は助手席に座り、本社の看板を目印として本社横の脇道を探すことになるので、保険代理店業務に関する広告として十分に機能する(乙36、乙37)。 このように、被請求人は、遅くとも令和4年10月から現在まで、日本国内において、保険代理店業務に関する広告に本件商標を付して展示している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 イ 保険事業部の看板 乙4、乙5、乙37及び乙38に示すとおり、保険事業部の建物には、本件商標を付した看板が掲示されている。保険事業部の看板には、本件商標に加えて、被請求人の名称と、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」の文字が表記されている。 保険事業部の事務所は、令和2年11月頃、秋田県秋田市八橋新川向4(乙12)から秋田県秋田市八橋新川向9に移転している。乙17は、保険事業部の移転直前である令和2年(2020年)10月に撮影されたGoogleストリートビューである。この時点では、保険事業部の看板が掲示されていない。乙18及び乙19は、看板作成代に関する請求書である。乙18には、日付が「2年11月18日」、宛名が「(株)東北安全ガラス」、品名が「保険事業部看板」と記載されている。乙19は、乙18の請求書を含む月末締めの2年11月分の合計請求書である。したがって、保険事業部の看板は、令和2年10月から11月18日の間に製作され、保険事業部の建物に掲示されたことが分かる。 そして、保険事業部の取引相手や顧客は、保険事業部の事務所を訪問する際、保険事業部の看板を必ず目にする(乙37、乙38)。特に、保険事業部の看板には、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」の文字が表記されているから、保険代理店業務に関する広告として十二分に機能する(乙4、乙5、乙37、乙38)。 このように、被請求人は、遅くとも令和2年11月下旬から現在まで、日本国内において、保険代理店業務に関する広告に本件商標を付して展示している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 ウ 保険事業部の年賀状 保険事業部は、令和5年元旦、保険事業部の取引相手や顧客に対して乙20の年賀状を、乙21に示す送付先に送っている。乙20は、使用されずに保管されていたものであり、宛名は印刷されていない。乙21は、年賀状の送付先を示すリストの電子データを出力したものであり、名前、郵便番号及び住所が記載されている。保険事業部の年賀状の裏面には、本件商標に加えて、日付「令和5年 元旦」と、被請求人の名称と、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」が表記されている。 乙22は、マイナビ転職のサイトを訪れた人を対象にした、年賀状に関するインターネット調査の結果である。乙22によれば、ビジネスで年賀状を送る理由は、取引相手や顧客との関係性の構築や維持が最も多く、年賀状は直接的な商品の宣伝を行うものではない。一方、乙22によれば、年賀状は、もらうとうれしいと感じている人が多いので、新規の顧客に対しては、保険商品のパンフレットを郵送するよりも好印象を与えることができ、間接的な広告として機能する。特に、保険事業部の年賀状には、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」の文字が表記されているから(乙20)、保険代理店業務に関する広告として機能する。 このように、被請求人は、令和5年元旦、日本国内において、保険代理店業務に関する広告に本件商標を付して頒布している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 エ 名刺 乙9のK氏の名刺の表面には、本件商標に加えて、被請求人の名称と、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」が表記されている。「2023.6.27」の文字は、名刺を受領した日に被請求人代理人が手書きしたものである。また、K氏の名刺の裏面には、保険代理店業務の提供を示すものとして、取扱商品の文字の下に、「◎生命保険会社」、「オリックス生命保険株式会社」、「東京海上日動あんしん生命保険株式会社」、「◎損害保険会社」、「東京海上日動火災保険株式会社」、「損害保険ジャパン株式会社」の文字が表記されている(乙9)。 名刺は、一般的には、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」にあたらないとされているが、役務の内容や宣伝文句まで記載されているものは別とされている。K氏の名刺の裏面には、第36類「生命保険契約の締結の媒介」の役務の内容を示すものとして、取扱商品の文字の下に、「オリックス生命保険株式会社」、「東京海上日動あんしん生命保険株式会社」といった生命保険会社が表記され、第36類「損害保険契約の締結の代理」の役務の内容を示すものとして、取扱商品の文字の下に、「東京海上日動火災保険株式会社」、「損害保険ジャパン株式会社」といった損害保険会社が表記されているから(乙9)、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当する。 また、保険のパンフレットは、不特定多数の保険代理店が頒布するから、最初から保険代理店の商標が付されることはなく、乙12のように、裏面にお問い合わせ先の欄が空白で設けられる。そして、保険代理店は、後からお問い合わせ先の欄に自社の名称や住所などを追記することがある。一方、保険代理店内では、お問い合わせ先の欄の追記をまとめて行うことが多いから、お問い合わせ先の欄に、保険代理店の担当者の氏名や連絡先(携帯電話番号、メールアドレス等)を記載することはほとんどない。したがって、保険代理店の担当者は、保険のパンフレットを渡す際、自らの名刺も顧客に渡すことが多い。すなわち、保険代理店の担当者の名刺は、保険代理店業務に関する広告として機能する。 乙23は、K氏が保険代理店業務の営業活動において名刺交換を行った相手の名刺である。乙24は、K氏が乙23の名刺の相手に営業活動を行った日に関する社内日報システムの出力である。乙24には、「2023年01月25日(水)」の日付の下に、今日の業務結果として、「介護保険提案」と記載されている。すなわち、K氏は、現に、保険代理店業務の営業活動を行う相手と名刺交換を行い、保険代理店業務の営業活動を行っている。 このように、被請求人は、令和5年1月25日、日本国内において、保険代理店業務に関する取引書類又は広告に本件商標を付して頒布している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 オ 保険事業部の封筒 乙25には、保険事業部の事務所に保管されていた封筒が示されている。保険事業部の封筒には、本件商標に加えて、被請求人の名称と、保険代理店業務の提供を示すものとして「保険事業部」が表記されている。 保険事業部の封筒には、「秋田市八橋新川向4」の文字が記載されているから、保険事業部の封筒は、移転前の令和2年11月以前に使用されていたことが分かる。また、乙12のパンフレットでは、移転前の住所が二重線で消され、移転後の住所に訂正されていることから、保険事業部の封筒も、少なくとも移転後からしばらくの間、住所のみが訂正され、使用されていたものと推測できる。 保険事業部の封筒に表記されている標章は、印刷の関係で白黒であるが、本件商標と書体が同一なので、本件商標と実質的に同一である。 封筒は、注文書や納品書、領収書、請求書といった伝票類等を入れて取引先や顧客に送付するために使用されるから、商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に該当する。 このように、被請求人は、少なくとも令和2年11月頃、日本国内において、保険代理店業務に関する取引書類に本件商標を付して頒布している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 カ 保険事業部のウエルカムボード 乙8及び乙38には、保険事業部の事務所の入口に展示されているウエルカムボードが示されている。保険事業部のウエルカムボードには、本件商標に加えて、保険事業部の社員2名の氏名と顔写真が掲載されている。 F氏は、平成29年11月16日に財務局に対して生命保険募集人の登録申請を行っている(乙10)。保険事業部のウエルカムボードの展示は、この登録申請からしばらくして開始されている。乙26は、保険事業部のウエルカムボードに掲載されている印刷物の電子データを専用ソフトで表示した画面の出力である。乙26には、作成日として「2018年2月18日(日)」、修正日として「2018年2月21日(水)」が示されている。したがって、保険事業部のウエルカムボードは、平成30年(2018年)2月下旬頃に製作され、保険事業部の事務所の入口に展示されたことが分かる。 例えば、喫茶店が店名を付したコーヒーサイフォンを店内に飾ったり、野球場のマスコットに球団名を表示したり、ホテルがボーイにホテル名を付したユニフォームを着用させたりすることは、商標法第2条3項第5号の「役務の提供の用に供する物に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」に該当するとされている。同項同号に該当するか否かの判断基準は、需要者の目にとまる展示か否かである。保険事業部のウエルカムボードは、保険事業部の事務所の入口に展示されている。また、乙8の「いらっしゃいませ!」の文字から分かるとおり、保険事業部のウエルカムボードは、保険事業部の事務所を訪問する人を出迎えるためのものであるから、間違いなく、保険事業部の事務所を訪問した取引相手や顧客の目に止まる展示である(乙8、乙38)。 このように、被請求人は、平成30年2月下旬頃から現在まで、日本国内において、保険代理店業務の提供の用に供する物に本件商標を付したものを役務の提供のために展示している。これは、商標法第2条第3項第5号の使用に該当する。 キ 保険事業部の勧誘方針の紙面 乙27から乙29及び乙39には、金融サービスの提供に関する本件商標権者の保険事業部の勧誘方針の紙面が示されている。保険事業部の勧誘方針には、本件商標に加えて、被請求人の名称が表記されている。 乙30は、保険事業部の勧誘方針の紙面の電子データ(エクセルファイル)の出力である。乙31は、乙30のエクセルファイルのプロパティを表示した画面の出力である。乙31には、コンテンツの作成日時として「2013/9/21 16:17」の文字が示されている。この電子データは、ファイルの修正のたびに上書きして保存されている。 乙32では、「金融サービスの提供に関する法律」への対応の考え方が解説されている。乙32の21頁の「対応上の考え方」によれば、金融サービスの提供に関する勧誘方針は、損害保険会社のみならず、損害保険代理店も個々の事務所での公表を義務付けられている。そうすると、保険事業部の勧誘方針の紙面は、商標法第2条第3項第5号の「役務の提供の用に供する物」に該当する。 また、乙32の3頁の「<この資料の位置づけ>」の注意書きによれば、令和3年(2021年)11月1日より、「金融商品の販売等に関する法律」から「金融サービスの提供に関する法律」へ法律名が変更されている。これに伴い、被請求人は、令和3年11月頃、勧誘方針の文章に含まれる「金融商品の販売等」という文言を「金融サービスの提供」という文言に変更した。したがって、保険事業部の勧誘方針の紙面は、概ね乙31に示す文言が記載された状態で、令和3年11月頃から現在まで、保険事業部の事務所のホワイトボードに掲示されていることが分かる。 そして、乙32の21頁の「条文解釈上の考え方」によれば、保険事業部の勧誘方針は、掲示又は閲覧に供する必要があることから、保険事業部の勧誘方針の紙面は、保険事業部の事務所を訪問した取引相手や顧客の目に止まる展示である(乙27~乙29、乙39)。 このように、被請求人は、遅くとも令和3年11月頃から現在まで、日本国内において、保険代理店業務の提供の用に供する物に本件商標を付したものを役務の提供のために展示している。これは、商標法第2条第3項第5号の使用に該当する。 ク 被請求人の販促品 被請求人は、乙33に示す3つの販売促進品を製作している。被請求人の販促品は、3つともマグネットであり、紙面をホワイトボード等の金属製のものに掲示する際、紙面を押さえる用途に使用される。 乙34には、被請求人の販促品を保管している段ボール箱が示されている。また、乙35には、この段ボール箱に貼付されている送り状が示されている。乙35の送り状には、「To」の後に、「TOHOKU ANZENGARASU LTD」が記載され、「Date」の後に「2014-06-24」が記載されている。 被請求人は、被請求人の販促品の製作を中国企業に依頼し、平成26年(2014年)6月から7月に被請求人の本社にて受領した。被請求人の販促品は、平成26年7月頃から、取引先や顧客に配布されたり、保険事業部を含む被請求人の社員によって日常業務に使用されたりしている。被請求人の販促品は、例えば、保険事業部の事務所のホワイトボードの左下に戴置されている(乙39、乙40)。乙39及び乙40では、本件商標が付された被請求人の販促品が戴置されていないが、被請求人の社員は、3種類の被請求人の販促品を区別することなく使用しているので、本件商標が付された被請求人の販促品も、保険事業部の事務所のホワイトボードに戴置されていたことがあると推測される。現在は、積極的に取引先や顧客に配布していないが、希望者がいれば配布しても良いことになっている。 被請求人の販促品は、商標法第2条第3項第8号の「広告」に該当する。 このように、被請求人は、平成26年7月頃から現在まで、日本国内において、保険代理店業務に関する広告に本件商標を付して展示又は頒布している。これは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 (3)まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間内に、日本国内において、本件請求役務について日常的に本件商標を使用している。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者について 本件商標権者は、秋田県秋田市に本店がある昭和55年に設立された会社であり、東北一円に自動車関連商品の卸売及び小売業を展開し、自動車ガラスの販売及び取付修理などのほか、損害保険・生命保険代理店を事業内容としている(乙1、乙2)。 (2)本件商標権者の保険事業 ア 本件商標権者は、株式会社損害保険ジャパンとの間で、平成25年(2013年)11月7日付けで、損害保険代理店委託契約を締結しており、同社の「個人用自動車保険」のパンフレット(2022年8月4日版)に掲載されているような保険商品を取り扱っている(乙11、乙12)。 イ 本件商標権者の保険事業部には、少なくとも2名のスタッフ(生命保険又は損害保険の募集などに関与する者)がおり、その名刺の裏面には「取扱商品」として、複数の生命保険会社及び損害保険会社の名称が記載されている(乙8~乙10)。 (3)本件商標権者の店舗看板 ア 写真(2022年10月撮影。乙14)によれば、本件商標権者の本社の屋上看板及び建物の側面には、別掲2のとおり、「ANZEN」の文字を一部図案化した構成からなる商標(以下「本件使用商標1」という。)が表示されている。 イ 写真(乙5)によれば、本件商標権者の保険事業部の屋外看板には、別掲3のとおり、「ANZEN」の文字を一部図案化した構成からなる商標(以下「本件使用商標2」という。)が表示されている。 ウ K社作成の本件商標権者宛ての請求書(乙18)によれば、「保険事業部看板」の費用が、令和2年(2020年)11月18日付けで請求されている。 2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件商標権者は、秋田県秋田市を本店として、自動車関連商品の卸売及び小売業のほか、損害保険・生命保険代理店業務を事業内容とし、遅くとも2013年には当該保険事業を始めており、保険事業部のスタッフなどを通じて、「個人用自動車保険」を含む生命保険や損害保険を取り扱う保険代理店事業を継続的に行っていると考えられる。 したがって、本件商標権者は、本件請求役務「生命保険契約の締結の媒介,損害保険契約の締結の代理」を提供していると認められる。 (2)本件商標権者の本店の屋外看板には、2022年10月時点で本件使用商標1が表示されており、その保険事業部の屋外看板には、2020年11月頃には本件使用商標2が表示されていたと考えられるから、いずれも要証期間に展示されていたといえる。 (3)本件使用商標1及び本件使用商標2は、別掲2及び別掲3のとおり、「ANZEN」の文字を一部図案化した態様(「ANZ」の文字部分に重ねて楕円を配置して、「A」の横棒を当該楕円の線で代替させるようにし、また、当該楕円及び「Z」の斜線を黄色とする以外は、青色で表してなる。)で表してなるところ、本件商標も、別掲1のとおり、それらと同様の態様で「ANZEN」の文字を一部図案化して表してなるから、両者は社会通念上同一の商標(同一の文字からなる商標又は外観において同視される商標)と認められる。 (4)以上を踏まえると、本件商標権者は、要証期間に、本件請求役務を提供する店舗(本店及び保険事業部)の広告(屋外看板)に、本件商標と社会通念上同一の標章(本件使用商標1及び本件使用商標2)を付して展示したといえる(商標法第2条第3項第8号)。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者が、本件請求役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。 したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-300295

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